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X 0017 : 1997 (ISO/IEC 2382-17 : 1996)

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。

この規格では,情報処理におけるデータベース処理に関する主たる用語,定義及び対応英語について規

定する。


日本工業規格

JIS

 X

0017

: 1997

 (ISO/IEC

2382-17

: 1996

)

情報処理用語(データベース)

Glossary of terms used in

information processing

(Database)

序文  この規格は,1996 年に第 1 版として発行された ISO/IEC 2382-17, Information technology−Vocabulary

−Part 17 : Databases を翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は原国際規格にはない事項である。

1.

適用範囲  この規格は,情報処理におけるデータベース用語,定義及び対応英語について規定する。

2.

分類  用語は,次のとおり分類する。

a)

一般用語(17.01 参照)

b)

概念レベル(17.02 参照)

c)

外部レベル,内部レベル,論理レベル及び物理レベル(17.03 参照)

d)

関係構造(17.04 参照)

e)

階層構造及びネットワーク構造(17.05 参照)

f)

データ辞書機能(17.06 参照)

g)

データベース言語(17.07 参照)

h)

実現方法及び管理(17.08 参照)

i)

その他(17.09 参照)

3.

表記法  この規格では,各用語を,番号,用語,定義及び対応英語の四つの欄に分けて規定する。そ

れぞれの欄における表記法及び解釈を,次に示す。

a)

番号  番号は,数字 6 個によって表す。最初の 2 けたの数字は,情報処理用語の規格番号の末尾 2 け

たを示す。次の 2 けたは,この規格での分類を示す。最後の 2 けたは,同一分類番号内の一連番号を

示す。

b)

用語

1)

同一の意味を示す用語が二つ以上ある場合は,表記の順に従って優先的に使用する。

2)

用語の一部分が丸括弧(  )で囲まれている場合は,その部分を省略してもよいことを表す。この

場合は,括弧内を省略したときとしないときとの間に優先順位はない。

例  “(データベース)ファイル編成”(17.03.12 参照)

3)

同一の用語が別の定義をもつ場合には,用語の左端に(1)(2),…を付ける。


2

X 0017 : 1997 (ISO/IEC 2382-17 : 1996)

  (1)  データモデル”(17.01.07 参照)

(2)  データモデル”

17.01.08 参照)

4)

用語の使用分野を限定する場合には,用語に引き続く丸括弧の中にそのことを示す。

例  “カーソル(データベースにおける)”(17.04.16 参照)

5)

用法を用語に引き続く丸括弧(  )の中に示す。

例  “DBMS(省略形)”(17.01.03 参照)

c)

定義

1)

文中で下線の引かれている語句は,情報処理用語に関する日本工業規格の中で規定されていること

を示す。

2)

丸括弧(  )の使い方は,(2)と同様とする。

d)

対応英語

1)

この欄の英語は,対応国際規格の中で規定されている用語であって,規定されている用語と対応す

る。

2)

丸括弧(  )の使い方は,(2)と同様とする。

4.

情報処理用語(データベース)

17.01

一般用語

番号

用語

定義

対応英語

17.01.01

データベース

適用業務分野で使用するデータの集まりであって,データの特

性とそれに対応する実体の間の関係とを記述した概念的な構造

によって編成されたもの。

参考

  01.08.05

と同じであるが,原国際規格に合わせて“実

体との間の関係を記述…”を“実体の間の関係とを

記述…”に,さらに,分かりやすい表現にするため

に,“複数の適用業務分野を支援する…”の部分を

“適用業務分野で使用する…”に変更した。

database

17.01.02

スキーマ

思考の特定のレベルに関係する,データベースの構造について

の完結した記述。

schema

17.01.03

データベース管理シス

テム,

DBMS

(省略形)

データベースの定義,生成,操作,制御,管理及び使用のため

の,ハードウェア及びソフトウェアに基づいたシステム。

備考

データベースを使用するためのソフトウェアは,デ

ータベース管理システムの一部分でも,独立のデー

タベース管理システムでもよい。

database management

system,

DBMS

17.01.04

情報システム(データベ

ースにおける)

情報の維持及び操作のためのシステムを形成する概念スキー

マ,情報ベース及び情報処理系。

information system (in

databases)

17.01.05

経営情報システム,

MIS

(省略形)

組織の管理者層による意思決定を支援する情報処理システム。 management

information

system,

MIS

17.01.06

利用者ビュー

特定の利用者又は利用者グループにとっての論議領域の見方,

及び関連する情報であって,対応するデータの集まりによって

表現されたもの。

user view

17.01.07

(1)

データモデル

情報システムにおける形式的記述,及び適用されるデータベー

ス管理システムの要件に従って,データベースの中のデータを

構造化するパターン。

data model

17.01.08

(2)

データモデル

組織(企業,官公庁など)における情報構造を反映した方法で

のデータ編成の記述。

data model


3

X 0017 : 1997 (ISO/IEC 2382-17 : 1996)

番号

用語

定義

対応英語

17.01.09

データモデル化機能,

DMF

(省略形)

データモデル  (17.01.08)  を実現するためのソフトウェア。

data modelling facility,

DMF

17.01.10

データ構造化規則

データの構造を,特定のデータ型の実現値として指定する規則。

data structuring rule

17.01.11

データ対象(データベー

スにおける)

一つの単位として扱われるデータであって,既知であるか又は

既知であるとみなしたデータ構造の実現値を表現するもの。

data object

17.01.12

データ操作規則

特定のデータ型のデータに対して許容された操作に従って,そ

のデータ型の実現値としてのデータ対象を操作するための規

則。

data manipulation rule

17.01.13

データベース  スキーマ  次の二つの特性をもつスキーマの集まり。

a)

特定の論議領域又は実体世界に関する思考の特定のレベ

ル,及び適切なデータベースの見方に関係する。

b)

思考の各レベルに関連する情報ベースの矛盾のない文の集

まりの表現形式を定義し,これらの形式に対する操作の側

面を含む。

database schema

17.01.14

データベースサブスキ

ーマ

データベース  スキーマのうち一つ以上の適用業務に関係する

部分。

database subschema

17.02

概念レベル

番号

用語

定義

対応英語

17.02.01

概念レベル

情報システムにおける論議領域の特性又は実体世界を記述した

情報の解釈及び操作だけに限った見方。

conceptual level

17.02.02

概念モデル

論議領域の特性の,実体及び実体関連による表現。 conceptual

model

17.02.03

命題

実体に関係する事象について認識できる状態であって,その事

象に関して成立していることを主張したり否定したりできるも

の。

proposition

17.02.04

情報ベース

特定の実体世界に関して成立する命題を表現した文の集まりで

あって,文同士でも概念スキーマとも矛盾しないもの。

information base

17.02.05

実体

現在に存在し,過去に存在し,又は将来に存在し得る,具体的

又は抽象的な事物,及び事物間の結び付き。

人,もの,事象,理念,処理

備考

データが入手可能であってもなくても,実体は存在

し得る。

entity

17.02.06

論議領域,

対象領域

特定の文脈において関心のあるすべての実体。

“財務”に関心のある場合は,“ある企業の財務面の

すべて”が論議領域になる。

備考

論議領域は,複数の実体世界を含むことができ,ま

だ認識されていない又は考慮されない実体を含む

ことができる。

universe of discourse

17.02.07

実体世界

論議領域の特定の見方に関連する実体の集まり。

 

“支払給与”及び“売掛勘定”は,“ある企業の財務

面のすべて”という論議領域における実体世界と考え

ることができる。

entity world

17.02.08

実体クラス

共通の属性をもつ実体の集まり。

商取引,従業員

entity class

17.02.09

(実体)実現値

ある実体クラスの特定の実体。

特定の商取引又は特定の従業員

(entity) occurrence,

(entity) instance

17.02.10

属性

実体の,名前付きの特性。 attribute

17.02.11

属性値,

ある属性の特定の実現値。

“青”は,属性“色”の属性値である。

attribute value,

value


4

X 0017 : 1997 (ISO/IEC 2382-17 : 1996)

番号

用語

定義

対応英語

17.02.12

属性定義域,

定義域(データベース

における)

ある属性のとり得るすべての値の集まり。 attribute

domain,

domain (in databases)

17.02.13

属性クラス

ある実体クラスの実体実現値に関して,同じ特性に対応してと

り得るすべての属性値の集まり。

関係表の列の名前は,属性クラスの名前とみなすこと

ができる。

備考

属性クラスは,対応する属性領域の一部であっても

よい。

attribute class

17.02.14

実体識別,

識別

一つ以上の属性の属性値によって特定の実体の実現値を一意に

識別する方法。

entity identification,

identification

17.02.15

実体関連,

関連

実体間,又は同じ実体クラスの属性間の認識された結び付き。

備考

特定の文脈では,実体関連が実体とみなされること

がある。

entity relationship,

relationship

17.02.16

属性関連,

関連

属性間の認識された結び付き。 attribute

relationship,

relationship

17.02.17

従属性

ある実体又は属性は,別の実体又は属性がそれぞれ存在すると

きに限り,存在することを示す実体関連又は属性関連。

dependency

17.02.18

動作

情報ベース又は概念スキーマに存在する文の集まりに対する一

連の基本動作であって,一つの単位として扱われ,文の集まり

を別の文の集まりに変更したり,検索したりするもの。

action

17.02.19

基本動作

スキーマの文脈に従った,文の挿入,削除又は検索。 elementary

action

17.02.20

許容動作

指定された規則又は制約に合致する動作であって,情報ベース

又は概念スキーマに存在する,矛盾のない文の集まりを別の矛

盾のない文の集まりに変更したり,矛盾のない文の集まりを検

索したりすること。

permissible action

17.03

外部レベル,内部レベル,論理レベル及び物理レベル

番号

用語

定義

対応英語

17.03.01

外部レベル

利用者向きの情報表現に限った立場で思考するレベル。 external

level

17.03.02

内部レベル

情報システムの物理的な実現方法に従った情報表現に限った立

場で思考するレベル。

internal level

17.03.03

外部スキーマ

データベース  スキーマのうちで外部レベルと関係する部分で

あって,特定の利用者ビューの立場で起こり得る文の集まりの

外部表現と,その表現に対する操作面とを定義したもの。

external schema

17.03.04

内部スキーマ

データベース  スキーマのうちで内部レベルと関係する部分で

あって,特定の利用者ビューの立場で可能な文の集まりの内部

表現と,その表現に対する操作面とを定義したもの。

internal schema

17.03.05

概念スキーマ

論議領域で成立すべき命題を表現する矛盾のない文の集まり。 conceptual

schema

17.03.06

概念サブスキーマ

概念スキーマのうち一つ以上の適用業務に関係する部分。 conceptual

subschema

17.03.07

論理レベル

概念スキーマ及び対応する情報ベースには従い,物理的な実現

方法は抽象化して,データベース及びそのアーキテクチャを取

り扱う立場で思考するレベル。

logical level

17.03.08

物理レベル

データ構造の物理表現,並びにデータ処理システム内でのデー

タ構造とその対応する記憶編成及びアクセス操作との間の写像

の立場で思考するレベル。

physical level

17.03.09

論理スキーマ

データベース  スキーマのうち,論理レベルと関係する内部スキ

ーマの部分。

logical schema

17.03.10

物理スキーマ

データベーススキーマのうち,物理レベルと関係する内部スキ

ーマの部分。

physical schema


5

X 0017 : 1997 (ISO/IEC 2382-17 : 1996)

番号

用語

定義

対応英語

17.03.11

記憶編成

データ構造とその結び付きとに対応した,記憶装置の配置及び

アクセス操作の組合せ方。

備考

データ構造の論理的な要素は,それらの物理的な格

納領域に写像される。例えば,レコード型のレコー

ドは,ファイルの格納  レコードに写像される。

storage organization

17.03.12

(データベース)ファ

イル編成

特定のファイル及びそのレコードのデータ構造に従った記憶領

域の配置及びアクセス法の実現であって,それによってデータ

ベースの一部分であるファイルを提供するもの。

参考

この項は,

原国際規格の中で Part 04 にも記載するよ

う指示されている。このため,対応日本工業規格で

ある JIS X 0004-1987[情報処理用語(データの構

成)]の改正の際に,この項は同規格にも記載され

ることになる。

(database) file organization

17.03.13

主キー,

一次キー

一つのレコードを一意に識別するキー。 primary key

17.03.14

副キー,

二次キー

主キーではないキーであって,索引が維持されており,識別さ

れるレコードが二つ以上あってもよいもの。

secondary key

17.03.15

アクセス経路

必要とするデータに到達するアドレスの連鎖。

備考

一つのデータ項目に関して二つ以上のアクセス経

路が同時に存在することがある。

access path

17.03.16

アクセス経路独立性

アクセス経路が変更されてもプログラムの中でデータの論理記

述を変更する必要のないように,データの論理記述をそのアク

セス経路から独立させること。

access path independence

17.03.17

現在ポインタ

データ操作言語の命令文を実行すると必要に応じて更新される

ポインタであって,データ操作における現在レコードの場所を

識別するもの。

current pointer

17.03.18

入口点(データベース

における)

利用者の指令によってデータベースの中に入ったときに,最初

にアクセスされるレコード。

entry point (in databases)

17.04

関係構造

番号

用語

定義

対応英語

17.04.01

関係

同じ属性をもつ実体実現値及びそれらの属性の集まり。

備考

関係データベースでは,実体に対応する行と,属性

に対応する列とからなる表によって,関係を表現す

ることができる。

relation

17.04.02

関係クラス

同じ属性の集まりを共通にもつすべての関係。

備考  関係クラスは,属性名の集まりによって特徴づけら

れる。

relation class

17.04.03

関係構造

関係として配置されるデータの構造。 relational

structure

17.04.04

関係モデル

その構造が関係の集まりに基づくデータモデル。

 SQL

は,そのようなモデルを表現する。

relational model

17.04.05

関係データベース

関係によってデータが編成されアクセスされるデータベ

ース。

relational database

17.04.06

関係データベース管理

システム,

RDBMS

(省略形)

関係データベース用に設計されたデータベース管理システム。 relational

database

management system,

RDBMS

17.04.07

関係データベースにおける関係の一部分であって,実体とその

属性とを一意に記述するもの。

備考

組は,

関係表の 1 行によって表現することができる。

tuple


6

X 0017 : 1997 (ISO/IEC 2382-17 : 1996)

番号

用語

定義

対応英語

17.04.08

関係代数

関係を表現し操作するための代数。

備考

関係代数における一般的な演算は,射影,選択,結

合,デカルト積(直積)

,和,積及び差である。

relational algebra

17.04.09

射影

関係代数の演算の一つであって,ある関係から属性の部分集合

を使用して新しい関係を作り出すもの。

備考

関係代数では,重複部分は削除されるが,すべての

実現がこの規則に従っているとは限らない。

projection

17.04.10

選択

関係代数の演算の一つであって,ある関係から実体実現値の部

分集合である,新しい関係を作り出すもの。

 

属性として“著者”及び“表題”を含む“書籍”とい

う関係が与えられたとき,特定の著者による著作物の

部分集合を作り出す演算。

selection

17.04.11

結合

関係代数の演算の一つであって,各関係の一つ以上の属性に関

し共通の定義域をもつ二つ以上の関係から一つの新しい関係を

作り出すもの。

備考

この操作は,関係のデカルト積に基づいて行われ

る。元の関係の行のうち,共通の定義域の値が同じ

である行どうしを順次組み合わせる。

join

17.04.12

正規化(データベース

における)

一つの関係を,属性間の冗長性及び矛盾を排除して,より単純

な一つ以上の関係に変換する過程であって,参照整合性の維持

に役立つ。

normalization (in databases)

17.04.13

参照整合性

外部キーの属性値が,他の関係の主キーの値と同一であるか,

又はナル値であるような,関係の集まりのもつ特性。

参考

ある表の中の一つの属性が外部キーである場合,そ

の参照先が存在しないときにナル値を与えること

がある。

referential integrity

17.04.14

基数(データベースに

おける)

関係データベースにおける,関係の中の組の個数。 cardinality

17.04.15

外部キー

一つの関係における,別の関係の中の主キーに対応する属性の

グループ。

foreign key

17.04.16

カーソル(データベー

スにおける)

関係データベースにおける,表の中の行へのポインタであって,

その表の中を移動するために使用されるもの。

備考

 SQL

では,現在ポインタをカーソルと呼ぶ。

cursor (in databases)

17.04.17

関数従属性

関係の属性の対(A,B)の性質であって,A の各属性値に対

し,関連する B の属性値が一つだけ存在するもの。

備考

数学的には,

“A から B への写像が存在する”とい

う。

functional dependence

17.05

階層構造及びネットワーク構造

番号

用語

定義

対応英語

17.05.01

階層モデル

データ  モデルであって,その構造のパターンが木構造に基づい

ているもの。

hierarchical model

17.05.02

木構造

実体又は属性をノードとして配置したデータ構造であって,各

ノードにはたかだか一つの親ノードがあり,かつ,根ノードが

一つしかないもの。

tree structure

17.05.03

ネットワークモデル

データ  モデルであって,その構造パターンがネットワーク構造

に基づいているもの。

 NDL

モデル

network model

17.05.04

ネットワーク構造

実体又は属性をノードとして配置したデータ構造であって,木

構造とは違い,ノードが複数の親ノードをもつことが可能であ

るもの。

network structure


7

X 0017 : 1997 (ISO/IEC 2382-17 : 1996)

番号

用語

定義

対応英語

17.05.05

根ノード

親ノードをもたないノード。 root node

17.05.06

親ノード

直接に従属するノードを少なくとも一つもつノード。

参考

二つのノード A,B があって,ノード B がノード A

に直接に従属するとき,ノード B からみてノード A

を親ノードという。

parent node

17.05.07

終端ノード,

従属するノードをもたないノード。 terminal

node,

leaf

17.05.08

レコード(データベー

スにおける)

レコード型の実現値であるデータ対象。 record (in

databases)

17.05.09

データ型(データベー

スにおける)

指定されたデータ構造をもつデータ対象の定義された集まり,

及び許容された操作の集まりであって,これらの操作の一つを

実行するときにそのデータ対象が作用対象としての役割を果た

すもの。

整数型は非常に単純な構造をもち,各実現値は通常,

値と呼ばれ,指定された範囲の整数の要素を表現す

る。可能な操作には,これら整数に施される通常の算

術演算が含まれる。

data type (in databases)

17.05.10

合成型

一つ以上のデータ型をもつデータ構造で構成されたデータ型で

あって,許容された操作の固有の集まりをもつもの。

“複素数”というデータ型は,二つの“実数”データ

型からなる。

備考

合成型に対する操作は,その実現値を一つの単位と

して操作することもあり,実現値の一部分を操作す

ることもある。

composite type

17.05.11

レコード型(データベ

ースにおける)

フィールド型又は他のレコード型を構成要素とする合成型。

record type (in databases)

17.05.12

データ欄,

フィールド(データベ

ースにおける)

フィールド型の実現値であるデータ対象。 data

field,

field (in databases)

17.05.13

フィールド型

データ型てあって,その実現値は,概念的な文脈では基本項目

であり,その文脈では基本的な性質の情報を表現するもの。

“日付”というデータ型は,ある文脈では基本項目で

あるが,別の文脈では“年”

“月”及び“日”という

三つのフィールド型で構成されることがある。

備考

文脈によっては,フィールド型は,スカラ型である

ことも合成型であることもある。

field type

17.05.14

親子集合(ネツトワー

クモデルにおける)

対応する親子集合型に従った,レコードの名前付きの集まり。

set (in a network model)

17.05.15

親子集合型

レコード型の名前付きの集まりであって,親レコードである一

つのレコード型と,子レコードである一つ以上のレコード型と

から成り,かつ,親レコードのレコード型と他のレコード型と

の間に階層関係があるもの。

set type

17.05.16

親レコード(ネットワ

ークモデルにおける)

一つの親子集合の中で他のすべてのレコードに対して上位にあ

るレコード。

owner record (in a network

model)

17.05.17

子レコード(ネットワ

ークモデルにおける)

一つの親子集合の中で親レコードの下位にあるレコード。

member record (in a

network model)

17.05.18

領域(ネットワークモ

デルにおける)

一つの単位として開いたり閉じたりすることのできるデータベ

ースの一部分。

realm (in a network model)


8

X 0017 : 1997 (ISO/IEC 2382-17 : 1996)

17.06

データ辞書機能

番号

用語

定義

対応英語

17.06.01

データ辞書,

情報資源辞書,

IRD

(省略形)

メタデータからなるデータベース。 data

dictionary

information resource

dictionary,

IRD

17.06.02

データ要素(データベ

ースにおける)

論議領域の対象とそれらを表現した語との間に確立される関連

であって,名前をもち,基本的な単位として扱われるもの。

備考1.

関連のこのような性質によって,対象の集合,語

の集合,対象及び語かそれぞれの集合から取り出

された対象・語の対の集合が形成される。対象・

語の対の集合は,対象の集合の全要素と語の集合

の同数の要素との間での1対1対応を表す。

 

“自動車用の国名識別子”と呼ばれるデータ要素の例

を示す。

対象の集合

語の集合

1

∼3 文字の列

対の集合

オーストリア共和国: “A”

ベルギー王国: “B”

スイス連邦: “CH”

アメリカ合衆国: “USA”

語 “A”, “B”, “CH”,…, “USA” も,通常,

“自動

車用の国名識別子”と呼ばれる。

備考2.

対象は,具体的なものでも抽象的なものでもよ

い。

備考3.

語の集合の全要素が,対に関係しなくてもよい。

data element (in databases)

17.06.03

データ記述

データ要素及びデータ構造の形式的な記述であって,データ要

素の名前及び語を用いるもの。

data description

17.06.04

データ辞書システム,

情報資源辞書システ

ム,

IRDS

(省略形)

データ辞書の定義,生成,更新,処理及び使用のためのソフト

ウェアシステム。

data dictionary system,

information resource

dictionary system,

IRDS

17.06.05

メタデータ

データ記述を含むデータ要素に関するデータ,並びにデータの

所有者,アクセス経路,アクセス権及びデータの変更度に関す

るデータ。

metadata

17.06.06

データの変更度

ある時間間隔におけるデータの変更回数に関係するデータの特

性。

data volatility

17.07 

データベース言語

番号

用語

定義

対応英語

17.07.01

データベース言語

データベースの生成,モデル化,実現,記述,使用,管理など

の諸活動を支援するために使用する言語。

データ操作言語,データ定義言語

database language

17.07.02

概念スキーマ言語

計算機及び人間による解析が可能なデータベース言語であっ

て,命題及びその操作を,動作・記述の対,指令・条件の対な

どによって表現するために必要な言語構成要素のすべてを含む

もの。

conceptual schema language

17.07.03

データ定義言語,

データ記述言語,

DDL

(省略形)

データベース内のデータ及びデータ構造を記述するためのデー

タベース言語。

data definition language,

data description language,

DDL


9

X 0017 : 1997 (ISO/IEC 2382-17 : 1996)

番号

用語

定義

対応英語

17.07.04

データ操作言語,

DML

(省略形)

データベース管理システムの一環として用意されるデータベー

ス言語であって,データベースにアクセスし,データの生成,

検索,読取り,書込み,削除などの操作を行うために使用され

るもの。

備考

これらの操作は,手続き形式(手続き形のデータ操

作言語)又は論理式の形式(記述的なデータ操作言

語)で指定してもよい。

data manipulation language,

DML

17.07.05

記憶構造言語

特定の記憶装置又はオペレーティングシステムに依存すること

なく記憶編成を定義するためのデータベース言語。

storage structure language

17.07.06

データベース管理言

語,

DAL

(省略形)

データベース管理用のデータベース言語。 database

administration

language,

DAL

17.07.07

問合せ言語

利用者がデータベース内のデータを検索し,場合によってはそ

れを変更するデータ操作言語。

 SQL

query language

17.07.08

問合せ

指定した条件に基づいて,データベースからデータを直接に抽

出したり,ある結果を導き出したりする要求。

 

特定便の空席を問い合わせるための座席予約システ

ムへの要求。

query

17.07.09

関係言語

関係データベースへのアクセス,問合せ及び変更のためのデー

タベース言語。

relational language

17.07.10

埋込み言語,

埋込みデータベース言

データベースを使用するための命令文の集まりであって,既存

のプログラム言語に追加されるもの。

 COBOL

における埋込み SQL

embedded language,

embedded database

language

17.07.11

独立データベース言

語,

独立言語

データベース言語であって,データベースを使用する完結した

応用プログラムを作成でき,親言語の中に埋め込む必要のない

もの。

self-contained database

language,

self-contained language

17.07.12

親言語(データベース

における),

ホスト言語

埋込み言語を含むことができるプログラム言語。

host language (in databases)

17.07.13

述語

概念スキーマ言語の中の言語構成要素であって,動詞に似てお

り,文の中で参照される実体を修飾するもの。

predicate

17.07.14

概念スキーマ言語の中で実体を指す言語構成要素。 term

17.07.15

概念スキーマ言語の中で命題を表現する言語構成要素。 sentence

17.07.16

異義語

異なった実体を指す同じ項の集まり。 homonyms

17.07.17

同義語,

シノニム

同じ実体を指す異なった項の集まり。 synonyms

17.08

実現方法及び管理

番号

用語

定義

対応英語

17.08.01

データベース機械

データベース適用業務及び場合によってはデータベース実現用

に専用に設計された計算機。

database machine

17.08.02

分散データベース

物理的には分散して配置されているが,論理的には利用者がデ

ータベースを集中的に見ることのできるような方法でデータベ

ース管理システムによって扱われるデータベース。

distributed database

17.08.03

データベースハンドラ

データベース管理システムの構成要素であって,データベース

呼出しを解釈し,対応するデータベースへのアクセスを調整し,

実行するもの。

database handler


10

X 0017 : 1997 (ISO/IEC 2382-17 : 1996)

番号

用語

定義

対応英語

17.08.04

データベース管理

データベースの全データの定義,編成,管理,制御及び保護に

関する諸機能の遂行。

備考

保護されるデータには,メタデータ及びデータベー

スの他の記述の表現も含まれる。

database administration

17.08.05

データベース管理者

データベースの管理に責任をもつ人又はそのグループ。 database

administrator

17.08.06

データ管理

組織(企業,官公庁など)のデータの指定,収集,提供,維持

などの諸機能の遂行。

data administration

17.08.07

データベースユーティ

リティ

データベース全体としての導入,利用又は維持のためのプログ

ラム。

ロード,アンロード,回復,再構成,整合性検査,統

計情報作成などのためのプログラム。

database utility

17.08.08

データベースキー

データベース管理システムによって割り当てられる主キー。 database

key

17.08.09

主索引,

一次索引

主キー用の索引。 primary index

17.08.10

副索引,

二次索引

副キー用の索引。 secondary index

17.08.11

転置

副キーからみたファイル,レコードの集まり又は関係に関する

用語。その副キーからは,そのファイル,レコードの集まり又

は関係への索引が存在する。

inverted

17.08.12

更新前コピー

変更前のブロック又はレコードのコピー。 before-image

17.08.13

更新後コピー

変更後のブロック又はレコードのコピー。 after-image

17.08.14

ロードする(データベ

ースにおける)

データをデータベースに投入する。

<to>load (in databases)

17.08.15

回復(データベースに

おける)

バックアップファイル,更新後コピーなどによるデータベース

の復元。

recovery (in databases)

17.08.16

再始動(データベース

における)

誤りからの回復後のデータベース管理システムの開始。 restart

(in

databases)

17.08.17

コールド  スタート

更新前コピー又は更新後コピーの前処理を伴わないデータベー

ス管理システムの開始。

cold start

17.08.18

ウォーム  スタート

更新前コピー又は更新後コピーの前処理を伴うデータベース管

理システムの開始。

warm start

17.08.19

再構成

情報システムの実際の状態に従うようにデータベースの論理構

造を変更することであって,対応する再編成を含む。

restructuring

17.08.20

再編成

実際のデータ構造に従うように,又は実際のデータ構造へのよ

りよい適合を目的として,データベースの記憶編成を変更する

ことであって,データベースの中の既存のデータを新しい編成

に対して適応させることも含む。

備考

再編成は,記憶領域の効率的な使用,又はデータア

クセスの速度向上のために行われることがある。

reorganization

17.08.21

空き領域管理

データベース用に使用可能な記憶領域を管理するための手段又

はプログラムの使用。

free-space administration

17.08.22

データの独立性

適用業務プログラムがデータ構造の変更から独立であることを

可能にする,データベース管理システムの性質。

data independence


11

X 0017 : 1997 (ISO/IEC 2382-17 : 1996)

17.09

その他

番号

用語

定義

対応英語

17.09.01

利用者

計算機システムに指令又はメッセージを出したり,計算機シス

テムからメッセージを受け取ったりする人又はもの。

参考

この項は,

原国際規格の中で Part 01 に移動するよう

指示されている。このため,対応規格である JIS X 

0001-1994

(情報処理用語−基本用語)の改正の際に,

この項は同規格に移動されることになる。

user

情報処理用語−データベース用語 JIS 原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

下  田  宏  一

日本ユニシス株式会社

魚  木  五  夫

産能大学経営情報学部

大  野  義  夫

慶應義塾大学理工学部電気工学科

大  場  正  規

三菱電機株式会社

小  川  正  純

株式会社日立製作所

兼  谷  明  男

工業技術院

田  村      稔

日本電気株式会社

調      重  俊

株式会社東芝

高  橋  行  俊

国際電信電話株式会社研究所

遠  山  元  道

慶應義塾大学理工学部管理工学科

西  村  恕  彦

東京農工大学工学部電子情報工学科

林      真  人

日本アイ・ビー・エム株式会社

森      宗  正

規格調整専門委員

因      幸二郎

財団法人日本規格協会

(事務局)

及  川      清

社団法人情報処理学会