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X 0531:2020 (ISO/IEC 15418:2016) 

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 GS1アプリケーション識別子及びASC MH10データ識別子 ····················································· 2 

4.1 GS1アプリケーション識別子 ··························································································· 2 

4.2 ASC MH10データ識別子 ································································································· 2 

5 管理······························································································································· 3 

5.1 GS1アプリケーション識別子 ··························································································· 3 

5.2 ASC MH10データ識別子 ································································································· 3 

附属書A(参考)利用者向け指針 ···························································································· 4 

X 0531:2020 (ISO/IEC 15418:2016) 

(2) 

まえがき 

この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人

電子情報技術産業協会(JEITA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を改正すべきとの申出があり,

日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本産業規格である。これによって,JIS X 

0531:2003は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

日本産業規格          JIS 

X 0531:2020 

(ISO/IEC 15418:2016) 

情報技術−自動認識及びデータ取得技術− 

GS1アプリケーション識別子及び 

ASC MH10データ識別子並びにその管理 

Information technology-Automatic identification and data capture 

techniques-GS1 Application Identifiers and ASC MH10 Data Identifiers and 

maintenance 

序文 

この規格は,2016年に第3版として発行されたISO/IEC 15418を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本産業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

適用範囲 

この規格では,符号化されたデータの識別に用いられる一連のGS1アプリケーション識別子及びASC 

MH10データ識別子について規定し,その管理を担当する組織を明確にする。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO/IEC 15418:2016,Information technology−Automatic identification and data capture techniques

−GS1 Application Identifiers and ASC MH10 Data Identifiers and maintenance(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ

とを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

ISO/IEC 19762,Information technology−Automatic identification and data capture (AIDC) techniques−

Harmonized vocabulary 

ANS MH10,Data Identifiers and Application Identifiers  

GS1,General Specifications 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,ISO/IEC 19762による。 

X 0531:2020 (ISO/IEC 15418:2016) 

GS1アプリケーション識別子及びASC MH10データ識別子 

符号化された情報は,次の識別子セットのうちいずれかに従って識別される。 

a) GS1アプリケーション識別子 

b) ASC MH10データ識別子 

注記 符号化に際して,いずれの識別子を利用するかについては,附属書Aを参照。 

4.1 

GS1アプリケーション識別子 

GS1のアイテム識別システム及びこれに関連した符号化規格は,GS1が管理するGS1アプリケーション

識別子によって補足される。この規格は,全ての符号化システムにとって重要な二つの主要要素である,

データ内容及びデータキャリアで構成される。 

GS1アプリケーション識別子の使用に際しては,GS1が定めた規則に従うものとする。 

GS1アプリケーション識別子は,一般化された単純なデータフィールドを識別するものであり,産業分

野にとらわれない国際的なサプライチェーン業務で使用される。データフィールドの定義,形式及び構成

に関する規則は,GS1総合仕様書(GS1,General Specifications)で規定されている。 

それぞれのGS1アプリケーション識別子は,二文字以上から成り,最初の二桁でアプリケーション識別

子の長さが決まる。この二桁コードのリストには,既存のアプリケーション識別子及び今後用いられるこ

とになるアプリケーション識別子の定義された長さ並びにそれぞれのデータフィールドが記載されている

が,これは,箇条5に規定するアプリケーション識別子管理団体から入手することができる。 

注記 GS1アプリケーション識別子の一覧表は,一般財団法人流通システム開発センターのWebサイ

ト(https://www.dsri.jp/standard/identify/ai/explanation08.html)から入手することができる。 

4.2 

ASC MH10データ識別子 

登録済みのASC MH10データ識別子の全リスト及びその用法に関する全仕様は,米国標準規格MH10

データアプリケーション識別子規格(以下,ASC MH10データ識別子という。)にある。 

ASC MH10データ識別子は,どのようなデータキャリアを用いてもよく,自動識別技術で使用するデー

タの識別について異業種間に共通性をもたせるために設計された。 

ASC MH10データ識別子の形式は,英字1文字又は英字1文字の前に1個〜3個の数字を置いたもので

ある。 

ASC MH10データ識別子によっては,形式が定義されているものもある。米国国家規格協会は,ANS 

MH10を“継続的整備”規格と指定している。そのようなこともあり,更新を伴った正式な規格は, 

http://www.mhi.org/standards/diから入手することができる。 

最新のASC MH10データ識別子の全リストは,次の機関から入手することができる。 

Customer Service Material Handling Industry 

8720 Red Oak Blvd., Suite 201 Charlotte, NC 28217-3992 USA 

Phone: +1 704/522-8644 

Fax: +1 704/522-7826 

Website: http://www.mhi.org/standards/di 

又は 

Customer Service 

4th Floor, American National Standards Institute (ANSI) 25 West 43rd Street, 

New York, NY 10036 USA 

Phone: +1 212/642-4900 

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Fax: +1 212/398-0023 

Website: https://webstore.ansi.org/ 

管理 

箇条4に従った,GS1アプリケーション識別子及びASC MH10データ識別子の管理を担当する組織を,

5.1及び5.2に示す。 

5.1 

GS1アプリケーション識別子 

GS1 Application Identifier Secretariat 

GS1 Customer Service 

Blue Tower, Avenue Louise 326, BTE 10, BE 1050 Brussels 

Belgium 

Phone: +32 2/788 78 00 

Fax: +32 2/788 78 99 

Email: contactus@gs1.org 

GS1は,以前は国際EAN協会及び米国コードセンターとして知られていた団体を包含する識別番号に

関する世界規模のコーディング管理機関である。GS1システムは,加盟組織(例えば,GS1 France, GS1 US, 

GS1 Russiaなど,GS1の後に国名を付けた組織)として知られている各国組織のネットワークを通して管

理されている。GS1アプリケーション識別子事務局の業務言語は英語である。GS1アプリケーション識別

子の地域言語版及び新たなアプリケーション識別子の要求方法に関する全情報は,GS1加盟組織から入手

できる。GS1加盟組織の連絡窓口詳細は,https://www.gs1.org/contact/worldwide.phpから入手できる。 

5.2 

ASC MH10データ識別子 

ASC MH10データ識別子管理委員会の目的は,既存のANSI MH10データ識別子と重複しないことを条

件に,取引業者間で使用される適切なデータ要素向け及び組織内業務システムのために,ANSI MH10デー

タ識別子を発行することにある。システムの完全性を保つため,ANSI MH10データ識別子は,一旦,規格

として規定すると,変更されない。個別の要求を満たすASC MH10データ識別子が見つからない利用者は,

データ識別子管理委員会に照会を求めることもできるし,新しいANSI MH10データ識別子を要求するこ

ともできる。上記の連絡窓口詳細を参照。 

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附属書A 

(参考) 

利用者向け指針 

この附属書Aは,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。 

A.1 GS1アプリケーション識別子又はASC MH10データ識別子の選択 

利用者がGS1アプリケーション識別子又はASC MH10データ識別子のうちいずれを選択するかは,通

常,現行の業界規定で定義される。 

製品又は輸送品の識別について取決めを設ける場合には,取引上の慣例,必要な情報及び取引相手のシ

ステム能力を考慮して,ASC MH10データ識別子又はGS1アプリケーション識別子を選択するのが望まし

い。利用者は,次の指針を検討することもできる。 

a) GS1アプリケーション識別子 GS1アプリケーション識別子の定義は,アプリケーションガイドライ

ンで裏付けられる。GS1アプリケーション識別子及びこれに関連するガイドラインは,国際取引及び

複数の業種間取引のために設計された。 

b) ASC MH10データ識別子 ASC MH10データ識別子リストにある記載は,一般化したものとなってい

る。ASC MH10データ識別子の利用者には,指針として適切なISO又は業務アプリケーションガイド

ラインを調べることを勧める。 

A.2 GS1アプリケーション識別子及びASC MH10データ識別子の運用 

この規格では,二つの識別子グループ,すなわち,GS1アプリケーション識別子及びASC MH10データ

識別子を認めている。利用者は,取引相手とともに,いずれの識別子を用いるのか決定する必要がある。 

全ての利用者組織が,一つのシステムに基づいて情報の流れが一本化されることを望んできた。しかし,

特徴及び機能に違いが見られる二つのシステムが,これらに投資してきた利用者によって用いられており,

現行とは別のアプローチに切り換えたとしても,変更した結果得られるシステムの改善は,必要なコスト

に見合うものではないと思われる。 

このような中,製造業者が全ての顧客ニーズを満たそうとすると,両方のシステムを運用せざるを得な

くなる。よって,このような業界にとっては,一方のシステムに基づくデータを他方のシステムに合わせ

て“対応させる”ことができるシステムの構築が不可欠である。さらに,EDIFACT(又はその他の電子デ

ータ交換メッセージセット)の情報エレメントを利用者の注文及び配送に関する電子データへ置換しなけ

ればならない場合もある。 

GS1アプリケーション識別子及びASC MH10データ識別子は,異なる理念に基づいて開発されたため,

完全な1対1の対応が不可能である。しかし,広範囲で使用可能なGS1アプリケーション識別子−ASC 

MH10データ識別子間の対応表が,用意されている[例 ANS MH10, Section III (DIs to AIs) 

http://www.mhi.org/standards/di及びANS MH10, Section IV (AIs to Dis) http://www.mhi.org/standards/diを参照]。 

図A.1の対応表は,GS1アプリケーション識別子及びASC MH10データ識別子を使用する状況にある企

業にとって有益なものとなるであろう。 

注記 図A.1は,両識別子間の対応の考え方を示す概念図である。 

background image

X 0531:2020 (ISO/IEC 15418:2016) 

図A.1−GS1アプリケーション識別子及びASC MH10データ識別子の比較 

主として流通業
向けプロセスで
使用される。 

互いに業種の異なる取引先間のデータ交換は,識別子の変
換が必要となる。この目的で変換表が必要となる。 

GS1アプリケーション識別子及びASC MH10データ識別子の間では, 
直接的な変換が成立しない場合又は完全には一致しない場合がある。 

GS1アプリケーション識別子 

ASC MH10データ識別子 

対応表 

主として製造業
向けプロセスで
使用される。 

少ない 
厳密 
比較的少ない 
しにくい 

情報要素の種類 
制限,定義 
情報要素の重複 
情報内容の区別のしやすさ 

多い 
寛容的 
多い 
しやすい 

=取引パートナ