日本工業規格
JIS
T
9108
-1955
医療用指サック
Finger Sack for Medical Use
1.
適用範囲 この規格は医療用指サック(以下,指サックという。)について規定する。
2.
種類 指サックは,表 1 のとおりとする。
表 1
単位 mm
形状・寸法
種類
指 の 入 る 部
分の長さ
指の径
つばの径
厚さ
つば付 70
18
70
以上 0.15
太長 75 21 − 0.15
太短 55 21 − 0.15
中長 75 18 − 0.15
中短 55 18 − 0.15
つばなし
細長 57 15 − 0.15
備考1. 寸法は標準値を示す。
2.
輸出品の場合にかぎり特に注文者の指定がある場合には,その指定による。
3.
製造方法 指サックは,良質のラテックスまたはゴムのりを材料として浸せき法により製造したもの,
または良質の配合ゴムを型加硫して製造したものでなければならない。
4.
外観および性能
4.1
外観 指サックは形体・肉厚ともに均せいで,きれつ・きず・気ほう・異物混入その他使用上有害
な欠点のないものでなければならない。
4.2
伸びおよび老化後の伸び 伸びおよび老化後の伸びは 5.3 および 5.4 の試験方法によって試験を行な
い,
表 2 の規定に合格しなければならない。
4.3
ピンホール 5.5 の試験方法によって試験を行ない,抵抗値が 500k
Ω以下であってはならない。
表 2
伸び (%)
老化後の伸び (%)
500
以上 450 以上
5.
検査および試験
5.1
試験項目 指サックの試験項目は,つぎのとおりとする。
(1)
外観検査
2
T 9108-1955
(2)
引張試験
(3)
老化試験
(4)
ピンホール試験
5.2
外観検査 4.1 に記載する事項について検査する。
5.3
引張試験 試験品の口元近く内径が均一になった箇所から,指サックの長さの方向と直角に幅 5mm
のわ形の試験片をとり,外径 7mm の円棒 2 本の間にかけ JIS K 6301(加硫ゴム製品物理試験方法)の 5.
に規定する方法に準じて試験片を引張り,切断するに至った伸びを測定する。
5.4
老化試験 5.3 と同様に試験片をとり,JIS K 6301 の 6.に規定する方法により,連続 48 時間促進老
化させたのち 5.3 の試験を行ない,伸びを測定する。
5.5
ピンホール試験 次の図に示すように容器の中に 1%塩化ナトリウム溶液(以下,溶液という。)を
入れ,不分極電導子(無成極電極)を固定する。さらに,試験品の中にも不分極電導子をそう入固定した
のち溶液を注入する。その量は試験品を容器中の溶液の中にひたし,試験をする状態にしたとき,試験品
の内容積の 9 分目位になるようにする。この試験品を容器中の溶液の中に試験品中の溶液の水準が容器中
の溶液の水準よりやや高目の程度の深さまで浸せきする。次に試験品の中に固定した不分極電導子と,先
に容器の中に取り付けた不分極電導子との間に JIS C 1202(回路計)の大形を入れて試験品を浸せきした
時から 1 分後の抵抗値を測定する。
なお,試験に使用する溶液の温度は 20〜30℃に保つものとする。
図 1 ピンホール試験装置略図
3
T 9108-1955
図 2 不分極電導子略図
6.
表示 指サックには,製造者の住所・氏名または製造者の略号を,最小包装容器には,名称・種類お
よび製造者の住所・氏名または製造者の略号を表示しなければならない。ただし,輸出品の場合にかぎり
特に注文者の指定がある場合にはその指定による。
7.
製品の呼び方 呼び方は,名称および種類による。
例: 医療用指サック つば付