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X 0145-1:2008(ISO/IEC 15504-1:2004)

(1) 

目  次

ページ

序文 

1

1  適用範囲

1

2  引用規格

2

3  用語及び定義 

2

4  概念

8

4.1  一般

8

4.2  アセスメントの枠組み 

14

4.3  アセッサの適格性

16

4.4  プロセス改善の背景

16

4.5  プロセス能力判定の背景 

17

5  適合性

18

附属書 A(参考)用語及び定義の分類

19

 


 
X 0145-1:2008(ISO/IEC 15504-1:2004)

(2) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本

工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。

JIS X 0145 の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

X

0145-1  第 1 部:概念及び用語

JIS

X

0145-2  第 2 部:アセスメントの実施

JIS

X

0145-3  第 3 部:アセスメントの実施のための手引(発行予定)

JIS

X

0145-4  第 4 部:プロセス改善及びプロセス能力判定のための利用の手引(発行予定)


 

   

日本工業規格

JIS

 X

0145-1

:2008

(ISO/IEC 15504-1

:2004

)

情報技術−プロセスアセスメント−

第 1 部:概念及び用語

Information technology Process assessment

Part 1:Concepts and vocabulary

序文 

この規格は,2004 年に第 1 版として発行された ISO/IEC 15504-1 を基に,技術的内容及び対応国際規格

の構成を変更することなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある“

注記”は,対応国際規格にはない事項である。

注記  日本工業規格では,部で構成する規格がある場合,この部編成の規格全体を総称して,“規格群”

と呼ぶ。この規格では,日本工業規格になっていない国際規格を含めて,規格全体を総称する

場合は,

“規格類”と呼ぶ。

なお,JIS X 0145 規格類には,JIS X 0145 規格群のほか,次の規格を含む。

−  ISO/IEC 15504-5,Information technology−Process Assessment−Part 5: An exemplar Process

Assessment Model

適用範囲 

この規格は,プロセスアセスメントの概念,並びにプロセス改善及びプロセス能力判定という背景での

プロセスアセスメントの利用方法について全般的な情報を提供する。この規格は,JIS X 0145 規格類の各

部をどのように組み合わせるかを規定し,選択及び使用の手引を提供している。この規格は,JIS X 0145

規格類に含む要求事項を明らかにし,アセスメント実施にどう適応するかを明らかにしている。

この規格の読者は,この規格類の用語及び構造に精通することが望ましい。さらに,アセスメント実施

の提案をしている背景に合わせて,この規格群の適切な部を参照することが望ましい。JIS X 0145 規格類

の用途についての更に詳細な内容は,箇条 に規定している。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO/IEC 15504-1: 2004,Information technology−Process assessment−Part 1: Concepts and

vocabulary (IDT)

なお,対応の程度を表す記号(IDT)は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,一致していることを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

)は適用しない。

JIS Q 9000:2000  品質マネジメントシステム−基本及び用語

注記  対応国際規格:ISO 9000:2000,Quality management systems−Fundamentals and vocabulary (IDT)



X 0145-1:2008(ISO/IEC 15504-1:2004)

   

JIS X 0160:2007  ソフトウェアライフサイクルプロセス

注記  対応国際規格:ISO/IEC 12207: 1995,Information technology−Software life cycle processes,

Amendment 1(2002)及び Amendment 2(2004) (IDT)

JIS X 0170:2004  システムライフサイクルプロセス

注記  対応国際規格:ISO/IEC 15288: 2002, System engineering−System life cycle processes (IDT)

ISO/IEC 2382-1:1993,Information technology−Vocabulary−Part 1: Fundamental terms

注記  対応日本工業規格:JIS X 0001: 1994  情報処理用語−基本用語 (MOD)

ISO/IEC 2382-20:1990,Information technology−Vocabulary−Part 20: System development

注記  対応日本工業規格:JIS X 0020:1992  情報処理用語(システム開発) (MOD)

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1 

取得者  (acquirer) 

供給者から,製品又はサービスを取得又は調達する利害関係者(JIS X 0170 参照)

注記  取得者という用語に関しては,通常使用されるほかの用語としては,買い手,顧客,購入者が

ある。取得者は,同時に,所有者,利用者又は運用組織であってもよい。

3.2 

診断した能力  (assessed capability) 

JIS X 0145 規格群の規定に従って実施する一つ以上の適切なプロセスアセスメントの出力。

3.3 

アセスメント制約条件  (assessment constraints) 

アセスメント結果の使い方及びアセスメントの実施方法に関するアセスメントチームの選択の自由に対

する制約事項。

3.4 

アセスメント指標  (assessment indicator) 

プロセス属性の評定時にアセッサの判断を支援するものとして使用する客観的証拠の出処。

例  作業生産物,プラクティス又は資源

3.5 

アセスメント入力  (assessment input) 

プロセスアセスメントの実施に先立って必要な情報。

3.6  

アセスメントの道具  (assessment instrument) 

プロセスの実行又は能力を診断するとき,アセスメントデータを取り扱うとき,及びアセスメント結果

を記録するときに,アセッサを支援するものとしてアセスメントの全期間を通して使用するツール又は一

組のツール。

3.7 

アセスメント出力  (assessment output) 

アセスメントで作成するすべての文書化された結果(3.11 参照)

3.8 


3

X 0145-1:2008(ISO/IEC 15504-1:2004)

アセスメント参加者  (assessment participant) 

アセスメントの対象範囲内で何らかの責任をもつ個人。

注記  例としては,アセスメント依頼者,アセッサ,組織単位の要員がある。

3.9 

アセスメントプロセス  (assessment process) 

組織の標準プロセスが事業目標の達成に貢献する度合い,及び継続的なプロセス改善のニーズに組織が

焦点を当てることを標準プロセスが手助けする度合いの決定。

3.10 

アセスメント目的  (assessment purpose) 

アセスメント入力の一部として提供される記述。アセスメントを実施する理由を定義している。

3.11 

アセスメント記録  (assessment record) 

アセスメントに関する整理され文書化された情報の集まり。アセスメントによって作成されるプロセス

プロファイルの理解及び検証のために補足説明をするもの。

3.12 

アセスメント範囲  (assessment scope) 

アセスメントを行う境界の定義。アセスメント入力の一部として提供されるもので,アセスメントの組

織上の範囲,対象として含めるプロセス及びそれらのプロセスを運用している背景を含んでいる(3.38 

照)

3.13 

アセスメント依頼者  (assessment sponsor) 

診断対象組織単位の内部又は外部の個人又は団体。アセスメントの実施を要求し,そのために財政面の

資源又はその他の資源を提供する者。

3.14 

アセスメントチーム  (assessment team) 

共同してプロセスアセスメントを行う一人以上の人の集まり。

3.15 

アセッサ  (assessor) 

プロセス属性の評定に参加する個人。

注記  アセッサは,適格アセッサ又は準アセッサのどちらかである。

3.16 

属性指標  (attribute indicator) 

特定のプロセス属性の達成度合いの判断を支援するアセスメント指標。

3.17 

基本プラクティス  (base practice) 

首尾一貫して実施する場合,特定のプロセス目的の達成に貢献する活動。

3.18 

能力軸  (capability dimension) 

プロセスアセスメントモデルの要素のうちで,プロセス能力の測定に明示的に関係する要素の集合。

注記  属性は,プロセス能力の順序尺度からなっており,能力水準ごとにまとめられている。



X 0145-1:2008(ISO/IEC 15504-1:2004)

   

3.19 

能力指標  (capability indicator) 

プロセス能力の判断を支援するアセスメント指標。

注記  3.16“属性指標”とは,能力指標の具体的な例である。

3.20 

適格アセッサ  (competent assessor) 

アセスメントを実施し,

プロセスアセスメントの適合性を監視し,検証するための能力をもつアセッサ。

3.21 

定義されたプロセス  (defined process) 

組織の修整指針に従って,組織の標準プロセスによって管理され(すなわち,計画され,監視され,調

整され)

,修整されたプロセス。

注記  定義されたプロセスは,維持されたプロセス記述から成り立っている。さらに,定義されたプ

ロセスは,作業生産物,測定値及び組織のプロセス資産に対する種々のプロセス改善情報に寄

与している。プロジェクトの定義されたプロセスは,プロジェクトのタスク及びアクティビテ

ィを計画し,実施し,改善するための基準を提供する。

3.22 

共通プラクティス  (generic practice) 

首尾一貫して実施する場合,特定のプロセス属性の達成に貢献する活動。

3.23 

指標  (indicator) 

3.4 参照)

3.24 

客観的証拠  (objective evidence) 

あるものの存在又は真実を裏付けるデータ。

注記  客観的証拠は,観察,測定,試験又はその他の手段によって得られることがある。(JIS Q 9000

参照)

3.25 

組織単位  (organizational unit) 

組織内の診断対象部分。

注記 1  組織単位は,首尾一貫したプロセス環境下で,一つ以上のプロセスを展開し,首尾一貫した

事業目標の集合の範囲でプロセスを運用する。

注記 2  組織単位は,小さな組織では組織全体であるかもしれないが,典型的には大きな組織の一部

である。組織単位は,例えば,次のものであってよい。

−  特定の一つのプロジェクト又は(関連する)一組のプロジェクト。

−  取得,開発,保守,支援などの特定のライフサイクルフェーズに焦点を当てた組織内

の単位。

−  特定の製品又は製品群の全側面に責任をもつ組織の一部。

3.26 

実行指標  (performance indicator) 

ある特定のプロセスについて,プロセス実行状況の判断を支援するアセスメント指標。


5

X 0145-1:2008(ISO/IEC 15504-1:2004)

注記  実行指標は,ある特定のプロセスに対する PA1.1 (Process Attribute 1.1)の属性指標である(JIS X 

0145-2 参照)。

3.27 

プラクティス  (practice) 

プロセス目的若しくはプロセス成果に寄与する活動,又はプロセスの能力を強化する活動。

3.28 

プロセス  (process) 

インプットをアウトプットに変換する,相互に関連する又は相互に作用する一連の活動  (JIS Q 9000)。

3.29 

プロセスアセスメント  (process assessment) 

プロセスアセスメントモデルを用いた,組織単位ごとのプロセスの統制のとれた評価。

3.30 

プロセスアセスメントモデル  (Process Assessment Model) 

一つ以上のプロセス参照モデルに基づく,プロセス能力を診断する目的に適したモデル。

3.31 

プロセス属性  (process attribute) 

いかなるプロセスにも適用可能な,プロセス能力の測定可能な特性。

3.32 

プロセス属性評定  (process attribute rating) 

診断対象プロセスに対する,プロセス属性の達成度合いの判断。

3.33 

プロセス能力  (process capability) 

現在の事業目標又は計画している事業目標を満たすためのプロセスに関する能力の特徴付け。

3.34 

プロセス能力判定  (process capability determination) 

特定の規定要求事項を満たすために展開しているプロセスに関連した強み,弱み及びリスクを識別する

目的で遂行されるもので,組織内の選択されたプロセスについてのある目標能力に照らした体系的なアセ

スメント及び分析。

3.35 

プロセス能力判定依頼者  (process capability determination sponsor) 

診断対象組織単位の内部又は外部の個人又は団体。プロセス能力判定の実施を要求し,そのために財政

面の資源又はその他の資源を提供する者。

3.36 

プロセス能力水準  (process capability level) 

プロセスの能力を表現する 6 段階からなる順序尺度上の点。各水準は,下位の能力水準を基準としてい

る。

3.37 

プロセス能力水準評定  (process capability level rating) 

診断対象プロセスのプロセス属性評定から導かれるプロセス能力水準の表現。

3.38 



X 0145-1:2008(ISO/IEC 15504-1:2004)

   

プロセスの背景  (process context) 

プロセス属性評定の判断,理解及び比較可能性に影響を与える因子の集合。アセスメント入力として文

書化する。

3.39 

プロセス軸  (process dimension) 

プロセスアセスメントモデルの要素のうちで,適切なプロセス参照モデルで定義されたプロセス群に明

示的に関係する要素の集合。

注記  プロセス群は,異なる基準に基づいてグループ分けしてよい。例えば,ISO/IEC 15504-5 では,

関連する活動の類別によってそれらをグループ分けしている。

3.40 

プロセス改善  (process improvement) 

組織のプロセスを変えるために行われる行動。組織の事業目標を,より効果的に,及び/又は,より効

率的に満たすような行動。

3.41  

プロセス改善施策  (process improvement program) 

特定された改善目標の達成に関連する,すべての戦略,指針,目標,責任及び活動。

注記  プロセス改善施策は,1 回転以上のプロセス改善サイクルになることがある。

3.42  

プロセス改善プロジェクト  (process improvement project) 

プロセス改善施策の部分集合。特定の改善を達成するための首尾一貫した活動の集合を形成するもの。

3.43  

プロセス改善依頼者  (process improvement sponsor) 

診断対象組織単位の内部又は外部の個人又は団体。プロセス改善の実施を要求し,そのために財政面の

資源又は他の資源を提供する者。

3.44  

プロセス成果  (process outcome) 

プロセスの目に見える結果。

注記  作成物,顕著な状態変化又は特定された制約を満たしていることを成果とする。

3.45  

プロセス実行  (process performance) 

プロセスが遂行されたことによって目的が達成された程度。

3.46 

プロセスプロファイル  (process profile) 

診断対象プロセスのプロセス属性評定の集合。

3.47 

プロセス目的  (process purpose) 

プロセス実行の測定可能な高位の目標,及びプロセスの有効な実行によって見込まれる成果。

3.48 

プロセス参照モデル  (Process Reference Model) 

プロセス間の関連を記述する体系とともに,プロセス目的及びプロセス成果という言葉で記述されたラ


7

X 0145-1:2008(ISO/IEC 15504-1:2004)

イフサイクル中のプロセス定義からなるモデル。

3.49 

準アセッサ  (provisional assessor) 

適格アセッサの指導及び監督の下でアセスメントを実施するスキル(技術)及び能力をもった人。

3.50 

標準プロセス  (standard process) 

組織におけるすべてのプロセスの手引となる,基本的なプロセスの定義の集合。

注記 1  これらのプロセス定義は,組織の各所のプロジェクトで実施される定義されたプロセスに組

み込まれなければならない基本的なプロセスの構成要素(それらはお互いに関連している)

を取り扱っている。標準プロセスは,組織の各所での活動に一貫性を確立するものであり,

長期間の安定及び改善にとって望ましい。

注記 2  組織の標準プロセスの集合は,プロジェクトの定義されたプロセスの一部となる基本的なプ

ロセス構成要素を規定する。また,標準プロセスは,これらのプロセスの間の関連(例えば,

順序付け及び相互作用)を規定する。

3.51 

供給者  (supplier) 

製品又はサービスの供給について,調達先と契約を取り決める組織又は個人  (JIS X 0170

参照)。

3.52 

修整指針  (tailoring guideline) 

特定のニーズを適切に満たすために,組織が標準プロセスのプロセス記述を調整できるようにする指示。

注記 1  プロセスの修整は,特定の分野に対してプロセス記述を調整させる。例えば,プロジェクト

の目標,制約及び環境の要求を満たすために,組織の標準プロセスを修整することによって,

プロジェクトはその定義されたプロセスを作り出す。組織の標準プロセスの集合は,プロセ

スを実行するために直接使用可能でないかもしれない一般的な水準で,規定されている。修

整指針は,定義されたプロセスを特定のニーズのために確立するときの手助けとなる。

注記 2  修整指針は,何が変更できて何が変更できないかを規定し,かつ,変更のための候補である

プロセスの構成部分を識別する。

3.53 

修整したプロセス  (tailored process) 

標準プロセス定義を修整して作成された,定義されたプロセス。

3.54  

目標能力  (target capability) 

プロセス能力判定依頼者が判定するプロセス能力。規定要求事項を成功裏に実行させるために受容可能

なプロセスリスクを示している。

3.55   

作業生産物  (work product) 

プロセスの実行に関連する作成物。

注記  一般的な作業生産物は,次の四つの分類がある。

−  サービス(例えば,運用)

−  ソフトウェア(例えば,コンピュータプログラム,  文書,情報,コンテンツ)



X 0145-1:2008(ISO/IEC 15504-1:2004)

   

−  ハードウェア(例えば

,コンピュータ,装置)

−  素材製品

概念 

4.1 

一般 

4.1.1 

目的及び効果 

JIS X 0145 規格類は,次の目的のためにプロセスのアセスメントの構造的な進め方を提供する。

−  プロセス改善のために,組織自ら又は組織の代理者が,その組織のプロセスの状態を理解する目的

−  特定の要求事項又は一連の要求事項のために,組織自ら又は組織の代理者が,その組織のプロセスの

適合性を判定する目的

−  特定の契約又は一連の契約のために,一方の組織が自ら又はその組織の代理者が,他方の組織のプロ

セスの適合性を判定する目的

プロセスアセスメントの枠組みの特長は,次のとおりである。

−  自己アセスメントを促進する。

−  プロセス改善及び能力判定で使用する基準を提供する。

−  診断対象プロセスを実行している背景を考慮に入れる。

−  プロセス評定を作成する。

−  目的を達成するためのプロセスの能力を取り扱う。

−  すべての適用分野及び組織の大きさにわたって適用可能である。

−  組織間で客観的なベンチマークを提供してもよい。

組織が製品の品質を改善するための手法の一つは,証明され一貫した信頼性のある方法を利用して,そ

の組織のプロセスの状況を診断し,

かつ,

一貫した改善施策の一部としてその結果を利用することである。

組織内でプロセスアセスメントを利用することによって,次の事項を進めることができる。

−  継続的に改善を進める組織文化,並びにその文化の支援及び維持を行うのに必要な適切な仕組みの確

−  事業要求を満たすためのプロセスの構築

−  資源の最適化

このことを通じて,組織は,次のような能力のある組織になることを期待する。

−  顧客要求及び市場要求への反応性を最大にする能力

−  製品の全ライフサイクルコストを最小にする能力のある組織

−  結果として,エンドユーザの満足度を最大にする能力のある組織

取得者は,プロセスアセスメントの使用による便益がある。能力判定での使用は,次のことを可能にす

る。

−  契約の前に,契約者の能力にかかわるリスクを識別することを可能にすることによって,供給者選定

における不確実性を減少させる。

−  リスク抑制のために導入された適切な制御を実現する。


9

X 0145-1:2008(ISO/IEC 15504-1:2004)

−  競合する供給者の能力に照らした,事業ニーズ,要求及び見積られたプロジェクトコストの釣合いの

とれた選択に対する定量的基準を提供する。

プロセスアセスメントの標準化された進め方の主要な便益は,次のとおりである。

−  プロセスアセスメントに対する公開の,共有された進め方を提供する。

−  プロセス改善及びプロセス能力判定のためのプロセスアセスメント使用の共通の理解へと導く。

−  調達において能力判定を促進する。

−  実施経験を考慮して,制御し,定期的にレビューが行われる。

−  国際的合意によってだけ変更される。

−  既存の仕組みの調和を促進する。

JIS X 0145 規格類で定義されたプロセスアセスメントの進め方は,プロセスアセスメントの結果を記述

するための共通の進め方の基準を提供するように作成されている。そのことによって,異なってはいるが

比較可能なモデル及び手法に基づくアセスメントの結果比較をある程度可能にしている。プロセスに要求

される洗練の程度及び複雑さは,その背景に依存している。例えば,5 人のプロジェクトチームに必要な

計画は,50 人のチームに必要な計画よりずっと少ない。この背景は,有能なアセッサがプラクティスの妥

当性のアセスメントを行うときにプラクティスをどのように判断するかに影響を与え,プロセスプロファ

イル間の比較可能性の程度に影響する。

4.1.2 

適用分野 

図 に示すように,プロセスアセスメントには,その用途として,二つの主要な背景がある。

 
 
 
 
 
 
 

プロセスアセスメント

 
 
 
 
 
 

プロセス改善

プロセス能力判定

結果として導く。

結果として導く。

呼び出せる。

動機付ける。

図 1−プロセスアセスメントの関係

プロセス改善において,プロセスアセスメントは,選択したプロセスの能力に関して,組織単位内での

現行プラクティスを特徴付ける方法を提供する。結果の分析は,プロセスに固有の強み,弱み及びリスク

を特定する。これらは,プロセスへの改善の優先順位を決める要因を提供する。

プロセス能力判定は,選択したプロセスを使用してプロジェクトに着手するに当たり生じるリスクを特


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X 0145-1:2008(ISO/IEC 15504-1:2004)

   

定するために,目標プロセス能力プロファイルに対して,選択したプロセスの提案された能力を分析する

ことに関係している。提案された能力は,以前実施した関係するプロセスアセスメントの結果に基づいて

いてもよいし,提案された能力を確立するために実施したアセスメントに基づいていてもよい。

JIS X 0145-4 は,プロセス改善及びプロセス能力評定のためにプロセスアセスメントを利用することに

言及している。

JIS X 0145 規格類は,取得者,供給者及びアセッサのニーズ並びに個々の要求事項で単一の情報源の中

からのものを満足させることを意図している。

この規格類を使用することによって得られる便益は,次のものを含んでいる。

a)  取得者にとっての便益 

−  供給者のプロセスに関する現行及び潜在的な能力を決定できること

b)  供給者にとっての便益 

−  自分自身のプロセスの現行及び潜在的な能力を決定できること

−  プロセス改善のための分野及び優先順位を定義できること

−  プロセス改善のためのロードマップを定義する枠組み

c)  アセッサにとっての便益 

−  アセスメントを実施するための枠組み

JIS X 0145 規格類は,組織のプロセス能力の認証・登録に関するいかなる仕組みにも使用することを意

図していない。

JIS X 0145 規格類は,プロセスアセスメントの枠組みを提供する。製品・サービスの取得,供給,開発,

運用,保守及び支援の,計画,管理,監視,制御及び改善を行う組織は,この枠組みを使用することがで

きる。

プロセスアセスメントは,組織の使用しているプロセスがプロセス目標を達成するのに有効であるかど

うかを決定するためにプロセスを検査する。アセスメントは,選択したプロセス能力に関して,組織単位

の現行プラクティスを特徴付ける。その結果は,プロセスに固有の強み,弱み及びリスクを特定し,組織

の事業ニーズを考慮に入れた分析を行い,プロセス改善活動又はプロセス能力判定を推進することに使用

してもよい。

4.1.3 

JIS X 0145 規格類の構成要素 

ここでは JIS X 0145 規格類の他の部を,

プロセスアセスメントを実施するためにどのように使用するか,

かつ,その結果を効果的に活用するためにどのように使用するかを記述する。JIS X 0145 規格類の使用で

の重要な決定要因は,アセスメントを実施する目的である。その目的として,次のことを行ってもよい。

−  プロセス改善を支援する。

−  プロセス能力の判定を支援する。

JIS X 0145 規格類は,5 部構成である。ここでは,各部の概要及び JIS X 0145 規格類の中での役割を記

述する。


11

X 0145-1:2008(ISO/IEC 15504-1:2004)

図 2JIS X 0145 規格類の構成要素

図 に,JIS X 0145 規格類の利用者のための想定される道筋を示す。第 1 部(この規格)は,JIS X 0145

規格類の全般的な概要を提供する。第 1 部には,JIS X 0145 規格類のための整理した用語及び定義も含む。

プロセス改善又は供給者能力判定に明確な関心事をもつ読者は,これらの利用の背景についての詳細な手

引である第 4 部を読むことが望ましい。第 1 部は,JIS X 0145 規格類の規定構成要素(第 2 部)の適切な

使い方を,利用者が識別できるようにする。第 5 部が,第 2 部の要求事項と互換性があるアセスメントモ

デルの例であるのに対して,第 3 部は,第 2 部の適用の手引を提供する。

表 では,JIS X 0145 規格類の読者の主な分類を識別し,それら主要な関心領域を一連の文書のどこで

取り扱っているかを示している。

表 1−読者と JIS X 0145 規格類との関係

読者の分類

関心事

読むことを推奨する部

アセスメント依
頼者

−  どのようにアセスメントが実施されるのか。 
−  どのようなツール及び他の支援が必要とされるのか。 
−  どのようにしてアセスメントを開始するか。

第 1 部,第 2 部,第 3 部

プロセス改善依
頼者

−  改善施策を開始する。 
−  改善目的のアセスメントに対するアセスメント入力を定義する。

−  改善のためにアセスメント結果を利用する。

第 1 部,第 4 部

プロセス能力判

定依頼者

−  供給者の能力判定のための施策を開始する。

−  目標能力プロファイルを定義する。 
−  能力判定実行においてアセスメント結果を検証し,利用する。

第 1 部,第 4 部

アセッサ

−  適合アセスメントを実行する。

−  アセスメントを実行するために必要なスキル(技術)及び適格性

を開発する。

第 1 部,第 2 部,第 3 部,

第 4 部,第 5 部

プロセスアセス
メントモデルの
開発者

−  JIS X 0145-2 で定義された規格に準拠したプロセス参照モデル

及び測定の枠組みに基づいたアセスメントを実行するためのプ
ロセスアセスメントモデルを開発する。

第 1 部,第 2 部,第 3 部,
第 5 部

アセスメント手
法の開発者

−  適合アセスメントの実行を支援する手法を開発する。

第 1 部,第 2 部,第 3 部,
第 5 部

ツール開発者

−  アセスメントの実行において,証拠を収集し,記録し,分類する

ことによってアセッサを支援するツールを開発する。

第 1 部,第 2 部,第 3 部,
第 5 部

第  
概念及び用語

第  
プロセス改善及び能力判定のための手引

第  
アセスメントの実施

第  
アセスメントの実施のための手引

第  
プロセスアセスメントモデルの例


12 
X 0145-1:2008(ISO/IEC 15504-1:2004)

   

第 1 部は,JIS X 0145 規格類の入門編である。各部がどのように組み合わされているかを規定し,各部

の選択及び使用に関する手引を提供する。JIS X 0145 規格類に含まれる要求事項及びその要求事項のアセ

スメントの実行における適用について説明している。また,JIS X 0145 規格類の統合された用語及び定義

も含む。

第 2 部は,プロセスアセスメントに対する規定となる要求事項,及びアセスメントに使用されるプロセ

スモデルに対する規定となる要求事項を設定する。かつ,プロセス能力の評価のための測定の枠組みを定

義する。測定の枠組みでは,6 段階のプロセス能力に分類された九つのプロセス属性を定義する。プロセ

ス能力は,選択したプロセスすべてに対して適用される能力の順序尺度である。

第 3 部は,JIS X 0145-2 に含まれるアセスメント実行の要求事項を満たすための手引を提供する。プロ

セスアセスメントの概要を提供し,次に示す手引の条項によって要求事項を説明する。

−  アセスメントプロセス

−  プロセス能力のための測定の枠組み

−  プロセス参照モデル及びプロセスアセスメントモデル

−  アセスメントのための道具又はツール

−  アセッサの適格性

第 4 部は,プロセス改善及びプロセス能力判定の目的でプロセスアセスメントを活用するときの手引を

提供する。この手引は,特定の組織構造,経営哲学,ライフサイクルモデル又は開発方法論を前提として

いない。プロセス改善の場合,この手引の概念及び原則は,異なる事業ニーズ,適用領域及び組織の規模

に幅広く適応するので,どの組織においても,改善活動を導くものとして適用可能である。プロセス能力

判定の場合には,この手引はどのような顧客−供給者関係にも,また,自身のプロセス能力を判定したい

と思っているいかなる組織にも適用可能なように意図している。

第 5 部は,プロセスアセスメントを実行するための一つの模範モデルを提供する。このモデルは,JIS X 

0160 のプロセス参照モデルに基づき,かつ,直接的にそれらに準拠している。プロセス軸は外部のプロセ

ス参照モデルによって提供され,プロセス目的及びプロセス成果を表す文言によって特徴付けられる一式

のプロセスを定義している。能力軸は,JIS X 0145-2 で定義された測定の枠組みに基づく。アセスメント

モデルは,プロセス実行及びプロセス能力の指標の包括的な集まりを含むことによって,プロセス参照モ

デル及び測定の枠組みを拡張している。

プロセスアセスメント,プロセス改善及びプロセス能力判定の間の関係を高いレベルで示したものが

である。

図 は,プロセスに関して JIS X 0145 規格類のいろいろな構成要素の位置付けの目安を示す。アセスメ

ントは,プロセス改善又は能力判定のどちらの目的のために使用してもよい。そのような利用法の手引を

JIS X 0145-4 で提供している。アセスメントの実行には,JIS X 0145-2 で言及しているアセスメントモデ

ル(又はモデル群)を必要とする。モデルの例は,ISO/IEC 15504-5 で提供している。アセスメントプロ

セスは,文書化しなければならない。さらに,JIS X 0145-2 で定義した要求事項に沿った手法に基づくこ

とが望ましく,JIS X 0145-3 で提供する手引に従うことが望ましい。適格アセッサは,アセスメントに適

合性があることを確実にすることに対して責任がある。ツール,検証並びに必要なスキル(技術)及び必

要な適格性についての手引は,JIS X 0145-3 で提供する。

 
 


13

X 0145-1:2008(ISO/IEC 15504-1:2004)

第  

第  

第  

外部

プロセス参照モデル

第  

アセスメントの実施

測定の枠組み

(能力軸を含む。)

プロセス参照モデルの

要求事項

適合性の 
要求事項

プロセス

アセスメントモデルの例

プロセス改善及びプロセス能
力判定のための利用の手引

アセスメントの実施のための
手引

補足的な手引(ツール,  検証
及 び ア セ ッ サ 要 求 事 項 を 含
む。)

文書化したアセスメントプロ
セスの例

図 3JIS X 0145 規格類の構成要素の関係 

JIS X 0145 規格類は,再現可能で,客観的で,類似の背景において比較可能で,プロセス改善又はプロ

セス能力判定のいずれかのために利用できるアセスメント結果を提供するために作成されている。

アセスメントの実施のための枠組みは,信頼できるアセスメント結果の達成を支援するために作成され

ている。枠組みは,評定プロセス及びアセスメント評定結果を提示するための体系を含む。アセスメント

の枠組みは,また,アセスメントの実施の手引を提供する。JIS X 0145 規格類は,プロセス改善及びプロ

セス能力判定の両方の背景での手引を提供する。さらに,アセッサに必要とされるスキル(技術)及び経

験の定義を提供する。

4.1.4 

他の国際規格との関係 

JIS X 0145 規格類は,供給者の品質マネジメントにおける確実性を提供するために JIS Q 9000 ファミリ

の意図を取り入れている。さらに,潜在的供給者が取得者のニーズを満足させる能力があるかどうかを診

断するための枠組みを取得者に提供する。プロセスアセスメントは,JIS Q 9001 に基づく品質監査の適合

/不適合の特性を利用するよりもむしろ,比較可能で再現可能な方法で連続尺度の上でプロセス能力を評

価するための能力を利用者に提供する。JIS X 0145 規格類はマネジメントシステムプロセスの品質を測定

する手段として JIS Q 9001  8.2.3  (プロセスの監視及び測定)とともに,利用することができる。それに

加えて,JIS X 0145 規格類で規定している枠組みは,組織単位が使用するすべてのプロセスよりもむしろ,

関心のある特定のプロセスに適用するために,アセスメントの適用範囲を調節する機会を提供する。

JIS X 0160 及び JIS X 0170 は,この規格にとって特に重要である。プロセス参照モデルがシステムエン


14 
X 0145-1:2008(ISO/IEC 15504-1:2004)

   

ジニアリングプロセス又はソフトウェアエンジニアリングプロセスを含んでいるプロセスアセスメントモ

デルにおいて使用されるのであれば,これらのプロセスと JIS X 0170 又は JIS X 0160 

附属書 との関係

を定義していなければならないということを,JIS X 0145-2 は示している。

4.2 

アセスメントの枠組み 

4.2.1 

アセスメントプロセスの背景   

アセスメントプロセスの背景を

図 に要約する。JIS X 0145-2 は,定義されたプロセス属性の達成度合

いに基づき,プロセスの能力を評定するための基準を提供する測定の枠組みを定義する。JIS X 0145-2 は,

また,アセスメントを実施するときの要求事項を定義し,アセスメント結果を比較することができる状況

が何であるかを定めている。JIS X 0145-3 は,アセスメントを実施し,かつ,JIS X 0145-2 の要求事項を

解釈するための手引を提供する。この手引は,どのような組織にも適用できるよう十分に一般的であり,

様々な方法,技術及びツールを使用してアセスメントを実施するために十分に一般的である。

プロセスアセスメントは,JIS X 0145-4 に記述しているように,プロセス改善努力の中で実施するか,

又は JIS X 0145-4 に記述しているプロセス能力判定業務の一部として実施する。どちらの場合も,アセス

メントプロセスへの正式な開始は,開始するためのアセスメント依頼者のコミットメントとともに発生す

る。その後,アセスメント入力を作成するとよい。アセスメント入力は,なぜそれが行われているのかと

いうアセスメントの目的,アセスメントの範囲,そして,もしあれば,アセスメントに適用する制約事項

を定義する。アセスメント入力は,また,アセスメントを実行する責任を定義する。

図 4−アセスメントプロセスの主な要素

プロセス参照モデル 
−  適用領域及び適用範囲

−  プロセス目的 
−  プロセス成果

測定の枠組み 
−  能力水準 
−  プロセス属性 
−  評定尺度

プロセスアセスメントモデル
−  適用範囲 
−  指標 
−  対応付け 
−  変換

アセスメントプロセス 
−  計画立案

−  データ収集 
−  データの妥当性確認
−  プロセス属性評定 
−  報告書作成

アセスメント初期入力 
−  アセスメントの目的

−  アセスメントの適用

範囲

−  アセスメント制約

−  プロセスアセスメン

トモデルの識別

−  アセスメントの進め

−  アセッサ適格性の判

定基準

−  追加情報

アセスメント出力 
−  アセスメント実施日

−  アセスメント入力 
−  記録の特定 
−  使用されたアセスメントプ

ロセス

−  プロセスプロファイル 
−  追加情報

役割及び責任 
−  依頼者 
−  適格アセッサ 
−  アセッサ


15

X 0145-1:2008(ISO/IEC 15504-1:2004)

アセスメントのために選んだアセスメントモデルで,選択したプロセスをアセスメントすることによっ

て,アセスメントを実行する。アセスメントモデルは,JIS X 0145-2 で定義する要求事項に適合していな

ければならない。プロセス参照モデルは,対象とする適用領域に従って選択される。例えば,ソフトウェ

アエンジニアリングの分野では,JIS X 0160 のプロセスモデルを適用する。

図 は,プロセス参照モデル,

関連するアセスメントモデル及び測定の枠組みの関係を示す。

図 に記述する 2 次元モデルは,プロセス

目的及びプロセス成果という用語定義された一連のプロセス,並びに一連のプロセス属性を含む測定の枠

組みで構成されている。プロセス属性は,すべてのプロセスに適用する。それらは,プロセスの能力を判

定するために使用できる能力水準に分類される。アセスメント出力は,一連のプロセスプロファイル,及

び任意ではあるが,それぞれの診断対象プロセスの能力水準を含む。

アセスメントプロセスは,少なくとも次の五つの活動を含む。すなわち,計画,データ収集,データの

妥当性検証,プロセス属性評定及び報告の五つの活動である。アセスメントプロセスは文書化されなけれ

ばならない。加えて,アセッサは,評定を正当化するために使用した客観的なプロセス実行指標又は能力

指標を記録しなければならない。JIS X 0145-3 で規定する適格性を保証された適格アセッサが少なくとも

一人加わったチームでプロセスアセスメントを実行する。

図 5−プロセスアセスメントモデルの関係

4.2.2 

アセスメント指標 

アセスメントの再現性,信頼性及び統一性を最大にするために,プロセス能力の評定を正当化する文書

化された証拠を記録し,保持する必要がある。この証拠は,プロセス実行指標及び能力指標の形をとり,

典型的には,診断対象となるプロセスに関連する作業生産物及びプラクティスの特性を客観的に示す形を

とる。プロセスアセスメントの完全なモデルは,使用する指標の詳細を含んでいる。

このような指標を文書化する最も簡単な方法は,アセスメントの道具の形で使用することである。この

ような道具は,手動で操作する(例えば,チェックリスト又は質問表のような様式のもの)ように設計さ

 
 

プロセスアセスメントモデル 

 
 

              1  2  3  ・・・・・・・・・n 

プロセス項目 

プロセス参照モデル 
−  適用領域及び適用範囲 
−  プロセス目的及びプロセス効果

測定の枠組み 
−  能力水準 
−  プロセス属性 
−  評定尺度

  

能力尺

  

対応付け

対応付け


16 
X 0145-1:2008(ISO/IEC 15504-1:2004)

   

れていてもよいし,又は自動で動作するように設計されていてもよい。JIS X 0145-3 は,アセスメントを

実行するときのいろいろな指標の利用可能性及び利用方法に関する手引を含む。JIS X 0145-3 には,アセ

スメントの道具及びツールの選択及び使用に対する手引も含む。

4.3 

アセッサの適格性 

チームに属する適格アセッサは,アセスメントチームメンバが集団として特別な知識及びアセスメント

スキル(技術)を備えていることを確実にするという極めて重要な役割を担っている。適格アセッサは,

チームに必要な手引を与え,解釈の一貫性を確実に保つためにチームメンバが下す判断及び評定に適度の

調整を加える手助けをする。

JIS X 0145-3 は,アセッサに必要な適格性,並びに適切な教育,訓練及び経験に関するものであり,適

格性の証拠を示すために利用してもよい仕組み,並びに教育,訓練及び経験の妥当性を検証するために利

用してもよい仕組みを含んでいる。

アセッサの能力は,診断対象のプロセスの知識,JIS X 0145 規格類の本質的技術内容の適用に関するス

キル(技術)の保持,及び効果的な実行に寄与する人的特性に由来する。

知識,スキル(技術)及び人的特性は,教育,訓練及び経験の結合によって獲得される。

4.4 

プロセス改善の背景 

プロセス改善の成功は,組織が特定のニーズ及び事業目標に取り組むことによって,並びに明確に記述

され理解された主要な制約事項(例えば,資源,文化など)を理解することによって事業背景の中で実現

する。

図 6−プロセス改善

1.組織の事業 
  目標の検討

8.実行の監視

7.改善の維持

6.改善の確定

5.改善の実行

4.行動計画の導出

2.プロセス改善 
  の開始

3.現在の能力の 
  アセスメント

プロセス 
アセスメント

プロセス改善の立上げ

組織のニーズ

組織単位のプロセス改善

業界ベンチマーク

アセスメント 
出力

アセスメント 
入力


17

X 0145-1:2008(ISO/IEC 15504-1:2004)

JIS X 0145-4 は,連続してプロセス改善を繰り返すための,完全な枠組み及び方法の一部としてプロセ

スアセスメントを利用する手引を提供している。ただし,組織が 1 回限りの改善行為にこの手引を採用で

きない理由はない。プロセス改善の全体背景を

図 に示す。手引は次のことを含む。

−  プロセスアセスメントの開始

−  プロセスアセスメントの結果の利用

−  プロセスの有効性の測定及び改善の有効性の測定

−  事業目標に整合した改善活動の識別

−  プロセス改善の背景での文化的な問題

−  プロセス改善に対する管理上の諸問題の対処

注記  図 は,ISO/IEC 15504-4 の図 を引用したものであるが,ISO/IEC 15504-1 では誤って検討途

中のものを使用している。この JIS では,発行予定である JIS X 0145-4 との整合性を考慮し,

JIS X 0145-4 の図 を使用した。

4.5 

プロセス能力判定の背景 

プロセス能力判定のための手順を,JIS X 0145-4 に規定している。プロセス能力判定は,JIS X 0145-2

に規定しているプロセスアセスメントに主に基づいている。  プロセスは,アセスメントモデル又はモデル

群を用いて評定する。結果は,プロセス能力に含まれる測定及び評定の枠組みを用いて表す。プロセス能

力判定の背景を

図 で示す。

注記  図 は,ISO/IEC 15504-4 の図 を引用したものであるが,ISO/IEC 15504-1 では誤って検討途

中のものを使用している。この JIS では,発行予定である JIS X 0145-4 との整合性を考慮し,

JIS X 0145-4 の図 を使用した。

図 7−プロセス能力判定

3.現在の能力の

アセスメント

プロセスアセスメント

6.リスクの分析

1.プロセス能力

  判定の開始

2.目標能力の
  定義

4.提示された
  能力の決定

5.提示された 
  能力の検証

規定要求事項

アセスメント 
  入力

アセスメント 
  出力

現在の能力

目標能力

7.結果の実施


18 
X 0145-1:2008(ISO/IEC 15504-1:2004)

   

製品又はサービスの取得者は,規定要求事項で表される技術的及びその他のニーズをもっている。契約

を締結する前に,取得者は,予想される契約者のプロセス能力を判定する必要があるかもしれない。また,

供給者は,取得者の提案依頼に応じる前に,それ自身のプロセス能力を確かめたいかもしれない。プロセ

ス能力判定に関する技術的及びその他のニーズは規定要求事項として文書化する。

規定要求事項を,次のように説明する。

a)  必要とするプロセス能力を意味する目標能力。

b)  プロセスアセスメントの範囲を規定するプロセスアセスメント入力。

供給者は,対象の組織単位が提供する一式のプロセスごとの能力水準評定として,提案されたプロセス

能力を提出してもよい。簡単な状況では,提案されたプロセス能力は最近の自己アセスメント又はその他

の方法に基づいてもよい。より複雑な場合には,供給者は,供給者の現在のプロセスプロファイル及び可

能ならば改善記録に裏付けられた,関係のある改善計画,又は一つ以上の 2 次契約者若しくは共同事業者

の能力を含めて構成した能力に基づいて,将来達成されるプロセス能力を提案してもよい。もう一つの方

法として,アセスメントの結果は幾つかの異なる契約,又は契約についての幾つかの競争相手の比較に使

用することができる。そのような複雑な場合には,JIS X 0145-4 の記述を参照する。

提案されたプロセス能力の信ぴょう性は,それに伴うリスクとともに分析し,プロセス能力報告書とし

て報告する。

JIS X 0145-4 は,供給者のプロセス能力を判定する目的のためにアセスメント結果を利用する方法の手

引を提供する。この手引は,特に,次の二つのためのプロセス能力判定を取り扱っている。

−  新規プロジェクトを引き受けることに関連するリスクを判定するために組織内部で使用すること(こ

れは第 1 者による使用と呼ばれることがある。

−  外部供給者を診断するために取得者が使用すること(これは第 2 者による使用又は契約による使用と

呼ばれることがある。

適合性 

JIS X 0145 規格類には,適合性を主張できる三つの基本的な領域がある。

−  プロセス参照モデルの適合性

−  プロセスアセスメントモデルの適合性

−  プロセスアセスメントの適合性

適合性については,JIS X 0145-2 の箇条 7(適合性の検証のための仕組み)及び JIS X 0145-3 の箇条 11

(適合性検証の手引)で取り扱っている。


19

X 0145-1:2008(ISO/IEC 15504-1:2004)

附属書 A

(参考)

用語及び定義の分類

ここでは,箇条 で定義した用語を目的別に分類している。

A.1  モデル構造に関する用語 

次の用語は,JIS X 0145 規格類の基本概念に関する用語である。

3.28  プロセス (process) 
3.29  プロセスアセスメント (process assessment) 
3.30  プロセスアセスメントモデル (Process Assessment Model) 
3.34  プロセス能力判定  (process capability determination) 
3.40  プロセス改善 (process improvement) 
3.48  プロセス参照モデル  (Process Reference Model) 

A.2  プロセスに関する用語 

次の用語は,プロセス概念に関する用語である。

3.1  取得者 (acquirer) 
3.27  プラクティス (practice) 
3.28  プロセス (process) 
3.39  プロセス軸 (process dimention) 
3.44  プロセス成果 (process outcome) 
3.45  プロセス実行 (process performance) 
3.47  プロセス目的 (process porpose) 
3.51  供給者 (supplier) 
3.52  修整指針 (tailoring guideline) 
3.55  作業生産物 (work product) 

A.3  測定の枠組みに関する用語 

次の用語は,測定の枠組みに関する用語である。

3.4  アセスメント指標 (assessment indicator) 
3.16  属性指標 (attribute indicator) 
3.17  基本プラクティス (base practice) 
3.18  能力軸 (capability dimension) 
3.19  能力指標 (capability indicator) 
3.21  定義されたプロセス (defined process) 
3.22  共通プラクティス (generic practice) 
3.23  指標 (indicator) 
3.26  実行指標 (performance indicator) 
3.27  プラクティス (practice)


20 
X 0145-1:2008(ISO/IEC 15504-1:2004)

   

3.31  プロセス属性 (process attribute) 
3.32  プロセス属性評定  (process attribute rating) 
3.33  プロセス能力 (process capability) 
3.36  プロセス能力水準  (process capability level) 
3.37  プロセス能力水準評定  (process capability level rating) 
3.39  プロセス軸 (process dimention) 
3.45  プロセス実行 (process performance) 
3.46  プロセスプロファイル (process profile) 
3.50  標準プロセス (standard process) 
3.53  修整したプロセス (tailored process) 

A.4  アセスメントプロセスに関する用語 

次の用語は,アセスメントの実行に関する用語である。

3.2  診断した能力 (assessed capability) 
3.3  アセスメント制約条件 (assessment constraints) 
3.5  アセスメント入力 (assessment input) 
3.6  アセスメントの道具 (assessment instrument) 
3.7  アセスメント出力 (assessment output) 
3.8  アセスメント参加者 (assessment participant) 
3.9  アセスメントプロセス (assessment process) 
3.10  アセスメント目的 (assessment purpose) 
3.11  アセスメント記録 (assessment record) 
3.12  アセスメント範囲 (assessment scope) 
3.13  アセスメント依頼者 (assessment sponsor) 
3.14  アセスメントチーム (assessment team) 
3.24  客観的証拠 (objective evidence) 
3.25  組織単位 (organizational unit) 
3.38  プロセスの背景 (process context) 

A.5  アセッサに関する用語 

次の用語は,アセッサの能力に関する用語である。

3.15  アセッサ (assessor) 
3.20  適格アセッサ (competent assessor) 
3.49  準アセッサ (provisional assessor) 

A.6  プロセス改善に関する用語 

次の用語は,プロセス改善に関連する用語である。

3.40  プロセス改善 (process improvement) 
3.41  プロセス改善施策  (process improvement program) 
3.42  プロセス改善プロジェクト  (process improvement project)


21

X 0145-1:2008(ISO/IEC 15504-1:2004)

3.43  プロセス改善依頼者  (process improvement sponsor) 
3.54  目標能力 (target capability) 

A.7  プロセス能力判定に関する用語 

次の用語は,プロセス能力判定に関連する用語である。

3.2  診断した能力 (assessed capability) 
3.34  プロセス能力判定  (process capability determination) 
3.35  プロセス能力判定依頼者  (process capability determination sponsor) 
3.54  目標能力 (target capability)