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T 8152

:2012

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義 

1

4

  種類

1

5

  性能

2

5.1

  気密性

2

5.2

  排気弁の作動気密

2

5.3

  面体の通気抵抗

3

5.4

  吸収缶の通気抵抗

3

5.5

  吸収缶の除毒能力

3

5.6

  粒子捕集効率 

5

5.7

  吸気中の二酸化炭素濃度上昇値

5

5.8

  連結管及び連結管取付部の破断又は離脱 

5

5.9

  しめひもの伸び率

5

5.10

  しめひもの破断又は離脱 

5

5.11

  アイピースの気密性

6

6

  構造

6

6.1

  一般事項 

6

6.2

  種類別の構造 

6

6.3

  各部の構造 

6

7

  材料

7

8

  試験

8

8.1

  気密性試験 

8

8.2

  排気弁の作動気密試験 

8

8.3

  面体の吸気抵抗試験及び排気抵抗試験 

8

8.4

  面体の吸気抵抗ピーク値試験及び排気抵抗ピーク値試験

9

8.5

  吸収缶の通気抵抗試験 

9

8.6

  除毒能力試験 

9

8.7

  粒子捕集効率試験

10

8.8

  吸気中の二酸化炭素濃度上昇値試験 

11

8.9

  面体から吸収缶連結部までの強度試験 

12

8.10

  しめひもの伸び率試験 

12

8.11

  しめひもと取付部の強さ試験 

12

8.12

  アイピース部衝撃試験 

12


T 8152

:2012  目次

(2)

ページ

9

  検査

13

10

  製品の呼び方 

13

11

  表示 

13

12

  添付書類 

16

12.1

  取扱説明書 

16

12.2

  その他の添付書類

16

附属書 A(参考)防毒マスクの構造の例 

17


T 8152

:2012

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,公益社団法人日本

保安用品協会(JSAA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改

正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が改正した

日本工業規格である。

これによって,JIS T 8152:2002 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の

特許出願及び実用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

T 8152

:2012

防毒マスク

Gas respirators

序文 

この規格は,1955 年に JIS B 9903(防毒マスク)として制定され,その後数回の改正を経て今日に至っ

ている。前回の改正は 2002 年に行われたが,その後の対応すべき有毒ガスの増加,それに対応する吸収剤

の開発,試験技術の発展,的確な表現などに対応するために改正した。

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。

適用範囲 

この規格は,事業場その他の場所で,有毒なガス若しくは蒸気(以下,有毒ガスという。

)又は有毒ガス

と混在する粒子状物質を除去することで空気を浄化して吸入するための防毒マスク

(以下,

マスクという。

について規定する。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS T 8001

  呼吸用保護具用語

JIS Z 8102

  物体色の色名

JIS Z 8721

  色の表示方法−三属性による表示

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS T 8001 による。

種類 

マスクの種類は,

表 による。

吸収缶の種類は,

表 のとおりとし,更にそれぞれ防じん機能付きと防じん機能なしとに区別する。

防じん機能付き吸収缶の粒子捕集効率による等級別記号は,

表 による。

注記  防じん機能付き吸収缶は,粒子状物質も併せて捕集除去することを目的としたものであり,ろ

過材が内蔵されているものと,ろ過材が分離できるものとがある。


2

T 8152

:2012

表 1−マスクの種類 

マスクの種類

面体の形式

全面形

隔離式

半面形

全面形

直結式

半面形

全面形

直結式小型

半面形

マウスピース形

表 2−吸収缶の種類 

適合するマスクの種類

吸収缶の種類

隔離式

直結式

直結式小型

マウスピース形

ハロゲンガス用

酸性ガス用

有機ガス用

一酸化炭素用

一酸化炭素及び有機ガス

アンモニア用

二酸化硫黄(亜硫酸ガス)

シアン化水素用

硫化水素用

臭化メチル用

水銀用

ホルムアルデヒド用

リン化水素用

エチレンオキシド用

メタノール用

注記  表中の記号は,次による。

○:この規格で規定しているもの,−:この規格で規定していないもの

表 3−防じん機能付き吸収缶の等級別記号 

粒子捕集効率

等級別記号

%

フタル酸ジオクチル粒子

による試験

塩化ナトリウム粒子

による試験

99.9 以上 L3

S3

95.0 以上 L2

S2

80.0 以上 L1

S1

性能 

5.1 

気密性 

面体及び吸収缶は,8.1 によって試験したとき,漏気が認められてはならない。

5.2 

排気弁の作動気密 

排気弁は,8.2 によって試験したとき,直ちに内部減圧を示さなければならない。また,減圧後,常圧に

戻るまでの時間は 15 秒以上でなければならない。


3

T 8152

:2012

5.3 

面体の通気抵抗 

面体の吸気抵抗及び排気抵抗は,8.3 及び 8.4 によって試験したとき,

表 に示す値以下でなければなら

ない。

表 4−面体の通気抵抗 

単位  Pa

項目

マスクの種類

隔離式

直結式

直結式小型

吸気抵抗 70

50

吸気抵抗ピーク値の平均値 165

120

排気抵抗 80

排気抵抗ピーク値の平均値 190

5.4 

吸収缶の通気抵抗 

吸収缶の通気抵抗は,8.5 によって試験したとき,

表 に示す値以下でなければならない。

表 5−吸収缶の通気抵抗 

単位  Pa

適合するマスクの種類

隔離式

吸収缶の区分

等級別記号

一酸化炭素用

一酸化炭素用

以外のもの

直結式

直結式小型

マウスピース形

L3 又は S3 400

370

L2 又は S2 320

290

防じん機能

付き

L1 又は S1 310

280

防じん機能

なし

− 280  250

220

5.5 

吸収缶の除毒能力 

吸収缶の除毒能力は,8.6 によって試験したとき,その破過時間がそれぞれ

表 6∼表 の値を満足しなけ

ればならない。


4

T 8152

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表 6−隔離式マスク用吸収缶の除毒能力 

試験ガス含有空気

吸収缶の種類

試験ガス

試験濃度

体積分率%

最高許容透過濃度

ppm

a)

破過時間

min

ハロゲンガス用

塩素 0.5

l

60 以上

酸性ガス用

塩化水素 0.5 5

100 以上

有機ガス用

シクロヘキサン 0.5

5

100 以上

一酸化炭素用

一酸化炭素 1.0  50

b)

 180 以上

一酸化炭素 1.0  50

b)

 60 以上

一酸化炭素及び有機ガス用

シクロヘキサン 0.5

5

30 以上

アンモニア用

アンモニア 2.0  50  40 以上

二酸化硫黄(亜硫酸ガス)用  二酸化硫黄 0.5  5  50 以上

シアン化水素用

シアン化水素 0.5

5

50 以上

硫化水素用

硫化水素 0.5

10

50 以上

臭化メチル用

臭化メチル 0.5

l  50 以上

リン化水素用

リン化水素 0.1  0.3

50 以上

a)

 1

ppm=体積分率  1×10

4

%

b)

  試験開始後初めの 5 分間に限り,透過するガス濃度が最高許容透過濃度を超えても 100 ppm 未満であ

る場合,破過とは認めない。

表 7−直結式マスク用吸収缶の除毒能力 

試験ガス含有空気

吸収缶の種類

試験ガス

試験濃度

体積分率%

最高許容透過濃度

ppm

a)

破過時間

min

ハロゲンガス用

塩素 0.3

1

15 以上

酸性ガス用

塩化水素 0.3  5

80 以上

有機ガス用

シクロヘキサン 0.3

5

30 以上

一酸化炭素用

一酸化炭素 1.0  50

b)

 30 以上

アンモニア用

アンモニア 1.0  50  10 以上

二酸化硫黄(亜硫酸ガス)用  二酸化硫黄 0.3

5  15 以上

シアン化水素用

シアン化水素 0.3

5

20 以上

硫化水素用

硫化水素 0.3 10

20 以上

臭化メチル用

臭化メチル 0.3

1  15 以上

ホルムアルデヒド用

ホルムアルデヒド

0.02 0.1

45 以上

リン化水素用

リン化水素 0.2

0.3

100 以上

エチレンオキシド用

エチレンオキシド

0.02 1

10 以上

メタノール用

メタノール 0.3  200  30 以上

a)

 1

ppm=体積分率  1×10

4

 %

b)

  試験開始後初めの 5 分間に限り,透過するガス濃度が最高許容透過濃度を超えても 400 ppm 未満であ

る場合,破過とは認めない。


5

T 8152

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表 8−直結式小型マスク用吸収缶の除毒能力 

試験ガス含有空気

最高許容透過濃度

試験濃度

吸収缶の種類

試験ガス

体積分率%

mg/m

3

ppm

a)

mg/m

3

破過時間

min

ハロゲンガス用

塩素 0.02 l

40 以上

酸性ガス用

塩化水素 0.03

5

80 以上

有機ガス用

シクロヘキサン 0.03

5

50 以上

アンモニア用

アンモニア 0.1

50  40 以上

二酸化硫黄(亜硫酸ガス)用

二酸化硫黄 0.03

5  35 以上

硫化水素用

硫化水素 0.02

10

35 以上

臭化メチル用

臭化メチル 0.02

l  35 以上

水銀用

水銀蒸気

10

0.05

480 以上

ホルムアルデヒド用

ホルムアルデヒド

0.002 0.1

85 以上

リン化水素用

リン化水素 0.02

0.3

200 以上

エチレンオキシド用

エチレンオキシド

0.002 1

15 以上

メタノール用

メタノール 0.03

200  60 以上

a)

 1

ppm=体積分率  1×10

4

 %

表 9−マウスピース形マスク用吸収缶の除毒能力 

試験ガス含有空気

吸収缶の種類

試験ガス

試験濃度

体積分率%

最高許容透過濃度

ppm

a)

破過時間

min

ハロゲンガス用

塩素 0.02

1

40 以上

酸性ガス用

塩化水素 0.1  5

15 以上

一酸化炭素用

一酸化炭素 1.0  50

b)

 30 以上

二酸化硫黄(亜硫酸ガス)用  二酸化硫黄 0.03  5  35 以上

シアン化水素用

シアン化水素 0.02

5  100 以上

a)

 1

ppm=体積分率  1×10

4

 %

b)

  試験開始後初めの 5 分間に限り,透過するガス濃度が最高許容透過濃度を超えても 400 ppm 未満であ

る場合,破過とは認めない。

5.6 

粒子捕集効率 

防じん機能付き吸収缶の粒子捕集効率の最低値は,8.7 によって試験したとき,

表 のいずれかに適合し

なければならない。

5.7 

吸気中の二酸化炭素濃度上昇値 

吸気中の二酸化炭素濃度上昇値は,8.8 によって試験したとき,1.0 %以下でなければならない。

5.8 

連結管及び連結管取付部の破断又は離脱 

面体から吸収缶連結部までの部分は,8.9 によって試験したとき,破断又は離脱があってはならない。

5.9 

しめひもの伸び率 

しめひもの伸び率は,8.10 によって試験したとき,全面形面体では 50 %以下,半面形面体では 100 %以

下でなければならない。

5.10 

しめひもの破断又は離脱 

しめひも及びしめひもの面体取付部は,しめひもと面体とを両端としたものを 8.11 によって試験したと

き,破断又は離脱があってはならない。


6

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5.11 

アイピースの気密性 

アイピースは,8.12 によって試験したとき,気密不良を生じてはならない。

構造 

6.1 

一般事項   

マスクの構造は,次による。

なお,防毒マスクの構造の例を,

附属書 に示す。

a)

取扱いが簡単でなければならない。

b)

容易に破損してはならない。

c)

着用したときに異常な圧迫感があってはならない。

d)

着用者自身が,吸気口又は排気口を閉鎖することによって,顔面と面体とのフィットネスが良好であ

ることを,いつでも容易に確認できる構造でなければならない。

e)

吸収缶,しめひも,吸気弁,排気弁などを取り替えた場合,マスクの性能及び着用性を害する構造で

あってはならない。

f)

有害な材料を使用する場合は,被覆,ろ過などをすることによって,人体に障害を与えない構造でな

ければならない。

g)

着用者の視野を著しく妨げる構造であってはならない。

6.2 

種類別の構造 

6.2.1 

隔離式マスク 

隔離式マスクは,吸収缶,連結管,吸気弁,接顔体,排気弁及びしめひもから成り,吸収缶によって有

毒ガスなどを除去した清浄空気を吸入し,呼気は排気弁を通して外気中に排出できる構造でなければなら

ない。

6.2.2 

直結式マスク 

直結式マスクは,吸収缶,吸気弁,接顔体,排気弁及びしめひもから成り,吸収缶によって有毒ガスな

どを除去した清浄空気を吸入し,呼気は排気弁を通して外気中に排出できる構造でなければならない。

6.2.3 

直結式小型マスク 

直結式小型マスクは,吸収缶,吸気弁,接顔体,排気弁及びしめひもから成り,吸収缶によって有毒ガ

スなどを除去した清浄空気を吸入し,

呼気は排気弁を通して外気中に排出できる構造でなければならない。

6.2.4 

マウスピース形マスク 

マウスピース形マスクは,ガス漏れ事故などのとき,避難のためだけに用いるもので,その構造は,吸

収缶,排気弁,マウスピース,ノーズクリップなどから成り,取扱いは簡単で,迅速・確実に着用でき,

かつ,使用するまでの間,少なくとも吸収缶の通気部分は外気に触れないように密封していなければなら

ない。また,マウスピースを唇と歯茎との間に挿入した後,唇を固く結び,かつ,ノーズクリップで鼻を

挟むことによって,口及び鼻から漏気しない構造でなければならない。

6.3 

各部の構造 

6.3.1 

面体等 

面体等は,次による。

a)

全面形面体は,顔面全体を覆うもので漏気しない構造であり,かつ,アイピースの曇りを防止する構

造とする。

b)

半面形面体は,鼻及び口辺を覆うもので,漏気しない構造とする。


7

T 8152

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c)

マウスピースは,唇と歯茎との間に挿入した後,唇を固く結び,かつ,ノーズクリップで鼻を挟むこ

とによって,口及び鼻から漏気しない構造とする。

6.3.2 

吸気弁 

吸気弁は,通常の呼吸に対して鋭敏に作動しなければならない。

6.3.3 

排気弁 

排気弁は,次による。

a)

通常の呼吸に対して,弁及び弁座の乾湿の状態にかかわらず,確実かつ鋭敏に作動しなければならな

い。

b)

内部と外部との圧力が平衡している場合には,面体の向きにかかわらず,閉鎖状態を保たなければな

らない。

c)

外力による損傷が生じないように,覆いなどによって保護されていなければならない。

6.3.4 

連結管及び連結管取付部 

連結管及び連結管取付部は,次による。

a)

連結管及び連結管取付部は,着用者の運動を妨げないもので,かつ,着用状態において,種々の状態

に曲げても通気に支障を生じてはならない。また,あご,腕などの圧迫があった場合でも通気に支障

を生じてはならない。

b)

連結管は,首部の運動に支障が生じないような長さでなければならない。

6.3.5 

しめひも 

しめひもは,適切な長さ,十分な弾力及び十分な強さをもち,マウスピース形マスク以外は長さの調節

が可能でなければならない。

6.3.6 

吸収缶 

吸収缶は,着用者の肺力によって吸引されて吸収缶を通過する環境空気中の有毒ガスなどを缶内に充塡

した吸収剤などによって除去又は除毒するもので,その構造は次の規定を満足しなければならない。

a)

防じん機能付き吸収缶は,粒子状物質を捕集するためのろ過材が備わっていなければならない。

なお,捕集後蒸発するおそれがあるミストなどを捕集することを目的とする吸収缶の場合には,ろ

過材を吸収缶の外気側に設けなければならない。

b)

吸収剤又はその粉末が直接肌に触れたり,吸気されたりすることのないような構造でなければならな

い。

c)

吸収缶の内側は,充塡する吸収剤が腐食性であるものにあっては,耐食性を備えたもの又は十分防食

処理を施したものでなければならない。

6.3.7 

アイピース 

アイピースは,面体に気密が保たれるように強固に取り付けなければならない。

材料 

マスクの各部に使用する材料は,次の規定を満足しなければならない。

a)

強さ,弾性などが用途に対して適切でなければならない。

b)

皮膚に接触する部分に使用する材料は,皮膚に有害な影響を与えないものであり,かつ,消毒できる

ものでなければならない。

c)

金属材料は耐食性のもの,又は適切な防食処理を施したものでなければならない。


8

T 8152

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試験 

8.1 

気密性試験 

マスクの気密性試験は次による。

a)

吸収缶を取り替えられる構造のマスクの面体は,

その排気弁座及び吸気口を塞いで試験用人頭

(以下,

人頭という。

図 参照)又は専用ホルダに装着し,その内部に 1 kPa のガス圧力を加え,漏気の有無

を調べる。

注記  漏気の有無を検出するには,一般に,次の方法がある。

1)

人頭に装着した面体内部にアンモニアガスを流入し,漏気を調べる箇所にフェノールフ

タレインアルコール水溶液を浸した布で覆い,布が赤色に変化するか否かを観察する。

2)

人頭に装着した面体内部に空気などを流入し,漏気を調べる箇所に石けん水などを塗り,

石けん水の気泡ができるか否かを観察する。

3)

人頭に装着した面体を水中に沈め,その内部に空気などを流入し,水中に気泡が生じる

か否かを観察する。

b)

吸収缶を取り替えられる構造のマスクの吸収缶は,その内部に 1.5 kPa の空気圧力を加え,漏気の有無

を調べる。

c)

吸収缶を取り替えられない構造のマスクは,排気弁及び吸収缶入口を塞ぎ,吸気弁を取り除いた後,

その内部に 1.5 kPa の空気圧力を加え,漏気の有無を調べる。

単位  mm

注記  この試験人頭の寸法は,航空医学実験隊“航空自衛隊員の身体計測値−装備品等設計のための人間工学的資料

−”

(1972)による。

a)

  じしゅ(耳珠)間隔を表している。

b)

  きょうこつきゅう(頰骨弓)幅を表している。

図 1−試験用人頭 

8.2 

排気弁の作動気密試験 

排気弁座が取り付けられている気密試験器に排気弁を装着し,空気を 1 L/min の流量で吸引して排気弁

の閉鎖による内部の減圧状態を調べ,次に内部の圧力を外部の圧力より 1 470 Pa 低下させて放置し,内部

の圧力が常圧に戻るまでの時間を測定する。

この場合において,

気密試験器の内容積は,50±5 cm

3

とする。

8.3 

面体の吸気抵抗試験及び排気抵抗試験 

面体を人頭などに装着し,面体と人頭などとの接触部分を,そこから漏れが生じないようパテなどで密

閉する。次に 40 L/min で吸気及び排気を行い,面体内外の圧力差を測定する。


9

T 8152

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8.4 

面体の吸気抵抗ピーク値試験及び排気抵抗ピーク値試験 

面体を人頭などに装着し,面体と人頭などとの接触部分をそこから漏れを生じないようパテなどで密閉

する。この人頭などに呼吸模擬装置を接続し,

(2.0±0.1 L/回)×(15±1  回/分)で往復通気を行い,

通気開始 30 秒後から 1 分間の面体内外(ノーズカップをもつ全面形面体では,ノーズカップ内と面体外。

以下,同じ。

)の圧力差を,精密微差圧計(記録計も含めて 95 %応答 0.4 秒以下。以下,同じ。

)を用いて

測定し,その間のピーク値の平均値を求める。

なお,試験装置の例を,

図 に示す。

図 2−吸気抵抗ピーク値及び排気抵抗ピーク値試験装置の例 

8.5 

吸収缶の通気抵抗試験 

吸収缶単体を試料とし,マスクに取り付ける吸収缶の数によって,その外気側から 40 L/min(1 個の場

合)又は 20 L/min(2 個の場合)の空気を通気し,吸収缶の前後の圧力差を測定する。

なお,吸収缶の通気抵抗試験は,8.6 a)に規定する振動試験を行わずに実施する。

8.6 

除毒能力試験 

除毒能力試験は,前処理を行った後,破過時間測定を行う。

a)

前処理  前処理として振動試験を行う。前処理に用いる試験装置及び試験手順は,次による。

1)

試験装置  試験装置は,次による。

−  振動試験装置は,鉛直方向に動くピストン(S)に固定された鋼ケース(K)

,20 mm の上昇可能

な回転カム(N)及び落下を受ける鋼板(P)から成る(

図 参照)。

−  鋼ケースの質量は,10 kg より大きくなければならない。

−  鋼ケースの落下を受ける鋼板は,質量が鋼ケースの質量の 10 倍以上であるか,又は硬い床にボル

トでしっかりと固定されたものでなければならない。

−  鋼ケースは,試験中に吸収缶が互いに触れず,水平方向に 6 mm まで(吸収缶の側面を下にして

入れたとき)

,鉛直方向に自由に移動可能な構造でなければならない。

2)

試験手順  試験手順は,次による。

i)

吸収缶の包装を除く。

ii)

吸収缶の側面を下にして試験装置の鋼ケースに入れる。

iii)

約 100  回/分で約 20 分間(2 000

20

0


回)の振動を与える。

iv)

吸収缶を鋼ケースから取り出し,2 時間以内に破過時間測定を行う。


10

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なお,破過時間測定を行うまでに 30 分以上経過する場合は,吸収缶を密閉容器に入れた状態

で,16  ℃∼32  ℃,

(50±30)%RH の室内に保管する。

単位  mm

図 3−振動試験装置の例 

b)

破過時間測定  吸収缶単体を試料とし,その種類に応じて,表 6∼表 に示す濃度の試験ガス含有空

気を

表 10 に示す試験条件で通気し,その破過時間を求める。

測定中の試料向きは,試験ガス含有空気が水平方向に流れる向きとする。

測定は,最高許容透過濃度と同程度の濃度ガスを安定して測定できる方法による。

表 10−除毒能力試験条件 

マスクに取り付ける

吸収缶の数                        個

1 2

流量                  L/min

30

15

温度                    ℃  20±2

相対湿度              %

50±5

8.7 

粒子捕集効率試験 

防じん機能付き吸収缶又は分離可能なろ過材の単体を試料とし,

表 11 に示す試験粒子を通気させる。通

気流量は,マスクに取り付ける吸収缶の数によって,85 L/min(1 個の場合)又は 42.5 L/min(2 個の場合)

とする。試料に供給される試験粒子量が,

表 11 に示す値に達するまでの経過において,試料の通過前後の

試験粒子濃度を散乱光方式による粒子濃度測定器によって連続測定し,次の式によって算定した粒子捕集

効率のうちから,その最低値を求める。

100

1

2

1

×

C

C

C

E

ここに,

E

粒子捕集効率(%)

C

1

試料通過前の試験粒子濃度(mg/m

3

C

2

試料通過後の試験粒子濃度(mg/m

3


11

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表 11

試験粒子 

種類

フタル酸ジオクチル粒子

a)

塩化ナトリウム粒子

b)

濃度                            mg/m

3

 100 以下 50 以下

濃度の平均値に対する変動幅

±15 %以内

±15 %以内

粒径分布の中央値                μm 0.15∼0.25 0.06∼0.1

粒径分布の幾何標準偏差 1.6 以下 1.8 以下

マスクに供給される量        mg

200

100

a)

  フタル酸ジオクチル(DOP)を噴霧することによって発生させた液体粒子。

b)

  塩化ナトリウム(NaCl)水溶液を噴霧した後,乾燥することによって発生させた固体粒子。

8.8 

吸気中の二酸化炭素濃度上昇値試験 

呼吸模擬装置に人頭を接続し,

表 12

の条件で稼働させる。人頭にマスクを装着した状態と装着しない状

態のそれぞれにおいて,呼気中の二酸化炭素濃度を 5 %(常温)にしたときの吸気中の二酸化炭素濃度を

測定し,次の式によって吸気中の二酸化炭素濃度上昇値を求める。

なお,呼気中の二酸化炭素濃度上昇値の試験装置を

図 4

に示す。

D

C

3

C

4

ここに,

D

マスクによる吸気中の二酸化炭素濃度上昇値(%)

C

3

人頭にマスクを装着した状態における吸気中の二酸化炭
素濃度(%)

C

4

人頭にマスクを装着しない状態における吸気中の二酸化
炭素濃度(%)

表 12

マスクによる吸気中の二酸化炭素濃度上昇値試験条件 

試験雰囲気の温度    ℃ 20±5

呼吸波形

正弦波

1 回の換気量         L

2.0±0.1

毎分の換気回数 15±1


12

T 8152

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図 4

吸気中の二酸化炭素濃度上昇値試験装置の例 

8.9 

面体から吸収缶連結部までの強度試験 

隔離式マスクを強固な台上に固定した人頭に装着し,連結管の末端の吸収缶を 98 N の力で引っ張ったと

き,面体から吸収缶連結部までの全ての部分にわたって破断又は離脱の有無を調べる。

8.10 

しめひもの伸び率試験 

標線間の長さが,1 cm 以上のしめひも(伸縮部分に限る。

)の試験片を用意し,0.98 N,次いで,9.8 N

の力で引っ張ったときのそれぞれの標線間の長さを測定し,次の式によって伸び率を求める。

100

1

2

1

×

L

L

L

e

ここに,

e

伸び率(%)

L

1

9.8 N の力で引っ張ったときの標線間の長さ(cm)

L

2

0.98 N の力で引っ張ったときの標線間の長さ(cm)

8.11 

しめひもと取付部の強さ試験 

しめひも取付部分及びしめひもごとに,全面形面体をもつマスクにあっては 50 N,半面形面体をもつマ

スクにあっては 25 N の力で引っ張り,破断又は離脱の有無を調べる。

8.12 

アイピース部衝撃試験 

アイピースを面体に取り付けたままの状態で−10  ℃及び 40  ℃の恒温槽にそれぞれ 30 分間ずつ 5 回交

互に入れた後,人頭に装着し,アイピースの中央部を水平状態に保ち,直径 22 mm,質量約 45 g の鋼球を

1.3 m の高さからアイピースの中央表面に自由落下させた後,アイピース部の損傷などによる気密不良が

生じたかどうかを

8.1

によって調べる。

この場合,鋼球は自然に落下できるパイプ(鋼球の直径の約 2 倍程度の内径をもつもの)の中を落下さ

せてもよい。


13

T 8152

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検査 

検査は,箇条

8

に規定する試験を行い,箇条

5

の各項に適合しなければならない。

なお,抜取検査は合理的な抜取検査方法による。

10 

製品の呼び方 

製品の呼び方は,次による。

a)

  マスクの呼び方は,種類,規格の名称,対象ガスによる吸収缶の種類及びろ過材の有無による。

  隔離式防毒マスク(全面形)  ハロゲンガス用(防じん機能付き)

b)

  呼吸缶の呼び方は,適合するマスクの種類,対象ガス及び防じん機能の有無による。

  直結式防毒マスク用吸収缶  有機ガス用(防じん機能付き)

11 

表示 

表示は,次による。

a)

  マスクの容器の見やすい箇所に,次の事項を表示しなければならない。

1)

  種類及び規格の名称

例 1

  隔離式防毒マスク(全面形)

例 2

  直結式小型防毒マスク(半面形)

2)

  製造業者名又はその略号

3)

  製造年月又はその略号

b)

  吸収缶の見やすい箇所に,次の事項を表示しなければならない。

1)

表 13

に示す吸収缶の種類及び色

2)

  製造業者名又はその略号

3)

  製造年月又はその略号

4)

  2 個使用の表示(2 個を同時に使用する必要がある吸収缶に限る。)

5)

  1 種類の吸収缶が,複数の対象ガスに適合する場合は,その種類を全て表示することができる。

6)

  防じん機能付きは,

表 3

に示す等級別記号

c)

  防じん機能付きで,ろ過材が分離可能な場合は,ろ過材の見やすい箇所に,次の事項を表示しなけれ

ばならない。ただし,本体に表示できない場合は,その包装への記載でもよい。

1)

  適合する吸収缶の名称

2)

表 3

に示す等級別記号

d) 

吸収缶の側面の色は,次による。

1)

  吸収缶は,その種類によって

表 13

に示す色を側面の大部分に塗装する。ただし,その他の着色が誤

認されないようにする。

なお,脱落及び脱色しない色紙を貼り付ける,又は吸収缶の素材の色を利用することによって塗

装に替えてもよい。


14

T 8152

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表 13

吸収缶の色 

吸収缶の種類

色名

a)

b)

ハロゲンガス用

灰色

c)

 N6

c)

 N1.0

酸性ガス用

灰色 N6

有機ガス用

黒 N1.0

一酸化炭素用

赤 7.5R

4.5/14

アンモニア用

緑 5G

5.5/6

二酸化硫黄(亜硫酸ガス)用

黄赤 2.5YR

6/13

シアン化水素用

青 2.5PB

3.5/10

硫化水素用

黄 2.5Y

8/16

臭化メチル用

茶色 5YR 3/2

水銀用

オリーブ色 7.5Y

3.5/4

ホルムアルデヒド用

オリーブ色 7.5Y

3.5/4

エチレンオキシド用

オリーブ色 7.5Y

3.5/4

メタノール用

オリーブ色 7.5Y

3.5/4

リン化水素用

オリーブ色 7.5Y

3.5/4

a)

  JIS Z 8102  による。

b)

  JIS Z 8721 による。

c)

  2 種類の色を通気の方向に垂直な 2 層に分けて表示する(図 参照)。

図 5

ハロゲンガス用吸収缶の色の表示の例 

2)

  複数の対象ガスをもつ吸収缶は,その種類を重複して表示し,対応する色を通気の方向と直角な方

向に並べてしま(縞)状に表示し,必要に応じて文字で種類を示す(

図 6

参照)

なお,複数の対象ガスの一つがハロゲンガスの場合は,

図 5

に示す向きの二色の組合せで切り出

したものを,他の対象ガスの色とともに通気の方向と直角な方向に並べる。

図 6

複数の対象ガスをもつ吸収缶の表示の例 

3)

  防じん機能付き吸収缶は,

図 7

に示すように,ろ過材がある部分に白線を入れる。


15

T 8152

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図 7

吸収缶の色の付け方の例 

4) 

分 離 可 能 な ろ 過 材 及 び そ れ が 取 り 付 け ら れ る 吸 収 缶 の 色 の 付 け 方 の 例 を ,

図 8 a)

b)

 c)

に 示 す 。

a) 

ろ過材及び吸収缶を共にキャップで面体に固定する場合の表示例 

b)

ろ過材をキャップで吸収缶に取り付ける場合の表示例 

c) 

ろ過材をねじなどで吸収缶に取り付ける場合の表示例 

図 8

分離可能なろ過材及びそれが取り付けられる吸収缶の色の付け方の例 


16

T 8152

:2012

e)

  吸収缶の包装に,吸収缶の有効期限を記載しなければならない。

12 

添付書類 

12.1 

取扱説明書 

マスク及び吸収缶には,それぞれ次の事項を記載した取扱説明書を添付しなければならない。

a)

マスク

  マスクに添付する取扱説明書に記載する事項は,次による。

1)

  マスクを使用できる環境条件

2)

  マスクを用いてはならない環境条件(酸素濃度が 18 %未満になるおそれがある場所,有毒ガス,粒

子状物質又は放射性物質が限界を超えて存在するおそれがある場所)及びその対策

3)

  吸収缶の着脱方法

4)

  吸収缶の選び方及び交換基準

5)

  点検,整備及び格納についての注意事項

6)

  面体の消毒方法及び注意事項

7)

  マスクの廃棄方法

b)

吸収缶

  吸収缶に添付する取扱説明書に記載する事項は,次による。

1)

  マスクについている取扱説明書を熟読するようにとの注意

2)

  交換基準

3)

  吸収缶の廃棄方法

12.2 

その他の添付書類 

吸収缶には,破過曲線図及び使用時間記録カード又はそれに代わるものを添付しなければならない。


17

T 8152

:2012

附属書 A

(参考)

防毒マスクの構造の例

A.1 

防毒マスク 

防毒マスクの構造の例を,

図 A.1

図 A.4

に示す。

図 A.1

隔離式防毒マスク(全面形)の例 


18

T 8152

:2012

図 A.2

直結式防毒マスク(全面形)の例 

図 A.3

直結式小型防毒マスク(半面形)の例 

図 A.4

マウスピース形防毒マスクの例 


19

T 8152

:2012

A.2 

防毒マスクの面体及び附属品 

防毒マスクの面体及び附属品の構造の例を,

図 A.5

及び

図 A.6

に示す。

a) 

連結管付き b) 

連結管なし 

図 A.5

全面形面体の例 

図 A.6

半面形面体の例 


20

T 8152

:2012

A.3 

防毒マスクの吸収缶 

防毒マスクの吸収缶の構造の例を,

図 A.7

図 A.9

に示す。

a) 

防じん機能なし 

b) 

防じん機能付き(外気側にろ過材が付いている場合) 

図 A.7

隔離式吸収缶の例 


21

T 8152

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c) 

防じん機能付き(顔側にろ過材が付いている場合) 

図 A.7

隔離式吸収缶の例(続き) 

図 A.8

直結式吸収缶(防じん機能付き)の例 


22

T 8152

:2012

a) 

防じん機能なし 

b) 

防じん機能付き(外気側にろ過材が付いている場合)

図 A.9

直結式小型吸収缶の例