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T 9268

:2013

(1)

目  次

ページ

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義

1

4

  各部の名称

2

5

  種類

2

6

  一般要求事項

2

6.1

  リスクマネジメントによる設計

2

6.2

  外観

3

6.3

  構造

3

7

  性能

3

7.1

  上置き形の性能

3

7.2

  挟み込み形の性能

3

7.3

  昇降形の性能

4

8

  試験条件

4

8.1

  一般

4

8.2

  砂袋

4

8.3

  おもり

4

8.4

  当て板

4

8.5

  試験台

4

9

  試験方法

5

9.1

  上置き形

5

9.2

  挟み込み形

11

9.3

  昇降形

17

10

  検査

22

11

  表示

23

12

  取扱説明書

23

附属書 A(参考)設計における配慮事項

24


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まえがき

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本

工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 T

9268

:2013

福祉用具−補高便座

Assistive products-Raised toilet seats

1

適用範囲

この規格は,立ち座りを補助するため座面の高さを補う便座及び着座起立を支援する昇降機構を備えた

便座(以下,補高便座という。

)について規定する。ただし,和洋式変換便座及び便器自体が昇降するもの

を除く。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 6253-3

  加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方−第 3 部:デュロメータ硬さ

JIS T 0102

  福祉関連機器用語[支援機器部門]

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS T 0102 によるほか,次による。

3.1

便座

主に排せつ(泄)時に,使用者の身体を支持し作用する力を支える面となる部材。

3.2

上置き形

便座又は便座がない場合には便器の上に直接載せて使用する補高便座。

3.3

挟み込み形

便座と便器との間に挟み込み使用する補高便座。

3.4

昇降形

昇降させて使用する補高便座。

3.5

穴部

補高便座又は便座の開口部。

3.6

便座受け部

昇降形の便座を載せる部分。


2

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4

各部の名称

補高便座の各部の名称は,次による(

図 を参照)。

便座

穴部

便座

穴部

便座受け部

便器

タンク

図 1−各部の名称

5

種類

補高便座の種類は,次による(

図 を参照)。

a)

上置き形

b)

挟み込み形

c)

昇降形

補高便座

a)

  上置き形

b)

  挟み込み形

c)

  昇降形 

図 2−補高便座の種類

6

一般要求事項

6.1

リスクマネジメントによる設計

リスクマネジメントによる設計は,隙間に手の指及び頸部が挟まるリスクについて実施する。これは,


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製造事業者が実施するもので,実施手順及び結果を文書化し保存しなければならない。また,関連する要

因として

附属書 A(参考)に例示した事項を,設計において配慮することが望ましい。

6.2

外観

外観は,次による。

a)

外観の仕上げは良好で,機能に影響を与えるようなきず,くるい,接合部の外れなどの欠陥があって

はならない。

b)

外部に現れるボルト・ナットなどの先端を含め,人体に触れる部分には,触れた場合に傷を生じるよう

な突起,鋭い角,ささくれなどがあってはならない。

c)

塗装面の見えがかり部分は,光沢及び色調が均等で,塗りむら,垂れなどがあってはならない。

6.3

構造

構造は,次による。ただし,該当する部材又は部品がない場合は,その項目は適用しない。

a)

各部の接合,組立てなどは良好で,緩み,がた,変形などがあってはならない。

b)

高さ調節機構がある場合は,高さ調節が容易で,使用中に容易に緩まない構造とする。

c)

指の閉じ込め防止距離については,5 mm 未満又は 25 mm を超える距離とする。孔サイズ及び固定部

品間の隙間におけるリスク要因の発生が不可避である場合,用具が通常の使用目的を果たすよう,そ

の用具を安全に操作する方法についての適切な警告又は指示を製品に表示又は取扱説明書に記載しな

ければならない。

d)

附属品は,使用上の安全性を損なわない構造とする。

e)

商用電源を用いるものにあっては,電源回路に過電流を遮断するための電流ヒューズなどの過負荷保

護装置を設けなければならない。また,接地線又は接地用端子によって接地できる構造でなければな

らない。ただし,二重絶縁構造のものにあっては,この限りではない。

f)

昇降装置はホールドツーラン制御機構

1)

 でなければならない。ただし,過負荷に対する保護機能をも

つ場合は,この限りでない。

g)

操作スイッチの操作力は,5 N 以下とする。

1)

手動制御が働いている間だけ昇降を維持し,手動制御が解除されると自動的に“停止”又は

“切る”に戻る制御機構

7

性能

7.1

上置き形の性能

上置き形の性能は,

表 による。

表 1−上置き形の性能

項目

性能

試験項目

保持力

脱落,転倒などしない。

9.1.1 

静的強度

使用上支障のある破損,変形などがない。

9.1.2 

耐衝撃

9.1.3 

耐久性

9.1.4 

7.2

挟み込み形の性能

挟み込み形の性能は,

表 による。


4

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表 2−挟み込み形の性能

項目

性能

試験項目

保持力

脱落,転倒などしない。

ただし,施工が必要な製品には適用しない。

9.2.1 

静的強度

使用上支障のある破損,変形などがない。

9.2.2 

耐衝撃

9.2.3 

耐久性

9.2.4 

7.3

昇降形の性能

昇降形の性能は,

表 による。

表 3−昇降形の性能

項目

性能

試験項目

安定性

転倒しない。

ただし,施工が必要な製品には適用しない。

9.3.1 

静的強度

使用上支障のある破損,変形などがない。

9.3.2 

耐衝撃

9.3.3 

耐久性

9.3.4 

8

試験条件

8.1

一般

試験条件は,次による。

a)

試験は室温 20  ℃±15  ℃で行う。

b)

試験は,各試験において最も不利となる状態に調整した供試体を用い行う。

c)

試験は,蓋つき便座の場合蓋を外して行ってもよい。

8.2

砂袋

砂袋は,次による。

a)

保持力用砂袋  保持力用砂袋は,底面の直径が 300 mm で,質量が 60 kg±0.5 kg の円筒状の袋とする。

b)

耐衝撃用砂袋  耐衝撃用砂袋は,底面の直径が 300 mm で,質量が 25 kg±0.5 kg の円筒状の袋とする。

8.3

おもり

おもりは,次による。

a)

円筒形おもり  質量が 25 kg 及び 35 kg のおもり。

b)

転倒防止用おもり  質量が約 100 kg のおもり。

8.4

当て板

当て板は,次による。

a)

荷重用当て板  直径 100 mm の円形の平板とする。

b)

全面を覆う当て板  供試体の便座面の外形と縦横の寸法が等しく全面を覆う大きさの平板とする。

8.5

試験台

試験台は,次による。

a)

試験台 A  適当な大きさのテーブル又は便器に製造業者又は販売業者が指定する便座を取り付けた台

とする。

b)

試験台 B  製造業者又は販売業者が指定する便器とする。


5

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9

試験方法

9.1

上置き形

9.1.1

保持力試験

9.1.1.1

本体の保持力試験

使用状態とした供試体を,8.5 a)  の試験台 A に製造業者又は販売業者が指定する方法で取り付ける。次

に,供試体に 8.2 a)  の保持力用砂袋を載せ,保持力用砂袋の側面に 180 N の水平力を加え,補高便座の脱

落,転倒,使用上支障のある変形及び異常の有無を目視によって確認する(

図 を参照)。

なお,水平力を加える方向は,供試体に対し,前方向及び左右どちらか一方の 2 方向とし,荷重位置は

保持力用砂袋のほぼ中央で底面から 50 mm の高さまでの位置とする。

また,砂袋が穴部から落下する場合は,8.4 b)  の便座の全面を覆う当て板を補高便座に載せて試験を行

ってもよい。

図 3−上置き形の保持力試験

9.1.1.2

肘掛けの保持力試験(肘掛けのある場合)

使用状態とした供試体を,8.5 a)  の試験台 A に製造業者又は販売業者が指定する方法で取り付ける。次

に,供試体の座面に 8.4 b)  の便座の全面を覆う当て板を載せ,便座の全面を覆う当て板の穴部中央になる

位置から片側に 100 mm の位置に 8.3 a)  の質量 25 kg の円筒形おもりを載荷し,おもりを載せた側の肘掛

けの中央部に 8.3 a)  の質量 35 kg の円筒形おもりを載荷し,その位置に 60 N の水平力を外方向に加え,肘

掛けの脱落,

本体の転倒など使用上支障のある変形及び異常の有無を目視によって確認する

図 を参照)。


6

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図 4−上置き形の肘掛けの保持力試験

9.1.2

静的強度試験

9.1.2.1

便座面静的強度試験

使用状態とした供試体を,8.5 a)  の試験台 A に製造業者又は販売業者が指定する方法で取り付ける。次

に,8.4 b)の便座の全面を覆う当て板を載せ,便座の全面を覆う当て板の中央になる位置に当て板の質量を

含め 1 300 N の鉛直力を 10 回加えた後,荷重を除去し,各部について使用上支障のある破損,変形などの

有無を確認する。鉛直荷重は,少なくとも各回 10 秒間維持する(

図 を参照)。

図 5−上置き形静的強度試験

9.1.2.2

肘掛け鉛直荷重試験(肘掛けがある場合)

使用状態とした供試体を,8.5 a)  の試験台 A に製造業者又は販売業者が指定する方法で取り付ける。次


7

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に,肘掛けの最も破損しやすい位置が分かる場合はその位置に,肘掛けの最も破損しやすい位置が分かり

難い場合は肘掛けの中央に 8.4 a)  の荷重用当て板を介し,荷重用当て板の質量を含め 800 N の垂直力を 10

回加えた後,荷重を除去し,各部について使用上支障のある破損,変形などの有無を確認する。鉛直荷重

は少なくとも各回 10 秒間維持する(

図 を参照)。

なお,荷重用当て板は,荷重時に肘掛け端部から外れない位置

2)

 とする。また,供試体が転倒するおそ

れがある場合には,試験結果に影響がでない方法によって,転倒防止対策[8.3 b)  の転倒防止用おもりを

載せる,本体を固定するなど]を施して,試験を行ってもよい。

2)

外れない位置とは,肘掛け端部から当て板端部がはみださない状態の位置とする。

図 6−上置き形肘掛け鉛直荷重試験

9.1.2.3

肘掛け水平荷重試験(肘掛けがある場合)

使用状態とした供試体を,8.5 a)  の試験台 A に製造業者又は販売業者が指定する方法で取り付ける。次

に,肘掛けの最も破損しやすい位置が分かる場合はその位置に,肘掛けの最も破損しやすい位置が分かり

難い場合は肘掛けの中央に 8.4 a)  の荷重用当て板を介して 400 N の水平力を左右同時に,肘掛けの内側か

ら外側へ 10 回加えた後,

荷重を除去し,

各部について使用上支障のある破損,

変形などの有無を確認する。

水平荷重は少なくとも各回 10 秒間維持する(

図 を参照)。

なお,荷重用当て板は,荷重時に肘掛け端部から外れない位置

2)

 とする。また,供試体が転倒するおそ

れがある場合には,試験結果に影響がでない方法によって,転倒防止対策[8.3 b)  の転倒防止用おもりを

載せる,本体を固定するなど]を施して,試験を行ってもよい。


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図 7−上置き形肘掛け水平荷重試験

9.1.3

耐衝撃試験

9.1.3.1

便座面の耐衝撃試験

使用状態とした供試体を,8.5 a)  の試験台 A に製造業者又は販売業者が指定する方法で取り付ける。次

に,8.4 b)  の便座の全面を覆う当て板を載せ,中央となる位置に 100 mm の高さから 8.2 b)  の耐衝撃用砂

袋を自由落下させる操作を,10 回繰り返し行った後,各部について使用上支障のある破損,変形などの有

無を確認する(

図 を参照)。

図 8−上置き形便座面の耐衝撃試験

9.1.3.2

補高便座の耐落下衝撃試験

補高便座の耐落下衝撃試験は,次による(

図 を参照)。

a)

平たん(坦)で剛性のある床面に厚さ 2 mm のゴムマットを敷き,高さ 700 mm の位置に供試体を保


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持した状態から,補高便座の側面を下にした状態で自由落下させる操作を 10 回繰り返し行う。

なお,ゴムマットの硬さは,JIS K 6253-3 に規定するタイプ A デュロメータによって A85±5 とす

る。

b)

次に,底面を下にした状態で自由落下させる操作を 10 回繰り返し行う。

c)

次に,前面を下にした状態で自由落下させる操作を 10 回繰り返し行う。

d)

次に,後面を下にした状態で自由落下させる操作を 10 回繰り返し行う。

e)

各部について使用上支障のある破損,変形などの有無を確認する。

a)

  側面を下にした状態 

b)

  底面を下にした状態 

c)

  前面を下にした状態 

d)

  後面を下にした状態 

図 9−上置き形補高便座の耐落下試験

9.1.4

耐久性試験

9.1.4.1

便座面の耐久性試験

使用状態とした供試体を,8.5 a)  の試験台 A に製造業者又は販売業者が指定する方法で取り付ける。次

に,供試体に 8.4 b)  の便座の全面を覆う当て板を載せ,便座の全面を覆う当て板の中央となる位置に,便

座の全面を覆う当て板の質量を含め 950 N の鉛直力を毎分 40 サイクルを超えない速度で 12 500 回繰り返

し加えた後,荷重を除去し,各部について使用上支障のある破損,変形などの有無を確認する(

図 10 を参

照)

図 10−上置き形便座面の耐久性試験


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9.1.4.2

肘掛けの鉛直方向耐久性試験(肘掛けがある場合)

使用状態とした供試体を,8.5 a)  の試験台 A に製造業者又は販売業者が指定する方法で取り付ける。次

に,肘掛けの最も破損しやすい位置が分かる場合はその位置に,肘掛けの最も破損しやすい位置が分かり

難い場合は肘掛けの中央に 8.4 a)  の荷重用当て板を介し,荷重用当て板の質量を含め 400 N の垂直力を毎

分 40 サイクルを超えない速度で 12 500 回繰り返し加えた後,荷重を除去し,各部について使用上支障の

ある破損,変形などの有無を確認する(

図 11 を参照)。

なお,荷重用当て板は,荷重時に肘掛け端部から外れない位置

2)

 とする。また,供試体が転倒するおそ

れがある場合には,試験結果に影響がでない方法によって,転倒防止対策[8.3 b)  の転倒防止用おもりを

載せる,本体を固定するなど]を施して,試験を行ってもよい。

図 11−上置き形肘掛け鉛直方向耐久性試験

9.1.4.3

肘掛けの水平方向耐久性試験(肘掛けがある場合)

使用状態とした供試体を,8.5 a)  の試験台 A に製造業者又は販売業者が指定する方法で取り付ける。次

に,肘掛けの最も破損しやすい位置が分かる場合はその位置に,肘掛けの最も破損しやすい位置が分かり

難い場合は肘掛けの中央に 8.4 a)  の荷重用当て板を介して 200 N の水平荷重を左右同時に,肘掛けの内側

から外側に向けて毎分 40 サイクルを超えない速度で 12 500 回繰り返し加えた後,荷重を除去し,各部に

ついて使用上支障のある破損,変形などの有無を確認する(

図 12 を参照)。

なお,荷重用当て板は,荷重時に肘掛け端部から外れない位置

2)

 とする。また,供試体が転倒するおそ

れがある場合には,試験結果に影響がでない方法によって,転倒防止対策[7.3 b)  の転倒防止用おもりを

載せる,本体を固定するなど]を施して,試験を行ってもよい。


11

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図 12−上置き形肘掛け水平方向耐久性試験

9.2

挟み込み形

9.2.1

保持力試験

9.2.1.1

補高便座の保持力試験

使用状態とした供試体を,8.5 a)  の試験台 A に製造業者又は販売業者が指定する方法で取り付ける。次

に,便座面の穴部中央に 8.2 a)  の保持力用砂袋を載せ,保持力用砂袋の側面に 180 N の水平力を加え,本

体の転倒など使用上支障のある変形及び異常の有無を目視によって確認する(

図 13 を参照)。

なお,水平力を加える方向は,供試体に対し,前方向及び外方向の 2 方向とし,荷重位置は,保持力用

砂袋のほぼ中央で底面から 50 mm の高さまでの位置とする。

図 13−挟み込み形保持力試験


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9.2.1.2

肘掛け保持力試験(肘掛けがある場合)

使用状態とした供試体を,8.5 a)  の試験台 A に製造業者又は販売業者が指定する方法で取り付ける。次

に,供試体に 8.4 b)  の便座の全体を覆う当て板を載せ,便座の全体を覆う当て板の中央となる位置から片

側に 100 mm の位置の当て板上に,8.3 a)  の質量 25 kg の円筒形おもりを載荷し,更に円筒形おもりを載せ

た側の肘掛け中央部に質量 35 kg の円筒形おもりを載荷し,その位置に 60 N の水平力を外方向に加え,肘

掛の脱落,

本体の転倒など使用上支障のある変形及び異常の有無を目視によって確認する

図 14 を参照)。

図 14−挟み込み形肘掛け保持力試験

9.2.2

静的強度試験

9.2.2.1

便座面静的強度試験

使用状態とした供試体を,8.5 a)  の試験台 A に製造業者又は販売業者が指定する方法で取り付ける。次

に,8.4 b)  の便座の全面を覆う当て板を載せ,便座の全面を覆う当て板の中央となる位置に便座の全面を

覆う当て板の質量を含め 1 300 N の鉛直力を 10 回加えた後,荷重を除去し,各部について使用上支障のあ

る破損,変形などの有無を確認する。鉛直荷重は,少なくとも各回 10 秒間維持する(

図 15 を参照)。


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図 15−挟み込み形静的強度試験

9.2.2.2

肘掛け鉛直荷重試験(肘掛けがある場合)

使用状態とした供試体を,8.5 a)  の試験台 A に製造業者又は販売業者が指定する方法で取り付ける。次

に,肘掛けの最も破損しやすい位置が分かる場合はその位置に,肘掛けの最も破損しやすい位置が分かり

難い場合は肘掛けの中央に 8.4 a)  の荷重用当て板を介し,荷重用当て板の質量を含め 800 N の垂直力を 10

回加えた後,荷重を除去し,各部について使用上支障のある破損,変形などの有無を確認する。鉛直荷重

は少なくとも各回 10 秒間維持する(

図 16 を参照)。

なお,荷重用当て板は,荷重時に肘掛け端部から外れない位置

2)

 とする。また,供試体が転倒するおそ

れがある場合には,試験結果に影響がでない方法によって,転倒防止対策[8.3 b)  の転倒防止用おもりを

載せる,本体を固定するなど]を施して,試験を行ってもよい。

図 16−挟み込み形肘掛け鉛直荷重試験


14

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9.2.2.3

肘掛け水平荷重試験(肘掛けがある場合)

使用状態とした供試体を,8.5 a)  の試験台 A に製造業者又は販売業者が指定する方法で取り付ける。次

に,肘掛けの最も破損しやすい位置が分かる場合はその位置に,肘掛けの最も破損しやすい位置が分かり

難い場合は肘掛けの中央に 8.4 a)  の荷重用当て板を介して 400 N の水平力を左右同時に,肘掛けの内側か

ら外側へ 10 回加えた後,

荷重を除去し,

各部について使用上支障のある破損,

変形などの有無を確認する。

鉛直荷重は少なくとも各回 10 秒間維持する(

図 17 を参照)。

なお,荷重用当て板は,荷重時に肘掛け端部から外れない位置

2)

 とする。また,供試体が転倒するおそ

れがある場合には,試験結果に影響がでない方法によって,転倒防止対策[8.3 b)  の転倒防止用おもりを

載せる,本体を固定するなど]を施して,試験を行ってもよい。

図 17−挟み込み形肘掛け水平荷重試験

9.2.3

耐衝撃試験

使用状態とした供試体を,8.5 a)  の試験台 A に製造業者又は販売業者が指定する方法で取り付ける。次

に,供試体に 8.4 b)  の便座の全面を覆う当て板を載せ,便座の全面を覆う当て板の中央となる位置に 100

mm

の高さから 8.2 b)  の耐衝撃用砂袋を自由落下させる操作を,10 回繰り返し行った後,荷重を除去し,

各部について使用上支障のある破損・変形等の有無を確認する(

図 18 を参照)。


15

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図 18−挟み込み形耐衝撃試験

9.2.4

耐久性試験

9.2.4.1

便座面の耐久性試験

使用状態とした供試体を,8.5 a)  の試験台 A に製造業者又は販売業者が指定する方法で取り付ける。次

に,供試体に 8.4 b)  の便座の全面を覆う当て板を載せ,便座の全面を覆う当て板上の中央となる位置に,

便座の全面を覆う当て板の質量を含め 950 N の鉛直力を毎分 40 サイクルを超えない速度で 12 500 回繰り

返し加えた後,荷重を除去し,各部について使用上支障のある破損,変形などの有無を確認する(

図 19

を参照)

図 19−挟み込み形便座面の耐久性試験

9.2.4.2

肘掛けの鉛直方向耐久性試験(肘掛けがある場合)

使用状態とした供試体を,8.5 a)  の試験台 A に製造業者又は販売業者が指定する方法で取り付ける。次


16

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に,肘掛けの最も破損しやすい位置が分かる場合はその位置に,肘掛けの最も破損しやすい位置が分かり

難い場合は肘掛けの中央に 8.4 a)  の荷重用当て板を介し,荷重用当て板の質量を含め 400 N の垂直力を毎

分 40 サイクルを超えない速度で 12 500 回繰り返し加えた後,荷重を除去し,各部について使用上支障の

ある破損,変形などの有無を確認する(

図 20 を参照)。

なお,荷重用当て板は,荷重時に肘掛け端部から外れない位置

2)

 とする。また,供試体が転倒するおそ

れがある場合には,試験結果に影響がでない方法によって,転倒防止対策[8.3 b)  の転倒防止用おもりを

載せる,本体を固定するなど]を施して,試験を行ってもよい。

図 20−挟み込み形肘掛け鉛直方向耐久性試験

9.2.4.3

肘掛けの水平方向耐久性試験(肘掛けがある場合)

使用状態とした供試体を,8.5 a)  の試験台 A に製造業者又は販売業者が指定する方法で取り付ける。次

に,肘掛けの最も破損しやすい位置が分かる場合はその位置に,肘掛けの最も破損しやすい位置が分かり

難い場合は肘掛けの中央に 8.4 a)  の荷重用当て板を介して,200 N の水平荷重を左右同時に,肘掛けの内

側から外側に向けて毎分 40 サイクルを超えない速度で 12 500 回繰り返し加えた後,荷重を除去し,各部

について使用上支障のある破損,変形などの有無を確認する(

図 21 を参照)。

なお,荷重用当て板は,荷重時に肘掛け端部から外れない位置

2)

 とする。また,供試体が転倒するおそ

れがある場合には,試験結果に影響がでない方法によって,転倒防止対策[8.3 b)  の転倒防止用おもりを

載せる,本体を固定するなど]を施して,試験を行ってもよい。


17

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図 21−挟み込み形肘掛け水平方向耐久性試験

9.3

昇降形

9.3.1

安定性試験

9.3.1.1

補高便座の安定性試験

使用状態とした供試体を,8.5 b)  の試験台 B に製造業者又は販売業者が指定する方法で取り付ける。次

に,供試体の便座受け部の上に,8.4 b)  の便座の全面を覆う当て板を載せ,その上に便座の全面を覆う当

て板の質量を含め質量 60 kg のおもりを,次のとおりに載せ,それぞれ 1 分間放置したとき,本体が転倒

しないことを確認する。

a)

便座面中央前縁から 50 mm の位置(前縁部)

図 22 a)を参照]

b)

便座面中央右側縁から 50 mm の位置(右側部)

図 22 b)を参照]

c)

便座面中央左側縁から 50 mm の位置(左側部)

図 22 c)を参照]

a)

  前縁部 

b)

  右側部 

図 22−昇降形安定性試験


18

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c)

  左側部 

図 22−昇降形安定性試験(続き)

9.3.1.2

肘掛け安定性試験(肘掛けがある場合)

使用状態とした供試体を,8.5 b)  の試験台 B に製造業者又は販売業者が指定する方法で取り付ける。次

に,供試体に 8.4 b)  の便座の全面を覆う当て板を載せ,便座の全面を覆う当て板の中央となる位置から片

側に 100 mm の位置に,8.3 a)  の質量 25 kg の円筒形おもりを載荷する。また,肘掛け中央部に質量 35 kg

の円筒形おもりを載荷し,

その位置に 60 N の水平力を外方向に加え,

本体が転倒しないことを確認する

23

を参照)

図 23−昇降形肘掛け安定性試験

9.3.2

静的強度試験

9.3.2.1

便座面への鉛直荷重試験

使用状態とした供試体を,8.5 b)  の試験台 B に製造業者又は販売業者が指定する方法で取り付け,昇降

状態を最も低い高さにする。次に,8.4 b)  の便座の全面を覆う当て板を載せ,便座の全面を覆う当て板の

中央となる位置に,便座の全面を覆う当て板の質量を含め 1 300 N の鉛直力を 10 回加えた後,荷重を除去

し,各部について使用上支障のある破損,変形などの有無を確認する。鉛直荷重は少なくとも各回 10 秒間

維持する(

図 24 を参照)。


19

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図 24−昇降形便座面鉛直荷重試験

9.3.2.2

肘掛けへの鉛直荷重試験(肘掛けがある場合)

使用状態とした供試体を,8.5 b)  の試験台 B に製造業者又は販売業者が指定する方法で取り付け,昇降

状態を最も低い高さにする。次に,肘掛けの最も破損しやすい位置が分かる場合はその位置に,肘掛けの

最も破損しやすい位置が分かり難い場合は肘掛けの中央に 8.4 a)  の荷重用当て板を介して,荷重用当て板

の質量を含め 800 N の垂直力を 10 回加えた後,荷重を除去し,各部について使用上支障のある破損,変形

などの有無を確認する。鉛直荷重は少なくとも各回 10 秒間維持する(

図 25 を参照)。

なお,荷重用当て板は,荷重時に肘掛け端部から外れない位置とする。また,供試体が転倒するおそれ

がある場合には,試験結果に影響がでない方法によって,転倒防止対策[8.3 b)  の転倒防止用おもりを載

せる,脚部を固定するなど]を施して,試験を行ってもよい。

図 25−昇降形肘掛け鉛直荷重試験

9.3.2.3

肘掛けへの水平荷重試験(肘掛けがある場合)

使用状態とした供試体を,8.5 b)  の試験台 B に製造業者又は販売業者が指定する方法で取り付ける。次

に,肘掛けの最も破損しやすい位置が分かる場合はその位置に,肘掛けの最も破損しやすい位置が分かり

難い場合は肘掛けの中央に 8.4 a)  の荷重用当て板を介して 400 N の水平力を左右同時に,肘掛けの内側か

ら外側へ 10 回加えた後,

荷重を除去し,

各部について使用上支障のある破損,

変形などの有無を確認する。

鉛直荷重は少なくとも各回 10 秒間維持する(

図 26 を参照)。

なお,荷重用当て板は,荷重時に肘掛け端部から外れない位置

2)

 とする。また,供試体が転倒するおそ


20

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れがある場合には,試験結果に影響がでない方法によって,転倒防止対策[8.3 b)  の転倒防止用おもりを

載せる,脚部を固定するなど]を施して,試験を行ってもよい。

図 26−昇降形肘掛け水平荷重試験

9.3.3

耐衝撃試験

使用状態とした供試体を,8.5 b)  の試験台 B に製造業者又は販売業者が指定する方法で取り付け,昇降

状態を最も低い高さにする。次に,8.4 b)  の便座の全面を覆う当て板を載せ,便座の全面を覆う当て板の

中央となる位置から 100 mm の高さから 8.2 b)  の耐衝撃用砂袋を自由落下させる操作を,10 回繰り返し行

った後,各部について使用上支障のある破損,変形などの有無を確認する(

図 27 を参照)。

図 27−昇降形耐衝撃試験

9.3.4

耐久性試験

9.3.4.1

便座面の耐久性試験

使用状態とした供試体を,8.5 b)  の試験台 B に製造業者又は販売業者が指定する方法で取り付け,昇降

状態を最も低い高さにする。次に,8.4 b)  の便座の全面を覆う当て板を載せ,便座の全面を覆う当て板の

中央となる位置に,便座の全面を覆う当て板の質量を含め 950 N の鉛直力を毎分 40 サイクルを超えない速

度で 12 500 回繰り返し加えた後,荷重を除去し,各部について使用上支障のある破損,変形などの有無を

確認する(

図 28 を参照)。


21

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図 28−昇降形便座面耐久性試験

9.3.4.2

昇降機構の耐久性試験

使用状態とした供試体を,8.5 b)  の試験台 B に製造業者又は販売業者が指定する方法で取り付け,昇降

状態を最も低い高さにする。次に,8.4 b)  の便座の全面を覆う当て板を載せ,便座の全面を覆う当て板の

中央となる位置に,便座の全面を覆う当て板の質量を含め質量 80 kg のおもりを載せ,最大範囲の昇降動

作を 1 往復とし休止動作を加えて 12 500 回往復させた後,荷重を除去し,各部について使用上支障のある

破損・変形等の有無を確認する(

図 29 を参照)。

なお,この試験に際しては,可動部を冷却しながら,試験を行ってもよい。

図 29−昇降形昇降機構耐久性試験

9.3.4.3

肘掛けへの鉛直方向耐久性試験(肘掛けがある場合)

使用状態とした供試体を,8.5 b)  の試験台 B に製造業者又は販売業者が指定する方法で取り付ける。次

に,肘掛けの最も破損しやすい位置が分かる場合はその位置に,肘掛けの最も破損しやすい位置が分かり

難い場合は肘掛けの中央に 8.4 a)  の荷重用当て板を介して,当て板の質量を含め 400 N の垂直力を毎分 40

サイクルを超えない速度で 12 500 回繰り返し加えた後,荷重を除去し,各部について使用上支障のある破

損,変形などの有無を確認する(

図 30 を参照)。

なお,荷重用当て板は,荷重時に肘掛け端部から外れない位置

2)

 とする。また,供試体が転倒するおそ

れがある場合には,試験結果に影響がでない方法によって,転倒防止対策[8.3 b)  の転倒防止用おもりを

載せる,脚部を固定するなど]を施して,試験を行ってもよい。


22

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図 30−昇降形肘掛け鉛直方向耐久性試験

9.3.4.4

肘掛けの水平方向耐久性試験(肘掛けのある場合)

使用状態とした供試体を,8.5 b)  の試験台 B に製造業者又は販売業者が指定する方法で取り付ける。次

に,肘掛けの最も破損しやすい位置が分かる場合はその位置に,肘掛けの最も破損しやすい位置が分かり

難い場合は肘掛けの中央に 8.4 a)  の荷重用当て板を介して 200 N の水平荷重を左右同時に,内側から外側

に向かって毎分 40 サイクルを超えない速度で 12 500 回繰り返し加えた後,荷重を除去し,各部について

使用上支障のある破損,変形などの有無を確認する(

図 31 を参照)。

なお,荷重用当て板は,荷重時に肘掛け端部から外れない位置

2)

 とする。また,供試体が転倒するおそ

れがある場合には,試験結果に影響がでない方法によって,転倒防止対策[8.3 b)  の転倒防止用おもりを

載せる,脚部を固定するなど]を施して,試験を行ってもよい。

図 31−昇降形肘掛け水平方向耐久性試験

10

検査

補高便座の検査は,形式検査

3)

 と受渡検査

4)

 とに区分し,検査の項目は,それぞれ次の項目を箇条 8

箇条 及び目視によって試験したとき,

箇条 6,箇条 7,箇条 11 及び箇条 12 に適合したものを合格とする。

なお,受渡検査の抜取検査の方式は,受渡当事者間の協議による。

3)

製品の品質が,設計で示した全ての特性を満足するかどうか判定するための検査。

4)

既に形式検査に合格したものと同じ設計・製造による製品の受渡しをする場合,必要と認める


23

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特性が満足するものであるかどうかを判定するための検査。

a)

形式検査項目

1)

外観

2)

性能

3)

構造

4)

表示及び取扱説明書

b)

受渡検査項目

1)

外観

2)

表示及び取扱説明書

11

表示

この規格の全ての要求事項に適合した補高便座には,次の事項を表示しなければならない。

a)

規格名称又は規格番号及び種類

b)

製造年又はその略号

c)

製造業者名又はその略号,及びその住所又は電話番号

d)

製品名又は製品を特定できる品番

e)

寸法,材質及び使用上の注意

f)

蓋をもつものにあっては,蓋に関する注意喚起ラベルを蓋に貼る(蓋部に寄りかからない,など)

g)

必要な場合,用具を安全に操作する方法についての適切な警告又は指示[6.3 c)参照]

12

取扱説明書

取扱説明書には,次の事項を記載しなければならない。

a)

使用方法

b)

本体と便座,便器との適合情報

c)

取扱説明書を必ず読み,読んだ後保管する。

d)

取扱い上の注意事項

e)

各部の名称(図で示す。

f)

手入れの方法

g)

諸元表(各部の寸法,質量,材質,最大使用者体重など)

h)

製造業者,輸入業者又は販売業者の名称,住所,電話番号及びファクシミリ番号


24

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附属書 A

参考)

設計における配慮事項

A.1

福祉用具に関連して起こる可能性があるハザード及び関連する要因の例

福祉用具に関連して起こる可能性があるハザード及び関連する要因の例を,次に示す。ただし,全てを

網羅しているわけではなく,ハザード及び要因を特定する手助けとなるよう例示した。

a)

可動部分(介助者,子供などが手,足,指などを挟み込む構造の存在)に関する危険性

例  昇降形の稼動部に指を入れた場合に挟まれて怪我をしないか。

b)

接触アレルギー誘発性などに関する危険性

例  適切な表示がされているか。

c)

衛生上の安全を維持できない状況の発生

例  汚物で汚れないか。

d)

補高便座を設置する便器との不適合性

例  タンクと手すりとの間に生じる隙間に頸部が挟まれることはないか。

e)

廃棄物及び/又は福祉用具の廃棄による汚染

例  ごみとして燃やす場合などに有毒な物質を排出しないか。

f)

不適切な操作説明,例えば,

1)

複雑すぎる操作説明

2)

使いにくい,まとまりのない取扱説明書

例  専門用語を不必要に使っていないか。

g)

合理的に予見できる誤使用

例  蓋をした状態で座ってしまった場合にも問題はないか。

h)

使用者の身体状況に適合させるための改造による危険性

例  便座の一部を高くするなどした場合にも問題はないか。

i)

製品の寿命に関する適切な情報提供

例  一部の部品が他に比べて製品寿命が短いなどの場合。

j)

他の機器と併用される場合との不適合性

例  車いすからの移乗を行う場合は問題ないか。

A.2

多様なユーザに対する人間工学的検討項目

高齢者,障害者などの,身体機能が低下した多様なユーザに対する人間工学的検討項目を,次に示す。

ただし,全てを網羅しているわけではなく,検討項目を特定する手助けとなるよう例示した。

注記  JIS Z 8071 の 9.(心身の機能と障害の影響に関する詳細)などが参考となる。

a)

動作能力の低下,筋力の低下及び体力の低下による意図しない動き

例  握力は,30 歳代に対して 60 歳以上では,約 77 %であった [1]。

b)

機器の操作力の低下

例  押す力は,30 歳代に対して 60 歳代では,約 70 %であった [1]。

注記  JIS T 9241-2 では,指による操作は 5 N,手による操作は 105 N,足による操作は 300 N 及び


25

T 9268

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回転による操作は 1.9 Nm 以下としている。

c)

認知症を含む使用者の知的能力の低下及び短期記憶能力の低下した使用者による使用

例  短期記憶に関わる単語の再生では,20 歳∼29 歳では約 14 語であるのに対して,60 歳以上では

約 7 語であった [2]。

d)

平衡を保ち転倒を避ける能力の低下した使用者による使用

例  閉眼における両足立ち時の重心動揺軌跡長は,20 歳代に対して 60 歳代では,約 1.23 倍であっ

た [3]。

e)

色知覚能力の低下,視力の低下,聴覚機能の低下,触覚感度の低下などによる不十分な情報取得

例  視標面照度 1 000 lx における近距離での生活視力は,35 歳∼44 歳では約 1.05 に対して,65 歳

∼74 歳では約 0.6 であった [4]。

参考文献

[1]

独立行政法人製品評価技術基盤機構:人間特性データベース

http://www.tech.nite.go.jp/human/

[2]

佐藤方彦  監修;人間工学基準数値数式便覧,第 1 版 3 刷,P.169,1999 年 3 月,技報堂出版

[3]

一般社団法人人間生活工学研究センター:高齢者対応基盤整備データベース

http://www.hql.jp//project/funcdb2000/

[4]

独立行政法人産業技術総合研究所・人間福祉医工学研究部門編;人間計測ハンドブック,P.444,2003

年 9 月,朝倉書店

JIS T 9241-2

  移動・移乗支援用リフト−第 2 部:移動式リフト

JIS Z 8071

  高齢者及び障害のある人々のニーズに対応した規格作成配慮指針

EN BS 12182:1999

,Technical aids for disabled persons−General requirements and test methods