>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

T 9241-7

:2015

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲 

1

2

  引用規格 

1

3

  用語及び定義  

2

4

  種類及び区分  

5

4.1

  リフトの種類  

5

4.2

  最大持ち上げ質量による区分(区分記号)  

6

5

  一般要求事項  

7

5.1

  リスクマネジメントによる設計  

7

5.2

  外観  

8

5.3

  構造  

8

6

  性能  

9

6.1

  一般  

9

6.2

  参照点の停止距離  

10

6.3

  昇降速度  

10

6.4

  操作力及び操作トルク  

10

6.5

  耐久性  

10

6.6

  静的強度・静的安定性  

10

6.7

  騒音  

11

7

  試験方法 

11

7.1

  一般  

11

7.2

  全般的安全要求事項に関する試験方法  

12

7.3

  参照点の停止距離の試験方法  

14

7.4

  昇降速度試験方法  

14

7.5

  操作力及び操作トルク試験方法  

14

7.6

  耐久性試験方法  

14

7.7

  剛性身体支持具の耐久性に関する試験方法  

15

7.8

  静的強度及び静的安定性の試験方法  

15

7.9

  騒音  

16

8

  検査方法 

16

9

  表示及び取扱説明書  

16

9.1

  一般  

16

9.2

  表示  

16

9.3

  取扱説明書  

17

附属書 A(規定)油圧装置・空圧装置  

20


T 9241-7

:2015  目次

(2)

ページ

附属書 B(参考)定期点検事項  

21

附属書 JA(参考)表示・添付文書  

23

附属書 JB(参考)JIS と対応国際規格との対比表  

25


T 9241-7

:2015

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本福祉用具・生活支援用具協会(JASPA)

及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

これによって,JIS T 9241-1:2008 は廃止され,その一部を分割して制定したこの規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS T 9241

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS T 9241-2

  第 2 部:移動式リフト

JIS T 9241-3

  第 3 部:設置式リフト

JIS T 9241-5

  第 5 部:リフト用スリング

JIS T 9241-6

  第 6 部:立ち上がり用リフト

JIS T 9241-7

  第 7 部:浴槽設置式リフト


日本工業規格

JIS

 T

9241-7

:2015

移動・移乗支援用リフト−

第 7 部:浴槽設置式リフト

Hoists for the transfer of persons with disabilities-Part 7: Bath-tub hoists

序文 

この規格は,2006 年に第 2 版として発行された ISO 10535 を基とし,製品の種類ごとに部編成とし,更

に国内事情を反映させるため,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,

附属書 JB に示す。

適用範囲 

この規格は,浴槽の中又は縁に設置又は据置きする入浴用リフト(以下,リフトという。

)について規定

する。ただし,JIS T 9241-3 で規定するリフトは除く。

この規格は,人間を異なる階へ移動する装置には適用しない。

この規格には,装置の老朽化及び腐食の確認方法は含まない。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 10535:2006

,Hoists for the transfer of disabled persons−Requirements and test methods(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 0641-1

  製品の幾何特性仕様(GPS)−製品及び測定装置の測定による検査−第 1 部:仕様に対

する合否判定基準

注記  対 応 国 際 規 格 : ISO 14253-1 , Geometrical Product Specifications (GPS) − Inspection by

measurement of workpieces and measuring equipment

− Part 1: Decision rules for proving

conformance or non-conformance with specifications

(IDT)

JIS B 8360

  液圧用鋼線補強ゴムホースアセンブリ

JIS B 8361

  油圧−システム及びその機器の一般規則及び安全要求事項

JIS B 8364

  液圧用繊維補強ゴムホースアセンブリ

JIS B 8370

  空気圧−システム及びその機器の一般規則及び安全要求事項

JIS C 0920

  電気機械器具の外郭による保護等級(IP コード)

注記  対応国際規格:IEC 60529,Degrees of protection provided by enclosures (IP Code)(IDT)


2

T 9241-7

:2015

JIS C 1509-1

  電気音響−サウンドレベルメータ(騒音計)−第 1 部:仕様

JIS S 0101

  消費者用警告図記号

JIS T 0102

  福祉関連機器用語[支援機器部門]

JIS T 0601-1-2

  医用電気機器−第 1-2 部:安全に関する一般的要求事項−電磁両立性−要求事項及び

試験

注記  対応国際規格:IEC 60601-1-2:2004,Medical electrical equipment−Part 1-2: General requirements

for safety

−Collateral standard: Electromagnetic compatibility−Requirements and tests(IDT)

JIS T 9241-3

  移動・移乗支援用リフト−第 3 部:設置式リフト

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS T 0102 によるほか,次による。

3.1 

最大質量 

区分記号が示す最大持ち上げ質量範囲の中の最大値。ただし,区分記号 WX では最大質量は製造業者が

指定する最大持ち上げ質量。

3.2 

最大持ち上げ質量(maximum load)

製造業者が定めたリフトが持ち上げ可能な質量。ただし,リフトの一部である身体支持具を含まない質

量。

3.3 

ハンドグリップ(handgrip)

ハンドルの一部をなすもので,通常手で握る部分として製造業者が指定した部分。

3.4 

操作ハンドル(handle)

リフトを移動(リフトの旋回操作も含む。

)する際,介助者が手で握る部分。

3.5 

ペダル(pedal)

昇降機構の一部で,アクチュエータに使用圧力を加えるための足踏み式ペダル。駐車用ブレーキで停止

状態を維持する際に用いる足踏み式ブレーキペダルも含む。

3.6 

留め金具 

剛性身体支持具をリフトに連結するために連結点に装備された部分。

3.7 

連結点[connecting point (s)]

身体支持具と結合する部分。

3.8 

セルフロッキング方式(self-locking type) 

フックとトリガで構成され,荷重がかかるとラッチロックが働く仕組み。

3.9 

ロッキングシステム(locking system)


3

T 9241-7

:2015

剛性身体支持具をリフトに固定する手段。

3.10 

制御装置(control devices)

参照点の昇降機構及び他の機能を操作する装置。

3.11 

昇降装置(lifting device)

身体支持具を昇降させる手段。

3.12 

ホールドツーラン方式(hold to run control device)

手動操作が一定の状態を保っている間だけ,対応するリフト機能を開始し,維持する制御方式。手動操

作が解除されると,対応する機能は自動的に“停止”又は“オフ”に戻る。

3.13 

単一故障状態(single fault condition)

リスクを軽減するための単一手段があり,その損傷又は破損が認められる,つまり単一の異常状態が存

在する状態。

3.14 

身体支持具(body-support unit)

リフトの一部をなし,関連する附属装置と一体となり,使用者を持ち上げる,移乗させる,又は移動さ

せる際に,その使用者を支える支持具。

3.15 

剛性身体支持具(rigid body-support unit)

剛性材料(必要な場合はパッドをかぶせる。

)で予備成型したり柔軟な材料をフレームに取り付けて製作

した座面又は仰向け保持装置。リフトの持ち上げ装置に連結させるための附属的結合手段をもつ。

3.16 

多目的リフト(multi-purpose hoist)

多様な運用ができるように,複数の異なる種類の部品を使用して,組立可能なリフトの一分類。

3.17 

リフト可動域(hoisting range)

参照点の最高位と最低位との鉛直距離(

図 参照)。

3.18 

背もたれ(backrest)

身体支持具の一部で,附属装置とともに持ち上げ,移乗させ又は移動させる使用者の背を支えるもの。

3.19 

使用者(lifted person)

リフトによる持ち上げ,移動及び移乗の対象者。懸ちょう式の場合は“被懸ちょう者”と呼ぶ。

3.20 

介助者(attendant)

使用者でなく,リフトの操作を行う者。

3.21 

フリーホイール 


4

T 9241-7

:2015

電気的に動作する駆動部によって拘束されない状態。

3.22 

フレキシブル装置(flexible device)

昇降装置の中にある装置で,引上げ機構とハンガーとを連結する装置(例えば,チェーン,テープ,ロ

ープなど)

3.23 

参照点[reference point (s)]

幾つかの測定におけるリフトの基準点で,

身体支持具の横幅の中間点で計った前方端の位置

図 参照)。

注記  連結点[connecting point (s)]にもなる。身体支持具と結合する部分。

3.24 

不利な(過酷な)条件(adverse condition)

損傷又は破損が最も起こりやすい条件。

3.25 

前方(forwards)

取扱説明書において製造業者によって前方として指定された方向。

3.26 

後方(backwards)

リフトの前方移動方向から 180°をなす方向。

 1)

  前面図 2)  側面図 

a)

  浴槽内設置式 

図 1−リフトの最高位における主要寸法 


5

T 9241-7

:2015

 1)

  前面図 2)  側面図 

b)

  浴槽縁設置式 

a

最高位における座面の高さ

b

最高位における全長

c

最高位における高さ

d

最低位における座面の高さ

A

参照点(身体支持具の横幅の中間点となる位置)

図 1−リフトの最高位における主要寸法(続き) 

種類及び区分 

4.1 

リフトの種類 

リフトの種類は,

表 による。

表 1−リフトの種類 

種類

説明

図番号

入浴用リフト

浴槽内設置式

a)

浴槽中に設置して使用者を持ち上げ,

移乗するリフト。

図 

浴槽縁設置式

a)

浴 槽 の 縁 に 設置 し て 使 用 者を 持 ち 上
げ,移乗するリフト。

図 

a)

設置式には浴槽に据え置く方式も含む。


6

T 9241-7

:2015

浴槽

図 2−浴槽内設置式 

図 3−浴槽縁設置式 

4.2 

最大持ち上げ質量による区分(区分記号) 

最大持ち上げ質量による区分(区分記号)は,

表 による。

表 2−最大持ち上げ質量による区分(区分記号) 

単位  kg

区分記号

最大持ち上げ質量範囲

WS

60

以下

WM

60

を超え 80 以下

WL

80

を超え 100 以下

WLL

 100

を超え 120 以下

WX

 120

を超えるもの


7

T 9241-7

:2015

一般要求事項 

5.1 

リスクマネジメントによる設計 

リスクマネジメントによる設計は,製造業者又は販売業者によって実施手順及び実施結果を文書化し維

持しなければならない。

a)

予測耐用期間をリスクマネジメントファイルに記録する。

注記  予測耐用期間は,リスクマネジメントを実施するときの前提となる期間である。

b)

衣服の一部などが機器に絡み付くリスク

c)

作動する部分に関わるリスクマネジメントは,次による。

1)

動く部分をもつリフトは取扱説明書に従って正しく設置され,かつ,使用又は合理的に予見できる

誤使用をしたとしても,動く部分に関連するリスクを受容できるレベルまで低減できるように,設

計,製造及び配置をする。

2)

動く部分に接触することに起因するリスクは,接近のしやすさ,リフトの機能,部品の形状,運動

のエネルギー及び速度,並びに使用者及び介助者の利益を考慮した上で,防護手段を用いて受容で

きるレベルに低減させる。

3)

合理的なリスク軽減措置を取った後にもリスクが残る場合は,その防護手段及びリスクがある旨の

警告をリフトに表示し,かつ,取扱説明書に記載する。

4)

リフトの昇降動作によるはまり込みのリスクに関して,リスクマネジメントを実施する。

5)

リフト本体の隙間へ身体が挟み込まれる又は閉じ込められるリスクに関して,リスクマネジメント

を実施する。

6)

プログラマブル機器によって動作させる機能について,既知又は予見可能なハザードをリスクマネ

ジメントファイルに記録する。

d)

ハンドグリップ,ハンドル,操作ハンドル及びペダル(いずれも,存在する場合)は,指示された方

法で使用した場合に,使用者及び介助者の身体的構造に無理なく使用できるとともに,次の条件から

外れる場合はリスクマネジメントファイルに記録する。

注記  下記 1)6)  の条件は ISO の規定を準用しているが,必ずしも日本人の体格に適合していな

い場合もあり得るため,条件に適合する場合でも,必要に応じてリスクマネジメントを行い,

ファイルに記録することが望ましい。

1)

操作力 10 N 以上の操作ハンドル(握るために作られた部分)とリフト構造部品との距離は,35 mm

以上とする。

2)

ペダル(操作状態の位置)の上面とリフトの他の部分との距離は,つま先の隙間が鉛直距離にして

75 mm

以上とする。

3)

操作力 10 N 以上の操作ハンドル及び握りの直径は,19 mm∼43 mm の範囲とする。

4)

立位で操作するリフトの場合,ペダルは床面から 300 mm 以内とする。

5)

立位で操作するリフトの場合,手動式制御装置の位置は,床面から 800 mm∼1 200 mm の高さとす

る。

6)

操作ハンドルの高さは 900 mm 以上とする。

e)

身体に接触する材料については,肌に触れることに関するリスクについてリスクマネジメントを実施

する。リスクマネジメントは,使用目的並びに使用者及び介助者と材料との接触を考慮する。

f)

製造業者が身体支持具の材料を難燃性と明記する場合は,発火及び炎上についてリスクマネジメント

を実施する。


8

T 9241-7

:2015

g)

もし,リフト又はリフトの 1 部品が 20 kg 以上の質量で,運搬可能に作製されているのであれば,そ

のリフトは,2 名又はそれ以上の人数で運搬可能なように,取っ手(

例  ハンドル,手を掛ける穴な

ど)を備えていなければならない。

h)

アームのたわみに関するリスクマネジメントを実施する。

5.2 

外観 

外観は,次による。

a)

特別な機能として必要な場合を除き,手の届く全てのエッジ,角,及び表面は滑らかで,ばり及び鋭

いエッジがあってはならない。また,外部に現れるボルト・ナットなどの先端は著しく突出しないか,

又は先端に身体を損傷(せん断,押し潰しなど)させないようなカバー,クッションなど適切な保護

具を取り付けなければならない。

b)

塗装を行った場合は,塗装面は滑らかで穴,泡などが目立ってはならない。

5.3 

構造 

5.3.1 

一般 

構造一般は,次による。

a)

製造業者は,

リフトを過負荷で使用したときに伴う潜在的リスクを利用者に知らせなければならない。

これは,表示するか取扱説明書に記述するか,又はその両方に示してもよい。リフトが使用者自身に

よって操作されるときにリフトが故障した場合には,使用者が潜在的危険性のある状況に放置されて

はならない。

注記  例えばこれは,取扱説明書に注意書きとして記載する,警報装置を付ける,適切な場所に電

話を置く,などである。

b)

製造業者は,リフト構造に使用する材料の選択に当たり,使用する場所の目的に十分適合しているこ

とを保証しなければならない。

c)

力のかかる全ての留め金具は,不用意に外れないように,セルフロッキング方式又はロック装置を備

えていなければならない。

なお,ロック装置を解除できる機構をもつ場合は,リスクマネジメントを実施する。

d)

機器を設置する場合を除き,1 回だけの使用部品(例えば,木ねじ又はタッピングねじ)を用いては

ならない。

e)

リフトの安全性に影響を及ぼすような組立方式を取ってはならない。もし,昇降装置にアームがある

場合にはベースに対して正しい動作位置にだけ組み立てられなければならない。もし,水平方向への

移動が可能なリフトの場合,そのリフトは不注意に傾斜することを防ぐために適切な安全性が保たれ

ていない限りは,動いたり又は操作できたりしてはならない。

f)

使用者の昇降のための全ての制御装置は,そのリフトを操作する人が容易に使えて操作できなければ

ならない。

g)

電動式リフトは,緊急時に電源を遮断できる構造とする。その装置は,容易に操作でき,緊急時には

すぐ電源を遮断し,更に,安全性を脅かす電動機械式運動を全て停止させる装置が備わっていなけれ

ばならない。緊急停止装置のリセットは,手動操作だけで可能としなければならない。緊急停止装置

の操作部は赤でなければならない。

h)

制御装置は,ホールドツーラン方式としなければならない。

i) 

昇降機構には,単一故障状態が起きても使用者が落下しないように安全装置を備えていなければなら

ない。


9

T 9241-7

:2015

j) 

連結点は,身体支持具が不用意に外れない設計としなければならない。

k)

使用者が身体支持具から不用意に落下しないよう,必要に応じて安全予防策を取らなければならない。

l) 

リフトは,適応する現場状況に応じて使用者を移乗させるために設計しなければならず,その目的は

製造業者が指示しなければならない。また,リフトは,通常,介助者が 1 人で操作できるものでなけ

ればならない。操作できない場合は,取扱説明書に記載しなければならない。

注記  指示された方法で使用者の位置を定める場合には,介助者の移動などが最小限になることが

望ましい。

m)

意図的に設計されたものでない限り,液体がたまるようなくぼみがあってはならない。

n)

連結点は過度の結合部摩耗を防ぐため,滑らかでなければならない。 

o)

操作時,6.1 c)  に示した手段が働くことでリフトの安全性が損なわれてはならない。

p)

バッテリー駆動式リフトには,充電が必要になると警告を出す装置が備わっていなければならない。

この装置が作動した後に,最大質量を負荷した上で,1 昇降サイクルができるだけの電力が残ってい

る構造でなければならない。

q)

リフトが動力によって移動する場合には,その移動速度は 0.3 m/s を限度としなければならない。

r)

リフトが使用者自身によって使用されるとき,リフトの故障時に使用者が潜在的危険状況に放置され

ないようにしなければならない。

注記  例えばこれは,取扱説明書に注意書きとして記載する,警報装置を付ける,適切な場所に電

話を置く,などである。

s)

剛性身体支持具は,次による。

1)

身体支持具がリフトに完全に固定された構造でない場合は,不用意に外れることが生じないような

構造でなければならない。

2)

背もたれは,座面とのなす角度が 90°以上でなければならない。

5.3.2 

油圧装置・空圧装置 

油圧装置・空圧装置に関する要求事項は,

附属書 による。

性能 

6.1 

一般 

性能一般は,次による。

a)

操作ハンドルのハンドグリップをもつものは,7.2 a)  によって試験したとき,外れてはならない。

b)

リフト下降時に身体支持具及び昇降アームのいずれかが使用者に接触した場合,使用者に加わる負荷

は,上記機構の全質量以上にならないような手段(

例  リミットスイッチ,フリーホイールの原理な

ど)が備わっていなければならない。また,7.2 b)  によって試験したとき,リフトの昇降機構の作用

による力は 50 N 以内でなくてはならない。

c)

7.2 c)

によって試験したとき,水平移動中に人体の一部を挟んだとしても,使用者にかかる力は,100

N

以内でなければならない。

d)

フレキシブル装置又はロッキングシステムは,7.2 d)  によって試験したとき,製造業者が意図した機

能に影響を与えるような,いかなる損傷又は破損があってはならない。

e)

電動リフトの電磁両立性は,JIS T 0601-1-2 の規定を満足しなければならない。この試験は,7.2 e)  に

よって確認する。

f)

操作時に水のかかる可能性のある全ての電気的構成要素は,7.2 f)  によって試験したとき,少なくと


10

T 9241-7

:2015

も JIS C 0920 の IPX4 レベルの性能をもっていなければならない。操作時,水中に浸される可能性の

ある全ての電気部品は,少なくとも JIS C 0920 の IPX7 レベルの性能をもっていなければならない。

g)

リフトは,7.2 g)  によって試験したとき,最大質量の負荷を持ち上げられなければならない。

h)

リフトは,7.2 h)  によって試験したとき,最大質量の 1.5 倍以上の負荷がかかった場合,上昇しない

構造にしなければならない。

6.2 

参照点の停止距離 

参照点の停止距離は,7.3 によって試験したとき,50 mm 以内でなければならない。

6.3 

昇降速度 

昇降速度に関する要求事項は,7.4 によって試験したとき,次による。

a)

参照点の下降速度は,最大質量を負荷したときに 0.15 m/s を超えてはならない。

b)

参照点の昇降速度は,無負荷時に 0.25 m/s を超えてはならない。

6.4 

操作力及び操作トルク 

手指,手又は足で操作するように設計されたリフト構成部品を操作する力又はトルクは,7.5 によって試

験したとき,次の規定を満足しなければならない。

a)

手指による操作:5 N 以下

b)

手又は腕による操作:105 N 以下

c)

足による操作:300 N 以下

d)

回転(ノブ)による操作:1.9 Nm 以下

注記  使用者又は他の専門職以外の者が操作するリフトの場合は,次の項目を設計指針として適応可

能である。

1)

ある機能を手で始動又は解除するのに使用するレバーの操作力は,60 N を超えないことが望

ましい。

2)

かなりの時間ある機能を始動又は解除するために使用するレバーの操作力は,13 N を超えな

いことが望ましい(例えば,電動車いすのジョイスティック)

3)

ある機能を足で始動又は解除するために使用するレバーの操作力は,

“引っ張る方向で”60 N,

及び“押す方向で”100 N を超えないことが望ましい。

4)

ある機能を指で始動又は解除するために使用する器具の操作力は,5 N を超えないことが望

ましい。

6.5 

耐久性 

6.5.1 

一般 

リフトは,最大質量負荷時と無負荷時の両方において 7.6 によって試験したとき,本来の機能を果たし,

使用上支障のある変形,破損又は摩耗があってはならない。

6.5.2 

剛性身体支持具 

剛性身体支持具は,

7.7

によって試験したとき,

製造業者の指定する機能を維持していなければならない。

6.6 

静的強度・静的安定性 

静的強度・静的安定性に関する要求事項は,次による。

a)

リフトは,7.8 a)  によって試験したとき,製造業者によって定められたように機能し,かつ,その機

能に使用上支障を及ぼすような変形,破損又は摩耗があってはならない。また,平衡(バランス)を

失ってはならない。

b)

リフトは,7.8 b)  によって試験したとき,製造業者によって定められたように機能し,かつ,その機


11

T 9241-7

:2015

能に使用上支障を及ぼすような変形,破損又は摩耗があってはならない。

6.7 

騒音 

リフトの騒音は,7.9 の方法で測定したとき,騒音レベルが 65 dB 以下でなければならない。

試験方法 

7.1 

一般 

7.1.1 

試験条件 

リフトは,使用可能状態で試験しなければならない。しかし,多目的リフトは,製造業者の指示に従っ

て組み立て,様々な組合せがある場合には,全ての組合せを最も不利な条件で行う。試験は,通常の室内

条件下で行う。全ての試験は,一つの試供品で行う。

7.1.2 

試験装置 

試験装置は,次による。

a) 

試験面  剛性があり,平らで,傾斜可能で,リフトが傾いても滑らない面とする。

b) 

ストッパ  車輪半径を超え,車輪直径未満の高さとする。

c) 

試験用おもり  リフト及び身体支持具に負荷を与えるおもり(例  シリンダ形)は,鋼製で角を丸め

た(R25 mm 以上)

,直径 350 mm 程度とする(

図 参照)。

図 4−試験用おもり 

d) 

荷重負荷装置  負荷によって発生する動きが無視できる程度の装置とする。

e) 

騒音計  JIS C 1509-1 に規定する騒音計とする。

f) 

剛性身体支持具へ負荷する位置  剛性身体支持具へ負荷する位置は,図 による。


12

T 9241-7

:2015

主要項目

a

最大質量(kg)の 2 倍の値をミリメートルで表したもの

b 200

mm

注記  a の起点は,座面及び背もたれ両方の中心を通る垂直面上で,座面の中心を基点とした b の高さにおける背もた

れとの接点とする。

図 5−剛性身体支持具への荷重位置 

7.1.3 

試験装置の許容誤差 

試験装置の最大許容誤差は,次による。

−  圧力:±5 %

−  力/荷重:±5 %

−  速度:±5 %

−  角度:±0.25°

−  長さ:100 mm 以下の場合  ±0.5 mm

−  長さ:100 mm 超えの場合  ±0.5 %

−  時間:±0.1 s

この仕様と一致しているか又は一致していないかの確認は,JIS B 0641-1 の手順が参考となる。

7.2 

全般的安全要求事項に関する試験方法 

全般的安全要求事項に関する試験方法は,次による。

a)

ハンドグリップは,次の試験手順によって確認する。

1)

リフトを水平で滑らかな試験面に置き,

図 の方法 A,方法 B 及び方法 C に従い負荷用のチューブ,

帯状のひも又は引張り具を取り付ける。


13

T 9241-7

:2015

F

主要項目 
方法 A:分割したチューブを接着剤で確実に付ける。

F

=750 N

F

主要項目

方法 B:帯状のひもを接着剤で確実に付ける(確実に接着するまでひもで結び付ける。

F

=750 N

グリップ

引張り具

操作ハンドル

F

主要項目

方法 C:引張り具でグリップの元の部分を引っ張る。

F

=750 N

図 6−ハンドグリップ負荷法 

2)

リフトがずれたり動いたりしないようにする。

3)

必要であればハンドルを支え,試験負荷で曲がらないような抑制手段を用いてもよいが,試験をす

るハンドグリップに触れてはならない。

4)

ハンドグリップが外れる方向に最大 750 N になるまで各ハンドグリップに徐々に負荷を加える。

−  負荷が最大に達してから 5 秒∼10 秒持続させる。

−  負荷を外す。

b)

使用者に加わる負荷は,身体支持具を無負荷で,ロードセルなどの荷重検出装置を組み込んだ固定面

の上に降ろした状態で試験する。リフトの昇降機構を下降方向に作動させたとき,身体支持具及び昇

降アームの全質量に加えて 50 N を超える負荷が生じないかを,荷重検出装置で確認する。

c)

水平移動時の潜在的な挟み込み箇所は,リフトを取扱説明書に従って使用した状態で評価して想定す


14

T 9241-7

:2015

る。想定した潜在的な挟み込み箇所について,ロードセルを潜在的な挟み込み箇所と硬い垂直面との

間に置く。リフトに水平方向に力を加えたとき,ロードセルによって示される力が 100 N を超えない

ことを確認する。試験は,無負荷及び最大質量負荷で行う。

d)

フレキシブル装置及びロッキングシステムの静的強度試験は,次によって判定する。持上げに使用さ

れる色々なデバイスは個別に試験する。最大質量の 6 倍の負荷を 20 分間静的に加える。持上げに使用

されるロッキングシステムは個別に試験する。ロッキングシステムは,最大質量の 4 倍の負荷を 20

分間静的に加え,使用上支障なく機能するかを確認する。

e)

電磁両立性は,JIS T 0601-1-2 の規定によって確認する。

注記 1  エミッションについては,JIS T 0601-1-2 の 36.201.1 a) 1)(単純な電気部品)に単純な電気

部品は CISPR 14-1 によって分類してもよいと規定されている。

注記 2  イミュニティについては,JIS T 0601-1-2 の 36.202.1 d)(非医用電気機器)に非医用電気機

器は適用可能なイミュニティに適合している場合は JIS T 0601-1-2 の試験要求事項を免除

すると規定されている。これは,CISPR 14-2 に適合している場合も含む。

f)

耐水性は,JIS C 0920 の規定によって判定する。

g)

リフトは,最大質量を負荷した状態で昇降機能を作動させて,使用上支障なく機能するか確認する。

h)

リフトは,最大質量の 1.5 倍の負荷を加えた状態で昇降機構を上昇方向に動作させたとき,リフトが

上昇しないことを確認する。

7.3 

参照点の停止距離の試験方法 

参照点の停止距離の試験方法は,次による。

a)

リフトに最大質量を加える。

b)

参照点を最高位に設定する。

c)

参照点を最高速度で下降させる。

d)

参照点がリフト可動域の中央付近に下がったときに,制御ボタンの解除,油圧弁の閉鎖,又は手動で

の巻き上げを停止するなどのいずれかによって,駆動エネルギーを取り除く。

e)

下降停止操作した点と実停止点との垂直距離を測定する。

7.4 

昇降速度試験方法 

昇降速度試験方法は,次による。

a)

最大質量を負荷し,最大位から下降させた場合の速度を測定し,6.3 a)  で規定する速度を超えないこ

とを確認する。速度は昇降範囲の中央 50 %の距離の平均速度を求める。

b)

無負荷とし,リフト可動域を昇降させた場合の速度をそれぞれ a)  の方法で測定し,6.3 b)  で規定する

速度を超えないかを確認する。

7.5 

操作力及び操作トルク試験方法 

リフト制御に関わる全ての操作力及び操作トルクは,最大質量負荷状態で測定する。これらの測定は,

製造業者の指定する使い方に従い,中間位置(レバーの幅の中間点)で測定する。

7.6 

耐久性試験方法 

耐久性試験方法は,次による。

a)

リフトは,最も不利な条件で置き,製造業者の指定によって固定する。リフトを置く試験面は 7.1.2 a)

の試験面又は製造業者が指定する取付方法に従う試験面とする。

b)

試験中の稼働−休止の比率(デューティ・サイクル)は,製造業者によって指定されない限り,15:

85

とする。もし,リフトが可変のスピードで操作されるのであれば,耐久性試験は製造業者によって


15

T 9241-7

:2015

指定された最も不利な条件を再現したスピードを用いて行う。

c)

耐久性試験だけ,リフトの製造業者の同意があればバッテリーの代わりに他の電源を用いてもよい。

d)

試験中のメンテナンスは,製造業者による取扱説明書又は保守マニュアルに指示された場合だけ行っ

てもよい。

e)

図 示すようにリフトへおもりを載せる。完全な 1 昇降サイクルでリフトを昇降させる。

f)

リフトの昇降数を合計 11 000 サイクルとし,次の手順によって試験を行う。

1)

無負荷,最大速度でリフトの参照点を 1 000 サイクル昇降させ,上部位置停止装置を働かせる。

2)

リフト昇降範囲の下限位置において最大負荷を加え 10 000 サイクルの昇降を行う。電動リフトの場

合は,昇降サイクルごとに約 1 秒間,下部位置停止装置を働かせる。

7.7 

剛性身体支持具の耐久性に関する試験方法 

7.6

の耐久性試験後,

剛性身体支持具及び固定装置は製造業者の指定する機能を維持しているかを確認す

る。

着脱式身体支持具の固定装置は,最低 1 000 回の着脱試験を行う。

7.8 

静的強度及び静的安定性の試験方法 

静的強度及び静的安定性の試験方法は,次による。

a)

リフト及び昇降装置は,次の手順及び製造業者の指示に従い,静的負荷を加える。

1)

リフトは製造業者の指示に従い固定する。又は/及び最も不利な条件で置く。リフトを置く試験面

は 7.1.2 a)  の試験面又は製造業者の取付け指示に従う試験面とする。リフトは身体支持具との関係

において不利な条件で試験する。

2)

浴槽内設置式は,板又は試験用浴槽の上に設置し,剛性身体支持具の重心に最大質量の 1.25 倍の負

荷を加える。前方,後方及び側方のそれぞれについて,5°傾斜させ,5 分間静置する。その後,試

験面を水平にする。

3)

浴槽縁設置式は,座面をリフト可動域の中央付近に置き,座面の中央部から片側に 100 mm の位置

で,座面の後縁から前方に 175 mm 離れた位置に最大質量の 1.25 倍の負荷を加える(

図 参照)。

試験用浴槽

175mm

リフト可動域

の中央付近

100mm

試験用浴槽

a)

  正面図 

b)

  側面図 

図 7−浴槽縁設置式の静的強度及び安定性の試験 

4)  2)

又は 3)  の後,剛性身体支持具の重心に最大質量の 1.5 倍の負荷を加え,20 分間静置する。

b)

適応可能な場合は,リフトを製造業者の指定方法に従い典型的なビル構造に固定する。それからリフ


16

T 9241-7

:2015

トには最大質量の 1.5 倍の負荷を 20 分間加える。

7.9 

騒音 

昇降機構から水平に 1 m 離れ,高さ 1 m の位置で,最大質量を加えて 1 昇降サイクルさせたときの騒音

レベルを 7.1.2 e)  に規定する騒音計で測定する。

検査方法 

リフトの検査は,形式検査

1)

と受渡検査

2)

とに区分し,検査項目はそれぞれ次による。検査は,箇条 5

及び箇条 に適合したものを合格とする。ただし,受渡検査の抜取検査方式は,受渡当事者間の協議によ

る。

a) 

形式検査項目 

1)

リスクアセスメントによる設計

2)

外観

3)

構造

4)

性能

5)

表示及び取扱説明書

b) 

受渡検査項目 

1)

外観

2)

表示

1)

製品の品質が,設計で示す全ての特性を満足するかどうかを判定するための検査。

2)

既に形式検査に合格したものと同じ設計・製造による製品の受渡しをする場合,必要と認める

特性が満足するものであるかどうかを判定するための検査。

表示及び取扱説明書 

9.1 

一般 

表示及び取扱説明書は,JIS S 0101 及び

附属書 JA によるとよい。

9.2 

表示 

9.2.1 

一般 

この規格の全ての要求事項に適合したリフト機構部及び身体支持具には,容易に消えない方法で見やす

い箇所に次の事項を表示する。また,制御操作部にはその目的機能を表示しなければならない。

a)

製品の名称,規格番号及び種類

b)

製造業者又は販売業者の名前及び住所

c)

種類

d)

ロット番号又はシリアル番号

注記  トレーサビリティ及び検査記録の視点から,シリアル番号が望ましい。

e)

製造年月

f)

電動機以外の動力源(例えば,水圧/空圧駆動,操作圧の範囲)の詳細。

g)

最大持ち上げ質量

h)

適用身長

i)

製品の保護等級(IP コード)

j)

製造業者は,リフトの持ち上げ及び操作のための正しい位置を利用者にラベルで示さなければならな


17

T 9241-7

:2015

い(5.1 参照)

。製造業者は,20 kg 以上の質量をもつ構成部品について,各々質量をラベルで示さなけ

ればならない。

k)

もし,リフトが運搬可能又はリフト部品の総重量が 20 kg を超える場合には,2∼3 人で移動できるよ

うに適切なハンドリング装置(

例  ハンドル,手をかける穴など)を取り付けるか,安全に持ち上げ

られる部分を製造業者の情報として示さなければならない。そして,持ち上げ時,組立時,及び/又

は運搬時の操作方法を表示しなければならない。可能であれば構成部品には安全に持ち上げることが

できる位置の表示,さらに持ち上げ時,組立時,運搬時の操作の方法を示さなければならない。

l)

リフトが複数に分解可能で,

その部品が 20 kg を超えるものには最大質量を明記しなければならない。

m)

着脱式ハンガーには,リフトの最大質量を表示しなければならない。

9.2.2 

剛性身体支持具の表示 

製造業者は,剛性身体支持具の上に,少なくとも次の事項を記載したラベルを容易に外れないように付

けなければならない。ただし,d)h)  については,取扱説明書に記載してもよい。

a)

警告/注意を促す表示で,介護者にリフト及び身体支持具の利用に当たっては取扱説明書を参照する

ことを示す表示

b)

身体支持具がある特定のタイプのリフトにだけ使用するものかどうかを示す表示

c)

身体支持具の洗浄,消毒方法などの保守情報

注記  例えば,洗浄の場合は,洗濯に関する JIS L 0001 の記号がある。

d)

身体支持具個々の適用分野,及び取扱方法

e)

つり上げ方法でも特に姿勢,座位姿勢か,側が(臥)位か,又はその両方か,更に機種選択,デザイ

ン,使用方法に関するその他一切の重要情報

f)

身体支持具が特定の使用者に適合しない場合には,その具体的な障害の部位及びその症状名

g)

損傷又は摩耗が激しい場合には使用を中止することの警告

h)

適応可能な場合は,身体支持具の寸法

9.3 

取扱説明書 

9.3.1 

一般 

リフト及び/又は身体支持具の購入者には,少なくとも次の情報を含む取扱説明書を提供しなければな

らない。

a)

製造業者,取扱業者又は代理店の名称,住所及び電話番号

b)

使用前のチェックリスト

c)

リフトの使用方法

d)

リフト及び身体支持具の使用目的及び使用場所

e)

i)

に規定する主要項目寸法を示すための図/イラスト

f)

アフターサービスを受ける際の連絡先の名称,住所及び電話番号

g)

洗浄又は消毒の方法などの保守情報

h)

故障及び対応の詳細

i)

技術仕様

−  寸法(必要に応じて,

図 1,図 及び図 に示すものを含む。)

−  最大持ち上げ質量

例  もし,リフト機構,身体支持具のそれぞれの最大持ち上げ質量が異なる場合には,最も低い

最大持ち上げ質量を常に使用しなければならない。


18

T 9241-7

:2015

−  安全警告

−  無負荷時のリフトの全質量及び必要に応じて取外し可能(例えば,輸送などのため)な主な部分の

質量

−  設置条件

j)

計器の誤差及び注意・警告表示のついている製品については,その詳細。

k)

装置が正しく組み立てられ,そして正しく安全に操作できるかを確認するために必要な情報

l) 

装置が常に正しく安全に動くことを確実にするために必要な保守の種類及び頻度(

附属書 参照)。

m)

問合せに対して,提供できる取替え可能部品のリスト。

n)

リスクマネジメントに基づいた全ての警告

例  使用者に加えられる横方向の力による安定性の問題に注意する。

o)

前方移動の方向の表示

主要項目

a

最低位における座の高さ

b

最低位における全長

c

背もたれの最小角度

a

b

c

図 8−リフトの最低位における主要寸法 


19

T 9241-7

:2015

a

b

c

d

c

d

a)

  浴槽内設置式 

b)

  浴槽縁設置式 

主要項目

a

座の側面の垂れ板を広げたときの幅

b

背もたれの幅

c

ベース板の幅

d

側面の垂れ板を除いた座の幅

図 9−リフトの座の側面の垂れ板における主要寸法 

9.3.2 

身体支持具の取扱説明書 

身体支持具の接続及び取外しの方法が,取扱説明書に明確に記載されていなければならない。

9.3.3 

剛性身体支持具の取扱説明書 

剛性身体支持具の取扱説明書は,次の事項を含めなければならない。

−  身体支持具に使用されている材料

−  身体支持具の調整及び取外し方法

−  適応可能な場合は,身体支持具の寸法

取扱説明書には使用者のために使用する身体支持具が正しいサイズ,タイプ及び形であることを確認す

るために,誤使用による安全性への影響を使用者に警告する記述を記載しなければならない。


20

T 9241-7

:2015

附属書 A

(規定)

油圧装置・空圧装置

A.1 

油圧装置 

A.1.1

油圧アクチュエータ(ホース,パイプ,連結部,その他圧力に関連する部品を含む。

)は,圧力に

よって生じる全ての負荷に対して耐えられるよう考慮されていなければならない。

さらに,それらの部品は,使用する作動油(油圧機器又は油圧系統に使用する液体)と適合していて,

ねじれ,振動及び物理的損傷によって生じる直接的応力を考慮して設計しなければならない。

A.1.2

油圧装置は,次の規定を満足しなければならない。

a)

外部シリンダの設計は,JIS B 8361 に従って設計しなければならない。計算時に静圧(流線に平行な

面に及ぼす液体の圧力)だけを用いて計算する場合には,計算圧は,実際の静圧の 1.8 倍に達しなけ

ればならない。

b)

剛性パイプ及び管継手の設計についても JIS B 8361 に従う。計算時に静圧だけを用いて計算する場合

には,計算圧は,実際の静圧の 2 倍に達するものとする。

c)

たわみ管路は,JIS B 8360 又は JIS B 8364 によって製造する。

A.1.3

ポンプ側の圧力が,最低作動圧力(機器の作動を保障できる最低の圧力)以下になったとき,昇降

機のレベルがどこの位置であっても,許容質量を維持するために,逆止め弁(一方向だけに流体の流れを

許し,反対方向には流れを阻止するバルブ)を設置しなければならない。

A.1.4

逆止め弁の閉鎖は,昇降用油圧アクチュエータ側の圧力と,少なくとも一つのガイドスプリング又

は重力によってできなければならない。

A.1.5

使用圧力(機器又はシステムを実際に使用する場合の圧力)の 1.5 倍で作動するように調整したリ

リーフバルブ(回路内の圧力を設定値に保持するために,液体の一部又は全部を逃がす圧力制御弁)を装

備し,これによって,回路内の最大圧力を,使用圧力の 1.5 倍以下に調節しなければならない。リリーフ

バルブから放出された加圧油は油タンクに戻さなければならない。

A.1.6

油圧装置は,空気を排出する(エアー抜き)機能をもっていなければならない。

A.1.7

駆動油圧システムは,タンクの油量を容易にチェックできなければならない。

A.2 

空圧装置 

A.2.1

空圧装置は,A.1 に規定する要求事項にするほか,次による。

a)

空圧アクチュエータ(空圧ホース,パイプ,管継手,その他の空圧部品を含む。

)の設計は,JIS B 8370

に従い,圧力によって生じる全ての負荷に対して耐えられるよう考慮しなければならない。

b)

安全弁は,最大質量を加えたときの静圧の 1.5 倍まで調整できなければならない。安全弁は,認めら

れた者以外の者が操作できないようにしなければならない。


21

T 9241-7

:2015

附属書 B

(参考)

定期点検事項

B.1

リフトの定期点検は,製造業者の指定する間隔(少なくとも,年 1 回)で行わなければならない。

定期点検とは,目視検査を意味し,特に耐荷重構造及びブレーキの付いたもの,制御,安全装置,身体支

持具などの昇降機構に対する機能試験並びにブレーキの調整及びねじ類の増し締めのようなメンテナンス

を行う。最大質量の状態で,1 昇降サイクルの負荷稼働試験も行う。

B.2

定期点検は,リフトの設計,使用及び管理に詳しい者が行うこととし,定期点検については取扱説

明書に記載する。

B.3

リフトの安全性にとって重要な全ての観察結果は,記録簿に記載し,記録簿はリフトの保守管理責

任者が管理する。記載された観察結果に対して行った調整などは,その日付も記録簿に記録する。

B.4

点検の日付及び点検結果は,点検簿に記録し点検者が署名する。目視検査を完了した着脱式剛性身

体支持具には照合のためのマークを付し,その結果を記録簿に記録する。家庭,施設などの使用環境につ

いても記録する。

B.5

定期点検の結果,リフトの安全性を損なうような欠陥,摩耗,損傷などを発見したときは,直ちに

所有者に知らせる。安全性に対する危険が差し迫っているときは,直ちにリフトの使用をやめて,欠陥が

取り除かれるまでリフトを使用禁止にする。

B.6

定期点検と定期点検との間に重大な欠陥及び損傷が生じ,調整を行ったリフトは,記録簿にその内

容を記録する。

B.7

欠陥,損傷などは,対策のため製造業者に報告し,記録簿に記録する。

B.8

剛性身体支持具の定期点検は,少なくとも半年ごとに,製造業者の指定する間隔で行う。

B.9

定期点検は,適切かつ厳密に資格を得,リフトのデザイン,使用法及び取扱いに精通した者によっ

て行う。

B.10

定期点検の記録簿は,偶然起きる事故に備えて安全に保管する。

B.11

定期点検の記録簿には,次の事項を含める。

−  点検日

−  身体支持具の固体識別の詳細及びシリアル番号

−  身体支持具の状況についての情報


22

T 9241-7

:2015

−  次回の決められた点検日

−  点検者の身分証明及び署名


23

T 9241-7

:2015

附属書 JA

(参考)

表示・添付文書

JA.1 

表示・添付文書 

JA.1.1 

製造業者が提供する情報 

用具に適用し,また,提供される情報は,次による。

a)

安全上の注意  情報には,用具単体の情報及びその他の用具又は形式の用具と組み合わせて使用でき

るかの助言並びに使用者の安全性を確実にするために必要な注意事項又は制限として,少なくとも次

の事項を含まなければならないが,これらに限定するものではない。

−  高温,低温表面に関する注意事項についての警告及び助言

−  可動部分と固定部分間との安全距離に関する注意事項についての警告及び助言

−  用具の折り畳み方法,調整法の説明,並びにリスク要因を避けるために必要な注意事項についての

警告及び助言

−  安全なつり上げ及び扱いに関する助言

−  液体の浸入に対する電気機器の保護レベル。意図した使用環境及び関連した安全推奨策に関する助

言。

−  危険な器具の組合せについての情報。

b)

字を読むことが困難な人の使用を意図している場合,提供する情報は,それらを理解できる形で行わ

なければならない。視力障害のある人が使用することを製造業者が意図している用具については,触

知可能(例えば,点字)又は可聴様式でなければならない。

c)

情報には,点検・保守及びクリーニングに関する指示,又は依頼先を含めなければならない。用具が

クリーニングされることを想定している場合,腐食を避けるのに必要な方法及び適切なクリーニング

剤。用具が消毒されるようになっている場合,腐食を避けるのに必要な方法及び適切な薬剤。

d)

用具の強度及び耐久性が,使用者又は介助者の体重に関連している場合,製造業者の情報及びラベル

には使用限界値としての質量を記載しなければならない。

e)

用具が防炎性ではない場合,使用者又は介助者の安全性を確保するための注意事項が必要であり,器

具が不燃性でないことを示すラベルをその用具に貼付しなければならない。

f)

用具が電磁気エミッションの影響を受ける可能性のある場合,その情報には次の事項を含めなければ

ならない。

−  意図した使用環境及び危険であると分かっている環境(例えば,無線送信機の至近距離)について

の助言及びリスク要因の説明

−  動作不良を是正する方法についての指針

g)

用具がリスク要因となる騒音を発生する可能性がある場合,高出力騒音レベルに関する注意事項につ

いての警告及び助言

h)

洗浄方法及び洗浄後の管理方法,並びに使用する洗浄材料

i)

消毒方法及び消毒後の管理方法,並びに使用する消毒材料

j)

取扱説明書に用具の目的,強度,耐久性,安全性などの仕様を記載し,機能特性,使用条件及び使用

例を記載する。


24

T 9241-7

:2015

注記 1  この情報を準備するときには,JIS S 0137 を考慮することが望ましい。

注記 2  製造業者は,使用,処方,技術的見地,医療関連,その他の補完情報などを個別の形で提供

することが望ましい。

参考文献 JIS 

0001

  繊維製品の取扱いに関する表示記号及びその表示方法 

JIS S 0137

  消費生活用製品の取扱説明書に関する指針

CISPR 14-1

,Electromagnetic compatibility−Requirements for household appliances, electric tools and

similar apparatus

−Part 1: Emission

CISPR 14-2

,Electromagnetic compatibility−Requirements for household appliances, electric tools and

similar apparatus

−Part 2: Immunity−Product family standard


25

T 9241-7

:2015

附属書 JB

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS T 9241-7:2015

  移動・移乗支援用リフト−第 7 部:浴槽設置式リフト

ISO 10535:2006

,Hoists for the transfer of disabled persons−Requirements and test

methods

(I)JIS の規定

(II)
国際

規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

1

適用範囲

1

全てのリフトの性能及び

試験方法について規定

変更

一つの国際規格を JIS は五つのパー

トに分けて規定した。

JIS

は適合性評価に資するため

に分割した。

2

引用規格

3

用語及び

定義

3

JIS

とほぼ同じ

追加

JIS

は共通な用語である JIS T 0102

を追加し,この規格で必要な用語

(最大質量及び留め金具)を追加し

た。

実質的な差異はない。

4

種類及び区分

追加

JIS

では,種類及び体重による区分

をした。

日本の実情に合わせたが,実質
的に差異はない。

5.1

リ ス ク

マネジメン

トによる設

リ ス ク マ ネ ジ メ ン

4.1.1

リスクマネジメント

変更

ISO

規格が引用する ISO 14971 への

言及を削除し,具体的事項を規定。

実質的に差異はない。

5.1 f)

難燃性

9.1

難燃性の表示

変更

EN

規格への言及を削除。

実質的に差異はない。

5.1 h)

アームのたわみ

4.1.1

リスクマネジメント

追加

実施項目として具体的に明記。

実質的差異はない。

5.2 b)

塗装面の品質

4.3.1.8

外観

追加

外観として具体的に規定。

実質的差異はない。

5.3.1 c)

セ ル フ ロ ッ キ ン グ

方式

4.3.1.5

セルフロッキング方式

変更

JIS

ではロックを解除できる機構を

認めた。

利用現場の事情に配慮した。

6

性能

4.3.1.2

電気安全

削除

ISO

規格は IEC 60601-1 で規定して

いるが JIS は電気用品安全法を前提
に規定しない。

実質的に差異はない。

25

T

 9

241

-7


2

015


26

T 9241-7

:2015

(I)JIS の規定

(II)
国際

規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

6.1 g)

最 大 質 量 の 負 荷 持

ち上げ

4.3.1.1

最大質量

持ち上げ

変更

ISO

規格は最大 120 kg だが JIS は製

造業者が表示する最大質量とした。

日本の実情に合わせた。

6.7

騒音

4.1.3

騒音

変更

JIS

では騒音の限度値を規定,測定

方法を JIS に規定されている方法に

変更。

日本の実情に合わせた。

7.2

方法 C

4.3.2.7

引き抜き方法を規定

追加

ISO

規格の方法では試験できない

製品の試験方法を規定した。

実質的に差異はない。

7.9

騒音の試験方法

4.1.3

騒音

変更

試験方法を簡易的試験に変更した。 実質的に差異はない。

9.1

表示一般

4.13.1

表示一般

変更

引用 EN 規格を相当する JIS に変

更。

実質的に差異はない。

9.3

取扱説明書

4.13.3

取扱説明書

削除

ISO

規格は製品寿命の記載を求め

ているが,JIS はリスクマネジメン
トファイルで扱う。

日本の実情に合わせた。

附属書 A

(規定)

油圧装置・空圧装置

4.11

4.12

油圧装置

空圧装置

変更

引用 EN 規格を相当する JIS に変更

し,試験方法を削除した。

実質的に差異はない。

附属書 B

(参考)

附属書 B

附属書 A

ISO 10535

の構造

削除

JIS

は不採用とした。

附属書 JA 
(参考)

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 10535:2006,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

−  削除  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

−  追加  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

−  変更  国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

− MOD

国際規格を修正している。

26

T

 9

241

-7


2

015