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T 9252:2007  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1 適用範囲 ························································································································· 1 

2 引用規格 ························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 種類及び記号 ··················································································································· 3 

5 品質······························································································································· 5 

5.1 一般要求事項 ················································································································ 5 

5.2 外観 ···························································································································· 5 

5.3 構造 ···························································································································· 5 

5.4 性能 ···························································································································· 6 

6 試験方法 ························································································································· 8 

6.1 試験装置の許容誤差 ······································································································· 8 

6.2 スロープ及びブリッジの強度試験······················································································ 8 

6.3 制動装置の停止性能試験 ································································································· 8 

6.4 安全装置の性能試験 ······································································································· 8 

6.5 耐荷重性能試験 ············································································································· 9 

6.6 昇降性能試験 ················································································································ 9 

6.7 昇降停止性能試験 ·········································································································· 9 

6.8 安定性能試験 ··············································································································· 10 

6.9 耐水性試験 ·················································································································· 10 

7 検査······························································································································ 10 

7.1 検査の種類及び検査項目 ································································································ 10 

8 表示及び取扱説明書 ········································································································· 11 

8.1 表示 ··························································································································· 11 

8.2 取扱説明書 ·················································································································· 11 

T 9252:2007  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本福祉用具・生

活支援用具協会 (JASPA) 及び財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を

改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格で

ある。 

これによって,JIS T 9252 : 2004は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

T 9252:2007 

家庭用段差解消機 

Lifting platforms and wheelchair lifting tables for home use 

適用範囲 

この規格は,車いすを用いている人,自力で段差を昇降することが困難な人などが,主に住宅の屋内,

屋外で用いる垂直昇降式で,昇降行程が2 m以下,最大積載量が250 kg未満の家庭用段差解消機について

規定する。 

引用規格  

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 0920 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード) 

JIS C 1509-1 電気音響−サウンドレベルメータ(騒音計)−第1部:仕様 

JIS C 9335-1 家庭用及びこれに類する電気機器の安全性−第1部:一般要求事項 

JIS T 0102 福祉関連機器用語[リハビリテーション機器部門] 

用語及び定義  

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS T 0102の3.(用語及び定義)によるほか,次による。 

3.1 

垂直昇降式  

垂直方向へ昇降する方式。 

3.2 

移動式  

車輪などが設けられ移動できる方式。 

3.3 

据置式  

地面・床面に直接置くだけの方式。 

3.4 

設置式  

地面・床面に定着する方式。 

3.5 

テーブル  

利用者及び車いすが搭乗することのできる板部分。 

注記 建築基準法では“かご”と表現している。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.6 

テーブル幅  

乗降方向に直角な方向のテーブルの最大長さ。 

3.7 

テーブル長さ  

乗降方向に平行な方向のテーブルの最大長さ。 

3.8 

最低高さ  

テーブルが,最降下点に達したときのベース下面からテーブル上面までの高さ。 

3.9 

最高高さ  

テーブルが,最上昇点に達したときのベース下面からテーブル上面までの高さ。 

3.10 

スロープ  

テーブルが,あらかじめ設定された下限位置のとき,床面から段差解消機へ乗り入れるために設けられ

た傾斜板(低位置用フラップともいう。)。 

3.11 

ブリッジ  

テーブルが,あらかじめ設定された上限位置のとき,段差解消機から床面へ乗り移る橋渡し的な板(高

位置用フラップともいう。)。 

3.12 

最大積載量  

搭乗可能な最大許容質量(車いすの質量も含む。)。 

3.13 

転落防止装置  

手すり,車止め,遮断棒,止め鎖,ブリッジ,側板などのテーブルから車いすの転落を防止する装置。 

3.14 

制動装置  

任意の位置でテーブルの昇降を停止する装置。 

3.15 

エンドリミット装置  

あらかじめ設定された上限位置及び/又は下限位置で,テーブルの上昇・下降を停止させる装置。 

3.16 

挟み込み自動停止装置  

手,足などがテーブルと地面との間に挟まれたときに,テーブルの下降を自動的に停止する装置。 

3.17 

挟み込み防止装置  

手,足などの挟み込みを防止するための装置又は構造(蛇腹など)。 

3.18 

定格速度  

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最大積載量の負荷をかけたテーブルが上昇・下降するときの平均速度。 

3.19 

昇降行程  

テーブルが,最低高さから最高高さまで移動する距離(揚程・ストロークともいう。)。 

3.20 

昇降サイクル/周期  

テーブルが,最低高さから最高高さに達し,最低高さに戻るまでのサイクル。 

3.21 

昇降機構  

テーブルを上下移動させるための機構。 

3.22 

駆動方式  

昇降機構を駆動する方式。方式には,電動式及び手動式がある。 

3.23 

クリープ  

テーブルが停止位置から徐々に降下して行く現象。 

3.24 

基準面  

エンドリミット装置で設定された位置の高さ。 

3.25 

自然降下量  

テーブルが停止位置から短時間に降下する量。 

3.26 

ベース  

昇降機構を支持する台枠。 

3.27 

有効外幅  

乗降方向に直角な方向のスロープ及びブリッジの有効な最大幅。二つに分離しているものでは各外側間

の寸法とする。 

種類及び記号 

段差解消機の種類は,昇降行程,駆動方式及び設置方式によって区分し,表1による(図1〜図3参照)。 

表1−種類及び記号 

昇降行程 

駆動方式 

設置方式 

種類の記号 

1 m以下 

電動式 (electric) 

移動式 (mobile) 

EM1 

据置式 (stationary) 

ES1 

設置式 (fix) 

EF1 

手動式 (manual) 

移動式 (mobile) 

MM1 

据置式 (stationary) 

MS1 

設置式 (fix) 

MF1 

1 mを超え2 m以下 

電動式 (electric) 

設置式 (fix) 

EF2 

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図1−設置式の例 

図2−据置式の例 

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図3−移動式の例 

5 品質  

5.1 

一般要求事項 

構造部品は,機械的及び電気的に安全な構造で欠陥がなく,十分な強度及び適切な品質の材料を使用し

なければならない。磨耗に対しては,十分耐え得る寸法の確保及び腐食に対しての保護も十分配慮しなけ

ればならない。 

5.2 外観  

外観は,使用者及び介護者の安全性を損なわないものとし,次の事項を満足しなければならない。 

a) 仕上げは良好で,各部に変形,き裂,溶接不良などがない。 

b) 人体に触れる部分及び人体に触れる可能性のある部分には,ばり,かえり及び鋭い突起がない。 

c) 見えがかり接合部は,滑らかに仕上げる。 

d) 表面処理などをしている面には,素地の露出,はがれ,さびなどの不良がない。 

e) 表面処理などをしていない面には,さび,割れなどの不良がない。 

5.3 構造  

5.3.1 

テーブルの構造  

テーブルの構造は,次による。ただし,昇降行程が1 m以下のものはa) 及びb) を省略できる。 

a) テーブル床面から高さ150 mm以上の側板を設け,かつ,高さ1 000 mm以上の手すりを設ける。 

b) 出入口には戸,可動式の手すりなどを設ける。 

5.3.2 

使用形態によるテーブル寸法  

使用形態によるテーブル寸法は,表2による。 

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表 2−使用者の使用形態によるテーブル寸法 

単位 m 

使用形態 

使用形態の記号 

テーブル寸法(幅×長さ) 

立ち乗り(1名) 

ST 

0.45 以上×0.45 以上 

車いす(1名) 

手動式車いす 

MW 

0.65 以上×0.85 以上 

電動式車いす 

EW 

0.65 以上×0.95 以上 

車いす(1名) 
+介助者(1名) 

手動式車いす 

MW2 

0.65 以上×1.1 以上 

電動式車いす 

EW2 

0.65 以上×1.3 以上 

5.3.3 

転落防止装置  

手すり,車止め,遮断棒,止め鎖,ブリッジ,側板など,いずれかの転落防止装置を設けなければなら

ない。 

5.3.4 

制動装置  

電動式は,制動装置を設けなければならない。 

5.3.5 

安全装置  

段差解消機は,次に示す安全装置を設けなければならない。 

a) EF2には,テーブルの戸又は可動式手すりが閉じていなければテーブルを昇降させることができない

装置。 

b) 挟み込み自動停止装置又は挟み込み防止装置。ただし,手動式は除く。 

c) 供給電源が切れるなどの動力源に不具合が発生した場合,テーブルの昇降を自動的に停止又は降下す

る装置。 

d) 昇降機構に不具合が発生した場合,テーブルの急激な降下を防止する装置。ただし,移動式及び据置

式は,これと同等の機能をもつ機構とする。 

なお,同等の機能をもつ機構とは,例えば,二つ以上のロープ又はチェーンなどの部材によってテ

ーブルを支える機構は,その部材一つに付きテーブルにかかるすべての質量を支えるのに十分な安全

率(5以上)が確保している機構。ラックアンドピニオン機構など,瞬時に全破損しない部材で構成

されている機構などである。 

5.3.6 

エンドリミット装置  

段差解消機は,エンドリミット装置を設けなければならない。 

5.3.7 

電気的安全性 

電気的安全性は,JIS C 9335-1による。 

5.4 

性能  

5.4.1 

制動装置の停止性能 

6.3の試験を行い停止することを確認する。 

5.4.2 

安全装置の性能 

安全装置の性能は,次による。 

a) EF2の戸又は可動式手すりの安全性能 EF2の戸又は可動式手すりの安全性能は,6.4.1によって試験

したとき,テーブルが作動(上昇・下降)しないことを確認する。戸又は可動式手すりを閉じた場合

には作動することを確認する。 

b) 挟み込み自動停止装置の性能 挟み込み自動停止装置の性能は,6.4.2によって試験したとき,各箇所

において,挟み込み自動停止装置は30 N以下で停止しなければならない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

c) 動力源が遮断されたときの自動停止装置の性能 動力源が遮断されたときに自動的に停止又は降下す

る装置の性能は,6.4.3によって試験したとき,テーブルが危険な速度を超えずに下降するか,テーブ

ルを停止しなければならない。 

d) テーブルの急激な降下を防止する装置の性能 昇降機構に不具合が発生した場合,テーブルの急激な

降下を防止する装置の性能は,6.4.4によって試験したとき,テーブルが0.15 m/sを超えずに下降する

か,テーブルを停止しなければならない。 

5.4.3 

スロープ及びブリッジ 

スロープ及びブリッジは,有効外幅を650 mm以上とし,6.2によって試験したとき,破損,外れ及び使

用上支障のある変形があってはならない。 

5.4.4 

耐荷重性能  

耐荷重性能は,次による。 

a) 静的荷重性能 静的荷重性能は,6.5.1によって試験したとき,破損,外れ及び使用上支障のある変形

があってはならない。 

b) 動的荷重性能 動的荷重性能は,6.5.2によって試験したとき,破損,外れ及び使用上支障のある変形

があってはならない。 

c) 耐久性 耐久性は,6.5.3によって試験したとき,異音,すれ,発熱,永久変形,破損,振動,各部の

ゆがみ,磨耗及び伸びがあってはならない。 

d) 耐衝撃性 耐衝撃性は,6.5.4によって試験したとき,破損,外れ及び使用上支障のある変形があって

はならない。 

5.4.5 

昇降性能  

昇降性能は,次による。 

a) 昇降速度 昇降速度は,6.6.1によって試験したとき,上昇及び下降とも0.15 m/s以下でなければなら

ない。ただし,手動式は除く。 

b) 昇降時の騒音 昇降時の騒音は,6.6.2によって試験したとき,65 dB以下でなければならない。ただ

し,手動式は除く。 

5.4.6 

昇降停止性能  

テーブルの昇降を停止する性能は,次による。ただし,手動式は除く。 

a) 無負荷時 無負荷時は,6.7.1によって試験したとき,5回の測定のいずれも20 mm以内に停止しなけ

ればならない。 

b) 最大積載量負荷時 最大積載量負荷時は,6.7.2によって試験したとき,5回の測定のいずれも20 mm

以内に停止しなければならない。 

c) 自然降下量 自然降下量は,6.7.3によって試験したとき,5 mm以内でなければならない。 

d) クリープ性能 クリープ性能は,6.7.4によって試験したとき,それぞれテーブルが床面より下に50 

mm以上クリープしてはならない。 

e) エンドリミット装置の停止性能 電動式におけるエンドリミット装置による昇降停止性能は,6.7.5に

よって試験したとき,5回の測定のいずれも基準面から±20 mmに停止しなければならない。 

5.4.7 

安定性  

安定性は,次による。 

a) テーブルの安定性 テーブルの安定性は,6.8.1によって試験したとき,テーブルの傾き及び横揺れ,

ノッキング,きしみなどがあってはならない。 

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b) 傾斜安定性 傾斜安定性は,据置式にあっては6.8.2.1によって,移動式では6.8.2.2によって試験した

とき,段差解消機が動いたり,段差解消機と検査台との接触部が浮き上がってはならない。 

c) ずれ安定性 ずれ安定性は,移動式及び据置式においては6.8.3によって試験したとき,設置位置より

前後左右いずれの位置からも20 mm以上ずれてはならない。 

5.4.8 

耐水性能  

耐水性能は,6.9の試験を行ったとき,段差解消機の作動に異常があってはならない。 

試験方法 

6.1 

試験装置の許容誤差  

試験装置の許容誤差は,次による。 

力/荷重  ±5 % 

速度 

 ±5 % 

角度 

 ±0.25° 

長さ 

 ≦150 mm  ±0.5 mm 

 >150 mm  ±5.0 mm 

時間 

 ±0.1 s/m 

6.2 

スロープ及びブリッジの強度試験 

最大積載量と同等の質量のおもりをスロープ及びブリッジの全面にできるだけ均等に載せ,20分間放置

し,おもりを取り除いた後5分間放置する。各部の変形を目視によって確認する。 

6.3 

制動装置の停止性能試験 

最大積載量の1.25倍の質量のおもりをテーブル全面にできるだけ均等に載せ,上昇及び下降の途中で制

動装置を作動させ,停止することができるかを確認する。 

6.4 

安全装置の性能試験 

6.4.1 

EF2の戸又は手すりの停止性能試験 

無負荷の状態において,最低高さの位置で戸又は手すりを閉じずに上昇の操作を行い,テーブルが上昇

しないことを確認する。さらに,戸又は手すりを閉じた状態にして上昇操作を行い,テーブルが上昇する

ことを確認する。 

同様に最高高さの位置で戸又は手すりを閉じずに下降操作を行い,テーブルが下降しないことを確認す

る。さらに,戸又は手すりを閉じた状態にして下降操作を行い,テーブルが下降することを確認する。 

6.4.2 

挟み込み時の停止性能試験 

無負荷の状態で,テーブル下面全周に5〜10か所の測定位置を定め,この位置にプッシュプルゲージ又

は他の測定器具を押し当てて挟み込み,挟み込み自動停止装置が作動するときの力を測定し,かつ,スム

ーズに停止することを確認する。 

6.4.3 

動力源が遮断されたときの停止性能試験 

最大積載量と同等の質量のおもりをテーブル全面にできるだけ均等に載せる。次に上昇・下降の行程の

中央位置で,動力源を遮断させる。テーブルが0.15 m/sの速度を超えずに下降するか又は停止することが

できるかを確認する。 

6.4.4 

テーブルの急激な降下を防止する装置の性能試験 

最大積載量と同等の質量のおもりをテーブル全面にできるだけ均等に載せる。次に上昇・下降の行程の

中央位置で,その昇降機構の不具合を発生させ,テーブルが0.15 m/sの速度を超えずに下降するか又は停

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止することができるかを確認する。 

6.5 

耐荷重性能試験  

6.5.1 

静的荷重試験  

テーブルを最高高さに上昇させて最大積載量の1.5倍の質量のおもりをテーブル全面にできるだけ均等

に載せ,20分間放置し,おもりを取り除いた後5分間放置する。その後,各部の状況を目視によって確認

する。 

6.5.2 

動的荷重試験  

最大積載量の1.25倍の質量のおもりをテーブル全面にできるだけ均等に載せ,最低高さから最高高さま

での往復行程を5回動作させ,おもりを取り除いた後,目視によって確認する。 

6.5.3 

耐久性試験  

最大積載量と同等の質量のおもりをテーブル全面にできるだけ均等に載せて,昇降サイクルを10 000回

の繰り返した後,段差解消機の各部の異常の有無を目視によって確認する。 

6.5.4 

耐衝撃性試験  

テーブルを昇降行程の中間の位置に置き,テーブルの出入口の端から0.1 mの位置に0.2 mの高さから

10 kgの砂袋又はこれに代わるおもりをそれぞれ5回落下させ,各部の状況を目視によって確認する。 

6.6 

昇降性能試験  

6.6.1 

昇降速度試験  

最大積載量と同等の質量のおもりをテーブル全面にできるだけ均等に載せて,テーブルを上昇及び下降

させ,それぞれの時間を測定し,各測定時間を昇降行程で除し,各速度を求める。 

6.6.2 

昇降時の騒音試験  

最大積載量と同等の質量のおもりをテーブル全面にできるだけ均等に載せ,高さ1 m,駆動装置から1 m

離れJIS C 1509-1の騒音計によって測定する。この試験は別置きの駆動ユニットに対しても適用する。 

6.7 

昇降停止性能試験  

6.7.1 

無負荷時の昇降停止試験  

上昇・下降時に行程の中央位置で電動式にあっては,操作スイッチなどを操作して電源を切り,手動式

にあっては,上昇下降動作を中止して,電源を切った時点又は動作を中止した時点から停止した位置まで

の距離を測定する。上昇及び下降のそれぞれについて5回行う。 

6.7.2 

最大積載量負荷時の昇降停止試験  

最大積載量と同等の質量のおもりをテーブル全面にできるだけ均等に載せ,6.7.1に規定する無負荷時の

昇降停止試験と同様に行程の中央位置で停止させ,電源を切った時点又は動作を中止した時点から停止し

た位置までの距離を測定する。上昇及び下降のそれぞれについて5回行う。 

6.7.3 

自然降下量試験  

最大積載量と同等の質量のおもりをテーブル全面にできるだけ均等に載せたまま,最高高さの位置で15

分間放置し,この間の降下量をテーブル前方中央上面を基準として測定する。 

6.7.4 

クリープ性能試験  

テーブルの上面を上部床面及び下部床面と同じ高さの二つの位置について,最大積載量と同等の質量の

おもりをテーブル全面にできるだけ均等に載せた場合及び無負荷の場合における,3時間放置後降下量を測

定する。 

なお,下部床面がテーブル最低高さ(これ以上降下しない位置)と同一高さの場合には,上部床面だけ

試験する。 

10 

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6.7.5 

エンドリミット装置の停止性能試験  

最大積載量をテーブル全面にできるだけ均等に載せた場合及び無負荷の場合に,テーブルが上昇及び下

降のいずれにおいてもエンドリミット装置が作動し,作動と同時に停止することを確認し,停止時の位置

と基準面の位置とのずれを測定する。上昇及び下降のそれぞれについて5回行う。 

6.8 

安定性能試験  

6.8.1 

テーブルの安定性試験  

最大積載量と同等の質量のおもりをテーブル全面にできるだけ均等に載せてテーブルを昇降させ,動作

の状況を目視で確認する。 

6.8.2 

傾斜安定性試験  

6.8.2.1 据置式の場合  

定盤又は厚さ12 mm以上の平らな鋼板を傾斜角度1度に設置し,その上に段差解消機を通常使用状態に

して載せ,6.6.2に規定する位置に最大積載量を載せて,テーブルを最低高さから最高高さまで昇降させる。 

6.8.2.2 移動式の場合  

定盤又は厚さ12 mm以上の平らな鋼板を傾斜角度5度に設置し,その上に段差解消機を通常使用状態に

して載せ,6.6.2に規定する位置に最大積載量を載せて,テーブルを最低高さから最高高さまで昇降させる。 

6.8.3 

ずれ安定性試験  

ずれ安定性試験は,移動式及び据置き式のものに適用し,次による。 

a) 静的ずれ安定性試験 試験台上に段差解消機を通常の使用状態に設置し,テーブルをベースに力が加

えられる最も低い高さ及び最高高さに置き,各々の高さでベースの長さ方向では両端部から内側50 

mmの位置及び中央部の3か所,幅方向では両端部から内側50 mmの位置の2か所に各々30 Nの力を

順次加えたときの,設置位置からのずれを測定する。反対側の幅及び長さ方向についても試験を行う。 

b) 動的ずれ安定性試験 試験台上に段差解消機を通常の使用状態に設置し,最大積載量と同等の質量の

おもりをテーブル全面にできるだけ均等に載せた場合及び無負荷の場合に,各昇降サイクルを30回作

動させ,終了後設定位置からのずれを測定する。 

6.9 

耐水性試験  

テーブルを昇降行程の中間位置に置き,JIS C 0920の保護等級IPX3に相当する試験を行い作動に異常

がないかを確認する。 

検査 

7.1 

検査の種類及び検査項目  

家庭用段差解消機の検査は,形式検査1)と製品検査2)とに区分し,検査の項目は,それぞれ次のとおり

とする。 

なお,形式検査と受渡検査の抜取検査の方式は,受渡当事者間の協議によって定める。 

注1) 製品の品質が設計で示したすべての特性を満足するかどうかを判定するための検査。 

注2) 既に形式検査に合格したものと同じ設計・製造による製品の受渡しのとき,必要と認める特性

を満足するものであるかどうかを判定するための検査。 

a) 形式検査項目 

1) 外観 

2) 構造 

3) 性能 

11 

T 9252:2007  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 製品検査項目 

1) 外観 

2) 安全装置。ただし,5.4.2 d) は除く。 

3) 動的荷重性能 

4) 昇降速度 

5) 昇降停止性能。ただし,5.4.6 c) 及び5.4.6 d) は除く。 

6) 表示 

表示及び取扱説明書 

8.1 

表示  

段差解消機には,次の項目を表示する。ただし,c) 及びd) については出入口の見やすい箇所でもよい。 

a) 規格番号 

b) 種類又は種類の記号 

c) 使用形態又はその記号 

d) 最大積載量及び定員 

e) 操作ボタン,停止ボタンなどの表示 

f) 

禁止事項,注意事項などの表示 

g) 製造業者名又はその略号 

h) 製造番号 

i) 

製造年又はその略号 

8.2 

取扱説明書  

取扱説明書には,次の項目を記載する。 

a) 種類 

b) 最大積載量及び定員 

c) 製造業者名 

d) 最高高さ 

e) 最低高さ 

f) 

使用形態及びテーブル寸法 

g) 昇降速度 

h) 設置上の留意点 

i) 

メンテナンス方法 

j) 

その他,段差解消機に関する必要な情報 

参考文献 JIS T 0601-1-2 医用電気機器−第1-2部:安全に関する一般的要求事項−電磁両立性−要求事

項及び試験 

ISO 9386-1 : 2000,Power-operated lifting platforms for persons with impaired mobility−Rules for 

safety, dimensions and functional operation−Part 1 : Vertical lifting platforms