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X 25001

:2012 (ISO/IEC 25001:2007)

(1) 

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲

2

2

  適合性

3

3

  引用規格

3

4

  用語及び定義 

3

5

  評価管理の概念 

4

6

  ソフトウェア品質要求事項の仕様化及び品質評価に対する,要求事項及び推奨事項

4

6.1

  概要

4

6.2

  組織レベルの活動

5

6.3

  プロジェクト管理レベルの活動

7

6.4

  評価結果の分析及び利用 

8

附属書 A(参考)品質評価プロジェクト計画書のテンプレート

10

参考文献

13


X 25001

:2012 (ISO/IEC 25001:2007)

(2) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本

工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


   

日本工業規格

JIS

 X

25001

:2012

(ISO/IEC 25001

:2007

)

ソフトウェア製品の

品質要求及び評価(SQuaRE)−計画及び管理

Software engineering-Software product Quality Requirements and

Evaluation (SQuaRE)-Planning and management

序文 

この規格は,2007 年に第 1 版として発行された ISO/IEC 25001 を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

この規格は,ソフトウェア製品の品質要求事項及び評価に関する計画及び管理の要求事項について詳細

を提供する。この規格は,主にソフトウェア製品の品質要求事項及び評価に関するものであるが,関連す

るところでは,対応するプロセスに対する要求事項及び評価活動についても規定している。

この規格は,品質要求事項の仕様化及び評価の実行を確実に成功させるために,組織が識別することが

望ましい要求事項を明確にすることを目的としている。

この規格は,SQuaRE シリーズ(JIS X 250nn)の他の規格とともに使用されることを意図している。こ

の規格は,

JIS X 0133

及び JIS X 0129-1 が SQuaRE シリーズ規格によって置き換えられるまでは,

JIS X 0133

及び JIS X 0129-1 と併せて使用されることを意図している。この規格は,品質要求事項の定義及び分析に

関連して JIS X 0170:2004 で識別されているテクニカルプロセスに従う。

図 1SQuaRE シリーズ規格の構成 

図 1JIS X 25000 から引用し修正した。)に,SQuaRE シリーズの構成を示す。

SQuaRE

モデルの“各部門”には,次のものがある。

−  ISO/IEC 2500n

品質管理部門  この部門の規格は,SQuaRE シリーズの,他の全ての規格から参照さ

れる共通モデル,

用語及び定義を規定する。

規格を特定の応用事例に適用する場合の参照経路

(SQuaRE

ISO/IEC 25050

ISO/IEC 25099  SQuaRE 拡張部門 

 

ISO/IEC 2503n 

品質要求部門 

ISO/IEC 2501n 

品質モデル部門

ISO/IEC 2500n 

品質管理部門 

ISO/IEC 2502n 

品質測定部門 

ISO/IEC 2504n 

品質評価部門 


2

X 25001

:2012 (ISO/IEC 25001:2007)

   

シリーズ全体の手引)及び高水準の実際的な提案は,全ての種別の利用者への手助けを提供する。こ

の部門は,ソフトウェア製品の品質要求事項の仕様化及び評価の管理に責任のある支援機能のための

要求事項及び手引も提供する。

−  ISO/IEC 2501n

品質モデル部門  この部門の規格は,内部ソフトウェア品質,外部ソフトウェア品

質及び利用時のソフトウェア品質のための品質特性を含む詳細な品質モデルを提供する。さらに,内

部ソフトウェア品質特性及び外部ソフトウェア品質特性は,品質副特性に分解される。また,品質モ

デルの実際的な利用のための手引も提供する。

−  ISO/IEC 2502n

品質測定部門  この部門の規格は,ソフトウェア製品の品質測定の参照モデル,品

質測定量の数学的な定義及び適用のための実際的な手引を含む。提供する測定量は,内部ソフトウェ

ア品質,外部ソフトウェア品質及び利用時のソフトウェア品質に適用する。後に続く品質測定量のた

めの基礎となる品質測定量の要素を定義し提供する。

−  ISO/IEC 2503n

品質要求部門  この部門の規格は,品質要求事項の仕様化に役立つ。これらの品質

要求事項は,開発するソフトウェア製品の品質要求事項の導出又は評価プロセスのための入力として

利用することができる。要求定義プロセスは,JIS X 0170:2004 に定義された技術プロセスに対応付け

られる。

−  ISO/IEC 2504n

品質評価部門  この部門の規格は,評価者,取得者又は開発者が実施するかどうか,

ソフトウェア製品評価のための要求事項,推奨事項及び手引を提供する。評価モジュールとして測定

量の文書化のための支援も提供する。

−  ISO/IEC 25050ISO/IEC 25099  SQuaRE

拡張部門  この部門の規格は,特定の応用範囲を取り扱う

ソフトウェア製品品質の規格,標準仕様書(TS)及び/又は標準報告書(TR)を含むように指定さ

れている。また,

一つ以上の SQuaRE 規格を補完するために利用できるソフトウェア製品品質の規格,

標準仕様書及び/又は標準報告書を含むように指定されている。

適用範囲 

この規格は,技術,ツール,経験及び管理技能を提供することを通して,ソフトウェア製品の品質要求

事項の仕様化及びソフトウェア品質評価活動の,実施及び管理に責任のある組織に対して,要求事項及び

推奨事項を提供する。

評価グループの役割は,要求事項の仕様化活動及び評価活動のための人々への動機付け及び訓練,適切

な文書の準備,要求された手法の識別又は開発,並びに関連技術の問合せへの回答を含む。

技術管理は,次のものに関係している。

−  ソフトウェア品質要求事項の仕様化の計画及び管理

−  評価プロセス,測定量及びツールの計画及び管理

これには,組織内での要求事項の仕様化及び評価技術経験についての,開発,取得,標準化,制御,伝

達及びフィードバックの管理を含んでいる。

この規格は,品質保証部門の人々と同様に,次のことに責任をもつ人々をその利用対象者としている。

−  要求事項の仕様化及び評価実行のために利用される技術の管理

−  ソフトウェア製品の品質要求事項の仕様化

−  ソフトウェア製品の品質評価の支援

−  ソフトウェア開発組織の管理

ソフトウェア関連の他の活動に取り組む管理者にも適用可能である。


3

X 25001

:2012 (ISO/IEC 25001:2007)

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO/IEC 25001:2007

,Software engineering−Software product Quality Requirements and Evaluation

(SQuaRE)

−Planning and management(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”こ

とを示す。

適合性 

この規格に適合するためには,組織は,次のいずれかを行わなければならない。

−  箇条 の要求事項を適用し,適用できないものについてはその理由を示す。

−  組織自身の推奨事項を規定し,元の要求事項への対応付けを提供する。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS X 0170:2004

  システムライフサイクルプロセス

注記  対応国際規格:ISO/IEC 15288,Systems and software engineering−System life cycle processes

(IDT)

JIS X 25000

  ソフトウェア製品の品質要求及び評価(SQuaRE)−SQuaRE の指針

注記  対応国際規格:ISO/IEC 25000,Software engineering−Software product Quality Requirements and

Evaluation (SQuaRE)

−Guide to SQuaRE(IDT)

JIS X 25030

  ソフトウェア製品の品質要求及び評価(SQuaRE)−品質要求事項

注記  対応国際規格:ISO/IEC 25030,Software engineering−Software product Quality Requirements and

Evaluation (SQuaRE)

−Quality requirements(IDT)

ISO/IEC 25020

,Software engineering−Software product Quality Requirements and Evaluation (SQuaRE)−

Measurement reference model and guide

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS X 25000 によるほか,次による。

4.1 

評価活動(evaluation activity) 

識別された適切な品質特性に対する,ソフトウェア製品の総合評価で,適切な技法又は手法を使用して

実行されるもの。

4.2 

評価グループ(evaluation group) 

ソフトウェア品質要求事項の仕様化とともに,技術,ツール,経験及び管理技能の提供を通して,ソフ

トウェア品質評価活動の管理及び実施に責任をもつ組織。

4.3 

評価技術(評価に使用される技術)[evaluation technology (technology used for evaluation)]

評価に使用される技法,プロセス,ツール,測定量及び関連する技術情報。


4

X 25001

:2012 (ISO/IEC 25001:2007)

   

注記  これらには,内部品質,外部品質若しくは利用時の品質の測定量,又は開発者,取得者若しく

は独立した評価者のために設計した特定の評価プロセスを含む。

4.4 

技法(techniques) 

特定の活動を行うために必要とされる手法及び技能。

評価管理の概念 

この規格は,ソフトウェア開発組織,ソフトウェアの取得組織及び第三者評価組織において,全てのプ

ロジェクトを組織横断的に支援する評価グループに適用できる(

表 参照)。

表 1−ソフトウェア品質評価活動

開発ソフトウェア

取得ソフトウェア

開発活動

評価活動

取得活動

評価活動

“納品物”は,選択したライフサイクル
に依存する(JIS X 0170:2004 参照)

例えば,システム要求仕様書,システム
設計仕様書など。

特定の“納品物”

(プロジ

ェクトの成果)の評価。

例えば,システム設計の
レビューなど。

商用既製ソフト
ウ ェ ア 製 品

(COTS)の購入

適切な SQuaRE 規格及
び技術文書を適用して,

取得製品の評価

評価グループの主な責任を次に示す。

−  ソフトウェア品質評価に関する活動の指導及び管理

−  品質要求事項の識別及び定義化の指導

−  品質要求事項の仕様化及び品質評価プロジェクトの実行

−  評価のためのベンチマーク設定の基準の作成

−  評価グループ活動の結果の収集及び分析

−  組織内での評価グループ活動の結果の普及

−  関連する技術情報の取得

−  評価技術の取得

−  独自(企業固有)の標準及びツールの開発

−  ソフトウェアの取得及び開発についての,有効性及び品質の評価

−  技術移転の促進

注記  評価グループは,ソフトウェアを評価する組織の内部にあっても,外部にあってもよい。

ソフトウェア品質要求事項の仕様化及び品質評価に対する,要求事項及び推奨事項 

6.1 

概要 

組織は,評価グループの役割を含め,ソフトウェア品質要求事項の仕様化及び品質評価活動のための方

針及び計画を作成しなければならない。

要求事項の仕様化の目的のためには,JIS X 25030 を適用しなければならない。評価実行の目的のために

は,ISO/IEC 25040ISO/IEC 25044 を適用しなければならない。この SQuaRE シリーズが制定されるまで

は,JIS X 0133 シリーズが適用できる。

要求事項の仕様化,品質測定及び評価実行の目的のためには,ISO/IEC 25020ISO/IEC 25024 を適用し

なければならない。この規格が制定されるまでは,JIS X 0129-1 及び TS X 0111-2-4 が適用できる。


5

X 25001

:2012 (ISO/IEC 25001:2007)

評価プロジェクトのための品質評価プロジェクト計画(テンプレート例:

附属書 A)は,次の手順に従

って適用するアクティビティを識別し,記述しなければならない。

−  ソフトウェア品質要求事項の仕様化

−  ソフトウェア品質評価の目的の定義

−  評価要求事項の確立

−  評価の仕様化

−  評価の設計

−  評価の実行

−  結果の分析

ソフトウェア品質評価は,次のものを含めて,事前に定義された基準を満たさなければならない。

−  国際規格,国内規格又は内部標準への適合性(適用可能な場合)

−  定量化し,追跡可能な結果を明確に提示できる能力

−  適切で効果的な技術及びベストプラクティスの利用

6.2 

組織レベルの活動 

ソフトウェアを開発,取得又は評価を行ういかなる組織も,組織が関わるソフトウェア品質評価の責任

を識別し,これらを組織の方針に組み込まなければならない。

6.2.1 

組織環境の管理 

組織は,適用可能な組織の方針及び手順に従って,次の事項を実施しなければならない。

−  ソフトウェア品質評価計画及び手順の準備。これらは,組織の戦略的な方針及び組織の品質方針に合

致している。

−  ソフトウェア品質の戦略的な管理を促進するための役割,責任及び権限の定義

−  ソフトウェア品質評価のための目標値の定義

−  ソフトウェア品質要求事項及び評価プロジェクトに適用するソフトウェア品質モデルの定期的なレビ

ューの実施

注記  上記の要求事項は,JIS X 0170:2004 の 5.3 に基づく。

6.2.2 

資源管理 

組織は,適用可能な組織の方針及び手順に従って,次の事項を実施しなければならない。

−  ソフトウェア品質要求事項の仕様化及び評価プロジェクトを実行するために必要となる資源基盤に対

する支援の決定及び提供

−  進行中のプロジェクトに求められる人員を配置するために必要な予備要員の維持及び管理

−  複数プロジェクトを並列して実行することで生じるかもしれない実施スケジュールの競合の管理

6.2.3 

品質要求事項の仕様化及び品質評価に関する技術の利用及び改善の計画 

ソフトウェア品質評価,ソフトウェア品質要求事項の品質及び品質評価を支援する技術を改善するため

の全体計画を作成し,実施しなければならない。

その計画には,次の事項を含めることが望ましい。

a)

方針の準備  ソフトウェア品質要求事項の仕様化及び品質評価の導入,維持及び改善に対する組織の

取組みを記載した方針を定めることが望ましい。

b)

組織目標の定義  ソフトウェア品質要求事項の仕様化及び評価技術の導入,維持及び改善によって達

成すべき組織目標を定義しなければならない。

c)

使用する評価技術の識別  組織で使用するソフトウェア品質評価の技法及びツールを方針の中で総合


6

X 25001

:2012 (ISO/IEC 25001:2007)

   

評価し,識別しなければならない。明示された目標とのどのような逸脱についても,正当な理由を示

すか,是正しなければならない。

d)

品質要求事項の仕様化及び評価プロセスの管理に対する責任の割当て  品質要求事項の仕様化及び

品質評価プロセスの導入,維持及び進行中の改善に対して,明確に記載した責任を割り当てなければ

ならない。

e)

さらなる改善の識別  品質要求事項の仕様化及び品質評価プロセスの改善,並びに新技術の利用を計

画し,実行しなければならない。

6.2.4 

評価技術の整備 

組織は,次の事項を実施しなければならない。

−  評価技術の取得又は開発のための要求事項の定義

−  品質評価技術の利用可能性の総合評価の実施

−  取得した評価技術の採用及び運用のためのプロセスの定義

妥当性確認済みのどの評価モジュールも,構成制御下で維持し,

JIS X 0133-6 で規定するように)評価

モジュールとして文書化することが望ましい。そうでないときは,妥当性確認済みのどの評価モジュール

も,総合評価のために試行的に使用することが望ましい。

6.2.5 

評価に利用する技術の移転 

開発又は取得した技術の移転のために,組織は,新技術の導入及び採用のために,訓練プログラム,ツ

ール及び適切な環境を準備しなければならない。これらの訓練プログラム,ツール及び環境は,評価グル

ープの活動に適用される技術に対応していなければならない。

a)

技術移転の準備  組織は,技術移転のために,次の事項を考慮しなければならない。

−  支援用の訓練プログラムの準備

−  ツール及び環境の準備

−  データ収集の方法及び技術移転を総合評価する方法の定義

−  技術移転に関する経験の収集の方法の定義

注記  品質評価プロジェクト計画の目標,活動,スケジュール,プロジェクト目標及び責任は,

専用の訓練プログラムの一部として作成することが望ましい。

b)

技術移転の実施  組織は,定められた計画に従って,技術移転を実施し,データを収集しなければな

らない。

c)

技術移転の総合評価  組織は,次のように,技術移転を総合評価しなければならない。

−  全プロジェクトに対して導入された技術の効果を総合評価する。

−  組織内における技術利用の程度を評価する。

必要であれば,組織は,総合評価結果に従って,計画を修正するか,又は新しい計画を準備しなけ

ればならない。

6.2.6 

品質要求事項の仕様化及び評価の改善のための技術の総合評価 

品質要求事項の仕様化及び評価の改善のために,利用した技術は,総合評価しなければならない。評価

中に得られたデータは,適切なツール及び手法(例えば,経済性分析ツール又は統計分析ツール)を適用

して分析することが望ましい。これには,次の事項を含む。

−  品質要求事項の仕様化に費やした労力

−  測定及び評価に費やした労力。この情報は,他プロジェクトで今後利用するため,及び新技術の有用

性を検証するために,検証し,維持しなければならない。


7

X 25001

:2012 (ISO/IEC 25001:2007)

−  測定,評価基準及び使用した技法の適合性及び妥当性

−  品質要求事項の仕様化の有効性

−  ソフトウェア品質評価全体の有効性

−  標準化。上記のことを満足することが判明した場合は,評価技術に関する独自(企業固有)の標準化

を考慮しなければならない。

−  評定水準の合目的性

6.2.7 

経験の管理 

組織内における評価技術の効果的な利用についての責任を定義しなければならない。この責任には,総

合評価結果及び経験の維持を含む。これらは,評価技術の品質及び利用を改善するために使用しなければ

ならない。

独自(企業固有)の標準の変更を通して,次に示すような改善を達成できる。

−  品質要求事項の定義

−  測定量の選択

−  評定水準の定義

−  総合評価基準の定義

上記の改善を達成するために,次の取組み方を考慮しなければならない。

−  関連する技術の定期的なレビューの実行

−  新規及び現行の関連標準の統合

−  新規及び現行の測定量の統合

−  これらの標準を改正するために使用することが望ましいフィードバックの提供

−  組織の品質計画及び/又は品質マニュアルの改正に使用することが望ましいフィードバックの提供

−  改善に関する記録の維持,及び組織内におけるベストプラクティスの確保

6.3 

プロジェクト管理レベルの活動 

評価グループは,その活動の効果的な管理を保証する。これには,ソフトウェア要求事項の仕様化及び

評価計画,この計画の促進,並びに必要な技術の移転を含む。

評価プロジェクトの管理では,合意された品質評価プロジェクト計画がなければならない。

評価は,経験のあるプロジェクト管理者が管理しなければならない。かつ,その評価には,次の事項を

伴っていなければならない。

−  承認済みの予算

−  適切な資源

−  支援ツール,標準及び手順

−  明確に定義し,文書化し,合意した品質評価プロジェクト計画書(

附属書 参照)

6.3.1 

評価計画の支援 

ソフトウェア製品の評価を成功裏に実施するためには,プロジェクト開始時に品質評価プロジェクト計

画を作成しなければならない。計画の狙いは,定量的な品質目標の定義及び監視におけるプロジェクト管

理者を援助することである。

それは,

全てのプロジェクトスタッフが彼ら自身の組織の品質目標を識別し,

彼ら自身の組織の品質目標に対する進捗を継続的に監視することも支援しなければならない。

このような計画を準備するときには,次の事項を考慮しなければならない。

a)

計画の目的及び利用  全てのプロジェクトメンバは,提案されたプロジェクト計画の重要性,その実

施の詳細及び計画における各プロジェクトメンバの関わりを理解しなければならない。これらの全て


8

X 25001

:2012 (ISO/IEC 25001:2007)

   

は,いかなる評価活動にも先立って,明確にしなければならない。

この計画は,全てのプロジェクト要員及び管理者が同意し,支持しなければならない。

b)

計画の妥当性確認  組織内で責任を負う人は,計画の妥当性を確認しなければならない。様々な評価

要求事項を適切に網羅していることを確実にするために計画をレビューしなければならない。評価要

求事項には,次の仕様を含まなければならない。

−  記載された目標をどのように達成するか。

−  これらの目標をどのように定量化し,測定するか。

−  これらの測定が評価プロセスをどのように支援するか。

−  ソフトウェア製品評価において,定量的管理をどのように実施するか。

注記  定量的管理においては,プロジェクトがその品質及びプロセス実績の目標を達成すること

ができるかどうかを予測し,かつ,是正活動を実施することが望ましいものを識別するた

めに,統計的管理からのデータを使用する。

−  各々の品質目標

注記  これらは製品,プロセス又は規模に関係するものかもしれない。

−  タスクの明確化及びタスクの明確化に対応する責任の割当て(例えば,データ収集,データ分析,

並びに,プロジェクトスタッフ及び管理者へのフィードバックに,誰が責任をもつか。

−  データをどのように収集し,制御し,利用するかの定義

c)

計画の内容  この計画の内容は,ソフトウェア品質要求事項で仕様化されたソフトウェア製品の品質

特性に適用可能な,全ての測定量を網羅しなければならない。

計画に記載した目標は,次の事項によって補完しなければならない。

−  対応する製品の品質特性

−  適用する標準

−  手法

−  スタッフの技能

−  ツール及びプロジェクト管理の支援

品質評価プロジェクト計画書のテンプレートを,

附属書 に示す。

6.4 

評価結果の分析及び利用 

評価グループは,各評価プロジェクトの終了時に,評価結果を収集しなければならない。その後,これ

らの結果を分析し,効果的に利用しなければならない。これらの目標を達成するために,次の事項を考慮

しなければならない。

−  収集したデータの品質の検証(例えば,有意性,表現性,正確性及び統計的な妥当性)

−  データの集約及び分析のための適切な手法の識別

−  データの解釈のための適切な手法の識別

−  各評価プロジェクトにおける品質要因に対する目標値の改正

−  必要であれば,関連する教育・訓練

評価技術の改善のために,次の事項を分析し,所見を記録しなければならない。

−  評価の結果

−  評価の手法

−  各評価プロジェクトにおける品質要因に対する評価目標値

分析プロセスの後,取得したデータを解釈し,全ての関係部門に提示しなければならない。また,今後


9

X 25001

:2012 (ISO/IEC 25001:2007)

のプロジェクトが参照するために,収集したデータを保管しなければならない。


10

X 25001

:2012 (ISO/IEC 25001:2007)

   

附属書 A

(参考)

品質評価プロジェクト計画書のテンプレート

次に示す品質評価プロジェクト計画書のテンプレートは,

評価グループが評価プロジェクトを準備して,

実行する場合に使用することが望ましい文書の例である。評価プロジェクトの準備がより特定のアプロー

チを必要とする場合,例えば,特定の評価プロセスを適用するような場合には,この規格の利用者は,

SQuaRE

シリーズの次の規格が発行されたときには,それらを参照してもよい。

ISO/IEC 25040

:Systems and software engineering−Systems and software product Quality Requirements and

Evaluation (SQuaRE)

−Evaluation reference model and guide

ISO/IEC 25041

:Systems and software engineering−Systems and software product Quality Requirements and

Evaluation (SQuaRE)

−Evaluation modules

ISO/IEC 25042

:Software engineering−Software product Quality Requirements and Evaluation (SQuaRE)−

Evaluation process for developers

ISO/IEC 25043

:Software engineering−Software product Quality Requirements and Evaluation (SQuaRE)−

Evaluation process for acquirers

ISO/IEC 25044

:Software engineering−Software product Quality Requirements and Evaluation (SQuaRE)−

Evaluation process for evaluators

評価プロジェクトの準備が要求事項定義プロセスへのより特定のアプローチを必要とする場合には,こ

の規格の利用者は,SQuaRE シリーズの次の規格が発行されたときには,それらを参照してもよい。

JIS X 25030

:ソフトウェア製品の品質要求及び評価(SQuaRE)−品質要求事項

評価プロジェクトの準備が測定プロセスへのより特定のアプローチを必要とする場合には,この規格の

利用者は,SQuaRE シリーズの次の規格が発行されたときには,それらを参照してもよい。

ISO/IEC 25020

:Software engineering−Software product Quality Requirements and Evaluation (SQuaRE)−

Measurement reference model and guide

ISO/IEC 25021

:Software engineering−Software product Quality Requirements and Evaluation (SQuaRE)−

Quality measure elements

ISO/IEC 25022

:Software engineering−Software product Quality Requirements and Evaluation (SQuaRE)−

Measurement of internal quality

ISO/IEC 25023

:Software engineering−Software product Quality Requirements and Evaluation (SQuaRE)−

Measurement of external quality

ISO/IEC 25024

:Software engineering−Software product Quality Requirements and Evaluation (SQuaRE)−

Measurement of quality in use

A.1

  1

章  序文

次のことを記載することが望ましい。


11

X 25001

:2012 (ISO/IEC 25001:2007)

−  計画の目的

−  計画の読者

−  計画の想定利用者

A.2

  2

章  評価目標

この章は,評価目標及びソフトウェアの意図する適用に関する明確な記述を提供することが望ましい。

明確な記述は,ビジネスニーズの観点から記述することができる。しかし,評価目標及びソフトウェアの

意図する適用は,品質要求事項の仕様化,並びに品質目標及び個別基準の設定という目的のために,使用

可能であることが望ましい。

A.3

  3

章  ソフトウェア品質要求事項及び適用可能な品質特性

この章は,

ソフトウェア品質要求事項の仕様化の結果である品質特性の記述を提供することが望ましい。

これは,A.2 に指示された目標を支援する。

注記  品質要求事項の仕様化の活動は,6 章及び 9 章で考慮することが望ましい。しかし,そのプロ

セスそのものは,品質評価プロジェクト計画の範囲外にあり,別のプロジェクト工数を必要と

することになる。

明記された品質目標は,製品指向であってもよいし,プロセス指向であってもよい。この計画の目的は,

製品品質目標だけを取り扱うことである。

A.4

  4

章  優先度のリスト 

この章は,上記の特性に優先度を付け,これらの優先度の支援根拠を提供することが望ましい。

A.5

  5

章  品質目標

この章は,プロジェクト開発の中間又は最終段階で測定される値に対して検証される定量化可能な品質

目標(目標値)を提供することが望ましい。

A.6

  6

章  責任の定義

この章は,計画の実施に関連する全ての責任を定義することが望ましい。これには,ソフトウェア品質

要求事項の仕様化,全てのデータ収集,分析タスク,他の支援要求事項の実施,報告,継続調査及び同様

の要求事項を含む。

A.7

  7

章  評価設計 

この章は,実施することを計画した測定を定義することが望ましい。製品品質の測定だけを取り扱う(例

えば,性能,信頼性又は保守性)

この章は,次のことを示すことが望ましい。

−  開発サイクルのどの段階でこれらの測定が実行されるか。

−  どの評価プロセスを適用することが望ましいか。

−  どれくらいの頻度で繰り返すことが望ましいか。

−  どの技法又はツールを使ってデータ獲得及び分析を支援することが望ましいか。

−  明記された目的からの逸脱がある場合どの行動に取り掛かることが望ましいか。


12

X 25001

:2012 (ISO/IEC 25001:2007)

   

A.8

  8

章  データの利用及び分析

この章は,次のことを定義することが望ましい。

−  データをどのように分析するか。

−  もしあれば,どの統計的な手法を採用するか。

−  どの表示技法を使用するかを定義するか。

前述した責任,支援ツール及び様式に関連付けることが望ましい。また,どのように情報が進捗追跡プ

ロセス又は製品受入れプロセスへ統合されるかについても記述することが望ましい。

A.9

  9

章  評価の計画及び実行 

この章は,

活動の明解な計画

(マイルストン及び明記された納入物を含む。

を提供することが望ましい。

A.10

  10

章  報告

この章は,全ての関連する報告要求事項を定義することが望ましい。

A.11

  11

章  他の要求事項

この章は,これまでに述べていない要求事項を含むことが望ましい。例えば,次の情報を含む。

a)

採用する技法及び手法  使用する技法及び手法の完全な記述(又は他の資料への参照)を提供する(例

えば,規模測定手法,開発成熟度アセスメント,誤り検出のためのインスペクション法,誤り率予測

のための欠陥除去モデルなど)

 

b)

支援ツール  支援ツールの要求事項及び参照を記述又は提供する。これには,データベース,スプレ

ッドシート及び統計パッケージの使用のための手引を含む。

c)

関連規格及び手引  適用可能な規格及び支援の手引を参照する。購入及び取得のプロセスに関して,

これらの使用及び便益を記述する(例えば,JIS X 0129-1 及び TS X 0111-2-4JIS Q 9001ISO/IEC 

9000-3

など)

d)

供給者の評価  ソフトウェア製品の供給者の効果的で定量的な総合評価のための評価及び測定手順を

含む。

これには,次のものを含む。

−  リリース版の数

−  現在の誤り状態

−  インストール後の支援実績についての調査

−  過去及び現在の利用者についての統計

−  満足度

−  管理実績

−  財務安定度

他の供給者から獲得したアプリケーションに関する関連パラメタを,供給者の評価計画に組み込む

ことができる。


13

X 25001

:2012 (ISO/IEC 25001:2007)

参考文献

JIS X 0129-1:2003

  ソフトウェア製品の品質−第 1 部:品質モデル

注記  対応国際規格:ISO/IEC 9126-1:2001,Software engineering−Product quality−Part 1: Quality model

(IDT)

JIS X 0133-1:1999

  ソフトウェア製品の評価−第 1 部:全体的概観

注記  対応国際規格:ISO/IEC 14598-1:1999,Information technology−Software product evaluation−Part

1: General overview

(IDT) 

JIS X 0133-2:2001

  ソフトウェア製品の評価−第 2 部:計画及び管理

注記  対応国際規格:ISO/IEC 14598-2:2000,Software engineering−Product evaluation−Part 2: Planning

and management

(IDT)

JIS X 0133-3:2001

  ソフトウェア製品の評価−第 3 部:開発者のプロセス

注記  対応国際規格:ISO/IEC 14598-3:2000,Software engineering−Product evaluation−Part 3: Process

for developers

(IDT)

JIS X 0133-4:2001

  ソフトウェア製品の評価−第 4 部:取得者のプロセス

注記  対応国際規格:ISO/IEC 14598-4:1999,Software engineering−Product evaluation−Part 4: Process

for acquirers

(IDT)

JIS X 0133-5:1999

  ソフトウェア製品の評価−第 5 部:評価者のプロセス

注記  対応国際規格:ISO/IEC 14598-5:1998,Information technology−Software product evaluation−Part

5: Process for evaluators

(IDT)

JIS X 0133-6:2002

  ソフトウェア製品の評価−第 6 部:評価モジュールの文書化

注記  対 応 国 際 規 格 : ISO/IEC 14598-6:2001 , Software engineering − Product evaluation − Part 6:

Documentation of evaluation modules

(IDT)

JIS X 25051

  ソフトウェア製品の品質要求及び評価(SQuaRE)−商用既製(COTS)ソフトウェア製品

に対する品質要求事項及び試験に対する指示

注記  対応国際規格:ISO/IEC 25051,Software engineering−Software product Quality Requirements and

Evaluation (SQuaRE)

− Requirements for quality of Commercial Off-The-Shelf (COTS) software

product and instructions for testing

(IDT)

ISO/IEC TR 9126-2:2003

,Software engineering−Product quality−Part 2: External metrics

注記  対応標準仕様書:TS X 0111-2:2009  ソフトウェア製品の品質−第 2 部:JIS X 0129-1 による外

部測定法(IDT)

ISO/IEC TR 9126-3:2003

,Software engineering−Product quality−Part 3: Internal metrics

注記  対応標準仕様書:TS X 0111-3:2009  ソフトウェア製品の品質−第 3 部:JIS X 0129-1 による内

部測定法(IDT)

ISO/IEC TR 9126-4:2004

,Software engineering−Product quality−Part 4: Quality in use metrics

注記  対応標準仕様書:TS X 0111-4:2009  ソフトウェア製品の品質−第 4 部:JIS X 0129-1 による利

用時の品質測定法(IDT)