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日本工業規格

JIS

 X

0019-

1994

情報処理用語−アナログ計算

Glossary of terms used in information processing

−Analog computing

1.

適用範囲  この規格は,情報処理におけるアナログ計算に関する主な用語,定義及び対応英語につい

て規定する。

備考1.  対応国際規格を,次に示す。

ISO 2382-19 : 1989 Information processing systems

−Vocabulary−Part 19 : Analog computing

2.

この規格は,番号の右肩に星印

*

が付いている用語を除き,1989 年 5 月に発行された ISO 

2382-19 (Information processing systems

−Vocabulary−Part 19 : Analog computing)  を翻訳し,そ

の技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格である。番号の右肩に星印*が付いて

いる用語は日本工業規格独自の用語であり,その対応英語は参考とする。

なお,この規格で下線(点線)を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。

2.

分類  用語は,次のとおり分類する。

(1)

演算器(19.01 参照)

(2)

モード及び動作(19.02 参照)

3.

表記法  この規格は,各用語を番号,用語,定義及び対応英語の四つの欄に分けて規定する。それぞ

れの欄における表記法及び解釈を,次に示す。

(1)

番号

(1.1)

番号は,6 個の数字によって表す。最初の 2 けたの数字は,情報処理用語の規格番号の末尾 2 けた

を示す。次の 2 けたの数字は,この規格での分類を示す。最後の 2 けたは,同一分類内の一連番号

を示す。

(1.2)

番号の右肩の星印

*

は,その用語が日本工業規格独自のものであることを表す。

(2)

用語

(2.1)

同一の意味を表す用語が二つ以上ある場合は,表記した順に従って優先使用する。

(2.2)

用語の使用分野を限定する場合には,用語に引き続く丸括弧  (  )  内にそのことを示す。

例  “比較器(アナログ計算における)”(19.01.14 参照)

(2.3)

用語が省略形である場合は,用語に引き続く丸括弧  (  )  内に示す。

例  “ADC(省略形)”(19.01.18 参照)

(3)

定義

(3.1)

文中で下線の引いてある語は,情報処理用語に関する日本工業規格に規定されていることを示す。

(3.2)

丸括弧  (  )  の使い方については,(2)と同様とする。

(4)

対応英語


2

X 0019-1994

(4.1)

この欄の英語は,対応国際規格に規定されている用語であって,規定されている定義と対応する。

ただし,右肩に星印

*

が付いているものを除く。

(4.2)

丸括弧  (  )  の使い方については,(2)と同様とする。

4.

情報処理用語−アナログ計算  次のとおり定める。

19.01

演算器

番号

用語

定義

対応英語

19.01.01 

アナログ変数

数式の変数又は物理量に対応する連続信号。

analog variable

19.01.02 

演算増幅器

各種の演算器を構成するために外部素子を付加して使用する増

幅器。

operational amplifier

19.01.03 

アナログ加算器

複数の入力  アナログ変数を単に加算又はそれぞれの入力  アナ

ログ変数を加重加算した出力  アナログ変数を得る演算器。

参考

単に加算器ともいう。

summer,

analog adder

19.01.04 

符号変換器

入力  アナログ変数と大きさが等しく,かつ符号が反対の出力  ア

ナログ変数を得る演算器。

inverter

19.01.05 

係数器

入力  アナログ変数を定数倍した出力  アナログ変数を得る演算

器。

coefficient unit,

scale multiplier

19.01.06 

アナログ乗算器,   
アナログ掛算器

二つの入力  アナログ変数の積に比例した出力  アナログ変数を

得る演算器。

備考

この用語は,サーボ乗算器のように二つ以上の乗算

ができる装置にも適用する。

参考

単に乗算器又は掛算器ともいう。

analog multiplier

19.01.07 

1/4

自乗乗算器

XY

= [(XY)

2

−  (XY)

2

] /4

の関係式に基づいて乗算出力  アナ

ログ変数を得る演算器。

quarter-squares multiplier

19.01.08 

アナログ除算器,   
アナログ割算器

二つの入力  アナログ変数の商に比例した出力  アナログ変数を

得る演算器。

参考

単に除算器又は割算器ともいう。

analog divider

19.01.09 

積分器

入力  アナログ変数を時間に関して積分した出力  アナログ変数

を得る演算器。

備考

積分器によっては時間以外を積分変数とみなすこと

ができる。

integrator

19.01.10 

加算積分器

入力  アナログ変数を加重加算し,時間に関して積分した出力  ア

ナログ変数を得る演算器。

summing integrator

19.01.11 

関数発生器

入力  アナログ変数のある関数に等しい出力  アナログ変数を得

る演算器。

function generator

19.01.12 

固定関数発生器

発生する関数が固定されており,利用者によって変更が不可能な

関数発生器。

fixed function generator

19.01.13 

可変関数発生器

発生する関数が計算する前又は計算途中に利用者によって設定

できる関数発生器。

variable function generator

19.01.14 

比較器(アナログ計
算における)

二つの入力  アナログ変数を比較し,その比較結果を示す演算器。

comparator (in analog

computing)

19.01.15 

リミタ(アナログ計
算における)

アナログ変数が規定域を超過するのを制限する演算器。

limiter (in analog

computing)

19.01.16 

不感帯要素

出力  アナログ変数が入力  アナログ変数の特定範囲内では一定

である演算器。

dead zone unit

19.01.17 

リゾルバ

極座標で与えられた入力  アナログ変数を,直角座標の出力  アナ

ログ変数に変換する演算器。又はその逆変換を行う演算器。

備考

リゾルバは,PR(極座標から直角座標へ)又は RP

(直角座標から極座標へ)と呼ばれる。

resolver


3

X 0019-1994

番号

用語

定義

対応英語

19.01.18 

アナログ−ディジタ
ル変換器,   
A/D

変換器,

ADC

(省略形)

データをアナログ表現からディジタル表現に変換する演算器。

analog-to-digital converter,

A/D converter,

ADC (abbreviation)

19.01.19 

ディジタル−アナロ
グ変換器,   
D/A

変換器,

DAC

(省略形)

データをディジタル表現からアナログ表現に変換する演算器。

digital-to-analog coverter,

D/A converter,

DAC (abbreviaton)

19.01.20 

追従保持要素,   
トラックホールドユ
ニット

外部論理  信号によって,入力  アナログ変数又はその標本値に等

しい出力  アナログ変数を得る演算器。

備考

この演算器の出力は,追従状態では入力  アナログ変

数に従って変化し,保持状態では外部論理信号で動

作状態が切り換えられた瞬間の入力  アナログ変数

値を保持する。

track and hold unit,

track and store unit

19.01.21* 

演算器(アナログ計
算における)

入力に対して特定の演算を施した出力を得る装置。

functional unit (in analog

computing)

19.01.22* 

アナログスイッチ

外部論理  信号で入力  アナログ変数を選択した出力を得る演算

器。

analog switch

19.02

モード及び動作

番号

用語

定義

対応英語

19.02.01 

係数設定モード

アナログ計算機の動作モードであって,問題の係数値を設定する

モード。

potentiometer set mode

19.02.02 

テストモード

アナログ計算機の動作モードであって,演算器相互間の接続状態

を調べるために特定の初期条件を与え,更に積分器以外のすべて

の演算器の正常な動作を確認するモード。

static test mode

19.02.03 

初期条件モード,   
リセットモード

アナログ計算機の動作モードであって,積分器は動作させないで

初期条件を設定するモード。

initial condition mode

19.02.04 

演算モード

アナログ計算機の動作モードであって,演算を実行し解を求める

モード。

compute mode,

operate mode

19.02.05 

保持モード

アナログ計算機の動作モードであって,積分が停止しすべての変

数をこのモードに入った時の値に保持するモード。

hold mode

19.02.06 

時間変換係数

解く問題の時間軸を計算機の時間軸に変換するのに使う係数。

time scale (factor)

19.02.07 

実時間演算(アナロ
グ計算における)

時間変換係数が 1 で行われる演算。

real-time operation (in

analog computing)

19.02.08 

繰返し演算

初期条件と他のパラメタの決まった組合せに従い,自動的繰返し

によって方程式の解を求める演算。

備考

繰返し動作によって同一の解波形を表示するのに用

いる。一つ以上のパラメタの手動調整,最適化等に

も利用できる。

repetitive operation

19.02.09 

反復演算,   
自動設定繰返し演算

初期条件又は他のパラメタの組合せ順序に従い,自動的にパラメ

タを設定する機構によって方程式の各解を求める演算。

備考

反復演算は,境界値問題又はシステムパラメタの最

適化問題の解を自動的に求めるのに使用する。

iterative operation,

automatic sequential

operation


4

X 0019-1994

情報処理用語アナログ計算 JIS 原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

黒  川  一  夫

東京理科大学基礎工学部

荒  井      実

日本バーブラウン株式会社厚木テクニカルセンター

岡  村  総一郎

東京理科大学理学部

加  納  賢  次

三菱電機株式会社北伊丹製作所

小  林  克  己

フロンティア・コンピュータ・システムズ株式会社技術部

西  田  武  彦

日立電子株式会社特機本部

長谷川  博  一

日本電気株式会社コンシューマ半導体販売事業部

古  橋  中  具

電子技術総合研究所知能システム部

丸  川      章

工業技術院標準部

ロバート・ディー
ターズ

上智大学理工学部

(事務局)

及  川      清

社団法人情報処理学会情報規格調査会