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X 0145-2:2008 (ISO/IEC 15504-2:2003)

(1) 

目  次

ページ

序文

1

1  適用範囲

1

2  引用規格

2

3  用語及び定義

2

4  アセスメントの実施

2

4.1  概要

2

4.2  アセスメントプロセス

3

4.3  役割及び責任

4

4.4  アセスメント初期入力の定義

5

4.5  アセスメント出力の記録

5

5  プロセス能力測定のための枠組み

6

5.1  水準 0:不完全なプロセス

6

5.2  水準 1:実施されたプロセス

6

5.3  水準 2:管理されたプロセス

7

5.4  水準 3:確立されたプロセス

7

5.5  水準 4:予測可能なプロセス

8

5.6  水準 5:最適化しているプロセス

9

5.7  プロセス属性の評定

9

5.8  プロセス能力水準のモデル

10

6  プロセスアセスメントに対するモデル

10

6.1  概要

10

6.2  プロセス参照モデル

11

6.3  プロセスアセスメントモデル

12

7  適合性の検証のための仕組み

14

7.1  概要

14

7.2  プロセス参照モデルの適合性の検証

14

7.3  プロセスアセスメントモデルの適合性の検証

15

7.4  プロセスアセスメントの適合性の検証

15

 


 
X 0145-2:2008 (ISO/IEC 15504-2:2003)

(2) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本

工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。

JIS X 0145 の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

X

0145-1  第 1 部:概念及び用語

JIS

X

0145-2  第 2 部:アセスメントの実施

JIS

X

0145-3  第 3 部:アセスメントの実施のための手引(発行予定)

JIS

X

0145-4  第 4 部:プロセス改善及びプロセス能力判定のための利用の手引(発行予定)


 

   

日本工業規格

JIS

 X

0145-2

:2008

(ISO/IEC 15504-2

:2003

)

情報技術−プロセスアセスメント−

第 2 部:アセスメントの実施

Information Technology−Process Assessment−

Part 2: Performing an assessment

序文

この規格は,2003 年に第 1 版として発行された ISO/IEC 15504-2 を基に,その訂正である Technical

Corrigendum 1 (2004)

を反映し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある“

注記”は,対応国際規格にはない事項である。

注記  日本工業規格では,部で構成する規格がある場合,この部編成の規格全体を総称して,“規格群”

と呼ぶ。この規格では,日本工業規格になっていない国際規格を含めて,規格全体を総称する

場合は,

“規格類”と呼ぶ。

なお,JIS X 0145 規格類には,JIS X 0145 規格群のほか,次の規格を含む。

−  ISO/IEC 15504-5,Information technology−Process Assessment−Part 5: An exemplar Process

Assessment Model

1

適用範囲

この規格は,改善及び能力判定のためのプロセスのアセスメント並びにプロセスアセスメントの適用を

取り扱う。この規格は,診断対象プロセスのアセスメント結果が,客観的で,公平で,一貫していて,再

現可能で,かつ,代表的であることを確実にするアセスメント実施のための最小限の要求事項を定義する。

アセスメント範囲が類似していると考えられるときには,適合するプロセスアセスメントの結果を比較し

てもよい。結果の比較に関する手引は,JIS X 0145-4 による。

この規格で定義しているプロセスアセスメントの要求事項は,次のような条件を満たす構成になってい

る。

a)  自己アセスメントを促進する。

b)  プロセス改善及び能力判定で使用する基準を提供する。

c)  診断対象プロセスを実行している背景を考慮に入れる。

d)  プロセス評定を作る。

e)  目的を達成するためのプロセスの能力を取り扱う。

f)  すべての適用分野及び組織の大きさにわたって適用可能である。

g)  組織間で客観的なベンチマークを提供してもよい。

注記 1  著作権について,この規格の意図することは,次のことである。

−  この規格の利用者は,任意のプロセスアセスメントモデルの一部分として,この規格内

の関連する部分を自由に複製してよい。



X 0145-2:2008 (ISO/IEC 15504-2:2003)

   

  この規格との適合性を実証する一部分として,関連する部分を自由に複製してよい。

注記 2  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO/IEC 15504-2:2003,Information technology−Process assessment−Part 2: Performing an

assessment (IDT)

なお,対応の程度を表す記号

(IDT)

は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,一致していることを

示す。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

には適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS X 0145-1  情報技術−プロセスアセスメント−第 1 部:概念及び用語

注記  対応国際規格:ISO/IEC 15504-1,Information technology−Process assessment−Part 1: Concepts

and vocabulary (IDT)

JIS X 0160:2007  ソフトウェアライフサイクルプロセス

注記  対応国際規格:ISO/IEC 12207:1995,Information technology−Software life cycle processes,

Amendment 1 (2002)

及び Amendment 2 (2004) (IDT)

JIS X 0170:2004  システムライフサイクルプロセス

注記  対応国際規格:ISO/IEC 15288:2002,Systems engineering−System life cycle processes (IDT)

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS X 0145-1 による。

4

アセスメントの実施

4.1

概要

プロセスアセスメントは,組織のプロセス実行能力を理解することを目的とする。プロセスアセスメン

トの実行に成功すると,次のようになる。

a)  診断対象プロセスを特徴付ける情報及びデータが分かる。

b)  プロセスがプロセスの目的をどの程度達成しているかが分かる。

ここでは,この規格に適合するアセスメントの要求事項を規定する。要求事項は,アセスメント出力が

首尾一貫し,評定を実証するための証拠の提供を確実にする助けとなる。

図 は,この規格における規定

要素の構成を示す。

注記  より高い能力水準は,組織の事業目標を満たすような更に大きな確信を与えることができる。

より低い能力水準は,リスクの潜在的な源を示すことができる。


3

X 0145-2:2008 (ISO/IEC 15504-2:2003)

 

図 1−この規格の規定要素

4.2

アセスメントプロセス

4.2.1

アセスメント目的を満足することができる文書化したアセスメントプロセスに従って,アセスメン

トを実施しなければならない。

4.2.2

文書化されたアセスメントプロセスは,少なくとも次の活動を含んでいなければならない。

a)  計画立案  少なくとも次の事項を含めて,アセスメント計画を作成し,文書化しなければならない。

1)  この規格で規定する必要な入力

2)  アセスメントを行うに当たって実施すべき活動

3)  この活動に割り当てる資源及び日程

4)  アセスメントにおける参加者の識別及び定義した責務

5)  この規格の要求事項を満たしていることを検証するための基準

6)  計画したアセスメント出力に関する記述

b)  データ収集  アセスメント範囲[4.4.2 c)

参照]内のプロセスを評価するために必要なデータ及び追加

情報[4.4.2 j)

参照]は,体系的な方法で収集し,少なくとも次の要求事項を満たさなければならない。

1)  データの選択・収集・分析の戦略及び技法,並びに評定の正当化の戦略及び技法を,明確に識別し,

具体的に示す。

2)  アセスメント範囲に明記した組織単位のプロセスとプロセスアセスメントモデルの構成要素との対

応を確立する。

プロセスアセスメントモデル
−  適用範囲

−  指標 
−  対応付け 
−  変換

アセスメントプロセス 
−  計画立案 
−  データ収集 
−  データの妥当性確認

−  プロセス属性評定 
−  報告書作成

アセスメント初期入力 
−  アセスメントの目的
−  アセスメントの適用

範囲

−  アセスメント制約 
−  プロセスアセスメン

トモデルの識別

−  アセスメントの進め

−  アセッサ適格性の判

定基準

−  追加情報

アセスメント出力 
−  アセスメント実施日 
−  アセスメント入力 
−  記録の特定

−  使用されたアセスメントプ

ロセス

−  プロセスプロファイル 
−  追加情報

役割及び責任 
−  依頼者 
−  適格アセッサ 
−  アセッサ

プロセス参照モデル 
−  適用領域及び適用範囲 
−  プロセス目的 
−  プロセス成果

測定の枠組み 
−  能力水準

−  プロセス属性 
−  評定尺度



X 0145-2:2008 (ISO/IEC 15504-2:2003)

   

3)  アセスメント範囲で識別した各プロセスを,客観的証拠に基づいて診断する。

4)  それぞれの診断対象プロセスの各属性について収集した客観的証拠は,アセスメントの目的及びア

セスメントの範囲を満たすために十分なものでなければならない。

5)  収集した客観的証拠の識別情報を,評定の根拠の基準を提供するために記録し,維持する。

c)  データの妥当性確認  収集したデータの妥当性確認のために,次の事項を行わなければならない。

1)  収集した証拠が客観的であることを確認する。

2)  客観的証拠がアセスメントの範囲及びアセスメントの目的を網羅するために十分で代表的なもので

あることを確実にする。

3)  データが全体として一貫していることを確実にする。

d)  プロセス属性評定  各プロセス属性の妥当性確認を行ったデータに基づいて,次のように評定を行わ

なければならない。

1)  一連のプロセス属性評定は,定義している組織単位のプロセスプロファイルとして記録する。

2)  アセスメントを行う間,プロセス属性を評定するアセッサの判断を支援し,アセスメント相互間の

再現性の基準を提供するために,プロセスアセスメントモデルにおいて定義している一連のアセス

メント指標を使用する。

3)  評定の判断を導き出すために使用した意思決定プロセスを記録する。

4)  属性評定とその評定を決定するときに使用した客観的証拠との間の追跡可能性を維持する。

5)  評定した各プロセス属性に対して,指標と客観的証拠との関係を記録する。

e)  報告  少なくとも 4.5 に規定した出力を含んだアセスメント結果を文書化し,アセスメント依頼者又

は依頼者が委任した人に報告する。

4.3

役割及び責任

4.3.1

アセスメントの依頼者は,次のことを実施しなければならない。

a)  アセスメントの適合性に責任をもつ個人が適格アセッサであることを検証する。

b)  アセスメントを実施するために資源を利用可能にすることを確実にする。

c)  アセスメントチームが関連する資源を利用することを確実にする。

4.3.2

適格アセッサは,次のことを実施しなければならない。

a)  アセスメントを始めるために依頼者の責務を確認する。

b)  この規格の要求事項に従って,アセスメントを実施することを確実にする。

c)  アセスメントの参加者がアセスメントの目的,範囲及び進め方について概要説明を受けることを確実

にする。

d)  アセスメントチームの全員が,その役割に適切な知識及びスキル(技術)をもつことを確実にする。

e)  アセスメントチームの全員が,定義したアセスメント活動の実施方法について,適切に文書化した手

引を利用できることを確実にする。

f)  アセスメントチームが,アセスメントを支援するために選択したツールを使用する能力を備えている

ことを確実にする。

g)  提出したアセスメント結果を依頼者が受領したことを確認する。

h)  アセスメントの完了時に,JIS X 0145 規格類に対するアセスメントの適合性の程度を検証し,文書化

する(7.4 も参照)

4.3.3

アセッサは,次のことを実施しなければならない。

a)  アセスメントに関連して,割り当てた活動を実行する。例えば,詳細計画作成,データ収集,データ


5

X 0145-2:2008 (ISO/IEC 15504-2:2003)

妥当性確認及び報告である。

b)  プロセス属性の評定を行う。

4.4

アセスメント初期入力の定義

4.4.1

アセスメント入力は,アセスメントのデータ収集段階に先立って定義し,アセスメントの依頼者又

は依頼者が委任した人によって承認されなければならない。

4.4.2

少なくとも,アセスメント入力として,次のことを明記しなければならない。

a)  アセスメントの依頼者の識別及び診断対象組織単位に対する依頼者の関係

b)  アセスメントの目的

c)  次を含むアセスメント範囲

1)  組織単位において,調査すべきプロセス

2)  アセスメント範囲において,各プロセスに対して調査すべき最も高い能力水準

3)  プロセスを展開する組織単位

4)  次を含む背景

i)

組織単位の規模

ii)  組織単位の製品又はサービスの適用分野

iii)  組織単位の製品又はサービスの主要な特性(例えば,規模,重要性,複雑さ及び品質)

d)  アセスメントの進め方

e)  少なくとも,次のことを考慮しているアセスメント制約

1)  主な資源の利用可能性

2)  アセスメントに費やす最長期間

3)  アセスメントから除外する特定のプロセス又は組織単位

4)  アセスメントで調査する客観的証拠の量及び種類

5)  アセスメント出力の所有権及びこれらの使用上の制限

6)  機密保持契約の結果として生じる情報の制御

f)  6.3 で定義する要求事項を満たすプロセスアセスメントモデルの識別(使用したプロセス参照モデル

の識別を含む。

1)  プロセス参照モデルがシステムエンジニアリングプロセス又はソフトウェアエンジニアリングプロ

セスを含んでいる場合,これらのプロセスと JIS X 0170:2004 又は JIS X 0160:2007 の

附属書 との

関連を定義する。

g)  適格アセッサの特定

h)  アセスメントに責任を負うアセッサの適格性の判定基準

i)

アセスメントに特定の責任を負う,アセスメント対象者,アセスメントチーム及びアセスメント支援

要員の特定及び役割

j)  プロセス改善又はプロセス能力判定を支援するために,アセスメント中に収集すべき追加情報。例え

ば,特定の事業目標を満たす組織の能力を数量化するために必要な特定のデータ(又は,測定結果)

追加情報には,6.3.5 及びその

注記に詳述した情報を含めてもよい。

4.4.3

アセスメント入力での変更は,依頼者又は依頼者が委任した人と合意し,アセスメント記録の中に

文書化しなければならない。

4.5

アセスメント出力の記録

4.5.1

依頼者又は依頼者が委任した人が保存するために,アセスメントに関係があり,かつ,アセスメン



X 0145-2:2008 (ISO/IEC 15504-2:2003)

   

トの出力の理解を助ける情報を編集し,アセスメント記録に含めなければならない。

4.5.2

少なくとも,アセスメント記録には,次のことを含めなければならない。

a)  アセスメント実施日

b)  アセスメント入力

c)  収集した客観的な記録の特定

d)  文書化したアセスメントプロセスの特定

e)  アセスメントに由来する一連のプロファイル(診断したプロセスごとに一つのプロファイル)

f)  4.4.2 j)

で規定したようなアセスメント期間中に収集した追加情報の特定

5

プロセス能力測定のための枠組み

ここでは,プロセス能力アセスメントのための測定の枠組みを定義する。最下位の尺度“不完全”から

最上位の尺度“最適化”までにプロセス能力を診断できるようにする,6 段階の順序尺度によって,プロ

セス能力を定義する。この尺度は,プロセスの目的を達成していない状態から現在及び計画した事業目標

を満たしている状態まで,実行したプロセスの能力の向上を表している。

測定の枠組みは,プロセスアセスメントモデルに照らして,実行したプロセスの能力を特徴付けるため

に用いるための概要を提供する。

この測定の枠組みでは,能力の測定は,一そろいのプロセス属性(PA)に基づいている。各属性は,プ

ロセス能力の特定の側面を定義している。プロセス属性の達成の程度は,定義している評定尺度で特徴付

けられる。プロセス属性の達成とプロセス属性の定義している分類との組合せによって,プロセス能力水

準を決定する。

プロセス属性(PA)を相互に独立に評定できるように定義しているが,これは各属性間にほかの関係が

ないことを示しているわけではない。例えば,能力軸上で,一つの属性の達成を,別の属性の達成に関係

付けてもよい。

注記  プロセス属性(PA)の中の要素の一覧は,順序又は優先度を示すものではなく,単に識別のた

めだけのものである。

5.1

水準 0:不完全なプロセス

プロセスを実行していない又はそのプロセスの目的を達成していない。

この水準では,プロセスの目的を,体系的に達成しているという証拠がほとんどないか又は全くない。

5.2

水準 1:実施されたプロセス

実行したプロセスが,そのプロセスの目的を達成している。

プロセスの次の属性が,この水準の達成を実証している。

注記  実証(demonstrate)は,明確な証拠が存在するというよりは,例えば,実際の振る舞いを示す

ことによって内容をより具体的に説明することをいう。ここでは,

“プロセス実行属性”が,

“実

施されたプロセス”の達成を示していることを“実証”といっている。

5.2.1

PA 1.1  プロセス実行属性

プロセス実行属性は,プロセスの目的を達成する程度を示す測定量である。この属性を十分に達成した

結果は,次のとおりである。

a)  プロセスは,定義された成果を達成している。

注記  プロセス属性(PA)における測定量(measure)は,FLPN5.7.2 参照)の値を示す。各プロセ

ス属性を尺度(scale)と呼んでいるため,異なる用語を使用している。JIS X 0141:2004 におけ


7

X 0145-2:2008 (ISO/IEC 15504-2:2003)

る順序尺度と同じ意味である。

5.3

水準 2:管理されたプロセス

ここでは,水準 1 の“実施されたプロセス”を,管理された方法(すなわち,計画し,監視し,調整し

た方法)で実行しており,その作業生産物も,適切に確立し,制御し,維持している。

プロセスの次の属性は,水準 1 で定義する属性とともに,この水準の達成を実証している。

5.3.1

PA 2.1  実行管理属性

実行管理属性は,プロセスの実施を管理している程度を示す測定量である。この属性を十分に達成した

結果は,次のとおりである。

a)  プロセスの実行の目標を識別している。

b)  プロセスの実行を計画し,監視している。

c)  プロセスの実行が計画を満たすように調整している。

d)  プロセスを実施するための責任及び権限を定義し,割り当て,伝達している。

e)  プロセスを実施するために必要な資源及び情報を識別し,利用可能にし,配分し,利用している。

f)  効果的な伝達及び明確な責任の割当ての両方を確実にするために,関係者間のインタフェースを管理

している。

5.3.2

PA 2.2  作業生産物管理属性

作業生産物管理属性は,プロセスによって作り出される作業生産物を適切に管理している程度を示す測

定量である。この属性を十分に達成した結果は,次のとおりである。

a)  プロセスの作業生産物に対する要求事項を定義している。

b)  作業生産物の文書化及び制御に対する要求事項を定義している。

c)  作業生産物を適切に識別し,文書化し,制御している。

d)  計画した取り決めに従って作業生産物をレビューし,必要であれば要求事項を満たすように調整して

いる。

注記 1  作業生産物の文書化及び制御に対する要求事項には,変更及び改訂状況の識別に対する要求

事項,作業生産物の承認及び再承認の識別に対する要求事項,並びに利用する時点で利用可

能で,適用可能な作業生産物の関連する版を作成することに対する要求事項を含めてもよい。

注記 2  5.3.2 で参照している作業生産物は,プロセスの成果を達成することで得られるものである。

5.4

水準 3:確立されたプロセス

ここでは,水準 2 の“管理されたプロセス”は,プロセスの成果を達成することができる,定義された

プロセスを使用して実行している。

プロセスの次の属性は,水準 2 までで定義する属性とともに,この水準の達成を実証している。

5.4.1

PA 3.1  プロセス定義属性

プロセス定義属性は,定義されたプロセスの展開を支援するために,標準プロセスを維持管理している

程度を示す測定量である。この属性を十分に達成した結果は,次のとおりである。

a)  定義されたプロセスに盛り込まなければならない基本要素を規定している標準プロセスを,適切な修

整の手引を含めて,定義している。

b)  標準プロセスとその他のプロセスとの順序関係及び相互作用を定めている。

c)  プロセスを実施するために必要な適格性及び役割を,標準プロセスの一部として識別している。

d)  プロセスを実施するために必要な基盤及び作業環境を,標準プロセスの一部として識別している。

e)  プロセスの効果性及び適切性を監視するために適切な方法を定めている。



X 0145-2:2008 (ISO/IEC 15504-2:2003)

   

注記  修整の手引が必要でないならば,定義されたプロセスを展開する場合,標準プロセスをそのま

まで利用してもよい。

5.4.2

PA 3.2  プロセス展開属性

プロセス展開属性は,定義されたプロセスとしてそのプロセスの成果を達成するために,標準プロセス

を効果的に展開している程度を示す測定量である。この属性を十分に達成した結果は,次のとおりである。

a)  適切に選択及び/又は修整された標準プロセスに基づいて,定義されたプロセスを展開している。

b)  定義されたプロセスを実施するために必要な,役割,責任及び権限を,割り当て,伝達している。

c)  定義されたプロセスを実施する要員に,適切な教育,訓練及び経験に基づいた適格性がある。

d)  定義されたプロセスを実施するために必要な資源及び情報を,利用可能にし,割り当て,利用してい

る。

e)  定義されたプロセスを実施するのに必要な基盤及び作業環境を利用可能にし,管理し,維持している。

f)  プロセスの振る舞いを理解するための根拠として,プロセスの適切性及び効果性を実証するため,並

びにプロセスの継続的改善を評価するために,適切なデータを収集し,分析している。

注記  適格性は,教育,訓練及び経験を通して身に付けた知識,スキル(技術)及び個人の属性の組

合せに由来する。

5.5

水準 4:予測可能なプロセス

ここでは,水準 3 の“確立されたプロセス”は,プロセス成果を達成するために,定義する範囲内で運

用している。

プロセスの次の属性は,水準 3 までで定義する属性とともに,この水準の達成を実証している。

5.5.1

PA 4.1  プロセス計測属性

プロセス計測属性は,プロセスの実施によって,定義している事業目標の下に,関連するプロセス実行

目標の達成を支援していることを確実にするために測定結果を利用している程度を示す測定量である。こ

の属性を十分に達成した結果は,次のとおりである。

a)  関連する定義している事業目標の下に,プロセス情報ニーズを設定している。

b)  プロセス情報ニーズから,プロセス測定目標を導き出している。

c)  関連する事業目標の下に,プロセス実行に関する定量目標値を設定している。

d)  プロセス測定目標及びプロセス実行に関する定量目標値に従って,測定量及び測定の頻度を識別し,

定義している。

e)  プロセス実行のための定量目標値を達成している程度を観測するために測定結果を収集し,分析し,

報告している。

f)  測定結果をプロセス実行の特徴付けに使用している。

注記 1  情報ニーズは,通常は,管理ニーズ,技術的ニーズ,プロジェクトニーズ,プロセスニーズ

又は製品ニーズを反映する。

注記 2  測定量はプロセスの測定量若しくは製品の測定量又はその両方であってもよい。

5.5.2

PA 4.2  プロセス制御属性

プロセス制御属性は,定義する範囲内で,安定し,能力があり,予測可能であるプロセスを生み出すた

めに,そのプロセスを定量的に管理している程度を示す測定量である。この属性を十分に達成した結果は,

次のとおりである。

a)  適用可能ならば,分析技術及び制御技術を決め,適用している。

b)  通常のプロセス実行に対して,変動の管理限界を設定している。


9

X 0145-2:2008 (ISO/IEC 15504-2:2003)

c)  変動の特別な要因について,測定データを分析している。

d)  変動の特別な要因について,是正処置を講じている。

e)  必要であれば,是正処置に応じて管理限界を再設定している。

5.6

水準 5:最適化しているプロセス

ここでは,水準 4 の“予測可能なプロセス”を,関連する現在の事業目標及び計画した事業目標を満た

すように絶えず改善している。

プロセスの次の属性が,水準 4 までで定義する属性とともに,この水準の達成を実証している。

5.6.1

PA 5.1  プロセス革新属性

プロセス革新属性は,実行における変動の共通要因の分析,及びプロセスを定義し展開するための革新

的な進め方の調査によって,プロセスへの変更を識別する程度を示す測定量である。この属性を十分に達

成した結果は,次のとおりである。

a)  プロセスについて,ビジネスゴール事業目標を支援するプロセス改善の目標を定義している。

b)  プロセス実行における変動の共通要因を識別するために適切なデータを分析している。

c)  ベストプラクティス及び革新の機会を識別するために適切なデータを分析している。

d)  新しい技術及びプロセスの概念から導き出された改善の機会を識別している。

e)  プロセス改善の目標を達成するための実行戦略を確立している。

5.6.2

PA 5.2  プロセス最適化属性

プロセス最適化属性は,そのプロセスの定義,管理及び実行に対する変更が,関係するプロセス改善目

標の達成という効果的な影響をもたらす程度を示す測定量である。この属性を十分に達成した結果は,次

のとおりである。

a)  提案されたすべての変更の影響を,定義されたプロセス及び標準プロセスの目標に対して診断してい

る。

b)  プロセス実行に対するあらゆる混乱を理解し,対処することを確実にするために,すべての同意した

変更の実行を管理している。

c)  結果が共通要因又は特別な要因によるかを判断するために,実際の実行に基づくプロセス変更の有効

性を,定義する製品の要求事項及びプロセスの目標に対して評価している。

5.7

プロセス属性の評定

5.7.1

プロセス属性評定の尺度

プロセス属性の達成の程度は,次に定義する順序尺度を使用して測定する。

5.7.2

プロセス属性評定値

プロセス属性の達成の水準を表現するために,次に定義する評定の順序尺度を使用する。

N  達成していない(Not achieved

診断対象プロセスにおいて定義する属性を達成しているという証拠がほとんどないか,又は全くない。

P

部分的に達成している(Partially achieved

診断対象プロセスにおいて定義する属性に取り組んでいるという幾つかの証拠,及び定義する属性を

幾つか達成しているという証拠がある。この属性の達成の幾つかの側面は,予測不可能であってもよ

い。

L  おおむね達成している(Largely achieved

診断対象プロセスにおいて定義する属性に取り組んでいるという幾つかの証拠,及び定義する属性を

かなり達成しているという証拠がある。この属性に関係する幾つかの弱みは,診断対象プロセスに存


10 
X 0145-2:2008 (ISO/IEC 15504-2:2003)

   

在してもよい。

F

十分達成している(Fully achieved

診断対象プロセスにおいて定義する属性に完全に,かつ,系統的に取り組んでいるという証拠,及び

定義する属性を十分に達成しているという証拠がある。この属性に関係する顕著な弱みは,診断対象

プロセスに存在しない。

上記で規定した順序尺度の点は,達成の程度を表現するパーセンテージで表現した尺度に置き換えて理

解しなければならない。

対応する値は,次のとおりである。

N

達成していない

0

%以上 15

%までの達成

P

部分的に達成している 15

%を超え 50

%までの達成

L

おおむね達成している 50

%を超え 85

%までの達成

F

十分達成している 85

%を超え 100

%までの達成

5.7.3

プロセス属性評定

各プロセス属性は,5.7.2 で定義する評定の順序尺度を使用して評定しなければならない。プロセスは,

アセスメント範囲で定義する最も高い能力水準までを含めて診断しなければならない。

注記  プロセスに対する一連のプロセス属性評定をそのプロセスのプロファイルとする。アセスメン

トの出力は,すべての診断対象プロセスに対する一連のプロファイルを含んでいる。

5.7.4

プロセス属性評定の参照

各プロセス属性評定は,診断したプロセス名及びそのプロセス属性を記録した識別子を付与しなければ

ならない。

注記 1  その表示が,この参照方法に従って,個別の評定を特定することができるならば,評定はど

のような様式(例えば,二次元の表又はデータベースの一部である様式)で表現してもよい。

注記 2  プロセス属性を記した識別子とは,例えば,表 における PA 1.1 という略号表記のことをい

う。

5.8

プロセス能力水準のモデル

5.8.1

プロセス能力水準の達成

プロセスで達成された能力水準は,

表 で定義するプロセス能力水準のモデルに従って,そのプロセス

のプロセス属性評定から導き出さなければならない。

注記  この要求事項の目的は,プロセスに対するプロセス能力水準を引用するときに,意味の統一性

を確実にすることである。

6

プロセスアセスメントに対するモデル

6.1

概要

ここでは,プロセスアセスメントを支援するために使用するプロセスモデルが満たさなければならない

要求事項を規定する。プロセスアセスメントモデルは,プロセスを定義している適切な参照文書,すなわ

ち,6.2 で規定しているプロセス参照モデルに基づかなければならない。特定のプロセス参照モデル又はそ

れ以外のモデルとの関係を通して適合性を主張するために,プロセスアセスメントモデルに対して求めら

れる要求事項を 6.3 で定義している。プロセスアセスメントモデルの適合性のための要求事項は,同じプ

ロセス参照モデルを基にしたアセスメントからの出力を,異なるプロセスアセスメントモデルを使用して,

比較することを可能にする。


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X 0145-2:2008 (ISO/IEC 15504-2:2003)

6.2

プロセス参照モデル

6.2.1

概要

ここでは,プロセス参照モデルに対する要求事項を規定する。

表 1−能力水準の評定

尺度

プロセス属性

評定

水準 1

プロセス実行(PA 1.1)

L(おおむね),又は F(十分)

水準 2

プロセス実行(PA 1.1) 
実施管理(PA 2.1)

作業生産物管理(PA 2.2)

F(十分) 
L(おおむね),又は F(十分) 
L(おおむね),又は F(十分)

水準 3

プロセス実行(PA 1.1) 
実施管理(PA 2.1) 
作業生産物管理(PA 2.2)

プロセス定義(PA 3.1) 
プロセス展開(PA 3.2)

F(十分) 
F(十分) 
F(十分) 
L(おおむね),又は F(十分) 
L(おおむね),又は F(十分)

水準 4

プロセス実行(PA 1.1) 
実施管理(PA 2.1)

作業生産物管理(PA 2.2) 
プロセス定義(PA 3.1) 
プロセス展開(PA 3.2)

プロセス計測(PA 4.1) 
プロセス制御(PA 4.2)

F(十分) 
F(十分) 
F(十分) 
F(十分) 
F(十分) 
L(おおむね),又は F(十分) 
L(おおむね),又は F(十分)

水準 5

プロセス実行(PA 1.1) 
実施管理(PA 2.1) 
作業生産物管理(PA 2.2)

プロセス定義(PA 3.1) 
プロセス展開(PA 3.2) 
プロセス計測(PA 4.1)

プロセス制御(PA 4.2) 
プロセス革新(PA 5.1) 
プロセス最適化(PA 5.2)

F(十分) 
F(十分) 
F(十分) 
F(十分) 
F(十分) 
F(十分) 
F(十分) 
L(おおむね),又は F(十分) 
L(おおむね),又は F(十分)

6.2.2

プロセス参照モデルの目的及び適用範囲

プロセス参照モデルは,定義するプロセスアセスメントモデルがこの規格で定義している測定の枠組み

に関係する仕組みを提供する(

図 参照)。プロセス参照モデルは,この規格の外部で定義され,一つ以上

のプロセスアセスメントモデルに対して基準を提供する。プロセスアセスメントモデルは,プロセス参照

モデルで提供されるプロセス記述に基づく。再現可能で,信頼できる方法で,アセスメント結果を JIS X 

0145 規格類のプロセスプロファイルに変換することができることを保証するために,プロセス参照モデル

は,幾つかの要求事項に従わなければならない。

6.2.3

プロセス参照モデルに対する要求事項

6.2.3.1

プロセス参照モデルは,次の事項を含まなければならない。

a)  プロセス参照モデルの領域の宣言

b)  6.2.4 の要求事項を満足する,プロセス参照モデルの適用範囲内のプロセスの記述

c)  プロセス参照モデルとそれを利用しようとしている背景との関係の記述

d)  プロセス参照モデルに定義しているプロセス間の関係の記述


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X 0145-2:2008 (ISO/IEC 15504-2:2003)

   

6.2.3.2

プロセス参照モデルは,そのモデルに関心をもっている人たち及びその人たちの中で合意を得る

ための行動を,次のように文書化しなければならない。

a)  直接的に関心のある人たちを特徴付けるか,指定する。

b)  合意の達成度合いを文書化する。

c)  合意達成のための行動をとらない場合,その影響を文書化する。

6.2.3.3

プロセス参照モデルで定義されたプロセスは,一意のプロセス記述及び識別情報をもっていなけ

ればならない。

注記  ここに含まないプロセス参照モデルの構成要素は,参考情報である。

6.2.4

プロセス記述

プロセス参照モデルの基本的な構成要素は,そのモデルの適用範囲内でのプロセスの記述である。プロ

セス参照モデルでのプロセス記述は,プロセスの目的の十分な達成を実証する一連の成果とともに,プロ

セスを実施する全体的な目標を高い水準で記載したプロセスの目的の記述から成り立っている。これらの

プロセス記述は,次の要求事項を満足しなければならない。

a)  プロセスは,プロセスの目的及びプロセスの成果を記述する。

b)  どのプロセス記述においても,一連のプロセス成果はそのプロセスの目的を達成するために必要十分

である。

c)  プロセス記述は,この規格の箇条 の水準 1 を超えたところの測定の枠組みの側面を含んでいないし,

また,暗示もしていない。

注記  プロセス軸と能力軸とが同じ内容を示さないように,プロセス記述の違いを明確にすることを

規定している。

成果の記述の項目には,次のいずれか一つを記述する。

−  作業生産物の生産

−  状態の重要な変化

−  特定の制約条件(例えば,要求事項,目標など)の合致

6.3

プロセスアセスメントモデル

6.3.1

概要

プロセスアセスメントモデルは,一つ以上のプロセス参照モデルに関係している。アセスメントモデル

は,証拠の収集及びプロセス能力の評定についての基準を形成している。

プロセスアセスメントモデルは,プロセス能力についての二次元モデルを提供している。一方の軸では,

特定のプロセス参照モデルで定義されたプロセスに関係する一連のプロセスの実体を記述している。これ

を“プロセス軸”と呼ぶ。もう一方の軸では,プロセスアセスメントモデルは,この規格で定義するプロ

セス能力水準及びプロセス属性に関係する能力を記述している。これを“能力軸”と呼ぶ。この関係を,

図 に示す(X 軸にプロセス軸,Y 軸に能力軸)。


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X 0145-2:2008 (ISO/IEC 15504-2:2003)

 

図 2−プロセスアセスメントモデルの関係

再現可能で,信頼できる方法で,アセスメント結果を JIS X 0145 規格類のプロセスプロファイルに変換

することができることを保証するために,プロセス参照モデルは,幾つかの要求事項に従わなければなら

ない。プロセスアセスメントモデルは,次のものを含まなければならない。

−  その目的,適用範囲及び構成要素

−  測定の枠組み及び特定のプロセス参照モデルへの対応付け

−  結果を一貫して表現する仕組み

プロセスアセスメントモデルは,6.3.26.3.3 及び 6.3.4 に適合することによって,プロセス能力を診断

する目的に適しているとみなす。

6.3.2

プロセスアセスメントモデルの適用範囲

6.3.2.1

プロセスアセスメントモデルは,特定のプロセス参照モデルからの少なくとも一つのプロセスに

関係しなければならない。

6.3.2.2

プロセスアセスメントモデルは,与えられたプロセスに対して,その適用範囲内での各プロセス

に対するプロセス能力の測定枠組みの水準(水準 1 に始まる)のすべて,又は連続な部分集合を取り扱わ

なければならない。

注記  一つのモデルが,例えば,水準 1 だけを取り扱うこと,又は水準 1,水準 2 及び水準 3 を取り

扱うことは許されるが,水準 1 がなくて,水準 2 及び水準 3 を取り扱うことは認められない。

6.3.2.3

プロセスアセスメントモデルは,次の項目によって適用範囲の対象範囲を宣言しなければならな

い。

a)  選択したプロセス参照モデル

b)  プロセス参照モデルから取り入れた,選択したプロセス

c)  測定の枠組みから選択した能力水準

 
 

            プロセスアセスメントモデル

 
 

              1  2  3  ・・・・・・・・・n 
                      プロセス項目

プロセス参照モデル 
−  適用領域及び適用範囲 
−  プロセス目的及びプロセス効果

測定の枠組み 
−  能力水準 
−  プロセス属性 
−  評定尺度

  
  

能力

尺度

対 

対応付け


14 
X 0145-2:2008 (ISO/IEC 15504-2:2003)

   

6.3.3

プロセスアセスメントモデル指標

プロセスアセスメントモデルは,選択したプロセス参照モデルにおいて定義されたように,プロセスア

セスメントモデルの適用範囲中ですべてのプロセスのプロセス目的及びプロセス成果を明示的に取り扱う

一連の指標に基づかなければならない。そして,プロセスアセスメントモデルの能力水準範囲の中でプロ

セス属性の達成を実証する一連の指標に基づかなければならない。指標は,モデルの適用範囲の中でプロ

セスの実行に着目している。

6.3.4

プロセスアセスメントモデルのプロセス参照モデルへの対応付け

プロセスアセスメントモデルは,そのモデルの関連する構成要素と選択したプロセス参照モデルのプロ

セスとの明示的な対応付け,及び測定の枠組みの関連するプロセス属性との明示的な対応付けを提供しな

ければならない。

対応付けは,完全で,明確で,あいまいなところがないものでなければならない。プロセスアセスメン

トモデルでの指標の対応付けは,次のようでなければならない。

a)  特定のプロセス参照モデルでのプロセスの目的及びプロセスの成果

b)  測定の枠組みにおけるプロセス属性(各プロセス属性に対して一覧表示した達成の結果のすべてを含

める。

このことによって,構造的に異なっているプロセスアセスメントモデルを,同じプロセス参照モデルに

関係付けることが可能となる。

6.3.5

アセスメント結果の表現

プロセスアセスメントモデルは,特定のプロセス参照モデルから選択した各プロセスに対する一連のプ

ロセス属性評定としてアセスメントの結果を表現するための公式で検証可能な仕組みを提供しなければな

らない。

注記  結果の表現は,プロセスアセスメントモデルの評定を,この規格で定義するプロセスプロファ

イルへ直接変換してもよい。また,アセッサ側の更なる判断でアセスメントの間に収集したデ

ータ(追加情報を含める可能性も込めて。

)の変換を含めてもよい。

7

適合性の検証のための仕組み

7.1

概要

ここでは,この規格の要求事項を満たしていることを検証するために使用する仕組みについて示す。

この規格の要求事項に対する適合性には,三つの形がある。

−  プロセス参照モデルの適合性

−  プロセスアセスメントモデルの適合性

−  プロセスアセスメントの適合性

この規格の要求事項への適合性は,次によって検証してもよい。

−  自己宣言(第一者)

−  第二者

−  第三者

7.2

プロセス参照モデルの適合性の検証

プロセス参照モデルは,関係団体が提示する資料,関連する国際規格若しくは国内規格,又は公的に利

用可能な仕様でもよいので,このようなモデルがこの規格の要求事項を満たす程度の検証は,適合性の実

証又は順守の実証のいずれかに従ってもよい。


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X 0145-2:2008 (ISO/IEC 15504-2:2003)

適合性の検証を実施する当事者は,プロセス参照モデルが 6.2 に示す要求事項を満たしているという客

観的な証拠を得なければならない。適合性の客観的な証拠は,維持しなければならない。

注記 1  適合性とは,特定の要求事項をもつ製品,プロセス又はサービスを満たすことである。順守

とは,別の国際規格,標準報告書又は国際標準プロファイル(ISP: International Standard Profile)

(例えば,参照モデル及び方法論)によって満たされるべき要求事項を規定する,国際規格

及び標準報告書に含まれる要求事項を厳守することである。

注記 2  この規格は,組織のプロセス能力の認証・登録に関するいかなる仕組みにも使用することを

意図していない。

7.3

プロセスアセスメントモデルの適合性の検証

検証を実施する当事者は,プロセスアセスメントモデルが 6.3 に示す要求事項を満たしているという客

観的な証拠を得なければならない。適合性の客観的な証拠は,維持しなければならない。

7.4

プロセスアセスメントの適合性の検証

検証を実施する当事者は,アセスメントが箇条 に記載した要求事項に適合していることを確実にしな

ければならない。適合性の客観的な証拠は,維持しなければならない。