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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

X 6221-1987 

90mmフレキシブルディスク 

カートリッジ(7958磁束反転/rad) 

90mm Flexible Disk Cartridges (7958ftprad)  

1. 適用範囲 この規格は,両面を磁束反転密度7958磁束反転/rad,トラック密度5.3トラック/mmで

記録する情報交換用90mmフレキシブルディスクカートリッジ(以下,フレキシブルディスクという。)

の構造・寸法,物理的・機械的特性及び電気的・磁気的特性について規定する。 

2. 用語の意味 この規格で用いる主な用語の意味は,JIS X 0001(情報処理用語)によるほか,次のと

おりとする。 

(1) フレキシブルディスク ケースにディスクを内蔵し,両面の記録面に情報処理システム及びそれに関

連するシステムの情報を,磁気的に記録保持する可とう(撓)形情報記録媒体。 

(2) ハブ ディスクの中心に取り付けられたディスク駆動用円板。ハブは,特定の角度の孔に駆動軸をは

めこむことによって,ディスクの同心回転を確実にする。 

(3) シャッタ フレキシブルディスクをドライブに着脱するときに,自動的にヘッドウィンドウ部を開閉

する機構。 

(4) ライナ ディスクの清掃と摩耗防止のために,ディスクとケースの間に設ける保護用シート。 

(5) ケース シャッタ機構と書込み禁止孔を有するディスク保護用封入箱。 

(6) 標準フレキシブルディスク 基準磁界,信号振幅,分解能,ピークシフト及び重ね書きの標準として

用いられるもので,その特性値を国際標準化機構 (ISO) が規定したフレキシブルディスク。 

両面のトラック00と79を基準トラックとする。基準トラックは,600rpmで校正されているが,

300rpmでも有効である。 

(7) 副標準フレキシブルディスク 標準フレキシブルディスクとの電磁変換特性の偏差が明示され,供試

フレキシブルディスクと標準フレキシブルディスクとの電磁変換特性の比較を可能にするフレキシブ

ルディスク。 

副標準フレキシブルディスクは,参考1に示す機関及び内容によって提供される。 

(8) 基準磁界 標準フレキシブルディスクの特定トラックにおいて,規定の試験周波数で記録し,これを

再生するとき,その再生出力電圧が最大出力電圧(飽和値)の95%となる最小記録磁界。 

(9) 平均信号振幅 当該トラック1周の再生出力電圧 (P−P) の平均値。 

                                                        

引用規格,対応国際規格及び関連規格:11ページに示す。 

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X 6221-1987  

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3. 構造 フレキシブルディスクは,図1〜5に示す構造とする。すなわち,中心部に金属ハブを取り付け

たディスクをケースに封入したもので,ケース内面にライナをもち,ヘッドウィンドウはシャッタで覆わ

れたものとする。 

ケースには,片面中心部にハブ操作孔を,両面にヘッドウィンドウと書込み禁止孔を設ける。 

記録面は,ハブ側を0面,他の側を1面とする。 

4. 形状及び寸法 

4.1 

ケース ケースの基準線は,図1のX及びYが直角に交わる点の延長線とする。厚さ方向の基準面

は,図2の0面の網掛け領域の面XYとする。 

(1) 大きさ ケースの2辺の長さ (L1,L2),3か所の角部の丸みの半径 (R1) 及び4番目の角部の角度 (ω) 

は,図1及び次のとおりとする。 

L1=94.0±0.3mm 

L2=90.0+0.4mm 

     −0.1mm 

R1=2.0±1.0mm 

ω =45±2° 

図1 フレキシブルディスク(0面側) 

(2) 厚さ ケースの両端からそれぞれ8.5mmの領域(図2に示す網掛け領域)におけるケースの厚さ (E1) 

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及び角部の半径 (R2) は,次のとおりとする。 

E1=3.3 ±0.2mm 

R2=0.40±0.25mm 

フレキシブルディスクは附属書1図1に示すような垂直壁を有する厚さゲージの間を,最大0.2Nの

力で挿入したときに,落下しなければならない。 

図2 フレキシブルディスク(1面側) 

(3) ハブ操作孔 0面にあるハブ操作孔の位置 (L3,L4) 及び直径 (D1) は,図1及び次のとおりとする。 

L3=40.00±0.15mm 

L4=31.00±0.15mm 

D1≧26.50mm 

(4) 基準孔 

(a) 第1基準孔 第1基準孔の中心は,基準線X及びYの交点とし,その形状 (L8,L9,L10,D2,D3) は,

図1及び次のとおりとする。 

L8=0.2±0.1mm 

L9≧1.0mm 

L10≧2.5mm 

D2=3.6±0.1mm 

D3≧1.5mm 

(b) 第2基準孔 第2基準孔の中心は,基準線X上とし,基準線Yからの位置 (L5) 及び寸法 (L6,L7) は,

図1,図3及び次のとおりとする。 

なお,孔の形状 (L8,L9,L10,D3) は,4.1(4)(a)のとおりとする。 

L5=80.0±0.2mm 

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L6=3.6 ±0.1mm 

L7=4.4 ±0.2mm 

図3 フレキシブルディスク拡大図(0面側) 

(5) ラベル領域 

(a) 0面 0面のラベル領域は,図1に示す部分とし,範囲 (L11,L12,L14) は,次のとおりとする。 

L11≧3.5mm 

L12≦76.5mm 

L14≧60.0mm 

(b) 1面 1面のラベル領域は,図2に示す部分とし,範囲 (L11,L12,L13) は次のとおりとする。 

L11≧3.5mm 

L12≦76.5mm 

L13≧20.0mm 

(6) ヘッドウィンドウ ヘッドウィンドウの位置 (L15〜L17),幅 (L18),下端部の半径 (R3) 及び上端部の

半径 (R4) は,図3及び次のとおりとする。 

L15≧12.3mm 

L16≧11.5mm 

L17=35.5±0.2mm 

L18=9.00±0.20mm 

R3 =0.5 ±0.1mm 

R4 ≧8.85mm 

(7) 書込み禁止孔 書込み禁止孔の中心は,基準線Y上とし,基準線Xからの位置 (L19) 及び大きさ (L20,

L21) は図2及び次のとおりとする。 

L19=67.75±0.25mm 

L20≧3.5mm 

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L21≧4.0mm 

(8) シャッタ部分の形状 シャッタが装着されている部分の形状寸法 (L22〜L31,L45) 及び切欠き角 (α,β,

ω) は,図1,図3及び次のとおりとする。 

L22=80.0 ±0.2mm 

L23=76.0 ±0.3mm 

L24=68.0 ±0.3mm 

L25=64.50±0.35mm 

L26=57.00±0.35mm 

L27=55.5 ±0.6mm 

L28≧3.5mm 

L29=17.5 ±0.2mm 

L30=17.00±0.15mm 

L31=15.50±0.25mm 

L45=12.50±0.25mm 

α=45 ±2° 

β=135±2° 

ω=45 ±2° 

(9) シャッタ シャッタが開いた状態での基準線Yからの距離 (L32) 及びウィンドウの幅 (L33) は,図2,

図3及び次のとおりとする。 

L32=53.75±1.25mm 

L33=12.0 ±0.2mm 

なお,シャッタの移動は,L25からL28までの範囲とする。 

4.2 

ライナ ライナは,ヘッドウィンドウ開口部から0.2mm以上はみ出してはならない。 

4.3 

ディスク ディスクは,次による。 

(1) 寸法 ディスクの直径 (D4) 及び厚さ (E2) は,図4及び次のとおりとする。 

D4=85.8 ±0.2mm 

E2=0.080±0.008mm 

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図4 ディスク及びハブ 

(2) 磁性層の有効領域 磁性層の有効領域は,次に示す半径の二つの円で囲まれる範囲とする。 

内半径=20.6mm 

外半径=42.0mm 

4.4 

ハブ ハブは,図4に示すように中央部とフランジ部で構成する。 

(1) 大きさ 中央部の直径 (D5),フランジ部の直径 (D6),中央部の面からディスクの0面までの距離 (L34) 

及びL34の測定位置の半径 (R7) は,次のとおりとする。 

D5 =25.00+0.00mm 

      −0.15mm 

D6 ≦31.15mm 

L34=1.36 ±0.10mm 

R7 =14mm 公称値 

(2) 位置決め孔 ハブには,中心孔と駆動孔の二つの位置決め孔を設ける。 

(a) 中心孔 中心孔の正方形の1辺の長さ (L35),ディスク回転中心からの位置 (L36) 及び角部の半径 

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(R5) は,次のとおりとする。 

L35≧4.00mm 

L36=1.9955mm 

R5 =1.0 ±0.3mm 

ディスクの回転中心は,ディスクの幾何学的中心の0.5mm以内とし,位置は,孔の2辺について

測定する。 

(b) 駆動孔 駆動孔は,直交する2本の基準線A,Bによって規定する。その角度 (γ),孔の大きさ (L37,

L38),基準線A,Bからの位置 (L39,L40),3か所の角部の半径 (R5) 及び4番目の角部の半径 (R6) は,

次のとおりとする。 

γ=15±3° 

L37=8.0 ±0.3mm 

L38≧4.5mm 

L39=2.0 ±0.2mm 

L40=10.00±0.15mm 

R5 =1.0 ±0.3mm 

R6 =2.0 ±0.1mm 

4.5 

ノッチ ノッチを付ける場合,基準線Xからの位置 (L41),大きさ (L42,L43) 及び基準面XYからの

深さ (L44) は,図1,図2及び次のとおりとする。 

L41=7.50±0.15mm 

L42≧3.0mm 

L43=4.2 ±0.2mm 

L44≧2.0mm 

4.6 

フレキシブルディスクとディスク装置との接触断面 フレキシブルディスクをドライブに装着した

とき,基準面XYからのハブ中央部表面の位置 (L46),ケース1面の厚さ (E3),L47とL48で規定された環状

帯の厚さ (E4) 及び環状帯の位置 (L47,L48) は,図5及び次のとおりとする。 

L46=0.3mm 公称値 

E3 =1.3 ±0.1mm 

E4 ≦2.5mm 

L47=22.6mm 

L48=21.7±0.2mm 

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図5 フレキシブルディスク接触断面図 

4.7 

可とう(撓)性 フレキシブルディスクは,附属書2に示す試験方法で試験するとき,P1〜P4にフ

レキシブルディスクが接触しなければならない。 

5. 材料 

5.1 

ケース ケースは,適切な材料(例えば,ABS樹脂)とする。 

5.2 

ライナ ライナは,ディスクを傷つけないでほこりを除去できる材料(例えば,不織布)とする。 

5.3 

ディスク ディスクは,適切なベース(例えば,2軸に延伸したポリエチレンテレフタレート)の両

面に強固で柔軟性のある磁性塗膜(例えば,磁性材としてCo−γFe2O3を用いた塗膜)を形成したものとす

る。 

5.4 

ハブ ハブは適切な材料(例えば,SUS 430又はこれと同等な磁気特性を有する材料)とする。 

6. トラック 

6.1 

トラック数 記録面には,磁性層の有効領域に80本の同心のトラックを有する。 

6.2 

トラック番号 トラック番号は,外周から始まる00から79までの10進2けたの数字で表す。 

6.3 

トラック幅 記録されたトラック幅は,0.115±0.008mmとする。ただし,この場合,隣接するトラ

ックの間は,消去されているものとする。 

なお,トラック幅の測定方法は,附属書3による。 

6.4 

トラック位置 トラック位置は,次のとおりとする。 

(1) トラック番号とトラック半径の関係 トラック中心線の半径の公称値 (Rn) は,次式による値とする。 

Rn=X−0.187 5n 

ここに, 

Rn: トラック中心線の半径の公称値 (mm) 

X: 0面の場合39.500mm,1面の場合38.000mm 

n: トラック番号 (00〜79) 

(2) トラック半径の許容差 試験時における各トラック半径の許容差は,10.1で測定したとき,±0.020mm

とする。 

7. 物理的・機械的特性 

7.1 

燃焼性 ディスク,ケース及びライナの材料は,マッチの炎によって着火しても差し支えないが,

二酸化炭素中で燃焼し続けてはならない。 

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7.2 

ディスクの熱線膨張係数 ディスクの熱線膨張係数は, (17±8) ×10−-/℃とする。 

7.3 

ディスクの湿度線膨張係数 ディスクの湿度線膨張係数は, (0〜15) ×10−6/%RHとする。 

7.4 

トルク 始動トルク及び回転トルクは,次のとおりとする。 

(1) 始動トルク ヘッドをディスクに接触させない状態で,始動トルクは,0.006N・mを超えてはならない。 

(2) 回転トルク ヘッドをディスクに接触させない状態で,ディスクの回転を維持するのに必要なトルク

は,0000 5〜0.002 5N・mとする。ただし,回転数は,300±3rpm及び600±6rpmとする。 

7.5 

シャッタ機構 シャッタは,フレキシブルディスクをドライブに装着するとき及びドライブから取

り出すとき,自動的に開閉する機構を有し,その開閉力は閉じた位置で0.2N以上,開いた位置で1N以下

とする。 

7.6 

書込み禁止孔 この孔は,機械的なスイッチ又は光学的検出器と共に利用され,閉じた状態のとき

にだけディスクへの記録を可能とするために用いる。書込み禁止孔を閉じたとき,閉じた部分はディスク

カートリッジ表面より飛び出さないものとし,3Nの荷重をかけても0.3mmを超えるへこみを生じてはな

らない。 

また,附属書4に示す光学系を用いて測定したとき,書込み禁止孔における光透過率は閉じた状態で1%

以下とする。 

8. 電気的・磁気的特性 

8.1 

平均信号振幅 平均信号振幅は,標準フレキシブルディスク(1)を用いて同じ条件で記録したときの

標準振幅に対して,トラック00の1f出力は130%以下,トラック79の2f出力は80%以上とする(10.2参

照)。 

注(1) 電気的・磁気的特性の測定に用いる標準フレキシブルディスクは,副標準フレキシブルディス

クに代えることができる。 

8.2 

分解能 トラック79において,2fの平均信号振幅を1fの平均信号振幅で除した値は,標準フレキ

シブルディスクを用いて測定したときの値に対して80%以上とする。この試験は,両面において行わなけ

ればならない。 

8.3 

ピークシフト ピークシフトは,附属書5の方法で測定したとき,標準フレキシブルディスクを用

いて同じ条件で測定したときの値に対して63〜137%とする。この試験は両面のトラック79において行わ

なければならない。 

なお,ピークシフトは次式で表す。 

ピークシフト=

2

T

T−′

ここに, T′: 再生波形における1対のビット間隔の周期の平均。テストパタ

ーンDB6における値と,B6Dにおける値の平均とする。 

T: 2fパターンの周期で,600rpmのとき2μs,300rpmのとき4μs

とする。 

8.4 

重ね書き 直流消法[10.2(3)参照]を行った後,トラック00に1fを1周にわたって記録し,1fの

平均信号振幅を測定する。次に消去を行わないで2fを1周にわたって重ね書きし,1fの残留平均信号振幅

を測定する。これらの平均信号振幅の測定には,周波数選択レベル計(セレクティブ電圧計)を使用する。

これらの測定値から次式によって平均信号振幅比を算出したとき,その値は,標準フレキシブルディスク

に対する値の125%以下でなければならない。 

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平均信号振幅比=

平均信号振幅

残留平均信号振幅

記録後の

f

f

f

1

1

2

この試験は,両面において行わなければならない。 

8.5 

飽和特性 トラック00において,1fの試験周波数で記録し,これを再生するとき,その再生出力電

圧が最大出力電圧(飽和値)の95%となるような最小記録磁界は,基準磁界の±20%に入っていなければ

ならない。 

8.6 

モジュレーション トラック00における1fのモジュレーション及びトラック79における2fのモジ

ュレーションは,10%以下でなければならない。 

なお,モジュレーションは,次式で表す。 

モジュレーション (%) =

100

×

+

B

A

B

A

ここに, 

A: トラック1周のうち最大出力電圧を含む約2 000磁束反転の平

均出力電圧 

B: トラック1周のうち最小出力電圧を含む約2 000磁束反転の平

均出力電圧 

8.7 

トラックの品質 

8.7.1 

ミッシングパルス 2fのせん(尖)頭値が,その平均信号振幅の21の45%未満のものを,ミッシン

グパルスとする。 

8.7.2 

エキストラパルス 2fを記録した後,直流消去[10.2(3)参照]を行い,再生された信号のせん(尖)

頭値が,その平均信号振幅の21の20%を超える信号となるものをエキストラパルスとする。 

8.7.3 

トラックの必要条件 全トラックにおいて,次の条件を満足しなければならない。 

(1) トラック00には,ミッシングパルス又はエキストラパルスがあってはならない。 

(2) トラック00を除く全トラックにおいては,原則としてミッシングパルス又はエキストラパルスがあっ

てはならない。 

9. 耐久性及び耐候性 

9.1 

耐久性 耐久性は,附属書6の方法で試験する。試験前の再生出力電圧に対する試験後の再生出力

電圧の比は,0.7以上でなければならない。 

9.2 

耐候性 耐候性は,附属書7の方法で8.の各項目を試験し,それらの規格値を満足しなければなら

ない。 

また,この試験によってミッシングパルス又はエキストラパルス数が増加してはならない。 

10. 試験条件 

10.1 一般試験条件 一般試験条件は,次のとおりとする。ただし,温度及び相対湿度の測定は,フレキ

シブルディスクの近傍の値とする。 

また,周辺磁界は,ヘッドによる磁束の集中効果を含めたフレキシブルディスク面上の値とする。 

温度 

:23±2℃ 

相対湿度 

:40〜60% 

試験前放置時間 :最低24時間 

周辺磁界 

:4 000A/m以下 

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10.2 電気的・磁気的試験条件 電気的・磁気的試験条件は,次のとおりとする。 

(1) 磁束反転周波数 磁束反転周波数は,表のとおりとする。 

表 磁束反転周波数 

回転数 

600rpm 

300rpm 

1f 

250 000±250 磁束反転/s 

125 000±125 磁束反転/s 

2f 

500 000±500 磁束反転/s 

250 000±250 磁束反転/s 

(2) 試験記録電流 試験記録電流は,基準磁界を生ずべき電流の148〜152%の記録電流をいい,トラック

00の1fを用いる。 

(3) 直流消去 特に指定のない限り,記録に先行して,試験記録電流にほぼ等しい直流電流によって消去

を行う。 

(4) 回転数 ディスクの回転数は,600±6rpm又は300±3rpmとする。 

なお,回転方向は,フレキシブルディスクの0面から見て反時計方向とする。 

11. 表示 フレキシブルディスクのケースに,次の事項を明りょうに表示しなければならない。 

(1) 製造業者名又はその略号 

(2) フレキシブルディスク,形式(両面),記録形式及びトラック数又はそれらの略号 

(3) 製造年月又はその略号 

引用規格: 

JIS X 0001 情報処理用語 

対応国際規格: 

ISO/DIS 8860/1 Information processing−Data interchange on 90 mm (3.5 in) flexible disk cartridges 

using modified frequency modulation recording at 7958 ftprad, on 80 tracks. on each side−Part 1 : 

Dimensional, physical and magnetic characteristics 

関連規格 JIS X 0201 情報交換用符号 

JIS X 0202 情報交換用符号の拡張法 

JIS X 6222 90mmフレキシブルディスクカートリッジのトラックフォーマット(7958磁束反

転/rad) 

ISO/DIS 8860/2 Information processing−Data interchange on 90 mm (3.5 in) flexible disk cartridges 

using modified frequency modulation recording at 7958 ftprad, on 80 tracks on each side−Part 2 : 

Track format 

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附属書1 厚さゲージ 

1. ゲージ ゲージは,クロムめっきを施した鋼鉄製などとし,内部の表面粗さは最大5μmとする。 

2. ゲージの寸法 ゲージの寸法は,附属書1図及び次のとおりとする。 

A≧96.0mm 

B=91.0±0.1mm 

C=8.50±0.01mm 

D=3.80±0.01mm 

E=4.20±0.01mm 

附属書1図 厚さゲージ 

13 

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附属書2 可とう(撓)性の測定方法 

1. フレキシブルディスクの可とう(撓)性の測定点 測定点は,附属書2図1に示すa,b,c,dの4

点とし,その間隔 (L5),(Lx) は,次のとおりとする。 

L5=80.0±0.2mm 

Lx=62.0±0.2mm 

なお,測定点a及びbは,それぞれ第1基準孔及び第2基準孔とする。 

2. 可とう(撓)性試験装置 可とう(撓)性試験装置は,附属書2図2に示すように,平板上に垂直に

立てた支柱P1〜P5からなる。測定点a,b,c,dに対応した位置にそれぞれP1,P2,P3,P4を設け,ハブ操

作孔に対応した位置にP5を設ける。 

P1〜P5の寸法は,次のとおりとする。 

(1) P1・P2の寸法 支柱P1及びP2の寸法は,附属書2図3及び次のとおりとする。 

d1=6.00±0.01mm 

d2=3.00±0.01mm 

h1≦1.00mm 

h2≦2.00mm 

(2) P3・P4の寸法 支柱P3及びP4の寸法は,附属書2図3及び次のとおりとする。 

d5=6.00±0.01mm 

(3) P5の寸法 支柱P5の寸法は,附属書2図3及び次のとおりとする。 

d3=12.70±0.01mm 

d4= 3.98±0.01mm 

h3= 2.20+0.03mm 

    −0.00mm 

r = 2.5 ±0.3mm 

3. 試験方法 フレキシブルディスクの測定点a,b,c,dを可とう(撓)性試験装置の支柱P1,P2,P3

及びP4上に置き,各測定点に対応する上部の4点にそれぞれ0.6Nの力を加えて測定する。 

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X 6221-1987  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書2図1 測定点 

附属書2図2 試験装置 

附属書2図3 寸法 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書3 トラックの幅の測定方法 

7トラックの幅にわたり直流消去を行い,記録再生ヘッドを消去した幅の中央に位置決めし,消去ヘッ

ドも作動させながら1fの周波数で記録する。次に,ヘッドを半径方向に0.01mmを超えないピッチで附属
書3図の左及び右へ,再生信号が25%になるまで移動させる。附属書3図のように21実効トラックの幅A

及びBをそれぞれ測定し,A及びBの和からトラックの幅を求める。ただし,試験に使用するヘッドのギ

ャップ幅は実効トラックの幅以上とする。 

附属書3図 トラックの幅の測定方法 

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附属書4 光透過率の測定方法 

附属書4図1及び附属書4図2に示す測定器及び測定回路を用い,測定器に試験片を差し込んだときの

電圧計の読取り値V0と試験片を抜き取ったときの読取り値V1とを測定する。次式によって光透過率t (%) 

を求める。 

()

100

%

0

=VV

t

附属書4図1 測定器 

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附属書4図2 測定回路 

項目 

仕様 

発光ダイオード 

最大放射光の波長:λpeak=940±10nm 

半値幅:b=±50nm 
ディスクまでの距離: 

α

tan

2

5.3

1=

L

mm 

ここに,α:発光ダイオードの最大光度の95%以上を

得るために必要な角度 

マスク 

開口厚:1.2〜1.4mm 
開口径:D=2L2tanαmm 

ここに,L2=L1+1.5mm 
表面塗装:黒色,つや消し 

ホトダイオード 

受光面:マスク開口径の100〜120% 

抵抗器 

(Rf0,Rf1) 

Rf0とRf1の比:

50

1

1

0=

f

f

R

R

精度:1% 

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附属書5 ピークシフトの測定方法 

1. 試験装置 

1.1 

測定回路 ピークシフトの測定回路とタイムチャートは,附属書5図1及び附属書5図2に示すと

おりとするこれらの図において,信号a,b,c,…,gは次のとおりとする。 

a: インデックスパルス トラックの始点と終点を表す。 

b: インデックスパルスタイマ インデックスパルスによって起動される1msのタイマであり,記録電

流がオフになったとき不連続記録部のサンプリングを防ぐために用いる。 

c: 再生信号 テストパターンの再生出力であり,1対のビットの最初のビットの立ち上がりはLS 74

フリップフロップを起動し,立ち上がりはLS 221タイマを起動する。 

d: ビット周期ウィンドウ LS 221タイマの出力であり,再生信号の1対のビットの2番目のビットの

立ち上がりとタイミングをとり,LS 74フリップフロップをリセットする。 

e: ビット周期 LS 74フリップフロップの出力であり,再生信号の一対の2ビット間の時間間隔T'を

示す。 

f: サンプリング周期 サンプリング周期は,インデックスパルスタイマがリセットされてから,2番

目のLS 74フリップフロップがdの後縁によってセットされるときに始まり,次のインデックスル

スタイマの周期の間に生じる最初のLS 221タイマの後縁によって終わる。 

g: 出力 gの波形は,ビット周期(e)とサンプリング周期(f)の否定論理積であり,時間間隔カウンタに

送られる。 

1.2 

LS 221タイマの周期 LS 221タイマの周期は,次のとおりである。 

600rpmのとき3μs 

300rpmのとき6μs 

1.3 

時間間隔カウンタ 時間間隔カウンタの分解能は,5ns以上でなければならない。 

2. 試験方法 

2.1 

消去 ディスクを交流でバルク消去する。 

2.2 

記録 テストパターンDB6 (110110110110110……) を連続して,両面のトラック79に記録する。こ

の記録は,インデックスパルスと共に始まり,インデックスパルスが検出されたときに終わる。 

2.3 

再生 記録に使用した装置と同じ装置によって再生し,時間間隔カウンタによって時間間隔T'を測

定する。 

備考 装置の回転速度による誤差を最小限にするため,記録した後,直ちに再生する必要がある。 

2.4 

サンプリング方法 

2.4.1 

データ記録領域 データ記録領域は,インデックスパルスの後縁から次のインデックスパルスの後

縁までとする。 

2.4.2 

サンプリング領域 サンプリング領域は,インデックスパルスタイマのリセットから次のインデッ

クスパルスの後縁までとする。 

2.4.3 

サンプリング方法 サンプリング方法は,サンプリング領域においてすべての時間間隔T' を測定

する。ただし,すべての時間間隔T' を測定することが不可能なサンプリングレートである場合は,サン

プルサイズ(測定数)が1 000以上の条件でランダムサンプリングしてもよい。 

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X 6221-1987  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2.5 

記録電流波形の非対称 記録電流波形の非対称に起因する誤差を除くため,テストパターンB6D 

(1011011011011……) を使用して,2.1から2.4を繰り返す。この操作は,標準フレキシブルディスクと試

験に供するディスクの両方に対して行わなければならない。 

附属書5図1 測定回路(600rpmの場合) 

附属書5図2 タイムチャート(600rpmの場合) 

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20 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書6 耐久性の試験方法 

附属書6表に示すそれぞれの試験条件下において,トラック12にあらかじめ1周にわたって2fを記録

し,1周にわたる再生を300回繰り返した後の再生出力電圧をA0とする。その後,トラック12において,

1周にわたる再生を附属書6表に示す走行回数繰り返す。試験後の再生出力電圧をA1とするとき,A1/A0

によって評価する。 

附属書6表 耐久性試験 

試験条件 

温度℃ 

湿度%RH 

走行回数 万パス 

高温試験 

   51.5 

04

− 

20〜30 

100 

常温試験 

  23 ±2 

40〜60 

300 

低温試験 

10 

40

20〜40 

100 

備考 温度及び湿度の測定は,フレキシブルディスクの近傍で行う。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書7 耐候性の試験方法 

フレキシブルディスクを温度51.504

−℃,相対湿度80%の環境に72時間放置した後,直ちに温度040

+℃,

相対湿度20%以下の環境に72時間放置する。放置終了後,更に,試験環境に24時間置き,本体の8.の各

項目を試験し,評価を行う。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

参考1 副標準フレキシブルディスクの提供機関及び種類 

1. 提供機関: Physikalisch-Technische Bundesanstalt (PTB) 

Lab. 1.41 

Postfach 3345 

D-3300 Braunschweig, West Germany 

Telex:952 822 (ptb d) 

FAX: +49-531-592-7614 

Phone: +49-531-592-1410 

1411  

1413  

備考 テレックス又は電報で注文する場合は,注文者のテレックス番号を明示すること。 

2. 種別 副標準フレキシブルディスクは,次の内容によって提供される。 

種別 

PTB Part No. 

提供期限 

価格 (DM) 

90mm両面形(7958磁束反転/rad) 

RM 8860 

1996年6月 

635+送料 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

参考2 環境,輸送及び取扱い 

1. 環境 

1.1 

使用環境 フレキシブルディスクは,次の条件で使用する。 

温度 

:10〜51.5℃ 

相対湿度 

:20〜80% 

湿球温度 

:29℃以下 

最大温度変化率 :20℃/h 

周辺磁界 

:4 000A/m以下 

温度及び相対湿度の測定は,フレキシブルディスクの近傍の空気中で行う。フレキシブルディスクの外

面及び内面に結露してはならない。 

また,周辺磁界は,ヘッドによる磁束の集中効果を含めたディスク面上の値とする。 

1.2 

保存環境 フレキシブルディスクは,次の条件で保存する。 

温度 

:4〜51.5℃ 

相対湿度 

:8〜90% 

周辺磁界 

:4 000A/m以下 

フレキシブルディスクは,外面及び内面に結露してはならない。 

なお,使用環境外の温湿度に長時間さらされたフレキシブルディスクは,使用環境下になじませた後に

使用する。 

2. 輸送 発送者は,輸送中フレキシブルディスクに対し十分な注意が払われるための責任をもたなけれ

ばならない。 

保護箱は内部が清浄であり,ほこりや水が入らない構造でなければならない。周辺磁界の影響を避ける

ためにフレキシブルディスクとこん(梱)包の外側との間には十分な間げき()をもたせなければなら

ない。輸送中,次の条件を満たさなければならない。 

温度 

:−40〜51.5℃ 

最大温度変化率 :20℃/h 

相対湿度 

:8〜90% 

フレキシブルディスクは,外面及び内面に結露してはならない。 

3. 取扱い フレキシブルディスクは,使用中を除き,シャッタを開けたままにしておいてはならない。

ディスクの磁性面に手を触れたり,薬品やガーゼなどを使い磁性面を清掃したり,水分,ほこり及び直射

日光に直接さらしたりしてはならない。 

24 

X 6221-1987  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JISフレキシブルディスク原案作成委員会 構成表  

氏名 

所属 

(委員長) 

小 野 京 右 

東京工業大学工学部 

(幹事) 

安 達   修 

日本電信電話株式会社複合通信研究所 

富 田 正 典 

日本電信工業株式会社 

国 分 明 男 

工業技術院電子技術総合研究所 

敦賀谷 光 信 

総務庁統計センター管理部 

長 澤 光 次 

日本国有鉄道鉄道技術研究所 

佐 藤 知 康 

日本電信電話株式会社技術部 

多羅尾 悌 三 

富士通株式会社磁気装置事業部 

大 矢 健 雄 

日本電気株式会社周辺装置事業部第3技術部 

海 東 晴 行 

株式会社日立製作所多賀工場開発部 

高 崎 紀 良 

三菱電機株式会社ディスク技術部 

寺 村 充 安 

松下通信工業株式会社メモリー装置事業部技術部 

溝 口 俊 明 

株式会社ワイ・イー・データ東京工場第1技術部 

大 石 完 一 

日本ユニバック株式会社ハードウェアプロダクト2部 

松 本 富士雄 

日立マクセル株式会社筑波工場デジタル部 

徳 永 賢 次 

住友スリーエム株式会社磁気製品事業部技術サービス部 

上 田 勝 久 

富士写真フイルム株式会社磁気材料事業本部 

坂 井 淑 晃 

ティアック株式会社情報機器事業部周辺機器開発部 

増 渕 正 行 

日本メモレックス株式会社 

田 中 義 禮 

ソニー株式会社メカトロニクス事業部 

渡 辺 脩 二 

沖電気工業株式会社情報処理事業本部技術センター 

伊 藤 陽之助 

株式会社東芝 

小 林 敏 郎 

ソニーマグネプロダクト株式会社品質管理部 

佐 藤 君 俊 

TDK株式会社磁気テープ事業部営業企画部 

(関係者) 

伊 藤 彰 一 

工業技術院標準部 

(事務局) 

楡 木 武 久 

社団法人日本電子工業振興協会 

水 田 哲 郎 

社団法人日本電子工業振興協会