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T 9263:2017  

(1) 

目 次 

ページ 

1 適用範囲 1 

2 引用規格 1 

3 用語及び定義  1 

4 種類及び各部の名称  3 

4.1 種類  3 

4.2 各部の名称  3 

5 リスクマネジメントによる設計  3 

6 外観及び構造  3 

6.1 外観  3 

6.2 構造  3 

7 性能 4 

8 試験方法 5 

8.1 試験条件  5 

8.2 安定性試験  5 

8.3 ハンドル負荷時安定性及び強度試験 8 

8.4 休息用椅子の負荷時安定性試験  9 

8.5 制動用ブレーキの制動力試験  9 

8.6 駐車用ブレーキの保持力試験  10 

8.7 肘掛け強度試験  11 

8.8 ハンドルトルク試験  11 

8.9 休息用椅子の強度試験  12 

8.10 折り畳み機構の保持力及び強度試験  13 

8.11 走行耐久性試験  14 

9 検査方法 15 

10 表示  16 

11 取扱説明書  16 

附属書A(参考)設計における配慮事項  17 

 

 


 

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まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本

工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

 

 


 

 

日本工業規格          JIS 

 

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福祉用具−歩行補助具−シルバーカー 

Assistive products for walking-Walking trolleys 

 

適用範囲 

この規格は,歩行補助具であるシルバーカーについて規定する。ただし,JIS T 9265に規定された“歩

行車”を除く。 

注記 歩行車と異なり,使用者の全体重を預けることを目的にしていない。 

 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS T 0102 福祉関連機器用語[支援機器部門] 

JIS T 9265 福祉用具−歩行補助具−歩行車 

 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS T 0102よるほか,次による。 

3.1 

シルバーカー 

歩行の安定,歩行距離の延長などを助ける機能をもつ歩行補助具。ハンドル及び4か所以上の車輪をも

っており,その全ての部分が使用者の前部に位置している。荷物などを運ぶ搬送用バッグ又は休息のため

の椅子が付いているものもあり,主として屋外での使用を目的としている。 

3.2 

自立歩行 

日常生活において,介助者又は補助具がなくても単独で歩行が可能なこと。 

3.3 

最大使用者体重 

シルバーカー使用者の最大体重。 

3.4 

最大高さ 

高さ調節を最大にしたときのシルバーカーの最も高い部分から地面までの距離。 

3.5 

ハンドルの高さ 

ハンドルの最も高い部分から地面までの垂直距離。 


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3.6 

駐車用ブレーキ 

停止状態を維持するためのブレーキ。 

3.7 

制動用ブレーキ 

歩行中に使用者が操作して速度を制御するブレーキ。走行ブレーキともいう。 

3.8 

車輪幅 

荷重がかかっていない状態で測定した車輪のタイヤの最大幅(図1参照)。 

 

 

図1−車輪幅(タイヤ断面) 

 

3.9 

休息用椅子 

シルバーカーに備えられている椅子で,歩行の合間に使用者が休息することを目的とする椅子(図2参

照)。 

3.10 

搬送用バッグ 

荷物を収納するためにシルバーカーに固定された袋又は箱状の入れ物(図2参照)。 

3.11 

供試体 

試験に供するため,使用状態としたシルバーカー。 

3.12 

載荷重 

載せた荷物の質量。 

3.13 

試験床 

平滑で剛性がある水平な試験用の床。 


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種類及び各部の名称 

4.1 

種類 

種類は,形状によって区分し,次による(図2参照)。 

a) ハンドル一体形 

b) ハンドル分離形 

4.2 

各部の名称 

シルバーカーの主な各部の名称は,図2による。 

 

 

 

a) ハンドル一体形の例 

b) ハンドル分離形の例 

 

注記 制動用ブレーキレバー及び駐車用ブレーキレバーは,一体のものもある。 

 

図2−各部の名称 

 

リスクマネジメントによる設計 

リスクマネジメントによる設計は,次のリスクについて実施し,実施の手順及びその結果は,製造業者

及び/又は販売業者によって文書化し,維持しなければならない。また,関連するハザード要因として,

附属書Aに例示した事項についても配慮することが望ましい。 

a) 折り畳み開閉の場合などに手指,足などを挟み込むリスク。 

b) 座面の上にかごなどを載せて使うリスク。 

c) 最大使用者体重を100 kg超とする場合のリスク。 

 

外観及び構造 

6.1 

外観 

衣類を損傷したり,人体に傷を与えるようなばり,エッジ及び突起があってはならない。 

6.2 

構造 

シルバーカーの構造は,次による。 


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a) 車輪の直径は,前・後輪共に100 mm以上でなければならない。 

b) 前輪の幅は,22 mmより大きくなければならない。一つの位置に車輪が複数付いているものについて

は,複数の車輪の外側で測った幅が22 mmより大きくなければならない(図1参照)。 

c) 走行を制御する制動用ブレーキをもたなければならない。 

なお,制動用ブレーキは,操作が容易で,かつ,確実に行え,後輪の左右両輪を制御できなければ

ならない。 

d) 駐車用ブレーキをもたなければならない。 

なお,駐車用ブレーキは,操作が容易で,かつ,確実に行え,後輪の左右両輪を固定できなければ

ならない。 

e) 折り畳み式のものにあっては,折り畳み操作が容易で,かつ,確実に行え,使用中に折り畳まれては

ならない。 

f) 

高さ調整機能をもつものにあっては,高さ調節が容易で,かつ,使用中に緩んではならない。また,

伸長可能な最高位置を明示しなければならない。 

g) 休息用椅子をもつものにあっては,その椅子が使用中に容易に外れたり,折り畳まれてはならない。 

h) ハンドルの握り部分の直径は,20 mm以上50 mm以下でなければならない。 

i) 

キャスターをもつものにあっては,キャスター構造は,左右にぶれないよう措置を講じなければなら

ない。 

j) 

ハンドルは,後輪軸の中心軸より前方となる構造でなければならない(図3参照)。 

k) ハンドルの握り部分は,ハンドルに確実に固定されなければならない。 

l) 

休息用椅子座面の高さは,350 mm以上でなければならない。 

 

 

図3−ハンドル及び後輪軸の位置 

 

性能 

性能は,表1による。 


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表1−性能 

項目 

性能 

試験箇条 

安定性(前方,後方及び側
方) 

転倒してはならない。 

8.2 

ハンドル負荷時安定性及
び強度 

転倒することなく,各部に破損,外れ及び使用上支障の
ある変形を生じてはならない。 

8.3 

休息用椅子負荷時安定性 

転倒してはならない。 

8.4 

制動用ブレーキの制動力 

制動用ブレーキを作動させたときに,制動用ブレーキを
作動させていないときに比べ,自然に滑走しようとする
力が1/2以下にならなければならない。 

8.5 

駐車用ブレーキの保持力 

車輪が回転することなく,試験終了後にも操作に問題を
生じてはならない。 

8.6 

肘掛け強度 

各部に破損,外れ及び使用上支障のある変形を生じては
ならない。 

8.7 

ハンドルトルク 

各部に破損,外れ及び使用上支障のある変形を生じては
ならない。 

8.8 

休息用椅子の強度 

各部に破損,外れ及び使用上支障のある変形を生じては
ならない。 

8.9 

折り畳み機構の保持力及
び強度 

折り畳まれることなく,各部に破損及び使用上支障のあ
る変形を生じてはならない。 

8.10 

走行耐久性 

固定用ロックに緩みを生じることなく,各部に破損,外
れ及び使用上支障のある変形を生じてはならない。 

8.11 

 

試験方法 

8.1 

試験条件 

a) 試験は,(20±15)℃で行う。 

b) 高さ調節は,試験手順に指定されない限り,最も不利な位置にして試験を行う。 

例 高さ調節が可能なひじ掛けは,最も伸ばした状態で試験を行う。 

c) 車輪は,試験手順に指定されない限り,最も不利な状態にして試験を行う。 

例 旋回抑制が可能なキャスターは,解除した状態で試験を行う。 

d) ハンドルは,試験手順に指定されない限り,最も不利な位置にして試験を行う。 

例 角度調整が可能なハンドルは,最も後方へ倒した状態で試験を行う。 

e) 制動用ブレーキ及び駐車用ブレーキは,試験手順に指定されない限り作動させない。 

f) 

試験は,表1の右欄の番号順に行い,1台の供試体で全ての試験を行う。 

g) 各試験前及び試験終了時の点検における欠損などは全て記入し,後の試験による不合格品と確実に区

別する。 

h) 載荷重を均一に行うために,おもりは小質量の砂袋を用い,荷重面に均一に並べて行う。 

8.2 

安定性試験 

8.2.1 

前方傾斜安定性試験 

前方傾斜安定性試験は,次による(図4参照)。 

a) 丁番と平行にストッパ(車輪の直径の1/2以上かつ2/3以下の高さ)を取り付けた傾斜台を水平状態

にし,傾斜台の床面と垂直に供試体を静置する。このとき,駐車用ブレーキを作動させる(ブレーキ

をかけた状態にする。)。 

b) ストッパに左右の前輪を接触させる。このとき,旋回するキャスターの接地点は,前輪は前進方向,


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後輪は後退方向とする。また,ハンドルの高さ調節が可能なものにあっては,最大高さに調節する。 

c) 搬送用バッグ付きのものにあっては,搬送用バッグ内に発泡スチロールを均等に底から高さ約15 cm

入れた上に表示された最大載荷重相当の質量のおもりを載せる。 

なお,座面にかごなどを載せることができるものについては,搬送用バッグではなく,座面に表示

された最大載荷重相当のおもりを載せて試験を行う。 

d) この状態で傾斜板角度を15°まで変動させ,転倒の有無を確認する。 

 

 

 

a) 上面図 

b) 側面図 

図4−前方傾斜安定性試験 

 

8.2.2 

後方傾斜安定性試験 

後方傾斜安定性試験は,次による(図5参照)。 

a) 丁番と平行にストッパ(車輪の直径の1/2以上かつ2/3以下の高さ)を取り付けた傾斜台を水平状態

にし,その上に供試体を静置する。このとき,駐車用ブレーキをかけた状態にする。 

b) ストッパに左右の後輪を接触させる。このとき,旋回するキャスターの接地点は,前後共に内向きと

する。また,ハンドルの高さ調節が可能なものにあっては,最大高さに調節する。 

c) 搬送用バッグ付きのものにあっては,搬送用バッグ内に発泡スチロールを均等に底から高さ約15 cm

入れた上に表示された最大載荷重相当の質量のおもりを載せる。 

なお,座面にかごなどを載せることができるものについては,搬送用バッグではなく,座面に表示

された最大載荷重相当のおもりを載せて試験を行う。 

d) この状態で傾斜板角度を15°まで変動させ,転倒の有無を確認する。 


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a) 上面図 

b) 側面図 

図5−後方傾斜安定性試験 

 

8.2.3 

側方傾斜安定性試験 

側方傾斜安定性試験は,次による(図6参照)。 

a) 丁番と平行にストッパ(車輪の直径の1/2以上かつ2/3以下の高さ)を取り付けた傾斜台を水平状態

にし,その上に供試体を静置する。このとき,駐車用ブレーキをかけた状態にする。 

b) 進行方向に対して90°となるようにセットした前輪をストッパに接触させ,接触させた前輪の中心と

後輪の中心を結ぶ線分がストッパに対して平行になるようにする[後輪が固定式の場合,前輪の中心

及び後輪の中心を結ぶ線分がストッパに対して平行になり,前輪半径(r1)とストッパから後輪の中

心までの距離(r2)も等しくなるように設置すると,後輪はストッパに接していない状態となる。]。 

c) 搬送用バッグ付きのものにあっては,搬送用バッグ内に発泡スチロールを均等に底から高さ約15 cm

入れた上に表示された最大載荷重相当の質量のおもりを載せる。 

なお,座面にかごなどを載せることができるものについては,搬送用バッグではなく,座面に表示

された最大載荷重相当のおもりを載せて試験を行う。 

d) この状態で傾斜板角度を15°まで変動させ,転倒の有無を確認する。 

e) 左右非対称のものは,逆側についても同様の手順で交互に試験を行う。 

 

 

 

 


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a) 上面図 

b) 正面図 

図6−側方傾斜安定性試験 

 

8.3 

ハンドル負荷時安定性及び強度試験 

8.3.1 

ハンドル一体形負荷時安定性及び強度試験 

ハンドル一体形のハンドル負荷時安定性及び強度試験は,次による[図7 a) 参照]。 

a) 試験床に供試体を静置する。このとき,駐車用ブレーキはかけない状態で,搬送用バッグ付きのもの

にあっては,搬送用バッグ内は空の状態とする。 

b) ハンドル外端からハンドル長さ(L)の1/4の位置に,質量20 kgのおもりを載荷する。 

c) この状態のまま2分間放置し,転倒の有無を確認する。 

d) その後,おもりを取り除き,各部について破損,外れ及び使用上支障がある変形の有無を確認する。 

e) 左右非対称のものは,逆側も同様の手順で交互に試験を行う。 

 

 

 

a) ハンドル一体形の例 

b) ハンドル分離形の例 

図7−ハンドル負荷時安定性及び強度試験 


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8.3.2 

ハンドル分離形負荷時安定性及び強度試験 

ハンドル分離形のハンドル負荷時安定性及び強度試験は,次による[図7 b) 参照]。 

a) 左右いずれかのハンドルの握り部分の中央点に質量20 kgのおもりを載荷する。 

なお,ハンドルの握り部分の後端が明確でない場合には,ハンドルの握り部分端部から10 mm内側

を後端とする。また,パイプを曲げることによってハンドルを構成しているものなどは,パイプの直

線部分の端部から30 mmの位置におもりを載荷する。 

b) この状態のまま2分間放置し,転倒の有無を確認する。 

c) その後,おもりを取り除き,各部について破損,外れ及び使用上支障のある変形がないことを確認す

る。 

d) 左右非対称のものは,逆側のハンドルの握り部分についても同様の手順で交互に試験を行う。 

8.4 

休息用椅子の負荷時安定性試験 

休息用椅子の負荷時安定性試験は,次による(図8参照)。 

a) 試験床に供試体を静置する。このとき,駐車用ブレーキをかけた状態で,バッグ付きのものにあって

は,バッグ内は空の状態とする。 

b) 休息用椅子の座面で,最も安定性が悪いと想定できる部位(通常は,座面前縁角部の両側・座面後縁

中央部)のそれぞれについて,直径200 mmの荷重用当て板を載せ,当て板の質量を含む60 kgのお

もりを当て板のほぼ中央部に載荷する。 

なお,当て板は,座面からはみ出さない位置に載せる。 

c) この状態のまま2分間放置し,転倒の有無を確認する。 

 

 

図8−休憩用椅子の負荷時安定性試験 

 

8.5 

制動用ブレーキの制動力試験 

制動用ブレーキの制動力試験は,次による(図9参照)。 

a) 傾斜台の上に供試体を静置する。制動用ブレーキ及び駐車用ブレーキはかけない状態で,バッグ付き

のものにあっては,バッグ内に発泡スチロールを均等に底から高さ約15 cm入れた上に表示された最

大載荷重相当の質量のおもりをバッグ内に入れる。 


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b) ハンドル中央部に質量6 kgのおもりを載荷する。 

なお,分離形ハンドルの場合には,左右のハンドルをバーなどによって結び,その質量を含み6 kg

となるように調整し載荷する。 

c) この状態で供試体が前下がり6°となるように傾斜台を調整し,そのときに供試体が自然滑走しよう

とする力をハンドル部で測定する。 

d) 次に,制動用ブレーキを40 Nの力で固定し,制動用ブレーキをかけた状態で,供試体が自然滑走しよ

うとする力をハンドル部で測定する。 

 

 

図9−制動用ブレーキの制動力試験 

 

8.6 

駐車用ブレーキの保持力試験 

駐車用ブレーキの保持力試験は,次による(図10参照)。 

a) 傾斜台の上に供試体を静置する。駐車用ブレーキをかけた状態で,バッグ付きのものは,バッグ内に

発泡スチロールを均等に底から高さ約15 cm入れた上に表示された最大載荷重相当の質量のおもりを

バッグ内に入れ,座面付きのものは座面中央部に質量60 kgのおもりを載荷する。 

b) この状態で供試体が前下がり6°となるように傾斜台を調整し,車輪が回転しないことを確認する。 

c) 引き続き,供試体が後ろ下がり6°となるように傾斜台を調整し,車輪が回転しないことを確認する。 

d) 傾斜台をほぼ水平となる位置に戻し,駐車用ブレーキの作動及び走行が円滑であることを確認する。 


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図10−駐車用ブレーキの保持力試験 

 

8.7 

肘掛け強度試験 

肘掛けの強度試験は,次による(図11参照)。 

a) 試験床に供試体を静置する。このとき,駐車用ブレーキを作動させる(ブレーキをかけた状態とする。)。 

b) 左右の肘掛けの製造業者が指定する位置(製造業者の指定がない場合は,最も破損しやすいと思われ

る位置)を結ぶ線の中心に,幅80 mmの載荷用当て板の重心を合わせて載せる。 

c) 載荷用当て板(図11参照)に,当て板の質量を含み1 000 Nの力を垂直方向下向きに加える。 

d) この状態のまま1分間放置した後,負荷を取り除き,各部について破損,外れ及び使用上支障がある

変形の有無を確認する。 

 

 

図11−肘掛け強度試験(肘掛けへの荷重) 

 

8.8 

ハンドルトルク試験 

ハンドルトルク試験は,次による(図12参照)。 


12 

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a) 試験床に供試体を静置し,全ての車輪下部を固定する。 

b) ハンドルにバー(横棒)を固定する。 

c) 固定したバー(横棒)のハンドル中心部から500 mmの位置に100 Nの力を水平方向後ろ向きに1分

間加える。 

d) その後,100 Nの水平力を取り除き,各部について破損,外れ及び使用上支障がある変形がないこと

を確認する。 

e) 左右非対称のものは,逆側についても同様の手順で交互に試験する。 

 

 

図12−ハンドルトルク試験 

 

8.9 

休息用椅子の強度試験 

休息用椅子の強度試験は,次による(図13参照)。 

a) 試験床に供試体を静置する。このとき,駐車用ブレーキを作動させ(ブレーキをかけた状態で),バッ

グ付きのものは,バッグ内に発泡スチロールを均等に底から高さ約15 cm入れた上に表示された最大

載荷重相当の質量のおもりをバッグ内に入れる。 

b) 休息用椅子の座面中央部に直径200 mmの載荷用当て板を載せる。 

c) 荷重用当て板に,当て板の質量を含み1 200 Nの力を当て板のほぼ中央部に垂直方向下向きに加える。 

d) この状態のまま2分間放置した後,1 200 Nの垂直力を取り除き,各部について破損,外れ及び使用上

支障がある変形がないことを確認する。 


13 

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図13−休息用椅子の強度試験 

 

8.10 

折り畳み機構の保持力及び強度試験 

折り畳み機構の保持力及び強度試験は,次による。 

a) 試験床に供試体を静置する。 

b) 前後方向に折り畳むものは,供試体の前輪を壁などに押し当てて固定した状態で,ハンドル部に100 N

の力を水平に前方向に加え,10秒間保持した後に力を除去する操作を10回行い,試験中に本体が折

り畳まれないことを確認する[図14 a) 参照]。 

c) 試験後に,供試体の各部について破損,外れ及び使用上支障がある変形の有無を確認する。 

d) 左右方向に折り畳むものは側方から折り畳まれる方向に,100 Nの力を加えて10秒間保持した後,力

を除去する。この操作を10回行い,試験中に本体が折り畳まれないことを確認する[図14 b) 参照]。 

なお,力を加える部位はハンドル部とするが,折り畳み機構の構造などによって,ハンドル部より

も折り畳まれやすい部位がある場合には,その部位についても同様の試験を行う。 

e) 試験後に,供試体の各部について破損,外れ及び使用上支障のある変形の有無を確認する。 

f) 

引き続き,供試体のハンドル中央点に100 Nの力を垂直方向に加え,10秒間保持した後,力を除去す

る。この操作を10回行い,試験中に本体が折り畳まれないことを確認する[図14 c) 参照]。分離形

は,それぞれのハンドルの握り部分の中央点に50 Nずつの力によって同様の試験を行う。 

g) 試験後,各部について破損,外れ及び使用上支障がある変形の有無を確認する。 

 

 


14 

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a) ハンドル前方に力を加える場合 

b) ハンドル側方に力を加える場合 

 

 

c) ハンドル下方に力を加える場合 

図14−折り畳み機構の保持力及び強度試験 

 

8.11 

走行耐久性試験 

走行耐久性試験は,次による(図15参照)。 

a) 使用状態とした供試体の前輪を,直径200 mmで高さ10 mmの段差が一つあるドラムをもつ試験装置

(図15参照)に載せ,段差を越えるときに上下動するのを阻害することなく,試験中に前後左右方向

への著しい横ぶれが生じないように後輪を固定する。 

なお,このとき,前輪の中心線がドラムの頂点にくるように調整する。 

b) この状態でドラムを100 rpmの速度で10分間回転させ,供試体の各部について破損,外れ及び使用上

支障がある変形,固定部の緩みなどの有無を確認する。 

c) ハンドル中央部に質量10 kgのおもりを載荷する。 

なお,分離形ハンドルの場合には,左右のハンドルの中央点をバーなどによって結び,その質量を

含み10 kg相当となるように調整したおもりを載荷する。このとき,搬送用バッグ付きのものは,搬

送用バッグ内に発泡スチロールを均等に底から高さ約15 cm入れた上に表示された最大載荷重に相当

する質量のおもりを載荷する。 

d) この状態でドラムを100 rpmの速度で120分間回転させ,供試体の各部について破損,外れ,使用上

100 N 

100 N 

左右に各50 N 


15 

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支障がある変形,固定部の緩みなどの異常の有無を確認する。 

e) 引き続き,後輪についても同様の方法によって,確認を行う。 

 

 

 

  

 

背面図 

図15−走行耐久性試験 

 

検査方法 

シルバーカーの検査は,形式検査1) と受渡検査2) とに区分し,検査の項目はそれぞれ次のとおりとする。 

なお,受渡検査の抜取検査方式は,受渡当事者間の協定による。 

a) 形式検査項目 形式検査項目は,次の項目を箇条8及び目視によって試験したとき,箇条5〜箇条7,

箇条10及び箇条11に適合したものを合格とする。 

1) 外観 

2) 構造 


16 

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3) 性能 

4) 表示及び取扱説明書 

b) 受渡検査項目 受渡検査項目は,次の項目を目視によって試験したとき,6.1,箇条10及び箇条11の

規定に適合したものを合格とする。 

1) 外観 

2) 表示及び取扱説明書 

注1) 製品の品質が設計で示す全ての特性を満足するかどうかを判定するための検査。 

2) 既に形式検査に合格したものと同じ設計・製造による製品の受渡しをする場合,必要と認める

特性を満足するものであるかどうかを判定するための検査。 

 

10 

表示 

この規格の全ての要求事項に適合したシルバーカーには,見やすい箇所に容易に消えない方法で,次の

事項を表示しなければならない。 

a) 名称又は規格番号 

b) 最大使用者体重 

c) 製造事業者名又は販売事業者名 

d) 製造番号又は略号 

e) 製造年月又は略号 

f) 

高さ調節の最大伸張位置 

g) 最大高さ 

h) 搬送用バッグの最大載荷重 

i) 

使用対象者(自立歩行の可能な方用である旨) 

j) 

使用上の注意(坂道で使用する場合の注意,不整地で使用する場合の注意,凍結路面での注意,路肩

の段差,階段など段差の前では一時停止することなど) 

 

11 

取扱説明書 

取扱説明書には,次の事項を記載しなければならない。 

a) 取扱説明書を必ず読み,読んだ後保管する旨。 

b) 製品寸法(組立時の幅,奥行,最大高さ及び最小高さ。該当する場合には,折り畳み時の幅,高さ及

び奥行。) 

c) 腐食及び経年劣化を回避するための注意 

d) 使用上の注意(坂道で使用する場合の注意,不整地で使用する場合の注意,路肩の段差,階段など段

差の前では一時停止することなど) 

e) ブレーキの調整方法 

f) 

組立,調整及び折り畳み(該当する場合)の方法及び注意事項 

g) 種類 

h) 最大使用者体重 

i) 

使用対象者(自立歩行の可能な方) 

j) 

各部の名称 

k) 製造事業者又は販売事業者の名称又は略号,及びそれらの住所,電話番号,ファクシミリ番号 


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附属書A 

(参考) 

設計における配慮事項 

 

A.1 福祉用具に関連して起こる可能性があるハザード及び関連する要因の例 

福祉用具に関連して起こる可能性があるハザードの例及びそれらに関連する要因の例を示す。ただし,

全てを網羅しているわけではなく,ハザード及び要因を特定する手助けとなる。 

a) 可動部分(介助者,子供などが手,足,指などを挟み込む構造の存在)に関する危険性 

例1 シルバーカーの一部に指を入れた場合に挟まれてけがをしないか。 

b) 接触アレルギー誘発性などに関する危険性 

例2 適切な表示がされているか。 

c) 他の機器と併用する場合の不適合性 

例3 ベッドなどからの移乗を行う場合に問題はないか。 

d) 廃棄物及び/又は福祉用具の廃棄による汚染 

例4 ごみとして燃やす場合などに有毒な物質を排出しないか。 

e) 不適切な操作説明,例えば, 

1) 複雑すぎる操作説明 

2) 使いにくい,まとまりのない取扱説明書 

例5 専門用語を不必要に使っていないか。 

f) 

合理的に予見できる誤使用 

例6 座ったまま移動する用具として使ってしまった場合にも問題はないか。 

g) 製品の寿命に関する適切な情報提供 

例7 一部の部品が他に比べて製品寿命が短いなどの場合。 

 

A.2 多様な使用者に対する人間工学的な要因によるハザード 

高齢者,障害者などの身体機能の低下によって多様なニーズをもつ使用者に対する人間工学的検討項目

の例を示す。ただし,全てを網羅しているわけではなく,項目を特定する手助けとなる。 

注記1 JIS Z 8071の箇条7(人間の能力及び特性)などが参考となる。 

a) 動作能力の低下,筋力の低下及び体力の低下による意図しない動き 

例1 自動車運転中の反応時間は壮年者(19歳〜29歳)に対し高齢者(60歳以上)は3倍以上(1.5

秒〜3.8秒)であった[1]。 

b) 機器の操作力の低下による意図しない動き 

例2 手で押す力は30歳代に対して60歳代はその約70 %であった[2]。 

注記2 JIS T 9241-2では,手指による操作は5 N,手又は腕による操作は105 N,足による操作は

300 N,回転(ノブ)による操作は1.9 Nm以下としている。 

注記3 ISO 11199-2では,駐車ブレーキをかける力及び解除する力は,押す力については60 Nを

超えてはならない,また,引く力については40 Nを超えてはならないとしている。 

c) 認知症を含む使用者の知的能力の低下及び短期記憶能力の低下した使用者による使用 

例3 短期記憶に関わる単語の再生は,20歳〜29歳では約14語であるのに対し,60歳以上では約


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7語であった[3]。また,異常行動の対象ともなり得る。 

d) 平衡を保ち転倒を避ける能力の低下した使用者による使用 

例4 閉眼における立位時の動揺軌跡は,20歳代と60歳代とではその約1.23倍であった[4]。 

e) 色知覚能力の低下,視力の低下,触覚感度の低下などによる不十分な情報取得 

例5 近距離での生活視力は,35歳〜44歳が約1.05に対して65歳〜74歳では約0.6であった[5]。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参考文献  

[1] 国立研究開発法人産業技術総合研究所・人間福祉医工学研究部門編;人間計測ハンドブック,

P.770-771,2003年9月,朝倉書店 

[2] 独立行政法人製品評価技術基盤機構データベース 

http://www.tech.nite.go.jp/human/jp/contents/cdata/coperation/operation-g.html 

[3] 佐藤方彦 監修;人間工学基準数値数式便覧,第1版3刷,P.169,1999年3月,技報堂出版 

[4] 佐藤方彦 監修;人間工学基準数値数式便覧,第1版3刷,P.97,1999年3月,技報堂出版 

[5] 国立研究開発法人産業技術総合研究所・人間福祉医工学研究部門編;人間計測ハンドブック,P.444,

2003年9月,朝倉書店 

[6] JIS T 9241-2 移動・移乗支援用リフト−第2部:移動式リフト 

[7] JIS Z 8071 規格におけるアクセシビリティ配慮のための指針 

[8] ISO 11199-2,Walking aids manipulated by both arms−Requirements and test methods−Part 2: Rollators