>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

X 6319-4

:2010

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義,並びに略語及び記号 

2

3.1

  用語及び定義 

2

3.2

  略語及び記号 

4

4

  物理的特性 

5

4.1

  一般物理的特性

5

4.2

  寸法

5

4.3

  表面状態 

5

4.4

  基材材質 

5

4.5

  追加物理的特性

5

5

  電波インタフェース

6

5.1

  電力伝送 

6

5.2

  PCD から PICC への信号伝送

7

5.3

  PICC から PCD への信号伝送

9

6

  キャラクタ,フレーム形式及びタイミング

9

6.1

  キャラクタ伝送

9

6.2

  フレーム形式 

10

6.3

  PICC の応答タイミング 

12

7

  コマンドメッセージ及びレスポンスメッセージの概要 

13

8

  初期化,衝突防止及び状態遷移

14

8.1

  初期化通信 

14

8.2

  衝突防止手順 

14

8.3

  PICC の状態 

15

8.4

  衝突防止応答規則

17

8.5

  REQ コマンド 

17

8.6

  REQ レスポンス(ATQ) 

19

8.7

  WUP コマンド

21

8.8

  WUP レスポンス 

21

8.9

  HLT コマンド 

22

8.10

  HLT レスポンス

22

8.11

  ATTR コマンド 

22

8.12

  ATTR レスポンス

24

9

  ファイル

25


X 6319-4

:2010  目次

(2)

ページ

9.1

  ファイルの構成

25

9.2

  ファイルの種類

26

9.3

  ファイル群の構成

28

9.4

  ブロック 

29

9.5

  サービスファイルへのアクセス種別 

29

10

  コマンド及びレスポンス 

32

10.1

  コマンド及びレスポンス一覧

32

10.2

  PICC のモード遷移

33

10.3

  Request Service コマンド及びレスポンス

34

10.4

  Request Response コマンド及びレスポンス 

34

10.5

  Read コマンド及びレスポンス

35

10.6

  Write コマンド及びレスポンス

38

10.7

  Authentication1 コマンド及び Authentication2 コマンド

39

10.8

  Read from Secure File コマンド及びレスポンス 

40

10.9

  Write to Secure File コマンド及びレスポンス 

40

10.10

  独自コマンド及びレスポンス

41

10.11

  拡張コマンド及びレスポンス

41

附属書 A(参考)セキュリティ 

43

附属書 B(参考)コマンドシーケンス例

47

附属書 C(参考)エンディアン形式

60


X 6319-4

:2010

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本

IC カードシステム利用促進協議会(JICSAP)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具

して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正

した日本工業規格である。

これによって,JIS X 6319-4:2005 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。 

JIS X 6319

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS X 6319-1

第 1 部:外部端子付き IC カード

JIS X 6319-2

第 2 部:外部端子なし近接型 IC カード

JIS X 6319-3

第 3 部:共通コマンド

JIS X 6319-4

第 4 部:高速処理用近接型 IC カード


日本工業規格

JIS

 X

6319-4

:2010

IC

カード実装仕様−

第 4 部:高速処理用近接型 IC カード

Specification of implementation for integrated circuit (s) cards-

Part 4: High speed proximity cards

序文 

この規格は,

外部端子のない近接型の IC カード及びこれと結合する結合装置を規定するために作成した

日本工業規格である。

この規格は,非接触インタフェースの互換性を確保するために,

具体的な実装仕様の規定を行っている。

近接型 IC カードは,多様な応用形態・運用形態が想定され,さらに,IC チップの動作電力低下などの技

術進歩があるため,システム構築者及びシステム運用者が新たな規定を用いて選択することを妨げない。

また,外部端子付き IC カードとの複合形として使用される可能性などにも留意している。

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。

適用範囲 

この規格は,高速化機能をもつ外部端子のない近接型 IC カード(以下,カードという。

)の物理特性,

電波インタフェース,伝送プロトコル,ファイル構造,コマンドなどについて規定する。

このカードは,複数のファイルをファイル相互のセキュリティを保ちながら,少ないトランザクション

によって,一度に処理する機能及び処理途中の電力遮断にも対処する機能をもつ。

例えば,鉄道の改札口,イベント会場の入り口などで,利用者が移動しながら,その利用権利の確認及

び処理を短時間で行う高速処理を必要とするシステムにおいて用いる。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS X 5211

  シ ス テ ム 間 の 通 信 及 び 情 報 交 換 − 近 距 離 通 信 用 イ ン タ フ ェ ー ス 及 び プ ロ ト コ ル

(NFCIP-1)

JIS X 6301

  識別カード−物理的特性

JIS X 6305-1

  識別カードの試験方法−第 1 部:一般的特性

JIS X 6305-6

  識別カードの試験方法−第 6 部:外部端子なし IC カード−近接型

JIS X 6320-4

  識別カード−IC カード−第 4 部:交換のための構成,セキュリティ及びコマンド

JIS X 6322-1

  外部端子なし IC カード−近接型−第 1 部:物理的特性

JIS X 6322-2

  外部端子なし IC カード−近接型−第 2 部:電力伝送及び信号インタフェース

JIS X 6322-3

  外部端子なし IC カード−近接型−第 3 部:初期化及び衝突防止


2

X 6319-4

:2010

JIS X 6322-4

  外部端子なし IC カード−近接型−第 4 部:伝送プロトコル

用語及び定義,並びに略語及び記号 

この規格で用いる主な用語及び定義,並びに略語及び記号は,JIS X 6322-1JIS X 6322-4JIS X 6320-4

及び JIS X 6305-6 によるほか,次による。

3.1 

用語及び定義 

3.1.1 

アクセス制御処理区分(access control process category)

アクセスのときに事前に認証を必要とするか否か,及びサービスファイル内のブロックへのアクセス方

法を格納した情報。

3.1.2 

エリアかぎ(鍵)(area key)

エリアファイルのアクセス権を認証するかぎ(鍵)

3.1.3 

エリアファイル(area file)

PICC 内で,ファイルの階層を管理するためのファイル。

3.1.4 

エリアファイル構造体(area file structure)

PICC の運用者が使用可能なファイルのファイル識別子の範囲,使用可能なブロック数,その運用者に与

えられる権限などを定義するブロック。

3.1.5 

エリアファイル識別子(area file identifier)

エリア番号及びアクセス制御処理区分で構成する識別子。

3.1.6 

エリア番号(area number)

PICC 内で一意にエリアファイルを識別するための番号。

3.1.7 

応答時間記述子(response time descriptor)

各コマンドの応答時間を決定する情報。

注記  “応答時間記述子”は,JIS X 6319-4:2005 で“Pad”としていた。

3.1.8 

減算アクセス(decrement access)

加減算アクセスにおいて,書込み処理で,PICC 内のデータを減算するアクセス制御処理区分。

3.1.9 

サービスかぎ(鍵)(service key)

サービスファイルのアクセス権を認証するかぎ(鍵)

3.1.10 

サービスファイル(service file)

PCD から PICC にアクセスするときのアクセス単位とし,PICC 内の記憶域において,同一のアクセス制

御処理区分をもつように定義する領域。


3

X 6319-4

:2010

3.1.11 

サービスファイル構造体(service file structure)

該当サービスのアクセス制御処理区分,

アクセス可能なブロックの位置,

範囲などを定義するブロック。

3.1.12 

サービスファイル識別子(service file identifier)

サービス番号及びアクセス制御処理区分で構成する識別子。

3.1.13 

サービス番号(service number)

PICC 内で一意にサービスファイルを識別するための番号。

3.1.14 

システムコード(system code)

初期化通信において,PICC 群の絞込みを行うために用いるパラメタ。

3.1.15 

上位層プロトコル(higher layer protocol)

この規格に規定されているプロトコル層を用いて,この規格で定義していないプロトコル(アプリケー

ション又はプロトコルの上位層)に属する情報を伝送するための(この規格に記述されていない)プロト

コル層。

3.1.16 

ステータスフラグ(status flag)

PICC の処理結果を示すフラグ。ステータスフラグ 1 は,処理結果又は誤り発生箇所を示し,ステータス

フラグ 2 は,その詳細情報を示す。

3.1.17 

相互認証(mutual authentication)

PCD と PICC との間において,両者がお互いに相手の信ぴょう(憑)性を確認すること。

3.1.18 

タイムスロット(time slot)

初期化通信において,複数の PICC が送出する応答の衝突を回避するために規定された時間枠。

3.1.19 

直接アクセス(direct access)

加減算アクセスにおいて,

書込み処理で,

PICC 内のデータをそのまま上書きするアクセス制御処理区分。

3.1.20 

電力負荷(power load)

動作磁界のエネルギーを基準 PICC 又は試験対象品 PICC に消費させる負荷。

3.1.21 

発行識別子,IDi(issue ID)

PICC 発行時に書き込まれる情報。

3.1.22 

発行パラメタ,PMi(issue parameter)

PICC 発行時に書き込まれる補足情報。


4

X 6319-4

:2010

3.1.23 

PICC

識別子(PICC identifier)

製造者が指定した PICC 固有の番号。

注記  “PICC 識別子”は,JIS X 6319-4:2005 で“NFCID2”としていた。

3.1.24 

非接触インタフェース(contactless interface)

信号の送受信及び PICC への電力供給に,導通接点を用いないで(すなわち,PCD と PICC に組み込ま

れた IC とを直接接触することなしに)行うもの。

3.1.25 

ファイル識別子(file identifier)

PICC 内の記憶域に存在するファイルを識別するための情報。エリアファイルを識別するエリアファイル

識別子及びサービスファイルを識別するサービスファイル識別子がある。

3.1.26 

ブロック(block)

PICC 内の記憶域に対する読出し,書込み及び消去の最小単位。

3.1.27 

ブロック番号(block number)

特定のサービスファイルに属するブロックの論理的な位置を管理するための番号。PCD から PICC 内の

記憶域にアクセスする場合,このブロック番号を用いる。

3.1.28 

ブロックリスト(block list)

ブロックに対するアクセスモード,ブロック番号及びファイル識別子リストで指定したサービスファイ

ルの順番を表したリスト。

3.1.29 

戻入れアクセス(cash back access)

加減算アクセスにおいて,書込み処理で,PICC 内のデータに対して,直前に減算した値の範囲内で加算

できるアクセス制御処理区分。

3.1.30 

リクエストコード(request code)

初期化通信において,PCD が PICC に追加情報を要求するために用いるパラメタ。

3.1.31 

リクエストデータ(request data)

初期化通信において,PICC が PCD の要求に従って送出する追加情報。

3.2 

略語及び記号 

ASK

振幅変位キーイング(amplitude shift keying)

CRC

巡回冗長検査符号(cyclic redundancy check code)

EDC

誤り検出符号(error detection code)

fc

搬送波の周波数  [frequency of operating field (carrier frequency)]

Hmax

最大動作磁界強度(maximum field strength of the PCD antenna field)

Hmin

最小動作磁界強度(minimum field strength of the PCD antenna field)


5

X 6319-4

:2010

IDi

発行識別子(issue ID)

LEN

長さバイト(length byte)

LSB

最下位バイト(least significant byte)

lsb

最下位ビット(least significant bit)

MSB

最上位バイト(most significant byte)

msb

最上位ビット(most significant bit)

N

衝突防止用スロット数又は PICC が各スロットに応答する確率

(number of anticollision slots or PICC

response probability in each slot)

PCD

近接型結合装置(proximity coupling device)

PICC

近接型 IC カード(proximity card)

PMi

発行パラメタ(issue parameter)

R

衝突防止手順中に選択されたスロット番号(slot number chosen by the PICC during the anticollision

 sequence)

REQ

リクエストコマンド(request command)

RF

無線周波数(radio frequency)

RFU

将来の利用のために留保(reserved for future use)

WUP

ウェイクアップコマンド(wake up command)

この規格で用いられるデータ値は,次のように表す。

b“xxxx xxxx”  2 進数のビット表現

“XX” 16 進数

物理的特性 

4.1 

一般物理的特性 

カードは,JIS X 6301 に規定する ID-1 型識別カードの一般物理的特性を備えていなければならない。

4.2 

寸法 

カードの公称寸法は,ID-1 型識別カードとして JIS X 6301 に規定する仕様を満足しなければならない。

4.3 

表面状態 

カード表面の平滑度は,カードの搬送などに支障がないようにしなければならない。

4.4 

基材材質 

カードの基材材質は,PET(ポリエチレンテレフタレート)又は同等品とする。

4.5 

追加物理的特性 

4.5.1 

静電気 

カードは,JIS X 6305-6 に規定する方法で,6 kV を印加する試験をした後,正常に動作しなければなら

ない。

4.5.2 

静磁界 

カードは,640 kA/m の静磁界にさらした後,正常に動作しなければならない。

注記  そのような磁界の下では,磁気ストライプ上のデータが消去されるおそれがある。

4.5.3 

動作温度 

カードは,−5∼+50  ℃の温度環境で,正常に動作しなければならない。


6

X 6319-4

:2010

4.5.4 

耐寒耐熱性 

カードは,JIS X 6305-1 に規定する方法で,規定の温度及び湿度条件下に放置した後,カードの反りの

仕様を満たし,機能は正常でなければならない。

4.5.5 

耐湿性 

カードは,温度 40  ℃,相対湿度 90 %の温度及び相対湿度条件に 48 時間放置した後,カードの反りの

仕様を満たし,機能は正常でなければならない。

4.5.6 

耐温度サイクル 

カードは,−25  ℃で 30 分,常温常湿(23±3  ℃,相対湿度 40∼60 %)で 5 分,+85  ℃で 30 分及び常

温常湿で 5 分の温度サイクルを 10 回繰り返した後,正常に動作しなければならない。

4.5.7 

耐落下衝撃性 

カードは,1.5 m の高さからコンクリート面に,3 方向でそれぞれ 2 回自然落下させた後(3 方向とは,

短辺,長辺及び面方向とする。

,正常に動作しなければならない。

4.5.8 

静的曲げ強さ 

カードは,JIS X 6305-1 に規定する方法で,0.7 N の荷重を 1 分間加える試験をした後,正常に動作しな

ければならない。

4.5.9 

点圧強度 

カードは,IC チップ部実装部へφ1 mm の鋼球で 1.5 N の力を加えたときと等しい圧力を加えた後,正

常に動作しなければならない。

4.5.10 

層間はく離 

カードは,JIS X 6305-1 に規定する方法で試験し,はく離強度 6 N/cm 以上でなければならない。

4.5.11 

接着性及び粘着性 

カードは,JIS X 6305-1 に規定する方法で,2.5 kPa の圧力を加える試験をした後,外観及びカード分離

に異常があってはならない。

4.5.12 

耐薬品性 

カードは,JIS X 6305-1 に規定する方法で,指定する各溶液中に 1 分間浸す試験をした後,外観及び機

能に異常があってはならない。

4.5.13 

光透過性 

カードは,JIS X 6305-1 に規定する方法で試験し,光透過濃度が 1.5 以上でなければならない。

4.5.14 

保存環境温度 

カードは,−35  ℃及び+85  ℃にそれぞれ 60 分間放置した後,正常に動作しなければならない。

4.5.15 

対環境性 

カードは,通常の使用で毒性が生じてはならない。また,廃棄及び焼却する場合,有毒ガスが生じては

ならない。

4.5.16 

カール,ばり及びかす 

カードは,カール,ばり及びかすによって,発行する機器に支障を来たしてはならない。

電波インタフェース 

5.1 

電力伝送 

PCD は,RF 動作磁界を発生することによって PICC へ電力を伝送する。


7

X 6319-4

:2010

5.1.1 

周波数 

RF 動作磁界の搬送波の周波数 fc は,13.56 MHz とする。

5.1.2 

周波数の許容偏差 

周波数の許容偏差は,±50 ppm 以内とする。

5.1.3 

漏えい電界強度 

漏えい電界強度の値は,電波法に従う。

5.1.4 

動作磁界 

無変調状態において,最小動作磁界強度は Hmin とし,その値は 1.5A/m(rms)とする。

無変調状態において,最大動作磁界強度は Hmax とし,その値は 7.5A/m(rms)とする[JIS X 6322-2

の 6.2(動作磁界)参照]

5.2 PCD

から PICC への信号伝送 

5.2.1 

ビット伝送速度 

伝送時間単位 etu は,次による。

etu=128/(D×fc)

除数 D の値は,ビット伝送速度に依存し,

表 による。

表 1−除数 の値 

ビット伝送速度

除数 D

fc/64

(約 212 kb/s)

2

fc/32

(約 424 kb/s)

4

5.2.2 

占有周波数帯幅 

占有周波数帯幅は,7R(R:パルスによって構成する変調信号の毎秒のビット数)以下とする。

5.2.3 

変調方式 

PCD から PICC への信号伝送は,無線周波数の動作磁界を ASK 10 %で変調する方式を用いる。

変調度は,8 %∼14 %の間でなければならない。

変調波形は,

図 及び表 に示す値を満足しなければならない。変調の立上がり,立下がりは単調でな

ければならない。


8

X 6319-4

:2010

図 1−変調波形 

表 2−変調波形パラメタ 

ビット伝送速度

項目

fc/64

fc/32

t

f

 2

μs max

1 μs max

t

r

 2

μs max

1 μs max

y 0.1×(a−b) 0.1×(a−b) 
h

f

,h

r

 0.1×(a−b) max

0.1×(a−b) max

5.2.4 

ビット符号化方式 

ビット符号化方式は,マンチェスタ符号化方式とする。

論理 1:ビット間隔の前半が振幅の大きい搬送波(無変調の状態)で,後半が振幅の小さい搬送波。

論理 0:ビット間隔の前半が振幅の小さい搬送波で,後半が振幅の大きい搬送波(無変調の状態)

無信号状態:ビット間隔全体が振幅の大きい搬送波(無変調の状態)

図 に,ビット符号化例を示す。

b

t

f

t

r

y

y

h

f

h

r

a


9

X 6319-4

:2010

PCD 

  
 

PICC 

PICC 

  
 

PCD 

ASK 10% 
マンチェスタ符号化

負荷変調 
副搬送波なし 
ASK 
マンチェスタ符号化

1

0

0

1

0

1

0

0

1

0

図 2−ビット符号化例 

5.3 PICC

から PCD への信号伝送 

5.3.1 

ビット伝送速度 

ビット伝送速度は,

表 による。

5.3.2 

変調方式 

PICC は,搬送波を負荷変調することによって,磁気結合を介して PCD に通信できなければならない。

負荷変調の振幅は,JIS X 6305-6 に規定する試験方法によって測定した場合,30/H

1.2

(mV peak)以上でな

ければならない。

H

は,磁界の強さで,その単位は,A/m(rms)とする。

5.3.3 

ビット符号化方式 

ビット符号化方式は,マンチェスタ符号化方式とする。

論理 1:ビット間隔の前半が振幅の大きい搬送波(無変調の状態)で,後半が振幅の小さい搬送波。

論理 0:ビット間隔の前半が振幅の小さい搬送波で,後半が振幅の大きい搬送波(無変調の状態)

無信号状態:ビット間隔全体が振幅の大きい搬送波(無変調の状態)

キャラクタ,フレーム形式及びタイミング 

PICC のキャラクタ,フレーム形式及びタイミングについて規定する。ビットの構成及び符号化について

は,5.2.4 及び 5.3.3 による。

6.1 

キャラクタ伝送 

6.1.1 

キャラクタ伝送形式 

1 キャラクタは,図 に示す 8 ビットによって構成する 1 バイトとして msb から伝送される。


10

X 6319-4

:2010

            時間 t

msb

lsb

  b8 b7 b6 b5 b4 b3 b2 b1

 

8 ビット

      ビット符号化の例

            時間 t

msb

lsb

 b8

1

b7

0

b6

1

b5

1

b4

0

b3

0

b2

1

b1

0

8 ビット

例  “B2”の場合,b“10110010”となる。 

図 3−キャラクタ形式 

6.1.2 

キャラクタ間隔 

一つのキャラクタと次のキャラクタとの間には,空き時間は存在しない。

キャラクタ列は,

図 に示すように,後続のキャラクタは空き時間なしに送出されなければならない。

図 4−キャラクタ列 

6.1.3 

キャラクタ伝送順序 

キャラクタ伝送順序は,ビッグエンディアン形式とする。ただし,指示がある場合は,リトルエンディ

アン形式とする。

注記  エンディアン形式については,附属書 を参照。

6.2 

フレーム形式 

PCD 及び PICC は,フレーム形式で信号伝送しなければならない。

フレームは,先頭フィールド,情報フィールド及び最終フィールドで構成する(

図 参照)。


11

X 6319-4

:2010

長さバイト(LEN) :1 バイト 
データフィールド  :

(LEN−1)バイト

注記  データフィールドのデータ長は,JIS X 6319-4:2005 で“1∼253 バイト”としていた。

図 5−フレーム形式 

6.2.1 

先頭フィールド 

先頭フィールドは,6 バイトのプリアンブル及び 2 バイトの同期コードで構成し,それらの値は,JIS X 

5211

準拠とし,次のとおりとしなければならない(

図 参照)。

プリアンブル(6 バイト) :

“000000000000”

同期コード(2 バイト)

“B24D”

6.2.2 

情報フィールド 

情報フィールドは,長さバイト(LEN)とデータフィールドとから構成する(

図 参照)。

長さバイト(LEN)は,先頭 1 バイトとし,その値は,長さバイト(LEN)を含んだ情報フィールドの

長さを表す。

LEN の符号化は,“01”∼“FF”(情報フィールドのバイト数)とする。

データフィールドは,単一のメッセージによって構成する。

情報フィールド

LEN

データフィールド

1 バイト

(LEN−1)バイト

図 6−情報フィールドの構成 

メッセージには,コマンドメッセージ及びレスポンスメッセージがある。

コマンドメッセージは,コマンドコード及びコマンドパラメタによって構成する(

図 参照)。

レスポンスメッセージは,レスポンスコード及びレスポンスパラメタによって構成する(

図 参照)。

コマンドメッセージ

コマンドコード

コマンドパラメタ

図 7−コマンドメッセージ 


12

X 6319-4

:2010

レスポンスメッセージ

レスポンスコード

レスポンスパラメタ

図 8−レスポンスメッセージ 

6.2.3 

最終フィールド 

最終フィールドは,情報フィールドの誤り検出符号(EDC)を伝達する(

図 参照)。

フレームは,EDC が正しい場合だけ有効として扱われる。

EDC には,巡回冗長検査符号(CRC)を用いる。

CRC は,その情報フィールド内のすべてのデータビットから計算され,その値は次の式によって求めら

れる。初期値は,全ビット b“0”の“0000”とする。

CRC(2 バイト)=X

16

+X

12

+X

5

+1

6.3 PICC

の応答タイミング 

PICC の応答は,PCD からのコマンドフレーム終了後,6.3.1 及び 6.3.2 に示すタイミングによらなければ

ならない。応答タイミングは,衝突防止処理時と通常のコマンド処理時とで異なる。

6.3.1 

衝突防止処理中の応答タイミング 

衝突防止処理中の PICC は,

複数個のタイムスロットのいずれかの開始タイミングで REQ レスポンス

8.6

参照)又は WUP レスポンス(8.8 参照)を応答しなければならない。第 1 番目のタイムスロットは,REQ

コマンド(8.5 参照)又は WUP コマンド(8.7 参照)のコマンドフレームの終了から 512×64/fc(約 2.417 ms)

後に開始する。タイムスロットの時間幅は,256×64/fc(約 1.208 ms)とする。どのタイムスロットの開始

タイミングで応答するかは,8.4 で規定する。

図 に,二つの PICC の応答タイミング例を示す。ここでは,PICC 1 が第 3 タイムスロットで REQ レス

ポンス又は WUP レスポンスを応答し,PICC 2 が第 1 タイムスロットで REQ レスポンス又は WUP レスポ

ンスを応答している。

PCD

PICC 1

PICC 2

REQコマンド

(又はWUPコマンド)

レスポンス

無変調キャリア

(A)

(B)

レスポンス

スロット#0

スロット#1

スロット#2

スロット#3

(B)

(B)

(B)

(A) PICC の処理時間 
(B)  タイムスロット枠時間

図 9REQ 又は WUP コマンドへの応答タイミング例 


13

X 6319-4

:2010

6.3.2 

通常のコマンドでの応答タイミング 

PICC は,受信したコマンドフレームの終了から,算出パラメタから算出される待ち時間以内に各コマン

ドの応答を開始し,終了しなければならない(

図 10 参照)。

PICC は,PCD からのコマンド対応応答待ち時間算出パラメタを,衝突防止時の応答として PCD に伝え

なければならない。時間の計算方法については,REQ レスポンスを参照する(8.6.3 参照)

注記  この時間は,各カードで性能が異なる場合を考慮して,カードごとの送受信が最適に行えるよ

うに設定する。また,この時間は,PCD から見た場合,PICC からの応答に対する最大待ち時

間となる。

図 10−待ち時間 

コマンドメッセージ及びレスポンスメッセージの概要 

コマンドメッセージ及びレスポンスメッセージは,PCD と PICC との間でフレーム形式によって交換す

る。

PCD は,PICC にコマンドメッセージを送り,PICC は,そのコマンドに対するレスポンスメッセージを

返す。

PICC は,コマンドメッセージを受けない限りレスポンスメッセージを返さない。

コマンドメッセージ及びレスポンスメッセージは,一意対応するが,PICC は,コマンドメッセージの種

類によってレスポンスメッセージを返さない場合がある。

コマンドメッセージ及びレスポンスメッセージには,必す(須)及び任意選択がある(

表 10 参照)。

コマンドコード及びレスポンスコードは,

表 10 で規定するものを用いなければならない。

PICC は,表 10 で規定するコマンドコード以外の場合は,無視してよい。

コマンドメッセージ及びレスポンスメッセージは,同一の変調方式を用いるので,コマンドコードは,

偶数値とし,レスポンスコードは,コマンドコードに 1 を加えた値として区別している。

コマンドメッセージは,暗号通信を行うコマンドメッセージと,暗号通信を行わないコマンドメッセー

ジとに分類される。暗号通信を行うコマンドメッセージ及びレスポンスメッセージのパラメタは,暗号化

される。この規格で暗号通信されるメッセージは,Read from Secure File コマンド及びレスポンス,Write to

Secure File コマンド及びレスポンス,並びに Authentication2 レスポンスとする。

PICC は,自身の PICC 識別子と一致しない PICC 識別子が含まれるコマンドメッセージを受信した場合,

レスポンスメッセージを返してはならない。


14

X 6319-4

:2010

PICC は,暗号通信を行うコマンドメッセージのパラメタを処理できないと判断した場合,レスポンスメ

ッセージを返してはならない。

PICC は,PICC 識別子を含むレスポンスメッセージを返す場合,自身の PICC 識別子を格納しなければ

ならない。

初期化,衝突防止及び状態遷移 

PICC の初期化,衝突防止手順,状態遷移及びそれらで用いるコマンドについて規定する。

8.1 

初期化通信 

PCD と PICC との間の初期化通信は,次の手順に従う。

a) PICC

は,PCD の発生する RF 動作磁界の中に置かれて電力が供給される。

b) PICC

は,PCD から REQ コマンド[必す(須)

]又は WUP コマンド(任意選択)を受信するまで待機

する。

c) PICC

は,複数のタイムスロットの中から一つのタイムスロットを確率的に選択し,そのタイムスロッ

トのタイミングで応答する。

注記 1 PCD は,動作磁界内にある PICC を検出するために,REQ コマンド又は WUP コマンドを繰

り返し送出してもよい。

注記 2 WUP コマンドを利用可能な PCD は,WUP コマンドを送出してもよい。

8.2 

衝突防止手順 

衝突防止手順は,

ここで説明する REQ コマンド又は WUP コマンドを用いて,

PCD によって制御される。

PCD は,主体となって一つ以上の PICC と通信する。PCD は,PICC が応答するように REQ コマンド又

は WUP コマンドを発行する。

衝突防止手順中に,2 枚以上の PICC が同時に応答した場合,衝突が発生したことになる。

衝突防止処理の結果,PICC からの通信は,PCD の制御の下におかれ,同時には 1 枚の PICC が通信する

ことを許可される。

衝突防止の機構は,タイムスロットの原理に基づく。PCD は,REQ コマンド又は WUP コマンドのタイ

ムスロット数を 0 以上の整数値に設定しなければならない。

PICC は,REQ コマンド又は WUP コマンドを受信した場合,REQ コマンド又は WUP コマンドのパラメ

タのシステムコードが該当したときに乱数 R を発生し,タイムスロット番号が R に一致するまで待機しな

ければならない。その後,PICC は,識別データ(PICC 識別子及び応答時間記述子)を含めて REQ レスポ

ンス又は WUP レスポンスで応答しなければならない。

注記  R は,0∼N の範囲で PICC によって選択される乱数とする(N の符号化は表 参照)。

PCD は,異なるタイムスロットの中で PICC の識別データを読むことができなければならない。PCD が

発生する動作磁界内に複数の PICC が存在する場合,各スロットで 1 枚の PICC だけが応答したときに,

PCD は,その識別データをとら(捉)えなければならない。PCD は,取得した識別データで PICC を特定

する。この後,アプリケーションデータの通信を行うために,取得した識別データを使って,識別された

それぞれの PICC を選択してもよい。

PCD は,次の方法によって PICC からの REQ コマンドへの返答による衝突確率を軽減させてもよい。

HLT コマンドを利用可能な PCD は,特定できた PICC に対して HLT コマンドを実行することで,PICC

を HALT 状態に遷移させ,PICC に REQ コマンドを受け付けなくさせることができる。


15

X 6319-4

:2010

8.3 PICC

の状態 

衝突防止手順における PICC の詳細な動作は,幾つかの状態又はその状態間の遷移条件によって示され

る。

8.3.1 

状態遷移図 

PICC の状態遷移図を,図 11 に示す。 

注記 1 WUP コマンド及びレスポンスについては,8.7 及び 8.8 を参照。 
注記 2 HLT コマンド及びレスポンスについては,8.9 及び 8.10 を参照。 
注記 3 ATTR コマンド及びレスポンスについては,8.11 及び 8.12 を参照。 
注記 4 DESELECT については,JIS X 6322-4 を参照。

図 11PICC の状態遷移図 


16

X 6319-4

:2010

8.3.2 

状態遷移に関する一般事項 

PICC は,搬送波電力がなくなった場合,POWER_OFF 状態に移らなければならない。

フレームの認識に関して,PICC は,次の動作をしなければならない。

− PICC は,PCD からのフレームを CRC を含めて正しいと認識した場合,そのコマンドに応じた処理

を行う。

− PICC は,フレームを正しく認識した場合,応答し,誤りを検出した場合,応答しない。

8.3.3 POWER_OFF

状態 

定義:POWER_OFF 状態において,PICC は,搬送波電力がないので,電源が供給されていない。

状態遷移条件:PICC が Hmin より大きい動作磁界内に置かれた場合,IDLE 状態になる。

8.3.4 IDLE

状態 

定義:IDLE 状態において,PICC は,電源が供給されている。このとき,コマンドのフレーム信号を

監視しながら,REQ コマンドを認識しなければならない。WUP コマンドを利用可能な PICC

は,WUP コマンドを認識してもよい。また,電源途絶時の効率的な例外処理を利用可能な PICC

は,PICC 識別子が一致するコマンドを認識しなければならない。

状態遷移条件:該当するシステムコードの含まれる REQ コマンド又は WUP コマンドを認識した場

合,PICC は,READY-REQUESTED 状態になる(8.5 又は 8.7 参照)

電源途絶時の効率的な例外処理を利用可能な PICC は,PICC 識別子が一致するコマ

ンドを認識した場合,PICC は,ACTIVE 状態になる。

ATTR コマンドを利用可能な PICC は,自身の PICC 識別子と一致する PICC 識別子

をもつ ATTR コマンドを認識した場合,ATTR レスポンスを送出した後,ACTIVE 状

態(8.3.7.2 参照)へ遷移しなければならない。

HLT コマンドを利用可能な PICC は,PICC 識別子が一致する HLT コマンドを認識

した場合,HALT 状態になる。

8.3.5 READY-REQUESTED

状態(sub-state 

定義:READY-REQUESTED 状態において,PICC は,制御パラメタ N をもった REQ コマンド又は

WUP コマンドを確認する。PICC は,8.4 に規定する動作を制御するために使用する乱数 R を

計算する。

状態遷移条件:8.4 に従ったタイミングで REQ レスポンス又は WUP レスポンスを送出した後,

READY-DECLARED 状態になる。

8.3.6 READY-DECLARED

状態(sub-state 

定義:READY-DECLARED 状態において,PICC は,最後に確定した REQ コマンド又は WUP コマン

ドに対する REQ レスポンス又は WUP レスポンスを送出済みとする。

このとき,REQ コマンド及び他のコマンドを認識しなければならない。

状態遷移条件:REQ コマンド又は WUP コマンドを認識した場合,PICC は,IDLE 状態において REQ

コマンド又は WUP コマンドを認識した場合と同じ条件及び遷移先が適用される。

その他のコマンドを認識し,かつ,そのコマンドの PICC 識別子が自身の PICC 識別

子に一致する場合,PICC は,ACTIVE 状態(8.3.7.1 参照)になる。PICC 識別子が自

身の PICC 識別子に一致しない場合,READY-DECLARED 状態にとどまる。

ATTR コマンドを利用可能な PICC は,自身の PICC 識別子に一致する PICC 識別子

をもつ ATTR コマンドを認識した場合,ATTR レスポンスを送出した後,ACTIVE 状


17

X 6319-4

:2010

態(8.3.7.2 参照)へ遷移しなければならない。

HLT コマンドを利用可能な PICC は,PICC 識別子が一致する HLT コマンドを認識

した場合,HALT 状態になる。

8.3.7 ACTIVE

状態 

ACTIVE 状態には,コマンド処理の状態及び ACTIVE 処理の状態がある(図 11 参照)。

8.3.7.1 

コマンド処理の状態[必す(須)の ACTIVE 状態] 

定義:受信したコマンドメッセージを処理する。

状態遷移条件:コマンドメッセージを処理した後,READY-DECLARED 状態へ遷移する。

8.3.7.2 ACTIVE

処理の状態(任意選択の ACTIVE 状態) 

定義:上位層プロトコルが活性化された状態とする。

状態遷移条件:上位層プロトコルが非活性化された場合,PICC は,HALT 状態になる。

注記  上位層プロトコルは,JIS X 6322-4 などを参照(B.4 参照)。

8.3.8 HALT

状態 

定義:PICC は,WUP コマンドだけに応答する。

状態遷移条件:WUP コマンドを認識した場合,PICC は,IDLE 状態へ戻る。

8.4 

衝突防止応答規則 

READY-REQUESTED 状態にある PICC は,受信した REQ コマンド又は WUP コマンドのシステムコー

ドが PICC に設定されているシステムコードに該当(8.5.2 参照)する場合,次の規則に従う。

ここで,パラメタ N は,REQ コマンド又は WUP コマンドで与えられるタイムスロット数の値とする。

N=0 の場合,PICC は,応答メッセージを送信し,次のコマンドを待つ。

N>0 の場合,PICC は,0∼N の間の値が一様に分散した乱数 R を内部的に発生し,

−  R=0 のとき,PICC は,応答メッセージを送信し,次のコマンドを待つ。

−  R>0 のとき,PICC は,スロットタイミングが一致するまで待機してから応答メッセージを送

信し,次のコマンドを待つ。

8.5 REQ

コマンド 

REQ コマンドは,動作磁界内に PICC が存在するかどうかを PCD が検出するために使う。

8.5.1 REQ

コマンドの形式 

REQ コマンドの形式は,1 バイトのコマンドコード(“00”),2 バイトのシステムコード,1 バイトのリ

クエストコード,1 バイトのタイムスロット数の順で構成する(

図 12 参照)。

システムコード

コマンドコード

固定値フィールド

AFI フィールド

リクエストコード

タイムスロット数

1 バイト(“00”)

1 バイト(“AA”)

1 バイト

1 バイト

1 バイト

図 12REQ コマンドのコマンドメッセージ形式 

8.5.2 

システムコード 

初期化通信の完了とともに,目的の分野の PICC 群を絞り込むために,PCD が REQ コマンド又は WUP

コマンドの中に格納するパラメタをシステムコードとする。

システムコードの符号化は,1 バイト目を固定値フィールドとし,2 バイト目を AFI(Application Family

Identifier)フィールドとする。


18

X 6319-4

:2010

固定値フィールドの値は,

“AA”とする。

AFI フィールドの値は,JIS X 6322-3 を参照する。ただし,この規格では次の読替えを行わなければな

らない。

−  固定値フィールドの値が“AA”で,分野を特定しない場合,システムコードの値は“AA00”では

なく,

“AAFF”としなければならない。

−  下位 4 ビットがゼロの AFI フィールド値は使用しない。

JIS X 6319-4:2005

との後方互換性のために,システムコード“AAFF”に加えて,

“FFFF”も分野を特定

しないシステムコードの値とする。

注記 1  システムコード“AA00”は,特定分野のシステムコードとして,JIS X 6319-4:2005 に適合す

る既存システムによって,使用されている。

注記 2  システムコード“FFFF”は,分野を特定しないシステムコードとして,JIS X 6319-4:2005 に

適合する既存システムによって,使用されている。

REQ コマンド又は WUP コマンドのシステムコードと,PICC に設定されているシステムコードとが一致

する場合のほか,次のいずれかの条件を満たす場合,PICC はシステムコードが該当しているとみなす。

−  コマンドのシステムコードが“AAFF”,かつ,PICC に設定されているシステムコードの上位バイ

トが“AA”

−  コマンドのシステムコードが“FFFF”

注記  固定値フィールドが“AA”以外のシステムコードについては,この改正版が公示されるよりも

以前に割当てが行われており,既存の稼動システムにて運営管理されているため,この規格で

は新たな割当てを行わないが,この規格に適合するシステムを構築する場合,

“AA”以外を固

定値フィールドにもつシステムコードを用いた JIS X 6319-4 適合システムも稼動していること

を前提とした後方互換性への配慮を行うことを推奨する。

8.5.3 

リクエストコードの符号化 

リクエストコードの値は,

“00”を必す(須)とし,

“01”及び“02”は,任意選択とする。

リクエストコードは,次のように符号化する。

“00”

JIS X 6319-4:2005 と互換とし,リクエストデータ(8.6.4 参照)を含まない REQ レスポンスを

要求

“01”

:REQ レスポンスにシステムコード(8.5.2 参照)を付けて応答することを要求

“02”

:REQ レスポンスに伝送プロトコル能力(8.6.4 参照)を付けて応答することを要求

“03”∼“FF”

:RFU

8.5.4 

タイムスロット数の符号化 

衝突を回避するために,

PICC が対応すべきタイムスロットの最大値を符号化する。指定できる値は,

“00”

“01”

“03”

“07”又は“0F”とし,タイムスロット数 N を,

表 に示す。他の値は,RFU とする。

表 3−タイムスロット数の符号化 

b8  …… b1

タイムスロット数

00000000 1 
00000001 2 
00000011 4

00000111 8 
00001111 16


19

X 6319-4

:2010

8.6 REQ

レスポンス(ATQ 

REQ コマンドへの応答を,REQ レスポンス又は ATQ(Answer To reQuest)と呼ぶ。

8.6.1 REQ

レスポンスの形式 

REQ レスポンスの形式は,1 バイトのレスポンスコード(“01”),8 バイトの PICC 識別子,8 バイトの

応答時間記述子,及び 0 バイト又は 2 バイトのリクエストデータの順で構成する(

図 13 参照)。

レスポンスコード PICC 識別子

応答時間記述子

リクエストデータ

1 バイト(“01”)

8 バイト

8 バイト

0 バイト又は 2 バイト

図 13REQ レスポンスのレスポンスメッセージ形式 

8.6.2 PICC

識別子 

PICC 識別子は,JIS X 5211 に定義される NFCID2 に対応しており,8 バイトの数値とする。先頭 2 バイ

トの値は,

“02FE”とし,続く 6 バイトの値を PICC 識別番号と呼ぶ。

“02FE”以外の値は,JIS X 6319-4:2005 に適合するシステムで使われている可能性があるので,この規

格では割り当てない。PICC 識別子の値は,製造者指定とし,唯一無二の値とする(

図 14 参照)。

図 14PICC 識別子の構成 

8.6.3 

応答時間記述子 

応答時間記述子は,JIS X 5211 に定義される Pad に対応しており,コマンドに対する PICC の応答時間

算出に使われる 8 バイトの情報とする。

応答時間記述子の先頭 2 バイトは,

“FFFF”とする。

最下位バイト B8 は,RFU とし,この規格では“FF”に設定しなければならない。

応答時間記述子の構成を,

図 15 に示す。

図 15−応答時間記述子の構成 


20

X 6319-4

:2010

各コマンドに対応した応答時間を決定する応答時間記述子の B3∼B7 とコマンドとの対応を,

表 に示

す。

表 4−応答時間記述子の B3B7 とコマンドとの対応 

応答時間算出パラメタのバイト位置

コマンド

B3 Request

Service コマンド(10.3 参照)

B4 Request

Response コマンド(10.4 参照)

B5 Authentication 系コマンド(10.7 参照) 
B6 Read 系コマンド(10.5 及び 10.8 参照) 
B7 Write 系コマンド(10.6 及び 10.9 参照)

応答時間算出パラメタは,指数部(E)及び二つの実数部(A 及び B)からなる。

図 16 に構成を示す。

図 16−応答時間の算出パラメタの構成 

応答時間算出パラメタを用いた応答時間決定の計算式を,次に示す。

応答時間=T×[(B+1)×n+(A+1)]×4

E

ここに,

T: 256×16/fc(約 0.302 0 ms)

n: コマンドパラメタのブロック数又はサービスファイル数

表 10 参照)

ただし,拡張コマンド(10.11 参照)の応答時間は,応答時間算出パラメタに“FF”を設定して算出す

る。

8.6.4 

リクエストデータ 

リクエストデータを返信するのは,任意選択とする。

リクエストデータは,REQ コマンドにおけるリクエストコード(8.5.3 参照)が次の場合に,REQ レス

ポンスに付加される情報とする。

リクエストデータの長さは,0 バイト又は 2 バイトとする。

“01”の場合,PICC に設定されているシステムコードを付加する。その符号化は,8.5.2 による。

“02”の場合,PICC 自身の伝送プロトコル能力を付加する。その符号化は,

図 17 による。1 バイト目

の B1 は固定値(

“00”

)とし,他の値は RFU とする。2 バイト目の B2 は通信能力を示し,b8 は,伝送速

度自動検出能力の有無,b7∼b5 は,この規格では固定値(b“000”

)とし,b4∼b1 は,fc/8,fc/16,fc/32

及び fc/64 のそれぞれの伝送速度対応能力を示す(

図 18 参照)。b4 及び b3 は,fc/8 及び fc/16 の伝送速度

対応能力として予約し,この規格では b“0”とする。


21

X 6319-4

:2010

B1 B2

1 バイト(“00”)

1 バイト(図 18 参照)

図 17−伝送プロトコル能力 

b8 b7 b6 b5 b4

b3

b2

b1

意味

0:伝送速度自動検出非対応 
1:伝送速度自動検出対応

0:固定値 
1:RFU

0:固定値 
1:RFU

     0

0:固定値 
1:RFU

0:fc/8 非対応 
1:fc/8 対応(予約)

0:fc/16 非対応 
1:fc/16 対応(予約)

0:fc/32 非対応 
1:fc/32 対応

0:fc/64 非対応 
1:fc/64 対応

図 18−通信能力(B2 

注記  fc/8,fc/16,fc/32 及び fc/64 について言及しているが,5.2.3 で fc/32 及び fc/64 だけを規定してい

るため,この規格では,fc/32 及び fc/64 だけを使用する。

8.7 WUP

コマンド 

WUP コマンドは,任意選択とする。

HALT 状態にある PICC が WUP コマンドを受信した場合,そのコマンドのシステムコードが PICC に設

定されているシステムコードに該当するときに,PICC は,WUP レスポンスを返した後,IDLE 状態に遷移

する。

WUP コマンドの形式は,2 バイトのコマンドコード(“D604”),1 バイトの固定値(“AA”)に続く 1 バ

イトの AFI で構成するシステムコード,1 バイトの固定値(

“00”

)及び 1 バイトのタイムスロット数の順

で構成する(

図 19 参照)。

システムコード

コマンドコード

固定値フィールド

AFI フィールド

リクエストコード

タイムスロット数

2 バイト(“D604”)  1 バイト(“AA”)

1 バイト

1 バイト(“00”)

1 バイト

図 19WUP コマンドのコマンドメッセージ形式 

8.8 WUP

レスポンス 

WUP コマンドを処理する機能を備える PICC は,WUP レスポンスを返す機能を備えなければならない。

WUP レスポンスの形式は,2 バイトのレスポンスコード(“D705”),8 バイトの PICC 識別子及び 8 バイ

トの応答時間記述子の順で構成する(

図 20 参照)。


22

X 6319-4

:2010

レスポンスコード

PICC 識別子

応答時間記述子

2 バイト(“D705”)

8 バイト

8 バイト

図 20WUP レスポンスのレスポンスメッセージ形式 

8.9 HLT

コマンド 

HLT コマンドは,任意選択とする。

IDLE 状態又は READY-DECLARED 状態にある PICC は,自身と同じ PICC 識別子の HLT コマンドを受

信した場合,HLT レスポンスを返した後,HALT 状態へ遷移する。

HLT コマンドの形式は,2 バイトのコマンドコード(“D602”)及び 8 バイトの PICC 識別子の順で構成

する(

図 21 参照)。

コマンドコード PICC 識別子

2 バイト(“D602”)

8 バイト

図 21HLT コマンドのコマンドメッセージ形式 

8.10 HLT

レスポンス 

HLT コマンドを処理する機能を備える PICC は,HLT レスポンスを返す機能を備えなければならない。

HLT レスポンスの形式は,2 バイトのレスポンスコード(“D703”)及び 8 バイトの PICC 識別子の順で構

成する(

図 22 参照)。

レスポンスコード

PICC 識別子

2 バイト(“D703”)

8 バイト

図 22HLT レスポンスのレスポンスメッセージ形式 

8.11 ATTR

コマンド 

8.11.1 ATTR

コマンドのコマンドメッセージ形式 

ATTR コマンドは,任意選択とする。

READY-DECLARED 状態にある PICC は,自身と同じ PICC 識別子の ATTR コマンドを受信した場合,

ATTR レスポンスを返した後,ACTIVE 状態(8.3.7.2 参照)へと遷移する。

ATTR コマンドの形式は,2 バイトのコマンドコード(“D600”),8 バイトの PICC 識別子,それぞれ 1

バイトの CP1,CP2,CP3 及び 0 バイト以上の INFC フィールドの順で構成する(

図 23 参照)。

コマンドコード PICC 識別子

CP1 CP2 CP3

INFC フィールド

2 バイト(“D600”)

8 バイト

1 バイト

1 バイト

1 バイト

0 バイト以上

図 23ATTR コマンドのコマンドメッセージ形式 

8.11.2 CP1

Command Param 1)の符号化 

CP1 は,図 24 のように符号化される。 


23

X 6319-4

:2010

b8 b7 b6 b5 b4

b3

b2

b1

意味

x x x x   

ビット伝送速度

        x x x x

PCD の最大フレームサイズ

図 24CP1 の符号化 

上位 4 ビット(b8∼b5)は,

表 及び表 に示すように,ビット伝送速度指定の符号化に利用する。

表 5PICC から PCD へのビット伝送速度 

b8

b7

意味

0 0

fc/128

0 1

fc/64

1 0

fc/32

1 1

fc/16

表 6PCD から PICC へのビット伝送速度 

b6

b5

意味

0 0

fc/128

0 1

fc/64

1 0

fc/32

1 1

fc/16

下位 4 ビット(b4∼b1)は,

表 に示すように,PCD が受信できる最大フレームサイズを符号化するた

めに利用される。

表 7−最大フレームサイズの符号化 

下位 4 ビットの値

0 1 2 3 4 5 6 7 8  9∼F

最大フレームサイズ(バイト)

 16  24

32

40

48

64

96

128

256 RFU>256

8.11.3 CP2

Command Param 2)の符号化 

CP2(Command Param 2)の符号化は,RFU とし,この規格では,“00”を設定しなければならない。

8.11.4 CP3

Command Param 3)の符号化 

CP3 は,図 25 のように符号化される。 

b8 b7 b6 b5

b4

b3

b2

b1

意味

x x x x         RFU

    x x x x

CID

図 25CP3 の符号化 

上位 4 ビット(b8∼b5)は,b“0000”に設定し,その他の値は,RFU とする。

下位 4 ビット(b4∼b1)は,CID(Card IDentifier)とし,0∼14 までの範囲で,通信対象の PICC の論理

番号を定義する。15 は,RFU とする。CID は,PCD によって指定され,ACTIVE 状態にある各 PICC につ

いて一意でなければならない。ただし,PCD が CID を利用可能にしない場合,CID を b“0000”に設定し


24

X 6319-4

:2010

なければならない。

8.11.5 INFC

フィールド 

INFC フィールドには,JIS X 6322-4 の INF フィールドとして転送可能な上位層のコマンドを設定してよ

い。

PICC は,INFC フィールドを処理してもよい。

8.12 ATTR

レスポンス 

8.12.1 ATTR

レスポンスのレスポンスメッセージ形式 

ATTR コマンドを処理する機能を備える PICC は,ATTR レスポンスを返す機能を備えなければならない。

ATTR レスポンスの形式は,2 バイトのコマンドコード(“D701”),それぞれ 1 バイトの MBLI/CID,RP1,

RP2,RP3 及び 0 バイト以上の INFR フィールドの順で構成する(図 26 参照)。

ATTR レスポンスを返した後,PICC は,JIS X 6322-4 で定義される処理が可能となる。JIS X 6322-4 

非活性化は,JIS X 6322-4 による。JIS X 6322-4 の非活性化した後,PICC は,HALT 状態となる。

レスポンスコード

MBLI/CID RP1  RP2  RP3  INFR フィールド

2 バイト(“D701”)

1 バイト

1 バイト

1 バイト

1 バイト

0 バイト以上

図 26ATTR レスポンスのレスポンスメッセージ形式 

8.12.2 MBLI/CID

の符号化 

MBLI/CID は,図 27 のように符号化される。 

b8 b7 b6 b5

b4

b3

b2

b1

意味

x x x x         MBLI

    x x x x

CID

図 27MBLI/CID の符号化 

上位 4 ビット(b8∼b5)は,MBLI(Maximum Buffer Length Index)とする。MBLI は,チェインフレー

ムを受信するための PICC の内部バッファの上限 MBL(Maximum Buffer Length:最大バッファ長)を定義

するために使う整数値とする。MBLI は,0∼15 の範囲とする。MBLI が 1∼15 のとき,MBL は,次の式

で計算される。

MBL=(PICC の最大フレームサイズ)×2

(MBLI

1)

PCD は,データを複数の連結されたフレームとして送信するとき,データ全体の長さが MBL を超えな

いことを確認しなければならない。

PICC が内部バッファの上限についての情報を提供しない場合,MBLI を 0 に設定しなければならない。

下位 4 ビット(b4∼b1)は,CID(Card IDentifier)とし,ATTR コマンドにおける CID と同じ値を設定

しなければならない。PICC が CID を利用可能にしない場合,CID を b

“0000”に設定しなければならない。

8.12.3 RP1

Response Param 1)の符号化 

RP1 は,図 28 のように符号化される。 


25

X 6319-4

:2010

b8 b7 b6 b5

b4

b3

b2

b1

意味

x x x x         FWI

    x x

RFU

FO

図 28RP1 の符号化 

上位 4 ビット(b8∼b5)は,FWI(Frame Waiting Time Integer)とする。FWI は,FWT(Frame Waiting Time)

を定義するために使う整数値とする。FWT は,JIS X 6322-4 で定義されるフレームの交換における,PCD

のフレームの最後から PICC の応答フレームの最初までの時間の最大値とする。

FWT は,次の式で計算される。FWI は,0∼14 までの範囲とし,15 は,RFU とする。

FWT=(256×16/fc)×2

FWI

下位 4 ビット(b4∼b1)のうち,

(b4,b3)の 2 ビットを RFU とし,

(b2,b1)の 2 ビットを FO(Frame

Option)とし,その符号化は,表 に従う。

表 8FO の符号化 

b2 b1

意味

1 x

PICC は NAD を利用可能にする

x 1

PICC は CID を利用可能にする

8.12.4 RP2

Response Param 2)の符号化 

RP2 は,図 29 のように符号化される。 

b8 b7 b6 b5 b4

b3

b2

b1

意味

x x x x   

RFU

        x x x x

PICC の最大フレームサイズ

図 29RP2 の符号化 

上位 4 ビット(b8∼b5)は,b“0000”に設定し,その他の値は,RFU とする。

下位 4 ビット(b4∼b1)は,ATTR コマンドにおける CP1 の

表 と同じ定義とし,PICC が受信できる最

大フレームサイズを符号化するために利用される。

8.12.5 RP3

Response Param 3)の符号化 

RP3 は,“00”に設定し,それ以外の値は,RFU とする。

8.12.6 INFR

フィールド 

INFR フィールドには,ATTR コマンドの INFC フィールドに対する応答を格納してもよい。

ファイル 

9.1 

ファイルの構成 

PICC 内の情報は,ファイルとして管理される。ファイルには,エリアファイル及びサービスファイルの

2 種類がある。図 30 に PICC 内のファイルの構成例を示す。


26

X 6319-4

:2010

図 30−ファイルの構成例 

9.2 

ファイルの種類 

9.2.1 

概要 

エリアファイルは,エリアファイル構造体(9.2.2 参照)で構成する。サービスファイルは,サービスフ

ァイル構造体(9.2.3 参照)及びそれが対象とする PICC 内の記憶域に格納される情報の実体で構成する。

PICC 内の記憶域に格納される情報の実体は,PICC 内で,サービスファイル構造体のサービスファイル

識別子にて一意に特定され,情報の実体に対する処理方法は,サービスファイル識別子のアクセス制御処

理区分で指定される。

PICC 内の記憶域は,16 バイト単位のブロック群で構成し,各ブロックの論理的な位置は,2 バイトの管

理情報によって管理される。PICC 内での物理的な記憶域管理の方法は,規定しない。

9.2.2 

エリアファイル 

エリアファイルは,

図 31 に示すとおり,エリアファイル識別子,最大サービスファイル識別子,割当て

ブロック数,エリアかぎ(鍵)バージョン及び可変長のエリアかぎ(鍵)で構成する。

データ要素

バイト数

エリアファイル識別子 2

最大サービスファイル識別子 2

割当てブロック数 2

エリアかぎ(鍵)バージョン 2

エリアかぎ(鍵)

可変長

(採用している暗号方式に依存)

図 31−エリアファイル構造体 

エリアファイル構造体のエリアファイル識別子は,

図 32 に示すとおり,10 ビットのエリア番号に続く 6

ビットのアクセス制御処理区分の値で構成する。エリアファイル識別子は,PICC 内で唯一無二でなければ

ならない。

図 30 に示すルートとなるエリアファイルは,必ず存在しなければならず,そのエリアファイ

ル識別子へ設定する値は,

“0000”でなければならない。6 ビットのアクセス制御処理区分の値は,

b“000000”又は b“000001”のいずれかとし,その他の値は,RFU とする。b“000000”の場合,このエリ

アファイルが管理する別のエリアファイルが存在してよい。b“000001”の場合,このエリアファイルが管


27

X 6319-4

:2010

理する別のエリアファイルが存在しないことを示す。

図 32−エリアファイル識別子 

エリアファイル構造体の最大サービスファイル識別子には,このエリアファイルが管理するファイル群

の中で最も大きなファイル識別子の値を格納する。最大サービスファイル識別子の値として,

“FFFF”は,

使用しない。

エリアファイル構造体の割当てブロック数には,このエリアファイル識別子で管理する,別のすべての

エリアファイル構造体及びサービスファイル構造体が占めるブロック数,サービスファイル構造体の割当

てブロック数の合計,並びに PICC の記憶域の空きブロック数の総計を示す値を格納する。

エリアファイル構造体のエリアかぎ(鍵)バージョンには,このエリアファイル及びこのエリアファイ

ルが管理するサービスファイルに適用するかぎ(鍵)のバージョン情報を格納する。ただし,この規格で

は,バージョン情報の内容については,規定しない。

エリアファイル構造体のエリアかぎ(鍵)は,相互認証時に使用する。ただし,この規格では,エリア

かぎ(鍵)の仕様及びその PICC 内での格納方法については,規定しない。

9.2.3 

サービスファイル 

サービスファイルは,

図 33 に示すとおり,サービスファイル識別子,割当てブロック数,サービスかぎ

(鍵)バージョン及びサービスかぎ(鍵)で構成する。サービスかぎ(鍵)バージョン及びサービスかぎ

(鍵)は,任意選択とする。

データ要素

バイト数

サービスファイル識別子 2

割当てブロック数 2

サービスかぎ(鍵)バージョン

2

サービスかぎ(鍵)

可変長

(採用している暗号方式に依存)

図 33−サービスファイル構造体 

サービスファイル構造体のサービスファイル識別子には,

図 34 に示すとおり,10 ビットのサービス番

号に続く 6 ビットのアクセス制御処理区分(9.5 参照)の値を格納する。サービスファイル構造体のサービ

スファイル識別子は,PICC 内で唯一無二でなければならない。

サービスファイル構造体のサービスファイル識別子の上位 10 ビットが同じ値で下位 6 ビットの値が異な

る場合,サービスファイル構造体の割当てブロック数が示すブロックに対して,異なるアクセス制御を与

えることを意味している。サービス番号が同じでアクセス制御区分の異なるサービスファイルのことを,

オーバラップサービスファイルと呼ぶ。


28

X 6319-4

:2010

図 34−サービスファイル識別子 

サービスファイル構造体の割当てブロック数には,このサービスファイルが管理する PICC 内の記憶域

の量をブロック数で示した値を格納する。

サービスファイル構造体のサービスかぎ(鍵)バージョンには,このサービスファイル及びこのサービ

スファイルが管理する記憶域に適用するかぎ(鍵)のバージョン情報を格納する。ただし,この規格では,

バージョン情報の内容については,規定しない。

サービスファイル構造体のサービスかぎ(鍵)は,相互認証時に使用する。ただし,この規格では,サ

ービスかぎ(鍵)の仕様及びその PICC 内での格納方法については,規定しない。

9.3 

ファイル群の構成 

ファイル群(複数のエリアファイル及びサービスファイル)の構成(例えば

図 30)は,階層関係となる。

ファイルの階層関係は,ファイル識別子(エリアファイル識別子及びサービスファイル識別子)の値によ

る。エリアファイル識別子のエリア番号の値及びサービスファイル識別子のサービス番号の値は,次の規

則に従って決めなければならない。

エリアファイルとサービスファイルとの違いは,ファイル識別子の下位 6 ビットの値で識別する。下位

6 ビットが b“000000”又は b“000001”の場合,エリアファイルとなる。それ以外の値の場合,サービス

ファイルとなる。

着目したエリアファイルの一つ下位の階層にあるエリアファイル及びサービスファイルのファイル識別

子の値は,着目したエリアファイルがもつエリアファイル識別子の値以上とし,かつ,着目したエリアフ

ァイルがもつ最大ファイル識別子の値以下としなければならない。

ただし,ファイル識別子の上位 10 ビットが同じ値であっても,下位 6 ビットが異なる値の場合,異なる

ファイル識別子として扱わなければならない。

例えば,ルートとなるエリアファイル構造体のエリアファイル識別子のエリア番号が“0000”で最大サ

ービスファイル識別子の値が“FFFE”であり,ルートとなるエリアファイルの一つ下の階層に,エリアフ

ァイル(エリアファイル識別子が“1000”で最大ファイル識別子が“1FFF”)及びエリアファイル(エリ

アファイル識別子が“3000”で最大ファイル識別子が“3FFF”

)がある場合の,サービスファイルのサー

ビスファイル識別子とその親となるエリアファイルとの関係を,

図 35 に示す。


29

X 6319-4

:2010

図 35−ファイル群の構成例 

9.4 

ブロック 

サービスファイル内のデータを格納するブロックの形式は,アクセス種別(9.5 参照)による。

加減算アクセスの場合,サービスファイル内のデータは,

図 36 に示すブロックの形式で PICC の記憶域

に格納されなければならない。ブロックの形式は,4 バイトの被加減算データ,4 バイトの戻入れデータ,

6 バイトのユーザデータ及び 2 バイトの実行識別子で構成する。それぞれのデータについては,9.5.4.2 

参照する。

図 36−ブロックの形式 

固定長順編成アクセス及び循環順編成アクセスの場合,ブロックの形式は,任意選択とする。

9.5 

サービスファイルへのアクセス種別 

9.5.1 

サービスファイル識別子のアクセス制御処理区分 

サービスファイル内のブロックへのアクセス種別は,サービスファイル識別子のアクセス制御処理区分

で決まる。

アクセス制御処理区分には,

相互認証が不要なアクセスと相互認証が必要なアクセスとがある。

アクセス種別には,固定長順編成アクセス,循環順編成アクセス及び加減算アクセスの 3 種類があり,そ

れぞれについて読出し,書込みなどの処理が定義される(

表 参照)。


30

X 6319-4

:2010

表 9−サービスファイル識別子のアクセス制御処理区分の値 

アクセス方法の種類

アクセス制御処理区分

(6 ビット)

内容

001001 
001011

固定長順編成アクセス(リード又はライト)
固定長順編成アクセス(リードオンリ)

001101

001111

循環順編成アクセス(リード又はライト)

循環順編成アクセス(リードオンリ)

相互認証不要

010001 
010011 
010101 
010111

加減算アクセス(直接)

加減算アクセス(戻入れ) 
加減算アクセス(減算) 
加減算アクセス(リードオンリ)

001000 
001010

固定長順編成アクセス(リード又はライト)
固定長順編成アクセス(リードオンリ)

001100 
001110

循環順編成アクセス(リード又はライト) 
循環順編成アクセス(リードオンリ)

相互認証必要

010000 
010010 
010100 
010110

加減算アクセス(直接) 
加減算アクセス(戻入れ) 
加減算アクセス(減算)

加減算アクセス(リードオンリ)

9.5.2 

固定長順編成アクセス 

固定長順編成アクセスは,常にサービスファイル構造体の割当てブロック数で示す PICC 内の記憶域の

先頭からのブロック番号を指定してアクセスを行う。

ブロック番号は 0 から始まらなければならない。ブロック番号は,昇順とする。

9.5.3 

循環順編成アクセス 

循環順編成アクセスは,前回循環順編成アクセスを用いてアクセスされた最後のブロック番号の次のブ

ロックをブロック番号 0 としたアクセスを行う。ブロック番号は,昇順とする。書込み時のブロック番号

を 0 とする。

書込み処理が正常に完了した場合,今まで書き込まれていたデータは,すべて 1 加算されたブロック番

号のブロックへ移動し,書き込んだデータがブロック番号 0 のブロックに書き込まれる。

書込み処理において,これから書き込むブロックの内容と直前に書かれたブロックの内容とが完全に一

致する場合,書込みをせずに処理正常完了の応答を返す。

9.5.4 

加減算アクセス 

9.5.4.1 

加減算アクセスの種類 

加減算アクセスは,

図 36 に示す形式のブロックを用いて,データの加減算を行い,読出し及び書込みの

処理によって,直接アクセス,戻入れアクセス,減算アクセス及びリードオンリアクセスの 4 種類がある。

9.5.4.2 

直接アクセス 

直接アクセスは,読出し及び書込みを可能とする。読出しでは,指定されたブロックのデータをそのま

ま読み出し,書込みでは,指定されたブロックのデータを指定されたブロックにそのまま書き込む。

Read レスポンス(10.5.2 参照)及び Write コマンド(10.6 参照)のブロックデータの中に,図 37 に示す

加減算アクセス用ブロックを格納する。


31

X 6319-4

:2010

図 37−加減算アクセス用ブロックデータ構成 

アクセス制御処理区分として加減算アクセスが指定されているサービスファイル識別子で管理される場

合,

そのサービスファイルが管理するブロックには,

4 バイトの被加減算データ,4 バイトの戻入れデータ,

6 バイトのユーザデータ及び 2 バイトの実行識別子が格納されていなければならない(図 37 参照)。被加

減算データ及び戻入れデータは,正の整数とする。

被加減算データは,このブロックに対する加減算アクセス(減算又は戻入れ)が行われる場合に,減算

又は加算される対象のデータとする。

戻入れデータは,このブロックに対する加減算アクセス(戻入れ)が行われる場合に使用されるデータ

とする。

ユーザデータは,任意選択とする。

実行識別子は,このブロックに対する加減算アクセス(減算又は戻入れ)が行われる場合に,PCD から

のコマンド再送によって重複して加減算されることを防ぐために用いるデータとする。コマンドメッセー

ジ内のブロックデータにある実行識別子が PICC 内のこのブロックに記録されている実行識別子と同じ場

合,加減算を行わない。

9.5.4.3 

減算アクセス 

減算アクセスは,読出し及び書込みを可能とする。読出しでは,指定されたブロックのデータをそのま

ま読み出し,書込みでは,被加減算データから指定された値を減算し,減算した値を戻入れデータとして

書き込む。

Write コマンドのブロックデータの中に,図 38 に示す減算アクセス用ブロックを格納する。

減算アクセスの書込みでは,PICC 内の被加減算データの値を上限として

図 38 に示す減算用データを

PICC 内の被加減算データから減算し,その結果を被加減算データに格納する。減算処理終了後,減算用デ

ータの値を,PICC 内の戻入れデータに書き込む。

減算アクセスでは,ブロック内に記録されている実行識別子と同じ実行識別子を含んだコマンドの処理

を行わない。ただし,処理正常終了完了の応答を返さなければならない。

実行識別子の決め方は,任意とする。

図 38−減算アクセス用ブロックデータ構成 

9.5.4.4 

戻入れアクセス 

戻入れアクセスは,読出し及び書込みを可能とする。読出しでは,指定されたブロックのデータをその

まま読み出し,書込みでは,指定された値が戻入れデータ内にあることを確認し,その値の範囲で被加減


32

X 6319-4

:2010

算データへ加算を行う。

Write コマンドのブロックデータの中に,図 39 に示す戻入れアクセス用ブロックを格納する。

戻入れアクセスの書込みでは,PICC 内の戻入れデータの値を上限として

図 39 に示す加算用データを

PICC 内の被加減算データに加算する。加算処理終了後,PICC 内の戻入れデータは,0 にならなければな

らない。

図 39−戻入れアクセス用ブロックデータ構成 

戻入れアクセス用ブロックは,加算用データ(4 バイト)

,未使用(10 バイト)及び実行識別子(2 バイ

ト)からなる。被加減算データ及び戻入れデータは,正の整数とする。

戻入れアクセスでは,ブロック内に記録されている実行識別子と同じ実行識別子を含んだコマンドの処

理を行わない。ただし,処理正常終了完了の応答を返さなければならない。

実行識別子の決め方は,任意とする。

9.5.4.5 

リードオンリアクセス 

リードオンリアクセスは,指定されたブロック番号のデータの読出しを可能とし,かつ,書込みは禁止

とする。読み出されるデータは,

図 37 と同じとする。

10 

コマンド及びレスポンス 

10.1 

コマンド及びレスポンス一覧 

高速処理近接型 IC カード用のコマンドには,次のような特徴がある。この規格で規定するコマンド及び

レスポンスは,一つのコマンドで少なくとも 8 個のエリアファイル及び 8 個のサービスファイルを指定す

ることができ,指定されたファイルすべてを処理して,それらのファイルに対応する情報を一つのレスポ

ンスで返すことができる。

コマンド及びレスポンスの一覧を,

表 10 に示す。


33

X 6319-4

:2010

表 10−コマンド及びレスポンス一覧 

コマンド及びレスポンス

[必す(須)

コマンドコード

レスポンスコード

応答時間の計算式における n の示すもの

REQ

“00”

“01”

使用しない。

Request Service

“02”

“03”

ファイル数

Request Response

“04”

“05” 0

Read

“06”

“07”

ブロック数

Write

“08”

“09”

ブロック数

Authentication1

“10”

“11”

ファイル数

Authentication2

“12”

“13” 0

Read from Secure File

“14”

“15”

ブロック数

Write to Secure File

“16”

“17”

ブロック数

コマンド及びレスポンス

(任意選択)

コマンドコード

レスポンスコード

応答時間の計算式における n の示すもの

ATTR

“D6”

“00”

“D7”

“01” 0

HLT

“D6”

“02”

“D7”

“03” 0

WUP

“D6”

“04”

“D7”

“05”

使用しない。

独自コマンド

“CA”

“XX”

“CB”

“XX+1”

規定しない。

拡張コマンド

“D6”

“XX”

“D7”

“XX+1”

規定しない。

10.2 PICC

のモード遷移 

PICC は,モード 0,モード 1 及びモード 2 の三つのモードをもち,モードによって実行可能なコマンド

が異なる。PICC は,各コマンドの正常終了時に指定されたモードへの遷移を行わなければならない。PICC

は,電源が供給された初期状態時,又は電源が途絶した場合,モード 0 へモード遷移しなければならない。

図 40 に PICC のモード遷移を示す。

モード 0 では,REQ,Request Response,Request Service,Read,Write 及び Authentication1 コマンドを受

信できなければならない。REQ,Request Response,Request Service,Read 及び Write レスポンスを送信し

た後は,モード 0 にとどまらなければならない。Authentication1 レスポンスを送信した後は,モード 1 へ

遷移しなければならない。

モード 0 では,WUP,ATTR,HLT 及び DESELECT コマンドを受信してもよい。WUP,ATTR,HLT 及

び DESELECT レスポンスを送信した後は,モード 0 にとどまらなければならない。

モード 1 では,Request Response,Request Service,Authentication1 及び Authentication2 コマンドを受信で

きなければならない。Request Response,Request Service 及び Authentication1 レスポンスを送信した後は,

モード 1 にとどまらなければならない。Authentication2 レスポンスを送信した後は,モード 2 へ遷移しな

ければならない。

モード 2 では,Request Response,Request Service,Authentication1,Authentication2,Read from Secure File

及び Write to Secure File コマンドを受信できなければならない。Request Response,Request Service,

Authentication2,Read from Secure File 及び Write to Secure File レスポンスを送信した後は,モード 2 にとど

まらなければならない。Authentication1 レスポンスを送信した後は,モード 1 へ遷移しなければならない。


34

X 6319-4

:2010

図 40PICC のモード遷移 

10.3 Request 

Service

コマンド及びレスポンス 

Request Service コマンドは,PCD が指定するファイルの存在を確認するときに用いる。

PICC 識別子にて PICC を特定し,ファイル識別子にて存在を確認するファイルを一つ以上指定する。

PICC は,指定されたエリアファイルのエリアかぎ(鍵)バージョン及び指定されたサービスファイルの

サービスかぎ(鍵)バージョンを返す。

Request Service コマンドのコマンドメッセージ形式は,図 41 に示すとおり,Request Service コマンドコ

ード“02”

,PICC 識別子,ファイル識別子の数及びファイル識別子のリストで構成しなければならない。

ファイル識別子の伝送順序は,リトルエンディアン形式(

附属書 参照)とする。

コマンドコード PICC 識別子

ファイル識別子の数

(n)

ファイル識別子のリスト

1 バイト(“02”)

8 バイト

1 バイト

2×n バイト

図 41Request Service コマンドのコマンドメッセージ形式 

Request Service コマンドのレスポンスメッセージ形式は,図 42 に示すとおり,Request Service レスポン

スコード“03”

,PICC 識別子,かぎ(鍵)バージョンの数及びエリアかぎ(鍵)バージョン又はサービス

かぎ(鍵)バージョンのリストで構成しなければならない。

エリアかぎ(鍵)バージョン又はサービスかぎ(鍵)バージョンの伝送順序は,リトルエンディアン形

式とする。

ファイルが存在しない場合,

“FFFF”とする。

レスポンスコード PICC 識別子

かぎ(鍵)バージョンの数

(n)

エリアかぎ(鍵)バージョン又は

サービスかぎ(鍵)バージョンのリスト

1 バイト(“03”)

8 バイト

1 バイト

2×n バイト

図 42Request Service コマンドのレスポンスメッセージ形式 

10.4 Request 

Response

コマンド及びレスポンス 

Request Response コマンドは,PICC のモードを確認するときに用いる。

PICC 識別子にて PICC を特定する。


35

X 6319-4

:2010

PICC は,現在のモード値を返す。

Request Response コマンドのコマンドメッセージ形式は,図 43 に示すとおり,Request Response コマン

ドコード“04”及び PICC 識別子で構成しなければならない。

コマンドコード PICC 識別子

1 バイト(“04”)

8 バイト

図 43Request Response コマンドのコマンドメッセージ形式 

Request Response コマンドのレスポンスメッセージ形式は,図 44 に示すとおり,Request Response レス

ポンスコード“05”

,PICC 識別子及び現在のモードで構成しなければならない。

レスポンスコード PICC 識別子

モード

1 バイト(“05”)

8 バイト

1 バイト(“00”:モード 0,“01”:モード 1,“02”:モード 2)

図 44Request Response コマンドのレスポンスメッセージ形式 

10.5 Read

コマンド及びレスポンス 

10.5.1 Read

コマンド 

Read コマンドは,PCD が指定する PICC 内のサービスファイルからデータを読み出すときに用いる。

PICC 識別子にて PICC を特定し,サービスファイル識別子にて読出し対象とするサービスファイルを一

つ以上指定し,それぞれのサービスファイルが管理する PICC 内の記憶域に格納されているデータの位置

をブロックリストにて指定する。

Read コマンドのコマンドメッセージ形式は,図 45 に示すとおり,Read コマンドコード“06”,PICC 識

別子,サービスファイル識別子の数,サービスファイル識別子のリスト,ブロック数及びブロックリスト

で構成しなければならない。ブロックリストは,一つ以上のブロックエレメントのリストで構成する。

サービスファイル識別子のリストに含めるすべてのサービスファイル識別子のアクセス制御処理区分は,

相互認証不要でなければならない。

サービスファイル識別子の伝送順序は,リトルエンディアン形式とする。

コマンドコード PICC 識別子

サービスファイル

識別子の数(k)

サービスファイル

識別子のリスト

ブロック数

(m)

ブロックリスト

1 バイト(“06”)

8 バイト

1 バイト

2×k バイト

1 バイト

2×m 又は 3×m

バイト

図 45Read コマンドのコマンドメッセージ形式 

ブロックエレメントは,2 バイト又は 3 バイトとする。

図 46 には,2 バイト型,図 47 には,3 バイト型

のブロックエレメントの構成をそれぞれ示す。ブロックエレメントは,次の四つの要素で構成する。

−  エレメント長フラグ(ブロックエレメントの先頭の 1 バイトの b8 が 1 の場合,2 バイト型のブロッ

クエレメント,0 の場合,3 バイト型のブロックエレメントとなることを示す。

−  アクセスモード(b“000”の場合,直接アクセス,循環順編成アクセス又は減算アクセスとなるこ

とを示し,b“001”の場合,戻入れアクセスとなることを示す。その他の値は,無視してもよい。


36

X 6319-4

:2010

−  サービスファイル識別子のリストに含めたサービスファイルの順番

−  ブロック番号

図 46バイト型のブロックエレメント 

図 47バイト型のブロックエレメント 

10.5.2 Read

レスポンス 

Read コマンドのレスポンスメッセージ形式は,図 48 に示すとおり,Read レスポンスコード“07”,PICC

識別子,ステータスフラグ 1,ステータスフラグ 2,ブロック数及びブロックデータで構成しなければなら

ない。

ステータスフラグ 1 が“00”の場合,すべてのブロック読出し処理の正常終了を表す。それ以外の場合,

読出しの失敗を示し,ブロック数及びブロックデータは返さない。詳細は,10.5.3 を参照する。


37

X 6319-4

:2010

レスポンスコード PICC 識別子

ステータスフラグ 1

ステータス

フラグ 2

ブロック数

(m)

ブロックデータ

1 バイト(“07”)

8 バイト

1 バイト(“00”:正常終了

その他:誤り発生箇所)

1 バイト

1 バイト 16×m バイト

図 48Read コマンドのレスポンスメッセージ形式 

10.5.3 

ステータスフラグ 

ステータスフラグは,ステータスフラグ 1 及びステータスフラグ 2 の 2 バイトで構成する。ステータス

フラグ 1 は,誤り発生箇所を示す。ステータスフラグ 1 の詳細を,

図 49 に示す。

ステータスフラグ 1 は,エラーのあったブロックをビット位置で示す。ステータスフラグ 1 に設定する

エラーの位置は,モジュロ 8 の値に対応するビットとする。ブロックリストに依存しない誤りの場合,ス

テータスフラグ 1 の値は,

“FF”とする。誤り検出は,リストの先頭から順に行い,誤りを検出した位置

をステータスフラグ 1 に示す。

例えば,Read コマンドでブロック 0,1,2,3,4,5,6,7,8 及び 9 が指示されていた場合,先頭から

2 番目のブロック,すなわちブロック 1 でエラーがあったときに,ステータスフラグ 1 の b2 を 1 に設定す

る。先頭から 10 番目のブロック,すなわちブロック 9 でエラーがあったときに,ステータスフラグ 1 の

b2 を 1 に設定する。

図 49−誤り発生箇所の表示方法 

ステータスフラグ 2 は,コマンド実行後のステータスコードを示す。ステータスコードの詳細を,

表 11

に示す。


38

X 6319-4

:2010

表 11−ステータスコード一覧 

コード

意味

内容

“00”

正常終了

正常に処理終了

“01”

加減算誤り

被加減算データに対する減算時,結果がマイナス値になるため減算できない。
被加減算データに対する戻入れ時,オーバフローした。

“02”

戻入れ誤り

被加減算データに対する戻入れ時,直前の減算値が戻入れデータより小さい。

“70”

記憶域誤り

記憶域への書込みができない,記憶域のビット化けが生じた。

“71”

書込み回数オーバ

記憶域への書込みが許容回数を超えた。

上記以外の値 RFU

RFU

注記 1 PCD は,この表で規定されていない値は,無視してよい。 
注記 2  JIS X 6319-4:2005 では,ステータスフラグ 1 についてステータスフラグ 2 という名称で説明し,ステータ

スフラグ 2 についてステータスフラグ 1 という名称で説明していた。それらは誤記であった。

10.6 Write

コマンド及びレスポンス 

Write コマンドは,PCD が指定する PICC 内のサービスファイルが管理するブロックへデータを書き込む

ときに用いる。

PICC 識別子にて PICC を特定し,サービスファイル識別子にて書込み対象とするサービスファイルを一

つ以上指定し,それぞれのサービスファイルが管理する PICC 内の記憶域に格納されているデータの位置

をブロックリストにて指定し,それぞれのサービスファイルに対して書き込むデータをブロックデータに

て指定する。

Write コマンドのコマンドメッセージ形式は,図 50 に示すとおり,Write コマンドコード“08”,PICC 識

別子,サービスファイル識別子の数,サービスファイル識別子のリスト,ブロック数,ブロックリスト及

びブロックデータで構成しなければならない。

複数のブロックが指定された場合,書込みデータの同時性を保証しなければならない。

サービスファイル識別子のリストに含めるすべてのサービスファイル識別子のアクセス制御処理区分は,

相互認証不要でなければならない。

サービスファイル識別子の伝送順序は,リトルエンディアン形式とする。

ブロックリストの指定方法は,10.5.1 を参照する。

コマンド

コード

PICC

識別子

サービスファイル

識別子の数(k)

サービスファイル

識別子のリスト

ブロック数

(m)

ブロック

リスト

ブロック

データ

1 バイト

“08”

8 バイト

1 バイト

2×k バイト

1 バイト

2×m∼3×m

バイト

16×m

バイト

図 50Write コマンドのコマンドメッセージ形式 

Write コマンドのレスポンスメッセージ形式は,図 51 に示すとおり,Write レスポンスコード“09”,PICC

識別子,ステータスフラグ 1 及びステータスフラグ 2 で構成しなければならない。

ステータスフラグ 1 が“00”の場合,すべてのブロック書込み処理の正常終了を表す。それ以外の場合,

書込みの失敗を示す。


39

X 6319-4

:2010

レスポンスコード PICC 識別子

ステータスフラグ 1

ステータスフラグ 2

1 バイト(“09”)

8 バイト

1 バイト(“00”:正常終了

その他:誤り発生箇所)

1 バイト

図 51Write コマンドのレスポンスメッセージ形式 

一つの書込みコマンドによって複数のブロックを指定した場合,データ書込みの同時性を保証しなけれ

ばならない。一部のブロック書込みに失敗した場合,必ずコマンド指定対象全ブロックのデータを元のデ

ータに復旧しなければならない。また,書込み途中に電力がなくなった場合,すべてのブロックが書き換

えられるか,又はすべてのブロックが書き換えられないかのいずれかにならなければならない。

10.7 Authentication1

コマンド及び Authentication2 コマンド 

10.7.1 

概要 

PCD と PICC との間で相互認証を実現するために,Authentication1 コマンド及びレスポンス,並びに

Authentication2 コマンド及びレスポンスを規定する。相互認証アルゴリズムは,アプリケーションシステ

ムのセキュリティポリシーによるので,この規格では規定しない。

Authentication1 コマンド及びレスポンスは,PCD が PICC を認証するときに用いる。また,Authentication2

コマンド及びレスポンスは,PICC が PCD を認証するときに用いる。

PCD は,Authentication1 コマンドを実行してから Authentication2 コマンドを実行しなければならない。

10.7.2 Authentication1

コマンド及びレスポンス 

Authentication1 コマンドは,PCD が PICC を認証するときに用いる。

Authentication1 コマンドのコマンドメッセージ形式は,図 52 に示すとおり,Authentication1 コマンドコ

ード“10”

,PICC 識別子及びパラメタで構成しなければならない。

Authentication1 コマンドのレスポンスメッセージ形式は,図 53 に示すとおり,Authentication1 レスポン

スコード“11”

,PICC 識別子及びパラメタで構成しなければならない。

コマンド及びレスポンスのパラメタは,PCD が PICC に格納されているファイルを認証する必要な情報

を格納する(

附属書 参照)。パラメタの形式は,規定しない。

コマンドコード PICC 識別子

パラメタ

1 バイト(“10”)

8 バイト PCD から PICC へ送る認証のための情報

図 52Authentication1 コマンドのコマンドメッセージ形式 

レスポンスコード PICC 識別子

パラメタ

1 バイト(“11”)

8 バイト PICC から PCD へ送る認証のための情報

図 53Authentication1 コマンドのレスポンスメッセージ形式 

10.7.3 Authentication2

コマンド及びレスポンス 

Authentication2 コマンドは,PICC が PCD を認証するときに用いる。

PICC が PCD を認証できた場合,Authentication2 レスポンスを送信しなければならない。PICC が PCD

を認証できなかった場合,Authentication2 レスポンスを送信してはならない。

Authentication2 コマンドのコマンドメッセージ形式は,図 54 に示すとおり,Authentication2 コマンドコ


40

X 6319-4

:2010

ード“12”

,PICC 識別子及びパラメタで構成しなければならない。

Authentication2 コマンドのレスポンスメッセージ形式は,図 55 に示すとおり,Authentication2 レスポン

スコード“13”及び PICC 識別子を含むパラメタで構成しなければならない。

コマンドメッセージのパラメタには,PICC が PCD を認証するために必要な情報が含まれる。

レスポンスメッセージのパラメタには,PCD と PICC とが同じ共有値をもっていることを確認するため

に必要な情報が含まれなければならない(

附属書 参照)。パラメタの形式は,規定しない。

コマンドコード PICC 識別子

パラメタ

1 バイト(“12”)

8 バイト PCD から PICC へ送る認証のための情報

図 54Authentication2 コマンドのコマンドメッセージ形式 

レスポンスコード

パラメタ

1 バイト(“13”) PCD と PICC とが同じ共有値をもっていることを確認するために必要な情報

図 55Authentication2 コマンドのレスポンスメッセージ形式 

10.8  Read from Secure File

コマンド及びレスポンス 

Read from Secure File コマンドは,相互認証後に,PCD が指定するサービスファイルにおけるブロックを

PICC から読み出すときに用いる。

Read from Secure File コマンドのコマンドメッセージ形式は,図 56 に示すとおり,Read from Secure File

コマンドコード“14”及びパラメタで構成しなければならない。

パラメタには,ブロック数及びブロックリストが含まれなければならない。

コマンドコード

パラメタ

1 バイト(“14”)

ブロック数及びブロックリスト

図 56Read from Secure File コマンドのコマンドメッセージ形式 

Read from Secure File コマンドのレスポンスメッセージ形式は,図 57 に示すとおり,Read from Secure File

レスポンスコード“15”及びパラメタで構成しなければならない。

パラメタには,ステータスフラグ 1,ステータスフラグ 2,ブロック数及びブロックデータが含まれなけ

ればならない。

レスポンスコード

パラメタ

1 バイト(“15”)

ステータスフラグ 1,ステータスフラグ 2,ブロック数及びブロックデータ

図 57Read from Secure File コマンドのレスポンスメッセージ形式 

10.9  Write to Secure File

コマンド及びレスポンス 

Write to Secure File コマンドは,相互認証後に,PCD が指定するサービスファイルにおけるブロックを

PICC へ書き込むときに用いる。

Write to Secure File コマンドのコマンドメッセージ形式は,図 58 に示すとおり,Write to Secure File コマ

ンドコード“16”及びパラメタで構成しなければならない。


41

X 6319-4

:2010

パラメタには,ブロック数,ブロックリスト及びブロックデータが含まれなければならない。

複数のブロックが指定された場合,書込みデータの同時性を保証しなければならない。

コマンドコード

パラメタ

1 バイト(“16”)

ブロック数,ブロックリスト及びブロックデータ

図 58Write to Secure File コマンドのコマンドメッセージ形式 

Write to Secure File コマンドのレスポンスメッセージ形式は,図 59 に示すとおり,Write to Secure File レ

スポンスコード“17”及びパラメタで構成しなければならない。

パラメタには,ステータスフラグ 1 及びステータスフラグ 2 が含まれなければならない。

レスポンスコード

パラメタ

1 バイト(“17”)

ステータスフラグ 1 及びステータスフラグ 2

図 59Write to Secure File コマンドのレスポンスメッセージ形式 

10.10 

独自コマンド及びレスポンス 

独自コマンドは,

PICC 製造者がこの規格で規定しないコマンド処理を PICC で実行するために使用する。

独自コマンドのメッセージ形式は,

図 60 及び図 61 に示す形式に従わなければならない。

コマンドメッセージ形式のコマンドコードの 2 バイト目は,1 バイトの偶数とする。

レスポンスメッセージ形式のコマンドコードの 2 バイト目は,対応するコマンドメッセージ形式のコマ

ンドコードの 2 バイト目に 1 を加算する。

このコマンドは,任意選択とする。

コマンドコード

パラメタ

2 バイト(“CA”

“XX”

規定しない。

図 60−独自コマンドのコマンドメッセージ形式 

レスポンスコード

パラメタ

2 バイト(“CB “XX+1”) 規定しない。

図 61−独自コマンドのレスポンスメッセージ形式 

10.11 

拡張コマンド及びレスポンス 

拡張コマンドは,将来追加規定されるコマンドに対して割り当てる。

今後追加規定されるコマンドは,

図 62 及び図 63 で示されるメッセージ形式でなければならない。

コマンドメッセージ形式のコマンドコードの 2 バイト目は,1 バイトの偶数とする。

レスポンスメッセージ形式のコマンドコードの 2 バイト目は,対応するコマンドメッセージ形式のコマ

ンドコードの 2 バイト目に 1 を加算する。

コマンドコード

パラメタ

2 バイト(“D6”

“XX”

規定しない。

図 62−拡張コマンドのコマンドメッセージ形式 


42

X 6319-4

:2010

レスポンスコード

パラメタ

2 バイト(“D7“XX+1”) 規定しない。

図 63−拡張コマンドのレスポンスメッセージ形式 


43

X 6319-4

:2010

附属書 A

(参考)

セキュリティ

A.0 

概要 

この附属書は,アクセス方法の種類が相互認証を必要とするファイルへのアクセス方法について記載す

る。

セキュリティに関しては,アーキテクチャだけを規定し,コマンドへの実装方法に関しては,実装依存

とする。

セキュリティの範囲は,次のとおりとする。

−  アクセスかぎ(鍵)生成

− PCD と PICC との間の相互認証

− PCD と PICC との間の通信路の暗号化

− PICC 内の記憶域におけるファイルの暗号化

アクセスかぎ(鍵)は,アクセス対象となるエリアファイルに対応したエリアかぎ(鍵)及びサービス

ファイルに対応したサービスかぎ(鍵)から生成されるかぎ(鍵)とする。

相互認証は,アクセスかぎ(鍵)を用いて,PCD 及び PICC が相互に,相手の信ぴょう(憑)性を確認

する。

通信路の暗号化は,相互認証時に生成された情報をかぎ(鍵)として,通信路に流れるデータを暗号化

する。

A.1 

アクセスかぎ(鍵) 

図 A.1 の例に示すように,一つのエリアファイルは,一つのエリアかぎ(鍵)をもち,かつ,一つのサ

ービスファイルは,一つのサービスかぎ(鍵)をもつ。

図 A.1−エリアかぎ(鍵)及びサービスかぎ(鍵)概念図 

アクセスかぎ(鍵)は,同時アクセス対象となる(同時にオープンしたい)エリアファイルに対応した

エリアかぎ(鍵)及びサービスファイルに対応したサービスかぎ(鍵)から特定のアルゴリズム[この規

格では,

“アクセスかぎ(鍵)生成アルゴリズム”という。

]による演算の結果生成される固定長かぎ(鍵)

とする。

例えば,

図 A.1 のすべてのエリアファイル及びサービスファイルがアクセス対象となっている場合,ア


44

X 6319-4

:2010

クセスかぎ(鍵)生成アルゴリズムにすべてのかぎ(鍵)を入力する。この結果,サイズが一定のアクセ

スかぎ(鍵)が生成される。この様子を,

図 A.2 に示す。この例では,エリアファイルが二つ及びサービ

スファイルが二つとなるが,少なくともそれぞれ八つのエリア及び八つのサービスまで同時に処理できな

ければならない。

図 A.2−アクセスかぎ(鍵)生成概念図 

A.2 

相互認証 

相互認証では,PCD が PICC の信ぴょう(憑)性及び PICC が PCD の信ぴょう性を互いに確認すること

を目的とする。

認証の手順の例を,

図 A.3 に示す。

a) PCD

は,相互認証を行うために,アクセスかぎ(鍵)をもっていなければならない。アクセスかぎ(鍵)

に基づき,特定の演算を行う相互認証アルゴリズム A によってチャレンジデータ 1A を生成する。PCD

は,Authentication1 コマンドのパラメタとして,次の情報を PICC へ送信する。

−  同時アクセス対象となるファイルのファイル識別子のリスト

−  チャレンジデータ 1A

b) Authentication1

コマンドを受信した PICC は,対象となるエリアファイルのエリアかぎ(鍵)

,対象と

なるサービスファイルのサービスかぎ(鍵)及びチャレンジデータ 1A に基づき,特定の演算を行う

相互認証アルゴリズム B によってチャレンジデータ 1B を生成する。かつ,エリアかぎ(鍵)及びサ

ービスかぎ(鍵)に基づき,特定の演算を行う相互認証アルゴリズム C によってチャレンジデータ 2A

を生成する。最後に,Authentication1 コマンドのレスポンスとして,チャレンジデータ 1B 及びチャレ

ンジデータ 2A を PCD へ返信する。

c) Authentication1

レスポンスを受信した PCD は,チャレンジデータ 1B 及び a)で生成したチャレンジデ

ータ 1A に基づき,正当性検証アルゴリズム A によって規定の演算を行う。この演算は,相互認証ア

ルゴリズム B の演算特性が反映され,演算結果によって,チャレンジデータ 1B の信ぴょう(憑)性

が確認できるようになされたアルゴリズムを適用する。この結果,正当性の検証が成功した場合,PICC

は,PCD の所持しているアクセスかぎ(鍵)を共有していると判断する。失敗した場合,相互認証の

処理を中止する。

d) PCD

は,アクセスかぎ(鍵)及びチャレンジデータ 2A に基づき,特定の演算を行う相互認証アルゴ

リズム D によってチャレンジデータ 2B を生成する。このチャレンジデータ 2B を Authentication2 コマ

ンドのパラメタとして,PICC へ送信する。

e) Authentication2

コマンドを受信した PICC は,チャレンジデータ 2B 及び b)で生成したチャレンジデー


45

X 6319-4

:2010

タ 2A に基づき,正当性検証アルゴリズム B によって規定の演算を行う。この演算は,相互認証アル

ゴリズム D の演算特性が反映され,演算結果によって,チャレンジデータ 2B の信ぴょう(憑)性が

確認できるようになされたアルゴリズムを適用する。この結果,正当性の検証が成功した場合,PCD

は,PICC の所持しているエリアかぎ(鍵)及びサービスかぎ(鍵)を共有していると判断する。検証

が成功した場合にだけ,その結果を Authencation2 コマンドのレスポンスとして PCD へ返信する。こ

のとき,同時に 8 バイトの発行識別子(IDi)及び 8 バイトの発行パラメタ(PMi)を暗号化して返信

する。暗号化方法に関しては,A.3 に記述する。

f) PCD

が,Authentication2 レスポンスを受信することで,相互認証が完了する。

図 A.3−相互認証手順例 

A.3 

通信路の暗号化 

通信路の暗号化は,相互認証時に生成されたチャレンジデータ 1A 及びチャレンジデータ 2A に基づき,

通信かぎ(鍵)生成アルゴリズムに基づいて生成された通信かぎ(鍵)を用いて行う。

図 A.4 に,通信かぎ(鍵)生成の概念図を示す。

チャレンジデータ 2A

チャレンジデータ 1A

PCD

PICC

Authentication1 コマンド

(対象ファイルの指定,チャレンジデータ 1A)

相互認証ア
ルゴリズム

B

対象エリア及び 
サービスのかぎ(鍵)

相互認証ア
ルゴリズム

A

アクセスかぎ(鍵)

相互認証ア
ルゴリズム

C

Authentication1 レスポンス

(チャレンジデータ 1B,チャレンジデータ 2A)

Authentication2 コマンド(チャレンジデータ 2B)

Authentication2 レスポンス

(IDi,PMi  一致した場合だけ返信)

チャレンジデータ 1B

正当性検証
アルゴリズ

ム A

相互認証ア
ルゴリズム

D

正当性検証
アルゴリズ

ム B

チャレンジデータ 2B


46

X 6319-4

:2010

図 A.4−通信かぎ(鍵)生成の概念図 

図 A.5 は,通信路暗号化の概念図を示す。PCD 及び PICC は,互いに,通信路暗号化アルゴリズム及び

通信路復号アルゴリズムをもち,通信かぎ(鍵)によって,暗号化又は復号を行う。

コマンドメッセージ又はレスポンスメッセージの暗号化の対象は,コマンドコード又はレスポンスコー

ドは含めず,コマンドコード又はレスポンスコードに続くコマンドパラメタ又はレスポンスパラメタとす

る。

注記  図中の“■”は,暗号化及び復号処理のかぎ(鍵)入力を示す。

図 A.5−通信路暗号化の概念図 

A.4 

ファイルの暗号化 

サービスファイル構造体に格納しているかぎ(鍵)を用いて,サービスファイル(割当てブロック数が

スコープとする記憶域)を暗号化してもよい。

サービスファイル構造体に格納しているかぎ(鍵)及びそのサービスファイルを直接管理しているエリ

アファイルのかぎ(鍵)を組合せ利用して,そのサービスファイル(割当てブロック数がスコープとする

記憶域)を暗号化してもよい。

サービスファイル構造体を,そのサービスファイルを直接管理するエリアファイルのかぎ(鍵)で暗号

化してもよい。

PICC

PCD

通信路暗号化 
アルゴリズム

通信路復号

アルゴリズム

通信かぎ

通信路復号

アルゴリズム

通信路暗号化 
アルゴリズム

通信かぎ



I/F



I/F

通信かぎ(鍵)

通信かぎ(鍵)

通信識別子及び通信かぎ(鍵)

生成アルゴリズム

通信かぎ(鍵)

チャレンジデータ 1A

チャレンジデータ 2A

通信識別子


47

X 6319-4

:2010

附属書 B

(参考)

コマンドシーケンス例

B.0 

概要 

この附属書では,想定した複数のファイルへアクセスするときの,PCD が実行するコマンドのシーケン

ス例について記載する。

B.1 

相互認証が不要なファイルを含む PICC へのアクセス例 

この箇条では,アクセス方法の種類が相互認証を不要とするファイルを含む PICC へアクセスするとき

のコマンド及びレスポンスについて説明する。

PICC 内にあるファイルシステムを,図 B.1 のように仮定する。

この例では,システム“AA21”の中に,ルートとなるエリアファイル(

“0000”

)が存在し,そのエリア

ファイルの下にエリアファイル(

“1000”

)が存在する。さらに,エリアファイル(

“1000”

)の下には,そ

れぞれ“1009”

“100D”

“1015”のファイル識別子をもつ三つのサービスファイルが存在する。

図 B.1−ファイルシステム例 

図 B.2 に,PICC 内の複数ファイルについて書込み及び読出しを行うためのシーケンスの例を示す。


48

X 6319-4

:2010

図 B.2−コマンドシーケンス例 

PICC が自ら能動的に通信を行わないため,PCD は,PICC を検知する必要がある。また,PCD は,いつ

PICC が PCD の RF 動作磁界へ入るか分からないため,REQ コマンドを繰り返し送信する。PICC が RF 動

作磁界へ入ったとき,PICC を検知して次の処理へ進む。

REQ コマンドの形式の例を,図 B.3 に示す。この例では,PCD がシステムコードの 1 バイト目が“AA”

である PICC を捕そく(捉)する。リクエストコードに“01”を指定してシステムコードを要求している。

タイムスロット数に“03”を指定することで,最大 4 個の PICC からの REQ レスポンスを受信できるよう

にしている。

コマンドコード

システムコード

リクエストコード

タイムスロット数

“00”

“AAFF”

“01”

“03”

図 B.3REQ コマンドのコマンドメッセージ形式の例 

REQ コマンドを受信した PICC は,自身の PICC 識別子及び応答時間記述子を REQ レスポンスとして返

す。

REQ レスポンスの形式の例を,図 B.4 に示す。この例では,リクエストデータに PICC がもつシステム

コードが格納されている。

レスポンスコード PICC 識別子

応答時間記述子

リクエストデータ

“01”

“02FE001122334455”“FFFF1020304050FF”

“AA21”

図 B.4REQ レスポンスのレスポンスメッセージ形式の例 

REQ レスポンスに含まれる PICC 識別子を以降のコマンドに利用することによって,PCD は,対象とな


49

X 6319-4

:2010

る PICC へのアクセスが可能となる。

応答時間記述子から,PCD が対象となる PICC へコマンドを送信した後の待ち時間を算出することがで

きる。この例における各コマンドの応答時間は,

表 B.1 のとおりとなる。

表 B.1−応答時間の例 

応答時間算出パラメタ

応答時間(ms)

コマンド

B3

“10”

0.304×(3×n+1) Request

Service コマンド

B4

“20”

0.304×(5×n+1) Request

Response コマンド

B5

“30”

0.304×(6×n+1) Authentication 系コマンド

B6

“40”

0.304×(n+1)×4 Read 系コマンド

B7

“50”

0.304×(2×n+1)×4 Write 系コマンド

次に,PCD は,自身のサービスに該当するファイルが PICC 内に存在するかどうか確認するため,Request

Service コマンドを送信する。

Request Service コマンドの形式の例を,図 B.5 に示す。この例では,エリアファイル“0000”,“1000”

及びサービスファイル“1009”

“100D”及び“1015”の存在を確認している。

ここで,PICC が PCD の RF 動作磁界から一時的に離れ再度 RF 動作磁界へ入るといった状況が発生した

とき,PCD が,PICC からのレスポンスを正常に受信できない可能性がある。この場合,PCD は,最初の

REQ コマンドではなく,Request Service コマンドの送信からやり直してもよい。PICC が電源途絶時の効率

的な例外処理を利用可能にしている場合,PICC は,REQ コマンドを受信しなくても,PICC 識別子が一致

するコマンドに対して応答することができ,PCD は,そのレスポンスを受信することができる。

コマンドコード PICC 識別子

ファイル識別子の数

ファイル識別子のリスト

“02”

“02FE001122334455”

“05”

“0000 0010 0910 0D10 1510”

図 B.5Request Service コマンドのコマンドメッセージ形式の例 

Request Service レスポンスの形式の例を,図 B.6 に示す。この例では,それぞれのエリアファイル及び

サービスファイルが存在することを示す値(

“FFFF”以外の値)がレスポンスに格納されている。

レスポンスコード PICC 識別子

かぎ(鍵)バージョン

の数

エリアかぎ(鍵)バージョン又は

サービスかぎ(鍵)バージョンのリスト

“03”

“02FE001122334455”

“05”

“0100 0100 0100 0100 0100”

図 B.6Request Service コマンドのレスポンスメッセージ形式の例 

アクセス対象のファイルの存在を確認した後,PCD は,Read コマンド,Write コマンドなどを送信して

ファイル内のブロックにアクセスすることができる。

Read コマンドの形式の例を,図 B.7 に示す。この例では,サービスファイル“1009”“100D”及び“1015”

のブロック 0 を読み出している。


50

X 6319-4

:2010

コマンド

コード

PICC 識別子

サービスファイル

識別子の数

サービスファイル

識別子のリスト

ブロック数

ブロックリスト

“06”

“02FE001122334455”

“03”

“0910 0D10 1510”

“03”

“8000 8100 8200”

図 B.7Read コマンドのコマンドメッセージ形式の例 

Read レスポンスの形式の例を,図 B.8 に示す。 

レスポンス

コード

PICC 識別子

ステータス

フラグ 1

ステータス

フラグ 2

ブロック数

ブロック

データ

“07”

“02FE001122334455”

“00”

“00”

“03”

ブロックデータ:

“00 11 22 33 44 55 66 77 88 99 AA BB CC DD EE FF”

“00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00” 
“00 10 00 00 00 00 00 00 FF FF FF FF FF FF 01 00”

図 B.8Read コマンドのレスポンスメッセージ形式の例 

Write コマンドの形式の例を,図 B.9 に示す。この例では,サービスファイル“100D”のブロック 0 に

対する書込み及び“1015”のブロック 0 に対する減算アクセス(減算値は 100,実行識別子は“0200”

)を

同時に行っている。

コマンド

コード

PICC 識別子

サービスファイル

識別子の数

サービスファイル

識別子のリスト

ブロック

ブロック

リスト

ブロック

データ

“08”

“02FE001122334455”

“03”

“0910 0D10 1510”

“02”

“8100 8200”

ブロックデータ:

“09 04 13 12 00 00 00 00 64 00 00 00 01 01 02 02”

“64 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 02 00”

図 B.9Write コマンドのコマンドメッセージ形式の例 

Write レスポンスの形式の例を,図 B.10 に示す。この例では,二つのブロックに対する Write 動作が成

功していることを示している。

レスポンスコード PICC 識別子

ステータスフラグ 1

ステータスフラグ 2

“09”

“02FE001122334455”

“00”

“00”

図 B.10Write コマンドのレスポンスメッセージ形式の例 

Read コマンドの形式の例を,図 B.11 に示す。この例では,サービスファイル“1009”“100D”及び“1015”

のブロック 0 を読み出している。

コマンド

コード

PICC 識別子

サービスファイル

識別子の数

サービスファイル

識別子のリスト

ブロック数

ブロックリスト

“06”

“02FE001122334455”

“03”

“0910 0D10 1510”

“03”

“8000 8100 8200”

図 B.11Read コマンドのコマンドメッセージ形式の例 


51

X 6319-4

:2010

Read レスポンスの形式の例を,図 B.12 に示す。この例では,サービスファイル“100D”及び“1015”

のブロック 0 に対する書込み結果がレスポンスに格納されている。

レスポンス

コード

PICC 識別子

ステータス

フラグ 1

ステータス

フラグ 2

ブロック数

ブロック

データ

“07”

“02FE001122334455”

“00”

“00”

“03”

ブロックデータ:

“00 11 22 33 44 55 66 77 88 99 AA BB CC DD EE FF” 
“09 04 13 12 00 00 00 00 64 00 00 00 01 01 02 02” 
“9C 00 00 00 00 00 00 00 FF FF FF FF FF FF 02 00”

図 B.12Read コマンドのレスポンスメッセージ形式の例 

B.2 

相互認証が必要なファイルを含む PICC へのアクセス例 

この箇条では,アクセス方法の種類が相互認証を必要とするファイルを含む PICC へアクセスするとき

のコマンド及びレスポンスについて説明する。相互認証及び暗号通信については,

附属書 に従った実装

例として記載する。

PICC 内にあるファイルシステムを図 B.13 に示すように仮定する。

この例では,システム“AA21”の中に,ルートとなるエリアファイル(

“0000”

)が存在し,そのエリア

ファイルの下にエリアファイル(

“1000”

)が存在する。さらに,エリアファイル(

“1000”

)の下には,そ

れぞれ“1008”

“100C”

“1014”のファイル識別子をもつ三つのサービスファイル,及びアクセス処理制

御区分の異なるそれぞれ“100B”

“100F”

“1017”のファイル識別子をもつ三つのサービスファイルが設

定されている。

図 B.13−ファイルシステム例 


52

X 6319-4

:2010

図 B.14 に,PICC 内の複数ファイルについて書込み及び読出しを行うためのシーケンスの例を示す。

図 B.14−コマンドシーケンスの例 

REQ コマンドの形式の例を,図 B.15 に示す。この例では,PCD がシステムコード“AA21”を格納する

PICC を捕そく(捉)する。リクエストコードに“02”を指定して伝送プロトコル能力を要求している。タ

イムスロット数に“03”を指定することで,最大 4 個の PICC からの REQ レスポンスを受信できるように

している。

コマンドコード

システムコード

リクエストコード

タイムスロット数

“00”

“AA21”

“02”

“03”

図 B.15REQ コマンドのコマンドメッセージ形式の例 

REQ コマンドを受信した PICC は,自身の PICC 識別子及び応答時間記述子を REQ レスポンスとして返

す。

REQ レスポンスの形式の例を,図 B.16 に示す。この例では,リクエストデータには伝送プロトコル能

力が格納されている。


53

X 6319-4

:2010

レスポンスコード PICC 識別子

応答時間記述子

リクエストデータ

“01”

“02FE001122334455” “FFFF1020304050FF”

“0083”

図 B.16REQ レスポンスのレスポンスメッセージ形式の例 

上記のリクエストデータによれば,応答した PICC は,fc/64 及び fc/32 の伝送速度に対応し,伝送速度自

動検出に対応している。ビット符号化にマンチェスタ符号を利用しているため,伝送速度の自動検出は,

可能であり,PICC は,伝送速度の明示的な切替え指示なしで,伝送速度の異なるコマンドメッセージを認

識してもよい。また,独自コマンドを利用して伝送速度の明示的な切替え指示を行ってもよい。

リクエストデータの符号化では,対応しているすべての伝送速度のビット(b4∼b1)を b

“1”に設定し,

さらに,伝送速度を自動検出できる場合には,b8 を b“1”に設定することを推奨する。

REQ レスポンスに含まれる PICC 識別子を以降のコマンドに利用することによって,PCD は,対象とな

る PICC へのアクセスが可能となる。

次に,PCD は,自身のサービスに該当するファイルが PICC 内に存在するかどうか確認するために,

Request Service コマンドを送信する。

Request Service コマンドの形式の例を,図 B.17 に示す。この例では,エリアファイル“0000”及び“1000”,

サービスファイル“1008”

“100C”及び“1014”

,並びにサービスファイル“100B”

“100F”及び“1017”

の存在を確認している。

コマンドコード PICC 識別子

ファイル識別子の数

ファイル識別子のリスト

“02”

“02FE001122334455”

“08”

“0000 0010 0810 0C10 1410 0B10 0F10 1710”

図 B.17Request Service コマンドのコマンドメッセージ形式の例 

Request Service レスポンスの形式の例を,図 B.18 に示す。この例では,それぞれのファイルが存在する

ことを示す“FFFF”以外の値がレスポンスに格納されている。

レスポンスコード PICC 識別子

かぎ(鍵)バージョン

の数

エリアかぎ(鍵)バージョン又は

サービスかぎ(鍵)バージョンのリスト

“03”

“02FE001122334455”

“08”

“0100 0100 0100 0100 0100 0100 0100 0100”

図 B.18Request Service コマンドのレスポンスメッセージ形式の例 

サービスファイル“100B”

“100F”及び“1017”は,アクセス制御処理区分が相互認証不要リードオン

リに設定されているため,相互認証を行う前に,PCD は,これらのサービスファイルに含まれるブロック

を読み出すことができる。

Read コマンドの形式の例を,図 B.19 に示す。この例では,サービスファイル“100B”“100F”及び“1017”

のブロック 0 を読み出している。

コマンド

コード

PICC 識別子

サービスファイル

識別子の数

サービスファイル

識別子のリスト

ブロック数

ブロックリスト

“06”

“02FE001122334455”

“03”

“0B10 0F10 1710”

“03”

“8000 8100 8200”

図 B.19Read コマンドのコマンドメッセージ形式の例 


54

X 6319-4

:2010

Read レスポンスの形式の例を,図 B.20 に示す。 

レスポンス

コード

PICC 識別子

ステータス

フラグ 1

ステータス

フラグ 2

ブロック数

ブロック

データ

“07”

“02FE001122334455”

“00”

“00”

“03”

ブロックデータ:

“00 11 22 33 44 55 66 77 88 99 AA BB CC DD EE FF” 
“00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00”

“00 10 00 00 00 00 00 00 FF FF FF FF FF FF 01 00”

図 B.20Read コマンドのレスポンスメッセージ形式の例 

アクセス対象のファイルの存在を確認した後,PCD は,相互認証を行う。

PCD は Authentication1 コマンドを送信し,PICC は,Authentication1 レスポンスを送信する。

続いて,PCD は,Authentication2 コマンドを送信し,PICC は,Authentication2 レスポンスを送信する。

ここでは,

附属書 に従った Authentication1 及び Authentication2 コマンドのコマンドメッセージ形式及

びレスポンスメッセージ形式の例を,

図 B.21∼図 B.24 に示す。暗号化されるフィールドは,矢印で示す。

コマンドコード PICC 識別子

ファイル数

ファイル識別子リスト

チャレンジデータ 1A

“10”

“02FE001122334455”

“08”

“0011223344556677”

ファイル識別子リスト:

“0000 0010 0810 0C10 1410 0B10 0F10 1710”

図 B.21Authentication1 コマンドのコマンドメッセージ形式の例 

レスポンスコード PICC 識別子

チャレンジデータ 1B

チャレンジデータ 2A

“11”

“02FE001122334455”

“7766554433221100”

“8899AABBCCDDEEFF”

図 B.22Authentication1 コマンドのレスポンスメッセージ形式の例 

コマンドコード PICC 識別子

チャレンジデータ 2B

“12”

“02FE001122334455”

“FFEEDDCCBBAA9988”

図 B.23Authentication2 コマンドのコマンドメッセージ形式の例 

レスポンスコード

通信識別子

発行識別子

発行パラメタ

“13”

暗号化対象

図 B.24Authentication2 コマンドのレスポンスメッセージ形式の例 

相互認証が完了した後,PCD は,Request Response コマンドを送信し,PICC のモードがモード 2 となっ

ていることを確認する。モード 2 でない場合,PCD は,Authentication1 コマンドからやり直す必要がある。

PICC 内のブロックにデータを書き込む場合,PCD のアプリケーションが書込みデータを準備している

間に,PICC が動作磁界から外れていないことを確認するため,直前に PICC のモードを確認しておくこと

を推奨する。

Request Response コマンドの形式の例を,図 B.25 に示す。


55

X 6319-4

:2010

コマンドコード PICC 識別子

“04”

“02FE001122334455”

図 B.25Request Response コマンドのコマンドメッセージ形式の例 

Request Response レスポンスの形式の例を,図 B.26 に示す。この例では,PICC のモードがモード 2 とな

っている。

レスポンスコード

PICC 識別子

モード

“05”

“02FE001122334455”

“02”

図 B.26Request Response コマンドのレスポンスメッセージ形式の例 

PICC のモードがモード 2 となっていることを確認した後,PCD は,Read from Secure File コマンド又は

Write to Secure File コマンドを送信してファイル内のブロックにアクセスすることができる。

Write to Secure File コマンドの形式の例を,図 B.27 に示す。この例では,サービスファイル“100C”の

ブロック 0 に対する書込み及び“1014”のブロック 0 に対する減算アクセス(減算値は 100,実行識別子

は“0200”

)を同時に行っている。

コマンドコード

通信識別子

ブロック数

ブロックリスト

ブロックデータ

“02”

“16”

暗号化対象

ブロックリスト:

“8100 8200”

ブロックデータ:

“09 04 13 12 00 00 00 00 64 00 00 00 01 01 02 02”

“64 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 02 00”

図 B.27Write to Secure File コマンドのコマンドメッセージ形式の例 

Write to Secure File レスポンスの形式の例を,図 B.28 に示す。この例では,二つのブロックに対する Write

動作が成功していることを示している。

レスポンスコード

通信識別子

ステータスフラグ 1

ステータスフラグ 2

“00”

“00”

“17”

暗号化対象

図 B.28Write to Secure File コマンドのレスポンスメッセージ形式の例 

Read from Secure File コマンドの形式の例を,図 B.29 に示す。この例では,サービスファイル“1008”,

“100C”及び“1014”のブロック 0 を読み出している。


56

X 6319-4

:2010

コマンドコード

通信識別子

ブロック数

ブロックリスト

“03”

“8000 8100 8200”

“14”

暗号化対象

図 B.29Read from Secure File コマンドのコマンドメッセージ形式の例 

Read from Secure File レスポンスの形式の例を,図 B.30 に示す。この例では,サービスファイル“100C”

及び“1014”のブロック 0 に対する書込み結果がレスポンスに格納されている。

レスポンスコード

通信識別子

ステータス

フラグ 1

ステータス

フラグ 2

ブロック数

ブロック

データ

“00”

“00”

“03”

“15”

暗号化対象

ブロックデータ:

“00 11 22 33 44 55 66 77 88 99 AA BB CC DD EE FF”

“00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00” 
“00 10 00 00 00 00 00 00 FF FF FF FF FF FF 01 00”

図 B.30Read from Secure File コマンドのレスポンスメッセージ形式の例 

B.3 

既存の JIS X 6319-4:2005 適合システムにおける PICC へのアクセス例 

この箇条では,既存の JIS X 6319-4:2005 適合システムにおいて,PCD が PICC へアクセスする方法につ

いて説明する。

既存の JIS X 6319-4:2005 適合システムでは,REQ コマンド及び REQ レスポンスにおけるパラメタの幾

つかのコーディングが JIS X 6319-4:2010 適合システムと異なるが,既存システムは,既に割当て済みの値

を利用しているため,JIS X 6319-4:2010 に適合していることには変わりはない。

REQ コマンドの形式の例を,図 B.31 に示す。この例では,PCD がシステムコード“MMNN”を格納す

る PICC を捕そく(捉)する。タイムスロット数に“03”を指定することで,最大 4 個の PICC からの REQ

レスポンスを受信できるようにしている。

コマンドコード

システムコード

リクエストコード

タイムスロット数

“00”

“MMNN”

“00”

“03”

図 B.31REQ コマンドのコマンドメッセージ形式の例 

REQ コマンドを受信した PICC は,自身の PICC 識別子及び応答時間識別子を REQ レスポンスとして返

す。

REQ レスポンスの形式の例を,図 B.32 に示す。 

レスポンスコード PICC 識別子

応答時間記述子

“01”

“0123456789ABCDEF”

“F0001020304050FF”

図 B.32REQ レスポンスのレスポンスメッセージ形式の例 


57

X 6319-4

:2010

REQ レスポンスに含まれる PICC 識別子を以降のコマンドに利用することによって,PCD は,対象とな

る PICC へのアクセスが可能となる。

PICC へアクセスするには,B.1 及び B.2 と同様に,アクセス方法の種類が相互認証を不要とするサービ

スファイルに対しては Read 又は Write コマンドを,アクセス方法の種類が相互認証を必要とするサービス

ファイルに対しては相互認証後に Read from Secure File 又は Write to Secure File コマンドを使う。

B.4 

JIS X 6322-4

適合システムにおける PICC へのアクセス例 

この箇条では,JIS X 6322-4 適合システムにおいて,PCD が PICC へアクセスする方法,並びに PICC 及

び PCD 内部の通信モジュールとアプリケーションモジュールとの間の連携処理について説明する。

B.4.1 PICC

へのアクセス手順 

既存の JIS X 6322-4:2005 適合システムでは,PCD と PICC との間で JIS X 6322-4 に規定される半二重ブ

ロック伝送プロトコルを用いて,PCD は,PICC 内のアプリケーション層で処理するコマンドを送信し,

PICC は,そのアプリケーション層でそのコマンドを処理してレスポンスを返信する。

REQ コマンドの形式の例を,図 B.33 に示す。この例では,PCD がシステムコード“AA21”を格納する

PICC を捕そく(捉)する。タイムスロット数に“03”を指定することで,最大 4 個の PICC からの REQ

レスポンスを受信できるようにしている。

コマンドコード

システムコード

リクエストコード

タイムスロット数

“00”

“AA21”

“00”

“03”

図 B.33REQ コマンドのコマンドメッセージ形式の例 

REQ コマンドを受信した PICC は,自身の PICC 識別子及び応答時間記述子を REQ レスポンスとして返

す。

REQ レスポンスの形式の例を,図 B.34 に示す。 

レスポンスコード PICC 識別子

応答時間記述子

“01”

“02FE001122334455” “FFFF1020304050FF”

図 B.34REQ レスポンスのレスポンスメッセージ形式の例 

次に,PCD は,JIS X 6322-4 適合システムのアプリケーションを実行するために,上記の PICC 識別子

を含む ATTR コマンドを送信する。

ATTR コマンドの形式の例を,図 B.35 に示す。PCD の最大フレームサイズは,256 バイトとする。CID

及び INFC は,使用しない。

コマンドコード PICC 識別子 CP1

CP2

CP3

INFC フィールド

“D600”

“02FE001122334455”

“08”

“00”

“00”

指定なし

図 B.35ATTR コマンドのコマンドメッセージ形式の例 

ATTR レスポンスの形式の例を,図 B.36 に示す。PICC の MBLI は,1 とし,PICC の最大フレームサイ

ズは,256 バイトとする。CID,NAD 及び INFR は,使用しない。


58

X 6319-4

:2010

レスポンスコード MBLI/CID  RP1  RP2 RP3

INFR フィールド

“D701”

“10”

“83”

“08”

“00”

指定なし

図 B.36ATTR コマンドのレスポンスメッセージ形式の例 

PCD は,ATTR レスポンスを受信した後は,6.2 で規定されるフレーム形式を利用して,JIS X 6322-4 

規定される半二重ブロック伝送プロトコルのブロック交換が可能となる。

図 B.37 に,JIS X 6319-4 のフレーム形式(6.2 参照)と JIS X 6322-4 のブロック形式との対応を示す。

図 B.37JIS X 6319-4 のフレーム形式と JIS X 6322-4 のブロック形式との対応 

B.4.2 

通信モジュールとアプリケーションモジュールとの間の連携例 

PICC が,JIS X 6322-4 アプリケーションデータを含む JIS X 6319-4 のフレームを受信したとき,PICC

内の通信モジュールは,誤り検出符号が正しいことを確認した後で,JIS X 6322-4 のブロックの EDC を計

算し,それを誤り検出符号フィールドに格納してから,そのブロック(PCB フィールドから EDC フィー

ルドまで)を,PICC 内部の JIS X 6322-4 アプリケーションモジュールへ渡す。

アプリケーション処理が終了した後で JIS X 6319-4 のフレームを送信する場合,JIS X 6322-4 アプリケ

ーションモジュールは,そのブロックの EDC を計算し,EDC フィールドに格納してから,そのブロック

を PICC 通信モジュールへ渡す。PICC 通信モジュールは,誤り検出符号を計算し,誤り検出符号フィール

ドに設定した後で,フレームを送信する。

この処理は,PCD 側も同じ処理で,JIS X 6322-4 アプリケーションモジュールと通信モジュールとの間

の送受信を行う。

図 B.38 に,処理フローを示す。

JIS X 6322-4 

JIS X 6319-4 


59

X 6319-4

:2010

図 B.38−処理フローの例 


60

X 6319-4

:2010

附属書 C 
(参考)

エンディアン形式

C.1 

リトルエンディアン形式 

2 バイト以上のデータ量をもつ数値データを記録したり,又は転送したりするときには,1 バイトごとに

分割するが,これを最下位のバイトから順番に記録又は送信する方式。

例えば,

“B24D”の場合,

図 におけるキャラクタ i が“4D”,キャラクタ i+1 が“B2”に対応する。

C.2 

ビッグエンディアン形式 

2 バイト以上のデータ量をもつ数値データを記録したり,又は転送したりするときには,1 バイトごとに

分割するが,これを最上位のバイトから順番に記録又は送信する方式。

例えば,

“B24D”の場合,

図 におけるキャラクタ i が“B2”,キャラクタ i+1 が“4D”に対応する。