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日本工業規格

JIS

 X

5261

-1991

 (I

9314- :

1989

)

光ファイバ分散データ

インタフェース (FDDI) −

第 1 部  トークンリング物理層

プロトコル (PHY)

Information processing systems

−Fibre Distributed Data Interface (FDDI)  −

Part 1 : Token Ring Physical Layer Protocol (PHY)

日本工業規格としてのまえがき 

この規格は,1989 年に第 1 版として発行された ISO 9314-1 [Information processing systems−Fibre Distributed

Data Interface (FDDI)

−Part 1 : Token Ring Physical Layer Protocol (PHY)]  を基に,技術的内容及び規格票の

様式を変更することなく作成した日本工業規格である。

0.

序文  この規格は,光ファイバ分散データインタフェース(以下,FDDI という。)の物理層のプロト

コルを規定し,高性能の多数の局のネットワークに適用する。このプロトコルは,トークンリング方式及

び伝送媒体として光ファイバを使用して数キロメートルの範囲で 100 メガビット/秒の通信を効率的に行

うことを目的とする。

1.

適用範囲  この規格は,FDDI の物理層の上位副層である物理層プロトコル (PHY) を規定する。

FDDI

は,光ファイバを伝送媒体としてリング状のネットワークを構成し,コンピュータ及び周辺装置

の広帯域(100 メガビット/秒)のはん(汎)用相互接続を提供する。FDDI は,約 80 メガビット/秒(10

メガバイト/秒)の転送速度を維持するように構成できる。FDDI は,バッファをもたない高速装置の応

答時間を満足しない場合がある。FDDI は,数キロメートルの範囲に分散する多くの局を相互に接続する。

FDDI

に関する省略時値は,物理リンクの数が 1 000 個以下(局数にして 500 局以下に相当する。

)で,か

つ光ファイバの総パス長が 200km 以下(2 心光ファイバケーブルの総長にして 100km 以下に相当する。

の構成からなるリングが動作するように定めた。

FDDI

は,次のとおり構成する。

(a)

物理層 (PL) は,次の二つの副層からなる。

(1)

物理層媒体依存 (PMD) は,FDDI ネットワークにおける局間のディジタルベースバンドによるポイ

ントツーポイント通信を規定する。PMD は,符号化されたビットストリームを局間で転送するため

に必要なサービスを規定する。さらに PMD は,光送信器,光受信器,媒体依存の符号に対する必

要条件,ケーブル,コネクタ,光パワー配分,光バイパス手段,及び物理的なハードウェアに関す


2

X 5261-1991 (ISO 9314-1 : 1989)

る特性,並びに FDDI に従う装置に対し相互接続性を確保するための要件を規定する。

(2)

物理層プロトコル (PHY) は,PMD とデータリンク層とを結合する。PHY は,上流局からのコード

ビットストリームに対してクロック同期を確立し,更に,この入力コードビットストリームを上位

層が利用できるシンボルストリームに復号する。PHY は,データシンボル及び制御指示子シンボル

とコードビットとの間の符号化及び復号,媒体の調整及び初期化,入力コードビットと出力コード

ビットとのクロックの同期化,並びに上位層との間の情報伝送に必要なオクテット境界の識別を規

定する。PHY は,インタフェースの媒体上で送信する情報をグループ化伝送路符号に符号化する。

PHY

は,この規格で規定する。

(b)

データリンク層 (DLL) は,媒体のアクセスを制御し,上位層に有効なデータが正しく伝わったこと

を確認するためのフレーム検査シーケンスを生成・検査する。さらに DLL は,装置アドレスの生成・

認識及び FDDI ネットワーク内の同位層間でのアソシエーション確立を行う。この規格で PHY を定義

するために DLL を参照するときは,DLL の最下位副層である媒体アクセス制御 (MAC) エンティテ

ィの用語を使用する。

(c)

局管理 (SMT) は,リング上の局が FDDI の各層の中の処理を管理するために局段階で必要な制御を

行う。SMT は,構成管理,障害の局所化及び復旧,スケジューリング手順の制御などのサービスを規

定する。

参考 SMT は,ISO 9314-6 として規格化される予定である。

この規格は,原則として,物理媒体とは独立に PHY を規定する。

この規格を含む次の一連の規格(以下,規格群という。

)は,FDDI の各実装方法の相互運用性を確保す

るために必要なインタフェース,機能及び操作を規定する。

JIS X 5261

  光ファイバ分散データインタフェース (FDDI) −第 1 部  トークンリング物理層プロトコ

ル (PHY)

JIS X 5262

  光ファイバ分散データインタフェース (FDDI) −第 2 部  トークンリング媒体アクセス制

御 (MAC)

ISO 9314-3

  Information processing systems−Fibre distributed Data Interface (FDDI)  −Part 3 : Physical Layer

Medium Dependent (PMD)

この規格は,FDDI の機能を規定する。実装方法としては,相互運用性を阻害しない限りどのような設

計手法を用いてもよい。

2.

引用規格  この規格で引用する規格は,次のとおりとする。

ISO 9314-2 :  1989

  Information processing systems−Fibre Distributed Data Interface (FDDI) −Part 2 :

Token Ring Media Access Control (MAC)

備考  JIS X 5262  [光ファイバ分散データインタフェース (FDDI) −第 2 部  トークンリング媒

体アクセス制御 (MAC)]-1991 が,この国際規格と一致している。

ISO 9314-3 : 1990

  Information processing systems−Fibre distributed Data Interface (FDDI) −Part 3 :

Physical Layer Medium Dependent (PMD)

3.

用語の定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。

3.1

コードビット (code-bit)    物理層が媒体に伝送する最小信号単位。


3

X 5261-1991 (ISO 9314-1 : 1989)

3.2

コードグループ (code-group)   DLL シンボルを表す 5 個のコードビットからなる特定コードビット

シーケンス。

3.3

コンセントレータ (concentrator)   FDDI に従う付加的な局が FDDI リング上の他の装置と通信でき

るようにコネクションを提供する FDDI リング上のノード。コンセントレータは,二つの物理層エンティ

ティをもち,データリンク層はもたなくてもよい。

3.4

コネクション管理  (CMT, Connection Management)    局内の PHY エンティティ及び MAC エンティテ

ィのネットワークに対する挿入,除去及び接続を制御する局管理 (SMT) 機能の一部分。

3.5

エンティティ (entity)    開放型システム間相互接続 (OSI) の層若しくは副層内の活動要素又は特定

局の SMT。

3.6

光ファイバ伝送技術 (fibre optics)    発光器及び受光器を使用し光導波路を通じて信号を伝送する技

術。

3.7

フレーム (frame)    リング上の MAC エンティティ間で伝送されるプロトコルデータ単位。可変個の

オクテットからなる。

3.8

NRZ (non return to zero)

  極性レベルの高位状態で論理“1”を,極性レベルの低位状態で論理“0”

を表す符号化法。

3.9

NRZ-1 (non return to zero change on ones)

  極性遷移で論理“1”を,極性遷移なしで論理“0”を表

す符号化法。

3.10

物理コネクション (physical connection)   FDDI リング上の隣接する PHY エンティティ(これらは,

コンセントレータ,リピータ又は局の中にある。

)間の全二重物理層結合。すなち,一対の物理リンク。

3.11

物理リンク (physical link)   FDDI リング上の PHY エンティティの送信機能から隣接する PHY エン

ティティの受信機能までの(PMD 及び媒体を介しての)単方向パス。

3.12

プリミティブ (primitive)    あるエンティティから他のエンティティに提供するサービス要素。

3.13

プロトコルデータ単位  (PDU, Protocol Data Unit)    同位エンティティ間で受け渡され,制御情報,ア

ドレス情報及びデータ(例えば,上位層からのサービスデータ単位)を含む情報単位。

3.14

受信 (receive)    局が媒体からフレーム,トークン又は制御シーケンスを受け取る動作。

3.15

リピート (repeat)    局が上流の局からのコードビットストリーム(例えば,フレーム又はトークン)

を受け取り,次の局への媒体にそのコードビットストリームを送出する動作。コードビットストリームを

リピートする局は,コードビットストリームを検査しなければならない。この場合,リピートする局は,

コードビットストリームをバッファにコピーしても,制御指示子を修正してもよい。

3.16

リング (ring)    情報を活性局間で順次受け渡し,各局でその情報をリピートし,最終的にその情報

を発生元の局に戻すような 2 台以上の局。

3.17

サービスデータ単位 (SDU, Service Data Unit)    サービス利用者とサービス提供者との間のデータ

転送の単位。

3.18

サービス (service)   あるエンティティから,より高位のエンティティ又は SMT に提供される機能。

3.19

局 (station)    リング上のアドレス指定が可能な論理ノード及び物理ノード。局は,情報の送信,リ

ピート及び受信を可能とする。

3.20

局管理 (SMT, Station Management)    リング上の局内のエンティティの一つ。局管理は,局の活動を

監視し,局の活動の全体にわたる制御を行う。


4

X 5261-1991 (ISO 9314-1 : 1989)

3.21

シンボル (symbol)    データリンク層 (DLL) で使用する最小信号要素。シンボル集合は,16 個のデ

ータシンボル及び 8 個の制御シンボルからなる。各シンボルは,物理層が伝送するコードビットの特定の

シーケンス(コードグループ)に対応する。

3.22

送信 (transmit)    局が,フレーム,トークン又は制御シーケンスを生成し,次の局に伝えるために

媒体上に出力する動作。

4.

記法及び略号

4.1

記法  SMT, MAC, PMD 及び PHY は,特に指定しない限りローカルエンティティ(例えば,自局内

のエンティティ)を指す。

下線(例えば,control_action)は,独立した個々の単語と誤解されるような信号名,機能名などに使用

する。

4.2

略号  略号は,次による。

ALS

伝送路活性状態 (Active_Line-state)

HLS

伝送路休止状態 (Halt_Line-state)

ILS

伝送路アイドル状態 (Idle_Line-state)

MLS

伝送路マスタ状態 (Master_Line-state)

NLS

伝送路雑音状態 (Noise_Line-state)

QLS

伝送路無信号状態 (Quiet_Line-state)

LSU

伝送路状態不明 (Line−State_Unknown)

PI

一次入力 (Primary Input)

PO

一次出力 (Primary Output)

RCRCLK

受信器の再生クロック  (Receiver Recovery Clock)

SI

二次入力 (Secondary Input)

SO

二次出力 (Secondary Output)

Hi_Ct

しきい値が 14 個のシンボルの場合の現在の平滑器の(シンボル数の)拡大 [Current

Smoother extension (in symbols) at 14-symbol threshold]

Lo_Ct

しきい値が 12 個のシンボルの場合の現在の平滑器の(シンボル数の)拡大 [Current

Smoother extension (in symbols) at 12-symbol threshold]

Out_Ct

現在の平滑器状態での出力シンボル数 (Number of symbols output in current Smoother

state)

T_Flag

現在のフレームを除去することができないことを示すフラグ

D_Max

リング最大遅延 (Maximum ring latency)

Hi_Max

しきい値が 14 個のシンボルの場合の最大平滑能力(シンボル数) [Maximum smoothing

capacity (in symbols) at 14-symbol threshold]

Lo_Max

しきい値が 12 個のシンボルの場合の最大平滑能力(シンボル数) [Maximum smoothing

capacity (in symbols) at 12-symbol threshold]

P_Max

物理層エンティティの最大数  (Maximum number of Physical Layer entities)

SD_Max

開始デリミタ最大遅延分担  (Maximum starting delimiter delay contribution)

SD_Min

開始デリミタ最小遅延  (Minimum starting delimiter delay)


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X 5261-1991 (ISO 9314-1 : 1989)

5.

概要  リングネットワークは,局と伝送媒体とが閉ループを形成し,かつ論理的に接続された複数の

局からなる。

情報は,

符号化されたシンボルストリームとして活性局から次の活性局へと順次伝送される。

各局は,各シンボルの再生及びリピートを行い,ネットワーク上の他の装置と通信するために一つ以上の

装置をネットワークに接続できる。

FDDI

ネットワークの基本構成要素は,

図 に示す物理コネクションとする。FDDI リングにおける物理

コネクションは,一次リンク及び二次リンクによって伝送媒体を介して接続される二つの局の物理層から

なる。一次リンクは,一次出力 (PO) と呼ぶ第 1 の局の物理層の出力及び一次入力 (PI) と呼ぶ第 2 の局の

物理層の入力からなり,PO 及び PI は,一次媒体を介して通信する。二次リンクは,二次出力 (SO) と呼

ぶ第 2 の局の物理層の出力及び二次入力 (SI) と呼ぶ第 1 の局の物理層の入力からなり,SO 及び SI は,二

次媒体を介して通信する。物理コネクションは,ネットワークを構成するために MAC 又は他の手段を介

してノード内で順次論理的に接続される。

FDDI

ネットワークは,理論的には無限個の局を接続できる。SMT は,局間の物理コネクション及び適

切な局の内部構成を確立し,論理リングとしての FDDI ネットワークを確立する。局を FDDI に物理的に

接続する実現方法は,それぞれの用途に応じて定める。各局の機能は,実装者がそれぞれの用途又は設置

場所に応じて決定する。

図 1  FDDI 物理コネクション例

6.

サービス  ここでは,PHY が提供するサービスを次のとおり規定する。ここで定義するサービスは,

実装方法及びインタフェースに依存しない。

(a) PHY

がローカル MAC エンティティに提供するサービス(接頭辞 PH_で表記する。

(b) PHY

がローカル PMD エンティティから受けるサービス(接頭辞 PM_で表記する。

(c) PHY

がローカル SMT エンティティに提供するサービス(接頭辞 SM_PH_で表記する。

FDDI

物理層の機能,信号及びインタフェースの構成を

図 に示す。物理層,データリンク層及び局管

理の間のそれぞれのインタフェース及び信号は,物理的にではなく論理的に規定する。したがって,プロ


6

X 5261-1991 (ISO 9314-1 : 1989)

トコルの物理的動作が同じであれば他の信号方式を用いてもよい。

6.1

PHY

から MAC へのサービス  ここでは,ローカル MAC エンティティが同位エンティティとの間

で PDU を交換するために PHY が提供するサービスを規定する。ここで規定するプリミティブを MAC が

生成するときの条件及び PHY が生成したプリミティブを MAC が受信したときの動作は,JIS X 5262 によ

る。ここでは,次のプリミティブを定義する。

PH_UNITDATA

要求

PH_UNITDATA

指示

PH_UNITDATA_STATUS

指示

PH_INVALID

指示

これらのプリミティブは,すべて必す(須)とする。

プリミティブの記述は,MAC と PHY との間で受渡す情報の記述を含む。

PHY

から MAC へのサービスは,同期しなければならない。例えば,一つの PH_UNITDATA 指示に対し

て,一つの PH_UNITDATA 要求を発生しなければならない。局の現在の内部構成に応じて,PH_UNITDATA

要求は,同一の PHY に戻しても異なる PHY に戻してもよい。これらのサービスは,基本的には PHY から

MAC

に対するインタフェースを提供するが,MAC を介さずに論理リング上でリピートする場合は,PHY

から PHY に対するインタフェースも提供する。この場合には,物理層のリピートパスにリピートフィルタ

8.4 参照)の機能を必要とする。

6.1.1

PH_UNITDATA

要求  PH_UNITDATA 要求によって MAC から PHY にデータを転送する。

6.1.1.1

プリミティブの意味

PH_UNITDATA

要求 (

PH_Request (symbol)

)

PH_Request (symbol)

に指定する symbol は,J, K, T, R, S, I, n 又は H のシンボルのいずれかとする。ここ

で n は,16 個のデータシンボル(

表 参照)のうちのいずれかとする。局の構成によっては,Q 又は V を

使用してもよい。

6.1.1.2

生成契機  MAC は,各 PH_UNITDATA 指示を PHY から受信するごとに PH_UNITDATA 要求を

PHY

に送る。

6.1.1.3

受信時の動作  PH_UNITDATA 要求を受信したとき,PHY エンティティは,シンボルを符号化し

て送信しなければならない。PHY エンティティは,次の PH_UNITDATA 要求を受信できる状態になったと

きに,MAC に対して PH_UNITDATA_STATUS 指示を返さなければならない。

備考 MAC は,PH_UNITDATA 要求で Q,H 又は V の要求は行わない。ただし,物理層内でリピー

トするとき,H の PH_UNITDATA 要求を行ってもよい(PH_UNITDATA 要求インタフェース部

の後段にリピートフィルタ機能を置く実装方法の場合には,更に Q 又は V の PH_UNITDATA

要求も可能とする。

6.1.2

PH_UNITDATA

指示  PH_UNITDATA 指示によって PHY から MAC にデータを転送する。

6.1.2.1

プリミティブの意味

PH_UNITDATA

指示 (

PH_Indication (symbol)

)

PH_Indication (symbol)

に指定する symbol は,J, K, T, R, S, I, n 又は H のシンボルのいずれかとする。こ


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X 5261-1991 (ISO 9314-1 : 1989)

こでは n は,16 個のデータシンボル(

表 参照)のうちのいずれかとする。局の構成によっては,更に Q

又は V を使用してもよい。リピートフィルタ機能を PH_UNITDATA 指示インタフェース部の前段に置く実

装方法のときは,Q 又は V の指示を必要としない。

6.1.2.2

生成契機  PHY は,PMD から受信したシンボルを復号したときは,PH_UNITDATA 指示を MAC

に送る。PHY は,この指示を各シンボル周期ごとに一度送る。

6.1.2.3

受信時の動作  PH_UNITDATA 指示を受信したときの MAC の動作は,JIS X 5262 の 6.2.2.3 によ

る。

6.1.3 PH_UNITDATA_STATUS

指示(

1

)

  PH_UNITDATA_STATUS 指示は,PH_UNITDATA 要求に対する

応答とする。PH_UNITDATA_STATUS 指示は,PH_UNITDATA 要求で示されるシンボルを受信し,次のシ

ンボルの受取りが可能なことを示す。

(

1

) PH_UNITDATA_STATUS

指示は,JIS X 5262で規定される MAC では使用しない。

6.1.3.1

プリミティブの意味

PH_UNITDATA_STATUS

指示 (

transmission_status

)

ここで,transmission_status パラメタは,伝送完了状態を示す。

6.1.3.2

生成契機  PHY は,PH_UNITDATA 要求を受信したとき,応答として PH_UNITDATA_STATUS

指示を MAC に送る。PH_UNITDATA_STATUS 指示は,MAC のデータ出力を媒体のデータ転送速度に同期

させることを目的とする。

6.1.3.3

受信時の動作  PH_UNITDATA_STATUS 指示を受信したときの MAC の動作は,JIS X 5262 

6.2.3.3

による。

6.1.4

PH_INVALID

指示  PH_INVALID 指示は,シンボルストリームが無効と判定されたことを指示す

るために,PHY が MAC に対して発行する。

6.1.4.1

プリミティブの意味

PH_INVALID

指示 (

PH_Invalid

)

ここで,PH_Invalid パラメタは,シンボルストリームが無効であることを示す。

6.1.4.2

生成契機  PHY は,伝送路無信号状態,伝送路休止状態,伝送路マスタ状態又は伝送路雑音状態

を検出したときは,PH_INVALID 指示を生成する。PHY は,更にエラスティックバッファ異常などの入力

誤り状態を PH_UNITDATA 指示のシンボルストリームで V シンボル(7.2.4 参照)として報告しない実装

方法の場合,入力誤り状態を検知したときにも PH_INVALID 指示を生成する。

参考  エラスティックバッファとは,書込み及び読取りの二つのインタフェースを備えた,先入れ先

出し型のバッファメモリであって,書込み及び読取りの動作を全く独立なタイミングで行うこ

とができるもの。伝送路から抽出したクロックとは独立なクロックで動作する局において,受

信データを正しく読み取るために使用する。

6.1.4.3

受信時の動作  PH_INVALID 指示を受信したときの MAC の動作は,JIS X 5262 の 6.2.4.3 による。


8

X 5261-1991 (ISO 9314-1 : 1989)

6.2

PHY

と PMD との間のサービス  ここでは,PHY が同位 PHY エンティティとの間で NRZ-1 コード

ビットストリームを交換するために,物理層の PHY エンティティと PMD エンティティとの間のインタフ

ェースで提供するサービスを規定する。PMD がこのプリミティブを生成する条件,及び PHY が生成した

プリミティブを PMD が受信したときの動作は,ISO 9314-3 で規定する。

ここでは,次のプリミティブを定義する。

PM_UNITDATA

要求

PM_UNITDATA

指示

PM_SIGNAL

指示

プリミティブの記述は,PHY エンティティと PMD エンティティとの間で受け渡される情報を含む。

PHY

の PMD に対するインタフェースの実装方法は,規定しない。このインタフェースの実装方法の例

は,ISO 9314-3 の附属書に示されている。

6.2.1

PM_UNITDATA

要求  PM_UNITDATA 要求によって,PHY から PMD に NRZ-1 データを伝送する。

6.2.1.1

プリミティブの意味

PM_UNITDATA

要求 (

PM_Request (NRZ-1 code)

)

PM_Request

によって伝えられるデータは,連続する NRZ-1 コード (NRZ-1 code) とする。すなわち,

PM_Request

内の極性のそれぞれの遷移が,NRZ-1 コードの“1”を表す。

6.2.1.2

生成契機  PHY は,現在の NRZ-1 コードの極性を連続的に PMD に送る。

6.2.1.3

受信時の動作  PM_UNITDATA 要求を受信したときの PMD の動作は,規定しない。

6.2.2

PM_UNITDATA

指示  PM_UNITDATA 指示によって PMD から PHY に NRZ-1 データを伝送する。

6.2.2.1

プリミティブの意味

PM_UNITDATA

指示 (

PM_Indication (NRZ-1 code)

)

PM_Indication

によって伝えられるデータは,連続する NRZ-1 コード (NZR-1 code) とする。すなわち,

PM_Indication

内の極性のそれぞれの遷移が,NRZ-1 コードの“1”を表す。

6.2.2.2

生成契機  PMD は,現在の NRZ-1 コードの極性を連続的に PHY に送る。

6.2.2.3

受信時の動作  折返しなしのモードでは,PHY エンティティのクロック再生機能及び受信機能は,

PM_Indication

を常に参照する。

6.2.3

PM_SIGNAL

指示  PM_SIGNAL 指示は,PMD で受信中の光信号レベルの状態が変化したことを

指示するために,PMD が PHY に発行する。

6.2.3.1

プリミティブの意味

PM_SIGNAL

指示 (

Signal_Detect (status)

)

Signal_Detect (status)

パラメタは,入力光信号レベルが PMD 内の受光器の光信号検知しきい値より大き

い(status=オン状態)か小さい(status=オフ状態)かを指示する。

6.2.3.2

生成契機  PMD は,Signal_Detect の状態の変化を検知したとき,PM_SIGNAL 指示を生成する。


9

X 5261-1991 (ISO 9314-1 : 1989)

6.2.3.3

受信時の動作  PHY は,PM_SIGNAL 指示を受信した場合,status がオフ状態のときは伝送路状

態を伝送路無信号状態とし,status がオン状態のときは他の伝送路状態を検知可能な状態とする。

表 1  シンボルコード表

種別 10 進数  コード

グループ

シンボル(

1

)

内容

00 00000

Q

無信号 (Quiet)

31 11111

I

アイドル (Idle)

伝送路状態

シンボル

04 00100

H

休止 (Halt)

24 11000

J

連続する SD 対の第 1 シンボル

開始デリミタ

17 10001

K

連続する SD 対の第 2 シンボル

16

進表示

2

進表示

30 11110

0

0

0000

09 01001

1

1

0001

20 10100

2

2

0010

21 10101

3

3

0011

10 01010

4

4

0100

11 01011

5

5

0101

14 01110

6

6

0110

15 01111

7

7

0111

18 10010

8

8

1000

19 10011

9

9

1001

22 10110

A

A

1010

23 10111

B

B

1011

26 11010

C

C

1100

27 11011

D

D  1101

28 11100

E

E

1110

データ

シンボル

29 11101

F

F

1111

終了デリミタ 13

01101

T

データストリームを終了させるために使用する。

07 00111

R

論理 0(リセット)を表す。

制御指示子

25 11001

S

論理 1(セット)を表す。

01 00001 V

又は H

02 00010 V

又は H

03 00011

V

05 00101

V

06 00110

V

08 01000 V

又は H

12 01100

V

無効コード

16 10000 V

又は H

これらのコードは,0 のコードビットが連続し
て現れてはならないという制限又はデューテ
ィサイクルに対する制限に違反するため使用

してはならない。ただし,コードの 01, 02, 08
及び 16 を受信した場合は,H と解釈する。

(12345)(

2

)

(

1

)

各シンボルは,7.2参照。

(

2

)

コードビットの伝送順序は,1∼5 とする。

6.3

PHY

から SMT へのサービス  ローカル SMT エンティティは,PHY が提供するサービスによって

PHY

の動作を制御できる。PHY は,MAC サービスに優先して,要求された SMT サービスを実行しなけ

ればならない。

これらのプリミティブを生成する条件及び PHY が生成したプリミティブを受信したときの

SMT

の動作は,この規格群の他の規格による。ここでは,次のプリミティブを規定する。

SM_PH_LINE-STATE

要求

SM_PH_STATUS

指示


10

X 5261-1991 (ISO 9314-1 : 1989)

SM_PH_CONTROL

要求

これらのプリミティブは,すべて必す(須)とする。プリミティブの記述は,PHY と SMT との間で渡

される情報を含む。

参考 SMT は,ISO 9316-6 として規格化される予定である。

6.3.1

SM_PH_LINE-STATE

要求  SMT は,シンボルストリームの送信を PHY に要求するために,

SM_PH_LINE

−STATE 要求を生成する。

6.3.1.1

プリミティブの意味

SM_PH_LINE-STATE

要求 (

Line

−State_action

)

Line

−State_action パラメタは,次のいずれかとする。

TRANSMIT_QUIET

この動作が要求されると,PHY は,Q シンボルを連続して PMD に送信しなけれ

ばならない。この状態では送信機能の出力信号は,遷移を起こさない。さらに

TRANSMIT_QUIET

は,PHY 送信機能の初期化時の状態及び PHY_Reset 後の状

態とする。

備考  この場合,光信号に悪影響を与えないために,SMT は,SM_PM_CONTROL 要求を PMD に発

行するのがよい。

TRANSMIT_HALT

この動作が要求されると,PHY は,H シンボルを PMD に連続して送信しなけれ

ばならない。

TRANSMIT_IDLE

この動作が要求されると,PHY は,I シンボルを PMD に連続して送信しなけれ

ばならない。

TRANSMIT_MASTER

この動作が要求されると,PHY は,H シンボルと Q シンボルを交互に連続して

PMD

に送信しなければならない。

TRANSMIT_PDR

この動作が要求されると,PHY は,MAC が PH_UNITDATA 要求インタフェー

スを介して渡すシンボルストリームを PMD に送信しなければならない。

備考  リピートフィルタ機能が PH_UNITDATA 要求インタフェースより後段にある場合には,シンボ

ルストリームが変わってもよい。

6.3.1.2

生成契機  SMT は,SM_PH_LINE−STATE 要求を局の挿入シーケンス又は除去シーケンスで生

成する。

6.3.1.3

受信時の動 作   PHY は,要求されたシンボルストリームを PMD に連続 して送信する。

SM_PH_LINE

−STATE 要求は,

MAC

から PHY へのプリミティブよりも優先して実行しなければならない。

6.3.2

SM_PH_STATUS

指示  PHY は,伝送路状態の変化を SMT に通知するために,SM_PH_STATUS

指示を生成する。

6.3.2.1

プリミティブの意味

SM_PH_STATUS

指示 (

Status_report

)

Status_report

パラメタは,次のいずれかとする(伝送路状態については 7.3 参照)

QUIET_LINE-STATE_RECEIVED

伝送路無信号状態 (QLS) に入ったとき,PHY は,このパラメ

タを発行しなければならない。


11

X 5261-1991 (ISO 9314-1 : 1989)

HALT_LINE-STATE_RECEIVED

伝送路休止状態 (HLS) に入ったとき,PHY は,このパラメタ

を発行しなければならない。

MASTER_LINE-STATE_RECEIVED

伝送路マスタ状態 (MLS) に入ったとき,PHY は,このパラメ

タを発行しなければならない。

IDLE_LINE-STATE_RECEIVED

伝送路アイドル状態 (ILS) に入ったとき,PHY は,このパラメ

タを発行しなければならない。

ACTIVE_LINE-STATE_RECEIVED

伝送路活性状態 (ALS) に入ったとき,PHY は,このパラメタ

を発行しなければならない。

NOISE_LINE-STATE_RECEIVED

伝送路雑音状態 (NLS) に入ったとき,PHY は,このパラメタ

を発行しなければならない。

LINE

STATE-UNKNOWN

伝送路無信号状態,伝送路休止状態,伝送路マスタ状態,伝送

路アイドル状態,伝送路活性状態又は伝送路雑音状態のいずれ

にも該当しないとき,PHY は,このパラメタを発行しなければ

ならない。このパラメタには,その直前の伝送路状態を含む。

6.3.2.2

生成契機  PHY は,指示された状態の発生を通知するために,SM_PH_STATUS 指示を生成する。

6.3.2.3

受信時の動作  SM_PH_STATUS 指示を受信したときの SMT の動作は,規定しない。

6.3.3

SM_PH_CONTROL

要求  SM_PH_CONTROL 要求は,SMT が PHY の動作を制御するために

SM_PH_CONTROL

要求を使用する。

6.3.3.1

プリミティブの意味

SM_PH_CONTROL

要求 (

Control_Action,

Requested_Status

)

Control_Action

パラメタは,Reset, Present_Status, Begin_Loopback 又は Cancel_Loopback を含む。

Requested_Status

パラメタは,現在の伝送路状態を含む。現在の伝送路状態が不明なときは,その直前の

伝送路状態及び LINE−STATE_UNKNOWN を報告しなければならない。

6.3.3.2

生 成 契 機   SMT は , Control_Action パ ラ メ タ で 示 す 処 理 を PHY に 行 わ せ る た め に ,

SM_PH_CONTROL

要求を生成する。

6.3.3.3

受信時の動作  Control_Action の状態は,PHY の動作を次のとおり決定する。

(a) Control_Action

が Reset の場合,PHY は,次のことを行わなければならない。

(1)

送信モードを TRANSMIT_QUIET にする。

(2)

エラスティックバッファ機能を初期化する。

(3)

伝送路状態を LINE−STATE_UNKNOWN にする。

(4)

伝送路状態カウンタを初期化する。

(5)

平滑機能を初期化する。

(6)

リピートフィルタ機能を初期化する。

(b) Control_Action

が Present_Status の場合,PHY は,Requested_Status パラメタで指示する状態を SMT に

示さなければならない。

(c) Control_Action

が Begin_Loopback の場合,PHY は,折返しモードに入らなければならない。折返しモ

ードは,ローカル局の試験を行うために PHY エンティティ内の PMD にできるだけ近い点で折り返す


12

X 5261-1991 (ISO 9314-1 : 1989)

ことを目的とする。折返しモードの場合,PHY は,PH_UNITDATA 要求インタフェースに現れたシン

ボルを,PH_UNITDATA 指示インタフェースに返さなければならない。これらのシンボルは,リピー

トフィルタ(8.4 参照)によって変わってもよい。折返しモードの間,PHY は,連続する 0 の NRZ-1

コードビットを PM_UNITDATA 要求インタフェースに送らなければならない。この NRZ-1 コードビ

ットは,光信号の出力を伴わない。

(d) Control_Action

が Cancel_Loopback の場合,PHY は,折返しモードから抜けなければならない。

7.

機能

7.1

符号化

7.1.1

コードビット  リング上の同位物理層エンティティ間は,固定長のコードビットを介して通信する。

コードビットは,物理層で使用する最小のプリミティブ信号要素とし,媒体上では,遷移又は非遷移とし

て表す。

7.1.2

コードグループ  コードグループは,5 個のコードビットの連続したシーケンスとし,媒体上でシ

ンボルを表す。PHY は,JK のシンボル対を検査することによって,コードグループの境界を確立し,コ

ードグループとシンボルとの対応をとる。

7.2

シンボル集合  リング上の同位 DLL エンティティは,固定長のシンボルを用いて通信を行う。これ

らのシンボルは,PH_UNITDATA 要求及び PH_UNITDATA 指示のプリミティブによって,MAC と PHY と

の間のインタフェース経由で通知する。

7.2.1

伝送路状態シンボル  次の 3 個のシンボルは,伝送と伝送との間でだけ媒体上に使用する。フレー

ム内にこれらのシンボルのいずれかを検出した場合,処理中のすべてのデータ伝送シーケンスを異常終了

しなければならない。

7.2.1.1

Q

シンボル (Quiet)   Q シンボルは,媒体上に遷移がないことを示す。

7.2.1.2

H

シンボル (Halt)   H シンボルは,伝送路状態が制御シーケンスであることを示すか,又は伝送

媒体上の交流信号のうち直流成分を最小化するためにシンボルパスから V シンボルを除去したことを示す。

7.2.1.3

I

シンボル (Idle)   I シンボルは,伝送媒体が正常状態であることを示す。I シンボルは,クロッ

ク同期の確立及び維持のための連続的な埋込みパターンとする。

7.2.2

制御シンボル

7.2.2.1

開始デリミタ (SD)    開始デリミタは,データ伝送シーケンスの先頭位置を示す。データ伝送は,

媒体がアイドル状態のときだけでなく,前のデータ伝送の直後又は途中で始まってもよい。開始デリミタ

は,既に確立しているコードグループの境界とは関係なく一意に識別できる。前のデータ伝送を中断して

新たなデータ伝送を開始する場合,前のデータ伝送で確立したコードグループの境界とは無関係に,任意

のコードグループの境界で開始デリミタが発生する。

開始デリミタの使用方法及びコードグループの順序の維持は,DLL が行う。DLL から PHY に送られる

連続する J 及び K のシンボルシーケンスは,伝送媒体上に開始デリミタを送信するために使用する。PHY

は,既に確立したコードビットの境界に関係なく,他のシンボルシーケンス内には現れず,かつ一意に識

別可能なコードビットシーケンスとして,JK シーケンスを使用する(6.参照)。したがって,物理層の受

信論理は,コードグループの境界を確立するために入力 JK シーケンスを使用する。

7.2.2.1.1

J

シンボル(先頭 SD)  J シンボルは,開始デリミタシンボル対の先頭シンボルとする。

7.2.2.1.2

K

シンボル(最終 SD)  K シンボルは,開始デリミタシンボル対の末尾シンボルとする。


13

X 5261-1991 (ISO 9314-1 : 1989)

7.2.2.2

終了デリミタ (ED)    終了デリミタは,一つ以上の T シンボルを用いて構成し,データ伝送シー

ケンスの終了位置を示す。終了デリミタとして,一つ以上の制御指示子を用いてもよいので,T シンボル

が伝送シーケンスの末尾シンボルである必要はない。終了デリミタ及び選択付加された制御指示子は,偶

数個のシンボルからなるシンボルシーケンスを形成しなければならない。制御指示子がないとき,このシ

ーケンスは,T シンボル対から構成される。終了デリミタは,その復号処理が前に設定したコードグルー

プの境界に依存するため,コードグループの境界と独立して識別することができない。

7.2.2.3

制御指示子  制御指示子は,データ伝送シーケンスに関連する論理的な状態を示す。リピート局

は,データ伝送シーケンス中の通常データを変更することなく,この指示子を変更してもよい。終了デリ

ミタ及び制御指示子からなるシンボルシーケンスは,偶数シンボルとする。奇数個の制御指示子が後続す

る終了デリミタは,それ自身が偶数シンボルであるが,偶数個の制御指示子が後続する終了デリミタは,

末尾に終了デリミタを付加することによって偶数シンボルとする。この偶数シンボル状態の保持は,DLL

が行う。これらの制御指示子の復号は,前に確立したコードグループの境界に依存するが,物理層に対し

ては透過とする。

7.2.2.3.1

R

シンボル (Reset)   R シンボルは,論理 0(リセット)状態を示す。

7.2.2.3.2

S

シンボル (Set)   S シンボルは,論理 1(セット)状態を示す。

7.2.3

データシンボル(0∼9 及び A∼F)  データシンボルは,伝送シーケンス内で 4 ビットからなる任

意のデータを伝送する。16 種類のデータシンボルは,16 進数(0∼9 及び A∼F)で表す。ただし,データ

シンボルを特定しない場合は,文字 n で表す。

任意のデータシンボルが使用可能であり,そのデータシンボルに後続して任意のデータシンボルが使用

できる。PHY は,データシンボルを解釈しない。PHY によるこれらのコードグループの連続的な復号処理

は,開始デリミタシーケンスの受信に依存する。

7.2.4

V

シンボル (Violation)   V シンボルは,媒体にシンボル集合に含まれない信号があることを示す。

PHY

は,V シンボルを媒体上に伝送してはならない。ただし,PHY は,異常状態によって又はリングクロ

ックの同期化シーケンスの期間中に,V シンボルを受信することがある。

7.3

伝送路状態  ここでは,物理リンクの状態を決定し制御する伝送路状態を規定する。PHY は,SMT

からの SM_PH_CONTROL 要求に従って,これらの伝送路状態を発生する。PHY は,これらの伝送路状態

を検出し,SM_PH_STATUS 指示経由で SMT に報告する。伝送路状態は,シンボル又はシンボル対が表す

期間よりも長い期間における物理リンクの状態を表す。伝送路状態の検出は,常に行われなければならな

い。ただし,クロック獲得期間中及び伝送路状態の紛失期間中(8.2.6 参照)は,伝送路状態を検出できな

くてもよい。7.3.17.3.6 では,伝送路状態を互いに排他的に定義する。伝送路状態が 7.3.17.3.6 のいず

れにも該当しない場合,PHY は,伝送路状態をその省略時値である伝送路状態不明 (LSU) とする。

PHY

は,受信した伝送路状態の変化を SM_PH_STATUS 指示プリミティブを介して SMT に報告しなけ

ればならない。

PHY

は,受信した伝送路状態が伝送路無信号状態,伝送路休止状態,伝送路マスタ状態又は伝送路雑音

状態であるときには,PH_INVALID 指示を MAC に報告しなければならない。

SMT

は,SM_PH_CONTROL 要求プリミティブを介して現在の伝送路状態を決めることができる。現在

の状態が不明のときは,PHY は,SMT にその直前の伝送路状態及び LINE−STATE_UNKNOWN を報告し

なければならない。


14

X 5261-1991 (ISO 9314-1 : 1989)

7.3.1

伝送路無信号状態 (QLS)   PHY は,伝送路無信号状態を伝達するために,Q シンボルを連続して

送信する。伝送路無信号状態は,物理コネクションの設定処理で使用される。伝送路無信号状態は,物理

コネクションがないことを示す。

PMD

からの Signal_Detect がオン状態でなくなった場合,又は Signal_Detect がオン状態で 16 個又は 17

個の連続した Q シンボルを受信した場合,PHY は,伝送路状態を伝送路無信号状態と見なす。

Signal_Detect

がオン状態で Q シンボル以外のシンボルを受信した場合,PHY は,伝送路状態を伝送路無

信号状態以外の状態とみなす。

7.3.2

伝送路マスタ状態 (MLS)   PHY は,伝送路マスタ状態を伝達するために,H シンボルと Q シン

ボルを交互に連続して送信する。伝送路マスタ状態は,物理コネクションの設定処理で使用する。

Signal_Detect

がオン状態で 8 個又は 9 個の連続した HQ 又は QH のシンボル対を受信したとき,

PHY

は,

伝送路状態を伝送路マスタ状態とみなす。

HQ

シンボル又は QH シンボル以外のシンボルを受信したとき,又は Signal_Detect がオン状態でなくな

ったとき,PHY は,伝送路状態を伝送路マスタ状態以外の状態とみなす。

7.3.3

伝送路休止状態 (HLS)   PHY は,伝送路休止状態を伝達するために,H シンボルを連続して送信

する。伝送路休止状態は,物理コネクションの設定処理で使用する。

Signal_Detect

がオン状態で 16 個又は 17 個の連続した H シンボルを受信したとき,PHY は,伝送路状態

を伝送路休止状態とみなす。

H

シンボル以外のシンボルを受信したとき,又は Signal_Detect がオン状態でなくなったとき,PHY は,

伝送路状態を伝送路休止状態以外の状態とみなす。

7.3.4

伝送路アイドル状態 (ILS)   PHY は,伝送路アイドル状態を伝達するために,I シンボルを連続し

て送信しなければならない。伝送路アイドル状態は,出力側物理リンク上でクロック同期を確立し,維持

するために使用する。

伝送路アイドル状態は,物理コネクションの設定処理の一部で,及び正常動作中の MAC フレームシー

ケンス間で使用する。

Signal_Detect

がオン状態で 4 個又は 5 個の連続した I シンボルを受信したとき,PHY は,伝送路状態を

伝送路アイドル状態とみなす。Clock_Detect 信号を実装している場合,Signal_Detect がオン状態のほかに

Clock_Detect

を検出していなければならない。伝送路状態検出機能の前段にエラスティックバッファ機能

8.2.4 参照)が実装されている場合,伝送路状態検出機能で受信する I シンボルの個数がエラスティック

バッファ機能によって増減するため,伝送路アイドル状態を検出するための I シンボルの最大個数を変更

する必要がある。

I

シンボル以外のシンボルを受信したとき,又は Signal_Detect がオン状態でなくなったとき,PHY は,

伝送路アイドル状態の検出を中止する。PHY は,Clock_Detect 信号を実装している場合,Clock_Detect を

検出しなくなったときも,伝送路状態を伝送路アイドル状態以外の状態とみなす。

7.3.5

伝送路活性状態 (ALS)    伝送路活性状態は,MAC フレームシーケンス送信局の物理コネクション

が使用可能なことを示す。PHY は,伝送路活性状態で出力側物理リンクに MAC フレームシーケンスを送

信する。局が MAC フレームシーケンスを送信又はリピートするときは,TRANSMIT_PDR(6.3.1 参照)

の動作が可能なこと(物理コネクションが使用可能なこと)を示す。PHY が伝送路活性状態を検出した場

合,物理リンク上の入力側シンボルストリームが MAC フレームシーケンスであることを示し,隣接した

PHY

との間の物理コネクションが使用可能であることを示す。

PHY

は,Signal_Detect がオン状態で NRZ の入力ストリームの中の任意のコードビットの境界において


15

X 5261-1991 (ISO 9314-1 : 1989)

JK

のシンボル対を受信した場合,伝送路活性状態を検出しなければならない。Clock_Detect を実装してい

る場合,Signal_Detect がオン状態のほかに Clock_Detect を検出していなければならない。

PHY

が I,n,R,S 及び T のシンボル以外のシンボルを受信した場合,Signal_Detect がオン状態でなく

なった場合,又は伝送路アイドル状態に入った場合,PHY は,伝送路活性状態の検出を中止しなければな

らない。PHY は,Clock_Detect 信号を実装している場合,Clock_Detect を検出しなくなったときも,伝送

路活性状態の検出を中止しなければならない。伝送路活性状態の期間の任意のコードビットの境界で JK

のシンボル対を受信した場合,PHY は,伝送路活性状態の検出を 1 度中止してもよい。その後,再び伝送

路活性状態を検出してもよい。

7.3.6

伝送路雑音状態 (NLS)   PHY は,隣接 PHY で伝送路雑音状態を検出するようなシンボルストリ

ームを送信してはならない。PHY が伝送路雑音状態を検出した場合,入力側の物理リンクに雑音があるこ

とを示し,伝送路雑音状態が続く場合,関連した物理コネクションを使用不能にしなければならない。

別の伝送路状態に移行する基準が満たされず,かつ 16 回又は 17 回の潜在的雑音事象が起こったとき,

PHY

は,伝送路雑音状態を検出する。潜在的雑音事象は,Signal_Detect がオン状態で Q,H,J,K 若しく

は V のシンボル,又は少なくとも一つの Q,H,J,K 若しくは V のシンボルを含むシンボル対を復号した

場合に積算する。実装方法として,次の場合を潜在的雑音事象として積算してもよい。

(a) Signal_Detect

がオン状態でエラスティックバッファ異常が発生したとき。

(b) Signal_Detect

がオン状態で,制御シンボルとデータシンボルとが混合したシンボル対を復号したとき。

(c)

現在

(最新で既知)

の伝送路状態が伝送路アイドル状態又は伝送路活性状態でない場合に

(Clock_Detect

機能を実装していれば Clock_Detect を検出した場合)

,Signal_Detect がオン状態で n,R,S 若しくは T

のシンボル又は少なくとも一つの n,R,S 若しくは T のシンボルを含むシンボル対を復号したとき。

(d) Clock_Detect

機能を実装している場合,Signal_Detect がオン状態であって Clock_Detect が発行されて

いないときに,I,n,R,S 若しくは T のシンボル,JK のシンボル対又は少なくとも一つの I,n,R,

S

若しくは T のシンボルを含むシンボル対を復号したとき。

Signal_Detect

及び Clock_Detect は,それぞれ 6.2.3 及び 8.2.3 による。

他の伝送路状態に移行する基準又は他の伝送路状態を継続する基準が満たされた場合,潜在的雑音事象

の積算値を 0 にする。

他の伝送路状態に移行する基準が満たされた場合,PHY は,伝送路雑音状態の検出を中止しなければな

らない。伝送路雑音状態及び他の伝送路状態のための基準が同時に満たされた場合,他の伝送路状態を優

先する。

8.

動作

8.1

符号化概要  FDDI などの直列ベースバンド伝送システムでは,データ及びクロックを伝送する機能

をもったコードを使用する。このコードの直列コードビットストリームからデータを再生するために,コ

ードビットストリームに固有な同期クロック情報をそのストリームから取り出さなければならない。すべ

ての情報は,インタフェース媒体上の遷移又は非遷移によってインタフェースに伝えられる。インタフェ

ース媒体上の遷移間の最小時間を“コードビットセル”と呼ぶ。遷移又は非遷移でそれぞれ一つのデータ

を表すことは,非遷移が長く続く連続したビットには,同期クロックを再生するための十分な情報が含ま

れていないため,現実的ではない。さらに,高速の直列伝送では,インタフェースの部品及び回路の設計

を容易にするために,直流平衡を保つことが望ましい。

FDDI

の物理層では,同期クロックの再生及び直流平衡の保持のために,2 段階の符号化構造を採用する。


16

X 5261-1991 (ISO 9314-1 : 1989)

伝送媒体上で見た直列コードビットストリームは,同期クロックの再生のために各伝送シンボルにつき少

なくとも二つの遷移を含み,連続するコードセル 0 は,最大 3 個までを制限とし,公称中心点から±10%

以内の累積直流成分変動とする。

PHY

が行う第 1 段の符号化では,MAC からのシンボルを符号化された NRZ コードビットに変換する。

PHY

が行う第 2 段の符号化では,NRZ コードビットを NRZ-1 コードビットに変換する。入力コードビッ

トストリームに対しては,最初に NRZ-1 コードビットを NRZ コードビットに復号し,続いて MAC が使

用する 16 進数のシンボルに愎号する。

FDDI

で使用する情報は,5 個のコードビットの特定のシーケンスからなるコードグループシーケンスと

して送出される。これらのコードグループの伝送シーケンスは,MAC が定める。MAC と PHY との間の

インタフェースでは,論理的な意味を伝えるためにシンボルを使用する。PHY は,MAC から送られたシ

ンボルシーケンスを符号化し,媒体上に転送する。このシンボルシーケンスが正当であること及びこの規

格の規定に従っていることは,MAC の責任とする。

8.1.1

シンボルシーケンス  MAC は,シンボルの連続するストリーム又はシーケンスによって PHY に情

報を伝える。シンボルは,MAC が使用する最小のプリミティブ信号エンティティとする。

シンボルは,次の 3 種類の情報を伝えるために使用する。

(a) QLS

,HLS などの伝送路状態。

(b)

開始デリミタ,終了デリミタ又は制御指示子に使用する制御シンボル。

(c) MAC

が使用する最小のプリミティブデータグループであるデータシンボル。このデータシンボルの 4

個のデータビットを“データカルテット”と呼ぶ。

8.1.2

シンボルの NRZ-1 符号化  MAC と PHY との間で渡される各シンボルは,伝送すべき 5 個のコー

ドビットの特定シーケンス(コードグループ)を表す。

FDDI

は,埋込みグループ伝送符号を使用する。その中で 4 個のデータビットのデータシンボル又は制

御シンボルは,5 個のコードビットの決められたシーケンスに符号化される。コードビットのグループを

“コードグループ”と呼ぶ。シンボルクロック周波数は,8.2.7 に定義する基本周波数の 5 分の 1 とし,1

シンボル時間はコードビットセル時間の 5 倍とする。PHY は,シンボル時間ごとに 1 シンボルを MAC か

ら受け取り,MAC に渡す。PHY は,データカルテット,伝送路状態又は制御シンボルの各シンボルを 5

個の NRZ コードビットに符号化し,その後 5 個の NRZ-1 コードビットのシーケンスに符号化して,媒体

上に伝送する。

5

個のコードビットのシーケンスとシンボルとの関係を

表 に示す。これらのシンボルの使用方法及び

シンボルの意味は,7.による。

無効コードグループは,交流信号に直流成分を与えたり,又は伝送媒体上に多数の連続した 0 を与える

ため,媒体上に伝送してはならない。無効コードグループを

表 に示す。PHY は,無効コードグループを

受け取ったことを V シンボルで MAC に示さなければならない。

8.2

一般的構成  PHY の機能構成の例を図 に示す。

8.2.1

符号化機能  PHY の符号化機能は,SMT 又は PH_UNITDATA 要求が指示するシンボルを NRZ コ

ードビットに符号化しなければならない。符号化機能は,各シンボルを送信機能に渡すために一意の 5 ビ

ットのコードグループに符号化する。コードグループは,NRZ コードビットの連続する直列ストリームと

して,送信機能に渡される。MAC からシンボルを受け取り,送信機能にコードビットを渡すときのクロ

ックとして,局所的な固定周波数発信器を使用する。

PHY

の符号化機能は,SMT から発行された SM_PH_LINE−STATE 要求によって,各種の送信モードを


17

X 5261-1991 (ISO 9314-1 : 1989)

設定する。

符号化機能を TRANSMIT_PDR 以外の送信モードに設定した場合,符号化機能は,PH_UNITDATA 要求

を無視し,送信モードによって指定されたシンボルを連続して符号化する。

8.2.2

送信機能  送信機能は,符号化機能からの NRZ コードビット直列ストリームを NRZ-1 コードビッ

トストリームに符号化し,PMD に送る。ISO 9314-3 

附属書にインタフェースの例が示されている。

8.2.3

受信機能  受信機能は,PMD からの NRZ-1 コードビット(電気信号)ストリームを等価の NRZ

コードビットストリームに復号し,PHY 内の他の機能に渡す。ISO 9314-3 の附属書にインタフェースの例

が示されている。

また,受信機能は,入力コードビットストリームからコードビット周波数 (125MHz) のクロックを作り

出す。このために,位相同期ループを用いてもよい。このクロックは,受信器の再生クロック (RCRCLK)

と呼ばれ,ILS 及び ALS の期間中,入力コードビットのセルの境界と同期するために使用する。HLS 及び

MLS

の検出には,RCRCLK を使用してもよいし,他の同期化技術を使用してもよい。RCRCLK 再生機能

は,任意選択の Clock_Detect 信号を供給してもよい。Clock_Detect 信号は,RCRCLK が入力 NRZ-1 コード

ビットストリームの周波数及び位相に同期していることを示す。Clock_Detect 信号を実装した場合は,こ

の信号を伝送路状態検出機能に使用する。RCRCLK 獲得時間は,8.2.6 で規定する伝送路状態検出時間の制

約を受ける。

8.2.4

エラスティックバッファ機能  入力直列ビットストリームからタイミング情報を取り出すために,

受信器の再生クロック (RCRCLK) を使用する。隣接する上流の局の送信機能がもつ局所的な固定周波数

発信器に,RCRCLK の周波数及び位相を同期させる。出力直列ビットストリームに対して,自局の局所的

な固定周波数発信器がクロックを提供する。入力ビット周波数と出力ビット周波数との差は,基本周波数

の 0.01%以内とする。入力周波数は,出力周波数より低くなるか又は高くなることがあるため,補償がな

いと,ビットの不足又は超過を発生することがある。

周波数の差を補償するために,各局ではエラスティックバッファを使用する。出力周波数が入力周波数

より低いときにビットが落ちることを補償するために,フレームを送出する MAC エンティティは,伝送

する各フレームの前に少なくとも 16 個の I シンボルを挿入する。後に続くリピート局のエラスティックバ

ッファの動作によって,I シンボルの数は変化する。エラスティックバッファは,ビットを取り出す前に

途中まで詰める先入れ先出し記憶装置の機能に類似している。エラスティックバッファ機能の入力クロッ

クは,RCRCLK とする。エラスティックバッファ機能の出力クロックは,局所的な固定周波数発信器クロ

ック (LOCAL CLOCK) とする。

エラスティックバッファの最小容量は,コードビットの±4.5 個分とする。

参考  必要なエラスティックバッファの量は,次による。9 000 シンボル(45 000 コードビット)を伝

送する場合,クロック精度を 0.005%としたとき,RCRCLK と LOCAL CLOCK との間の最大周

波数差は,0.01%となる。したがって,45 000 コードビットの 0.01%は,コードビットの 4.5 個

分となる。

図 では復号機能の前段にエラスティックバッファ機能を配置したが,次の規定に適合していればどの

ように実装してもよい。

(a) ILS

から ALS になり,RCRCLK 及び LOCAL CLOCK の双方が規定値内に入っている場合,最初の JK

のシンボル対及びその後に続く PH_UNITDATA 指示シンボルストリームをシンボルの挿入,削除及び

修正をせずに,次に示す条件のいずれかが生じるまで再生する。

(1)

最後に ALS になってから,9 000 個以上の PH_UNITDATA 指示シンボルを受け取るまで[(b)参照]


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X 5261-1991 (ISO 9314-1 : 1989)

(2)

シンボルのフレーム化とは無関係に,9∼20 個(実装方法に依存する。

)の連続するコードビットの

1

を入力 NRZ ビットストリームから受け取るまで[(c)及び(d)参照]

(3)

任意の境界において,入力 NRZ ビットストリームから他の JK コードビットのパターンの開始を受

け取る前の 0∼9 個のコードビットまで(前後のフレーム境界間の差に依存する。

(e)参照]

(4) ALS

から抜け出す原因となる PH_UNITDATA 指示シンボルを受け取るまで[(f)参照]

備考 PH_UNITDATA 指示の前段に,リピートフィルタ機能又は平滑器機能が置かれた場合,

PH_UNITDATA

指示は,入力 NRZ ストリームと異なることがある。

(b) ALS

であって,

誤り状態が自局又は上流の局に存在した場合,

すなわち,

RCRCLK

又は LOCAL CLOCK

のいずれかが規定から外れているか,又は 9 000 の連続した PH_UNITDATA 指示シンボルを(a)(2)の条

件とならずに受け取った場合,エラスティックバッファ異常としてもよい。この場合,入力 NRZ ビッ

トストリームに対して PH_UNITDATA 指示の挿入,削除又は修正をしてもよい。PHY は,次の二つの

いずれかによって,MAC 及び SMT に ALS におけるエラスティックバッファ異常を知らせる。

(1)  V

シンボルパラメタの PH_UNITDATA 指示

(2) PH_INVALID

指示

MAC

の TVX タイマを動作状態にしておくことができるので,PH_INVALID 指示よりも V シンボ

ルパラメタの PH_UNITDATA 指示のほうが望ましい。V シンボルを用いることによって,例えば,

局に第 2 の MAC がない二次論理リングにおける折返しの場合,PH_UNITDATA 指示シンボルスト

リームを PH_UNITDATA 要求シンボルストリームとして直接使用することができる。このような局

構成の場合,V シンボルを用いないときは,V シンボルを対応する PH_UNITDATA 要求に確実に渡

すために,PH_INVALID 指示と PH_UNITDATA 指示とを結合する機能が必要となる。

(c)

入力 NRZ ビットストリームから 9 個の連続するコードビットの 1 を受け取った後,この実装方法によ

って生じるビットストリームが少なくとも 9 個のコードビットの 1 を含むならば,エラスティックバ

ッファ異常とせずに受け取った NRZ ビットストリームに対して,コードビットの 1 の挿入又は削除を

してもよい。このことは,シンボルの境界に関係なく,シンボルストリームが少なくとも一つの I シ

ンボルを含むことを保証する。

(d)

入力 NRZ ビットストリームから 20 個の連続したコードビットの 1 を受け取った後,更にコードビッ

トの 1 を受け取り続ける場合,エラスティックバッファ異常とせずにアイドルビットの挿入及び削除

が行えなければならない。この結果生じるビットストリームは,少なくとも 9 個のコードビットの 1

を含まなければならない。

(e) ALS

において,入力 NRZ ビットストリームから任意の境界で新たな JK コードビットのパターンを受

け取った場合,PH_UNITDATA 指示の JK のシンボル対の前の 4 個[バイト幅(2 個のシンボル)で実

装した場合は,9 個]のコードビットまでが挿入又は削除できる。ALS から抜け出る必要はなく,エ

ラスティックバッファは,最初に ALS になった時から,9 000 個以上の PH_UNITDATA 指示の発生数

を積算する。

追加シンボルを挿入する場合,追加シンボル用ビットは,コードビットの 1 か,又は JK のシンボ

ル対の先頭の 1∼9 個のビットを含む受信コードビットストリームのコピーとする。実装方法に JK の

シンボル対(又は J シンボルのコピー)の 5 ビット以上がコピーできる場合,復号機能又はリピート

フィルタ機能は,K シンボルが後に続かない J シンボルを I 又は V のシンボルコードとして解釈しな

ければならない。

削除できるコードビットは,(a)で規定したもの及び前後のフレーム境界の間のコードビットだけと


19

X 5261-1991 (ISO 9314-1 : 1989)

する。

(f) ALS

又は ILS でない場合,PH_UNITDATA 指示シンボルストリームは,入力 NRZ ビットストリーム

と異なってもよい。ALS から抜け出た場合,I シンボルでも JK のシンボル対でもないものを無効シン

ボルとして,最初に 4 個以上転送しなければならない。これに続いて,I シンボルを転送してもよい

が,JK のシンボル対を転送してはならない。無効シンボルを転送することによってエラスティックバ

ッファ異常が発生し,これによって NLS の検出が可能となる。

8.2.5

復号機能  復号機能は,エラスティックバッファ機能から LOCAL CLOCK に同期した直列 NRZ コ

ードビットストリームを受け取る。復号機能は,シンボルの境界(又はバイト幅で実装した場合は,バイ

トの境界)を確立し,実装に適した形でシンボルクロックに対する同期を維持し,MAC に渡すために入

力 NRZ コードビットストリームをシンボルストリームに復号する。

特に規定していないが,ほとんどの MAC の実装方法では,PHY に,又は PHY からシンボルを送受す

るため及び MAC の機能を動作するために,シンボル又はバイトごとに PHY からのクロック信号を必要と

する。MAC が適切に動作するために,このクロックは,連続するものとし,中断してはならない。JK 開

始デリミタシーケンスを認識すると,新たにコードグループの境界を確立し直さなければならない。PHY

の復号機能は,クロックを一定の位相に保つために,0∼4 個(バイト幅で実装した場合は,0∼9 個)のコ

ードビットの遅延を直列コードビットストリームに挿入できなければならない。

コードグループの境界に再確立するために復号機能がコードビットストリームに対してコードビットの

追加又は削除を行う場合のエラスティックバッファ機能及び復号機能の組合せ動作は,8.2.4 による。

8.2.6

伝送路状態検出機能  伝送路状態検出機能は,入力物理リンクの伝送路状態を検出するために使用

する。伝送路状態は,シンボル又はシンボル対が表す期間よりも長い期間における物理リンクの状態を表

す(伝送路状態の定義は,7.3 による。

。伝送路状態検出機能は,現在の伝送路状態を検出するために,受

信機能からの信号 (Clock_Detect) 及びエラスティックバッファ異常からの信号以外に,PM_SIGNAL 指示

も用いる。シンボルストリームの無効を検出した場合,この機能は,PH_INVALID 指示によってローカル

MAC

エンティティに信号を送る。伝送路状態の変化を検出した場合,この機能は,SM_PH_STATUS 指示

によってローカル SMT エンティティに信号を送る。

HLS

,MLS,ILS 若しくは ALS になる基準,又はこれらの状態を続ける基準に適合する Signal_Detect(オ

ン状態)及び PM_Indication (NRZ-1 code)  直列データストリームの両方を PMD から受け取った時点から,

SMT

に伝える伝送路状態が PMD から受け取る直列データストリームの状態を正しく示す時点までを,初

期伝送路状態検出期間と呼ぶ。この期間は,PHY 獲得時間 (AT_Max) を超えてはならない。AT_Max の省

略時値は,100

µs とする。この期間内に,LSU 又は NLS を SMT に伝えなければならない(7.3 参照)。MAC

エンティティ及び SMT エンティティによって使われる最大信号獲得時間 (A_Max) は,AT_Max と最大

PMD

獲得時間 (AS_Max) との合計とする。

初期伝送路状態検出後,正しい伝送路状態が変化するか,又は一時的に喪失することがある。正しい伝

送路状態の喪失は,受信 PHY エンティティ内の内部状態によって起こる(例えば,RCRCLK の同期はず

れ又はエラスティックバッファ異常)

。一方,伝送路状態の変化は,受信 PHY エンティティの外部の変化

によって起こる(例えば,送信伝送路状態又は PMD の状態変化)

。初期伝送路状態検出後,PMD から受

け取る伝送路状態の変化又は喪失があっても,正しい伝送路状態を再確立するための時間は,最大伝送路

状態変化時間 (LS_Max) を超えてはならない。LS_Max の省略時値は,15

µs とする。この時間内に,LSU

又は NLS を SMT に伝えなければならない(7.3 参照)

ILS

及び ALS(並びに任意選択の HLS 及び MLS)の検出は,RCRCLK の同期化を必要とする。実装時


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X 5261-1991 (ISO 9314-1 : 1989)

における RCRCLK 獲得時間は,AT_Max,LS_Max 又はその両方の基準の制約を受ける。実装方法によっ

て HLS 又は MLS を検出するために RCRCLK を必要とする場合,

HLS

又は MLS の RCRCLK 獲得時間は,

AT_Max

より小さくなければならない。HLS 又は MLS から ILS 又は ALS に切り替えるとき,ILS 又は ALS

の RCRCLK 獲得時間は,LS_Max より小さくなければならない。

8.2.7

自局クロック  PHY の各機能が使用する基本周波数を確立するために,自局クロックを使用する。

このクロックは,PHY の実装で作り出す固定周波数発信器から又は局の外部から取り出す。このクロック

の特性を次に示す。

(a)

固定周波数発信器基本周波数=125MHz±0.005% (50ppm)

(b)

位相ジッタ(20kHz 以上)<±8°(±0.14rad)

(c)

高調波成分(125.02MHz 以上)<−20dB

(d)

公称コードビットセル時間=8.0ns

(e)

公称シンボル時間=40.0ns

8.3

平滑機能  各 PHY は,平滑機能を用いてシンボルストリームを処理する。平滑機能は,複数の PHY

のエラスティックバッファ機能によって同一プリアンブルからシンボルを削除できるようにする。プリア

ンブルの減少が制限を超えるとフレームの喪失を起こす。FDDI 設計の制約を次に示す。

(a)  4

個のシンボルより短いプリアンブルをエラスティックバッファに取り込む必要はない。

(b) MAC

は,2 個のシンボルより短いプリアンブルをもつフレームをリピートする必要はない。

(c) MAC

は,12 個のシンボルより短いプリアンブルをもつフレームをコピーする必要はない。

平滑機能は,長いプリアンブルから過剰のシンボルを取り除き,短いプリアンブルに再分配する。これ

によって,長いバーストフレーム間のプリアンブル長の変動を低減できる。

平滑機能は,14 個のシンボルより短いリピートされたプリアンブル中に追加プリアンブルシンボルを挿

入できなければならない。この平滑機能は,14 個のシンボルより長いプリアンブルから過剰のシンボルを

削除することによって,平滑能力を回復しなければならない。しきい値が 14 個のシンボルの場合の平滑能

力 Hi_Max は,シンボル数で 2 個以上とする。

フレームをコピーするのに 11 個又は 12 個のプリアンブルシンボルで十分な MAC の局では,平滑機能

は,12 個のシンボルより短いプリアンブル中に,追加プリアンブルシンボルを挿入できなければならない。

この平滑機能は,12 個のシンボルより長いプリアンブルから過剰シンボルを削除することによって,平滑

能力を回復しなければならない。しきい値が 12 個のシンボルの場合の追加平滑能力 (Lo_Max) は 2 個以

上とし,その他のしきい値の場合の追加平滑能力は 0 個以上とする。

局の合計平滑能力は,Hi_Max+Lo_Max とする。平滑能力 Hi_Max は,局を通る各々のリピートパス内

で,エラスティックバッファの後段に配置する。フレームをコピーするために 9 個以上のプリアンブルシ

ンボルを必要とする MAC をリピートパス内に配置する場合,必要な合計平滑能力は,そのパスのエラス

ティックバッファ機能と MAC 受信器との間に配置する。

平滑機能は,除去された残りの部分フレームから空き領域を確保できなければならない。この空き領域

は,シンボルの削除又は I シンボルとの置換えによって確保してもよい。さらに,形式誤りを失わない場

合,平滑機能は,他の部分フレームから空き領域を確保してもよい。形式誤りを PHY で数えて SMT に報

告する場合,又は次の MAC 若しくはリピートフィルタ機能に送る場合,形式誤りは,失われない。

回線状態検出機能の前段に,平滑機能を実装する場合,次のとおりとする。

(a) ILS

又は ALS でない場合に,I シンボルを挿入することによって,誤った ILS を検出してはならない。

(b)

潜在的雑音事象であるシンボルを削除することによって,QLS,HLS,MLS,NLS 又は LSU が検出で


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X 5261-1991 (ISO 9314-1 : 1989)

きなくなってはならない。

プリアンブルが雑音のない I シンボルからなる場合,信頼性を低下させずにプリアンブルの処理を軽減

できる。平滑機能は,プリアンブル処理中に次の処理を行う必要はない。

(a)

プリアンブルへの I シンボルの挿入(4 個の連続した I シンボルを受信した場合を除く。

(b)

プリアンブルから I シンボル以外のシンボルの削除。

8.3.1

平滑器有限状態機械  平滑器機能の状態図を図 に示す。この状態図では,状態を縦線で,状態遷

移を矢印付き横線で表す。遷移のきっかけになる事象又は状態を線の上側に示し,

動作を線の下側に示す。

この有限状態機械は,PH_UNITDATA 指示インタフェースの前段に実装される平滑機能の動作を定義す

る。この規定に反しない限り,この有限状態機械と互換性のある任意の実装方法を用いてよい。

有限状態機械で使用する変動及びパラメタは,次のとおりとする。

Hi_Max

しきい値が 14 個のシンボルのプリアンブルの場合の最大平滑能力(シンボル数)。

Ni_Ct

しきい値が 14 個のシンボルのプリアンブルの場合の現在の平滑器の(シンボル数の)

拡大。バイト幅で実装した局は,シンボル対を数えてもよい。すなわち,奇数のシン

ボルは,無視することができる。

Lo_Max

しきい値が 12 個のシンボルのプリアンブルの場合の最大平滑能力(シンボル数)。

Lo_Ct

しきい値が 12 個のシンボルのプリアンブルの場合の現在の平滑器の(シンボル数の)

拡大。バイト幅で実装した局は,シンボル対を数えてもよい。すなわち,奇数のシン

ボルは,無視することができる。

Out_Ct

現在の状態における出力シンボルの数。バイト幅で実装した局は,シンボル対を数え

てもよい。すなわち,奇数のシンボルは,無視することができる。

T_Flag

現在のフレームは,削除できないことを示す。

平滑器の拡大とプリアンブル長との調整及びカウンタの維持をビット単位で行うか,シンボル単位で行

うか,又はバイト単位で行うかは,実装方法に依存する。この結果,エラスティックバッファの動作単位

は,平滑器の最大動作単位(1 バイト)を超えてはならない。

8.3.1.1

状態 SM0:プリアンブル (PA)    この状態での平滑器機能は,プリアンブルシンボル処理とする。

しきい値を超える余分のプリアンブルを処理する場合,シンボルを削除して平滑能力の回復を行う。Out_Ct

は,しきい値と比較するため出力プリアンブルシンボルの数を数える。相互運用性のためには,状態 SM0

から抜け出す時点でカウンタが正確である限りにおいて,必ずしも PA_Actions で記述されるシーケンスど

おりにシンボルを削除する必要はなく,更に,I シンボル以外のシンボルを削除しなくてもよい。しきい

値が 12 個のシンボルで平滑器が動作する場合,同一プリアンブルの間,しきい値が 14 個のシンボルで動

作してもよい。

遷移 SM (01)SDU の開始  開始デリミタ JK のシンボル対を入力として検出する場合,Start_Actions を実

行し,状態 SM1 に遷移する。Start_Actions は,平滑器によって I シンボルを挿入し,短いプリアンブルを

拡大する。シンボル幅で実装した場合は,J シンボルを受信した場合にこの遷移を起こすが,J シンボルを

内部でコピーした場合にはこの遷移を起こさない[8.2.4(e)参照]。Start_Actions がトークン又は部分 SDU

(除去された SDU 又は形式誤り)の後に出される場合,シンボル数で 4∼14 個のしきい値を使用する実装

方法を用いてもよい。


22

X 5261-1991 (ISO 9314-1 : 1989)

8.3.1.2

状態 SM1:サービスデータ単位 (SDU)    この状態での平滑器機能は,SDU(フレーム又はトー

クン)シンボル処理とする。平滑器は,この状態において,すべての入力シンボルを出力する。T_Flag は,

データシンボル以外の最初のシンボルの発生によってセットする。End_Actions が SDU の開始以前のシン

ボルを削除しないために,Out_Ct は,出力 SDU シンボルの数を数える。

遷移 SM (10)SDU の終了  I シンボルを入力として検出した場合,状態 SM0 に遷移する。T_Flag がセッ

トされず,除去された SDU を平滑器が示す場合,前の SDU 出力シンボルの削除及び平滑器の動作によっ

て,又は平滑器を動作させずに除去された SDU を I シンボルに置き換えることによって,End_Actions を

実行してスペースを再生しなければならない。バイト幅で実装した場合は,I シンボルをシンボル対の第 1

シンボルとして処理するとき,状態 SM0 への遷移を起こさなければならない。I シンボルをシンボル対の

第 2 シンボルとして処理した後に,状態 SM0 に遷移してもよい。End_Actions が SDU 又は形式誤りを失わ

ない場合,SDU を終わらせる他の入力条件(例えば,形式誤り又は FS フィールドの終了)でこの遷移を

起こす実装方法を用いてもよい。

8.4

リピートフィルタ  局構成によっては,PHY が入力物理リンクからの PH_UNITDATA 指示のシンボ

ルストリームを MAC エンティティを介さず,PH_UNITDATA 要求として出力物理リンク(例えば,局に

第 2 の MAC がない二次論理リング)に直接折り返す。この場合,伝送路状態検出後,入力物理リンクと

出力物理リンクとの間のリピートパスに,リピートフィルタ機能を必要とする。

リピートフィルタ機能は,入力リンクから出力リンクへの無効コード(

表 参照)及び無効伝送路状態

の伝達を防ぐ。失われたフレームが伝達されるので,論理リングの次の MAC エンティティは,このフレ

ームを正しく数えることができる。論理リングに MAC エンティティを含んだ局構成の場合,この機能が

要求されないが,正しいリング動作に影響を与えることがないように,リピートフィルタ機能を実装して

もよい。

リピートフィルタの状態図を

図 に示す。この状態図では,状態を縦線で,状態遷移を矢印付き横線で

表す。遷移のきっかけとなる事象又は状態を線の上側に示し,動作を線の下側に示す。

リピートフィルタは,次の規則に従ってシンボルストリームを変更する。

(a)  I

シンボルに続くすべてのシンボルは,新たに I 又は J のシンボルが来るまで I シンボルに変える。

(b)

エラスティックバッファ及び復号機能が J シンボルをコピーする実装方法では(8.2.4 参照)

,K シン

ボルが後に続かない J シンボルは,V シンボルとみなし,この J シンボルを現在の状態に応じて I 又

は H のシンボルに変える。その他の実装方法では,J シンボルをリピートしてもよいし,J 又はその後

の K でないシンボルを V シンボルとみなしてもよい。

備考  この規定は,修正のための検討が予定されており,K シンボルが後に続かない受信 J シンボル

を PHY が V シンボルとしてみなさなければならないというように修正することが検討されて

いる。

(c) JK

シンボルシーケンスに続いて新たに K,Q,H 又は V のシンボルが来た場合,そのシンボルは,H

シンボルに変える。J 又は I のシンボルが来ない場合,この後の 3 シンボルも,H シンボルに変える。

第 4 番目の H シンボルの出力後に続くすべてのシンボルは,J 又は I のシンボルが来るまで,I シンボ

ルに変える。この規則によって,MAC は,論理リング中の誤ったフレームを正確に数えることがで

きる。

PHY

をバイト幅(2 個のシンボル)で実装する場合,次の変更を行ってもよい。

(a)

開始デリミタの J 及び K のシンボルの双方が復号機能によってバイト幅にされているため,

状態 RF1:

開始デリミタ (SD) は,必要ない。したがって,JK のシンボル対の受信によって他の状態から直接に


23

X 5261-1991 (ISO 9314-1 : 1989)

状態 RF2:リピート (REPEAT) に遷移する。

(b)

シンボル対の最初のシンボルが I シンボルとして検出された場合,状態 RF3:休止 (HALT) で 4 個の

H

シンボル(2 個の H シンボル対)が送出されたとき,及び任意選択的にシンボル対の 2 番目として

I

シンボルが処理されたとき,状態 RF0:アイドル (IDLE) に遷移する。

(c)

状態 RF2 において,シンボル対の一方が J 又は K のシンボル(JK 開始デリミタ対を除く。

)であって,

かつ他方が Q,H 又は V のシンボルである場合,シンボル対をリピートする代わりに,状態 RF3 に遷

移する。

8.5

リング遅延

8.5.1

最小遅延要求  二つの PHY(各局に一つ)と一つの MAC とから構成された 2 局のリングの場合,

リピートモード時の巡回トークンに十分なプリアンブルを MAC が保証するために,5 オクテットの最小

リング遅延が要求される。PHY 内のエラスティックバッファを動作させるために,各局は,プリアンブル

を必要とし,完全な巡回トークンを維持する。相互接続をするために,各局は,リピートパス上に MAC

がある場合,3 オクテット以上遅延させなければならず,リピートパス上に MAC がない場合,2 オクテッ

ト以上遅延させなければならない。

8.5.2

最大遅延計算  MAC 及び SMT は,リング遅延について上限が決められたタイマをもつ。リング遅

延は,論理リングに沿って発生する局の遅延及びケーブル設備の遅延の累積結果とする。タイマ設定に使

用するリング遅延の上限を計算するために,次のパラメタを使用する。

開始デリミタ最小遅延 (SD_Min)   SD_Min は,ILS において JK のシンボル対が受信された場合に,局を

通過する開始デリミタの最小伝搬遅延とする。この値は,ILS から ALS への遷移処理後エラスティックバ

ッファの遅延が理論上最小であって(8.2.4 参照),かつ平滑器がプリアンブルの挿入を行わない(8.3 

照)という条件で与えられる。SD_Min の基準値は,D_Max の省略時値計算用とし,局の媒体インタフェ

ースコネクタ (MIC) で測定して,74 ビット (592ns) とする。

開始デリミタ最大遅延分担 (SD_Max)   SD_Max は,論理リングに沿った開始デリミタの巡回遅延に対す

る個々の局の遅延の最大値とする。個々の局の遅延は,次のとおりとする。

SD_Min

+サンプリング及びタイミングの誤差+量子化誤差+平滑器拡大

個々の局は,平滑器でプリアンブル挿入を行ってもよいが,平滑機能は,リングの平滑器拡大の合計を

局当たり 10 ビット以下に制限する。エラスティックバッファと平滑器の組合せによる量子化誤差も,10

ビット以下に制限する。サンプリング及びタイミングの誤差を 4ns として,SD_Max は,次のとおりとす

る。

SD_Max

≦592+4+80+80

≦756ns

D_Max

省略時値計算のための SD_Max の基準値は,局の媒体インタフェースコネクタ (MIC) で測定し

て,756 ns とする。

物理層エンティティの最大数 (P_Max)   P_Max は,論理リングに配置された物理層(PMD 及び PHY)エ

ンティティの最大数,すなわちリング内の局接続点(すなわち,MIC)の数とする。P_Max の省略時値は,

1 000

個の物理層エンティティとする。二つの同位物理層エンティティをもつ二重接続局,及びコンセント

レータのマスタ物理層エンティティに対してスレーブ物理層エンティティをもつ一重接続局の場合,省略

時値は,500 局のリングに対応する。

リング最大遅延 (D_Max)   D_Max は,開始デリミタが論理リングを一周するための最大遅延時間とする。

D_Max

は,すべての局の局遅延の合計に,ケーブル設備による伝搬遅延の合計を加えたものとする。論理


24

X 5261-1991 (ISO 9314-1 : 1989)

リングにキロメートル当たり 5 085ns の伝搬遅延時間をもつ 100km の二重化ファイバケーブルとして,

D_Max

は,次のとおりとする。

D_Max

≦(P_Max×SD_Max)+(2×100×5 085)

≦756 000+1 017 000

=1 773 000ns

≦1.773ms

D_Max

の省略時値は,1.773ms 以下でなければならない。この値は,局の遅延及びケーブル設備の遅延

をどのように組み合わせてもよい。

備考  JIS X 5262 では,TVX の省略時値を 62 500 シンボル時間 (2.50ms) 以上と規定している。D_Max

の計算規則を上のとおりとした場合,JIS X 5262 における値は,2.50ms ではなく,2.500ms と

みなすのがよい。理論値は,2.498 660ms である。±16 個のシンボルの量子化誤差と±50ppm

のタイマ精度とを考慮すると,タイマ値は 2.499 425ms となる。

図 2  PHY 機能構成例


25

X 5261-1991 (ISO 9314-1 : 1989)

図 3  平滑器状態図

(

1

)  PA_Actions :

CLEAR Out_Ct

FOR EACH Input (symbol) DO

IF Out_Ct

=12 & Lo_Ct>0

THEN DEC Lo_Ct

ELSE IF Out_Ct

=14 & Hi_Ct>0

THEN DEC Hi_Ct

ELSE Output (Input (symbol)) ; INC Out_Ct

(

2

) Start_Actions

:

WHILE Out_Ct

<14&Hi_Ct<Hi_Max DO

Output (Idle) ; INC Out_Ct ; INC Hi_Ct

WHILE Out_Ct

<12&Lo_Ct<Lo_Max DO

Output (Idle) ; INC Out_Ct ; INC Lo_Ct

(

3

) SDU_Actions

:

Output (JK) ; SET Out_Ct

=2 ; Clear T_Flag ;

FOR EACH Input (symbol) DO

Output (Input (symbol)) ; INC Out_Ct ;

IF (Input (not n))

THEN SET T_Flag

(

4

) End_Actions

:

REPEAT x TIMES, where min (2, Lo_Ct

+Hi_Ct)

x

Out_Ct

(SET previous Output (symbol)

=Idle) or

(Remove previous Output (symbol) ;

IF Lo_Ct

>0

THEN DEC Lo_Ct

ELSE IF Hi_Ct

>0

THEN DEC Hi_Ct)


26

X 5261-1991 (ISO 9314-1 : 1989)

図 4  リピートフィルタ状態図


27

X 5261-1991 (ISO 9314-1 : 1989)

I/O

インタフェース標準化調査研究委員会  構成表  (敬称略,順不同)

氏名

所属

(委員長)

岡  田  義  邦

工業技術院電子技術総合研究所

(WG1 及び WG2 主査)

森      宗  正

日本ユニシス株式会社技術研究部

(WG3 主査)

宮  澤  正  幸

日本電信電話株式会社通信網総合研究所

朝  日  伸  幸

三菱電機株式会社コンピュータ製作所

梅  木  尊  則

日本電気株式会社府中事業場

小笠原      豊

キヤノン株式会社周辺機器 331 設計室

沖  野  英  明

工業技術院標準部

小  沢  芳  己

全国銀行協会連合会

木  田      泰

住友電気工業株式会社通信システム研究部

木  村  甲  治

東京電力株式会社情報システム部

桜  井  悦  行

セイコーエプソン株式会社 TP 設計部

櫻  木  武  人

日本アイ・ビー・エム株式会社関連製品開発

鈴  木  幸  寛

株式会社リコーシステム開発事業部

住  友  右  治

シャープ株式会社情報システム事業本部 
情報システム研究所第 3 開発部

武  井  安  彦

日本電信電話株式会社情報通信処理研究所

田  丸      宏

株式会社日産情報ネットワーク技術部

田  宮  敏  彦

株式会社日立製作所小田原工場

土  田  圭  司

富士通株式会社情報機器事業本部企画部計画部

西  川  泰  蔵

通商産業省機械情報産業局

野  瀬  治  雄

沖電気工業株式会社ハードウェア開発第 3 部

春  名  修  介

松下電器産業株式会社情報通信関西研究所

堀  野  喜久男

社団法人日本経営協会経営研究センター

松  田  年  彦

横河電機株式会社プロセス制御事業部第 2 技術

宮  部  健  吾

株式会社東芝周辺装置企画部

(事務局)

西  田  正  忠

財団法人日本規格協会情報技術標準化研究セン

ター

(委員交代)

鈴  木  博  久

日本アイ・ビー・エム株式会社エントリーシステ

ム製品開発

(平成元年 6 月∼平成 2 年 2 月)

(委員交代)

木ノ内  康  夫

日本電信電話株式会社情報通信処理研究所 
(平成元年 6 月∼平成 2 年 2 月)


28

X 5261-1991 (ISO 9314-1 : 1989)

I/O

インタフェース標準化調査研究委員会 WG3  構成表  (敬称略,順不同)

氏名

所属

(主査)

宮  澤  正  幸

日本電信電話株式会社通信網総合研究所

池  尾      正

三菱電機株式会社コンピュータ製作所

伊  藤  俊  明

沖電気工業株式会社複合通信システム事業部技術第 4 部

木  田      泰

住友電気工業株式会社通信システム研究部

櫻  木  武  人

日本アイ・ビー・エム株式会社関連製品開発

助  川  文  雄

株式会社日立製作所神奈川工場

藤  井  義  彦

富士通株式会社本体事業部電算機第 1 開発部

星  子  隆  幸

日本電信電話株式会社情報通信処理研究所

松  本      元

日本電気株式会社コンピュータ技術本部第 6 技術部

峰  岸  成  己

日本ユニシス株式会社マイクロシステムソフトウェア部

渡  辺  善  規

松下電器産業株式会社情報通信関西研究所

石  塚  匡  哉

工業技術院標準部

(事務局)

西  田  正  忠

財団法人日本規格協会情報技術標準化研究センター

(委員交代)

関  根  芳  則

沖電気工業株式会社電子通信事業本部 
複合交換事業部技術第 4 部 
(平成元年 6 月∼平成元年 9 月)

(委員交代)

谷  本  雅  顕

住友電気工業株式会社通信システム研究部 
(平成元年 6 月∼平成元年 9 月)

(委員交代)

吉  岡  善  一

日本アイ・ビー・エム株式会社エントリーシステム製品

開発

(平成元年 6 月∼平成元年 9 月)

(委員交代)

鈴  木  博  久

日本アイ・ビー・エム株式会社エントリーシステム製品

開発

(平成元年 10 月∼平成 2 年 2 月)

日本工業標準調査会情報部会規格調整専門委員会 WG4  構成表  (敬称略,順不同)

氏名

所属

(主査)

森      宗  正

日本ユニシス株式会社研究開発部

徳  永  英  二

日本アイ・ビー・エム株式会社標準推進

伊  藤  博  夫

沖電気工業株式会社技術本部

楡  木  武  久

社団法人日本電子工業振興協会

山  田  昭  彦

日本電気株式会社情報処理グループ