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日本工業規格

JIS

 X

0128

-1988

プログラム構成要素及びその表記法

Program Constructs and Conventions for Their Representation

1.

適用範囲  この規格は,手続き的アルゴリズムの制御構造を表現する方法(

1

)

について,次の事項を規

定する。

(1)

プログラム構成要素(program construct,以下,単に要素ともいう。

)の性質(5.参照)

(2)

プログラムを構成する方法(4.参照)

(3)

要素のもつ構造についての仕様(3.参照)

(4)

定義された要素の集合から様々な部分集合を定義する方法(7.参照)

(

1

)

記号表現については,

参考表を参照。

対応国際規格:

ISO 8631

  Information processing−Program constructs and conventions for their representation

2.

プログラムの構成  一般にあらゆる処理の流れは,有限個の種類のプログラム構成要素を適宜組み合

わせる手法によって,表現できる。この規格の定めるプログラム構成要素及びその組合せ方法を用いたプ

ログラムは,整構造をもつ (well-structured) という。

プログラムは,幾つかの概念的階層から見ることができる。最下層を除くすべての階層において,一つ

のプログラム構成要素は,より下層の幾つかのプログラム構成要素によって構成される。

3.

プログラム構成要素の構造  ある階層において一つのプログラム構成要素は,一つ以上の手続き部

(procedure part)

及び一つの制御部 (control part) からなる。その制御部は,暗黙的であってもよい。各手続

き部は,一つ以上の実行される演算からなるか又は空とする。

制御部は,指示 (directive) と幾つかの条件 (condition) からなり,手続き部を実行する方法を指定する。

制御部は,指示の性質及び条件の値に従って手続き部を起動又は終了させる。指示も条件もない制御部は,

暗黙の制御部という。

4.

整構造プログラムの構成法  整構造のプログラムを構成する唯一の方法は,ある要素中の一つの手続

き部を一つの要素によって置き換えることとする。

5.

プログラム構成要素の種類  プログラム構成要素の種類は,次による。

5.1

基本要素  基本要素 (imperative construct) は,一つの手続き部及びその手続き部を 1 回だけ実行す

ることを指定する暗黙の制御部からなる。

5.2

順次要素  順次要素 (serial construct) は,二つ以上の手続き部及びそれらの手続き部を与えられた順

序で 1 回だけ実行する暗黙の制御部からなる。


2

X 0128-1988

5.3

並列要素  並列要素 (parallel construct) は,二つ以上の手続き部及びそれらの手続き部を開始する一

つの制御部からなる。この要素の実行は,開始したすべての手続き部を完全に実行したとき,完了する。

5.4

繰返し要素  繰返し要素 (iterative construct) は,次による。

(1)

前判定繰返し  前判定繰返し (pre-tested iteration) は,一つの手続き部及び一つの条件をもつ制御部か

らなる。その条件の値によってこの手続き部を 0 回以上実行する。

(2)

後判定繰返し  後判定繰返し (post-tested iteration) は,一つの手続き部及び一つの条件をもつ制御部

からなる。その条件の値によってこの手続き部を 1 回以上実行する。

(3)

継続繰返し  継続繰返し (continuous iteration) は,一つの手続き部及びその手続き部を継続的に繰り

返すことを指定する暗黙の制御部からなる。

5.5

選択要素  選択要素  (selective choice construct)  は,次による。

(1)

単岐選択  単岐選択 (monadic selective) は,一つの手続き部及び一つの条件をもつ制御部からなる。

この条件の値は,その手続き部を実行するか否かを指定する。

(2)

双岐選択  双岐選択 (dyadic selective) は,二つの手続き部及び一つの条件をもつ制御部からなる。こ

の条件の値は,その二つの手続き部のどちらを実行するかを指定する。

(3)

多岐選択  多岐選択 (multiple exclusive selective) は,多数の手続き部及び条件の集合をもつ制御部か

らなる。これらの条件の値によって,実行すべき手続き部が一つだけ決まる。

(4)

多重岐選択  多重岐選択 (multiple inclusive selective) は,多数の手続き部及び条件の集合をもつ制御

部からなる。これらの条件の値によって,実行すべき 0 個以上の手続き部が決まる。その実行順序は,

定めない。

6.

打切り  ある要素の制御部で定義された終了条件のほかに,その要素中の一つ以上の手続き部中に,

打切り (termination) 演算を記述することによって,その要素の実行を打ち切ることもできる。打切り演算

には,どの要素を打ち切らせるかを明示しなければならない。打切り演算を実行すると,指定された要素

及びその内側にあるすべての要素の実行が直ちに打ち切られる。

並列要素及び多重岐選択要素の実行を打ち切る打切り演算は,この規格では定めない。

外側にある要素の実行を打ち切る打切り演算は,この規格では定めない。

7.

部分集合の定義  この規格に規定されている要素の部分集合を,この規格に従って組み合わせて利用

することは,この規格に適合するとみなす。

この規格に定義されていない構造であっても,この規格で定義する構造の規格に従った組合せと機能的

に等しいものは,この規格に適合する。


3

X 0128-

198

8

参考表  プログラム構成要素の表記法

プログラム

構成要素

PF 

プログラム流れ図

A

PSD

PROGRAM

STRUCTURE

DIAGRAMS

B

DSD

DESIGN

STRUCTURE

DIAGRAMS

C

SPD

STRUCTURED

PROGRAMMING

DIAGRAMS

D

HCP

HIERARCHICAL

AND COMPACT

DESCRIPTION CHART

E

PAD

PROBLEM

ANALYSIS

DIAGRAMS

F

LCP

LOGICAL CONCEPTION

OF PROGRAM

HIERARCHICAL

G

LCP

LOGICAL CONCEPTION

OF PROGRAM

FLOW CHART

5.1 

基本

手続き部

5.2 

順次

手続き部 1

手続き部 2

Μ

手続き部 n

5.3 

並列

開始

手続き部 1

手続き部 2

Μ

手続き部 n

終了


4

X 0128-

198

8

プログラム

構成要素

PF 

プログラム流れ図

A

PSD

PROGRAM

STRUCTURE

DIAGRAMS

B

DSD

DESIGN

STRUCTURE

DIAGRAMS

C

SPD

STRUCTURED

PROGRAMMING

DIAGRAMS

D

HCP

HIERARCHICAL

AND COMPACT

DESCRIPTION CHART

E

PAD

PROBLEM

ANALYSIS

DIAGRAMS

F

LCP

LOGICAL CONCEPTION

OF PROGRAM

HIERARCHICAL

G

LCP

LOGICAL CONCEPTION

OF PROGRAM

FLOW CHART

5.4(1) 

前判定繰返し

開始

条件及び

手続き部 (P)

終了

5.4(2) 

後判定繰返し

開始

手続き部

及び条件 (P)

終了

5.4(3) 

継続繰返し

開始

手続き部 (P)


5

X 0128-

198

8

プログラム

構成要素

REFERENCE

PF 

プログラム流れ図

A

PSD

PROGRAM

STRUCTURE

DIAGRAMS

B

DSD

DESIGN

STRUCTURE

DIAGRAMS

C

SPD

STRUCTURED

PROGRAMMING

DIAGRAMS

D

HCP

HIERARCHICAL

AND COMPACT

DESCRIPTION CHART

E

PAD

PROBLEM

ANALYSIS

DIAGRAMS

F

LCP

LOGICAL CONCEPTION

OF PROGRAM

HIERARCHICAL

G

LCP

LOGICAL CONCEPTION

OF PROGRAM

FLOW CHART

5.5(1) 

単岐選択

処理及び条件

の開始

手続き部 (0/1)

処理の終了

5.5(2) 

双岐選択

処理及び条件

の開始

手続き部 1 (0/1)

手続き部 2 (0/1)

処理の終了

5.5(3) 

多岐選択

処理及び選択

条件の開始

手続き部 1 (0/1)

手続き部 2 (0/1)

Μ

手続き部 n (0/1)

処理の終了

5.5(4) 

多重岐選択

他 の 構 成 要 素 を

組 み 合 わ せ て 表

現する。

5.5(2)

及び 5.5(3)を用いて表現する。


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X 0128-

198

8

プログラム

構成要素

PF 

プログラム流れ図

A

PSD

PROGRAM

STRUCTURE

DIAGRAMS

B

DSD

DESIGN

 STRUCTURE

DIAGRAMS

C

SPD

STRUCTURED

PROGRAMMING

DIAGRAMS

D

HCP

HIERARCHICAL

AND COMPACT

DESCRIPTION CHART

E

PAD

PROBLEM

ANALYSIS

DIAGRAMS

F

LCP 

LOGICAL CONCEPTION OF PROGRAM

打切り

他の要素の記法に含まれる。

記号の

関連文書

ISO 5807

JIS X 0121

オランダ規格  NEN 1422

西ドイツ規格  DIN 66261

イギリス規格  BS 6224

フランス規格  AFNOR Z67-102

この欄は,参照

及び比較のため

に設けた。

1.

一つの完全なプログラム,一

つの構造,一つの手続き部は

すべて,長方形で表す。本体

4.

の構成法は,長方形を分割

することによって行われる。

このとき,流れ線は用いな

い。

2.

すべての選択要素において,

条件を記述する倒立三角形

の頂点は,左端又は右端にき

てはならない。

3.

いかなる場合も,打切り演算

の長方形は,それだけで一つ

の完全な手続き部とならな

ければならない。

1.

すべての記号は,入力又は出力するデータの記

述にも使用できる。

2.  5.3

の記号

は,並列に実行される手続きの独立

性を示し,5.5 の記号 は,手続きの排他性を示

す。


7

X 0128-1988

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(主査)

管      忠  義

学習院大学

(幹事)

東      基  衛

日本電気株式会社

太  田  宗  洋

日本ユニバック株式会社

金  子  英  一

株式会社東芝

黒  田  寿  一

三菱電機株式会社

志  賀      清

日本電信電話株式会社データ通信本部

武  内      惇

沖電気工業株式会社

遠  山      澄

日本アイ・ビー・エム株式会社

長  野  宏  宣

日本電信電話株式会社電気通信研究所

西  村  恕  彦

東京農工大学

松  山  辰  郎

産業能率短期大学

松  原  友  夫

社団法人情報サービス産業協会

宮  本  和  靖

株式会社日立製作所

村  上  憲  稔

富士通株式会社

山  本  喜  一

慶応義塾大学

吉  村      正

バローズ株式会社

伊  藤  彰  一

工業技術院標準部