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日本工業規格

JIS

 T

9231

-1995

収尿器

Urine collection systems

1.

適用範囲  この規格は,排尿障害者が用いる成人男性用収尿器(以下,収尿器という。)について規定

する。

備考1.  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS K 6251

  加硫ゴムの引張試験方法

JIS K 6252

  加硫ゴムの引裂試験方法

JIS K 6257

  加流ゴムの老化試験方法

JIS K 6381

  天然ゴムラテックス

2.

この規格の中で{  }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって参

考として併記したものである。

2.

用語の定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。

(1)

収尿器  排出された尿を一時的に蓄尿袋などにためておく補装具。身体に止める固定部,受尿部,接

続部,蓄尿部など一連の接続したシステム。

(2)

受尿部  体内から排出された尿を最初に受ける部分。コンドーム式で,再利用型と使い捨て型の 2 種

類がある。

(3)

固定部  身体(陰茎)と受尿部のずれや,はがれが起きないように固定する部分。

(4)

ベルト固定式  身体に対してバンドやベルトで腰部固定を行う収尿器のシステム。

(5)

陰茎固定式  受尿部を陰茎で固定する収尿器のシステム。

(6)

パンツ固定式  身体に対してパンツで固定する収尿器のシステム。

(7)

粘着テープ  身体(陰茎)と受尿部を固定し,抜け落ちを防止するための器具。

(8)

接続部  受尿部と蓄尿袋をつなぎ合わせ連結する部分。接続コネクタと連結チューブとに分かれる。

(9)

蓄尿部  尿を一時的にため,排出するための部分。入口チューブ,逆流防止弁,蓄尿袋,蓄尿袋固定

具とに分かれる。

(10)

入口チューブ  尿が蓄尿袋に入って行くとき通るチューブ。

(11)

逆流防止弁  排出された尿の逆流を防ぐための弁機構。

(12)

蓄尿袋  排出された尿を一時的にためておくための袋。再利用型と使い捨て型の 2 種類がある。

(13)

蓄尿袋固定具  蓄尿袋を大たい(腿)又は下たい(腿)に固定するための器具。

(14)

容量  許容可能な蓄尿袋の最大容積。

3.

種類及び記号  種類及び記号は,表 及び表 のとおりとする。


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表 1  固定部の種類

種類

記号

ベルト固定式 B

陰茎固定式 PE

パンツ固定式 PA

表 2  蓄尿袋の種類

単位 ml

蓄尿袋の主材料

容量

記号

ゴム 300∼1 000

1 000

以上

LAT-S

LAT-L

合成樹脂 300∼1 000

1 000

以上

PF-S

PF-L

4.

性能

4.1

一般条件  一般条件は,次による。

(1)

受尿部は陰茎粘膜に障害を起こさず,かつ,陰茎からはずれて尿漏れを生じないこと。

(2)

固定部は使用者の体位交換時などに容易にはずれず,かつ,陰茎からはずれて尿漏れを生じないこと。

4.2

蓄尿袋の静的強度及び耐久性  蓄尿袋の静的強度及び耐久性は 9.によって試験したとき,表 を満

足しなければならない。

表 3  性能

項目

性能

適応試験箇条

容量測定試験

表示容量と誤差 10 %以内の液体が注入でき,かつ漏れないこと。

9.2

流入速度試験

試験水の流入速度が 10 ml/s 以上であること。

9.3

無負荷漏れ試験

袋から試験水が漏れないこと。

9.4

負荷漏れ試験

袋から試験水が漏れないこと。

9.5

衝撃漏れ試験

袋が破れず,かつ,試験水が漏れないこと。

9.6

逆流防止機能試験

入口チューブからの試験水の漏れが 10 ml/min 以下であること。

9.7

引張強さ

1 000 N/cm

2

 {100 kgf/cm

2

}

以上。

引張試験(

1

)

引裂強さ

100 N/m {10 kgf/m}

以上。

9.8

引張強さ 500

N/cm

2

 {50 kgf/cm

2

}

以上。

老化試験(

1

)

引裂強さ

30 N/m {3 kgf/m}

以上。

9.9

(

1

)

合成樹脂製の蓄尿袋には適用しない。

5.

容量及び寸法

5.1

容量  蓄尿袋の容量は,9.2 によって決定するものとする。

5.2

寸法  受尿部,接続コネクタ及び連結チューブの寸法は,図 及び図 のように計測する。


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図 1  受尿部の寸法(例)

図 2  接続コネクタ及び連結チューブの寸法(例)

6.

外観  収尿器の表面には著しい変色がなく,またピンホール,ひび割れ及び亀裂があってはならない。

7.

材料  材料は,人体に無害であって,不快な臭気がなく,また耐湿性・耐候性をもち,次の条件を満

たさなければならない。

(1)

ゴム  ゴムは,原則として JIS K 6381 に規定する天然ゴムラテックス,又はこれと同等以上のものを

用いなければならない。

(2)

合成樹脂  合成樹脂は,塩化ビニル及びナイロン,又はこれらと同等以上のものを用いなければなら

ない。

(3)

その他の材料  収尿器固定部に用いる粘着テープは,使用箇所に十分耐えるものでなければならない。

8.

試験場所の状態  試験場所の状態は,温度 23±2℃の室内とする。

9.

試験方法

9.1

試験器具及び試薬  9.29.7 までの試験に用いる装置及び試薬は,次のとおりとする。

(1)

試験水は 0.1 g/のメチレンブルーを均等に加えた水溶液を用いる。

(2)

容量 500 ml,目盛 1 ml の測定用シリンダを用いる。

(3)  1

秒 (s) まで測定できるストップウォッチ又はこれと同等の計測器を用いる。

9.2

容量測定試験

9.2.1

測定原理  蓄尿袋を図 に示すようにつり下げ,試験水を満たし,その容量を測定する。

9.2.2

試験手順  試験は,次の手順によって行う。


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(1)

タンク栓を蓄尿袋に取り付けるため,適当な長さに入口チューブを切る。

(2)

蓄尿袋を圧迫して,すべて空気を締め出す。

(3)

タンク栓を止めておき,蓄尿袋の入口チューブとタンク栓を結合する。

(4)

タンク栓を開け,蓄尿袋へ試験水を注ぐ。タンクに試験水を注入し,かつ,試験水の高さは常に 500

±5 mm の高さになるようにする。注入が止まったらタンク栓を止める。

(5)

蓄尿袋又は容量測定装置から,試験水が漏れていないかどうかを調べる。もし漏れていれば,試験は

無効としやり直す。蓄尿袋及び入口チューブから漏れがある場合は,新しい蓄尿袋を使用する。

(6)

蓄尿袋から測定用シリンダに試験水を移し,試験水の容量を測定する。測定結果は,10 ml 未満を四

捨五入して表す。

図 3  容量測定試験装置

9.3

流入速度試験

9.3.1

測定原理  蓄尿袋を図 に示すようにつり下げ,表示容量の 75 %の試験水が蓄尿袋に入る時間を

測定し,充満流入速度の平均を計算する。

9.3.2

試験手順  試験は,次の手順によって行う。

(1)

蓄尿袋を圧迫して,すべて空気を締め出す。

(2)

タンク栓を止め,

図 に示すように,タンクの底が蓄尿袋との結合線から 150 mm より上になるよう

設定する。タンク栓を入口チューブに接続する。

(3)

タンク栓を開け,表示容量の 75 %の試験水が蓄尿袋に入る時間を測定する。タンク栓を開けたときス


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トップウォッチをスタートさせ,蓄尿袋に試験水が入り終わったときストップさせる。

(4)

蓄尿袋又は容量測定装置から,試験水が漏れていないかどうかを調べる。もし漏れていれば,試験は

無効としやり直す。蓄尿袋及び入口チューブから著しい漏れがある場合は,

新しい蓄尿袋を使用する。

(5)

流入速度を計算する。

図 4  流入速度試験装置

9.4

無負荷漏れ試験

9.4.1

測定原理  蓄尿袋に試験水を入れ,最初は蓄尿袋を水平位にしておき,次に製造業者が指定するつ

り下げ方法によって垂直位にして,蓄尿袋の漏れの有無を調べる。

9.4.2

試験手順  試験は,以下の手順によって行う。

(1)

測定用シリンダを使用して,容量の 75 %に相当する試験水を蓄尿袋に注入し,すべての空気を締め出

す。

(2)

試験水の色を判別するために,蓄尿袋を白く吸湿性のある布,画用紙などを敷いた表面が平らな場所

に移し,17±1 h 放置する。

(3)

目視によって,漏れから生じるしみや汚れがないかどうかを調べる。

(4)

蓄尿袋を,試験前の垂直位に戻し,4±1 h 放置する。

(5)

目視によって,漏れから生じるしみや汚れがないかどうかを調べる。

9.5

負荷漏れ試験

9.5.1

試験装置  蓄尿袋加圧に用いる試験装置は,次による。

(1)

平らで硬く,蓄尿袋よりも長くて幅広い金属板を 2 枚用意する。

(2)

上に載せる金属板は,垂直方向には自由に動き,水平方向には±5°の傾きを生じないものとする。

(3)

負荷手段は,金属板を下方へ押す力による。

9.5.2

測定原理  試験水を表示容量の 75 %満たした蓄尿袋を,2 枚の平行な板の間に入れ圧迫負荷を加え,

その後蓄尿袋の漏れの有無を調べる。

9.5.3

試験手順  試験は,次の手順によって行うものとする。


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(1)

蓄尿袋に表示容量の 75 %の試験水を入れ,蓄尿袋の空気をすべて締め出し,入口チューブを閉じる。

(2)

試験水の色を判別するために,蓄尿袋を白く吸湿性のある布及び画用紙でくるんだ金属板の水平面上

に置く。

(3)

蓄尿袋の上にもう一方の金属板を置き,総負荷 200±10 N {20±1 kgf}  を 60∼70 秒かけて徐々に加え

る。

(4)

目視によって,蓄尿袋に漏れがないかどうかを調べる。

9.6

衝撃漏れ試験

9.6.1

測定原理  蓄尿袋に表示容量の 50 %の試験水を入れ,床面に置いたなめらかで硬い材質(

2

)

に,50

±10 cm の高さから蓄尿袋を落とす。そのときの蓄尿袋の漏れの有無を調べる。

(

2

)

セラミック製又は重い金属製のものを用いる。

9.6.2

測定手順  試験は,次の手順によって行う。

(1)

蓄尿袋に表示容量の 50 %の試験水を入れ,蓄尿袋の空気を締め出し,入口チューブを閉じる。

(2)

床面上 50±10 cm で蓄尿袋の上端部をもち,蓄尿袋下端が床面に当たるよう蓄尿袋を落とす。

(3)

蓄尿袋の漏れの有無を調べる。

(4)  (1)

(3)の手順を 2 回繰り返す。

9.7

逆流防止機能試験

9.7.1

試験装置  9.5.1 と同様の試験装置を使用する。

9.7.2

測定原理  表示容量の 50 %の試験水を満たした蓄尿袋を,垂直方向には自由に動き水平方向には

±5°の範囲で移動する 2 枚の平行な金属板の間に入れ,圧迫負荷を加え,逆流防止弁における逆流を調べ

る。

9.7.3

測定手順  試験は,次の手順によって行う。

(1)

入口チューブの長さが長すぎる場合,50±10 mm に切りおとす。

(2)

蓄尿袋に表示容量の 50 %の試験水を満たす。

(3)

金属板の水平面上に蓄尿袋を置き,入口チューブを板のへりに置く。

(4)

蓄尿袋の上にもう一方の金属板を置き,ゆっくりと 100±5 N {10±0.5 kgf}  の負荷をかける。

(5)

負荷を 5 min±10 s かけた後,入口チューブ内から出てきた試験水を集め水量を測定する。ただし,負

荷をかける前に出てきた試験水は無視する。

9.8

引張試験  蓄尿袋を JIS K 6251 に規定する引張試験方法によってダンベル 1 号形試験片を用いて,

引張強さを測定する。

また,JIS K 6252 に規定する引裂試験方法によって,引裂強さを測定する。

9.9

老化試験  JIS K 6257 の 4.に規定する空気加熱試験(ノーマルオーブン法)によって,温度 70±1  ℃

で連続 72 h 促進老化を行った後,9.8 に規定する引張試験を行う。

10.

検査方法

10.1

抜取検査  抜取検査は,性能及び容量・寸法について 5.及び 9.によって行い,4.及び 5.の規定に適合

しなければならない。

なお,この場合の抜取方法は,受渡当事者間の協定による。

10.2

全数検査  全数検査は,外観について目視によって行い,6.の規定に適合しなければならない。

11.

包装  運搬中及び保存中に品質の劣化がないように包装しなければならない。


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12.

製品の呼び方  製品の呼び方は,規格の名称及び種類とする。

例  収尿器  ベルト固定式 (B)

13.

表示

13.1

包装表示  包装には,次の事項を表示しなければならない。

(1)

規格の名称

(2)

固定部及び蓄尿袋の種類又は記号 

(3)

製造年月又はその略号

(4)

製造業者名又はその略号

(5)

使用上の注意事項

13.2

製品表示  蓄尿袋には,見やすい箇所に容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならな

い。

(1)

容量又はその略号

(2)

製造業者名又はその略号

関連規格  JIS T 0102  福祉関連機器用語(リハビリテーション機器部門)

ISO 8669-1 : 1988

  Urine collection bags−Part 1 : Vocabulary Bilingual edition

ISO DIS 8669-2

  Urine collection bags−Part 2 : Test methods and requirements

原案作成委員会委員構成表

氏名

所属

(委員長)

牛  山  武  久

国立身体障害者リハビリテーションセンター病院

(委員)

加倉井  周  一

東京大学医学部付属病院リハビリテーション部

土  嶋  政  宏

名古屋市身体障害者総合リハビリテーションセンター

玉  垣      努

神奈川総合リハビリテーション病院

鈴  木  訓  夫

アルケア株式会社

田  辺  義  一

コロプラスト株式会社

倉  重  有  幸

工業技術院標準部

加  山  英  男

日本規格協会技術部

木  村  嘉四郎

日本リハビリテーション医学会