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X 0506 : 2000  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人 日本電子工業振興協会 (JEIDA) /

財団法人 日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申し出があり,

日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日本工業規格である。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

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バーコードシンボル− 

コーダバー (NW-7) −基本仕様 

Bar code symbol−Codabar−Basic specifications 

序文 この規格は,1994年に制定したJIS X 0503(バーコードシンボル−NW−7及びコード39−基本仕

様)から,NW−7に関連する部分を分離したものである。NW−7は国際的に広くコーダバー (Codabar) と

呼ばれており,この規格では以降,コーダバーと表記する。 

1. 適用範囲 この規格では,広く一般に用いるバーコードシンボル,コーダバーの次に示す仕様につい

て規定する。 

a) バーコードシンボルの表現方法 

b) バーコードシンボルの寸法 

c) バーコードシンボルの光学特性 

d) 印刷品質を確保するための条件 

備考 バーコードとは,異なる太さ及び間隔をもつ並行な縦線の組合せによって文字を表現するコー

ド(符号)をいい,バーコードンンボルは,バーコードの表記記号であり,コーダバーは7ビ

ットコードに対応するものである。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS Z 8720 測色用標準イルミナント(標準の光)及び標準光源 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。 

a) 黒バー (bar)  バーコードを構成する並行なバーのうち,反射率が低いバー。 

b) 白バー (space)  バーコードを構成する並行なバーのうち,反射率が高いバー。 

c) エレメント (element)  1本の黒バー又は白バー。 

d) 細エレメント (narrow element)  バーコードを構成する並行なバーのうち,幅が細いバー。 

e) 太エレメント (wide element)  バーコードを構成する並行なバーのうち,幅が太いバー。 

f) 

クワイエットゾーン (quiet zone)  バーコードの両端にある余白部分。 

g) キャラクタ間ギャップ (intercharacter gap)  隣接する二つのバーコードキャラクタの間に存在する

余白部分。 

h) バーコードキャラクタ (symbol character)  一定数の黒バーと白バーとで表された数字,文字及び特

殊文字。 

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i) 

スタートキャラクタ (start character)  バーコードの始まりを表すバーコードキャラクタ。 

j) 

ストップキャラクタ (stop character)  バーコードの終わりを表すバーコードキャラクタ。 

k) データキャラクタ (data character)  スタートキャラクタ及びストップキャラクタを除いたバーコー

ドキャラクタ。 

l) 

バーコードシンボル (bar code symbol)  バーコード部と先頭、末尾クワイエットゾーンとで構成さ

れるバーコード全体。 

m) バーコード部 (bar code part)  バーコードシンボルからクワイエットゾーンを除いたバーコードキ

ャラクタ群とキャラクタ間ギャップ群とで構成される部分。 

n) 最小反射率差 (minimum reflectance difference)  バーコードシンボルの光学特性を表し,5.2 で定義

される値。 

o) ボイド (void)  黒バーにおける欠け。 

p) スポット (spot)  白バー、キャラクタ間ギャップ及びクワイエットゾーンにおける汚れ。 

4. コーダバーの仕様 

4.1 

コーダバーの構成 コーダバーは,図1の構成例に示すように,左から左側クワイエットゾーン,

スタートキャラクタ,1個以上のデータキャラクタ,ストップキャラクタ,右側クワイエットゾーンの順

で構成し,各バーコードキャラクタの間にはキャラクタ間ギャップを設ける。 

図1 コーダバーの構成例 

4.2 

キャラクタの2進記号表示 各バーコードキャラクタは,4本の黒バーとそれに挟まれた3本の白バ

ーの合計7本で構成する。黒バー及び白バーのそれぞれに細エレメント及び太エレメントがある。細エレ

メントを“0”,太エレメントを“1”として,“0”と“1”との組合せでキャラクタを表す。各バーコード

キャラクタの構成は,表1のとおりとする。例としてスタートキャラクタ“A”及びデータキャラクタ“1”

を表すバーコードキャラクタを,図2に示す。 

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図2 スタートキャラクタ“A”及びデータキャラクタ“1”の構成例 

4.3 

スタートキャラクタ及びストップキャラクタ スタートキャラクタ及びストップキャラクタは,

“A”,“B”,“C”及び“D”の四つのバーコードキャラクタから選択する。いずれのバーコードキャラク

タを使用してもよく,スタートキャラクタに使用するバーコードキャラクタとストップキャラクタに使用

するバーコードキャラクタとの組合せは自由である。各バーコードキャラクタの構成は,表1のとおりと

する。 

4.4 

データキャラクタ データキャラクタには,数字の“0”から“9”及び特殊文字“-”(ハイフン),

“$”(ドル記号),“:”(コロン),“/”(斜線),“.”(ピリオド),“+”(正符号)の16バーコードキャラ

クタがある。各バーコードキャラクタの構成は,表1のとおりとする。 

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表1 NW−7のバーコードキャラクタ構成 

備考1. データキャラクタの数字“0”から“9”並びに特殊文字“−”及び“$”は,5本の細エレメント

及び2本の太エレメントとの合計7本で構成する。 

2. データキャラクタの特殊文字“:”,“/”,“.”及び“+”は,4本の細エレメント及び3本の太エ

レメントの合計7本で構成する。 

3. スタートキャラクタ並びにストップキャラクタ“A”,“B”,“C”及び“D”は,4本の細エレメン

ト及び3本の太エレメントの合計7本で構成する。 

4.5 

バーコードシンボルの寸法 

4.5.1 

バーコードシンボルの寸法一般 バーコードシンボルの寸法は,呼び細エレメント幅 (X) ,呼び

太エレメント幅 (Y) ,太エレメント幅と細エレメント幅との比率 (N) ,キャラクタ間ギャップの幅,左

右のクワイエットゾーンの幅及びエレメント幅許容差 (t) で規定する。寸法は,mm単位で小数第3位ま

でとし,小数第4位以下を切り捨てる。 

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4.5.2 

太エレメント幅と細エレメント幅との比率 太エレメント幅と細エレメント幅との比率 (N) は,

2.0〜3.0の範囲とする。 

X

Y

N=

ここに, N: 太エレメント幅と細エレメント幅との比率 
 

X: 呼び細エレメント幅 (mm)  

Y: 呼び太エレメント幅 (mm)  

4.5.3 

キャラクタ間ギャップの幅 キャラクタ間ギャップの幅は,白バーの細エレメント幅以上とする。 

4.5.4 

クワイエツトゾーンの幅 左右のクワイエットゾーンの幅は,各々スタートキャラクタ及びストッ

プキャラクタの幅以上とする。 

4.5.5 

エレメント幅の許容差 細エレメント幅及び太エレメント幅許容差 (t) は,次の式で得られる値を

最大値とする。次の式の意味する関係を,図3に示す。 

X

N

t

20

)8

5( −

±

=

ここに, 

t: エレメント幅の許容差 (mm)  

N: 太エレメント幅と細エレメント幅との比率 

X: 呼び細エレメント幅 (mm)  

備考 図に示した呼び細エレメント幅 (X) の

最大値及び最小値は,呼び細エレメント 
(X) の上限及び下限を規定するものでは
ない。 

図3 エレメント幅の許容差の最大値 

5. バーコードシンボルの光学的特性 

5.1 

光学的特性の管理 印刷されたバーコードシンボルの光学的特性は,5.2に規定する反射率及び最小

反射率差で管理する。 

5.2 

反射率及び最小反射率差 反射率は,酸化マグネシウム(MgO)又は硫酸バリウム(BaSO4)を白の標準

として比較する。酸化マグネシウム又は硫酸バリウムの反射率を100%とし,使用するスペクトルバンド

の反射光が皆無の場合を0%とする。最小反射率差 (MRD : Minimum Reflectance Difference) は,次の式で

定義する。RD,RL,MRDの関係は,呼び細エレメント幅 (X) の寸法によって,表2の条件をすべて満足

しなければならない。 

なお,表2の条件を満足する反射率及び反射率差の範囲を,図4及び図5に示す。 

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MRD=RL−RD 

ここに, MRD: 最小反射率差 
 

RL: 白バー,キャラクタ間ギャップ及びクワイエットゾーンの

最小反射率 (%)  

RD: 黒バーの最大反射率 (%)  

RL,RD は,5.3に示す条件によって測定する。 

表2 反射率及び最小反射率差の条件 

X (mm) 

RL (%) 

RD (%) 

MRD (%)  

X<1.020 

37.5以上 

30.0以下 

37.5以上 

X≧1.020 

25.0以上 

30.0以下 

20.0以上 

備考 

部は,規定範囲を示す。 

図4 反射率及び反射率差の範囲(Χ<1.020mm) 

備考 

部は,規定範囲を示す。 

図5 反射率及び反射率差の範囲(Χ≧1.020mm) 

5.3 

反射率測定のための条件 

5.3.1 

光源 光源は,JIS Z 8720に規定するA光源とする。 

5.3.2 

受光素子感度特性 受光素子感度特性は,S−4レスポンスとする。 

参考 アメリカ電子装置工業会 (Joint Electron Devices Engineering Council) の規定参照。 

5.3.3 

フィルタの特性 フィルタ特性は,ラッテン26フィルタの特性と同等とする。 

5.3.4 

光源の入射角 光源の入射角は,バーコードシンボル面上の法線に対して4πrad (45°) とする。 

5.3.5 

測定領域 測定領域は,直径が呼び細エレメント幅(Χ)の0.8倍の円形とする。 

5.4 

ボイド・スポット ボイド又はスポットを含むいかなる測定においても,バーコードシンボルは,

5.2に規定する反射率及び最小反射率差を満足しなければならない。 

5.5 

刷色 バーコードシンボルの印刷は,5.2に規定する反射率及び最小反射率差を満足するいかなる組

合せも使用できる。 

6. 印刷品質確保のための条件 

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6.1 

印刷品質に関する特性 バーコードシンボルの印刷品質に関する特性は,寸法上の特性及び光学的

特性がある。バーコードシンボルの読取性能は,印刷品質によって大きな影響を受けるので,常に良好な

印刷品質を確保するため,5.2及び5.3によることが望ましい。 

6.2 

寸法上の特性 寸法上の特性は,4.5で規定され,一つのキャラクタの中での黒バー幅と白バー幅と

の寸法は,各々独立に設定可能であるが,次の点に留意する。 

a) 一つのバーコードキャラクタの中で用いられる黒バーの細エレメント幅の寸法及び白バーの細エレメ

ント幅の寸法は,同じにする。 

b) 一つのバーコードキャラクタの中で用いられる黒バーの太エレメント幅の寸法及び白バーの太エレメ

ント幅の寸法は,同じにする。 

c) 一つのバーコードキャラクタの中で用いられる太エレメント幅及び細エレメント幅との比率 (Ν) は,

黒バーと白バーで同じにする。 

d) 一つのバーコードの中で用いられる複数のバーコードキャラクタに用いられる各エレメント幅の寸法

及び太エレメント幅と細エレメント幅との比率 (Ν) は,同じにする。 

e) キャラクタ間ギャップの幅は,最大で3バーコードキャラクタに制限する。 

6.3 

光学特性 光学特性は,5.2で規定する反射率及び最小反射率差をもつものとするが,次の点に留意

する。 

a) バーコードシンボルの黒バーと白バー,キャラクタ間ギャップ及びクワイエットゾーンは,より高い

反射率差を保持すること。 

b) バーコードシンボル内では,黒バーの反射率並びに白バー,キャラクタ間ギャップ及びクワイエット

ゾーンの反射率の均一性を保持すること。 

c) 黒バー内部には,ボイドを,白バー,キャラクタ間ギャップ及びクワイエットゾーン内部には,スポ

ットをできる限り少なくすること。 

7. 印刷媒体 印刷媒体は,5.2 に規定する反射率及び最小反射率差を満足する印刷が可能なものとする。 

関連規格 AIM USS−Codabar Uniform Symbology specification−Codabar 

ISO/IEC FDIS 15416 Automatic identifcation and data capture techniques-Bar code print quality test 

specification−Linear symbols 

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バーコードシンボルJIS原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

柴 田   彰 

株式会社デンソー 

(幹事) 

高 井 弘 光 

株式会社デンソー 

(幹事) 

桜 沢 秀 治 

株式会社サトー 

藤 井 研 一 

社団法人日本自動認識システム協会 

佐 藤   誠 

財団法人流通システム開発センター 

阿 部   要 

社団法人日本包装技術協会 

石 井 徹 郎 

社団法人日本ロジスティクスシステム協会 

大 沼 広 洲 

社団法人全日本トラック協会 

工 藤 泰 博 

社団法人鋼材倶楽部 

老 川 健 二 

財団法人日本情報処理開発協会 

北 島 常 吉 

凸版印刷株式会社 

内 村 光 雄 

東芝テック株式会社 

萩 原 俊 夫 

株式会社東研 

田 川   淳 

工業技術院標準部 

(オブザーバ) 

橋 本   進 

財団法人日本規格協会 

(事務局) 

東 條 善 義 

社団法人日本電子工業振興協会 

藤 井 慶 三 

社団法人日本電子工業振興協会 

バーコードシンボルJIS原案作成委員会・分科会 構成表 

氏名 

所属 

(主査) 

高 井 弘 光 

株式会社デンソー 

(副主査) 

桜 沢 秀 治 

株式会社サトー 

今 井 博 行 

社団法人日本自動認識システム協会 

深 田 陸 雄 

財団法人流通システム開発センター 

澤 村 邦 夫 

社団法人日本包装技術協会 

老 川 健 二 

財団法人日本情報処理開発協会 

北 島 常 吉 

凸版印刷株式会社 

杉 山   誠 

東芝テック株式会社 

宮 本 雅 史 

株式会社山武 

高 橋 克 征 

株式会社ウェルキャット 

守 山 尚 昭 

日本IDテック株式会社 

辻 本 有 伺 

株式会社デンソー 

田 川   淳 

工業技術院標準部 

(オブザーバ) 

福 田 卓 蔵 

財団法人日本規格協会 

(事務局) 

藤 井 慶 三 

社団法人日本電子工業振興協会