>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

T 8125-4

:2010

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

2

3

  用語及び定義 

2

4

  タイプ

3

4.1

  手袋のタイプ 

3

4.2

  タイプ A

3

4.3

  タイプ B

4

4.4

  防護材料の取付け

5

5

  要求性能

5

5.1

  一般

5

5.2

  一般的な機械的リスクに対する防護性 

6

5.3

  チェーンソーによる切断に対する防護性 

6

5.4

  人間工学的要求事項

6

5.5

  防振にかかわる要求事項  7 

6

  試料

7

7

  前処理

7

8

  防護範囲の確認 

7

9

  切断抵抗性試験 

8

9.1

  試験装置 

8

9.2

  チェーンソー防護手袋の取付装置 

8

9.3

  試験手順 

8

10

  人間工学的評価

13

11

  試験報告書

14

12

  表示

14

13

  取扱説明書 

14

14

  図記号

15

附属書 A(参考)チェーンソーの使用及び適切な手袋の選択

16

附属書 JA(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

19


T 8125-4

:2010

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本保安用品協会(JSAA)及び財団

法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業

標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,

このような特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確

認について,責任はもたない。

JIS T 8125

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

T

8125-1

  第 1 部:チェーンソーでの切断抵抗性試験に用いるフライホイール駆動式試験装置

JIS

T

8125-2

  第 2 部:脚部防護服の試験方法及び要求性能

JIS

T

8125-3

  第 3 部:履物試験方法 

JIS

T

8125-4

  第 4 部:手袋の試験方法及び要求性能

JIS

T

8125-5

第 5 部:脚半の試験方法及び要求性能

JIS

T

8125-6

第 6 部:上半身防護服の試験方法及び要求性能


日本工業規格

JIS

 T

8125-4

:2010

手持ちチェーンソー使用者のための防護服−

第4部:手袋の試験方法及び要求性能

Protective clothing for users of hand-held chain-saws-

Part 4: Test methods and performance requirements for protective gloves

序文 

この規格は,2003 年に第 1 版として発行された ISO 11393-4 を基に,我が国での使用状況の多様性及び

品質向上に対応するため,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

この規格は,手持ちチェーンソーの使用によるリスクから身を守るように設計する個人用防護装備に関

連する規格である。

個人用防護装備は,手持ちチェーンソーによる切断を完全には防護できないが,経験からある程度の防

護機能を満たす個人用防護装備の設計が可能である。

これらの機能は,次による。多くの場合,これらを併用する。

a)

チェーンスリッピング:ソーチェーンが防護材料の表面を滑って人体を切断しないことによる防護効

果。

b)

クロッギング:繊維,糸,その他の材料などがソーチェーンによってソーユニットに引き込まれ,ソ

ーチェーンの動きを停止させる効果。

c)

チェーンブレーキング:繊維,その他の材料などがソーチェーンの速度を大幅に低下させてその前進

を阻む効果。

ただし,手袋に関しては,手持ちチェーンソーによる切断から手のあらゆる部位を完全に防護できるも

のは,今のところない。

チェーンソーの使用及び適切な手袋の選択の詳細事項を,

附属書 に示す。

適用範囲 

この規格は,個人用防護装備の識別,表示及びその使用者が必要とする情報の要求事項を含み,手持ち

チェーンソーによる切断から手を防護する手袋の試験方法及び要求性能について規定する。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 11393-4:2003

,Protective clothing for users of hand-held chain-saws−Part 4: Test methods and

performance requirements for protective gloves (MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。


2

T 8125-4

:2010

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS L 1018

  ニット生地試験方法

注記  対応国際規格:ISO 3175-1,Textiles−Drycleaning and finishing−Part 1: Method for assessing the

cleanability of textiles and garments ISO 3175-2

,Textiles−Dry cleaning and finishing−Part 2:

Procedures for tetrachloroethene

ISO 5077,Textiles−Determination of dimensional change in

washing and drying

及び ISO 6330,Textiles−Domestic washing and drying procedures for textile

testing

(全体評価:MOD)

JIS L 1096

  一般織物試験方法

JIS R 6253

  耐水研磨紙

JIS T 8051

  防護服−機械的特性−突刺抵抗性試験方法

JIS T 8114

  防振手袋

JIS T 8125-1

  手持ちチェーンソー使用者のための防護服−第 1 部:チェーンソーでの切断抵抗性試験

に用いるフライホイール駆動式試験装置

注記  対応国際規格:ISO 11393-1,Protective clothing for users of hand-held chain-saws−Part 1: Test rig

driven by a flywheel for testing resistance to cutting by a chain-saw (MOD)

ISO 4045

,Leather−Chemical tests−Determination of pH

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1 

チェーンソー防護手袋 (chain-saw protective glove) 

手持ちチェーンソーによる切断から手を防護する手袋。

3.2 

袖口 (cuff) 

手袋の一部で,手首を覆う部分。

3.3 

手の甲  (back of the hand) 

手首から親指以外の指の指先までの手背部の表面。

3.4 

5

本指手袋 (five-finger glove) 

手首,手背部及び手掌部の両方を覆う手袋で,個々の指部分が独立しているもの。

3.5 

手袋総丈の線  (line of longest length of a glove) 

袖口の縫合部(縫合部がない場合は,それに相当する位置)と中指(又はミトン,若しくは 3 本指ミト

ンのそれに相当する位置)の先端を結ぶ垂直な線。

3.6 

ミトン (mitt) 

手首,手背側及び手掌側の両方を覆う手袋で,親指部分が分かれ,他の指用の共通の覆いが付いている


3

T 8125-4

:2010

もの。

3.7 

3

本指ミトン (one-finger mitt) 

手首,手背側及び手掌側の両方を覆う手袋で,親指部分・人差し指部分がそれぞれ独立し,残りの指用

の共通の覆いが付いているもの。 

3.8 

防護材料 (protective material)

手持ちチェーンソーの切断作用に対し,着用者を防護するように設計された材料。

注記  この防護材料には,手袋側地が含まれていてもよい。

3.9 

防護範囲 (protective coverage)

防護材料で覆う手袋の範囲。

3.10 

防護領域  (specified protective area) 

手袋のタイプで必要とされる特定の防護範囲。

3.11 

カットスルー (cut through) 

防護材料の切断試験において,最も身体側に近い防護材料面において,切断長さが 10 mm を超えること。

注記  試料が単層又は複数層からなる素材で,それが例えば防護手袋などの最終製品を構成したとき,

動いているソーチェーンを着用者の身体から見て外側になる試料の面に当てる。ソーチェーン

が試料の層を切りながら減速して止まったときに,ソーチェーンを当てた面と反対側になる面

に,10 mm を超える切断が生じることを意味する(JIS T 8125-1 参照)

タイプ 

4.1 

手袋のタイプ 

手袋の種類は,タイプ A 及びタイプ B とし,それぞれの防護領域を 4.2 及び 4.3 に示す。

4.2 

タイプ 

4.2.1 

タイプ の詳細 

タイプ A は,手指部分にチェーンソーによる切断に対する防護性のない 5 本指手袋とする。

4.2.2 

防護領域−左手用手袋 

防護領域を

図 に示す。防護領域は,手幅及び第 2 指から第 5 指までの第 1 関節から手首までの手背側

を覆うものとする。第 3 手掌長を覆う防護材料の長さは,105 mm 以上とする。

寸法は,各前処理を行った手袋一つを,箇条 によって測定する。

4.2.3 

防護範囲−右手用手袋 

防護範囲は,必要としない。ただし,防護性を備える場合には,左手用手袋と同等以上の防護領域とす

る。


4

T 8125-4

:2010

1

5

l

1

l

2

l

3

第 1 指∼第 5 指 
手袋総丈の線

手袋総丈の線の中点 
防護領域 
第 3 手掌長に沿った防護材料の長さ

手幅方向の防護材料の幅 
指のまた(股)から防護材料までの距離(8 mm 未満)

図 1−タイプ A−左手用手袋の防護領域(手背側)

4.3 

タイプ 

4.3.1 

タイプ の詳細 

タイプ B は,チェーンソーによる切断に対する防護性がタイプ A と同様で,かつ,親指以外の指の手背

側の防護性がある防護手袋又はミトンとする。

4.3.2 

防護領域−左手用手袋 

防護領域を

図 に示す。防護領域は,手幅及び親指以外の指の先端から手首までの手背側を覆うものと

する。総丈方向の防護材料の長さは,160 mm 以上とする。

寸法は,各前処理を行った手袋一つを,箇条 によって測定する。

4.3.3 

防護範囲−右手用手袋 

防護範囲は必要としない。ただし,防護性を備える場合には,左手用手袋と同等品以上の防護領域とす

る。


5

T 8125-4

:2010

4.4 

防護材料の取付け 

手袋全体が防護材料からなる場合を除き,用いる防護材料は縫い付けるか,又は恒久的に取り付けるも

のとする。

1

5

l

1

l

2

第 1 指∼第 5 指 
手袋総丈の線 
手袋総丈の線の中点

防護領域 
総丈方向の防護材料の長さ 
手幅方向の防護材料の幅

図 2−タイプ B−左手用手袋又はミトンの防護領域(手背側)

要求性能 

5.1 

一般 

チェーンソー防護手袋は,次の要求事項を満たさなければならない。

a) 

当該用途の予見し得る使用条件下で,適切な防護が与えられるよう設計し,製造する。

b)

構造に縫合部を含む場合には,手袋全体の防護性能を著しく低下させることがないような材料及び縫


6

T 8125-4

:2010

合部の強さがなければならない。

c)

材料は,物理的及び化学的に無害でなければならない。皮革の場合,pH は,3.5 を超え 9.5 未満とし,

クロム(VI)の含有量は,2 mg/kg 未満でなければならない。

5.2 

一般的な機械的リスクに対する防護性 

右手用手袋及び左手用手袋は,次の要求事項を満たさなければならない。

a) JIS 

1096

の 8.17.5[E 法(マーチンデール法)

]による衣料用試験条件において,標準摩擦布に替え

て,JIS R 6253 に規定する P120-Cw の研磨紙を用いて試験したときの摩耗強さが 500 回以上でなけれ

ばならない。

b) JIS 

1096

の 8.15.1[A-1 法(シングルタング法)

]に規定する試験方法において,試験片の寸法を

3

に変更して,試験片をクランプの引張速度 100 mm/min で試験したときの引裂き強さは,25 N 以上

でなければならない。

c) JIS 

8051

に規定する試験方法によって試験したときの突刺抵抗性は,

60 N

以上でなければならない。

単位  mm

図 3−試験片

5.3 

チェーンソーによる切断に対する防護性 

5.3.1 

チェーン速度による分類 

チェーンソーによる切断に対する防護性は,次に規定する防護性クラスの一つを使用して箇条 によっ

て評価する。

防護性クラス 1 : 20.0±0.2 m/秒

防護性クラス 2 : 24.0±0.2 m/秒

防護性クラス 3 : 28.0±0.2 m/秒

防護性クラス 4 : 32.0±0.2 m/秒

5.3.2 

切断抵抗性にかかわる要求事項 

箇条 によって試験したとき,試料にカットスルーが生じてはならない。

5.4 

人間工学的要求事項 

チェーンソー防護手袋は,

着用における不快感及び不便さを極力抑えるように設計しなければならない。

手袋は,使用者に無害な材料で構成され,取扱説明書に示される用途に適合し,十分な柔軟性をもち,

チェーンソーのハンドルがしっかりと握れるものでなければならず,かつ,チェーンソーの操作を妨げる


7

T 8125-4

:2010

ものであってはならない。手袋の評価方法は,箇条 10 による。

5.5 

防振にかかわる要求事項 

チェーンソー防護手袋は,JIS T 8114 に規定する防振性能を備えていなければならない。

試料 

試験に必要な試料は,箇条 に規定する要求事項を満たすものであり,試料の数は,次による。

a)

必す(須)の試験

−  適用される前処理ごとに左手用手袋 4 枚

b)

任意の試験

−  適用される前処理ごとに左手用手袋 2 枚

−  適用される前処理ごとに右手用手袋 2 枚

前処理 

前処理は,試験前にすべての試料を 5 回洗濯・乾燥する。

この洗濯は,JIS L 1018 

附属書 6  付表 1(前面投入水平ドラム形 A1 による洗濯操作)の操作 2A によ

る。また,乾燥は,70  ℃を超えない温度で回転式乾燥による。

上記以外の場合は,次による。

a)

手袋に洗濯及びドライクリーニングに不適との表示がある場合  手袋の外側を 10 分間完全に水

(20

℃)  に浸した後,開口部を下側に向けて 20  ℃±2  ℃,相対湿度 (65±5) %で,少なくとも 48 時

間ライン乾燥する。

b)

手袋の洗濯は不適切であるが,ドライクリーニングには適していると表示されている場合  手袋は,

試験の前に 5 回ドライクリーニングしなければならない。通常,ドライクリーニングは,JIS L 1018

附属書 3(繊維製品−機械ドライクリーニングに対する安定性の測定)の 9.1(普通の繊維製品のた

めの操作)に規定している条件によって行う。

すなわち,試料を,界面活性剤及び懸濁水を添加したパークロロエチレンで 15 分間洗い,無添加の

パークロロエチレンで 5 分間すすぎ脱液する。次に,排気温度が 60  ℃以下の乾燥機で乾燥する。乾

燥後は,アイロンがけなどを行わず,そのまま試験する。

c)

手袋が洗濯及びドライクリーニングの両方に適していると表示されている場合  洗濯済み試料及び

ドライクリーニング済み試料(二組の試料)の両方に関して試験を行うか,又は製造業者から要請が

ある場合は,同じ試料の一組について最初にドライクリーニングを行った上で更に洗濯する。

警告  b)及び c)の試験者は,通常の実験室での作業に精通していても,安全及び健康に対する適切な

処置を取らなければならない。パークロロエチレンは,吸入などによって,人体に悪影響を

及ぼすおそれがあるので注意して扱う必要がある。

d)

手袋が乾燥機を用いた乾燥に適していないと表示されている場合  手袋は,上記の方法で洗濯し,開

口部を下側に向けて 20  ℃±2  ℃,相対湿度 (65±5) %で少なくとも 48 時間乾燥する[JIS L 1018 

属書 6(繊維製品−繊維製品試験用家庭洗濯及び乾燥方法)の 6.1(操作 A−ライン乾燥)]。

防護範囲の確認 

各前処理を行った手袋の一つについて,防護範囲を測定する。

手の大きさに合った手袋を取り付ける。防護領域に印を付け,その寸法を測定する。結果を箇条 に規


8

T 8125-4

:2010

定する寸法と比較する。

a)

タイプ A 用(

図 参照)

−  袖口から第 3 指と第 4 指との間のまた(股)までの防護領域の長さを測定する。

−  手袋総丈の線の中点における防護領域の幅を測定する。

b) 

タイプ B 用(

図 参照)

−  手袋総丈の線に沿った防護領域の長さを測定する。

−  手袋総丈の線の中点における防護領域の幅を測定する。

測定値を記録し,箇条 の範囲にあるかを確認する。

切断抵抗性試験 

9.1 

試験装置 

JIS T 8125-1

に規定する試験装置とする。

手袋がカットスルーに耐えられないおそれがある場合は,人工手に生じる切断の深さを制限する何らか

の手段を試験装置に講ずることが望ましい。

9.2 

チェーンソー防護手袋の取付装置 

9.2.1 

左右の人工手 

人工手は,ポリウレタンなどの硬質合成樹脂で成型する。

硬さは,ショア A 硬度 90∼98 のものとする。

形状及び寸法を

図 及び表 に示す。人工手は,各寸法について許容誤差が±2 %となるように作るも

のとする。

図 は,左手の人工手である。右手のものについては,形状及び寸法が同一な構造(鏡像)とする。

9.2.2 

人工手固定台 

人工手固定台は,チェーンソーの衝撃を受けたときに,人工手が固定状態を保ち,動かないような構造

とする。

9.3 

試験手順 

9.3.1 

一般 

JIS T 8125-1

に規定するチェーンソーを配置する(JIS T 8125-1 

図 参照)。ただし,チェーンと試料

との接触点から試験装置の支点までの水平距離は,430 mm±2 mm とする。

この配置は,接触点における重力が,15.0 N±0.5 N となるように,ソーユニットの重心をソーユニット

の支点からずらさなければならない(JIS T 8125-1 の 5.3.4 参照)

装置の校正方法は,JIS T 8125-1 に規定する方法で実施する。


9

T 8125-4

:2010

図 4−左手の人工手

表 1−人工手の寸法

単位  mm

位置

長さ

位置

周囲の長さ

l

1

 190 a

1

 197

l

2

 120 a

2

 164

l

3

 116 a

3

 60

l

4

 104 a

4

 55

l

5

 60 a

5

 69

l

6

 78 a

6

 57

l

7

 65 a

7

 60

l

8

 45 a

8

 54

l

9

 135 a

9

 51

l

10

 89 a

10

 50

a

11

 70

a

12

 63


10

T 8125-4

:2010

9.3.2 

手袋の人工手への取付け 

人工手に適切な左手用手袋又は右手用手袋を,着用時と同様な形で取り付ける。留め具(例えば,スト

ラップ,バックルなど)がある場合には,これを着用時と同様に留める。試験中に手袋が回転しないよう

に,手掌部にステープル又はその他の装着具を使用して人工手に手袋を固定する。

手袋が回転しないための上記装着具が手袋の防護材料を貫通する場合には,試験報告書に記載する。

装着具自体が手袋の性能評価を妨げる可能性を避けるため,ステープル又はその他の装着具は(手袋の)

防護材料を貫通しないような位置にすることが望ましい。

注記  通常,JIS T 8125-1 の図 に示す試験装置の支点から最も遠い位置になる手袋の端に限りなく

近い手袋の非防護部分を通過する(少なくとも 30 mm 間隔で設けた)ステープルの線で手袋を

固定するのがよい。

9.3.3 

切断 

9.3.3.1 

切断の方法 

タイプ A 及びタイプ B の両方について,

図 5∼図 に示す位置で切断する。

a) 

規定の切断 

図 及び図 に示す位置 1 及び位置 2 に左手用手袋の手背部を横切る必す(須)の切断。

b)

任意の切断

図 の位置 3 にタイプ B の左手用手袋の親指以外の指の手背部側を横切るもの。

図 及び図 の位置 4 に右手用手袋の手背部を横切るもの。

留め具に切断が生じると変則的な結果を招く可能性があるため,できるだけ留め具を避けて切断する。

ただし,これができない場合には,試験報告書に記載する。

1

回の試験を完結させるために必要な切断の総数は,次による。

−  規定の切断: 位置 1 に 2,位置 2 に 2

−  任意の切断: 位置 3 に 2,位置 4 に 2

各切断試験は,一つの手袋について 1 回だけとする。

9.3.3.2 

左手用手袋の手背部を横切る切断 

9.3.3.2.1 

試料の準備 

手袋を 9.2 に規定するとおりに左手の人工手に取り付け,

これをしっかりと人工手固定台に取り付ける。

次の条件が成立するように人工手固定台の方向を合わせる。

a)

人工手の手背部が最上部にくる。

b)

親指が試験装置の支点に最も近くなる。

9.3.3.2.2 45

°の角度の切断 

図 5 a)及び図 6 a)  に示す位置 1 で,手袋総丈の線に対し 45°の角度で,手袋の手背部を斜めに切断する。

タイプ A の手袋[

図 5 a)]は,第 3 指と第 4 指との間のまた(股)の位置における防護範囲の端と同じ

高さの線から 60 mm±10 mm 離れた位置で切断する。

タイプ B の手袋及びミトン[

図 6 a)]は,第 3 指の先端から 130 mm±10 mm 離れた位置,又はこれと

同等の位置で切断する。

9.3.3.2.3 90

°の角度の切断 

図 5 b)  及び図 6 b)  に示す位置 2 で,手袋総丈の線に対し 90°の角度で,手袋の手背部を横切るように

切断する。

タイプ A の手袋[

図 5 b)]は,第 3 指と第 4 指との間のまた(股)の位置における防護範囲の端と同じ


11

T 8125-4

:2010

高さの線から 60 mm±10 mm 離れた位置で切断する。

タイプ B の手袋及びミトン[

図 6 b)]は,第 3 指の先端から 130 mm±10 mm 離れた位置,又はこれと

同等の位置で切断する。

9.3.3.3 

タイプ の左手用手袋の親指以外の指の手背部を横切る任意の切断(図 の位置 3) 

図 に示す位置 3 で,手袋総丈の線に対し 90°の角度で,手袋の親指以外の指の手背部を横切るように,

第 3 指の先端から 50 mm±10 mm 離れた位置,又はこれと同等の位置で切断する。

9.3.3.4 

タイプ 及びタイプ の右手用手袋の手背部を横切る任意の切断(図 及び図 の位置 4 

手袋を 9.2 に規定するとおりに右手の人工手に取り付け,

これをしっかりと人工手固定台に取り付ける。

次の条件が成立するように人工手固定台の方向を合わせる。

a)

人工手の手背部が最上部にくる。

b) 

小指(第 5 指)が試験装置の支点に最も近くなる。

タイプ A の手袋は,

図 に示す位置 4 で,手袋総丈の線に対し 45°の角度で,手袋の手背部を斜めに,

第 3 指と第 4 指との間の防護範囲の端と同じ高さの線から 60 mm±10 mm 離れた位置で切断する。

タイプ B の手袋及びミトンについては,

図 に示す位置 4 で,手袋総丈の線に対し 45°の角度で手袋の

手背部を,第 3 指の先端から 130 mm±10 mm 離れた位置,又はこれと同等の位置で斜めに切断する。

単位  mm

1

  手袋総丈の線

a)

  位置 1 b)  位置 

図 5−タイプ の左手用手袋の切断位置


12

T 8125-4

:2010

単位  mm

1

  手袋総丈の線

a)

  位置 1 b)  位置 

図 6−タイプ の左手用手袋の切断位置

単位  mm

    1  手袋総丈の線

図 7−位置 3:タイプ の左手用手袋の切断位置


13

T 8125-4

:2010

単位  mm

    1  手袋総丈の線

図 8−位置 4:タイプ の右手用手袋の切断位置 

単位  mm

    1  手袋総丈の線

図 9−位置 4:タイプ の右手用手袋の切断位置

10 

人間工学的評価 

手袋は,粗い又は硬い材料が手を傷つけるような状態になっていないか目視及び手で触れることによっ


14

T 8125-4

:2010

て検査する。手袋の外側に,枝又はチェーンソーの制御装置に引っ掛かる可能性のある部分がないかどう

か検査する。

製造業者からの情報に記載された用途に関する適合性について評価する。製造業者の着用者による試験

の詳細を考慮してもよい。

11 

試験報告書 

試験報告書には,次の事項を記載する。

a) 

この規格番号

b)

供試試料の特定,例えば,製造業者名,形番号,タイプ,サイズなど

c)

前処理

d)

防護範囲

e)

人間工学的評価

f)

試験手順からの逸脱がある場合,その詳細

g)

各試験位置における試験結果(カットスルーの発生の有無)

h)

チェーン速度/防護性クラス(5.3.1 参照)

i)

損傷及びチェーン停止メカニズムの評価

試験報告書には,箇条 及び箇条 で求められている事項(がある場合はそれについて)も記載する。

12 

表示 

手持ちチェーンソーの使用者用防護手袋は,少なくとも次の情報を容易に消えない方法で表示しなけれ

ばならない。

a)

製造業者名,商標又はその略号

b)

標識又は形番

c)

シリアル番号又はロット番号

d)

製造年月又はその略号

e)

手袋のタイプ(箇条 参照)

f)

規格番号又は名称

g)

チェーン速度による分類:この情報は図記号の枠の外側,

又は枠の外の下部に示さなければならない。

h)

防振性能

13 

取扱説明書 

手持ちチェーンソーの使用者用防護手袋には,少なくとも次の事項についての取扱説明書を添付しなけ

ればならない。

a)

製造業者又は輸入業者の名称,所在地及び電話番号

b)

標識又は形番

c)

左手用手袋及び該当する右手用手袋についての防護範囲と関連クラスとを示す図

d)

洗濯方法

e)

手袋を廃棄する基準

f)

“すべてのリスクに対する防護を提供するわけではない”という文章又は類似した文章。

g)

“このチェーンソーは,チェーンソー製造業者の指示事項によって両手を使い正しく使用する”とい


15

T 8125-4

:2010

う文章又は類似した文章。

h)

箇条 12 による表示の説明

i)

適切な使用方法

j)

手袋の修理方法,特に,防護材料を修理してはならないことの明記

k) 

防護領域及び防護材料を変更してはならないこと,及び防護材料に切れ込みが入った手袋は,廃棄し

なければならない旨の指示

14 

図記号 

この規格の要求事項を満たす手袋は,

図 10 に示す図記号(ISO 7000-2416 参照)を用いて表示されてい

なければならない。図記号は,手袋の外側に印刷するか,又はラベルの一部として組み込む場合は,その

ラベルを手袋の内側に縫い付ける。また,その寸法は,30 mm×30 mm 以上でなければならない。

一組の手袋の片方だけにチェーンソー防護性がある場合は,防護性のある方の手袋だけに表示しなけれ

ばならない。

図 10−図記号:チェーンソーの防護(ISO 7000-2416 参照)

30 mm

30 mm


16

T 8125-4

:2010

附属書 A

(参考)

チェーンソーの使用及び適切な手袋の選択

A.1

  一般 

チェーンソーは,材木を切断するものであり,最良の手袋であっても防護は,完全にはなされない。

A.2

  リスク分析 

チェーンソーを使用するときの負傷のリスクは,多くの要因による。したがって,従事する個々の作業

種別ごとにリスク分析を行うことが望ましい。

リスク評価に当たっては,少なくとも次のステップを考慮することが望ましい。

a)

ステップ 1−リスク評価

−  作業者の熟練度

−  チェーンソーを使用する頻度

−  作業時間

−  作業環境

・斜面の傾斜

・滑りやすさ(泥,滑りやすい土又は石)

・履物

・気温,風,雨又は雪

・明るさ

−  作業内容

・地上作業又は樹上作業

・切断された材料及び枝による作業への支障の程度

・切断作業の種類

・作業の緊急性又は緊迫度

−  チェーンソーの種類(片手で操作する機械は,特に危険である。

−  切断された材料の払いのけ方法

−  チェーンを動かしながら左手がハンドルから離れる頻度

b) 

ステップ 2−リスク低減  リスク低減を考慮することが望ましく,個々のリスク要因を検討し,それ

らを低減する方法を探すことが望ましい。手がチェーンに強く当たるおそれがある作業は,防護手袋

を着用していても危険であるので中止すべきである。手がチェーンに接触するおそれが少なく,接触

したとしても手背側に軽く触れるような場合には,防護手袋を使用するのが適切である。

A.3

  人間工学 

防護性の向上を目的とした手袋の着用が負傷事故のリスクを増大してはならない。次に掲げる特性と,

与えられる防護性とのバランスを取ることが望ましい。

−  軽量性及び柔軟性

−  手掌部の良好なグリップ表面


17

T 8125-4

:2010

−  良好な触感

−  かさばっていないこと

−  フィット感及びフィット性

−  右手用手袋については,第 2 指の分離

−  手袋は,次の場合には,操作性及び防護性に影響を及ぼす可能性がある。

1)

使用条件が凍結温度又は頻繁に雨の降る状態

2) 

振動の伝搬が特に問題となる場合

3)

使用者が手袋着用中に高所に上る可能性がある場合

全体的に手袋は快適で,手にしっかりフィットし,機械及び材木を取り扱う上での信頼感をもたらすこ

とが望ましい。

手袋は,機械的な負傷に対する全体的な防護性をもつ必要があり,付随的に手の汚れを防ぐものである

ことが望ましい。ぬれた条件下で使用する場合,手袋は大量の水を吸収しないことが望ましい。暖かい条

件下で使用する場合には,汗がたまらないほうがよい。

A.4

  タイプ 及びタイプ の手袋の選択 

この規格で規定する手袋の手持ちチェーンソーによる切断に対する防護性は限られたもので,手背側し

か防護することができない。タイプ B は,親指以外の指の手背側に対しても,手背側に対する防護性と同

様のレベルの防護性をもつ。したがって,通常はタイプ B を選択することが望ましい。ただし,タイプ A

の方がつかみやすさ(dexterity)がよいので,条件によっては,タイプ A が必要になることが考えられる。

A.5

  手,手袋及びチェーンソーの適合性 

現在使用されているチェーンソーは,通常,両手で保持するように設計されている。手袋の形状は,非

対称であり,安全に使用できるのは,右利き使用の場合に限られる。すなわち,左手で前のハンドルを保

持し,右手で後のハンドルを保持して,チェーンへの力の伝達を制御する使用法である。この規格では,

チェーンソーがこの右利き使用によって,すべて保持されることを前提としている。使用者が左利きであ

っても右利き用の姿勢で作業し,右利き使用によってチェーンソーを保持しなければならない。

事故に関する統計によれば,手の負傷のリスクは主に左手にある。したがって,この規格の規定は,防

護材料を左手用手袋に使用することだけを求めている。左利き使用のチェーンソーを使用する場合は,右

手用手袋に防護性が必要となる。

右手用手袋に関する任意の要求事項を規定しているのは,将来,左利き使用のチェーンソーが使われる

ようになる可能性があるからである。

一組のチェーンソー防護手袋を使用する前に着用者は,予想される作業条件下で手袋がよくフィットし,

手袋が安全で衛生的であり,リスクを生じさせることなく作業が行えることを確認することが望ましい。

着用者は,手袋が通常の使用中,手に保持され,よくフィットしているか,また手袋に滑落防止のため

の手首への留め具,又はこれに類するものが付いているかを確認することが望ましい。

これらの確認を行うとき,着用者自身の手の大きさを考慮し,特に,次の事項に留意することが重要で

ある。

a)

手の周囲(外周)

:選択した手袋のサイズが大き過ぎる場合は,手袋がだぶつくことがある。

b) 

親指以外の指の長さ:手袋の親指以外の指の部分が長すぎたり短すぎたりすると,握りが悪くなるこ

とがあり,親指以外の指の部分が短すぎると,血液の循環を損なうことがある。


18

T 8125-4

:2010

c) 

手の全長:手袋が長すぎると手の動きを損なうことがある。

ハンドルを長時間握り続ける場合があるので,手袋が硬すぎたり,手掌部が厚くなり過ぎたりしないよ

うに留意すべきである。着用者は,握る動作のとき,手掌部の材料が握りを損なうような屈曲をしないこ

とを確認することが望ましい。

A.6

  安全な作業 

チェーンソーを安全に操作するには,正しく作業することが重要である。森林作業者又はその他の適切

な使用者のための作業指針に従うことが望ましい。また,チェーンソー製造業者が提供する指示事項にも

従うことが望ましい。手袋の使用が上記と適合する場合は,手袋が安全を補う構成要素として適切なもの

となるが,適合しない場合には,適切なものにはならない。いずれの個人用防護具が各作業に適切かを判

定する責任は,使用者にある。

A.7

  許容性 

手袋は,通常の使用条件下で評価することが望ましい。使用者は,手袋を着用して通常のチェーンソー

作業が安全にでき,予期せぬ危険が生じないことを確かめる機会をもつことが望ましい。

参考文献 ISO 

7000

,Graphical symbols for use on equipment−Index and synopsis 


19

T 8125-4

:2010

附属書 JA

(参考)

JIS

と対応する国際規格との対比表

JIS T 8125-4:2010

  手持ちチェーンソー使用者のための防護服−第 4 部:手袋の試験

方法及び要求性能

ISO 11393-4:2003

  Protective clothing for users of hand-held chain-saws−Part 4:

Test methods and performance requirements for protective gloves

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇条番号及
び名称

内容

(Ⅱ) 
国 際 規 格

番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策

3

用語及び

定義

3

JIS

とほぼ同じ

追加 3.11 としてカットスルーの定

義を追加。

実質的な技術的差異はない。

4

タイプ

4

JIS

とほぼ同じ

削除

表 1 及び表 2 を削除し,4.2.2
及び 4.3.2 に防護材料の長さを
記載。

国内には,手袋のサイズを号数
で 規 定 す る 規 格 な ど が な い た
め,削除し,サイズには言及し

ないことにし,長さだけを記載
した。

5.1

一般

5.1

JIS

とほぼ同じ

変更

表 3 を削除して文章に変更。

また,サイズに関する記述を
削除。

国内の実態を反映。国際規格の

見直しのときに提案を検討。

5.2

一般的な機械的

リ ス ク に 対 す る 防
護性

 5.2

JIS

とほぼ同じ

変更

表 4 を削除して文章に変更。
また切創抵抗性に関する記述
を削除し,図 3 を追加。

国内の実態を反映。国際規格の
見直しのときに提案を検討。

5.3

チェーンソーに

よ る 切 断 に 対 す る
防護性

 5.3

JIS

とほぼ同じ

変更

防護性クラス 0 : 16.0 m/秒を
削除し,防護性クラス 4 : 32.0

m/

秒を追加。

この規格群の他の部編との整合
性を図った。

5

要求性能

5.5

防振にかかわる

要求事項

5

なし

追加

防振性能の要求事項を追加

日本の製品規格であることを考
慮して追加した。

7

前処理

7

JIS

とほぼ同じ

変更

方法を JIS L 1018 に変更。ま
たパークロロエチレンに対す
る警告を追加。

JIS

としての使用を考慮して,洗

濯及び乾燥方法を JIS で規定し
た。さらに,JIS で表示されてい

るパークロロエチレンに対する
警告を追加した。

19

T

 81

25
-4


201

0


20

T 8125-4

:2010

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇条番号及

び名称

内容

(Ⅱ) 
国 際 規 格
番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と

の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策

9

切断抵抗

性試験

9.3

試験手順

9  9.3

変更 9.3.3.2 での第 2 指(3 か所)を全

て第 3 指に変更

原規格の図と記述が食い違って

おり図が正しいとして記述を図
に合わせた。ISO の見直し時に
指摘する。

12

表示

12

変更

製造年月日の表示を追加 
シリアル番号又はロット番号
を追加

防振性能に関する表示を追加

第 5 部の表示と合わせた。 
同上。 

5.5

との整合性を図った。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 11393-4:2003,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
    −  追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
    −  変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD……………  国際規格を修正している。

20

T

 81

25
-4


201

0