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T 8121-3

:2005

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本保安用品協会(JSAA)/財団法

人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標

準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 13999-3:2002,Protective clothing−

Gloves and arm guards protecting against cuts and stabs by hand knives

−Part 3: Impact cut test for fabric,leather

and other materials

を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本

工業標準調査会は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願

公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS T 8121-3

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(参考)手袋,アームガードなどの製品及びその材料の衝撃切創試験の推奨仕様

附属書 1(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS T 8121

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

T

8121-1

第 1 部:鎖かたびら手袋及びアームガード

JIS

T

8121-3

第 3 部:布はく,皮革その他の材料の衝撃切創試験


T 8121-3

:2005

目  次

ページ

序文 

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

2

3.

  定義

2

4.

  原理

2

5.

  試験装置

2

5.1

  刃物保持ブロック

2

5.2

  試験用刃物 

2

5.3

  試験片支持具 

3

6.

  試験片採取 

8

6.1

  試験片の準備 

8

6.2

  試験片の取付け

9

7.

  試験手順

9

7.1

  試験装置の設置

9

7.2

  試験

9

7.3

  基準材料の使用

9

8.

  計算

10

9.

  測定の不確かさの推定 

10

10.

  試験報告 

10

附属書 A(参考)手袋,アームガードなどの製品及びその材料の衝撃切創試験の推奨仕様

11

附属書 1(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

15

 


日本工業規格(案)

JIS

 T

8121-3

:2005

防護服−ハンドナイフによる切創及び突刺しきずを

防護するための手袋及びアームガード−

第 3 部:布はく,皮革その他の材料の衝撃切創試験

Protective clothing

Gloves and arm guards protecting against cuts and

stabs by hand knives

Part 3: Impact cut test for fabric

,leather and other materials

序文  この規格は,2002 年に第 1 版として発行された ISO 13999-3,Protective clothing−Gloves and arm

guards protecting against cuts and stabs by hand knives

−Part 3: Impact cut test for fabric,leather and other

materials

を翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変更の一覧

表をその説明を付けて,

附属書 1(参考)に示す。

この試験は,JIS T 8120 の衝撃突刺し試験に基づいている。ただし,刃物保持ブロック及び刃の合計質

量は 1 000 g ではなく 110 g である。試験片支持具も,布はく,皮革その他の材料に適合させるために変更

した。

この試験は特に,

手袋及びアームガードの材料の刺しきず抵抗性を評価することを目的としている。

モータサイクリストの手袋,コンクリートブロック又はワイヤを取り扱うための作業用手袋のような磨耗

が激しく切断の危険が大きい手袋,又は廃棄物回収業者の巻脚はん(絆)及びズボンの評価に適している。

激しい磨耗とは,多数の切断を伴うプロセスであり,この試験は,単独又は多層材料の厚さ全体に対する

耐磨耗性の指標となる。

この試験は,適切な資格及び経験をもつ試験者が実施することを想定している。この規格は,これらの

試験者を指導するために作成されている。試験装置は,適切な能力をもつ人だけが使用する。また,使用

においては,操作員及び他の人の傷害を防ぐため合理的で実行可能な安全上の防護措置を講じなければな

らない。

1. 

適用範囲  この規格は,手袋及びアームガードに用いる布はく,皮革その他の材料の衝撃切創試験に

ついて規定する。

附属書 には,手袋,アームガードなどの製品及びその材料の衝撃切創試験における推奨事項を記述す

る。また,この試験を実施するために製品規格の中で規定する情報も記述している。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 13999-3:2002

,Protective clothing−Gloves and arm guards protecting against cuts and stabs by

hand knives

−Part 3: Impact cut test for fabric,leather and other materials (MOD)


2

T 8121-3

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2. 

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構

成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その

最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS T 8121-1

  防護服−ハンドナイフによる切創及び突刺しきずを防護するための手袋及びアームガ

ード−第 1 部:鎖かたびら手袋及びアームガード

備考 ISO 

13999-1:1999

  Protective clothing−Gloves and arm guards protecting against cuts and stabs by

hand knives

−Part 1: Chain-mail gloves and arm guards が,この規格と一致している。

JIS T 8120

  防護服−ハンドナイフによる切りきず及び刺しきずを防護するためのエプロン,ズボン

及びベスト

JIS Z 2245:2005

  ロックウェル硬さ試験−試験方法

EN 388:1994

  Protective gloves against mechanical risks

3. 

定義  この規格で用いる主な用語の定義は, JIS T 8121-1 による。

4. 

原理  この試験は,手袋,アームガードに使用する布はく,皮革その他の材料に対する,鋭利で,か

つ,まっすぐなナイフ刃による切断抵抗性を評価する。試験は,誘導落下ブロック内に保持された標準ナ

イフ刃を用いて試験片に衝撃を与えることによって行う。特定の衝撃エネルギーによって生じた切断の長

さは,ナイフの突刺し深さに比例する。突刺し深さは,容易に測定することができる。

5. 

試験装置  試験装置の例を図 に示す。衝撃後にブロック及び試験用刃物を取り除くための手段など

の設計の詳細,及び必要な安全措置は示していない。

5.1 

刃物保持ブロック  図 に示す。試験用刃物を保持し,突き出す部分の長さが 55  ± 5 mm のブロ

ックである。

刃先の位置は,ブロックの中心線から距離 l

4

から 8±1 mm 隔てるものとする。中心線は,ブロックの重

心を通らなければならない。ブロック及び刃の重心は,刃先の 100±10 mm 上にあるものとする。ブロッ

クと試験用刃物との合計質量は,110  ± 5 g とする。

ブロックを電磁石によって初期位置に保持し,ポリ四ふっ化エチレン又は同様の材料で製造した 4 個の

スライダをブロックに取り付ける。スライダは,ガイドロッドに沿うブロックの落下を誘導する。スライ

ダとガイドロッドとの間に 0.5 mm∼1.5 mm のすき間を設ける。ブロックを投下する高さは,適切な衝撃

エネルギーを与えるように設定する。

参考  台及び基板には,金敷直下の位置に,分銅をつり下げた糸が通るように直径 50 mm の孔を設け

る。

5.2 

試験用刃物  縁がまっすぐで鋭利な,冷間鍛造ステンレス鋼(硬さ>45 HRC)製で図 に示す形状

及び寸法をもつ試験用の刃物である。

試験用刃物は,機械研磨の後,刃を油と(砥)石で手仕上げによって平滑で鋭利なものにする。刃は,

使用後に研ぎ直してもよい。布はく及び皮革の試験では,各試験の後に研ぎ直さなくてもよいが,各突刺

しの前に刃を試験し,まっすぐで,鋭利であることを確認する。校正材料に対する試験結果から刃を研ぎ

直す必要性が判明した場合には,試験用刃物を研ぎ直す。

備考  試験用刃物は,ここに規定する寸法を満たし,かつ,JIS Z 2245 によって測定される硬さが規


3

T 8121-3

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定のものであれば,炭素鋼など他の鋼材による製品を,試験ごとに使い捨てにしてもよい。

5.3 

試験片支持具(図 参照)  材料試験片又は手袋は,水平なアームによって支持する。アームの端

に取り付けた円形の金敷には孔があり,試験中にナイフがその孔に貫入する(

図 参照)。支持具を軟鋼に

よって製造すれば便利であることが知られている。

円形の金敷の直径は,50±3 mm,高さは約 60 mm  とする。上面を加工して,曲率半径 200±5 mm の半

球形にする。金敷の中央を切削して,幅 3.5±0.05 mm,長さ 23±0.2 mm  の溝孔を設ける。溝孔は,両端

が半円形で,鉛直に金敷を貫通する。金敷の中心の厚さが 7 mm 以上となるようにして,溝孔を下から切

開してもよい。

金敷を水平のアームに取り付ける。アームの軸と溝孔の長軸との角度は,45±5°とする。アームの上面

は,金敷の上面の中心から 30±2 mm 下とする。アームを強固な支持具に取り付け,アームの下に 180 mm

以上の空間を設ける。アームは,幅 15±2 mm,高さ 35±5 mm 及び長さ 150 mm 以上とする。

試験片支持具を装置の基板に確実に取り付ける。試験装置の基板に固定する板には,金敷の直下の位置

に直径 50 mm 以上の孔を設け,分銅をつり下げた糸を試験片の下側にクリップで留められるようにする。


4

T 8121-3

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1

    台

7

    落下ブロック及び試験用刃物

2

    装置の基板

8

    ガイドロッド

3

    支持棒

9

    ガイドロッド下端の固定ブロック(落下ブロックが通過する。

4

    ブラケット 10  試験片支持具

5

    ガイドロッド上端の固定ブロック 11  クリップ

6

    電磁開放装置 12  分銅

  1  衝撃切創試験装置の例


5

T 8121-3

:2005

1

  ガイドロッド

l

1

  100±1 mm

2

  プラスティック  スライダ

l

2

  100±10 mm

3

  ブロック

l

3

  55±5 mm

4

  質量分布補正のための空げき

l

4

  8±1 mm

5

  ブロック及び試験用刃物の重心

l

5

  75±1 mm

6

  試験用刃物

l

6

  15±1 mm

l

7

  スライダとガイドロッドとの間の間げき  0.5 mm < l

7

<1.5 mm

ブロックと試験用刃物との合計質量は,110±5 g である。

  2  刃物保持ブロック


6

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α

1

  刃先と峰との角度: 30±1°

α

2

  刃先のきょう(夾)角: 30±1°

l

1

    刃物の長さ: 65 mm  以上

l

2

    刃物の幅: 20±0.5 mm

l

3

    刃物の厚さ: 1.5±0.05 mm

  3  試験用刃物


7

T 8121-3

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1

  金敷

l

1

  支持アームから金敷上面までの高さ  30±2 mm

2

  支持アーム

l

2

  金敷下面から下の空間  l

2

>180 mm

3

  クリップ

l

3

  支持アームの長さ  l

3

>150 mm

4

  糸

l

4

  支持アームの高さ  35±5 mm

5

  分銅

l

5

  支持アームの幅  15±2 mm

  4  試験片支持具

試験装置(

図 1

)の基板に固定する板


8

T 8121-3

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1

  試験用刃物

l

1

  ナイフ溝の長さ  23±0.2 mm

2

  試験片

l

2

  金敷の内径  33±3 mm

3

  金敷

l

3

  金敷の外形  50±3 mm

4

  ナイフ溝

l

4

  ナイフ溝の幅  3.5±0.05 mm

5

  切削された金敷下部

l

5

  ナイフ溝終点での全ナイフ幅に対する空げき  1.5±0.2 mm

l

6

  ナイフ溝のナイフ厚に対する両側での空げき  1±0.2 mm

l

7

  金敷の高さ  約 60 mm

l

8

  金敷上部の最小厚さ  7 mm

  5  支持ブロック内のナイフ孔の寸法

6. 

試験片採取

6.1 

試験片の準備  製品から採取する試験片の位置,形状及び寸法は,製品を対象とする適切な日本工

業規格(以下,製品規格という。

)の規定による。製品規格に規定された数の試験片を準備し前処理する。

平らな試験片の端を縫い合わせ,ステープラでとじるか,又は溶接などの方法で接合し円筒状にする。

円筒の直径は 100±20 mm とし,円筒の長さは 100 mm 以上とする。ただし,7.2 の試験の実施を妨げるほ

ど長くしてはならない。その試験領域が製品の材料を代表する領域となるようにニット材料の位置を調整

する。必要であれば,ニット組織の損壊を防ぐため,縁に伸張可能な縫い線を入れて試験片を安定させる。


9

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手袋又はアームガードは,試験片として製品を試験することが適切である場合がある。非常に硬い製品

は,切断し端部を固定させることによって,7.2 の規定に適合する位置に取り付けることができるようにす

る。

前処理としての洗浄及びドライクリーニングを行う場合は,未使用製品又は大形の材料試験片を前処理

として洗浄及びドライクリーニングし,その後に試験片の準備を行う。

6.2 

試験片の取付け  試験片を金敷及びアームの上で移動し,試験する領域を金敷の上に取り付ける。

1 000

±50 g の分銅を試験片の垂れ下がった側(試験片の金敷下部側)にクリップで留め,試験片を 10 N

の力で引くようにする。製品規格で規定する手順で,金敷の上で試験片を平らにする。金敷の上で試験片

をずらすことによって,試験片の縦軸に平行な方向,試験片を横断する方向,及びこれら方向の間のいず

れかの角度で切断することが可能になる。

7. 

試験手順

7.1 

試験装置の設置  ガイドロッドが鉛直(1 m について± 2 mm)で,刃物保持ブロックがガイドロッ

ド上を電磁開放装置から試験片支持具まで自由に動くことを確認する。ガイドロッドの端と金敷の上面と

の間隔は,10 mm 以下とする。使用前にガイドロッドを軽油でふいてきれいに磨く。試験片支持具が水平

(1 m について±10 mm)であることを確認する。

ナイフの先端が,試験片に当たる直前の 100 mm から 5 mm の高さにおいて,ブロックの落下速度を測

定する計器を準備する。ナイフを取り付けたブロックを落下させて試験する。落下速度は精度±0.05 m/s,

ブロック及びナイフの質量は,±0.5 g 刻みの最近値を測定する。ナイフの先端が試験片に与える衝撃エネ

ルギーを算定する。電磁石の高さを調整し,10 回の落下試験についての平均衝撃エネルギーが製品規格で

規定する衝撃エネルギーの±5  %となるようにする。

備考  この試験に用いる通常の衝撃エネルギーは,0.65 J である。このエネルギーは,600 mm の高さ

からの落下によって得られる。

7.2 

試験  製品試験の対象となる性能水準及び防護領域に関する要求事項は,製品規格の規定による。

試験装置の支持具上の試験片を,電磁開放装置を用いて高さが適切となるように調整する。製品規格の

規定に従い,ナイフの刃を試験片の中心線に平行な状態に調節する。

刃物保持ブロックを投下する。試験片上面と同じ高さにあるナイフ刃上の点にマークを付ける。このマ

ークから刃の先端までの距離を,0.5 mm 刻みの最近値を測定し,測定値から材料の厚さを差し引いた結果

をナイフの試験片突刺し深さとして記録する。刃をふき,直前の衝撃位置から 10 mm 以上の距離をおいて,

再び試験する。試験片を各々約 45°回転させて,更に 4 回の試験を行う。この一連の手順で,試験期間中

に試験片の縦軸に平行な方向,試験片を横断する方向,及びこれらの方向に対して 45°をなす角度で衝撃

切創を行う。6 回の試験について衝撃切創平均突刺し深さを算出する。綿布を基準として,材料の衝撃切

創相対突刺し深さを算定する(7.3 及び 8.参照)

7.3 

基準材料の使用  ナイフの鋭さ及び試験装置の性能の変動は,EN 388 に規定する綿布を基準材料と

して用いて補正する。基準試験片を試験片に対して用いた方法,すなわち,組織の端を縫い合わせ,ステ

ープラ留めなどの方法で接合し,円筒状にする。円筒の長さは 100 mm 以上,直径は 100  ± 20 mm とす

る。たて糸の繊維の方向が同一である組織を重ねて 2 層にする。基準試験片に対して 6 回の衝撃切創,す

なわち,よこ糸に沿って 2 回,たて糸に沿って 2 回,及びこれらの切断に対して 45°の角度で 2 回の衝撃

切創を行い,基準材料に対する衝撃切創平均突刺し深さを算定する。0.65 J の衝撃エネルギーに対する衝

撃切創基準突刺し深さは,14 mm である。


10

T 8121-3

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利便のために,入手できる綿織物を基準材料として使用してもよい。基準材料として使用する前には,

EN 388

で規定する基準布によって各バッチを校正する。

通常の繊維からなる布はく及び皮革を試験する場合は,

ナイフの鋭さを少なくとも 50 回ごとに校正する。

金属又はセラミックの繊維を含む布はくを試験する場合は,より頻繁にナイフの鋭さを検査する。ある種

の材料では 1 回の衝撃切創でもナイフが鈍くなるので,各回ごとに刃を研ぎ直さなければならない。

8. 

計算  基準試験片に対する試験片の衝撃切創相対突刺し深さ h

rel

を,式(1)によって算出する。

h

rel

rf

14

h

×h

s

    (1)

ここに, 14:

衝撃切創基準突刺し深さ(mm)(7.3 参照)

h

rf

基準材料の衝撃切創平均突刺し深さ(mm)

h

s

試験片の衝撃切創平均突刺し深さ(mm)

9. 

測定の不確かさの推定  要求される一連の測定ごとに,対応する最終結果の不確かさの推定値を決定

する。この不確かさ U

m

は,試験報告において U

m

=±x  の形で表さなければならない。試験成績が製品規

格の規定による“合格”であるかどうかを判定するときに不確かさを使用する。最終結果 h

fin

は,式(2)

で表される。

h

fin

h

rel

+  x(上限値)    又は  h

fin

=  h

rel

−  x(下限値)  (2)

例  製品規格で上限値を超えてはならないことが規定されている場合,h

fin

(=  h

rel

+  x)がこの値を

超えたとき製品は不合格とする。

10. 

試験報告  試験報告には,次の情報を含めなければならない。

a) JIS 

8252-3

への言及

b) 

製品試験に適用される製品規格への言及

c) 

試験片の記述(製品内の位置,形状及び寸法)

,試験片の調整及び前処理が行われる場合はその方法,

もし関連すれば,許容される試験片のサイズ範囲

d) 

試験片に対して用いられた固定方法及び伸張方法

e) 

試験において用いられた衝撃エネルギー

f) 

性能水準及び試験された防護領域

g) 

規定された試験片の軸に対する刃の衝撃の方向

h) 

試験回数及び試験位置

i) 

この規格の手順から逸脱した全事項

j) 

試験結果(すなわち,衝撃切創突刺し深さ h

rel

h

rf

h

s

の値)

,測定の不確かさ U

m

及び最終結果 h

fin

k) 

合格又は不合格の判定

備考  製品仕様においてこの規格を使用する場合の情報及び指針を,附属書 に記述する。


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T 8121-3

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附属書 A(参考)手袋,アームガードなどの製品及びその材料の

衝撃切創試験の推奨仕様

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

A.1 

全般的な考慮事項  この試験方法は,手袋及びアームガードに用いられる多くの種類の材料を試験

するために使用してもよい試験で,鋭角な縁をもつ物体(鋭利であるとは限らない。

)による,刺傷,切込

み,せん(剪)断,衝撃切創などの切傷に対する製品の抵抗性についての情報を与えるものである。路面,

コンクリート建築ブロック,粗い金属鋳造品などの粗く鋭利な物体による磨耗は,多くの小さな切きずの

重なり合いによって生じる。この試験の結果に基づいて,これらの種類のはなはだしい磨耗に対する製品

の抵抗性を十分に予測することができる。しかし,この試験は,とげ又は針による突刺しに対する製品の

抵抗性についての情報を与えるものではない。

次の情報は,この試験の適用を可能にするために製品規格で規定することが望ましい。

a) 

試験片の記述,試験片の調整及び前処理が行われる場合はその方法,もし関連すれば,許容される試

験片のサイズ範囲

b) 

試験片に対して用いるべき固定方法及び伸張方法

c) 

試験において用いるべき衝撃エネルギー

d) 

規定された試験片の軸に対する刃の衝撃の方向

e) 

試験回数及び試験場所

f) 

製品に対する性能上の要求事項及びその水準,製品の合格のために要求される性能,すなわち,h

fin

に対する制限値

g) 

要求事項を満たすべき製品の防護領域の場所,寸法及び形状

A.2 

製品試験のための考慮事項

A.2.1 

衝撃エネルギー  衝撃エネルギー,すなわち,落下高さは,合格水準にある製品の平均ナイフ突刺

し深さが約 10 mm となるように選択する。不良製品又は良好な製品の弱い方向部分は,突刺し深さがこの

値の 3 倍にまで達することがある。非常に良好な製品での小さな突刺しを測定する場合には,不確かさは

重大な問題とはならないと考えられる。

刃による突刺しに抵抗性をもつ手袋を試験するときの最適の衝撃エネルギーは,0.65 J であることが知

られている。高い切創抵抗をもつ鎖かたびら手袋及びエネルギー吸収複合構造手袋を試験するときは,2.45

J

の衝撃を用いる方がよい。このエネルギーは,JIS T 8120 で規定する 1 000 g の刃物保持ブロックを用い

ることによって与えられる。ブロック及びナイフの質量は,衝撃速度影響の不確かさから,質量 110 g 又

は 1 000 g のいずれかを用い,中間の質量を用いないことが望ましい。

A.2.2 

試験片支持具  この規格の試験片支持具は,手などの比較的硬い骨を含む体の部分に手袋を着用し

た状態及びひざに切断抵抗をもつパッドを着用している状態を再現するための試験条件を設定するために

設計されている。


12

T 8121-3

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A.2.3 

試験片の張力  この規格では,1 個の 1 000 g の分銅を用いて試験片に張力を与えるように規定し

ている。特定の種類の試験片について張力が適切でなければ,分銅の質量を変更してもよい。これによっ

て試験結果が変わるので注意が必要であり,分銅の質量変更は,推奨しない。

A.2.4 

試験回数  この規格では,6 回の衝撃を 3 種類の方向で与えることを規定している。不均質な構造

をもつ製品は,より多くの衝撃をより多くの方向で与えることが必要になることがある。

“最悪のケース”

についての試験を考慮することが必要になることがあるが,異なった試験所の間での最悪のケースの決定

を標準化することは困難であり,推奨することはできない。手袋の指部分の材料のような小さな試験片を

試験するときは,手袋から切り離して,金敷に合う適切な円筒状の布に縫い合わせ,試験片とする。円筒

状の布は,試験片の準拠要件に準じるものとする。

A.2.5 

性能水準  性能水準は,質量実験によって決定する。考慮すべき点は,傷害を防ぐために要求され

る防護水準であり,良好な防護又は不良な防護についての経験から示されている新しい製品及び中古製品

の性能であり,並びに製品に要求される性能があるしきい(閾)値を超える水準なのか,又は,連続的に

移行する水準段階の中の一つの段階なのかという点である。事故データ及び事故によって損傷した製品の

試験結果を考慮に入れることが望ましい。危険有害性水準の観点からの性能水準の解釈を製品規格に含め

ることが好ましい。

このデータは,製造業者が JIS T 8005 及び EN 420 の要求によって材料に添付する情報の中で提供され

る。

布はく製及び皮革製手袋の刺しきず抵抗性は,通常は JIS T 8120 で規定されている鎖かたびら手袋より

も著しく低い。使用時のリスクアセスメントによって,どの種類の製品を用いるべきかを決定することが

望ましい。リスクアセスメントを行うことを,製品仕様に書き込むことを強く推奨する。

A.2.6 

試験片の調整  試験結果が試験片のプレコンディショニングによって影響を受ける場合は,調整条

件を規定する。温度 20±2  ℃及び相対湿度(65±5)%の標準環境を用いることが望ましい。特定の条件

で使用する特定の種類の製品については,他の温度が適切であることがある。

A.2.7 

試験条件  製品が着用時に暴露される条件が,試験結果に著しい影響を与えることが想定される場

合は,これらの特定条件下での試験を考慮すべきである。これらの条件には,次のものが含まれることが

ある。

a) 

表面が湿っているか,全体が水で湿っている製品

b) 

油で被覆された製品

c) 

通常の使用条件を再現するために,熱されたか又は冷却された製品

d) 

特定回数のクリーニングプロセスを経た製品

e) 

特定のエージングプロセスを経た製品

新しい試験条件を製品仕様に組み込むことによって,製品のコストは増加する。したがって,特定の条

件を要求事項として規定する前に,特定の製品については特定条件下で性能評価が必要であり,単一の標

準条件下での試験では識別できないことを示す必要がある。

A.3 

試験結果の例  様々な種類の防護手袋についての試験結果の例を,附属書 表 及び附属書 表 2

に示す。


13

T 8121-3

:2005

附属書   1  手袋上の衝撃エネルギー0.65J  及び刃物保持ブロックの質量 110g の試験結果

単位  mm

試験片番号

手袋

相対突刺し深さ h

rel

切り付け防護用手袋

1

平編み(セラミック/ポリエチレン) 24.3

2

平編み(スティール/アラミド/ポリエチレン) 16.0

3

パイル編み(アラミド) 23.8

突刺し防護性能が限定的な手袋

4

平編み(セラミック/ポリエチレン)内面 PVC 作業用
手袋

6.9

5

薄い金属板付手袋 3.6

突刺し防護性能が高い手袋

6

鎖かたびら 4.8

(

a

)

注(

a

)

リングの切断なし

附属書   2  手袋上の衝撃エネルギー1.47J  及び刃物保持ブロックの質量 1 000g の試験結果

単位  mm

試験片番号

手袋

相対突刺し深さ h

rel

突刺し防護性能が限定的な手袋

4

平編み(セラミック/ポリエチレン)内面 PVC 作業用

手袋

合計  >30

5

薄い金属板付手袋

     24.0

突刺し防護性能が高い手袋

6

鎖かたびら

            5.0 (

a

)

6

鎖かたびら 2.5J(JIS T 8121-1 で試験)

            5.0 (

a

)

注(

a

)

リングの切断なし


14

T 8121-3

:2005

参考文献

1) JIS 

8005

  防護服の一般要求事項

備考  ISO 13688:1998  Protective clothing−General requirements からの引用事項は,この規格の該

当事項と同等である。

2) JIS 

8120

  防護服−ハンドナイフによる切創及び突刺しきずを防護するためのエプロン,ズボン

及びベスト

備考  ISO 13998:2003  Protective clothing−Aprons,trousers and vests protecting against cuts and

stabs by hand knives

からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

3) EN 

420

:1994

,General requirements for gloves

4) EN 

1082-3

:2000

,Protective clothing−Gloves and arm guards protecting against cuts and stabs by hand

knives

−Part 3: Impact cut test for fabric,leather and other materials


15

T 8121-3

:2005

附属書 1(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS T 8121-3:2005

  防護服−ハンドナイフによる切創及び突刺しきずを防護するための

手袋及びアームガード−第 3 部:布はく,皮革その他の材料の衝撃切創試験

ISO 13999-3:2002

,防護服−ハンドナイフによる切創及び突刺しきずを防護

するための手袋及びアームガード−第 3 部:布はく,皮革その他の材料の衝
撃切創試験

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅱ)  国際

規格番号

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異

の項目ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体,附属書

  表示方法:点線の下線

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の理由

及び今後の対策

項目

番号

内容

項目

番号

内容

項 目 ご と

の評価

技術的差異の内容

1.

適用 範

ISO 

13999-3 

1

JIS

に同じ

IDT

2.

引用 規

JIS T 8121-1

EN 388:1994

JIS Z 2245:2005

 2 ISO 13999-1:1999

EN 388:1994

IDT

IDT

MOD/

追加

硬度計測方法を明確
に す る た め , JIS Z 

2245

の試験方法を追

加した。

3.

定義 ∼

4.

原理

3

∼4

JIS

に同じ

IDT

5.

試験 装

5.1

, 5.3

5.2

試 験

用刃物

図 4

図 4  3

試験装置(図 1)の基板に
固定する板 
クリップ

5

5.1

, 5.3

5.2

図 4

図 4  3

JIS

に同じ

JIS Z 2245 

による硬

度 の 刃 物 を 使 用 で き
ることを追加。

クランプ

IDT

MOD/

選択

MOD/

追加

MOD/

変更

ISO

規格では,材質ま

で規定しているが,硬
度が同等以上であれ
ばよいとした。

意味を明確にするた
め,説明を追加した。
図 1 の表現に整合さ

せた。

ISO

に提案する予定である。

ISO

に提案する予定である。

ISO

に提案する予定である。

6.

試験 片

採取

6

JIS

に同じ

IDT

2

T

 8121-3


2005

2

T

 8121-3


2005


16

T 8121-3

:2005

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅱ)  国際

規格番号

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異

の項目ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体,附属書

  表示方法:点線の下線

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の理由

及び今後の対策

項目 
番号

内容

項目 
番号

内容

項 目 ご と
の評価

技術的差異の内容

7.

試験 手

7.1

7.2

7.3

7

7.1

7.2

7.3

JIS

に同じ

試 験 回 数 の 標 記 の 誤
りを訂正し,8.計算を

追加した。

JIS

に同じ

IDT

MOD/

更,追加

IDT

ISO

に提案する予定である。

8.

計算 ∼

10.

試 験

報告

8

∼10

JIS

に同じ

IDT

JIS と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  IDT………………  技術的差異がない。 
    ―  MOD/追加………  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
    ―  MOD/変更………  国際規格の規定内容を変更している。

    ―  MOD/選択………  国際規格の規定内容と別の選択肢がある。

2.  JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  MOD……………  国際規格を修正している。

2

T

 8121-3


2005

2

T

 8121-3


2005