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目 次 

ページ 

序文  1 

1 適用範囲 1 

2 引用規格 1 

3 用語及び定義  2 

4 シンボル及び略語  3 

5 概要 4 

6 時刻トレーサビリティチェーン及びトレーサビリティの証明  4 

6.1 時刻配信及びトレーサビリティチェーン 4 

6.2 TAAによるTSA時計の時刻監査  5 

7 TAAの技術要件  5 

7.1 TAAの要件における方針  5 

7.2 TAA時計の要件 5 

7.3 時刻監査の要件  6 

7.4 時刻配信の要件  7 

7.5 その他の要件  8 

附属書A(参考)時刻差証明書と既存の国家標準との関係  9 

附属書B(参考)トレーサビリティチェーン及び要求精度  10 

附属書C(参考)ITU-R TF.1876のTAAを基礎にした信頼できる時刻源構成の例  11 

附属書D(参考)基準時計に要求される精度及び周波数安定度 12 

参考文献  13 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表  14 

 

 


 

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(2) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,国立研究開発法人

情報通信研究機構(NICT)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本

工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS X 5094:2011は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

 

 


 

 

日本工業規格          JIS 

 

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UTCトレーサビリティ保証のための 

タイムアセスメント機関(TAA)の技術要件 

Technical requirements for TAA to certify UTC-traceability 

 

序文 

この規格は,2011年に制定された後,2015年に発行されたISO/IEC 18014-4を基とし,我が国の実情に

合わせるため,技術的内容を変更して改正した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

この規格は,タイムスタンピング機関(TSA)に対して信頼できる時刻を提供するための全体構成を記

載するとともに,タイムアセスメント機関(TAA)の使用を通じてその時刻の正確さを保証するための技

術指針を規定することを目的としている。 

 

適用範囲 

この規格は,次の三つについて規定する。 

− タイムアセスメント機関(TAA)の機能を定義する。 

− タイムスタンピング機関(TSA)に時刻を供給するための,及びTAAの使用を通じてその時刻の正確

さを保証するための全体構成を記載する。 

− TAAが信頼できる時刻源をTSAに対して供給し,また,その保証を与えるための技術指針を提供す

る。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO/IEC 18014-4:2015,Information technology−Security techniques−Time-stamping services−Part 

4: Traceability of time sources(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

ISO/IEC 18014-1,Information technology−Security techniques−Time-stamping services−Part 1: 

Framework 

ITU-R TF.1876,Trusted time source for Time Stamp Authority 


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用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

精度(accuracy) 

測定結果と測定量の真値との間の一致の近さ(ITU-R TF.686-3:2013のANNEX 1)。 

注記 精度は,測定値の全体的不確定さによって一般的に特徴付けられる。 

3.2 

うるう秒(leap second) 

UT1にほぼ一致するようにUTCを調整するのに使用する1秒の意図的な時間ステップ(ISO 8601:2004

の2.2.2)。 

3.3 

測定(measurement) 

ある量に合理的に結び付けることが可能な一つ以上の量の値を,実験的に得るプロセス(TS Z 0032:2012

の2.1)。 

3.4 

秒(second) 

時刻の基本単位。セシウム133の基底状態の二つの超微細構造レベルの間の遷移に対応する放射の

9 192 631 770周期の継続期間に等しい時間間隔(JIS Z 8000-3:2014の3-7.a)。 

3.5 

タイムアセスメント機関,TAA(time assessment authority,TAA) 

TSA時計に対して時刻監査を行うことに加え,時刻配信もできる機関。 

3.6 

TAA時計(TAA clock) 

時刻監査及び時刻配信において使用するTAAの時計システム。 

3.7 

時刻監査(time audit) 

時刻トレーサビリティチェーンの下流にある時計の時刻が要求精度内にあるかどうかを確認するための

監査。 

3.8 

時刻配信(time dissemination) 

ある場所から他の場所への時刻信号の配信。 

3.9 

時刻差証明書(time offset certificate) 

TAA時計に対してTSA時計の測定された時刻差を証明するTAAが発行する証明書。 

3.10 

タイムスタンピングサービス(time-stamping service) 

あるデータ項目が時間軸上のある点より前に存在していた証拠を提供するサービス(JIS X 5063-1:2005

の3.3)。 

3.11 

タイムスタンピング機関,TSA(time-stamping authority,TSA) 


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タイムスタンピングサービスを提供する信頼できる第三者(ISO/IEC 18014-1:2008の3.17)。 

3.12 

タイムスタンプトークン,TST(time-stamp token,TST) 

データ項目の表現と時刻の値との間の,検証可能な暗号化された結合を含むデータ構造(ISO/IEC 

18014-1:2008の3.15)。 

注記 タイムスタンプトークンは,その結合の中に追加のデータ項目を含んでもよい。 

3.13 

時刻トレーサビリティチェーン(time traceability chain) 

エンドユーザからタイミングセンタに時刻を関連付けるために使用されるUTC(k) から始まる一連の基

準からなる連鎖。 

3.14 

タイミングセンタ(timing centre) 

必要な精度でUTC(k) 時刻をTSAに配信する手段をもつ機関。 

注記 タイミングセンタによって生成されたUTC(k) は,リアルタイムで使用できる。UTC(k) とUTC

との時刻差は,国際度量衡局(Bureau International des Poids et Mesures,BIPM)によって定期的

に公表されている。 

3.15 

トレーサビリティ(traceability) 

不確かさが全て表記された切れ目のない比較の連鎖によって,決められた基準に結び付けられる測定結

果又は標準の値の性質。基準は,通常,国家標準又は国際標準である(ITU-R TF.686-3:2013のANNEX 1)。 

3.16 

TSA時計(TSA clock) 

TSTに含まれる時刻情報を生成するTSAの時計。 

3.17 

協定世界時,UTC(UTC) 

国際度量衡局(Bureau International des Poids et Mesures,BIPM)及び国際地球回転観測事業(International 

Earth Rotation and Reference Systems Service,IERS)によって維持管理されている時刻。標準周波数及び時

刻信号の調整された配信の基礎となるもの。 

注記 UTCは,ITU-Rによって定義された協定世界時(Coordinated Universal Time)である(ISO 

19108:2002の4.1.3)。 

3.18 

UTC(k)[UTC(k)] 

秒の定義のための諮問委員会の勧告S5(1993)に従って,±100 nsを目標にUTCによく一致するよう

に維持されている機関kによって実現されている時刻(ITU-R TF.536-2:2003の2)。 

 

シンボル及び略語 

この規格で用いる略語は,次による。 

GNSS 

全地球航法衛星システム(Global Navigation Satellite System) 

GPS 

全地球測位システム(Global Positioning System) 

NMI 

国家測定機関(National Measurement Institute) 


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NTP 

ネットワークタイムプロトコル(Network Time Protocol) 

OID 

オブジェクト識別子(Object Identifier) 

TTP 

信頼できる第三者(Trusted Third Party) 

URL 

統一資源位置指定子(Uniform Resource Locator) 

 

概要 

タイムスタンピングサービスにおいては,TSTを生成するために使用するTSA時計は,公表した精度以

内でUTCに同期していることが要求される。また,TSTに含まれる時刻情報の正確さが保証されるよう

に管理しなければならない。TAAは,時刻監査によってタイミングセンタによって与えられるUTC(k) の

時刻に対するTSAの時刻基準のトレーサビリティを証明し,また,オプションとしてTSAに時刻情報を

配信する。TAAの機能は,タイミングセンタ又はTTPによって実施される。 

タイムスタンピングサービスに関しては,ISO/IEC 18014-1で規定しているサービスを参照しなければ

ならない。TAAの機能については,ITU-R TF.1876で決められた機能を参照しなければならない。 

この規格は,正確かつトレーサブルな時刻をTSAに提供し,UTC(k) に対するTSAの時刻のトレーサビ

リティを証明するための全体構成を記載する。また,この規格は,次の二つのTAAの技術要件を規定する。 

a) TSAで使用される時刻が要求精度内にあることの証明を監査によってTSAに与える。 

b) TAAが時刻配信モードで機能する場合,時刻情報をTSAへ配信する。 

我が国では,国立研究開発法人情報通信研究機構(National Institute of Information and Communications 

Technology,NICT)がUTC(k) となるUTC(NICT) を決定している。この規格では,箇条7におけるUTC(k)

は,UTC(NICT) を意味する。 

 

時刻トレーサビリティチェーン及びトレーサビリティの証明 

6.1 

時刻配信及びトレーサビリティチェーン 

タイミングセンタは,そのUTCの時刻を,無線放送,電話又はネットワーク路によってエンドユーザへ

サービスとして配信することができる。これらのサービスは,エンドユーザをタイミングセンタに結び付

け,時刻トレーサビリティチェーンを確立する[11]。TSAは,一つのエンドユーザであり,このチェーン

の上流に位置する時計の時刻信号を基準信号として使用する。これによって,このチェーンはUTC(k) に

対する時刻信号のトレーサビリティを可能にする。 

TSA時計及びTAA時計は,このような時刻トレーサビリティチェーンにおいて,タイミングセンタか

ら下流に位置付けられる。また,TAAが6.2に記載した時刻配信モードで働くときには,TAA時計は,TSA

時計よりも上流に位置付けられる。 

NMIがUTC時刻に対して時刻信号の監視及び比較を行っている場合は,時刻トレーサビリティチェー

ンは,タイミングセンタが制御していない時刻信号を用いても確立することができる[11]。この型の時刻

トレーサビリティチェーンは,例えば,認証を受けたGNSSタイミング受信機を使って実現できる。TSA

は,この受信機からのタイミング信号で制御されたローカル発振器をTSA時計のトレーサブルな基準時刻

源として使用することができる。この場合,図C.1のd) に示すように,TAAが参照するタイミングセン

タとGNSSに結合したNMIとは通常異なる。 

どのような放送サービスの型を使用するかは,チェーンの下流にある時計の要求精度に依存する。 

NTP[2]は,コンピュータネットワークを介して時計を同期させるために使用できる。 


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6.2 

TAAによるTSA時計の時刻監査 

TAAの役割は,UTC(k) に同期したTSA時計が要求精度以内でUTC(k) にトレーサブルであることを監

査し,トレーサビリティを証する時刻差証明書(7.3.5参照)をTSAに提供することである。この規格で

規定している構成方式では,TAAは,次のようにして時刻監査を提供する。 

TAAは,6.1に示すように,タイミングセンタからの配信時刻を用いて,UTC(k) に対してTAA時計の

同期を維持するか,又はTAAがタイミングセンタによって運用されている場合は,TAA時計は,直接タ

イミングセンタによって制御できる。TAAは,UTC(k) とTAA時計との間及びTAA時計とTSA時計との

間の時刻差を定期的に測定することによって,トレ−サビリティチェーンの保証を与える。TAAは,測定

した時刻差を記録し,時刻差証明書をTSAに発行する。 

TAAは,この同期したTAA時計を用いてTSAへ時刻情報を配信してもよい。6.1に示すように,これ

も時刻トレーサビリティチェーンの一つに分類できる。 

時刻トレーサビリティチェーンの構成のブロック図をB.1に示す。 

注記 ITU-R TF.1876に規定しているTAAを基礎にした信頼できる時刻源構成の例を,附属書Cに示

す。 

 

TAAの技術要件 

7.1 

TAAの要件における方針 

この規格は,TSAによって発行されるTSTに含まれる時刻の値がUTC(k) の±1 sで正確であることを

TAAが証明できるようにするために最低限必要な要件を規定する。±1 sの許容誤差は,うるう秒の導入

によって生じる可能性がある問題を考慮したものである。 

箇条7では,TSAに時刻配信も行うTAAに対する要件を規定している。7.4に示す時刻配信に関する要

件は,時刻監査モードだけを運用するTAAには適用しない。 

UTC(k) に対するTAA時計及びTSA時計に要求される精度,並びにTSA時計の時刻差測定に要求する

精度を,この規格で定義し,定量化している。TAA時計は,基準時計,時刻監査機器及び時刻配信機器(オ

プション)によって構成する。時刻監査機器及び時刻配信機器の時刻源が基準時計である。TAA時計の精

度は,時刻監査機器及び時刻配信機器のインタフェース点に出力する時刻値の精度であり,この出力時刻

をTAA時計の配信時刻として参照する。同様に,TSA時計の精度は,そのインタフェース点に出力する

時刻値の精度である(図B.2参照)。 

TAA時計の配信時刻の要求精度は,UTC(k) に対する時刻差が無視できるように決定する。±1 sの許容

誤差のために,TAA時計の配信時刻に対する要求精度は,TSA時計の平均精度誤差±500 msの10分の1

とする。時刻差測定に対する要求精度及び基準時計に対する要求精度は,同じようにして決定する。 

TSA時計の時刻差測定間隔において基準時計のクロックの周波数不安定さによって生じるTAA時計の

時刻誤差は,基準時計の精度に比べて無視できるものでなければならない。TAAのクロックによる時刻誤

差は,基準時計の精度の10分の1以下でなければならない。 

注記1 原子時計又は恒温槽付き水晶時計が,TSA時計の要求精度を満たすものとして,実際のサー

ビスで使用されている。 

注記2 TAA時計及びTSA時計に対する要求精度,並びに時刻差測定に対する要求精度をB.2に示す。 

7.2 

TAA時計の要件 

7.2.1 

概要 

次の7.2.2〜7.2.6の要件は,時刻監査及び時刻配信に共通して適用する。 


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7.2.2 

TAA時計の構成 

TAA時計の構成に関する要件は,次による。 

a) TAA時計は,基準時計,時刻監査機器及び時刻配信機器(オプション)によって構成しなければなら

ない。時刻監査機器及び時刻配信機器の時刻源には,基準時計を使用しなければならない。 

b) TAA内の基準時計は,二つ以上の時計による冗長構成としなければならない。 

7.2.3 

UTC(k) との時刻の同期 

時刻の同期に関する要件は,次による。 

a) 基準時計は,7.2.4で規定している要件を満たす十分な精度でUTC(k) と同期していなければならない。 

b) TAAは,UTC(k) との時刻同期ポリシーを定め,そのOID又はURLを開示しなければならない。 

c) 特に時刻配信モードでの運用を行う場合,TAAは,異常事態に備えUTC(k) に加えてほかの時刻源(例

えば,GPS)も参照することが望ましい。 

注記 時刻監査モードだけで動作しているTAAは,その時刻源を喪失した場合には監査の運用を中断

できる。 

7.2.4 

TAA時計の精度 

TAA時計の精度に関する要件は,次による。 

a) TSA時計の時刻差測定間隔(典型的には数時間)における基準時計の周波数不安定さによって生じる

時刻誤差は,b) から得られる±5 msとなる基準時計の精度の10分の1以下でなければならない。詳

細については,附属書D参照。 

b) 基準時計の精度は,7.3.4 c) 及び7.4.4 c) で±50 msと規定している時刻配信精度及び時刻差測定精度

よりも10倍以上高くなければならない。 

7.2.5 

時刻差の測定及び測定データの保存 

時刻差の測定及び測定データ保存に関する要件は,次による。 

a) TAAは,GPSコモンビュー法[12]又は相当の方式によって,UTC(k) と基準時計との時刻差を測定し,

測定データを保存しなければならない。 

注記 相当の方式として,GPSを用いた全視(all-in-view)法[13],通信衛星を利用した双方向比較

法[14]などがある。 

b) TAAは,利用者及び利用者の関係者に対して,必要に応じて当該データを開示しなければならない。 

7.2.6 

機器操作の記録及び記録の保存 

TAAは,時刻差測定に関連する機器(GPS受信機器など)の操作を記録し,かつ,保存しなければなら

ない。 

7.3 

時刻監査の要件 

7.3.1 

概要 

次の7.3.2〜7.3.7の要件は,TAAによるTSA時計の時刻監査に適用する。 

7.3.2 

時刻監査ポリシー 

TAAは,TSA時計に対する時刻監査ポリシーを規定し,そのOID又はURLを開示しなければならない。 

7.3.3 

TSA時計の認証 

TAAは,時刻監査対象となるTSA時計の識別及び認証が可能な通信プロトコルを用いなければならな

い。 

7.3.4 

時刻差の測定 

時刻差の測定に関する要件は,次による。 


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a) TAAは,時刻差測定のために採用した方法が有効であることを確認し,それを文書化しておかなけれ

ばならない。 

注記 公的な規格,定評ある技術機関の出版物,又は査読付き学術雑誌に公表されている一般に受

け入れられている時刻差測定の方法を使用することが望ましい。 

b) TAAは,TAA時計とTSA時計との時刻差を測定する間隔,及び測定の精度を開示しておかなければ

ならない。 

c) 時刻差測定の精度は,通信伝送路の遅延のゆらぎを含めて±50 msでなければならない。 

7.3.5 

時刻差証明書 

時刻差証明書の発行に関する要件は,次による。 

a) 時刻差証明書は,次のフィールドを含んでいなければならない。ただし,うるう秒のための調整情報

は,必ずしもこの限りではない。 

1) TAA識別子:時刻差証明書を発行するTAAの名前,識別名又はそれらの両方 

2) TSA識別子:TAAが時刻差証明書を発行するTSAの名前,識別名又はそれらの両方 

3) 測定時刻(ntpTime):時刻差を測定した時刻 

4) TAA時計との時刻差(offset):TSA時計の測定時点の時刻差 

5) 測定時の通信遅延(delay):伝搬遅延時間 

6) うるう秒への対応(leapSecondInfo):うるう秒のための調整情報 

注記 上記と既存の国家標準との関係を附属書Aに示す。 

b) TAAは,TSAに対して,時刻差証明書を適切な間隔で発行しなければならない。 

c) 時刻差証明書の発行間隔は,時刻監査ポリシーに含んでいなければならない。 

注記 TAAは,24時間以内の間隔で証明書を発行することが望ましい。 

7.3.6 

記録の保存 

TAAは,時刻差証明書及び時刻差証明書の発行記録を保存しなければならない。 

7.3.7 

TSA時計の時刻異常への対応 

TAAは,公表精度を外れたTSA時計の時刻の進み又は遅れを検知したときには,精度の喪失を関連TSA

に通知しなければならない。 

7.4 

時刻配信の要件 

7.4.1 

概要 

次の7.4.2〜7.4.5の要件は,TAAからTSAへの時刻配信に適用する。 

7.4.2 

時刻配信ポリシー 

TAAは,TSA時計に対する時刻配信ポリシーを定義し,そのOID又はURLを開示しなければならない。 

7.4.3 

TSA時計の認証 

TAAは,時刻配信対象となるTSA時計の識別及び認証が可能な通信プロトコルを用いなければならな

い。 

7.4.4 

時刻配信制御 

時刻配信制御に関する要件は,次による。 

a) TAAは,採用した時刻配信制御の方法が有効であることの説明責任を果たし,その方法を文書化しな

ければならない。 

注記 公的な規格,定評ある技術機関の出版物,又は査読付き学術雑誌に出版されている,一般に

受け入れられている時刻配信制御の方法を使用することが望ましい。 


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b) TAAは,TAA時計とTSA時計との間の時刻配信の精度を公表しなければならない。 

c) TAA時計の時刻配信精度は,±50 msに維持しなければならない。 

7.4.5 

配信時刻の改ざん対策 

TAAは,TAAとTSAとの間での時刻配信に使用される通信路の完全性を確保しなければならない。 

7.5 

その他の要件 

TAAは,適切な機関による通知に従って,うるう秒が発生したときにUTC(k) との時刻同期を維持する

適正な措置を講じなければならない。 

 


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附属書A 

(参考) 

時刻差証明書と既存の国家標準との関係 

 

この附属書は,7.3.5に記載している時刻差証明書と既存の国家標準の相当する証明書の例との関係を示

す。 

 

A.1 この規格の時刻差証明書 

この規格の2011年版の時刻差証明書は,ISO/IEC 9594-8[6]属性証明書バージョン2によってフォーマッ

トしている。 

 

7.3.5におけるフィールド 

JIS X 5094:2011の時刻差証明書におけるフィールド 

TAA識別子 

TAA(発行者)の名称 

TSA識別子 

TSAの名称 

測定時刻(ntpTime) 

測定時刻 

TAA時計との時刻差(offset) 

TAA時計との時刻差 

測定時の通信遅延(delay) 

測定時の通信遅延 

うるう秒への対応(leapSecondInfo) 

うるう秒のための調整情報 

 

A.2 ANSI X9.95時刻校正レポート 

ANSI X9.95の時刻校正レポート[1]は,ASN.1[10]又はXMLを使用してフォーマットしている。 

 

7.3.5におけるフィールド 

ANSI X9.95におけるフィールド 

TAA識別子 

tseInfo field of TimeCalibrationReport 

TSA識別子 

tsaInfo field of TimeCalibrationReport 

測定時刻(ntpTime) 

ntpTime field of TimingMetrics of TimeCalibrationReport 

TAA時計との時刻差(offset) 

offset field of TimingMetrics of TimeCalibrationReport 

測定時の通信遅延(delay) 

delay field of TimingMetrics of TimeCalibrationReport 

うるう秒への対応(leapSecondInfo) 

leapSecond field of TimingMetrics of TimeCalibrationReport 

 


10 

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附属書B 

(参考) 

トレーサビリティチェーン及び要求精度 

 

B.1 

時刻トレーサビリティチェーン 

タイミングセンタからTSAまでの時刻トレーサビリティチェーンを図B.1に示す。トレーサビリティチ

ェーンの流れは,破線で示したところである。 

 

時刻配信a)

時刻差
証明書

UTC(k): 機関“k”により実現

されている時刻尺度

時刻差測定

時刻配信

TSA時計

TAA時計

時刻配信a)

時刻差測定

タイミング
センタ

TSA

測定時刻差の記録

トレーサビリティチェーン
の流れ

TAA

UTC(k1)

UTC(kn)

UTC

UTC(k2)

UTC(ki)

 

 

注a) TSAは,時刻配信の経路を選択できる。 

 

図B.1−時刻トレーサビリティチェーン 

 

B.2 

TAA時計及びTSA時計に要求される精度 

TAA時計及びTSA時計に要求される精度,並びにUTC(k) に対する時刻差測定に要求される精度を図

B.2に示す。 

 

時刻配信

UTC(k)

TSA時計

TAA時計

時刻配信

基準時計

配信時刻

TST生成

精度≦ 50 ms

精度≦ 1 s (注: タイムスタンプの要件)

時刻差測定精度≦ 50 ms

 

図B.2−要求される精度の計算例 


11 

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附属書C 
(参考) 

ITU-R TF.1876のTAAを基礎にした信頼できる時刻源構成の例 

 

UTC(k)

タイミングセンタ

TSA

信頼できる
第三者

信頼できる
第三者

TAA

UTC(k)

TAA

TSA

信頼できる
第三者

TSA

UTC(k)

信頼できる
第三者

TAA

TSA

TAA

UTC(k)

UTC(I)

TAA  タイムアセスメント機関
TSAタイムスタンピング機関

配信
監査

a)

b)

c)

d)

ITU-R TF.1876から引用

タイミングセンタ

タイミング
センタ

信頼できる第三者

タイミングセンタ

信頼できる
第三者

信頼でき
る第三者

 

図C.1−トレーサビリティチェーン及び監査の仕組みの実施例 

 

図C.1は,時刻トレーサビリティチェーン及び時刻監査の仕組みの実施例を示す。a) 及びb) の場合,

タイミングセンタが直接TSAに時刻情報を配信する。TSAに対して,a) の場合は,同じタイミングセン

タが監査機能を提供し,b) の場合は,TAAが監査を行う。 

c) の場合は,TAAが時刻情報及び監査の両方をTSAに提供する。d) の場合は,TSAは,認証された

GNSS時刻受信機など適切な方法を用いて時刻情報を取り出す。取り出した情報の信ぴょう(憑)性は,

TAAによって評価及び監査される。この場合,トレーサビリティチェーンを確実にするためには,TAAは,

タイミングセンタによって提供されるUTC(k) を得る手段をもつことが必要になる。 

注記 ITU-R TF.1876でcertificate又はcertificationと表記されているところを,ここでは監査と表記

している。 

 


12 

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附属書D 
(参考) 

基準時計に要求される精度及び周波数安定度 

 

TAA時計の時刻監査機器及び時刻配信機器の時刻源として使用する基準時計は,正確で安定している必

要がある。 

±1 sの許容誤差の場合,7.2.4に記載している基準時計に要求される精度及び周波数安定度は,次のよ

うにして求める。 

a) 要求される精度は,7.2.4 b) で時刻配信精度及び時刻差測定精度よりも10倍以上高いと規定している。

時刻配信精度及び時刻差測定精度は,7.3.4 c) 及び7.4.4 c) でそれぞれ±50 msと規定しており,基準

時計に要求される精度は,±5 ms以上となる。 

b) TSA時計の時刻差測定間隔における基準時計の不安定さによって生じる時刻誤差は,τσy(τ) によって

見積もることができる。ここで,τは,時刻差測定の間隔で,σy(τ)2は,τの間での周波数安定度の尺

度となる基準時計のアラン分散である。7.2.4 a) の規定及び上記のa) の結果から,τσy(τ) は,±0.5 ms

以下となる。例えば,τ=12時間の場合,σy(τ) は,1.2×10−8よりも高いという結果になる。 

 

周波数の発振源の精度及び安定度についての概念を図D.1に示す。 

 

時間

周波数

安定度は高いが

精度は低い

安定度は高く

精度も高い

安定度は低いが

精度は高い

安定度は低く

精度も低い

fo

周波数

周波数

周波数

時間

時間

時間

 

図D.1−周波数の発振源の精度及び安定度 

 


13 

X 5094:2019  

 

参考文献 

 

[1] ANSI X9.95-2012,Trusted Time Stamp Management and Security 

[2] IETF RFC 5905,Network Time Protocol Version 4: Protocol and Algorithms Specification, June 2010 

[3] ISO 19108:2002,Geographic information−Temporal schema 

[4] JIS X 5063-1:2005 タイムスタンピングサービス−第1部:枠組み 

[5] JIS Z 8000-3:2014 量及び単位−第3部:空間及び時間 

注記 原国際規格では,ISO 80000-3:2006,Quantities and units−Part 3: Space and timeを記載してい

る。 

[6] ISO 8601:2004,Data elements and interchange formats−Information interchange−Representation of dates 

and times 

[7] ISO/IEC 9594-8:2014,Information technology−Open Systems Interconnection−The Directory: Public-key 

and attribute certificate frameworks, 6th edition 

[8] TS Z 0032:2012 国際計量計測用語−基本及び一般概念並びに関連用語(VIM) 

注記 原国際規格では,ISO/IEC GUIDE 99:2007,International vocabulary of metrology−Basic and 

general concepts and associated terms (VIM) を記載している。 

[9] ITU-R TF.536-2:2003,Time-scale notations 

[10] ITU-R TF.686-3:2013,Glossary and definitions of time and frequency terms 

[11] ITU-T Recommendation X.680 (11/2008),Information technology−Abstract Syntax Notation One (ASN.1): 

Specification of basic notation 

[12] Michael A. Lombardi, “Traceability in Time and Frequency Metrology”, Cal Lab: The international Journal of 

Metrology, pp. 33-40, September-October 1999 

[13] W. Lewandowski and C. Thomas, “GPS time transfer”, Proc. IEEE, vol.79, No.7, July 1991, pp.991-1000 

 

(このJISに追加する参考文献) 

[14] 後藤忠広,ほか,“全視法によるGPS時刻比較の精度評価”,電学論C,125巻8号,2005年 

[15] 今江理人,ほか,“時間・周波数標準特集4-3衛星双方向方式”,通信総合研究所季報,Vo.49,No.1/2,

2003年 

 

 


14 

X 5094:2019  

 

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

 

JIS X 5094:2019 UTCトレーサビリティ保証のためのタイムアセスメント機関

(TAA)の技術要件 

ISO/IEC 18014-4:2015,Information technology−Security techniques−Time-stamping 
services−Part 4: Traceability of time sources 

 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規 
格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

2 引用規格  

 

 

 

 

 

 

− 

− 

 

3.10 

時刻(time scale)の定義
を記述。 

削除 

ISO/IEC規格の“time scale”は実質
的に“時刻”の意味で使用している
ことから削除。 

 

3 用語及び
定義 

3.10 タイムスタンピ
ングサービス(time- 
stamping service)の定
義を記述。 

 

− 

− 

追加 

ISO/IEC規格で定義されていない
が,この規格の重要要素である
“time-stamping service”を追加し
た。 

“time-stamping service”は,この
規格の重要な要素であることか
ら,国際規格の見直しの際に,修
正の提案を行う。 

5 概要 

UTC(NICT) について 

 

− 

− 

追加 

我が国でのUTC(k) は,UTC(NICT)
であることを明記し,箇条7で出て
くるUTC(k) は,UTC(NICT) である
ことを明示している。 

我が国におけるUTC(k) は,UTC 
(NICT) であり,このことを明示す
る必要があるため。 
我が国の事情による。 

7 TAAの
技術要件 

7.2.5 時刻差の測定
及び測定データの保
存 

 

7.2.5 

JISとほぼ同じ 

変更 

ISO/IEC規格では,時刻差の測定法
として,GPSコモンビュー方式に限
定しているが,JISではGPSコモン
ビュー方式以外でも相当の方式を
許容し,相当な方式を注記で例示し
ている。 

GPSコモンビュー以外でも使用で
きる方式があり,将来この方式が
使用される可能性があるため。 
国際規格の見直しの際に,提案を
行う。 

 
 
 
 
 

2

 

X

 5

0

9

4

2

0

1

9

 

 

 

 

 


15 

X 5094:2019  

 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規 
格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

7 TAAの
技術要件 
(続き) 

7.3.5 時刻差証明書 

 

7.3.5 

JISとほぼ同じ 

変更 

ISO/IEC規格ではうるう秒に関す
る調整情報(leapSecondInfo)は,
時刻差証明書が含まなければなら
ないフィールドの一つに含まれて
いる。しかし,JISではこれを推奨
項目とした。 

JISでは,うるう秒に関する調整
情報は,オプションになっており,
日本データ通信協会のタイムビジ
ネス信頼安心認定制度における審
査基準との整合性を考慮したた
め。 
我が国の事情による。 

 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO/IEC 18014-4:2015,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 追加  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
− 変更  国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD  国際規格を修正している。 

 

 

2

 

X

 5

0

9

4

2

0

1

9