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日本工業規格

JIS

 X

0003

-1989

情報処理用語(装置技術)

Glossary of Terms Used in Information Processing

(Equipment Technology)

1.

適用範囲  この規格は,情報処理における装置技術に関する主な用語とその読み方,意味及び対応英

語について規定する。

備考1.  この規格は,国際規格 ISO 2382/3-1987に準拠している。

2.

この規格の中で,点線の下線を施してある箇所は,国際規格 ISO 2382/3-1987 にはない事項

を示す。この場合,対応英語は参考とする。

対応国際規格:

ISO 2382/3-1987 Information processing systems

−Vocabulary−Part 03 : Equipment technology

2.

表記法  この規格では,各用語を,番号,用語及び読み方,意味並びに対応英語の四つの欄に分けて

記述する。それぞれの欄における表記法を次に示す。

(1)

番号に関する表記法  番号は,6 個の数字によって表す。最初の 2 けたの数字は,情報処理用語規格

番号の末尾 2 けたを,次の 2 けたの数字は,同一分類のこの規格の区分を意味する。最後の 2 けたの

数字は,同一区分の一連番号とする。

(2)

用語及び読み方に関する表記法

(2.1)

同一の意味を表す用語が二つ以上ある場合は,その順位に従って優先使用する。

(2.2)

用語の一部が丸括弧  (  )  で囲まれている場合は,その部分を省略してもよいことを表す。この場

合は,括弧内を省略したときと省略しないときとの間に優先順位はない。

1:  “自動(的)”は,“自動”又は“自動的”を表す(01.01.04参照)。

2:  “(計算機)プログラム”は,“計算機プログラム”又は“プログラム”を表す(01.04.01参照)。

(2.3)

用語が幾つもの類似の意味をもつ場合には,それらを個々に規定し,用語の前に(1)(2),……を付

ける。

例: “(1)引き数”(02.02.02 参照),“(2)引き数”(02.02.03 参照)

(2.4)

類似の意味をもち,しかもその記述がほとんど同一である二つ以上の用語は,角括弧  [  ]  を用い

て一つにまとめて規定する。この場合,用語及び読み方欄の  [  ]  に対して,意味欄の対応する  [  ]

を採るものとする。


2

X 0003-1989

例: 次の(a)(b)とは同じ(02.10.05 参照)。

(a)

用語及び読み方

意味

2

項[項]演算

2

個[個]のオペランドに対する演算。

(b)

用語及び読み方

意味

2

項演算

2

個のオペランドに対する演算。

N

項演算

N

個のオペランドに対する演算。

(2.5)

用語の使用分野を限定する場合には,用語に引き続く丸括弧 ( ) 内にそのことを示す。

1:  “情報(データ処理及び事務機械における)”(01.01.02参照)

2:  “呼出し(プログラミングにおける)”(07.09.04参照),“呼出し(データ網における)”(09.06.08

参照)

(2.6)

文法上の用法又は省略形などを,用語に引き続く丸括弧  (  )  内に示す。

例: “SYSGEN(頭字語)”(10.02.18 参照),“DP(省略形)”(01.01.03 参照)

(2.7)

漢字が常用漢字表にない場合には,仮名で示し,それに引き続く山括弧〈  〉内に該当する漢字を

示す。

例: “はん〈汎〉用レジスタ”(11.02.08 参照)

(2.8)

用語の読み方は,振り仮名によって示す。ただし,用語が英字からなり,その読み方が各英字の読

み方どおりの場合には,振り仮名は付けない。

1:  (データ)

しょり

処理(01.01.03参照)

2:

こぼる

COBOL

07.02.22参照)

3: DP(01.01.03参照)

(3)

意味に関する表記法

(3.1)

文中で下線(実線)の引いてある語は,情報処理用語に関する日本工業規格に規定されている用語

であることを示す。

(3.2)

角括弧  [  ]  の使い方については,(2.4)を参照のこと。

(4)

対応英語に関する表記法

(4.1)

この欄の英語は,国際規格 ISO 2382/3-1987 に規定されている用語であって,規定されている意味

と対応する。

(4.2)

対応英語について使用上の注意事項がある場合には,対応英語に引き続く丸括弧  (  )  内に示す。

(4.3)

対応英語に付けられた括弧内の注記の意味は,次のとおりとする。

(使用しないほうがよい。

:国際規格及びこの規格では,この英語を使用しないので,使用しな

いほうがよいことを示す。

例: 02.04.01 logic function(使用しないほうがよい。)

(使用してはいけない。

:国際規格及びこの規格では,用語統一の見地から,この英語を使用

してはいけないことを示す。

(この意味では使用しないほうがよい。

:国際規格及びこの規格では,他の意味で使われてい

るため,この英語を使用しないほうがよいことを示す。

(××だけ)

:この英語は××(国名)だけで通用することを示す。

例: 02.02.07 range(オーストラリアだけ)

また,角括弧及び使用分野を限定する丸括弧の用法は,

“用語及び読み方”の欄と同様とする。


3

X 0003-1989

3.

情報処理用語(装置技術)  主な用語について,次のとおり定める。

03.01

回路及び記号

番号

用語及び読み方

意味

対応英語

03.01.01  トリガ

かいろ

回路

少なくとも一つの安定状態を含む幾つかの安定状態又
は不安定状態をもち,適切なパルスを印加することに

よって目的とする状態遷移を起こすことができる回
路。

trigger circuit

03.01.02 

あんていじょう

安定状態

トリガ回路において,適切なパルスの印加まで回路が
とどまっている状態。

stable state

03.01.03 

ふあんていじょうたい

不安定状態

トリガ回路において,パルスの印加なしに安定状態に

戻るまでの一定期間,回路がとどまっている状態。

unstable state,

metastable state,

quasistable state

03.01.04 

そうあんてい

双安定(トリガ)

かい

路,

フリップフロップ

二つの安定状態をもつトリガ回路。

bistable (trigger) circuit,

flip-flop

03.01.05 

たんあんてい

単安定(トリガ)

かい

一つの安定状態と一つの不安定状態をもつトリガ回

路。

monostable (trigger)

circuit

03.01.06 

ちえんそし

遅延素子

ある与えられた時間間隔の後,先に入力された入力信
号と本質的に同じ出力信号を出力する機構。

delay elememt

03.01.07 

ちえんせん

遅延線

信号の伝送において,目的とする遅延を生じるように
設計された線又は回路網。

delay line

03.01.08 

パルス

考慮の対象とする時間に比べて短期間の振幅の変化で
あって,その変化後の値が最初の値と同じもの。

pulse,

impulse

03.01.09  パルス

れつ

同様の特性をもつ一連のパルス。 pulse

train,

pulse string

03.01.10 

こくじしんごう

刻時信号,

クロック

しんごう

信号,

こくじ

刻時パルス, 
クロックパルス

時間間隔の計測や同期化のために使用される周期信

号。

clock signal,

clock pulse

03.01.11 

しんごうへん

信号変換,

しんごうせいけい

信号成形

最大値,波形,タイミングなどの信号の特性を一つ以

上変えること。

signal tramsformation,

signal shaping

03.01.12 

しんごうさいせい

信号再生

元の特性と一致させるように,信号を復元する信号変
換。

signal regeneration

03.01.13 

きょかしんごう

許可信号

事象の生起を許す信号。 enabling

signal

03.01.14 

よくししんごう

抑止信号

事象の生起を禁止する信号。 inhibiting

signal

03.01.15 

パラメトロン

共振回路のパラメタ励振現象を利用して

2

1

分周発振を

起こさせ,この振動の 2 種の位相によって 2 進数字を

表示させることによって,記憶又は論理演算の機能を
行わせる論理素子。

parametron

03.02

演算及び処理の形態

番号

用語及び読み方

意味

対応英語

03.02.01 

へいれつ

並列

互いに類似した別々の機能単位によって扱われる個々

の事象がすべて同じ時間間隔内に生起する処理に関す
る用語。

例:内部バスを構成する複数の線によって機械の

語を構成する複数のビットを並列に転送する
こと。

parallel


4

X 0003-1989

番号

用語及び読み方

意味

対応英語

03.02.02 

ちょくれつ

直列

すべての事象が一つずつ次々に生起する処理に関する
用語。

例:CCITT 勧告 V.24 に従って,文字を構成する複

数のビットを直列に転送すること。

serial

03.02.03 

じゅんじ

順次,

ちくじ

逐次

すべての事象が,時間をおくことなく,一つずつ次々

に生起する処理に関する用語。

sequential

03.02.04 

へいこう

並行

共通の時間間隔内に生起し,共通の資源を交互に使用
しなければならないこともある複数の処理に関する用
語。

例:単一の命令制御装置をもつ計算機上の多重プ

ログラミングにおいては,数個のプログラムが
並行に実行される。

concurrent

03.02.05 

どうじ

同時

一つの処理において,別々の機能単位によって扱われ,
同じ時間間隔内に生起する二つ以上の事象に関する用

語。

例:一つ以上のプログラムの実行において,入出

力チャネル,入出力制御装置及び関連した周辺

装置によって行われる幾つかの入出力操作は,
互いに同時であり,また,処理装置によって直
接操作される他の操作とも同時であり得る。

simultaneous

03.02.06 

れんぞく

連続

一つの処理において,それぞれの間に他のいかなる事
象も生起しないで続く二つの事象に関する用語。

consecutive

03.02.07 

さきどり

先取り

進行中の処理と並行して,必要と思われる命令又はデ
ータをあらかじめ読み取ること。

prefetch

03.03

機能設計

番号

用語及び読み方

意味

対応英語

03.03.01 

きのうせっけい

機能設計

システムの構成要素の機能と構成要素間の動作上の関
係を規定すること。

functional design

03.03.02 

ろんりせっけい

論理設計

記号論理学のような形式的な記述方法を用いる機能設
計。

logic design

03.03.03 

ろんりず

論理図

論理設計の図形表現。 logic

diagram

03.03.04 

ろんりきごう

論理記号

演算子,機能又は機能的関係を表す記号。 logic

symbol

03.04

論理機構

番号

用語及び読み方

意味

対応英語

03.04.01 

ろんりかいろ

論理回路,

ろんりきこう

論理機構

論理演算を行う回路又は機構。 logic

device

03.04.02 

じゅんじょかいろ

順序回路

ある瞬間における出力値が,その時点での入力値と内部
状態とによって定まり,その内部状態は,直前の入力値
と直前の内部状態とによって定まる論理回路。

備考  順序回路は,有限個の内部状態をとることが

できるので,抽象的な観点からは有限オート
マトンとみなすことができる。

sequential circuit

03.04.03 

くみあわ

組合せ

かいろ

回路

いかなる時点においても,出力値がその時の入力値だけ
によって定まる論理回路。

備考  組合せ回路は,内部状態を考慮しなくてもよ

い順序回路の特別の場合である。

combinational circuit

03.04.04 

ろんりそし

論理素子, 
ゲート

基本となる論理演算を行う組合せ回路。

備考  論理素子は一般に 1 個の出力をもつ。

gate,

logic element


5

X 0003-1989

番号

用語及び読み方

意味

対応英語

03.04.05 

ひていそし

否定素子,

NOT

そし

素子,

NOT

ゲート

ブール演算としての否定を行う論理素子。 NOT

gate,

NOT element

03.04.06 

はいたいそし

排他素子は,

NOT-IF-THEN

そし

素子,

NOT-IF-THEN

ゲート

ブール演算としての排他演算を行う論理素子。 NOT-IF-THEN

gate,

NOT-IF-THEN element

03.04.07 

ろんりそし

論理積素子,

AND

そし

素子,

AND

ゲート

ブール演算としての論理積演算を行う論理素子。 AND

gate,

AND element

03.04.08 

はいたてきろんりわそし

排他的論理和素子,

EXCLUSIVE-OR

子,

EXCLUSIVE-OR

ゲート

ブール演算としての非等価演算を行う論理素子。 EXCLUSIVE-OR

gate,

EXCLUSIVE-OR element

03.04.09 

ろんりわそし

論理和素子,

(INCLUSIVE) OR

そし

素子,

(INCLUSIVE) OR

ゲート

ブール演算としての論理和演算を行う論理素子。

(INCLUSIVE-) OR gate,

(INCLUSIVE-) OR

element

03.04.10 

ひていろんりそし

否定論理和素子, 
NOR

素子,

NOR

ゲート

ブール演算としての否定論理和演算を行う論理素子。 NOR

gate,

NOR element

03.04.11 

とうかそし

等価素子,

IF-AND-ONLY-IF

そし

素子,

IF-AND-ONLY-IF

ゲート

ブール演算としての等価演算を行う論理素子。 IF-AND-ONLY-IF

gate,

IF-AND-ONLY-IF

element

03.04.12 

がんいそし

含意素子,

IF-THEN

そし

素子,

IF-THEN

ゲート

ブール演算としての含意演算を行う論理素子。 IF-THEN

gate,

IF THEN element

03.04.13 

ひていろんりせきそし

否定論理積素子,

NAND

そし

素子,

NAND

ゲート,

ブール演算としての否定論理積を行う論理素子。 NAND

gate,

NAND element

03.04.14 

いっちそし

一致素子,

いっち

一致ゲート

一致演算を行う論理素子。 identity gate,

identity element

03.04.15  しきい〈閾〉

ちそし

値素子,

しきい〈閾〉

値ゲート

しきい値演算を行う論理素子。 threshold

gate,

threshold element

03.04.16 

たすうけつそし

多数決素子,

たすうけつ

多数決ゲート

多数決演算を行う論理素子。 majority gate,

majority element