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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

X 5101-1982 

データ回線終端装置とデータ端末装置との 

インタフェース(25ピンインタフェース) 

The Interface between Data Circuit Terminating Equipment (DCE) 

and Data Terminal Equipment (DTE) 

(25-pin Interface)  

1. 適用範囲 この規格は,データ回線終端装置 (DCE) とデータ端末装置 (DTE) との間で,2進データ,

制御信号及びタイミング信号を転送するための25ピンコネクタを用いるインタフェースについて規定す

る。 

参考 このインタフェースは,CCITT(国際電信電話諮問委員会)勧告V.24及びV.28に準拠したDCE

で提供されるものである 

 
 関連規格:14ページに示す。 

2. 適用条件 この規格の適用条件は,次のとおりとする。 

2.1 

同期方式 同期式及び非同期式とする。 

2.2 

回線種別 直通専用回線,分岐専用回線及び交換回線とする。 

2.3 

接続用ケーブル DTEとDCE間の接続用ケーブルは,通常DTE側に備える。 

2.4 

データ信号速度 20キロビット/秒以下とする。 

2.5 

分界線 電気的及び物理的特性を定めるための分界線は,図1のとおりとする。 

図1 分界線 

3. コネクタ 分界線において使用するコネクタの形状・寸法及びピン番号は,図2及び図3のとおりと

する。 

図2はDCE側のコネクタとし,そのピンはめす形,シェルはおす形とする。図3は接続用ケーブル側の

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コネクタとし,そのピンはおす形,シェルはめす形とする。 

DCE側コネクタには,図2の右上部分に示すかん合固定台を取り付け,接続用ケーブル側のコネクタを

固定するために使用する。 

ピンの間隔寸法は,図4のとおりとする。 

おす形及びめす形ピンの形状・寸法は,図5及び図6のとおりとする。 

図2 DCE側コネクタ 

注(1) 接続用ケーブル側コネクタのねじが使用できる深さ。 

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図3 接続用ケーブル側コネクタ 

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図4 ピン間隔寸法 

図5 おす形ピン 

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図6 めす形ピン 

注(2) 角状のおす形テストピンによって測定される接触部分の長さ。 

(3) 直径寸法は,おす形ピンが挿入されたとき電気的接触が維持できる

寸法であること。 

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4. ピン配列 各相互接続回路のピン配列は,使用するDCEの種別に応じて表1のとおりとする。 

表1 ピン配列 

相互接続回路番号 

DCE種別 

 
 
ピン番号 

音声帯域回線用DCE 

ディジタルデータ回線用DCE 

公衆電話網用
及びテレック
ス用自動呼出
装置 

200/300 

ビット/秒 

非同期DCE 

1200 

ビット/秒 

非同期DCE 

2400/4800 

/9600 

ビット/秒 

同期DCE 

200/300/1200 

ビット/秒 

非同期DCE 

2400/4800 

/9600 

ビット/秒 

同期DCE 

(4) 

(4) 

(4) 

(4) 

(4) 

(4) 

103 

103 

103 

103 

103 

211 

104 

104 

104 

104 

104 

205 

105 

105 

105 

105 

105 

202 

106 

106 

106 

106 

106 

210 

107 

107 

107 

107 

107 

213 

102 

102 

102 

102 

102 

201 

109 

109 

109 

109 

109 

F 

N 

N 

N 

N 

N 

10 

11 

126 

N(7) 

12 

122 

122 

13 

121 

121 

204 

14 

118 

118 

206 

15 

(5) 

114 

114 

207 

16 

119 

119 

208 

17 

(5) 

115 

115 

209 

18 

141 

141 

141 

19 

120 

120 

20 

108(6) 

108(6) 

108(6) 

108(6) 

108(6) 

21 

140 

140 

140(8) 

22 

125 

125 

125 

125 

125 

203 

23 

111 

111 

24 

113 

25 

142 

142 

142 

142 

142 

(参考) 
DCEの基本仕様
を規定している
CCITT勧告 

V.21 

V.23 

V.26, V.26bis, 
V.27, V.27bis, 

V.27ter, V.29 

X.20bis 

X.21bis 

V.25 
S.16 

F:将来国際標準として新しい相互接続回路に使用するため,留保したピン。 
N:将来国内で新しい相互接続回路に使用するため,留保したピン。 

注(4) ピン1は,保安用接地又はシールドされた接続用ケーブルのシールドの接続用として使用することができる。 

(5) 同期式DTEが接続できるDCEでは,ピン15は回路114に,ピン17は回路115に使用する。 
(6) 回路108/1又は回路108/2として使用する。 
(7) 回路136として使用する場合がある。 
(8) 回路110として使用する場合がある。 

備考 :相互接続回路番号は,表2の回路番号と同じである。 

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5. 相互接続回路 分界線における相互接続回路の種類及び動作条件は,次のとおりとする。また,相互

接続回路一覧表を表2に示す。 

表2 相互接続回路一覧表 

相互接続 
回路番号 

相互接続回路名称 

略号 

信号方向 

DCEへ DCEから 

102 

信号用接地又は共通帰線 

SG 

− 

− 

103 

送信データ 

SD 

○ 

104 

受信データ 

RD 

○ 

105 

送信要求 

RS 

○ 

106 

送信可 

CS 

○ 

107 

データセットレディ 

DR 

○ 

108/1 

データセット線路接続 

CDL 

○ 

108/2 

データ端末レディ 

ER 

○ 

109 

データチャネル受信キャリア検出 

CD 

○ 

110 

データ信号品質検出 

SQD 

○ 

111 

データ信号速度選択 

SRS 

○ 

113 

送信信号エレメントタイミング (DTE) 

ST1 

○ 

114 

送信信号エレメントタイミング (DCE) 

ST2 

○ 

115 

受信信号エレメントタイミング (DCE) 

RT 

○ 

118 

バックワードチャネル送信データ 

BSD 

○ 

119 

バックワードチャネル受信データ 

BRD 

○ 

120 

バックワードチャネル送信要求 

BRS 

○ 

121 

バックワードチャネル送信可 

BCS 

○ 

122 

バックワードチャネル受信キャリア検出 

BCD 

○ 

125 

被呼表示 

CI 

○ 

126 

送信周波数選択 

SSF 

○ 

136 

ニューシグナル 

NS 

○ 

140 

ループバック/保守試験 

RLB 

○ 

141 

近端ループバック 

LLB 

○ 

142 

試験表示 

TI 

○ 

201 

信号用接地又は共通帰線 

SG 

− 

− 

202 

起呼要求 

CRQ 

○ 

203 

データラインビジー 

DLO 

○ 

204 

相手局接続完了 

DSC 

○ 

205 

呼放棄 

ACL 

○ 

206 

数字信号 (20) 

DS1 

○ 

207 

数字信号 (21) 

DS2 

○ 

208 

数字信号 (22) 

DS4 

○ 

209 

数字信号 (23) 

DS8 

○ 

210 

次数字要求 

PND 

○ 

211 

数字表示 

DPR 

○ 

213 

電源表示 

PI 

○ 

参考 :相互接続回路番号は,CCITT勧告の回路番号と同じである。 

5.1 

100シリーズ−一般用 

5.1.1 

回路102−信号用接地又は共通帰線 この回路は,すべての相互接続回路に対して共通の基準電位

を与える。また,この回路は,装置内で一点にまとめ,必要に応じてこの点をストラップ線によって装置

の内部で保安用接地と接続又は切離しができること。 

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5.1.2 

回路103−送信データ回路(信号方向:DCEへ) DTEからの送信データ信号は,線路を通して

相手側へ伝送されるために,この回路を経由してDCEへ送られる。 

DTEは,次の4回路のすべてがオンになるまで,この回路にデータを送信してはならない。また,4回

路のすべてがオン状態になっている場合,この回路に転送されたデータは,すべてDCEによって送信され

なければならない。 

(a) 回路105:送信要求 

(b) 回路106:送信可 

(c) 回路107:データセットレディ 

(d) 回路108/1又は回路108/2:データセット線路接続又はデータ端末レディ 

5.1.3 

回路104−受信データ回路(信号方向:DCEから) 相手側から送られてくるデータ信号は,DCE

で受信され,この回路を通ってDTEへ転送される。 

5.1.4 

回路105−送信要求回路(信号方向:DCEへ) この回路は,DCEの送信機能を制御する。この

回路をオン状態にするとDCEは送信状態となり,回路107(データセットレディ)がオンであれば,回路

状態の調整(等化,同期,極性保持の解放など)に必要な線路信号の伝送が可能となる。 

この回路のオン状態は,DTEが送信を要求している間及び回路103(送信データ)にデータを転送して

いる間,保持しなければならない。この回路がオフ状態の場合,DCEは回路103に転送されていたすべて

のデータの送信が完了した後,非送信状態となる。 

この回路をいったんオフにすると,回路106(送信可)がオフになるまで再びオンにしてはならない。 

5.1.5 

回路106−送信可回路(信号方向:DCEから) この回路は,DCEがデータを送信できる状態に

あるかどうかを示す。この回路のオン状態はDCEがデータを送信できることを示し,オフ状態はDCEが

データを送信できない状態にあることを示す。 

この回路のオン及びオフ状態は,回路105(送信要求)のオン及びオフ状態に応動する。 

5.1.6 

回路107−データセットレディ回路(信号方向:DCEから) この回路は,DCEが動作できるか

どうかを示す。この回路のオン状態は,DCEが線路に接続されてあり,データの伝送を開始するために

DTEとの間で制御信号の授受を行う準備ができていることを示す。 

この回路のオフ状態は,DCEが動作準備未了であることを示す。ただし,この場合,回路125(被呼表

示)は動作可能とする。 

5.1.7 

回路108/1(9)−データセット線路接続回路(信号方向:DCEへ) この回路は,DCEの線路への

接続又は線路からの切替えを制御する。 

この回路のオン状態によって,DCEは他の相互接続回路の状態とは無関係に線路に接続される。 

この回路がオフ状態の場合,回路103(送信データ)と回路118(バックワードチャネル送信データ)の

両者又は片方に転送されていたデータの送信が完了した後,DCEは線路から切り離される。ただし,この

場合,回路125(被呼表示)は,動作可能とする。 

5.1.8 

回路108/2(9)−データ端末レディ回路(信号方向:DCEへ) この回路は,DCEの線路への,又

は線路からの切替えを制御する。 

この回路のオン状態は,DTEの動作準備ができていることを示す。呼に対して自動応答するDCEは,

着呼信号とこの回路のオン状態に応じて線路に接続される。 

DTEは,データの授受の準備完了後,この回路をオン状態にすることができる。 

この回路がオフ状態の場合,DCEは,回路103(送信データ)と回路118(バックワードチャネル送信

データ)の両方又は片方に転送されていたデータの送信が完了した後,線路から切り離される。ただし,

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この場合,回路125(被呼表示)は,動作可能とする。 

注(9) DCE内において,回路108/1による動作か,回路108/2による動作かの選定のための布線の選択

が準備されている。 

5.1.9 

回路109−データチャネル受信キャリア検出回路(信号方向:DCEから) この回路は,線路か

らの受信信号が所定の範囲に入っているかどうかを示す。 

この回路のオン状態は,受信信号が所定の範囲に入っていることを示し,オフ状態は,受信信号が所定

の範囲に入っていないことを示す。 

5.1.10 回路110−データ信号品質検出回路(信号方向:DCEから) この回路は,線路からの受信データ

に誤りが発生した可能性があるかどうかを示す。 

この回路のオン状態は,誤りが発生した可能性がないことを示し,オフ状態は,誤りが発生した可能性

があることを示す。 

5.1.11 回路111−データ信号速度選択回路(信号方向:DCEへ)(DTEで発生) この回路は,二つのデ

ータ信号速度を持つ同期式DCEでそのうちの一つの信号速度を選定するため,又は二つのデータ信号速度

範囲をもつ非同期式DCEでそのうちの一つの信号速度範囲を選定するために用いる。 

この回路のオン状態は高い方の速度又は速度範囲を選定し,オフ状態は低い方の速度又は速度範囲を選

定する。 

5.1.12 回路113−送信信号エレメントタイミング回路(信号方向:DCEへ)(DTEで発生) この回路は,

DCEに信号エレメントタイミングを与える。この回路の状態は,公称的には等間隔のオンとオフであり,

オンからオフへの変換点が回路103(送信データ)の各信号エレメントの中央を示す(図7参照)。 

この回路のタイミング信号が送信タイミングとしてDCEで用いられる場合,DTEはタイミング信号を

発生できる間,常にこの回路を通して送信タイミングを送らなければならない。タイミング信号を送れな

い間は,この回路はオフ状態に保持されなければならない。 

送信エレメントタイミング信号には,この回路113と回路114があるが,両方同時に使用されることは

ない。 

5.1.13 回路114−送信信号エレメントタイミング回路(信号方向:DCEから)(DCEで発生) この回路

は,DTEに信号エレメントタイミングを与える。この回路の状態は,公称的には等間隔のオンとオフとす

る。DTEは回路103(送信データ)に対して,回路114のオフからオンへの変換点に,信号の変換点が公

称的に現れるようデータ信号を送出する(図8参照)。 

送信タイミングとしてこの回路のタイミング信号を用いる場合,DCEはタイミング信号を発生できる間,

常にこの回路を通して送信タイミングを送らなければならない。タイミング信号が送られていない間は,

この回路114はオフ状態に保持されなければならない。 

送信信号エレメントタイミング回路には,回路113とこの回路114があるが,両方同時に使用されるこ

とはない。 

5.1.14 回路115−受信信号エレメントタイミング回路(信号方向:DCEから)(DCEで発生) この回路

は,DTEに信号エレメントタイミングを与える。この回路の状態は,公称的には等間隔のオンとオフであ

り,オンからオフへの変換点が回路104(受信データ)の各信号エレメントの中央を示す(図9参照)。 

この回路115のタイミング信号は,DCEがタイミング信号を発生できる間,常にこの回路を通して受信

タイミングを送らなければならない。タイミング信号が送られない間は,回路115はオフ状態に保持され

なければならない。 

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10 

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図7 送信信号エレメントタイミング(回路113)と送信データ(回路103) 

図8 送信信号エレメントタイミング(回路114)と送信データ(回路103) 

図9 受信信号エレメントタイミング(回路115)と受信データ(回路104) 

5.1.15 回路118−バックワードチャネル送信データ回路(信号方向:DCEへ) この回路は,バックワー

ドチャネルを通してデータを送るということを除いては,回路103(送信データ)と同じとする。 

5.1.16 回路119−バックワードチャネル受信データ回路(信号方向:DCEから) この回路は,バックワ

ードチャネルでデータを受信するということを除いては,回路104(受信データ)と同じとする。 

5.1.17 回路120−バックワードチャネル送信要求回路(信号方向:DCEへ) この回路は,DCEのバッ

クワードチャネルの送信機能を制御する。この回路をオン状態にすると,DCEのバックワードチャネルは

送信状態になり,オフ状態にするとDCEは回路118(バックワードチャネル送信データ)に転送されてい

たすべてのデータの送信が完了した後,バックワードチャネルを非送信状態にする。 

この回路のオン状態は,DTEが送信を要求している間及び回路118(バックワードチャネル送信データ)

にデータを転送している間,保持されなければならない。また,この回路をいったんオフにすると,回路

121(バックワードチャネル送信可)がオフになるまで,再びオンにしてはならない。 

5.1.18 回路121−バックワードチャネル送信可回路(信号方向:DCEから) この回路は,DCEがバッ

クワードチャネルにデータを送信できる状態にあるかどうかを示す。 

この回路のオン状態はDCEがバックワードチャネルにデータを送信できることを示し,オフ状態はデー

タを送信できないことを示す。 

5.1.19 回路122−バックワードチャネル受信キャリア検出回路(信号方向:DCEから) この回路は,

バックワードチャネルの線路からの受信信号が所定の範囲に入っているかどうかを示す。 

この回路のオン状態はバックワードチャネルの受信信号が所定の範囲に入っていることを示し,オフ状

態は受信信号が所定の範囲に入っていないことを示す。 

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11 

X 5101-1982  

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5.1.20 回路125−被呼表示回路(信号方向:DCEから) この回路は,DCEが着呼信号を受信している

かどうかを表示する。この回路のオン状態は着呼信号を受信していることを示し,オフ状態は着呼信号を

受信していないことを示す。 

5.1.21 回路126−送信周波数選択回路(信号方向:DCEへ) この回路は,DCEの必要な送信周波数を

選択する。この回路のオン状態は高い方の送信周波数を選択し,オフ状態は低い方の送信周波数を選択す

る。 

5.1.22 回路136−ニューシグナル回路(信号方向:DCEへ) この回路は,DCEの線路信号受信部の応

答時間を制御する。この回路のオン状態はDCEの線路信号受信部に,線路信号の消失を速やかに検出する

準備を行うよう指示する(例えば,回路109に関する応答時間回路を無効にする。)。 

受信線路信号が,受信キャリア検出器のいき(閾)値以下に低下した後,DCEは, 

(1) 回路109(データチャネル受信キャリア検出)をオフにし,かつ 

(2) 新しい線路信号の出現を速やかに検出する準備を行う(例えば,受信タイミング再生回路をリセット

する。)。 

回路136は,いったんオンになれば,1単位間隔後オフにしてもよい。また,回路109(データチャネル

受信キャリア検出)がオフになった後は,回路136はオフにしなければならない。その他のいかなる場合

も回路136はオフでなければならない。 

5.1.23 回路140−ループバック/保守試験回路(信号方向:DCEへ) この回路は,DCEのループバッ

ク又はその他の保守試験状態を起動及び解除する。この回路のオン状態は保守試験状態を起動し,オフ状

態は保守試験状態を解除する。 

この回路は,回路103(送信データ)の符号化命令と共に用いることができる。回路103を使用しない,

すなわち符号化命令を使用しない場合は,回路140は遠隔ループバック(ループ2)だけを制御する(図

10参照)。回路103を使用する場合は他の保守試験も可能とする。 

回路140によるループ2試験の場合,回路106(送信可)は回路140によって制御され,回路105(送信

要求)はDCEで無視される。 

5.1.24 回路141−近端ループバック回路(信号方向:DCEへ) この回路は,近端DCEでのループ3試

験状態を制御するために用いられる(図10参照)。 

この回路のオン状態は近端DCEでのループ3試験状態を設定し,オフ状態はループ3試験状態を解除す

る。 

5.1.25 回路142−試験表示回路(信号方向:DCEから) この回路は,保守試験状態かどうかを示す。

この回路のオン状態はDCEが試験状態にあり,DTEからのデータの送受信ができないことを示し,オフ

状態はDCEが試験状態でないことを示す(図10参照)。 

図10 ループ2/ループ3の定義 

備考 図10は,DTE Aから見た場合のループの定義を示しているが,DTE Bから見た場合も対称的

なループ構成が存在する。 

12 

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5.2 

200シリーズ−自動呼出し用 

5.2.1 

回路201−信号用接地又は共通帰線 この回路は,すべての200シリーズの相互接続回路に対して

共通の基準電位を与える。また,この回路は装置内で一点にまとめ,必要に応じてこの点をストラップ線

によって装置の内部で保安用接地と接続又は切離しができること。 

5.2.2 

回路202−起呼要求回路(信号方向:DCEへ) この回路は,自動呼出し装置の起呼及びこれの

線路への接続又は切離しを行う。この回路のオン状態は,DCEに自動呼出し装置を起呼させ,かつ,これ

を線路に接続させる。オフ状態は,自動呼出し装置を線路から切り離し,また,DTEが自動呼出し装置を

解除したことを示す。 

この回路は,起呼動作終了後,次の起呼までの間はオフでなければならない。また,回路203(データ

ラインビジー)がオフになる前に,回路202をオンにしてはならない。 

5.2.3 

回路203−データラインビジー回路(信号方向:DCEから) この回路は,通信回線が使用中か

どうかを示す。この回路のオン状態は回線が使用中であることを示し,オフ状態は回線が使用中でなく

DTEは起呼してもよいことを示す。 

5.24 回路204−相手局接続完了回路(信号方向:DCEから) この回路は,相手側との接続が完了した

かどうかを示す。この回路のオン状態は相手側DCEとの接続が完了したことを示し,オフ状態は相手側

DCEと接続していないことを示す。 

この回路のオン状態は,DTEが自動呼出し装置を復旧するまで,すなわち回路202(起呼要求)をオフ

にするまで,保持されなければならない。 

5.2.5 

回路205−呼放棄回路(信号方向:DCEから) この回路は,一連の呼設定手順の間に,あらか

じめ設定された時間が経過したかどうかを示す。この回路のオン状態は呼を放棄すべきであることを示し,

オフ状態は呼設定手順を進めることが可能であることを示す。 

この回路のオフ状態は,回路204(相手局接続完了)がオンとなった後,保持されなければならない。 

5.2.6 

数字信号回路(信号方向:DCEへ) 数字信号回路は,次の4回路とする。 

(1) 回路206−数字信号 (20) 回路 

(2) 回路207−数字信号 (21) 回路 

(3) 回路208−数字信号 (22) 回路 

(4) 回路209−数字信号 (23) 回路 

これらの回路を用いて,DTEは相手側加入者番号及び制御符号を送出する。 

これら四つの数字信号回路の状態は,回路211(数字表示)がオンになっている間,変化してはならな

い。 

5.2.7 

回路210−次数字要求回路(信号方向:DCEから) この回路は,自動呼出し装置が次の符号組

合せを受け取る準備ができているかどうかを示す。この回路のオン状態は自動呼出し装置が次の符号組合

せを受け取る準備ができていることを示し,オフ状態はその準備ができていないことを示す。 

この回路210は,いったんオフになると,回路211(数字表示)がオフになるまで,再びオンになって

はならない。 

5.2.8 

回路211−数字表示回路(信号方向:DCEへ) この回路は,回路206〜209(数字信号)に与え

られた符号組合せの読み取りを制御する。 

この回路のオン状態は,自動呼出し装置に,数字信号回路に与えられた符号組合せを読み取らせる。 

この回路のオフ状態は,自動呼出し装置が,数字信号回路に与えられた符号組合せを読み取らないよう

にする。 

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X 5101-1982  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

この回路は,回路210(次数字要求)がオフ状態のとき,及びDTEが回路206〜209(数字信号)に必要

な符号組合せを送出し終わるまで,オンになってはならない。 

回路210(次数字要求)がオフになる前に,回路211はオフになってはならない。 

5.2.9 

回路213−電源表示回路(信号方向:DCEから) この回路は,自動呼出し装置内で電源が有効

であるかどうかを示す。 

この回路のオン状態は自動呼出し装置内で電源が有効であることを示し,オフ状態は電源が有効でない

ことを示す。 

6. 電気的特性 分界線における相互接続回路の電気的特性は,次のとおりとする。 

6.1 

相互接続回路 相互接続回路は,図11に示すとおりとする。 

図11 相互接続回路 

6.2 

受信器側のインピーダンス 受信器側のインピーダンスは,3V〜15V(正及び負)の印加電圧で測

定して3kΩ以上,7kΩ以下の直流抵抗とし,かつ総合実効容量は2 500pF以下とする。また,受信器側イ

ンピーダンスのリラクタンス成分は,誘導性であってはならない。ただし,受信器側のインピーダンスに

は,分界線から受信器までのすべてのインピーダンスを含める。 

6.3 

信号発生器の開放回路電圧 信号発生器の開放回路電圧の大きさは,いかなる場合においても25V

以下とする。 

6.4 

信号電圧 分界線における信号発生器の信号電圧は,受信器の開放回路電圧が0Vの場合,3kΩから

7kΩの範囲内の負荷抵抗に対して,5V〜15V(正又は負)とする。 

6.5 

受信器の開放回路電圧 受信器の開放回路電圧の大きさは,2V以下とする。 

6.6 

信号の識別 受信器は,分界線における電圧が+3V以上か,−3V以下かによって,表3のとおり

識別しなければならない。 

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X 5101-1982  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表3 信号の識別 

信号電圧 

データ信号 

タイミング及び制御信号 

+3V以上 

オン 

−3V以下 

オフ 

関連規格:JIS X 5102 データ回線終端装置とデータ端末装置とのインタフェース(15ピンインタフェー

ス) 

JIS X 5103 データ回線終端装置とデータ端末装置とのインタフェース(37/9ピンインタフェ

ース) 

ISO 2110 データ通信−25ピンDTE/DCEインタフェースコネクタとピン配列 

ISO 4902 データ通信−37ピン及び9ピンDTE/DCEインタフェースコネクタとピン配列 

ISO 4903 データ通信−15ピンDTE/DCEインタフェースコネクタとピン配列 

CCITT勧告 S.16 テレックス網における自動呼出及び応答 

CCITT勧告 V.21 一般交換電話網用に標準化された300ボーモデム 

CCITT勧告 V.23 一般交換電話網用に標準化された600/1 200ボーモデム 

CCITT勧告 V.24 データ端末装置とデータ回線終端装置間の相互接続回路の定義 

CCITT勧告 V.25 手動接続でのエコーサプレッサの機能停止を含む一般交換電話網におけ

る自動呼出及び応答装置 

CCITT勧告 V.26 4線式専用回線用に標準化された2 400bit/sモデム 

CCITT勧告 V.26bis 一般交換電話網用に標準化された2 400/1 200bit/sモデム 

CCITT勧告 V.27 専用回線用に標準化された手動等化器付4 800bit/sモデム 

CCITT勧告 V.27bis 専用回線用に標準化された自動等化器付4 800bit/sモデム 

CCITT勧告 V.27ter 一般交換電話網用に標準化された4 800/2 400bit/sモデム 

CCITT勧告 V.28 不平衡複流相互接続回路の電気的特性 

CCITT勧告 V.29 専用回線用に標準化された9 600bit/sモデム 

CCITT勧告 X.20 bis 公衆データ網における調歩式伝送業務向けのDTEとDCE間のV.21コ

ンパティブルインタフェース 

CCITT勧告 X.21 bis 同期Vシリーズモデム用に設計されたDTEの公衆データ網における使

用 

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X 5101-1982  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

工業標準新規・改正調査委員会名簿 

氏名 

所属 

(委員長) 

近 藤   久 

日本電信電話公社 

(幹事) 

高 井   啓 

日本電信電話公社 

沖 見 勝 也 

日本電信電話公社 

(委員) 

赤 木 董 行 

日本電気株式会社 

榎 本 誠 一 

株式会社横浜銀行 

河 本 清 人 

日本アイ・ビー・エム株式会社 

斉 藤 幸 夫 

三菱電機株式会社 

渋 谷 隆 弘 

沖電気工業株式会社 

新 谷 外 吉 

国際電信電話株式会社 

瀬 川   彰 

労働省 

高 木 幹 雄 

東京大学 

高 田 裕 司 

富士通株式会社 

辻   義 信 

通商産業省 

成 沢   宏 

株式会社日立製作所 

松 尾 勇 二 

郵政省 

丸 木 義 勝 

ブリヂストンタイヤ株式会社 

遊 佐   滉 

日本国有鉄道 

横 井 平 三 

株式会社日通総合研究所 

伊 東   厚 

工業技術院標準部 

山 本 順 一 

財団法人日本情報処理開発協会