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T 9262

:2011

(1)

目  次

ページ

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義 

1

4

  各部の名称 

1

5

  リスクマネジメントによる設計,外観及び構造

2

5.1

  リスクマネジメントによる設計

2

5.2

  外観

2

5.3

  構造

2

6

  性能

2

7

  試験条件

3

7.1

  試験室の環境 

3

7.2

  試験装置 

3

7.3

  許容差

3

8

  試験

3

8.1

  安定性試験 

3

8.2

  静的強度試験 

5

8.3

  耐衝撃性試験 

5

8.4

  耐久性試験 

6

8.5

  耐落下衝撃試験

6

8.6

  滑り抵抗試験 

7

9

  検査

7

10

  表示

8

11

  取扱説明書

8

附属書 A(参考)設計における配慮事項 

9


T 9262

:2011

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本

工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 T

9262

:2011

福祉用具−和式洋式変換便座

Assistive products-Toilet seats attachment for squat toilets

適用範囲 

この規格は,福祉用具として和式便器(段差のある両用便器も含む。

)に装着することによって,和式便

器を腰掛式便器として使用する和式洋式変換便座について規定する。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 6253

  加流ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方

JIS T 0102

  福祉関連機器用語[支援機器部門]

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS T 0102 によるほか,次による。

3.1 

本体 

和式便器を,腰掛けて使用する便器に変換するための用具(和式洋式変換便座)の,人体を支えるため

の部材。

3.2 

蓋部 

便座を覆うために用意されている部材。

3.3 

便座 

人体を支えるために,主に排せつ(泄)時に垂直に作用する力を支持する面となる部材。

各部の名称 

各部の名称は,

図 による。


2

T 9262

:2011

図 1−和式洋式変換便座の各部の名称 

リスクマネジメントによる設計,外観及び構造 

5.1 

リスクマネジメントによる設計 

リスクマネジメントによる設計は,隙間に手及び足の指が挟まるリスクについて実施する。これは,製

造業者又は販売業者が実施するもので,実施手順及び結果を文書化し維持しなければならない。また,関

連する要因として,

附属書 に例示した事項を設計において配慮することが望ましい。

5.2 

外観 

外観は,次による。

a)

外観の仕上げは良好で,機能に影響を与えるようなきず,狂い,接合部の外れなどの欠陥があっては

ならない。

b)

外部に現れるボルト・ナットなどの先端を含め,人体の触れる部分には,触れた場合に傷を生じるよ

うな突起,鋭い角,ささくれなどがあってはならない。

c)

塗装面の見えがかり部分は,光沢及び色調が均等で,塗りむら,垂れなどがあってはならない。

5.3 

構造 

構造は,次による。ただし,該当する部材又は部品がない場合は,その項目は適用しない。

a)

各部の接合,組立てなどは良好で,緩み,がた,変形などがあってはならない。

b)

高さ調節機構がある場合は,高さ調節が容易で,使用中に容易に緩まない構造とする。指の閉じ込め

防止距離については,5 mm 未満又は 25 mm を超える距離とする。孔サイズ及び固定部品間の隙間に

おけるリスク要因の発生が不可避である場合,用具が通常の使用目的を満たすよう,その用具を安全

に操作する方法について,警告及び指示を製造業者が作成した取扱説明書に記載しなければならない。

c)

附属品は,使用上の安全性を損なわない構造とする。

d)

商用電源を用いるものにあっては,電装品などは,電気用品安全法に適合しなければならない。

性能 

性能は,8.18.6 によって試験をしたとき,

表 の規定に適合しなければならない。


3

T 9262

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表 1−性能 

項目

性能

試験箇所

前方安定性

8.1 a) 

側方安定性

8.1 b) 

安定性

後方安定性

転倒しない。

ただし,床に固定する製品は,安定性試験を適
用しない。

8.1 c) 

静的強度

便座への鉛直荷重

8.2 

耐衝撃性

便座の耐衝撃性

8.3 

耐久性

便座の耐久性

8.4 

耐落下衝撃

使用上支障のある破損,変形,緩み及び外れが
ない。

8.5 

滑り抵抗

移動しない。

8.6 

試験条件 

7.1 

試験室の環境 

試験室の環境は,温度 5  ℃∼35  ℃,相対湿度(65±20)%とする。

7.2 

試験装置 

試験装置は,次による。

a) 

試験床  試験床は,平滑で剛性のある水平面とし,8.5 の耐落下衝撃試験では,厚さ 2 mm のテストラ

バーを剛性の高い床(コンクリート床,鋼製定盤など)面上に敷く。

なお,テストラバーの硬さは,JIS K 6253 に規定するタイプ A デュロメータによって,A85±5 の

ものとする。

b) 

便座用当て板  便座用当て板は,表面が硬く,平滑であり,十分な強度をもつ,便座全体を覆う大き

さの剛性の平板とする。

なお,便座用当て板を使用する場合は,便座用当て板と供試体との間に発泡体を敷く。

c) 

ストッパ  ストッパは,供試体が移動しないようにするためで,転倒することを防止するものではな

い。ストッパの高さは,12 mm 以下とする。ただし,供試体の構造上,12 mm より高いストッパを必

要とする場合は,供試体が移動することを防止するために必要な最小限の高さとする。

d) 

便座用砂袋  便座用砂袋は,底面の直径が 300±10 mm で,質量 25 kg±0.5 kg の円筒形の砂袋とする。

e) 

衝撃用砂袋  衝撃用砂袋は,底面の直径が 200±10 mm で,質量 20 kg±0.5 kg の円筒形の砂袋とする。

f) 

発泡体  発泡体は,厚さ 10 mm∼20 mm の軟質ウレタンフォームで,見掛け密度 20 kg/m

3

±5 kg/m

3

とし,供試体と便座用当て板との間に敷き,試験を行う。

なお,寸法の指定がない場合は,使用する便座用当て板とほぼ同等の大きさとする。

g) 

状態調節  寸法調節のある供試体については,試験を行う場合は,事前に最大使用寸法に調節する。

7.3 

許容差 

特に規定のない限り,力の許容差は±5 %,質量の許容差は±0.5 %,寸法の許容差は±0.5 mm とする。

試験 

8.1 

安定性試験 

安定性試験は,次による。

なお,この試験を含み,安定性試験に関しての鉛直力は,天びん式おもりを用いてもよいが,この場合

は,便座用当て板を使用してはならない。

a) 

前方安定性試験 


4

T 9262

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1)

試験床に供試体を静置し,前壁にストッパを当て,便座用当て板[7.2 b)]を載せる。

2)

便座中央部前縁から 50 mm 後方の位置に,質量 60 kg のおもりを載せ,その位置で,20 N の水平力

を前方向に加える(

図 参照)。

図 2−前方安定性試験 

b) 

側方安定性試験 

1)

試験床に供試体を静置し,任意の辺の側壁にストッパを当て,便座用当て板[7.2 b)]を載せる。

2)

ストッパを当てた側の便座中央部側縁から 50 mm 内側の位置に,質量 60 kg のおもりを載せ,その

位置で,20 N の水平力を外方向に加える(

図 参照)。

図 3−側方安定性試験 

c) 

後方安定性試験 

1)

試験床に供試体を静置し,後壁にストッパを当て,便座用当て板[7.2 b)]を載せる。

2)

便座中央部後縁から 175 mm 前方の位置に,質量 60 kg のおもりを載せ,その位置で,60 N の水平

力を後方に加える(

図 参照)。


5

T 9262

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図 4−後方安定性試験 

8.2 

静的強度試験 

便座への静的強度試験は,次による。

a)

試験床に供試体を静置し,便座に便座用砂袋[7.2 d)]を載せる。

b)

便座用砂袋上で,便座中央部後縁から 175 mm 前方の位置に,便座用砂袋の質量を換算した質量を含

め 1 300 N の鉛直力を 10 回加える。鉛直力は,少なくとも各回 10 秒間維持する(

図 参照)。

図 5−便座への鉛直荷重試験 

8.3 

耐衝撃性試験 

便座の耐衝撃性試験は,次による。

a)

試験床に供試体を静置する。

b)

便座中央部に,100 mm の高さから便座用砂袋[7.2 d)]を自由落下させる操作を,10 回行う(

図 

照)


6

T 9262

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図 6−便座の耐衝撃性試験 

8.4 

耐久性試験 

便座の耐久性試験は,次による。

a)

試験床に供試体を静置し,便座に便座用砂袋[7.2 d)]を載せる。

b)

便座用砂袋上で,便座中央部後縁から 175 mm 前方の位置に,便座用砂袋の質量を換算した質量を含

め 950 N の鉛直力を毎分 40 サイクルを超えない速度で 12 500 回加える(

図 参照)。

図 7−便座の耐久性試験 

8.5 

耐落下衝撃試験 

耐落下衝撃試験は,次による。

a)

試験床上に,供試体の一つの部位に対して,その部位と対角線上反対側にある部位とを結ぶ直線が水

平に対し 10°の角度となるように傾け,残りの部位を結ぶ直線が水平になるように支える。

b)

高さ 200 mm から前側を 10 回,後側を 10 回,試験床に落下させる(

図 参照)。


7

T 9262

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図 8−耐落下衝撃試験 

8.6 

滑り抵抗試験 

滑り抵抗試験は,次による。

a)

供試体を水平で平滑な表面をもつ厚さ 2 mm 以上のステンレス鋼板の床面に置き,便座に質量 60 kg

のおもりを載せ,力を加え得る最下部に 180 N の水平力を加える(

図 参照)。

b)

負荷方向は,前後方向及び左右方向の 2 方向とし,それぞれ任意の面にほぼ均等な力が加わるように

する。

c)

各試験開始前に,ステンレス鋼板をエタノールなどで洗浄し,乾燥したことを確認した後,試験を行

う。

図 9−滑り抵抗試験 

検査 

和式洋式変換便座の検査は,形式検査

1)

と受渡検査

2)

とに区分し,検査の項目はそれぞれ次のとおり

とする。

なお,形式検査及び受渡検査の抜取検査の方式は,受渡当事者間の協議による。

1)

製品の品質が,設計で示した全ての特性を満足するかどうか判定するための検査。

2)

既に形式検査に合格したものと同じ設計・製造による製品の受渡しをする場合,必要と認める

特性が満足するものであるかどうかを判定するための検査。

a) 

形式検査項目 

1)

外観


8

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2)

性能

3)

構造

4)

表示及び取扱説明書

b) 

受渡検査項目 

1)

外観

2)

表示及び取扱説明書

10 

表示 

この規格の全ての要求事項に適合した和式洋式変換便座には,次の事項を表示しなければならない。

a)

規格名称又は規格番号

b)

製造年又はその略号

c)

製造業者名又はその略号,及びその住所又は電話番号

d)

製品名又は製品を特定できる品番

e)

寸法,材質及び使用上の注意

f)

蓋部の裏に注意喚起ラベルを貼る(蓋部に寄りかからない,など)

g)

床に固定する製品は,固定する箇所と固定する指示

11 

取扱説明書 

取扱説明書には,次の事項を記載しなければならない。

a)

使用方法

b)

取扱説明書を必ず読み,読んだ後保管する。

c)

取扱い上の注意事項

d)

各部の名称(図で示す。

e)

手入れの方法

f)

諸元表(各部の寸法,質量,材質,最大使用者体重など)

g)

製造業者,輸入業者又は販売業者の名称,住所,電話番号及びファクシミリ番号

h)

床に固定する製品は,固定する方法


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附属書 A

(参考)

設計における配慮事項

A.1

  福祉用具に関連して起こる可能性があるハザード及び関連する要因の例 

福祉用具に関連して起こる可能性があるハザード及び関連する要因の例を,次に示す。ただし,全てを

網羅しているわけではなく,ハザード及び要因を特定する手助けとなるよう例示した。

a)

可動部分(介助者,子供などが手,足,指などを挟み込む構造の存在)に関する危険性

例  和式洋式変換便座の蓋について,丁番の近傍に指を入れた場合に挟まれてけがをしないか。

b)

接触アレルギー誘発性などに関する危険性

例  適切な表示がされているか。

c)

衛生上の安全を維持できない状況の発生

例  汚物で汚さないか。

d)

他の機器と併用される場合の不適合性

例  車いすからの移乗を行う場合に問題はないか。

e)

廃棄物及び/又は福祉用具の廃棄による汚染

例  燃やすごみとする場合に有毒な物質を排出しないか。

f)

不適切な操作説明,例えば,

1)

複雑すぎる操作説明

2)

使いにくい,まとまりのない取扱説明書

例  専門用語を不必要に使っていないか。

g)

合理的に予見できる誤使用

例  蓋をした状態で座ってしまった場合にも問題はないか。

h)

使用者の身体状況に適合させるための改造による危険性

例  便座の一部を高くするなどした場合にも問題はないか。

i)

製品の寿命に関する適切な情報提供

例  一部の部品が他に比べて製品寿命が短いなどの場合。

A.2

  多様なユーザーに対する人間工学的検討項目 

高齢者及び障害者等の,身体機能が低下した多様なユーザーに対する人間工学的検討項目を次に示す。

ただし,全てを網羅しているわけではなく,検討項目を特定する手助けとなるよう例示した。

注記  JIS Z 8071 の 9.(心身の機能と障害の影響に関する詳細)などが参考となる。

a)

動作能力の低下,筋力の低下及び体力の低下による意図しない動き

例  自動車運転中の反応時間は,壮年者(19 歳∼29 歳)に対して高齢者(60 歳以上)では,3 倍以

上(1.5 秒∼3.8 秒)であった

 [1]

b) 

機器の操作力の低下

例  押す力は,30 歳代に対して 60 歳代では,約 70 %であった

 [2]

注記  JIS T 9241-2 では,指による操作は 5 N,手による操作は 105 N,足による操作は 300 N 及び

回転による操作は 1.9 Nm 以下としている。


10

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c)

認知症を含む使用者の知的能力の低下及び短期記憶能力の低下した利用者による使用

例  短期記憶に関わる単語の再生では,20 歳∼29 歳では約 14 語であるのに対して,60 歳以上では

約 7 語であった

 [3]

d)

平衡を保ち転倒を避ける能力の低下した利用者による使用

例  閉眼における立位時の動揺軌跡は,20 歳代に対して 60 歳代では,約 1.23 倍であった

 [4]

e)

色知覚能力の低下,視力の低下,聴覚機能の低下,触覚感度の低下などによる不十分な情報取得

例  近距離での生活視力は,35 歳∼44 歳では約 1.05 に対して,65 歳∼74 歳では約 0.6 であった

 [5]

参考文献 

[1]

独立行政法人産業技術総合研究所・人間福祉医工学研究部門編:人間計測ハンドブック,p.770∼771,

2003

年 9 月,朝倉書店

[2]

独立行政法人製品評価技術基盤機構データベース:

http://www.tech.nite.go.jp/human/jp/contents/cdata/coperation/operation-g.html

[3]

佐藤方彦  監修:人間工学基準数値数式便覧,第 1 版 3 刷,p.169,1999 年 3 月,技報堂出版

[4]

佐藤方彦  監修:人間工学基準数値数式便覧,第 1 版 3 刷,p.97,1999 年 3 月,技報堂出版

[5]

独立行政法人産業技術総合研究所・人間福祉医工学研究部門編:人間計測ハンドブック,p.444,2003

年 9 月,朝倉書店

[6]  JIS T 9241-2

  移動・移乗支援用リフト−第 2 部:移動式リフト

[7]  JIS Z 8071

  高齢者及び障害のある人々のニーズに対応した規格作成配慮指針

[8]  BS EN 12182:1999

,Technical aids for disabled persons. General requirements and test methods