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日本工業規格

JIS

 X

5002

-1975

基本形データ伝送制御手順

Basic Mode Data Transmission Control Procedures

1.

総則

1.1

適用範囲  この規格は,JIS X 0201(情報交換用符号)に規定された伝送制御キャラクタを用い,デ

ータ伝送回線を経由して,データ端末装置又はデータ処理装置の相互間において行われるデータ伝送制御

手順について規定する。

引用規格: 

JIS X 0201

  情報交換用符号

JIS X 0001

  情報処理用語

JIS X 5001

  伝送回線上のキャラクタ構成と水平パリティの用法

JIS X 5101

  モデムと通信制御装置及びデータ端末装置とのインタフェース

1.2

規定に対する原則  この規格の規定に対する原則は,次のとおりとする。

(1)

この伝送制御手順を遂行するためのハードウェア及びソフトウェアに関しては,規定しない。

(2)

この伝送制御手順を適用する場合の,

伝送方式,

同期方式及びデータ信号速度については規定しない。

(3)

メッセージ又は順方向監視シーケンスに対する応答の伝送は,同一チャネル,又は別のチャネルを使

用してよい。

(4)

この伝送制御手順は,交互監視形の制御を基本とする情報の片方向伝送,及び両方向非同時伝送につ

いて規定するほか,交互監視形の両方向同時伝送についても規定する。

2.

用語の意味  この規格で用いる主な用語の意味は,JIS X 0001(情報処理用語)によるほか,次のと

おりとする。

(1)

メッセージ  始めと終わりが明確に規定された情報伝送を目的としたデータであり,少なくとも 1 個

の伝送制御キャラクタを含むキャラクタ又はキャラクタシーケンス。

(2)

情報メッセージ  データ伝送の主対象となるデータで,一つのテキストから構成され,テキストの前

に一つのヘッディングが先行することがある。

(3)

局  データ通信網に接続されて,データの送信,受信又は処理を行う装置とそれが置かれている場所

の総称。

(4)

主  局  ある時点において,従局に情報メッセージを送信する権利を有し,情報の転送を確実に遂行

する責任をもつ局。

(5)

従  局  ある時点において,主局から情報メッセージを受信できる状態にある局。

(6)

制御局  システムに接続されているすべての局のメッセージの伝送状態を制御し,監視し,又は異常

状態からの回復制御を行う局。

(7)

従属局  制御局以外の局。


2

X 5002-1975

(8)

順方向  データリンク確立前に制御局から従属局へ向かうメッセージの伝送方向,及びデータリンク

確立後に主局から従局へ向かうメッセージの伝送方向。

(9)

逆方向  順方向と反対の方向。

(10)

ポイントツーポイントシステム  通信回線によって二つの局が接続されその間に他の局が分岐接続さ

れることのないデータ通信システムであって,制御局のないもの。この規格では,一つのデータ処理

センタを中心とするいわゆる放射形網構成のシステムを含む。

(11)

ブロック  情報メッセージを分割し,始めと終わりに少なくとも 1 個の伝送制御キャラクタを含む一

群のキャラクタシーケンス。

(12)

ブロックチェック  データ伝送の過程で発生する誤りを,伝送する情報ブロックごとに検査する方式。

(13)

初期状態  ポイントツーポイントシステムにおいて,データリンクが確立される以前の状態。

(14)

制御状態  制御局を有する網構成のデータ通信システムにおいて,データリンクが確立される以前の

状態。

(15)

データリンク  送信装置からデータ伝送回線を介して,受信装置に至る物理的な伝送路と論理的に設

定されたデータの転送経路の総称。

(16)

コードインデペンデント  情報メッセージとして伝送される符号が回線の種別,伝送制御手順などか

らの制限を受けないこと。

(17)

交互監視  ブロック又は順方向監視シーケンスが連続して伝送されることなく,応答などの逆方向監

視シーケンスと交互に伝送される方式。

(18)

タイムフィル  ブロックとブロックとの間又はキャラクタとキャラクタの間にそう入され,同期の維

持又は若干の遅延時間を作るために使用されるアイドル符号。

(19)

回  復  送信装置,受信装置又は回線などの異常に起因して発生するこう着状態から抜け出すこと。

(20)

オクテット  8 ビットのビットシーケンスから成る情報転送単位。

3.

基本モード

3.1

メッセージの構成

3.1.1

一般的規則  メッセージの構成に関する一般的規則は,次のとおりとする。

(1)

伝送されるあらゆるメッセージは,キャラクタ又はキャラクタシーケンスにより表現し,次の三つに

分類する。

(a)

情報メッセージ

(b)

順方向監視シーケンス

(c)

逆方向監視シーケンス

(2)

各メッセージには,そのメッセージに含まれる情報の性格を規定したり,又は監視機能を果たすため

に,少なくとも 1 個の伝送制御キャラクタが含まれなければならない。

(3)

伝送制御キャラクタは,情報として扱ってはならない。すなわち,情報メッセージのテキスト又はヘ

ッディングの内容として伝送してはならない。ただし,必要に応じてそう入送信される SYN だけは例

外とする。しかし,SYN は情報の意味はもたない。

(4)

伝送制御キャラクタが単独に,若しくは組合せで,又はメッセージやシーケンスの終わりに用いられ

る場合には,その受信局に何らかの動作を起こすよう勧誘する。

3.1.2

情報メッセージ  情報メッセージの構成は,次のとおりとする。


3

X 5002-1975

(1)

情報メッセージは,一つのテキスト,又は一つのヘッディングが先行する一つのテキストから構成す

る。

(2)

ヘッディングは,必要なときテキストごとに付加されるもので,転送路の指示,特に蓄積交換網の中

継点における経路指示は,ヘッディングに含めなければならない。他の補助的な情報は,ヘッディン

グ又は,テキスト中にあってもよい。

(3)

情報メッセージのフレーミングには,SOH,STX,ETB 又は ETX の各キャラクタが用いられる。これ

らのキャラクタは,単独に伝送されることはない。

(4)

情報メッセージ又はブロックは,ブロックチェックキャラクタ (BCC) 又はブロックチェックシーケ

ンス (BCS) を伴ってもよい。

ブロックチェックの使用については,あらかじめ送信側と受信側の同意が必要である。

(5)

情報メッセージ又はブロックの構成は,次に示すとおりとする。転送は,(a)(e)のいずれの構成から

開始してもよいが,最後に転送される構成は(d)又は(e)でなければならない。

備考1. SYN は,必要ならヘッディング,又はテキストの途中に入れることができる。

2.

伝送放棄の場合の構成は,3.6.1 による。

3. (BCC)

は, (BCS) であってもよい。

3.1.3

監視シーケンス  監視シーケンスの構成及び用法は,次のとおりとする。

(1)

監視シーケンスは,DLE を使用したシーケンスを除いて,1 個の伝送制御キャラクタ,又は前置キャ

ラクタシーケンスに先行された 1 個の伝送制御キャラクタから構成する。

(2)

伝送制御キャラクタが,単独に送られるよう規定されたものでも,伝送上の信頼性を重視する場合に

は,

送信側と受信側の合意により,

同一の伝送制御キャラクタを 2 キャラクタ連送することができる。

(3)

前置キャラクタシーケンスとしては,JIS X 0201 に定めるグラヒックキャラクタを用いることとし,

長さは 15 キャラクタ以下とする。

(4)

前置キャラクタシーケンスの意味は,

.ポーリングに用いるポーリングアドレス,セレクティングに用

いるセレクティングアドレスのほか,あらかじめ送信側と受信側の合意により定まる次の情報を含む。

(a)

認識情報

(b)

アドレス情報

(c)

状態情報


4

X 5002-1975

(d)

その他の必要な情報

これらの情報は,以下プレフィックスという。プレフィックスの使用は任意とする。

(5)

基本的な順方向監視シーケンスの種類及び構成は,

表 のとおりとする。各シーケンスの用法は,3.2

3.7 の各項に規定する。

表 1  順方向監視シーケンスの種類

種類

構成

(

 E

ポーリング

E

O

T

ポーリングアドレス

N

Q

)

(

 E

局選択

E

O

T

セレクティングアドレス

N

Q

)

識別又は状態問合せ

(プレフィックス)

E

N

Q





初期状態からの脱出

(プレフィックス)

E

N

Q

正常終結

(プレフィックス)

E

O

T

終結

異常終結

E

O

T

回線切断

D

L

E

E

O

T

情報メッセージに対する応答督促

(プレフィックス)

E

N

Q

ブロック放棄

(プレフィックス)

E

N

Q

放棄

局放棄

E

O

T

備考

ポーリングシーケンスは,フェーズ 1 で遂行される機能により

不必要と認められる以外は,EOT が先行する。セレクティング

シーケンスも EOT が先行してもよい。

(6)

基本的な逆方向監視シーケンスの種類及び構成は,

表 のとおりとする。各シーケンスの用法は 3.2

3.7 の各項に規定する。


5

X 5002-1975

表 2  逆方向監視シーケンスの種類

種類

構成

セレクティングに対す

る応答

(プレフィックス)

A

C

K

肯定応答

情報メッセージに対す

る応答

(プレフィックス)

A

C

K

ポーリングに対する応

(プレフィックス)

E

O

T

セレクティングに対す

る応答

(プレフィックス)

N

A

K

否定応答

情報メッセージに対す

る応答

(プレフィックス)

N

A

K

回線切断

D

L

E

E

O

T

ブロック中断

E

O

T

中断

局中断

D

L

E

(

1

)

(

1

)

局中断の<は,

JIS X 0201

1

又は

3

の位置3/12に該当す

るキャラクタ。

(7)

逆方向監視シーケンスのうち,肯定応答及び否定応答については,必要ならば,送信側と受信側の合

意によって,番号制応答方式を採用してもよい。この場合の応答用キャラクタシーケンスを,

表 

示す。


6

X 5002-1975

表 3  番号制応答方式に対する応答シーケンス

種  類

構  成

セレクティングに対する肯定応答

D

L

E

α

セレクティングに対する否定応答

N

A

K

又は

D

L

E

β

情報メッセージに対する肯定応答

D

L

E

α

D

L

E

β

との交互応答

情報メッセージに対する否定応答

N

A

K

備考1.  番号制応答方式における肯定応答は,セレクティング

シーケンスに対する応答をその始まりとして,DLE

α

ら開始される。

2.

セレクティングシーケンスがない場合(ポーリングに
より始められる情報メッセージの送信など)には,第 1

のブロックの肯定応答が DLE

α

となる。

3.

ポーリングシーケンスに対する否定応答は,

表 のと

おりとする。

4.

情報メッセージに対する応答において,DLE

α

と DLE

β

の交互性が崩れた場合の解釈及び処置は,システムで
定めてよい。

5.

上記の交互性が崩れた場合は,情報メッセージに対す
る否定応答と解釈するときには,否定応答 NAK は用い
なくてもよい。

6.

α

β

に使用するキャラクタは,それぞれ JIS X 0201 

表 若しくは表 の位置 3/0 と位置 3/1 に該当するキャ
ラクタ,又は ACK と NAK とする。いずれの組合せを

選ぶかは,システムにより定めてよい。

(8)

表 及び表 の監視シーケンスには,DLE を開始キャラクタとする 2 キャラクタシーケンスを用いて,

新たな種類を追加できるものとし,その意味はシステムで定めてよい。第 2 文字目に使用するキャラ

クタは,JIS X 0201 

表 又は表 の第 3,4,5,6,7 列に該当するキャラクタとする。ただし,位

置 7/15 に該当するキャラクタは除く。

3.2

フェーズ(図 参照)

3.2.1

フェーズの種類  データ伝送制御手順は,フェーズ 1,2,3,4 及び 5 の部分手順から構成し,各

フェーズは次の各サブフェーズを含むものとする。

フェーズ 1  データ伝送回線の接続

フェーズ 2  データリンクの確立

(a)

交換

(b)

ポーリング

(c)

セレクティング

フェーズ 3  情報の転送

フェーズ 4  終結


7

X 5002-1975

(a)

初期状態への復帰

(b)

制御状態への復帰

(c)

切断

フェーズ 5  回線の切断

フェーズ 1 とフェーズ 5 は,使用するデータ伝送回線の接続とその切断に関するものであり,本規定の

対象外とする。

3.2.2

フェーズ間の結合  五つのフェーズ間の結合関係は,図 に示すほか,次のとおりとする。一般に

は,フェーズ 1 から 5 までを順次に結合して手順を完成する。

(1)

複数局への伝送  回線を切断することなく複数の局とのデータ伝送を継続する場合には,図 に示す

フェーズ結合 PL1,2,3,4,5 及び 6 を使用する。

(2)

リンクの短絡  システムの特性等により,図 に示す短絡結合 BP1,2,3,4 及び 5 を使用すること

ができる。各短絡結合の適用は,次のとおりとする。

バイパス (BP1)

専用回線又は私設回線によって構成されるシステムには,これを適用する。

バイパス (BP2)

交換回線を含まないシステムには,これを適用する。

バイパス (BP3)

私設回線交換を含まないシステムには,これを適用する。

バイパス (BP4)

制御局を有するシステムにおいて,制御局から他局への情報の送出だけを行う

ときには,これを適用する。

制御局を有しないシステムにおいては,これを適用する。

バイパス (BP5)

従属局から制御局へ情報の転送だけが要求されるシステムには,これを適用す

る。

3.3

データリンク確立の手順(フェーズ 2)〔図 参照)

3.3.1

交換接続  私設交換又は回線集信装置を含む場合には,その特性によって定まる手順により,回線

の交換接続を行うこととする。

3.3.2

リンク制御方式  データリンク確立の方式として,コンテンション方式とポーリング/セレクティ

ング方式の二つの方式を規定する。

(1)

コンテンション方式  情報メッセージの送信要求が発生した局が,相手局にセレクティングシーケン

スを送信し,相手局及び相手局の受信可能状態を確認した後,情報メッセージの送信を行うコンテン

ション方式においては,主局となる権利の争奪は,早いもの勝ちとする。

(2)

ポーリング/セレクティング方式 


8

X

 5002

-19
75

図 1  フェーズ間の結合


9

X

 5002

-19
75

図 2  フェーズ 2  データリンクの確立

備考  ポーリング又はセレクティングには,表 の規定の通り,EOT が先行して送信されることがある。 
(

2

)

この点線はファストセレクティングの場合を示す。


10

X 5002-1975

a)

セントラライズド制御方式  制御局が従属局をすべて制御し,制御局と従属局との間の情報の転送だ

けが許容されるセントラライズド制御方式においては,制御局が従属局に,情報メッセージの送信又

は受信を勧誘するため,ポーリングシーケンス又はセレクティングシーケンスを送信する。

(b)

ノンセントラライズド制御方式  制御局と従属局及び従属局相互間の通信も許容されるノンセントラ

ライズド制御方式においては,制御局が従属局に対しポーリングシーケンスを送信した後,指定され

た従属局は,他の従属局又は制御局を指定してセレクティングシーケンスを送信する。

3.3.3

ポーリング  ポーリングは,主局となる権利の争奪を防止するために,1 局ずつ規則的に従属局に

メッセージの送信を勧誘する動作であり,その手順は次のとおりとする。

(1)

ポーリングシーケンスは,EOT 送出に続いて制御局だけが送信できる。

(2)

ポーリングシーケンスを受信した従属局だけが,主局となることができる。

(3)

ポーリングシーケンスは,データリンク上のただ一つの局を指定するものでなければならない。しか

し,一つの局は一つ以上のアドレスで指定されることもできる。

(4)

セントラライズド制御方式の場合,ポーリングされた従属局はフェーズ 3 に移行し,情報メッセージ

の転送を開始することができる。

(5)

ノンセントラライズド制御方式の場合,ポーリングされた従属局は,他の従属局又は制御局に対して

セレクティングシーケンスを送信できる。

(6)

ポーリングされた従属局が,他のいかなる局に対しても転送する情報メッセージがないときは,否定

応答を送信しなければならない。

(7)

制御局は,ポーリングシーケンスの送信に対して無応答か,又は無効応答を受信した場合には,3.7.3

に規定する回復手順  (R1)  を実行する。

(8)

制御局は,ポーリングシーケンスに対する応答として否定応答を受信した場合,EOT を送信した後,

同一若しくは次のポーリングシーケンス,又はセレクティングシーケンスを送信してよい。

(9) EOT

と,ポーリング又はセレクティングシーケンスの間に,若干の遅延をもたせることが必要なシス

テムでは,例えば,数個のタイムフィル用キャラクタをそう入して送信してもよい。

3.3.4

セレクティング  セレクティングとは,一つ又は複数以上の局に情報メッセージを受信するよう勧

誘する動作であり,その手順は次のとおりとする。

(1)

セレクティングシーケンスは,主局だけが送信できる。分岐回線網等で用いられる場合,セレクティ

ングシーケンスは,セレクティングアドレスにより一つ又は複数の局を指定することができる。

(2)

セレクティングアドレス部には,希望する局のアドレスを示す情報以外に,例えば,優先順位とか入

出力装置等の情報を含んでもよい。

(3)

ポイントツーポイントシステムでは,セレクティングシーケンスとして,アドレスキャラクタが先行

しない ENQ を用いることができ,データリンクを初期状態からフェーズ 3 へ移行させることができ

る。

(4)

すべての場合,セレクティングシーケンスは,指定した局からの応答を要求する。

(5)

自局が指定されたセレクティングシーケンスを受信した従局は,情報メッセージの受信が可能で,か

つ情報メッセージの受信を望む場合には,肯定応答を送信しなければならない。

また,情報メッセージの受信が可能であっても,主局に対して速やかに情報メッセージの転送を中

止するよう要求する場合には,局中断シーケンスを送信することができる。

(6)

自局が指定されたセレクティングシーケンスを受信した従局は,情報メッセージの受信が不可能なら


11

X 5002-1975

ば,否定応答を送信しなければならない。

(7)

自局が指定されないセレクティングシーケンスを受信した場合には,いかなる局も応答を送出しては

ならない。

(8)

主局は,無応答又は無効応答が受信された場合には,3.7.3 に規定する回復手順  (R3)  を実行する。

(9)

否定応答が受信された場合には,主局はフェーズ 4 に移行して EOT を送信するか又は,同一若しくは

次のセレクティングシーケンスを送信するかしてよい。主局が制御局のときには,EOT を送信した後,

同一若しくは次のセレクティングシーケンス,又はポーリングシーケンスを送信してよい。

(10)

同一のセレクティングシーケンスに対して,否定応答,若しくは無効応答,又は無応答が繰り返され

た場合には,主局は 3.7.3 に規定する回復手順  (R4)  を実行する。

3.3.5

ファストセレクティング  セレクティング動作において,従局からの応答を必要としないシステム

においては,ENQ を用いないで,セレクティングアドレスに連続して,3.1.2 に規定する構成の情報メッ

セージを送信するファストセレクティングを実行することができる。

3.4

情報メッセージの転送手順(フェーズ 3)(図 参照)

3.4.1

情報メッセージの送信  情報メッセージの送信手順は,次のとおりとする。

(1)

ヘッディング

(a)

ヘッディングは,常に主局から送信する。

(b)

ヘッディングを構成するキャラクタシーケンスは,SOH で始まり,STX だけによって終結する。

(c)

ヘッディングは,単独の情報メッセージを構成することはなく,常にその後にテキストが続かなけ

ればならず,かつそのテキストだけに対して有効である。

(d)

ヘッディングは,二つ以上のブロックに分割することができる。各ブロックは ETB で終結され,次

に続くブロックは再び SOH で始まる。ブロックチェックを行う場合には,ETB の直後にブロック

チェックキャラクタ又はブロックチェックシーケンスが続かなければならない。

(2)

テキスト

(a)

一つのテキストは,常に STX と ETX で囲まれ,かつ,常に主局から送信する。

(b)

テキストは,二つ以上のブロックに分けることができる。各ブロックは,ETB(それがテキストの

最終ブロックであれば ETX)で終結される。続くブロックは,STX で始まらなければならない。

ブロックチェックを行う場合には,ETB 又は ETX のすぐ後に,ブロックチェックキャラクタ又

はブロックチェックシーケンスが続かなければならない。

(c)

主局は,テキスト,又はブロックを送信終了した後,一たん停止し,正常状態では,それに対する

応答を受信するまで,送信を再開してはならない。無応答又は無効応答を受信した場合には,3.7.3

に規定する回復手順  (R3)  を実行する。

3.4.2

情報メッセージに対する応答と主局の処置  情報メッセージに対する従局からの応答返送手順及

び応答を受信したときの主局の処置は,次のとおりとする。

(1)

応答は,従局の状態と,従局が受信した情報メッセージの正当性を,主局に知らせるために従局から

送信する。

(2)

情報メッセージ,又はブロックが正しく受信され,かつ,従局が受信の準備ができていれば従局は肯

定応答を送信する。


12

X 5002-1975

(3)

情報メッセージ,又はブロックが従局で受入れられない場合,従局は否定応答を送信する。この否定

応答は,データが受入れられなかったことと,従局に受信の準備ができていることとを,主局に知ら

せるものであり,主局は,次に先の情報メッセージ又はブロックを再送するか,又は 3.7.3 に規定する

回復手順  (R4)  を実行する。

(4)

情報の途中で従局がそれ以上受信できなくなった場合,転送されている情報メッセージ又はブロック

の終わりまで待ち,EOT で応答する。この EOT は,主局又は制御局への中断の要求であり,その手

順は 3.6.2 に規定する。


13

X 5002-

197

5

図 3  フェーズ 情報の転送

備考1.  ブロックチェックキャラクタ (BCC) の使用は任意であるほか,ブロックチェックシーケンス (BCS) を用いてもよい。

2. EOT

は,転送フェーズのいかなる時点においても,転送を放棄し異常終結するために用いることができる。


 

14

X 5002-

197

5

図 4  フェーズ 4  終結


15

X 5002-1975

(5)

主局は肯定応答を受信した場合,次のブロックの転送を行う。もし,主局にこれ以上転送すべき情報

メッセージがないときには,フェーズ 4 に移行する。

3.5

終結手順(フェーズ 4)(図 参照)  終結手順は,次のとおりとする。

(1)

伝送の終結は,いずれかの局から EOT を送出することによって行う。

(2)

伝送の終結は,次の場合に行うことができる。

(a)

従属局がデータリンクの確立を拒否する場合  ポーリングされた従属局は,送信すべき情報メッセ

ージがないか,又は何らかの理由で送信することができない場合に,ポーリングに対する否定応答

として EOT を送出する。

(b)

主局が送信しようとしたすべてのデータを,正しく送信し終わった場合  主局は従局に対して,も

はや送信すべきデータがないことを知らせるために,EOT を送信する。そして主局は(もし制御局

でなければ)

,送信権を放棄する。

(c)

異常状態が発生し,主局又は従局が伝送を停止したい場合  主局は,直ちに EOT を送信して異常終

結を行うか,又は 3.6.1 に規定する放棄手順により,その伝送を放棄する。

従局は,正常の応答の代わりに 3.6.2 に規定する中断手順により,その伝送を中断する。

(3)

制御局を有するシステムにおいて,伝送の終結が行われた場合には,伝送の責任及び制御は,制御局

に復帰し,制御状態となる。

(4)

制御局のないポイントツーポイントシステムにおいて,伝送の終結が行われた場合には,データリン

クは,初期状態へ復帰する。

(5)

終結のあらゆる場合において,回線の切断(私設交換回線/一般交換回線)が終結の結果として伴う

ときには,切断シーケンス DLE EOT を EOT の代わりか,又は EOT を受信した後に送出する。

3.6

放棄及び中断

3.6.1

放棄手順  主局が情報メッセージの転送の途中で送信を停止する場合には,次のブロック放棄又は

局放棄の手順によることとする。

(1)

ブロック放棄(図 参照)

(a)

ブロック放棄手順は,主局がデータリンクを制御状態,又は,初期状態へ復帰させずに,ブロック

を正川常に(ETB 又は ETX によって)終わらせる前にその転送を停止する必要が生じたとき,主

局によって開始する。

(b)

主局がブロック放棄をしょうとするときは,直ちに,

(プレフィックス)ENQ を送信することによ

ってそのブロックの転送を終わらせる。

(c)

この場合,従局は否定応答で応答する。否定応答は,この場合の唯一の有効な応答である。もし,

従局からの応答が無効応答又は無応答ならば,3.7.3 に規定する回復手順  (R3)  を適用する。

(d)

その後主局は,必要なら STX(又は SOH)からブロックの転送を再開する。


16

X 5002-1975

図 5  ブロック放棄

(2)

局放棄(図 及び図 参照)

(a)

局放棄手順は,主局が情報転送フェーズ中の任意の時点で転送を停止し,制御状態,又は初期状態

へ復帰する必要が生じたとき,主局によって開始する。

(b)

主局が,ブロックの途中で局放棄を行う必要がある場合には,まずブロック放棄手順を実行した後,

EOT

を送信してデータリンクを制御状態,又は初期状態に復帰させる。

(c)

主局が二つのブロックの間で局放棄を行う場合には,転送中のブロックを正常に終わらせる。この

ときの従局からの正常な応答は,肯定応答である。次に主局は,EOT を送信し,通信リンクを制御

状態又は初期状態に復帰させる。この場合のブロックに対する応答が,否定応答又は無効応答であ

ったとき,回復手順を適用するかどうかは,送信側と受信側の合意によるものとする。

(d)

交換回線の場合には,EOT の代わりに DLE EOT を使用することができる。

図 6  局放棄(ブロックの送信中)


17

X 5002-1975

図 7  局放棄(二つの情報ブロックの間)

3.6.2

中断  従局が情報メッセージの受信途中に,主局に対して伝送の終了又は中止を望む場合には,次

のブロック中断又は局中断の手順によることとする。

(1)

ブロック中断(図 参照)

(a)

ブロック中断手順は,従局が情報メッセージ又はブロックの終わりで,何らかの理由により,もは

や受信を継続できず,主局に対し直ちに伝送の終了を望むときは,従局によって開始する。

(b)

従局は,正常な応答の代わりに EOT で応答する。EOT は,最後に受信したブロックの否定応答を

示し,その時の伝送を終了させる。データリンクは,制御状態又は初期状態へ復帰する。

(c)

制御局を有するシステムで,従属局相互間の通信が行われるノンセントラライズド制御方式では,

ブロック中断手順は適用しない。

(2)

局中断(図 参照)

(a)

局中断手順は,従局が主局に対し速やかに伝送を中止することを要求する場合に,従局により開始

する。

(b)

局中断は,従局が正常な肯定応答の代わりに,3.1.3 に規定する DLE シーケンスを伝送することに

よって行う。

(c)

この応答は,次のような二重の意味をもつものとする。

(i)

受信したブロック又はセレクティングシーケンスに対する肯定応答

(ii)

速やかな終結の要求

(d)

主局が実際に停止する時点は,システムによって定めてよい。


18

X 5002-1975

図 8  ブロック中断

図 9  局中断

3.7

回復手順及びタイマ 

3.7.1

一般的規則  回復手順及びタイマに関する一般的規則は,次のとおりとする。

(1)

ここに規定する回復手順は,適用するとした場合の標準的な手順であり,適用,不適用,又は部分適

用か,全面適用かは,システムにより定めてよい。

(2)

オペレータによる回復手順は,この規格の範囲外である。

(3)

標準的なシステムでは,以下に規定する四つのタイマ A,B,C 及び D のすべて又は一部を利用しな

ければならないが,タイマの実現手段及び時間幅は規定しない。

(4)

更に,同期手順のため,又は信頼度を上げるためなどの目的で,付加的なタイマを使用することを妨

げない。

3.7.2

タイマ  本来なら受信すべき特定の制御キャラクタが識別されなかった場合,それからの回復をは

かるためにタイマを使用する。タイマの絶対値は,情報メッセージのキャラクタとキャラクタの間に許容

されるアイドル時間,伝送速度,データ端末装置又はデータ処理装置の性格などに左右されるため,シス

テムによって定めてよい。

各タイマの適用条件は,次のとおりとする。

(1)

タイマ A(無応答タイマ)

(a)

適用対象局  制御局,主局,又はその両者。

(b)

目的  無効応答又は無応答に対する防御。

(c)

開始条件  応答が期待される終結用キャラクタ。例えば ENQ, ETB, ETX を送信した時。

(d)

停止条件  ACK, NAK, STX, EOT などの有効応答を受信した時。

(e)

タイムアウト後の処置

(i)

同じ情報を再送するか,又は別の情報,例えば ENQ 又は別のポーリング若しくはセレクティング


19

X 5002-1975

シーケンスを送信する。

(ii)

局放棄手順が用いられている場合は,EOT〔交換回線使用の場合は DLE EOT でもよい。

〕を送信

する。

(iii)

オペレータ若しくは処理装置プログラム又はその両方へ通知する。

(2)

タイマ B(受信タイマ)

(a)

適用対象局  従局。

(b)

目的  ETB, ETX, ENQ などのメッセージ終結用キャラクタを受信しなかった場合に対する制御。

(c)

開始条件

(i) SOH, STX

(SOH が先行しない場合)

,又は他の開始用キャラクタ若しくはシーケンスを受信した

時。

(ii)

このタイマは,可変長メッセージの受信を可能とするため再スタートさせられてもよい。

(d)

停止条件  ETB, ETX, ENQ などの終結用キャラクタ又はシーケンスを受信した時。

(e)

タイムアウト後の処置

(i)

従属状態にとどまって,別のメッセージの受信に備える。

(ii)

同期システムの場合には,同期用キャラクタの受信監視を開始する。

(iii)

オペレータ若しくは処理装置プログラム又はその両方へ通知する。

(iv)

コードインデペンデントモードの場合は,基本モードに戻る。

(3)

タイマ C(交換回線のための無通信状態監視タイマ)

(a)

適用対象局  全局

(b)

目  的  DLE EOT が識別されなかったために,又は遠隔局若しくは通信施設の障害のためにデータ

伝送が停止した場合,回線の切断を促す。

(c)

開始又は再開条件

(i)

JIS X 5101

(モデムと通信制御装置及びデータ端末装置とのインタフェース)に規定された回路

108.2

データ端末レディがオン及び回路 107 データセットレディがオン又は回路 125 被呼表示等の

回線接続表示を確認した時。

(ii)

非同期システムにおいては,任意の文字を受信した時。

同期システムにおいては,同期用シーケンスを受信した時。

(d)

停止条件  DLE EOT を受信した時,又は回路 107 データセットレディがオフになった時。

(e)

タイムアウト後の処理

(i)

通信回線を切断する。

(ii)

オペレータ若しくは処理装置プログラム又はその両方へ通知する。

(iii)

必要なら制御状態に戻る。

(iv)

コードインデペンデントモードの場合,基本モードに戻る。

(4)

タイマ D(非交換回線のための無通信状態監視タイマ)

(a)

適用対象局  制御局

(b)

目的  全局の無通信状態を監視する。

(c)

開始又は再開条件  非同期システムにおいては,任意の文字を受信した時。

同期システムにおいては,同期用シーケンスを受信した時。

(d)

停止条件  EOT を受信した時。

(e)

タイムアウト後の処理


20

X 5002-1975

(i)

オペレータ若しくは処理装置プログラム又はその両方へ通知する。

(ii)

必要ならば制御状態に戻る。

(iii)

コードインデペンデントモードの場合,基本モードに戻る。

3.7.3

回復手順  3.33.6 に引用した回復手順 R1R2R3 及び R4 並びにこれらとタイマ A,B 及び C

との結びつきは,次のとおりとする。

また,いかなる場合でもタイムアウト後の処置についての最終責任は,制御局又は主局にある。

(1)

制御局による回復手順

(a)  R1

(i)

終結監視シーケンスを受信しなかったことが,タイマ A 又はタイマ C のタイムアウトで検出され

た場合は,制御局は EOT 又は DLE EOT の適当な方を送信する。

(ii)

ポーリングシーケンスに対して無応答又は無効応答であったことが,タイマ A のタイムアウトで

検出された場合は,制御局は EOT に続いて前回と同じ若しくは別のポーリング又はセレクティン

グシーケンスを送信する(最高 n

1

回まで)

また,オペレータ若しくは処理装置プログラム又はその両方に通知してもよい。

(b)  R2

  一つ以上の,又はすべての局に対する反復ポーリングが不成功に終わった場合,制御局はオペ

レータ若しくは処理装置プログラム又はその両方に通知する。

(2)

主局による回復手順

(a)  R3

(i)

セレクティングシーケンスに対して,無応答又は無効応答であったことがタイマ A のタイムアウ

トで検出された場合,主局は次のいずれかを実行する。

(イ) EOT を送信して終結する。

(ロ)  同じ又は別のセレクティングシーケンスを送信する(最高 n

1

回まで)

主局が制御局であるときは,別のポーリングシーケンスを送信してもよい。

(ハ)  オペレータ若しくは処理装置プログラム又はその両方に通知する。

(ii)

情報メッセージに対して無応答又は無効応答であったことが,タイマ A のタイムアウトで検出さ

れた場合,主局は次のいずれかを実行する。

(イ)  ブロックを再送する(最高 n

2

回まで)

(ロ)  すぐ前に返送された応答の再送を督促する意味の(プレフィックス)ENQ を送出する(最高 n

3

回まで)

(iii)

繰り返し回数 n

1

n

2

及び n

3

はシステムによって定めてよい。

(b)  R4

(i)

セレクティングシーケンスに対して否定応答が繰り返された場合,若しくは無効応答又は無応答

の場合は,主局はオペレータ若しくは処理装置プログラム又はその両方に通知する。

(ii)

ブロックに対して否定応答が繰り返された場合,又は有効応答が受信されなかった場合は,主局

は EOT を送る(放棄手順が用いられている場合)とともに,オペレータ若しくは処理装置プログ

ラム又はその両方へ通知してもよい。

(3)

従局による回復手順  従局による回復手順は,タイマ B のタイムアウト後の処置の規定による。


21

X 5002-1975

4.

拡張モード

4.1

会話モード

4.1.1

一般的規則  会話モードに関する一般的規則は,次のとおりとする。

(1)

会話モードは,基本モードに定める手順を拡張して,会話的な方法で情報メッセージを交換する手段

を追加したものである。

しかし基本モードの規定内で,会話形式の運用が行われることを妨げるものではない。

(2)

会話モードにおいては,同じデータリンク内で主局と従局の状態を反転できる。

(3)

会話モードは,同時には二つの局だけが関連する。他の局との会話が必要となった場合には,そのデ

ータリンクを終結し,新たなデータリンクを設定しなければならない。

(4)

フェーズ 3 以外の規定は,基本モードについて定めるところによる。

(5)

会話モードの手順は,ポイントツーポイント及びセントラライズド制御方式の各網構成に適用する。

4.1.2

会話モードにおける情報メッセージの転送手順(図 10 参照)会話モードにおける情報メッセージ

の転送手順は,次のとおりとする。

(1)

肯定応答は,逆方向の情報メッセージの送信によって置換えることができる。

(2)

情報メッセージは,その前に受信した情報メッセージが ETX で終わっているときだけ,肯定応答に代

わって送出することができる。

(3)

転送方向が反転した後に送信される情報メッセージの開始用キャラクタ(STX 又は SOH)が,肯定応

答の意味をもつ。

(4)

情報メッセージを正しく受信して,伝送方向が反転したが,送信すべきデータがない場合には,基本

モードの規定に従って肯定応答を返送する。

(5)

受信した情報メッセージに誤りが検出された場合には,基本モードの規定に従って否定応答を返送す

る。

(6)

終結手順は,データリンクに責任をもっている局が始める。

(7)  4.4

に規定するコードインデペンデントモードを併用する場合には,上記の STX, SOH, ETX を,DLE

STX, DLE SOH, DLE ETX

に,それぞれ読みかえるものとする。

4.1.3

会話モードにおける回復手順  会話モードにおける回復手順は,次のとおりとする。

(1)

情報メッセージに対して無応答,又は無効応答が受信された場合には,情報メッセージを再送する。

(2)  (1)

に示す回復手順では,ブロックの重複が起こることがある。このため(1)に代わって基本モードにお

けると同様に,応答督促シーケンスを送出して直前の応答又は情報メッセージの再送を要求すること

ができる。ただし,この手順を採用する場合には,一たん主局の状態に反転した後,情報メッセージ

を送信した局は応答督促のシーケンスを受信できるよう準備されている必要がある。


22

X 5002-1975

図 10  会話モードにおける情報メッセージの転送手順

4.2

両方向同時伝送モード

4.2.1

一般的規則  両方向同時伝送モードに関する一般的規則は,次のとおりとする。

(1)

両方向同時伝送モードは,同時に両方向の情報メッセージの転送を効率よく実施する手段を追加した

ものである。

(2)

両方向同時伝送モードにおいては,同一回線上に同時に方向の逆なデータリンクが存在することを認

める。

(3)

本規則は,同時には二つの局だけが関連する。例えば,制御局が一つの従属局に情報メッセージを送

信しており,同時に別の従属局が制御局に対して送信している場合には,制御局からみて両方向の情

報メッセージが同時に転送されているが,このような場合はこの項の規定の範囲外である。

(4)

本規則に定める規定以外は,基本モードに定めるところによる。

(5)

両方向同時伝送モードは,ポイントツーポイント及びセントラライズド制御方式の各綱構成に適用す

る。ただし,通信回線には全二重通信回線が準備されなければならない。

4.2.2

両方向同時伝送に関する規則  両方向同時伝送モードに関する規則は,次のとおりとする。

(1)

方向が逆の二つの情報メッセージの転送に当たっては,それぞれ独立にデータリンクの設定が行われ

なければならない。

(2)

一方向の情報メッセージに対して応答を返送する場合には,送信側と受信側との合意により,逆方向

の情報メッセージの中にそう入して同時に送信することができる。ただし,応答キャラクタ又はシー

ケンスがそう入できるのは,ヘッディング又はテキストの中だけとし,監視シーケンスの中及び情報

メッセージの終わりを示すキャラクタとブロックチェックキャラクタとの間にそう入して送信しては

ならない。

また,コードインデペンデントモードを併用するときには,本規定の範囲外とする。

(3)

フェーズ 4 からフェーズ 5 への移行は,両方向のデータリンクの終結を確認した後に行わなければな

らない。

4.3

複数従局セレクション


23

X 5002-1975

4.3.1

一般的規則  複数従局セレクションに関する一般的規則は,次のとおりとする。

(1)

複数従局セレクティングは,同時に同じ情報を複数の従局に送信するための手段である。

(2)

複数従局セレクティングと普通のセレクティングを一つのシステム内で混合している場合は,各従局

に二つの別々なアドレスを与えるなどにより,各局にどちらのセレクティングであるかを知らせる手

段を講じなければならない。

4.3.2

セレクションサブフェーズ  以下に三つの,信頼度の異なるセレクションサブフェーズを規定する。

いずれを使用するかは,システムで定めてよい。

(1)

個別応答を伴う逐次セレクション  このサブフェーズを使用するシステムでは,主局は各従局と個別

にセレクティングの手順を実行する。

(2)

代表局応答を伴うグループセレクション  このサブフェーズを使用するシステムでは,主局は,グル

ープアドレスによるセレクティングシーケンスを送信し,これに対してあらかじめそう決められてい

る代表従局だけが応答する。代表従局は,例えば主局から最も遠い局とする。

(3)

ファストセレクティングによるグループセレクション  このサブフェーズを使用するシステムでは,

主局はグループアドレスによるファストセレクティングを実行する。

主  局

グループアドレス

ST

X

データ………

4.3.3

情報転送フェーズ  情報転送フェーズとして,次の三つの方式を規定する。いずれを使用するかは

システムで定めてよい。

(1)

個別応答情報転送方式  この方式においては,主局は情報ブロックを送信するごとに,単一局アドレ

スのプレフィックスが先行する ENQ からなる受信確認シーケンスを順次送信して,各局の受信を逐

一確認する。受信確認シーケンスを応答するのは,従局状態にある局に限定される。


24

X 5002-1975

(2)

代表局応答情報転送方式  この方式においては,あらかじめそう決められている局,例えば制御局か

ら最も遠い局などが代表して応答する。

(3)

無確認情報転送方式  この方式においては,いずれの従局も受信確認シーケンスを応答しない。

4.3.4

セレクションサブフェーズと情報転送フェーズとの関係  三つのセレクションサブフェーズと三

つの情報転送フェーズの組合せは任意とするが,原則的な組合せは次のとおりとする。

(1)

“個別応答を伴う逐次セレクション”と“個別応答情報転送方式”

(2)

“代表局応答を伴うグループセレクション”と“代表局応答情報転送方式”

(3)

“ファストセレクティングによるグループセレクション”と“無確認情報転送方式”

4.4

コードインデペンデントモード

4.4.1

一般的規則  コードインデペンデントモードにおける一般的規則は,次のとおりとする。

(1)

コードインデペンデントモードは,フェーズ 3 について,符号の制限を受けずに情報メッセージを転

送する手段を追加したものである。

(2)

本規則に定める規定以外は,基本モードに定めるところによる。

4.4.2

コードインデペンデントモードの形成  コードインデペンデントモードの情報メッセージは,次の

ように形成して転送する。

(1)

コードインデペンデントテキストの開始  DLE STX によってコードインデペンデントテキストを開

始する。

(2)

コードインデペンデントテキスト及びブロックの終結  コードインデペンデントテキストの終結に

は,DLE ETX を,また,コードインデペンデントブロックの終結には,DLE ETB を使用する。

(3)

コードインデペンデントテキスト内のタイムフィル  DLE SYN をタイムフィルの必要なところに付

加する。ただし,一つの DLE シーケンスを形成する二つのキャラクタの間にこの DLE SYN をそう入

してはならない。

(4)  DLE

シーケンスを形成するキャラクタのパリティ  DLE シーケンスを形成するキャラクタにキャラ

クタパリティを使用する場合には,5.1 の規定に従う。

4.4.3

データの表現  コードインデペンデントにおいては,データは次のとおり表現して転送する。

(1)

データの表現  コードインデペンデントテキストで使用するデータの表現は,オクテットとする。

(2)

二重 DLE の使用  データのオクテット表現の中に DLE キャラクタに対応する 8 ビット構成が発生す


25

X 5002-1975

るごとに,一つの付加 DLE を,その発生した DLE の直前又は直後にそう入して転送しなければなら

ない。ただし,伝送制御用の DLE シーケンスに使われる DLE キャラクタに対しては,この規定を適

用してはならない。

4.4.4

データの受信  コードインデペンデントモードにおける従局の情報メッセージ受信動作は次のと

おりとする。

(1)

コードインデペンデントモードの開始  DLE SOH 又は,DLE STX の受信によりコードインデペンー

デントモードの開始とする。

(2)

二重 DLE の受信  二重 DLE を受信した場合,二つの DLE のうち一方を捨て,一方をデータとする。

(3)

コードインデペンデントテキスト及びブロックの終結  直前に奇数個の DLE が先行していない DLE

ETX

又は DLE ETB の受信により,それぞれコードインデペンデントテキスト,又はブロックを終結

する。

(4)

タイムフィルの受信  直前に奇数個の DLE が先行していない DLE SYN は,タイムフィルシーケンス

とする。

4.4.5

ヘッディング  必要に応じて,ヘッディングの転送を以下の手段で行ってもよい。

(1)  JIS X 0201

に規定する符号により,基本モードに従って分離された情報メッセージとしてヘッディン

グを転送する。

(2)

コードインデペンデント情報メッセージの一部分として,コードインデペンデントの用法に従ってヘ

ッディングを転送する。

(3)

ヘッディングシーケンスの開始として,DLE SOH を使ってコードインデペンデントテキストに先行さ

せ,コードデペンデント又はコードインデペンデントなヘッディングを伝送する。この場合もコード

インデペンデントテキストの用法に従う。

4.4.6

放棄及び応答督促  コードインデペンデントモードにおけるブロック放棄及び情報メッセージの

応答督促シーケンスとしては,DLE ENQ を使用する。

5.

誤り検出の用法

5.1

キャラクタパリティの用法  キャラクタパリティを用いる場合の用法は,JIS X 5001(伝送回線上の

キャラクタ構成と水平パリティの用法)に規定されている垂直パリティの用法による。

5.2

ブロックチェックキャラクタの用法  ブロックチェックキャラクタの用法は,JIS X 5001 に規定さ

れている水平パリティの用法による。

5.3

ブロックチェックシーケンスの用法  ブロックチェックシーケンスの用法は,次のとおりとする。

(1)

ブロックチェックシーケンスの構成  ブロックチェックシーケンスは,16 ビットのシーケンス(二つ

のオクテット)によって構成する。

(2)

ブロックチェックシーケンスの生成  ブロックチェックシーケンスは,テキストを構成するビットを

伝送される順序に降べき(幕)に並べた多項式に X

16

を乗じた後,生成多項式 X

16

X

12

X

5

+1 で割算

(Modulo 2)

した剰余として生成する。

(3)

伝送順序  ブロックチェックシーケンスは,テキスト終結キャラクタ若しくはシーケンス又はブロッ

ク終結キャラクタ若しくはシーケンスに続いて伝送し,その間にいかなるオクテットもそう入しては

ならない。

(4)

ビット送出順序  ブロックチェックシーケンスは,高位の係数ビットから回線へ送出する。

(5)

ブロックチェックシーケンスの計算方法


26

X 5002-1975

(a)

基本モードの場合

(i)

計算の開始  ブロック開始キャラクタとして使用されている SOH 又は STX が現れたとき,計算

を開始する。これらのブロック開始キャラクタは計算に含めず,SOH が先行する STX は計算に含

める。

(ii)

計算の終了  ETB 又は ETX が現れたとき,計算を終了する。これらのブロック終結キャラクタは,

計算に含める。

(iii)

計算から除外するキャラクタ又はシーケンス  同期又はタイムフィル用としてそう入された SYN

及び両方向同時伝送モードにおいてそう入送信される応答キャラクタ又はシーケンスは,計算か

ら除外する。

(b)

コードインデペンデントモードの場合

(i)

計算の開始  ブロック開始キャラクタ又はシーケンスとして使用されている SOH DLE SOH 又は

DLE STX

が現れたとき,計算を開始する。これらのブロック開始キャラクタ又はシーケンスは,

計算に含めない。SOH 又は DLE SOH が先行する DLE STX については,DLE は計算に含めず,STX

は計算に含める。

(ii)

計算の終了  ブロック終結シーケンスとして使用された DLE ETB 又は DLE ETX が現れたとき,

計算を終了する。これらのブロック終結シーケンスのうち,DLE は計算から除外し,ETB 又は ETX

は計算に含める。

(iii)

計算から除外するキャラクタ又はシーケンス  同期又はタイムフィル用としてそう入された DLE

SYN

及び二重 DLE の最初の DLE は,計算から除外する。

6.

同期キャラクタの用法

6.1

キャラクタ同期  同期式データ伝送回線を用いてデータ伝送を行う場合に,キャラクタ同期を必要

とするときには,SYN を用いることとし,その用法は次のとおりとする。 

(1)

情報メッセージ又は監視シーケンスを送信しようとする局は,2 キャラクタ以上の SYN を情報メッセ

ージ又は監視シーケンスに先行して連続的に送信する。

(2)

情報メッセージ又は監視シーケンスを受信しようとして監視している局は,2 キャラクタの SYN を連

続して受信した時,キャラクタ同期の状態に入る。

6.2

タイムフィル  キャラクタ同期がとれている状態で,キャラクタ又はオクテットの伝送が行われな

い間の同期を維持する場合には,タイムフィルを伝送する。タイムフィルとしては SYN を用い,コードイ

ンデペンデントモードにおける情報メッセージの中では DLE SYN を用いる。

タイムフィルの用法は,次のとおりとする。

(1)

タイムフィルは次の場合を除いて,いかなるシーケンスの中で送信してもよい。

(a) ETX

又は ETB とブロックチェックキャラクタ又はブロックチェックシーケンスとの間

(b)

ブロックチェックシーケンスの中

(c) DLE

シーケンスの中

(2)

タイムフィルは,ブロックチェックの計算に含めない。


27

X 5002-1975

情報処理部会  データ伝送専門委員会  構成表

氏名

所属

(委員会長)

川  端  久  喜

日本電信電話公社技術局

阿  部  禎  三

日産自動車株式会社機械計算部

石  橋  秀  雄

日本エヌ・シー・アール株式会社プロダクト・デベロップメント

井  上  誠  一

国際電信電話株式会社総合開発センター

大川原  忠  義

日本電信電話公社武蔵野電気通信研究所符号伝送研究室

大  庭  幸  雄

日本国有鉄道コンピュータ部

斎  藤      輝

日本アイ・ビー・エム株式会社第一製品計画担当

佐  藤  和  宏

通商産業省機械情報産業局

瀬  川      彰

労働省職業安定局

副  島  弘  暉

財団法人日本情報処理開発センター技術部

高  木  幹  雄

東京大学生産技術研究所

高  畠      隆

株式会社日立製作所コンピュータ事業部

武  井  良  雄

日興證券株式会社システム管理部

田  中  義  昭

日本電信電話公社データ通信本部

常  沢  秀  夫

工業技術院標準部

戸  塚  陽之助

富士通株式会社端末機事業部

平  松  啓  二

東京電機大学工学部

藤  原  謙  一

三菱電機株式会社通信機製作所伝送製造部

丸  木  義  勝

ブリヂストンタイヤ株式会社総務部

水  内      清

郵政省電気通信管理官室

茂出木  孝  男

日本電信電話公社技術局

山  本      巌

日本電気株式会社周辺装置技術本部

横  井  平  三

株式会社日通総合研究所技術研究部

横  前  後  生

日本ユニバック株式会社システム統括本部

横  山  由  彦

沖電気工業株式会社電子通信事業部

(事務局)

中  谷  節  男

工業技術院標準部電気規格課

坂  井  喜  毅

工業技術院標準部電気規格課