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日本工業規格          JIS 

 

X 0602-1982 

 

 

情報交換用磁気カセットテープの 

ラベルとファイル構成 

Magnetic Tape Cassette Labelling and File 

Structure for Information Interchange 

 

 

1. 適用範囲 この規格は,情報交換用媒体として使用する磁気カセットテープのラベルとファイル構成

について規定する。 

この規格は,機器や適用システムの複雑さの範囲に対応するため,次の三つのシステムに分けて規定す

る。 

(1) 基本システム これは,テープマークだけを用いてファイルを構成する。 

(2) 簡易システム これは,数字だけを使用する機器によっても記録できる情報内容を持った特殊なデー

タブロック(ラベル)を用いてファイルを構成する。 

(3) 拡張システム これは,更に広いラベルシステムを定義するために,JIS X 0601(情報交換用磁気テ

ープのラベルとファイル構成)に規定された磁気テープラベルシステムを,幾つかの新ラベルととも

に用いてファイルを構成する。 

この規格は,JIS X 6122(情報交換用磁気カセットテープの情報記録様式)で規定している3.81mm磁気

カセットテープに適用する。 

引用規格: 

JIS X 0201 情報交換用符号 

JIS X 0601 情報交換用磁気テープのラベルとファイル構成 

JIS X 6121 情報交換用磁気カセットテープ 

JIS X 6122 情報交換用磁気カセットテープの情報記録様式 

関連規格: 

ISO 4341 Information processing−Magnetic tape cassette and cartridge labelling and file structure for 

information interchange 

 

2. 用語の意味 この規格で用いる主な用語のうち,データの記録単位に関する用語を,論理的概念と物

理的概念を対応させて表1に示す。 


X 0602-1982  

表1 データの記録単位に関する用語 

論理的概念 

物理的概念 

レコード 情報の一つの単位として扱われる関連ある
データの集まり。 

ブロック 一つの単位として連続して記録され又は読
まれ,かつブロック間ギャップで終わる文字の集まり。 

ファイル 一つの主題に関連したレコードからなる情
報の集まり。 
 ファイルは,1個のトラック又は1個のボリュームの
全部若しくはその一部に記録したり,2個以上のボリュ
ームにまたがって記録したりすることができる。 

ボリューム 取り外し可能な記録媒体の物理単位。例
えば,次のどちらかで構成される完全なカセット。 
(1) JIS X 6121(情報交換用磁気カセットテープ)で規

定しているように,データ交換のために逐次的にか
つ連続的に用いられる2個のトラック。 

(2) データ交換のために逐次的に用いられる1個のト

ラック(第1トラック又はA面)。この場合は,第
2トラック又はB面の使用は交換当事者間の合意
によってJIS X 6121に規定されるように定義され
る。 

ファイル分割 1個のカセットの1個のトラック上に記
録された1個のファイルの一部分。 
 あるファイル分割の途中に他のファイル分割を記録
してはならない。 

 

ファイルセット 1個以上の関連するファイルの集ま
り。ファイルセットは,ボリューム上に連続的に記録
されなければならない。 

ボリュームセット 唯一のファイルセットが記録され
ている1個以上のボリュームの集まり。 

表1以外の用語の意味は,次のとおりとする。 

(1) ラベル 各ボリューム,トラック又はファイルの始め又は終わりにあるブロックであって,そのボリ

ューム,トラック又はファイルを識別したり,特性を表したり,境界を表したりするもの。ラベルは,

ファイルの一部とは考えない。 

(2) ラベル識別子 ラベルを識別するためにラベル中に記録される1個以上の文字。 

(3) ラベル内で用いる文字 ラベル内に記録できる文字は,JIS X 0201(情報交換用符号)で定義される

もののうち,次の規定に従うものとする。 

(a) 数字 0から9までの任意の文字。この規格では,ラベル番号として用いるときに“n”で表すこと

がある。 

(b) 図形文字 ローマ字用7単位符号表の第2〜5列にある任意の文字。ただし,情報交換当事者間の合

意があれば,ボリューム識別名,ファイル識別名及びシステム又は利用者使用のために確保された

欄において,ローマ字,片仮名用8単位符号表の第10〜13列にある任意の文字を使用してもよい。

この規格では,ラベル番号として用いるときに“a”で表すことがある。 

備考1. 国際間で情報交換を行う場合は,JIS X 0201のローマ字用7単位符号表の第2〜5列にある任意

の文字とし,このうち符号表の位置5/15(アンダーライン)及び国際間で必ずしも文字が一

致していない次の7個は含めない。 

2/3(番号記号),2/4(ドル記号),4/0(単価記号),5/11(左大括弧),5/12(円記号),5/13

(右大括弧),5/14(アクサンシルコンフレックス) 

2. これらの制限は,情報交換に際して互換性を最大に保つことと印字の一致をもたらすために

設けるもので,この制限に従っていることを検査することを強制するものではない。 

(4) テープマーク ファイルデータとラベル群との間,及び各ラベル群の間の境界を示す境界子。 

基本システムにおいては,テープマークはファイル境界を示すために用いる。 

備考 この規格では,テープマークの記録位置を“*”で示す。 


X 0602-1982  

(5) 二重テープマーク ボリューム又はファイルセットの終わりを示す連続した2個のテープマーク。 

備考 基本システム以外のシステムでは,ボリューム上に空ファイル分割又は空ファイルがあるとき

も,連続した2個のテープマークが現れるが,この場合には二重テープマークとして解釈せず,

空ファイル分割又は空ファイルを囲む2個のテープマークと解釈する。この規格で“空”とは

ファイル見出しラベルの後のテープマークから,そのファイル分割又はファイルのボリューム

終わりラベル,トラック終わりラベル又はファイル終わりラベルの前のテープマークまでの間

に,1個のブロックも存在しないことを意味する。 

(6) 中間のトラック終わり及び中間のトラック始め 連続して使用されるトラックにおいて,先行するト

ラックの終わりを中間のトラック終わりといい,後続するトラックの始めを中間のトラック始めとい

う。 

 

3. 基本システム 

3.1 

概要 基本システムでは,1個のボリューム上に,1個以上のファイルを構成できる。この場合,フ

ァイル間の区切りは,テープマークだけとする。各ボリュームは独立しており,複数ボリュームファイル

を構成してはならない。磁気的に記録するラベルも使用しない。 

トラック上のデータ終わりの記録及び検出方法は,JIS X 6122による。 

3.2 

テープマークの使用方法 ボリューム及びファイルの構成を示すテープマークは,次のとおりとす

る。 

(1) ボリュームの始め 

………………… * 

(2) ファイル分離子 

………………… * 

(3) 中間のトラック終わり 

………………… * 

(4) 中間のトラック始め 

………………… * 

(5) データの終わり(及びボリュームの終わり) ………………… ** 

ファイル分離子が連続すると,データの終わりのテープマークとみなされるので,連続して記録し

てはならない。したがって,2.(5)の二重テープマークの定義で述べたような空ファイル分割は,存在

しない。ファイル分離子を,中間のトラック始めのテープマークの後に記録したときに現れる2個の

テープマークは,データの終わりとはみなさない(3.4及び3.5参照)。 

3.3 

ファイルの構成 ファイルは,テープマークを用いて組み立てる。この規格に従って組み立てるこ

とのできるファイルの構成を図1及び図2に示す。各図の左はテープの始めとし,右はテープの終わりと

する。一重線で囲んだ部分がトラックを表す。 


X 0602-1982  

図1 ファイル構成 

 

図2 ファイル構成(特殊な場合) 

 

データブロックを記録中にテープ終端マーカを検出したとき,システムは,まず当該ブロックの記録を

完了させる。それから,中間のトラック終わりのテープマークを記録して当該トラックの処理を完結させ

る。更に,次のトラックの最初の箇所に中間のトラック始めのテープマークを記録した後ファイル処理を

継続する〔図1の(2)及び(4)参照〕。 

なお,当該ブロックを削除することなどによって,この状態を回避することもできる。 

3.4 

ファイル終わりと中間のトラック始めが重なった場合 ファイルの最後のデータブロックの記録中

にテープ終端マーカを検出したときは,システムは,3.3の規定に従ってトラックを閉じ,次のトラック上

にファイルを続けて記録する。しかし,次のトラックには,このファイルのデータブロックは記録せず,

ファイル分離子だけを記録する。その後,次の二つの方法のいずれかをとる。 


X 0602-1982  

(1) そのファイルがファイルセット中の最後のファイルでない場合は,図2の(1)で示すようにファイルを

構成する。 

(2) そのファイルがファイルセット中の最後のファイルである場合は,図2の(2)に示すように,第3のテ

ープマークを記録して次のトラックを完結させる。この場合,最後の2個のテープマークをデータの

終わりと解釈する。 

3.5 

ファイル終わりと中間のトラック終わりが重なった場合 ファイル終わりのテープマークの記録中

にテープ終端マーカを検出したときは,次の二つの方法のいずれかをとる。 

(1) そのファイルがファイルセット中の最後のファイルでない場合は,システムは,既に記録したテープ

マークを中間のトラック終わりと解釈させるため,当該トラックをその箇所で完結させる。次のトラ

ックには,図2の(1)に示すように,最初の箇所に中間のトラック始めのテープマークを記録し,それ

からファイル分離子を記録する。 

(2) そのファイルがファイルセット中の最後のファイルである場合は,システムは,図1の(1)及び(3)に示

すように,データの終わりを表すために第2のテープマークを記録してトラックを完結させる。 

3.6 

使用可能領域の終わり処理 ボリュームの記録可能な最後のトラックでテープ終端マーカを検出し

た場合は,システムは,図1に示すようにデータの終わりのテープマークを記録してファイルを完結させ

なければならない。 

3.7 

記録密度 同一ファイルセット内では,すべてのボリュームのすべてのブロックを同一密度で記録

しなければならない。 

3.8 

バイパスレコード又はチェックポイントレコード 情報交換用磁気カセットテープには,交換する

データブロックだけを記録するものとする。バイパスレコードやチェックポイントレコードは,統一した

規格や識別する手段がないので,情報交換用磁気カセットテープに記録してはならない。 

 

4. 簡易システム 

4.1 

概要 簡易システムでは,1個以上のボリューム上に1個以上のファイルを,磁気的に記録したラベ

ル及びテープマークによって構成する。ラベルは,数字だけを使用する機器によっても記録できるが,特

定のフィールドには図形文字を使用してもよい。 

トラック上のデータの終わりの記録及び検出方法は,JIS X 6122による。 

4.2 

テープマークの使用方法 テープマークは,ラベルとファイルデータの間及びラベルとラベルの間

を区切るために使用する。 

4.3 

ラベルの書式と内容 ラベルは32字のブロックとし,ブロック内の文字位置には1〜32の番号を付

与する。ラベルは,表2に示す4種類とする。 

表2 ラベルの種類 

型 

名称 

記号 

識別子 

ファイルの始め又はファイル分割の始め 

ファイル見出しラベル 

HDR 

トラックの終わり 

トラック終わりラベル 

ETR(1) 

ボリュームの終わり 

ボリューム終わりラベル 

EOV(1) 

ファイルの終わり又は最終ファイル分割の終わり ファイル終わりラベル 

EOF 

注(1) ETR及びEOVは,最初又は中間のファイル分割の終わりを意味する。 

4.3.1 

ファイル見出しラベル (HDR)  ファイル見出しラベルの欄の書式とその内容は,表3に示すとお

りとする。 


X 0602-1982  

表3 ファイル見出しラベル 

CP(2) 

名前(3) 

長さ(4) 

内容(5) 

ラベル識別子 

文字“1”でなければならない。 

2〜5 

ボリューム識別名 

このボリュームを識別するために所有者が永久的に与える
図形文字。 

6〜13 

ファイル識別名 

ファイルを識別するために作成者が与える図形文字。 

14〜15 

ファイル分割番号 

ファイル分割を識別する数字2個。 

16〜20 

作成日付 

西暦年の下2けたを示す数字2個及びその年内の通算日を示
す数字3個 (001〜366)。 

21〜23 

保存期間 

保存日数を示すための数字3個。 

24〜27 

ブロック数 

文字“0000”でなければならない。 

28 

ラベル規格番号 

文字“1”は,ボリューム内のラベルやデータの形式がこの
規格に従っていることを示す。 

29〜32 

将来の標準化のために確保 

文字“0000”でなければならない。 

注(2) ラベルブロック内の文字位置 

(3) 各欄の参照名 
(4) 各欄の長さ(文字数) 
(5) 各欄の内容 

4.3.2 

トラック終わりラベル (ETR) トラック終わりラベルの欄の書式とその内容は,表4に示すとお

りとする。 

表4 トラック終わりラベル 

CP(2) 

名前(3) 

長さ(4) 

内容(5) 

ラベル識別子 

文字“3”でなければならない。 

2〜23 

ファイル見出しラベルの対
応する欄と同じ。 

22 

ファイル見出しラベルの対応する欄と同じ又は文字 “00…
00”(22個)。 

24〜27 

ブロック数 

数字4個 

28〜32 

ファイル見出しラベルの対
応する欄と同じ。 

ファイル見出しラベルの対応する欄と同じ又は文字
“00000”。 

4.3.3 

ボリューム終わりラベル (EOV)  ボリューム終わりラベルの欄の書式とその内容は,表5に示す

とおりとする。 

表5 ボリューム終わりラベル 

CP(2) 

名前(3) 

長さ(4) 

内容(5) 

ラベル識別子 

文字“7”でなければならない。 

2〜23 

ファイル見出しラベルの対
応する欄と同じ。 

22 

ファイル見出しラベルの対応する欄と同じ又は文字 “00…
00”(22個)。 

24〜27 

ブロック数 

数字4個 

28〜32 

ファイル見出しラベルの対
応する欄と同じ。 

ファイル見出しラベルの対応する欄と同じ又は文字
“00000”。 

4.3.4 

ファイル終わりラベル (EOF)  ファイル終わりラベルの欄の書式とその内容は,表6に示すとお

りとする。 


X 0602-1982  

表6 ファイル終わりラベル 

CP(2) 

名前(3) 

長さ(4) 

内容(5) 

ラベル識別子 

文字“9”でなければならない。 

2〜23 

ファイル見出しラベルの対
応する欄と同じ。 

22 

ファイル見出しラベルの対応する欄と同じ又は文字“00…
00”(22個)。 

24〜27 

ブロック数 

数字4個 

28〜32 

ファイル見出しラベルの対
応する欄と同じ。 

ファイル見出しラベルの対応する欄と同じ又は文字
“00000”。 

4.4 

ラベルの欄の処理 

4.4.1 

一般規則 ラベル識別子は,この規格に従って記録しなければならない。その他の欄は,この規格

に従った内容,又は省略時解訳値を表す適当な個数の文字“0”を記録しなければならない。 

読取り時には,各欄は規定どおりに処理する。 

4.4.2 

ラベルの欄のデータの利用 システムは,入力時にラベル中のデータを他の情報源から供給される

データの値で変更することができる。新しい値は,例えばコンパイル結果,システムの制御文などで与え

てもよい。 

4.4.3 

ファイル分割番号 (HDR, CP14〜15)  各ファイルの最初のファイル分割番号は,“01”とする。

以後,同一ファイル作成中にトラック又はボリュームを変えるごとに,1ずつ増加させる。 

4.4.4 

保存期間 (HDR, CP21〜23)  この保存期間は,作成日付に加えられ,満了日付を形成するための

値である。保存期間は,1年を超えてもよい。 

ファイル処理時の日付が,満了日付と同じか又は大きいとき,そのファイルの保存期間は“満了してい

る”とみなし,ボリュームセットの残りの部分を記録し換えることができる。複数ファイルボリュームの

場合には,各ファイルの満了日付は,ボリュームセット中のこのファイルの前にあるすべてのファイルの

満了日付より前か又は同じ日付でなければならない。 

4.4.5 

ブロック数 (ETR, EOV, EOF, CP24〜27)  ブロック数欄は,先行するHDRラベル以後のデータ

ブロックの数(ラベルブロック及びテープマークブロックを除く。)を示す。 

システムはブロック数欄の内容が“0000”であれば,それを無視する。この欄は,システムが磁気カセ

ットテープを読むとき,ブロックが読み飛ばされたり,不正ブロックが挿入されたりしていないことを確

認するために使用する。読み飛ばされたブロック数と不正挿入ブロック数が同数という特別なエラーが発

生した場合は,一般にはエラーを検出できない。 

4.4.6 

ラベル規格番号 (HDR, CP28)  これは,一つのボリュームセットの各HDRに現れ,同一の値を

もっていなければならない。 

この欄は将来この規格を改正していくとき,その各版を示すために用いる。規格の各版の間の区別は,

できる限り数値を使用することによって行う予定である。この欄は,将来の規格とそれまでの間に作成さ

れる限定された範囲の取り決めとを区別する。この欄に“1”以外の値を記録した場合は,この規格外のボ

リュームを意味する。 

4.5 

ファイルの構成 ファイルは,ラベルとテープマークを用いて組み立てる。4.5.3以下の規則に従っ

て組み立てることのできるファイルの構成を図3〜8に示す。各図の左はテープの始めとし,右はテープの

終わりとする。各ラベルは,記号で表す。 

4.5.1 

単一ボリュームファイルの構成 この規格に従って単一ボリューム内のトラックにおいて組み立

てることのできるファイルの構成を図3に示す。一重線で囲んだ部分がトラックを表す。 


X 0602-1982  

図3 単一ボリュームファイルの構成 

 

4.5.2 

複数ボリュームファイルの構成 この規格に従って複数ボリューム内において組み立てることの

できるファイルの構成を図4に示す。ボリューム内のトラック間の区別は,ここでは示さない。ボリュー

ム内の構成は,図3による。図4の二重線で囲んだ部分は,ボリュームを表す。 

図4 複数ボリュームファイルの構成 

 

4.5.3 

ファイル見出しラベル ファイル見出しラベルは,各ファイルの前に記録しなければならない。 

4.5.4 

データ ファイルのデータは,ファイル見出しラベルの後に,1個のテープマークで区切って記録

しなければならない。 


X 0602-1982  

4.5.5 

ファイル終わりラベル ファイル終わりラベルは,そのファイルの最後のデータブロックの後に,

1個のテープマークで区切って記録しなければならない。 

4.5.6 

ファイル終わりラベルの後のテープマーク ファイルが1個のボリューム内で終わるとき,ファイ

ル終わりラベルの直後に,1個のテープマークを記録しなければならない。そのファイルがファイルセッ

ト内の最後のファイルである場合,ファイル終わりラベルの直後に二重テープマークを記録しなければな

らない。 

4.5.7 

トラック終わりラベル ファイルをトラックの終端を越えて記録するとき,そのトラックの最後の

データブロックの直後にテープマークを1個記録し,その後にトラック終わりラベルを記録しなければな

らない。また,トラック終わりラベルの直後には,1個のテープマークを記録しなければならない。 

4.5.8 

ボリューム終わりラベル ファイルをボリュームの終端を越えて記録するとき,そのボリュームの

最後のデータブロックの直後にテープマークを1個記録し,その後にボリューム終わりラベルを記録しな

ければならない。 

また,ボリューム終わりラベルの直後には,二重テープマークを記録しなければならない。 

4.5.9 

空ファイル又は空ファイル分割 空ファイル又は空ファイル分割を作成するときは,4.5.4,4.5.5,

4.5.7及び4.5.8の規定に従い,ファイル見出しラベルとファイル終わりラベル,トラック終わりラベル又

はボリューム終わりラベルとの間に連続した2個のテープマークを記録しなければならない。 

4.5.10 複数トラック又は複数ボリュームファイルの場合の続きのファイル分割 続きのファイル分割の

最初のデータブロックの前に,4.5.3及び4.5.4の規定に従って,ファイル見出しラベルとテープマークを

記録しなければならない。複数トラックファイルの場合,ファイル見出しラベルの内容は,ファイル分割

番号が1増加している以外,一つ前のトラック上のファイル見出しラベルと同じ内容でなければならない。

複数ボリュームファイルの場合,ファイル見出しラベルの内容は,ファイル分割番号が1増加しているこ

と及びボリューム識別名が異なること以外,一つ前のボリューム上のファイル見出しラベルと同じ内容で

なければならない。 

4.5.11 ファイル終わりとテープ終端マーカが重なった場合 ファイル作成中にファイル終わりと中間の

トラック終わり又はボリューム終わりの条件が重なった場合,次の三つの方法のいずれかをとる。 

なお,当該ブロックを削除することなどによって,この状態を回避することもできる。 

(1) ファイルの最後のデータブロックの記録中にテープ終端マーカを検出したときは,システムは,当該

データブロックの記録を完了させ,4.5.7及び4.5.8の規定に従ってトラック又はボリュームを閉じる。

ファイルは,次のトラック又はボリュームに継続し,そこにはファイル見出しラベル,2個のテープ

マーク及びファイル終わりラベルを記録する(4.5.10参照)。図5及び図6にこの例を示す。 

図5 中間のトラック始めの空ファイル分割 

 

図6 継続ボリュームの最初の空ファイル分割 

 


10 

X 0602-1982  

(2) ファイル終わりラベル又はこれの直前若しくは直後のテープマークの記録中にテープ終端マーカを検

出し,しかもそのファイルがファイルセット中の最後のファイルでないときは,システムは,まずフ

ァイル終わりラベル及びその直後のテープマークの記録を完了させる。それから,次のファイルのフ

ァイル見出しラベルを記録し,その後に1個の空ファイル分割を記録し,トラック終わりラベル又は

ボリューム終わりラベルを記録してトラック又はボリュームを完結させる。次のトラック又はボリュ

ームの最初の箇所にファイル見出しラベルを再度記録する。図7及び図8にこの場合の例を示す。 

図7 中間のトラック終わりの空ファイル分割 

 

図8 ボリュームの終わりの空ファイル分割 

 

(3) ファイル終わりラベル又はこれの直前若しくは直後のテープマークの記録中にテープ終端マーカを検

出し,そのファイルがファイルセット中の最後のファイルであるときは,システムは,4.5.6の規定に

従ってファイル終わりラベル及びその直後のテープマークを記録し,更に第2のテープマークを記録

することによってそのボリュームを閉じる。 

4.5.12 ファイル始めとテープ終端マーカが重なった場合 ファイル見出しラベル又はそれに続くテープ

マークの記録中にテープ終端マーカを検出した場合,システムはそのファイル見出しラベルの直後に1個

の空ファイル分割を記録し,次いでトラック終わりラベル又はボリューム終わりラベルを記録してトラッ

ク又はボリュームを完結させる。次のトラック又はボリュームの最初の箇所にファイル見出しラベルを再

度記録する。この結果の構成を図7及び図8に示す。 

4.6 

記録密度 同一ファイルセット内では,すべてのボリュームのすべてのブロックを同一密度で記録

しなければならない。 

4.7 

バイパスレコード又はチェックポイントレコード 情報交換用磁気カセットテープには,交換する

データブロックだけを記録するものとする。バイパスレコードやチェックポイントレコードは,統一した

規格や識別する手段がないので,情報交換用磁気カセットテープに記録してはならない。 

 

5. 拡張システム 

5.1 

概要 拡張システムでは,JIS X 0601で規定している機能の全範囲及びボリューム内のトラックか

らトラックへの移行を制御する機能が利用できる。5.2〜5.8では,トラック終わりラベル(ETR1及びETR2),

トラック始めラベル (STR1) 及びこれらを使用したときのファイル構成を規定する。 

備考 トラック上のデータの終わりの記録及び検出方法は,JIS X 6122による。 

5.2 

テープマークの使用方法 テープマークの使用法は,JIS X 0601及び5.5.3の規定に従う。 


11 

X 0602-1982  

5.3 

ラベルの書式と内容 

5.3.1 

第1トラック終わりラベル (ETR1)  第1トラック終わりラベルの欄の書式とその内容は,表7

に示すとおりとする。 

表7 第1トラック終わりラベル 

CP(2) 

名前(3) 

長さ(4) 

内容(5) 

1〜3 

ラベル識別子 

文字“ETR”でなければならない。 

ラベル番号 

文字“1”でなければならない。 

5〜54 

JIS X 0601で規定している
HDR1ラベルの対応する欄と
同じ。 

50 

JIS X 0601で規定しているHDR1ラベルの対応する欄と同
じ。 

55〜60 

ブロック数 

先行するファイル始めラベル群以後のデータブロックの数
(ラベルブロック及びテープマークブロックを除く。)を示
す数字6個。 

61〜80 

JIS X 0601で規定している
HDR1ラベルの対応する欄と
同じ。 

20 

JIS X 0601で規定しているHDR1ラベルの対応する欄と同
じ。 

5.3.2 

第2トラック終わりラベル (ETR2) (任意ラベル) 第2トラック終わりラベルの欄の書式とそ

の内容は,表8に示すとおりとする。 

表8 第2トラック終わりラベル 

CP(2) 

名前(3) 

長さ(4) 

内容(5) 

1〜3 

ラベル識別子 

文字“ETR”でなければならない。 

ラベル番号 

文字“2”でなければならない。 

5〜80 

JIS X 0601で規定している
HDR2ラベルの対応する欄と
同じ。 

76 

JIS X 0601で規定しているHDR2ラベルの対応する欄と同
じ。 

5.3.3 

その他の任意ラベル (ETR3〜ETR9)  その他の任意ラベルの欄の書式とその内容は,表9に示す

とおりとする。 

表9 任意ラベル 

CP(2) 

名前(3) 

長さ(4) 

内容(5) 

1〜3 

ラベル識別子 

文字“ETR”でなければならない。 

ラベル番号 

文字“3”,“4”,“5”,“6”,“7”,“8”又は“9”のうちのい
ずれか一つでなければならない。 

5〜80 

システムソフトウェア用に確保。 

76 

任意の図形文字。 

5.3.4 

トラック始めラベル (STR1)  トラック始めラベルの欄の書式とその内容は,表10に示すとおり

とする。 

表10 トラック始めラベル 

CP(2) 

名前(3) 

長さ(4) 

内容(5) 

1〜3 

ラベル識別子 

文字“STR”でなければならない。 

ラベル番号 

文字“1”でなければならない。 

5〜11 

JIS X 0601で規定している
VOL1ラベルの対応する欄と
同じ。 

JIS X 0601で規定しているVOL1ラベルの対応する欄と同
じ。 

12 

トラック番号 

数字 

13〜80 

JIS X 0601で規定している
VOL1ラベルの対応する欄と
同じ。 

68 

JIS X 0601で規定しているVOL1ラベルの対応する欄と同
じ。 


12 

X 0602-1982  

5.4 

ラベルの欄の処理 ETR1及びSTR1の欄と,ボリューム内のトラックからトラックヘの移行制御に

よって影響を受けるほかのラベルの欄の処理だけを5.4.1及び5.4.2に規定する。 

5.4.1 

ファイル分割番号 (HDR1, ETR1, EOV1, EOF1, CP28〜31)  各ファイルの最初の分割番号は,

“0001”とする。以後,同一ファイル作成中にトラック又はボリュームを変えるごとに,1ずつ増加させ

る。 

5.4.2 

トラック番号 (STR1, CP12)  トラックの番号付けは,“1”から始める。しかし,最初のSTR1ラ

ベルは,ボリュームの第2トラックに現れるので,当該ラベルのトラック番号の値は“2”とする。この値

は,当該ボリュームの各追加トラックに対して1ずつ増加させる。 

5.5 

ファイルの構成 ファイルは,ラベル及びテープマークを用いて組み立てる。この規格に従って組

み立てることのできるファイルの構成を図9〜12に示す。各図の左はテープの始めとし,右はテープの終

わりとする。各図の中では,各ラベル群のうち必要なものだけを示す。 

5.5.1 

単一ボリュームファイルの構成 単一ボリュームファイルの構成の例を図9に示す。一重線で囲ん

だ部分がトラックを表す。 

図9 単一ボリュームファイルの構成 

 

5.5.2 

複数ボリュームファイルの構成 この規格に従って複数ボリューム内において組み立てることの

できるファイルの構成を図10に示す。二重線で囲んだ部分はボリュームを示す。この例では,トラック間

の区別は示していない。また,ボリューム内の構成は,図9による。 


13 

X 0602-1982  

図10 複数ボリュームファイルの構成 

 

5.5.3 

トラック終わりラベル ファイルをトラックの終端を越えて記録するとき,そのトラックの最後の

データブロックの直後にテープマークを1個記録し,その後にトラック終わりラベル (ETR1) を記録しな

ければならない。これ以外のトラック終わりラベル (ETR2〜ETR9) を使用するときは,ETR1ラベルの直

後に記録しなければならない。 

また,トラック終わりラベル群の最後のラベルの直後には,テープマークを記録しなければならない。 

5.5.4 

中間のトラック始め ボリューム内の各トラックは,最初のトラックを除き,トラック始めラベル

で始まらなければならない。このラベルの直後には,5.5.5の規定に従って続きのファイル分割のファイル

見出しラベル群を記録しなければならない。このトラック始めラベルは,そのトラック上のその他の位置

に記録してはならない。 

5.5.5 

複数トラック又は複数ボリュームファイルの場合の続きのファイル分割 続きのファイル分割の

最初のデータブロックの前に,ファイル始めラベル群とテープマークを記録しなければならない。ファイ

ル始めラベル群の内容は,HDR1内のファイル分割番号が1増加している以外,一つ前のトラック又はボ

リューム上の最後のファイル始めラベル群と同じ内容でなければならない(5.4.1参照)。 

5.5.6 

ファイル終わりとトラック終わりが重なった場合 ファイル作成中にファイル終わりとトラック

終わりの条件が重なった場合,次の三つの方法のいずれかをとる。 

なお,当該ブロックを削除することなどによって,この状態を回避することもできる。 

(1) ファイルの最後のデータブロックの記録中にテープ終端マーカを検出したときは,システムは,当該

データブロックの記録を完了させ,5.5.3の規定に従ってトラックを閉じる。ファイルは,次のトラッ

ク又はボリュームに継続させ,そこにはトラック始めラベル又はボリューム見出しラベル,ファイル

見出しラベル群(5.5.5参照),2個のテープマーク及びファイル終わりラベル群を記録する。図11に

この場合の例を示す。 


14 

X 0602-1982  

 

図11 中間のトラック始めの空ファイル分割 

 

(2) ファイル終わりラベル群を記録中にテープ終端マーカを検出し,しかもそのファイルがファイルセッ

ト中の最後のファイルでないときは,システムは,まずファイル終わりラベル群の記録を完了させる。

それから,次のファイルのファイル始めラベル群を記録し,その後に1個の空ファイル分割を記録し,

トラック終わりラベル群を記録してトラックを完結させる。次のトラックの最初の箇所にSTR1ラベ

ルを記録し,その後にファイル始めラベル群を再度記録する。図12にこの場合の例を示す。 

図12 中間のトラック終わりの空ファイル分割 

 

(3) ファイル終わりラベル群を記録中にテープ終端マーカを検出し,そのファイルがファイルセット中の

最後のファイルであるときは,システムは,ファイル終わりラベル群及びその直後のテープマークの

記録を完了させ,更に第2のテープマークで当該トラックを閉じる。 

5.5.7 

ファイル始めとテープ終端マーカが重なった場合 ファイル始めラベル群の記録中にテープ終端

マーカを検出したとき,システムは,ファイル始めラベル群の記録を完了させ,1個の空ファイル分割を

記録し,次いでトラック終わりラベル群を記録してトラックを完結させる。次のトラックの最初の箇所に

STR1ラベルを記録し,その後にファイル始めラベル群を再度記録する。図12にこの場合の例を示す。 

5.6 

任意ラベルの使用 トラック終了条件下での任意ラベルの使用は,そのようなラベルを,ボリュー

ムの利用可能範囲を越えて記録することになるので注意しなければならない。 

5.7 

記録密度 同一ファイルセット内では,すべてのボリュームのすべてのブロックを同一密度で記録

しなければならない。 

5.8 

バイパスレコード又はチェックポイントレコード 情報交換用磁気カセットテープには,交換する

データブロックだけを記録するものとする。バイパスレコードやチェックポイントレコードは,統一した

規格や識別する手段がないので,情報交換用磁気カセットテープに記録してはならない。 


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X 0602-1982  

情報交換用磁気テープカセット及びカートリッジのファイルとラベル構成委員会 

 

 

氏名 

所属 

(主査) 

 

瀬 野 健 治 

富士通株式会社技術管理本部 

(幹事) 

 

高 平   叡 

日本電信電話公社横須賀電気通信研究所データ処理研究部 

 

 

池 田 幸 雄 

日本電信電話公社横須賀電気通信研究所データ処理研究部 

 

 

伊 東   厚 

工業技術院標準部 

 

 

下 田 宏 一 

日本ユニバック株式会社技術情報管理部 

 

 

杉 藤 芳 雄 

工業技術院電子技術総合研究所ソフトウエア部 

 

 

武 田 浩 良 

三菱電機株式会社計算機製作所ソフトウエア製造部(村田 厚) 

 

 

近 久 敬 治 

パナファコム株式会社東京営業所(成毛吉一) 

 

 

寺 山   隆 

日本電気株式会社基本ソフトウエア開発本部第1開発部 

 

 

富 永   勲 

日本科学技術情報センター 

 

 

古 沢 義 隆 

東京芝浦電気株式会社青梅工場ソフトウエア第3部 

 

 

森 本 真一郎 

沖電気工業株式会社情報処理事業部事業企画室(大西達雄) 

 

 

吉 田 秀 逸 

富士通株式会社ソフトウエア計画部 

 

 

米 田   透 

株式会社日立製作所ソフトウエア工場計画部 

 

 

備考 ( )内は,交代者氏名を示す。