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X 6305-7

:2010 (ISO/IEC 10373-7:2008)

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義・略語及び記号

2

3.1

  用語及び定義 

2

3.2

  略語及び記号 

2

4

  試験における一般適用条件 

3

4.1

  試験環境 

3

4.2

  準備条件 

3

4.3

  許容誤差 

3

4.4

  寄生インダクタンス

3

4.5

  総合的測定の不確かさ 

3

5

  静電気放電試験 

3

5.1

  試験ジグ 

3

5.2

  試験手順 

4

5.3

  試験成績書 

4

6

  試験ジグ及び回路

4

6.1

  校正用コイル 

5

6.2

  試験用 VCD の構成

5

6.3

  基準 VICC 

7

6.4

  デジタルサンプリング  オシロスコープ 

8

7

  VICC の機能試験

8

7.1

  目的

8

7.2

  試験手順 

8

7.3

  試験成績書 

9

8

  VCD の機能試験 

9

8.1

  VCD の磁界強度及び電力伝送 

9

8.2

  変調度及び波形

10

8.3

  負荷変調信号の受信能力 

10

附属書 A(規定)試験用 VCD アンテナ

11

附属書 B(参考)アンテナの調整手順

14

附属書 C(規定)センスコイルの構成

16

附属書 D(規定)VCD の電力試験用基準 VICC 

18

附属書 E(参考)負荷変調用の基準 VICC 

19

附属書 F(参考)周波数分析プログラム

20


X 6305-7

:2010 (ISO/IEC 10373-7:2008)

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本

IC

カードシステム利用促進協議会(JICSAP)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具

して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正

した日本工業規格である。

これによって,JIS X 6305-7:2001 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。

JIS X 6305

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

X

6305-1

  第 1 部:一般的特性

JIS

X

6305-2

  第 2 部:磁気ストライプ付きカード

JIS

X

6305-3

  第 3 部:外部端子付き IC カード及び接続装置

JIS

X

6305-5

  第 5 部:光メモリカード

JIS

X

6305-6

  第 6 部:外部端子なし IC カード−近接型

JIS

X

6305-7

  第 7 部:非接触(外部端子なし)IC カード−近傍型


   

日本工業規格

JIS

 X

6305-7

:2010

(ISO/IEC 10373-7

:2008

)

識別カードの試験方法−

第 7 部:非接触(外部端子なし)IC カード−近傍型

Identification cards-Test methods-Part 7: Vicinity cards

序文 

この規格は,2008 年に第 2 版として発行された ISO/IEC 10373-7 を基に,技術的内容及び構成を変更す

ることなく作成した日本工業規格である。また,この規格は,JIS X 6301ISO/IEC 7810  識別カード−

物理的特性)

に定義された ID カードのパラメタ及び国際流通用としてのこの ID カードの使用方法のうち,

外部端子のない近傍型の IC カード,及びこれと結合する結合機器を規定する規格群(JIS X 6323)に関連

し,その試験方法について規定する。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

適用範囲 

JIS X 6305

規格群は,JIS X 6301 に基づく識別カードの特性評価試験方法について規定する。各試験方

法は,一つ以上の基本規格と関連をもつ。基本規格とは,例えば,JIS X 6301,識別カードを使った情報

記憶技術に関する追加規格などである。

注記 1  評価の許容基準は,JIS X 6305 規格群で規定するものではなく,ほかの規格の中で規定され

るものである。

注記 2  JIS X 6305 規格群で規定する試験方法は,項目別に実施される。供試されたカードについて,

すべての項目を順番に試験する必要はない。

注記 3  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO/IEC 10373-7:2008

,Identification cards−Test methods−Part 7: Vicinity cards(IDT)

なお,対応の程度を表す記号

IDT

は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき, 一致している

ことを示す。

JIS X 6305-1

(一般的特性)は,1 種類以上のカード技術に関する共通の試験項目について扱い,そのほ

かの部分は,それぞれのカードの試験技術について扱う。

JIS X 6305

規格群の一部であるこの規格の試験方法は,JIS X 6323-1:2001 及び JIS X 6323-2 で規定され

ている近傍型 IC カードに対して適用する。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 61000-4-2

  電磁両立性−第 4 部:試験及び測定技術−第 2 節:静電気放電イミュニティ試験


2

X 6305-7

:2010 (ISO/IEC 10373-7:2008)

   

注記  対応国際規格:IEC 61000-4-2:1995,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 4: Testing and

measurement techniques

−Section 2: Electrostatic discharge immunity test(IDT)

JIS X 6301

  識別カード−物理的特性

注記  対応国際規格:ISO/IEC 7810:2003,Identification cards−Physical characteristics(IDT)

JIS X 6323-1:2001

  外部端子なし IC カード−近傍型−第 1 部:物理的特性

注記  対応国際規格:ISO/IEC 15693-1:2000,Identification cards−Contactless integrated circuit(s) cards

−Vicinity cards−Part 1: Physical characteristics(IDT)

JIS X 6323-2

  外部端子なし IC カード−近傍型−第 2 部:電波インタフェース及び初期化

注記  対応国際規格:ISO/IEC 15693-2:2006,Identification cards−Contactless integrated circuit cards

−Vicinity cards−Part 2: Air interface and initialization(IDT)

JIS X 6323-3

  外部端子なし IC カード−近傍型−第 3 部:衝突防止及び伝送プロトコル

注記  対応国際規格:ISO/IEC 15693-3,Identification cards−Contactless integrated circuit cards−

Vicinity cards

−Part 3: Anticollision and transmission protocol(IDT)

用語及び定義・略語及び記号 

この規格で用いる主な用語及び定義・略語及び記号の定義は,次による。

3.1 

用語及び定義 

3.1.1 

基本規格(base standard)

適合性を検証するのに,その試験方法を用いる規格。

3.1.2 

機能残存(operate as intended)

例えば,許容値を超えて破壊させるような影響を与えても,カードの中の集積回路が,JIS X 6323-3 

規定する応答信号

1)

を発生し続けていることを検出して,まだ正常に動作していること。

注記  ほかの方法で確認できる場合,その規定に基づいて機能確認する。

1)

この規定では,IC カードの完全な試験方法を網羅していない。この試験方法は,最小限の機能

確認をするにすぎない。一般に適用されないが,応用の環境において,応用仕様の機能項目を

加えて適用してもよい。

3.1.3 

試験方法(test method)

規格を満たしていることを確認するために,識別カードの特性を試験する方法。

3.2 

略語及び記号 

DUT

試験対象品(device under test)

ESD

静電気の放電(electro-static discharge)

f

c

搬送波の周波数(frequency of the operating field)

f

s

1

f

s

2

副搬送波の周波数(frequency of the subcarriers)

H

min

最小動作磁界強度

H

max

最大動作磁界強度

VCD

近傍型結合装置(vicinity coupling device)

VICC

近傍型 IC カード(vicinity card)


3

X 6305-7

:2010 (ISO/IEC 10373-7:2008)

試験における一般適用条件 

4.1 

試験環境 

特に別途指定のない限り,試験環境は,温度 23  ℃±3  ℃,相対湿度 40 %〜60 %とする。

4.2 

準備条件 

試験対象カードは,試験開始の 24 時間前から,試験環境条件を満足する場所に置かなければならない。

4.3 

許容誤差 

特に別途指定のない限り,数値化された値に対する許容誤差は,±5 %以内にするように,試験装置の

性能(例えば,直線性)及び試験仕様(例えば,試験装置の調整)を維持しなければならない。

4.4 

寄生インダクタンス 

抵抗及びキャパシタに寄生するインダクタンスは,無視できる程度に小さいことが望ましい。

4.5 

総合的測定の不確かさ 

この試験方法によって測定された各値の不確かさを,試験結果報告書の中に記載しなければならない。

基本的情報は, ISO Guide to the Expression of Uncertainty in Measurement ,ISBN 92-67-10188-9, 1993.を

参照。

静電気放電試験 

この試験は,試験対象品カードに静電気を放電(ESD)することによって,試験対象品カード内の IC の

性能を調べることを目的とする。試験対象品カードに人体モデルを模して静電気を放電(ESD)させた後,

基本動作を確認する。

ESD試験器

放電電極

VICC

厚さ0.5mmの絶縁板

接地面から0.8mの高さの
木製の台に敷いた導電板

470kΩ

470kΩ

図 1−静電気放電試験の回路 

5.1 

試験ジグ 

JIS C 61000-4-2

を参照。

a) ESD

試験器の主要特性

−  電荷蓄積キャパシタ:150 pF±10 %

−  放電抵抗:330

Ω±10 %


4

X 6305-7

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−  充電抵抗:50〜100 M

Ω

−  立上がり時間:0.7〜1 ns

b)

選択項目

−  試験装置の形態:卓上型

−  放電方法:導体を直接試験対象品に接触させ,放電

− ESD 試験器の放電電極:直径 8 mm の球型プローブ(試験対象カードの表面にきずをつけないよう

にする。

5.2 

試験手順 

試験装置の接地端子とカードを載せた導電板とを接続する(

図 参照)。

図 に示す 20 の区分域ごとに,順極性の電圧を連続して放電させる。その後,逆極性にして同様に繰り

返す。少なくとも 10 秒間の間隔でパルス休止時間を置き,繰り返す。

警告  区分域に外部端子を含むとき,その端子には放電をさせてはならない。

試験終了後,機能残存(3.1.2 参照)を確認する。

上端の基準辺

11

12

13

14

15

16

17

18

19

20

 

図 2−静電気放電試験におけるカード上の区分域 

5.3 

試験成績書 

試験成績書には,試験後,カードとしての機能が残っているかどうかを記載する。

試験ジグ及び回路 

JIS X 6323-2

に基づき,VICC 及び VCD の動作を確認するために,試験ジグ及び回路を規定する。試験

ジグは,次のものを含む。

−  校正用コイル(6.1 参照)

−  試験用 VCD の構成(6.2 参照)

−  基準 VICC(6.3 参照)

−  デジタルサンプリング  オシロスコープ(6.4 参照)

これらについて次に規定する。

6.1 

校正用コイル 

校正用コイルの寸法,厚さ及び特性を規定する。


5

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6.1.1 

校正用コイルカードの寸法 

校正用コイルカードは,JIS X 6301 に ID-1 型として規定するカードの寸法で,その外周に沿って 1 ター

ンのコイルを含んでいる(

図 参照)。

コイル72×42 mm
1ターン

JIS X 6301に規定する

ID-1型の外形

接続端子

 

図 3−校正用コイル 

6.1.2 

校正用コイルカードの厚さ及び材質 

校正用コイルカードの厚さは 0.76 mm±10 %でなければならない。その材質は,絶縁体でなければなら

ない。

6.1.3 

コイルの特性 

校正用コイルカードのコイルは,1 ターンでなければならない。そのコイルの外形寸法は 72 mm×42 mm

とし,四隅の角の半径は 5 mm でなければならない。これらの誤差は,±2 %とする。

注記 1  磁界を感知するコイル内側の面積は,約 3 000 mm

2

とする。

コイルは,印刷配線で作られ,その銅はくの厚さは,35

μm とする。トラック幅は,500 μm±20 %とす

る。接続端子のパッドは,1.5 mm×1.5 mm とする。

注記 2 13.56

MHz

において,インダクタンスは約 200 nH,抵抗値は約 0.25

Ωとする。

高インピーダンス入力のオシロスコープのプローブ(例えば,>1 M

Ω,<14 pF)を用い,コイルに誘

起する開放電圧を測定しなければならない。校正用コイルとその引き出し端子部との共振周波数は,60

MHz

以上でなければならない。

注記 3  校正用コイル及びその引き出し端子部に寄生する浮遊容量は,35 pF 未満で,その系全体の

共振周波数は,60 MHz 以上でなければならない。

開放電圧から磁界強度に変換する係数は,0.32 V(rms)/A/m(rms)を用いる[ピーク  ツー  ピーク電

圧の場合の係数は,900 mV(p-p)/A/m(rms)となる。

6.2 

試験用 VCD の構成 

負荷変調を測定する試験用 VCD は,直径 150 mm の VCD アンテナと平行に配置した二つのセンスコイ

ル(センスコイル a 及びセンスコイル b)とによって構成される。その試験回路の組立を

図 に示す。こ

れらのセンスコイルは,互いに信号の位相が逆になるように配線される。10

Ωの可変抵抗 P1 は,VICC 又


6

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は他の磁気結合回路がない状態において,両者のセンスコイルの平衡をとるように調整する。浮遊容量を

含めてプローブの負荷容量は,14 pF 未満でなければならない。

注記  接続配線及びオシロスコープ  プローブのキャパシタンスの影響を少なくし,測定値の再現性を

よくすることが望ましい。

センスコイルb

センスコイルa

VCD

アンテナ

240Ω

+/- 1%

240Ω

+/- 1%

P1

10Ω

オシロスコープへ

プロ-ブ

ツイストペア

配線

150 mm未満

図 4−負荷変調試験器(原理図) 

センスコイルと VCD アンテナとの間隔が 100 mm(

図 参照)と大きいために,ツイストペア配線の長

さは,150 mm 未満とする。

非対称な構成の場合における意図しない誤配置を避けるために,P1 の調整範囲は 10

Ωとする。10  Ωの

可変抵抗 P1 によって補償できない場合は,

負荷変調試験器のすべての対称性を確認しなければならない。

接続部とオシロスコープとのプローブ容量は,再現性のために最小にしなければならない。

オシロスコープのハイインピーダンス  プローブの GND 接続は,可能な限り短くしなければならない。

20 mm

以下,又は同軸接続としなければならない。

6.2.1 

試験用 VCD アンテナ 

試験用 VCD アンテナは直径 150 mm とし,その構造は

附属書 の寸法図に従わなければならない。ア

ンテナの同調調整は,

附属書 に示す手順に従って行ってもよい。

6.2.2 

センスコイル 

センスコイルの寸法は,100 mm×70 mm としなければならない。センスコイルの構造は,

附属書 

寸法図に従わなければならない。


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X 6305-7

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6.2.3 

試験用 VCD の配置 

センスコイル及び試験用 VCD アンテナは,平行に,かつ,センスコイルとアンテナコイルとの中心軸

を一致させて,

図 に示すように,実効導体面の間隔を 100 mm にするように配置する。DUT のコイルと

校正用コイルとは,試験用 VCD アンテナに対して等間隔に配置しなければならない。

100 mm

100 mm

DUT

空げき3mm

校正用コイル

導体

センスコイルa

VCDアンテナ

センスコイルb

注記  実効導体の間隔を 100 mm としたのは,読取り距離がより長いことを考慮し,空げきを 3 mm とし

たのは,空げきが狭いときの同調はずれを防止し,又は雑音及び周辺環境による影響を避けるた
めである。

図 5−試験用 VCD の配置 

6.3 

基準 VICC 

基準 VICC は,次の試験のために規定する。

− VCD が発生する磁界 H

min

及び H

max

(VICC を負荷とする状態において)

− VCD から VICC への電力供給能力

− VICC が発生する最小負荷変調信号の検出

6.3.1 VCD

の電力伝送試験用の基準 VICC 

電力伝送試験用の回路図を

附属書 に示す。8.1.2 で規定する磁界 H

min

及び H

max

を測定するために,消

費電力は,抵抗 R1 又は R2 によって設定される。

共振周波数は,キャパシタ C2 で調整する。

6.3.2 

負荷変調試験用の基準 VICC 

負荷変調試験用の推奨回路図を

附属書 に示す。負荷変調にキャパシタを用いる場合,又は抵抗を用い

る場合があり,選択することができる。

基準 VICC の校正は,試験用 VCD を用いて,次のように行う。

基準 VICC を DUT の位置に置く。負荷変調の振幅は,7.2 に規定する方法によって測定する。この振幅

は,基本規格に要求されている磁界強度のすべての値において,最小振幅値に設定することが望ましい。

6.3.3 

基準 VICC の寸法 

基準 VICC は,JIS X 6301 に ID-1 型として規定する縦寸法・横寸法の実効範囲の中に,コイルが配置さ

れる。

VICC

に要求される機能を評価するための回路をその延長部に配置し,

試験用 VCD に挿入したとき,


8

X 6305-7

:2010 (ISO/IEC 10373-7:2008)

   

試験に影響しないようにする。この寸法は,

図 に示すように構成しなければならない。

コイル 4ターン

JIS X 6301に規定する
ID-1型の外形

試験回路

172 mm

図 6−基準 VICC の寸法 

6.3.4 

基準 VICC の基板厚 

基準 VICC の実効領域における基板の厚さは,0.76 mm±10 %でなければならない。

6.3.5 

コイルの特性 

基準 VICC の実効領域に配置されたコイルは,4 ターンで,実効領域の外周に沿って配置しなければな

らない。

コイルの外側の寸法は,(72 mm±2 %)×(42 mm±2 %)  とする。

コイルはプリント基板上に形成され,その導体の厚さは 35

μm とする。

コイルのトラック幅及びその絶縁間隔は,500

μm±20 %とする。

注記 13.56

MHz

において標準インダクタンスは,3.5

μH,標準抵抗は 1 Ωとする。

6.4 

デジタルサンプリング  オシロスコープ 

デジタルサンプリング  オシロスコープの性能は,100 M サンプリング/秒以上で,その適切なスケール

における分解能を 8 ビット以上とする。数学的解析装置及び外部ソフトウェア(

附属書 参照)によって

解析するために,オシロスコープは,テキストファイルで記録したデータを出力できることが望ましい。

7 VICC

の機能試験 

7.1 

目的 

この試験は,JIS X 6323-2 の 6.2(動作磁界強度)に規定する動作磁界の範囲(H

min

H

max

)において,

VICC

の負荷変調信号の振幅及び JIS X 6323-2 の 7.1(変調方式)の

図 及び図 に規定するように変調磁

界をふく(輻)射する VICC の機能を確認することを目的とする。

7.2 

試験手順 

手順 1  図 に示す負荷変調の試験回路及び図 に示す試験用 VCD を用いる。VICC のない状態で,校

正用コイルを用いて磁界強度及び変調度を設定するために,試験用 VCD のアンテナに信号発

生器によって供給する無線電力を調整する。

図 に示す負荷変調試験器の出力をデジタルサン

プリングオシロスコープに接続する。10

Ω可変抵抗 P1 を調整して残留搬送波の電圧を最小に


9

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する。この信号は,一方のセンスコイルを短絡して得られる信号より少なくとも 40 dB 低くな

ければならない。

手順 2 DUT の位置に,試験対象用 VICC をセンスコイル a の中心に一致させて挿入する。試験用 VCD

アンテナに供給する無線駆動電力を再度調整して要求磁界強度に合わせる。

注記  負荷変調度の低い振幅に同期を確実にとるように留意することが望ましい。

2

サイクル分の変調された副搬送波信号を正確に採取し,フーリエ変換する。最大振幅範囲にひずみの

少ない正弦波信号が存在するように尺度を設定し,離散型フーリエ変換を行わなければならない。過渡現

象の影響を少なくするために,変調されていない期間直後の副搬送波の 1 サイクルを除かなければならな

い。双副搬送波の場合,この過程は,第 2 の副搬送波についても同様に試験しなければならない。

上側帯波の周波数  (f

c

f

s

1)

及び  (f

c

f

s

2)

との振幅,並びに下側帯波の周波数  (f

c

f

s

1)

及び  (f

c

f

s

2)

振幅は,JIS X 6323-2 の 8.1(負荷変調方式)に規定する値を超えていなければならない。

VICC

から正確に信号又は負荷変調信号を検出するために,JIS X 6323-3 に規定する適切なコマンドを試

験用 VCD から送出しなければならない。

7.3 

試験成績書 

上側帯波の周波数  (f

c

f

s

1)

及び  (f

c

f

s

2)

の振幅の測定値,下側帯波の周波数  (f

c

f

s

1)

及び  (f

c

f

s

2)

振幅の測定値,並びにそのとき与えた磁界強度及び変調条件を試験成績書に記載する。

8 VCD

の機能試験 

8.1 VCD

の磁界強度及び電力伝送 

8.1.1 

目的 

この試験は,JIS X 6323-2 に規定する動作範囲において,VCD のアンテナが発生する磁界強度を測定す

る。また,8.1.2 の試験手順は,JIS X 6323-1:2001 に規定する磁界強度より高い磁界を,VCD のアンテナ

が発生していないことを確認するために用いる。

附属書 で規定する基準 VICC を使用して,規定された動作範囲のどこに VICC が置かれても,試験対

象用 VCD が電力を供給できることを確認する。

8.1.2 

試験手順 

磁界 H

max

の試験手順 

1) R1

が有効になるようにジャンパ J1 を a 点に接続する。

2)

基準 VICC を 13.56 MHz で同調するように調整する。

注記  基準 VICC の共振周波数は,インピーダンス  アナライザ又は LCR メータを校正用コイルに接

続して測定する。基準 VICC のコイルと校正用コイルとの間隔は,3 mm(±10 %)の間隔を開

け,コイルの中心を一致させて置く。共振周波数は,合成インピーダンスのリアクタンス成分

が最大になったときの周波数となる。

3) R2

が有効になるようにジャンパ J1 を b 点に接続する。

4)

最大動作磁界強度 H

max

の状態に試験用 VCD を設定し,そこに置かれた基準 VICC の出力電圧 VDC

が 3V になるように R2 を調整することによって校正する。

5)

試験対象用 VCD の規定動作磁界範囲に,基準 VICC を置く。

6)

抵抗 R3(

附属書 参照)の両端の直流電圧 V(DC)を高入力インピーダンスの直流電圧計で測定

し,直流電圧は,3 V(DC)を超えてはならない。

磁界 H

min

の試験手順 


10

X 6305-7

:2010 (ISO/IEC 10373-7:2008)

   

1) R1

が有効になるようにジャンパ J1 を a 点に接続する。

2)

基準 VICC を 13.56 MHz で同調するように調整する。

3)

最小動作磁界強度 H

min

の状態に試験用 VCD を設定し,そこに置かれた基準 VICC の出力電圧 VDC

が 3 V になるように R1 を調整することによって校正する。

4)

試験対象用 VCD の規定動作磁界範囲に,基準 VICC を置く。

5)

抵抗 R3 の両端の直流電圧 V(DC)を高入力インピーダンスの直流電圧計で測定し,直流電圧は,3

V

(DC)を超えなければならない。

8.1.3 

試験成績書 

規定された条件の下に,磁界強度 H

min

及び H

max

における直流電圧 V(DC)を測定し,試験成績書に記

載する。

8.2 

変調度及び波形 

8.2.1 

目的 

この試験は,JIS X 6323-2 

図 及び図 に規定する立上がり時間・立下がり時間及びオーバシュート

を含めて,VCD が発生する磁界の変調度を測定する。

注記 ASK100

%

変調の立上がり時間の記号を JIS X 6323-2 

図 における t

3

で表す。また,ASK10 %

変調の立上がり時間及びオーバシュートの記号を,それぞれ,JIS X 6323-2 

図 における t

3

及び hf で表す。

8.2.2 

試験手順 

校正用コイルを規定された動作磁界範囲に置き,オシロスコープの画面上でコイルに誘起した電圧波形

を観測し,変調度と波形の特性とを測定する。

8.2.3 

試験成績書 

規定された動作範囲において,VCD が発生する磁界の変調波形から,JIS X 6323-2 

図 及び図 に規

定するように,変調度,立上がり時間・立下がり時間及びオーバシュートの値を測定して,試験成績書に

記載する。

8.3 

負荷変調信号の受信能力 

この試験は,JIS X 6323-2 に基づいた VICC の負荷変調信号を VCD が正しく復調していることを確認す

る。ここで使用する VCD は,試験用 VICC の発生する副搬送波信号を正しく受信できたことを示す手段を

備えていることを前提としている。

規定された動作範囲において,負荷変調信号に対する VCD の感度を測定するために,試験ジグに接続

して使用する回路を

附属書 に示す。


11

X 6305-7

:2010 (ISO/IEC 10373-7:2008)

附属書 A

(規定)

試験用 VCD アンテナ

この附属書(規定)は,試験用 VCD アンテナについて規定する。

A.1

  インピーダンス整合回路を含む試験用 VCD アンテナ 

インピーダンス整合回路を含む試験用 VCD アンテナの配置図(表面)を

図 A.1 に,同(裏面)を図 A.2

に示す。

170

170

インピーダ
ンス整合
回路

接地
補償コイル

アンテナコイル

φ150

寸法単位は mm で,図は実寸法ではない。 
アンテナコイルのトラックの幅は,1.8 mm とする。

パターンは,インピーダンス整合回路から開始され,45°ごとに交差させる。 
プリント基板:材質 FR4,厚さ 1.6 mm,両面,銅はく 35

μm

図 A.1−インピーダンス整合回路を含む試験用 VCD アンテナの配置図(表面) 


12

X 6305-7

:2010 (ISO/IEC 10373-7:2008)

   

注記  インピーダンス整合回路の配置図は,任意とする。

図 A.2VCD アンテナの配置図(裏面) 

A.2

  インピーダンス整合回路 

アンテナインピーダンス(R

ant

及び L

ant

)は,

図 A.3 に示す整合回路によって,駆動回路の出力インピー

ダンス(Z=50

Ω)に整合させる。キャパシタ C1,C2 及び C3 は,固定値とする。入力インピーダンスの

位相は,可変キャパシタ C4 によって調整する。

注記 1  個々の部品について,最大電圧及び最大電力が許容範囲にあることを確認する。

50

Ω出力インピーダンスで出力可変の低ひずみ直線電力増幅器は,適切な信号列を発生できることが望

ましい。変調度は,10 %〜30 %及び 95 %〜100 %に調整できることが望ましい。出力電力は,磁界強度 H

を 150 mA/m〜12 A/m に調整できることが望ましい。動作磁界を 5 A/m 以上にするときは注意してほしい。


13

X 6305-7

:2010 (ISO/IEC 10373-7:2008)

インピーダンス

整合回路

アンテナコイル

50Ω

駆動回路

Z=50Ω

C1

C4

C2

C3

R

ext

R

ant

L

ant

 

 

部品表 

単位

C1

47 pF

C2 180 pF

C3

33 pF

C4 2

〜27 pF

R

ext

5

×4.7

(並列)

Ω

図 A.3−インピーダンス整合回路 

C4

は,入力インピーダンスが(50±5)

Ω,位相(0±5)°以内となるように調整しなければならない。

注記 2  部品表に記載される値は標準値であって,より高精度の調整のためにわずかに値を変更して

もよい。


14

X 6305-7

:2010 (ISO/IEC 10373-7:2008)

   

附属書 B

(参考)

アンテナの調整手順

この附属書(参考)は,アンテナの調整手順について示すものであり,規定の一部ではない。

アンテナのインピーダンスを信号発生器のそれに合わせるために,位相調整の手順は,

次に示すように,

2

段階で行われる。この 2 段階の調整の後,駆動回路を試験用アンテナ出力端子に直接接続しなければな

らない。

手順 1  基準抵抗として高精度抵抗 50

Ω±1 %(例えば,50 ΩBNC 抵抗)を,信号発生器の出力とアン

テナコネクタとの間に挿入する(

図 B.1 参照)。オシロスコープの二つのプローブをその直列基

準抵抗の両端に接続する。オシロスコープの画面を XY モードにして,リサージュ図形を表示

する。信号発生器は,次のように設定する。

−  波形

正弦波

−  周波数 13.56

MHz

−  振幅

2

〜5 V(rms)

出力を二つ目の高精密抵抗 50

Ω±1 %(例えば,50 ΩBNC 終端抵抗)で終端する。出力に並列接続した

プローブは,小量の浮遊容量(C

probe

)をもつ。基準抵抗に並列に校正用キャパシタ(C

cal

)をつけて,C

cal

=C

probe

になるように校正用キャパシタ(C

cal

)を補正する。

リサージュ図形が完全に閉じたときに,プローブの浮遊容量が補正される。

R

1

 = 50Ω

13.56MHz

信号発生器

基準抵抗

50Ω

校正抵抗

50Ω

C

cal

 = C

probe

C

probe

100Ω

X

Y

オシロスコープ

角度
50Ωに対応

閉じたとき

φ=0

出力

図 B.1−校正方法  手順 


15

X 6305-7

:2010 (ISO/IEC 10373-7:2008)

注記  付近の磁界によって電圧を発生させないように,プローブの接地線は密着して,は(這)わさ

なければならない。

手順 2  手順 で設定した同じ値を使用して,整合回路をアンテナ出力に接続する(図 B.2 参照)。アン

テナ基板上の可変キャパシタ C4 を調整して,位相φを 0 に合わせる。

R

1

 = 50Ω

13.56MHz

信号発生器

参照抵抗

50Ω

C

cal

 = C

probe

C

probe

100Ω

X

Y

オシロスコープ

角度
50Ωに対応

閉じたとき

φ=0

出力

インピーダンス

整合回路

アンテナ

コイル

位相調整:C4

図A.3参照

図 B.2−校正方法  手順 


16

X 6305-7

:2010 (ISO/IEC 10373-7:2008)

   

附属書 C 
(規定)

センスコイルの構成

この附属書(規定)は,センスコイルについて規定する。

C.1

  センスコイルの配置 

センスコイル a 及びセンスコイル b の配置図を

図 C.1 に示す。

170

70

10

0

接続端子

R=10

 

170

寸法単位は mm で,図は実寸法ではない。

センスコイルのトラックの幅は,0.5 mm±20 %とする(スルーホールを除く。

コイルの外側の寸法:図を参照 
プリント基板:材質 FR4,厚さ 1.6 mm,両面,銅はく 35

μm

図 C.1−センスコイル 及びセンスコイル の配置図 


17

X 6305-7

:2010 (ISO/IEC 10373-7:2008)

C.2

  センスコイルの組立 

センスコイルの組立図を

図 C.2 に示す。

接続位置

センスコイルa センスコイルb

VCDアンテナ

13.56MHz

図 C.2−センスコイルの組立 


18

X 6305-7

:2010 (ISO/IEC 10373-7:2008)

   

附属書 D 
(規定)

VCD

の電力試験用基準 VICC

この附属書(規定)は,VCD の電力試験用基準 VICC(

図 D.1 参照)について規定する。

L

C1

C2

C3

R1

R2

D1

D2

D3

D4

C4

R3

V

DC

J1

a

b

C1:浮遊容量<5pF

J1:ジャンパ
a:最小磁界強度
b:最大磁界強度

 

部品表 

部品

L (coil)

6.3.5

参照

C1

浮遊容量<5 pF

C2 2

pF

〜10 pF

C3 27

pF

C4 10

nF

D1, D2, D3, D4

表 D.1 参照(BAR 43 又は相当品)

R1 11

k

Ω

R2 91

Ω

R3 100

k

Ω

注記  部品表に記載される R1 及び R2 の値は標準値であって,より高精度の調整のため

にわずかに値を変更してもよい(8.1.2 参照)

図 D.1−基準 VICC の回路図 

表 D.1−ダイオード D1D2D3 及び D4 の基本特性 

項目

試験

条件

(Tj=25  ℃)

標準

最大値

単位

V

F

I

F

=2 mA

0.33

V

C

V

R

=1 V,

F

=1 MHz

7   pF

t

rr

I

F

=10 mA,

I

R

=10 mA,

I

rr

=1 mA

 5  ns

 V

F

順方向電圧降下

 V

R

逆方向電圧

  I

F

順方向電流

 I

R

逆方向電流

  t

rr

回復時間

 I

rr

回復電流

 Tj

接合点温度

 F

周波数

 C

接合容量


19

X 6305-7

:2010 (ISO/IEC 10373-7:2008)

附属書 E

(参考)

負荷変調用の基準 VICC

この附属書(参考)は,負荷変調用の基準 VICC(

図 E.1 参照)について示すものであり,規定の一部

ではない。

L

C1

C2

C3

R1

R2

D1

D2

D3

D4

C4

R3

V

DC

J1

a

b

C1:浮遊容量<5pF

J1:ジャンパ
a:最小磁界強度
b:最大磁界強度

N2

Rmod2

Cmod2

J3

a

b

J2 a

b

Rmod1

Cmod1

N1

負荷変調信号
423.75 kHz
484.28 kHz

J2,J3:ジャンパ
a:抵抗負荷
b:容量負荷

調整を要する部品 

部品

機能

C2

同調調整 2

pF

〜10 pF

Cmod1, Cmod2

キャパシタ変調 3.0

pF

〜120 pF

Rmod1, Rmod2

抵抗変調 100

Ω〜2.7 kΩ

固定部品表 

部品

R1 11

k

Ω

R2 91

Ω

R3 100

k

Ω

D1, D2, D3, D4

表 D.1 参照

L

6.3.5

参照

C1

浮遊容量<5 pF

C3 27

pF

C4 10

nF

N1, N2

対接地容量が 10 pF 以下の N-MOS トランジスタ

図 E.1−負荷変調用の基準 VICC の回路図 


20

X 6305-7

:2010 (ISO/IEC 10373-7:2008)

   

附属書 F

(参考)

周波数分析プログラム

この附属書(参考)は,周波数分析プログラムを示すものであり,規定の一部ではない。

次のプログラム例は,VICC の信号周波数スペクトラムを計算する。

/***************************************************************/

/***  このプログラムは,JIS X 6305-7 の試験方法による VICC の ***/

/***  負荷変調電圧のフーリエ係数を計算する。                 ***/

/***  係数は,次の周波数において計算される。                 ***/

/***  搬送波周波数: 13.5600 MHz                              ***/

/***  副搬送波: 423.75 kHz / 484.286 kHz                     ***/

/***    #define N_FSUB: 32 28 参照                           ***/

/***  上側波帯: 13.983 8 MHz / 14.044 3 MHz                  ***/

/***  下側波帯: 13.136 3 MHz / 13.075 7 MHz                  ***/

/***************************************************************/

/***  Input:                                                 ***/

/***   File in CSV Format containing a table of two          ***/

/***   columns (time and test VCD output voltage vd, clause 7) ***/

/***                                                         ***/

/***   data format of input-file:                            ***/

/***   -------------------------                             ***/

/***   - one data-point per line:                            ***/

/***      {time[seconds], sense-coil-voltage[volts]}         ***/

/***   - contents in ASCII, no headers                       ***/

/***   - data-points shall be equidistant time               ***/

/***   - minimum sampling rate: 100 MSamples/second          ***/

/***   - modulation waveform centered                        ***/

/***       (max. tolerance: half of subcarrier cycle)        ***/

/***                                                         ***/

/***     "screen-shot of centered modulation-waveform        ***/

/***      with 8 subcarrier cycles":                         ***/

/***                                                         ***/

/***    XXXXXXXXXX  xx  xx  xx  xx  xx  xx  xx  xxXXXXXXXXXX ***/

/***    XXXXXXXXXX  xx  xx  xx  xx  xx  xx  xx  xxXXXXXXXXXX ***/

/***    XXXXXXXXXXxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxXXXXXXXXXX ***/

/***    XXXXXXXXXXxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxXXXXXXXXXX ***/


21

X 6305-7

:2010 (ISO/IEC 10373-7:2008)

/***    XXXXXXXXXXxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxXXXXXXXXXX ***/

/***    XXXXXXXXXXxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxXXXXXXXXXX ***/

/***    XXXXXXXXXX  xx  xx  xx  xx  xx  xx  xx  xxXXXXXXXXXX ***/

/***    XXXXXXXXXX  xx  xx  xx  xx  xx  xx  xx  xxXXXXXXXXXX ***/

/***    |------------------------cc------------------------| ***/

/***   example for spreadsheet file (start in next line):    ***/

/***    (time) (voltage)                                     ***/

/***   3.00000e-06 , 1.00                                    ***/

/***   3.00200e-06 , 1.01                                    ***/

/***   .....                                                 ***/

/***************************************************************/

/***  RUN: Modtst7 [filename1[.csv] ... filename[.csv] ]     ***/

/***************************************************************/

#include <stdio.h>

#include <conio.h>

#include <string.h>

#include <math.h>

#define MAX_SAMPLES 5000

#define N_FSUB 32.0F    /* sidebands: 13.9838 MHz / 13.1363 MHz */

/* #define N_FSUB 28.0F /* sidebands: 14.0443 MHz / 13.0757 MHz */

float pi;    /* pi=3.142.... */

/* Array for time and sense coil voltage vd*/

float vtime[MAX_SAMPLES]; /* time array */

float vd[MAX_SAMPLES]; /* Array for different coil voltage */

/***************************************************************/

/***    Read CSV File Function                               ***/

/***                                                         ***/

/***    Description:                                         ***/

/***    This function reads the table of time and sense coil ***/

/***    voltage from a File in CSV Format                    ***/

/***                                                         ***/

/***    Input: filename                                      ***/

/***                                                         ***/

/***    Return: Number of samples (sample Count)             ***/

/***    0 if an error occurred                               ***/

/***                                                         ***/

/***    Displays Statistics:                                 ***/

/***                                                         ***/

/***    Filename, SampleCount, Sample rate, Max/Min Voltage  ***/

/***************************************************************/


22

X 6305-7

:2010 (ISO/IEC 10373-7:2008)

   

int readcsv(char* fname)

{

float a,b;

float max_vd,min_vd;

int i;

FILE *sample_file;

/************ Open File ***********************************/

if (!strchr(fname, '.')) strcat(fname, ".csv");

if ((sample_file = fopen(fname, "r")) == NULL)

{

printf("Cannot open input file %s.\n",fname);

return 0;

}

/**********************************************************/

/* Read CSV File */

/**********************************************************/

max_vd=-1e-9F;

min_vd=-max_vd;

i=0;

while (!feof(sample_file))

{

if (i>=MAX_SAMPLES)

{

printf("Warning: File truncated !!!\n");

printf("To much samples in file %s\b\n",fname);

break;

}

fscanf(sample_file,"%f,%f\n", &a, &b);

vtime[i] = a;

vd[i] = b;

if (vd[i]>max_vd) max_vd=vd[i];

if (vd[i]<min_vd) min_vd=vd[i];

i++;

}

fclose(sample_file);

/************ Displays Statistics ************************/

printf("\n***********************************************\n");

nprintf("\nStatistics: \n");

printf(" Filename : %s\n",fname);

printf(" Sample count: %d\n",i);


23

X 6305-7

:2010 (ISO/IEC 10373-7:2008)

printf(" Sample rate : %1.0f MHz\n",1e-6/(vtime[1]-vtime[0]));

printf(" Max(vd) : %4.0f mV\n",max_vd*1000);

printf(" Min(vd) : %4.0f mV\n",min_vd*1000);

return i;

}/**************** End ReadCsv ***************/

/***************************************************************/

/***      DFT : Discrete Fourier Transform                   ***/

/***************************************************************/

/***      Description:                                       ***/

/***      This function calculate the Fourier coefficient    ***/

/***                                                         ***/

/***      Input: Number of samples                           ***/

/***      Global Variables:                                  ***/

/***                                                         ***/

/***      Displays Results:                                  ***/

/***                                                         ***/

/***       Carrier coefficient                               ***/

/***       Upper sideband coefficient                        ***/

/***       Lower sideband coefficient                        ***/

/***                                                         ***/

/***************************************************************/

void dft(int count)

{

float c0_real,c0_imag,c0_abs,c0_phase;

float c1_real,c1_imag,c1_abs,c1_phase;

float c2_real,c2_imag,c2_abs,c2_phase;

int N_data,center,start,end;

float w0,wu,wl;

int i;

w0=(float)(13.56e6*2.0)*pi; /* carrier 13.56 MHz */

wu=(float)(1.0+1.0/N_FSUB)*w0; /* upper sideband 13.98 MHz */

wl=(float)(1.0-1.0/N_FSUB)*w0; /* lower sideband 13.14 MHz */

c0_real=0; /* real part of the carrier fourier coefficient */

c0_imag=0; /* imag part of the carrier fourier coefficient */

c1_real=0; /* real part of the up. sideband fourier coefficient */

c1_imag=0; /* imag part of the up. sideband fourier coefficient */

c2_real=0; /* real part of the lo. sideband fourier coefficient */

c2_imag=0; /* imag part of the lo. sideband fourier coefficient */

center=(count+1)/2; /* center address */

/********** signal selection ******************************/


24

X 6305-7

:2010 (ISO/IEC 10373-7:2008)

   

/* Number of samples for two subcarrier periods */

N_data=(int)(0.5+2.0*N_FSUB/(vtime[2]-vtime[1])/13.56e6F);

/* Note: (vtime[2]-vtime[1]) are the scope sample rate */

start=center-(int)(N_data/2.0+0.5);

end=start+N_data-1;

/******************* DFT ********************************/

for( i=start;i<=end;i++)

{

c0_real=c0_real+vd[i]*(float)cos(w0*vtime[i]);

c0_imag=c0_imag+vd[i]*(float)sin(w0*vtime[i]);

c1_real=c1_real+vd[i]*(float)cos(wu*vtime[i]);

c1_imag=c1_imag+vd[i]*(float)sin(wu*vtime[i]);

c2_real=c2_real+vd[i]*(float)cos(wl*vtime[i]);

c2_imag=c2_imag+vd[i]*(float)sin(wl*vtime[i]);

}

/******************* DFT scale ***************************/

c0_real=2.0F*c0_real/(float)(N_data);

c0_imag=2.0F*c0_imag/(float)(N_data);

c1_real=2.0F*c1_real/(float)(N_data);

c1_imag=2.0F*c1_imag/(float)(N_data);

c2_real=2.0F*c2_real/(float)(N_data);

c2_imag=2.0F*c2_imag/(float)(N_data);

/**************** absolute fourier coefficient **********/

c0_abs=(float)sqrt(c0_real*c0_real + c0_imag*c0_imag);

c1_abs=(float)sqrt(c1_real*c1_real + c1_imag*c1_imag);

c2_abs=(float)sqrt(c2_real*c2_real+c2_imag*c2_imag);

/************** Phase of fourier coefficient **********/

c0_phase=(float)atan2(c0_imag,c0_real);

c1_phase=(float)atan2(c1_imag,c1_real);

c2_phase=(float)atan2(c2_imag,c2_real);

/************** Result Display **************************/

printf("\n\nResults: \n");

printf("Carrier ");

printf("Abs: %7.3fmV ",1000*c0_abs);

printf("Phase: %3.0fdeg\n",c0_phase/pi*180);

printf("Upper sideband ");

printf("Abs: %7.3fmV ",1000*c1_abs);

printf("Phase: %3.0fdeg\n",c1_phase/pi*180);

printf("Lower sideband ");

printf("Abs: %7.3fmV ",1000*c2_abs);


25

X 6305-7

:2010 (ISO/IEC 10373-7:2008)

printf("Phase: %3.0fdeg\n\n",c2_phase/pi*180);

printf("\n***********************************************\n");

return;

}/**************** End DFT ***************/

/***************************************************************/

/***     MAIN LOOP                                           ***/

/***************************************************************/

int main(unsigned short paramCount,char *paramList[])

{

char fname[256];

unsigned int i,sample_count;

pi = (float)atan(1)*4; /* calculate pi */

printf("\n***********************************************\n");

printf("\n**** ISO/IEC 10373-7 VICC Test-Program ****\n");

printf("\n**** Version: 1.1 JUL 2000 ****\n");

printf("\n***********************************************\n");

/************* No Input Parameter *****************/

if (paramCount==1)

{

printf("\nCSV Filname :");

scanf("%s",fname);

if (!strchr(fname, '.')) strcat(fname, ".csv");

if (!(sample_count=readcsv(fname))) return;

dft(sample_count);

}

else

{

/************* Input Parameter Loop *****************/

for (i=1;i<paramCount;i++)

{

strcpy(fname,paramList[i]);

if (!strchr(fname, '.')) strcat(fname, ".csv");

if (!(sample_count=readcsv(fname))) break;

dft(sample_count);

}

}

return;

}/*********************** End Main ***************************/