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T 8120

:2005

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本保安用品協会(JSAA)/財団法

人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標

準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 13998:2003,Protective clothing−

Aprons

,trousers and vests protecting against cuts and stabs by hand knives を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本

工業標準調査会は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願

公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS T 8120

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(参考)リスク評価,各種サイズのエプロン及びガーメントの選択とフィッティングとに関

する助言

附属書 B(参考)金属リング溶接部の不完全さ確認試験

附属書 1(参考)JIS と対応する国際規格との対比表


T 8120

:2005

目  次

ページ

序文 

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

2

4.

  性能水準の分類 

5

5.

  要求事項

5

5.1

  無害性

5

5.2

  サイズ表示 

5

5.3

  防護領域の最小寸法

5

5.4

  エプロン,分割エプロン及び防護ズボンのサポート並びに締め具 

7

5.5

  人間工学上の要求事項 

7

5.6

  質量

8

5.7

  突刺し抵抗性 

8

5.8

  水準 のガーメントの切創抵抗

8

5.9

  金属リングの引張強さ 

8

5.10

  防水性(任意項目) 

8

6.

  試験装置

8

6.1

  試験機の精度 

8

6.2

  すき間ゲージ 

8

6.3

  ナイフの衝撃突刺し試験装置

9

6.4

  金属リングの引張強さ試験装置

14

6.5

  切創抵抗試験装置

14

6.6

  防水性

14

7.

  試験手順

15

7.1

  一般

15

7.2

  試験片

15

7.3

  無害性

15

7.4

  サイズ表示 

15

7.5

  防護領域の寸法の測定 

15

7.6

  エプロン及び防護ベストのサポート並びに締め具の試験

15

7.7

  人間工学的試験

16

7.8

  質量の測定 

17

7.9

  突刺し試験 

17

7.10

  切創抵抗試験 

18

7.11

  金属リングの引張強さ試験 

18


T 8120

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(3)

7.12

  防水性試験 

18

8.

  表示

18

9.

  製造業者提供情報

19

10.

  図記号

20

附属書 A(参考)リスク評価,各種サイズのエプロン及びガーメントの選択とフィッティングとに関する

助言 

21

附属書 B(参考)金属リング溶接部の不完全さ確認試験 

26

附属書 1(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

29

 


日本工業規格(案)

JIS

 T

8120

:2005

防護服−ハンドナイフによる切りきず及び刺しきず

を防護するためのエプロン,ズボン及びベスト

Protective clothing

Aprons

,trousers and vests protecting against cuts and stabs by hand knives

序文  この規格は,2003 年に第 1 版として発行された ISO 13998,Protective clothing−Aprons, trousers and

vests protecting against cuts and stabs by hand knives

を翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格

である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変更の一覧

表をその説明を付けて,

附属書 1(参考)に示す。

突刺し及び切り付けに対してある程度の防護を与える,防護エプロン,防護ズボン及び防護ベストは,

ナイフが使用者の人体に向けて動かされる作業において使用される。

この規格で規定する性能水準 1 のエプロン,ズボン及びベストは,切創に対してある程度の防護を与え

るものであり,作業が軽く,人体に向けて激しい切創動作が生じない場合にだけ使用に適する(

附属書 A

参照)

性能水準 2 のエプロン,ズボン及びベストは,切創動作において細刃ナイフが用いられる作業での使用

に適する。切創動作においては,ナイフの先端が人体に向けられないものとする。また,これらの防護服

は,切創動作において広刃ナイフが用いられ,ナイフの先端が人体に向けられる場合の作業にも適する。

1. 

適用範囲  この規格は,ハンドナイフを用いる作業のための防護エプロン,防護ズボン及び防護ベス

ト,

並びに事故のときに体の各部分に対して同様の防護を与える他のガーメントに適用する。

この規格は,

製造業者が防護エプロン,防護ズボン及び防護ベストの使用者に提供すべき設計,突刺に対する抵抗,切

創に対する抵抗,サイズ表示,人間工学上の特性,無害性,透水性,洗浄,消毒,表示及び情報に関する

要求事項について規定する。また,この規格は,防護水準及び適切な試験方法の種類についても規定する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 13998:2003

,Protective clothing−Aprons,trousers and vests protecting against cuts and stabs by

hand knives (MOD)

2. 

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発効年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構

成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。

JIS L 1092:1998

  繊維製品の防水性試験方法


2

T 8120

:2005

備考 ISO 

811:1981

  Textile fabrics−Determination of resistance to water penetration−Hydrostatic

pressure test

からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS T 8005:2005

  防護服の一般要求事項

備考 ISO 

13688:1998

  Protective clothing−General requirements からの引用事項は,この規格の該当

事項と同等である。

JIS T 8052:2005

  防護服−機械的特性−鋭利物に対する切創抵抗性試験方法

備考 ISO 

13997:1999

  Protective clothing− Mechanical properties− Determination of resistance to

cutting by sharp objects

からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS T 8121-1:2005

  防護服−ハンドナイフによる切創及び突刺しきずを防護するための手袋及びアー

ムガード−第 1 部:鎖かたびら手袋及びアームガード

備考 ISO 

13999-1:1999

  Protective clothing−Gloves and arm guards protecting against cuts and stabs by

hand knives

−Part 1: Chain-mail gloves and arm guards が,この規格と一致している。

JIS Z 2245:2005

  ロックウェル硬さ試験−試験方法

3. 

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

3.1 

エプロン (apron)  胸から脚までの胴体前面部をカバーするガーメント。

3.2 

分割エプロン (divided apron)  防護面が大たい(腿)部で縦に分割され,各々の脚に縛り付けられてい

るエプロン[

図 の a)参照]。

3.3 

防護ズボン (protective trousers)  腰から下に着用する,分離された脚部をもつガーメント。防護面は

ガーメントのある部分に限定される場合がある[

図 の b)参照]。

3.4 

防護ベスト(protective vest)  胴に着用し,胸から腰又はそれより下の部分まで,肩及び後上肢の一部

をカバーするガーメント。

防護面は,

ガーメントのある部分に限定される場合がある[

図 の c)及び d)参照]。

3.5 

防護面(protective surface)  ハンドナイフによる突刺に対して抵抗するように設計された材料で作ら

れた,ガーメントの一部分。

3.6 

防護材料 (protective material)  ガーメントの防護面を作るための材料。

備考  この材料は,金属鎖かたびら,継ぎ合わせた金属板又は同じ機能をもつ材料の場合がある。

3.7 

すき間 (interstice)  防護面の二つ以上の要素間の空間。

3.8 

カバー又はカバー材料  (cover or covering materials)  防護ガーメントを構成するための防護材料の両

面又は片面をカバーするために使用される材料。

3.9 

エプロンサポート (apron support)  エプロンを装着するための用具。エプロンサポートは,次のもの

である場合がある。

図 の a)に示すような X 形のショルダーストラップ及び独立した腰ベルト。

図 の b)に示すような,Y 形の腰ベルトにつながれたショルダーストラップ。

−  防護エプロンが取り付けられたそで(袖)なしコート又はハーネス。

−  ガーメント全体を形成するための防護材料の拡張部。例えば,

図 の c)及び d)に示すような,短い

背面部及び長い前面部をもつそで(袖)なしコート。

3.10 

超細刃ナイフ(ultra narrow knife)  先端から 20 mm の位置で刃幅が 8 mm 未満であるナイフ(附属書

A

参照)

3.11 

細刃ナイフ(narrow knife)  先端から 20 mm の位置で刃幅が 8 mm∼12.5 mm であるナイフ。

3.12 

広刃ナイフ(broad knife)  先端から 20 mm の位置で刃幅が 12.5 mm を超えるナイフ。


3

T 8120

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                                  a)  分割部の先端をカバーする                        b)  ショーツ  (正面図)

              重なり部を備えた分割エプロン

                        c)  ベスト,コート又は T シャツ形エプロン        d)  ベスト,コート又は T シャツ形エプロン

                                (正面図)                            (背面図)

  1  フラットエプロン以外の防護ガーメントの形


4

T 8120

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                                                                        a) X 形ショルダーストラップ

b) Y

形ショルダーストラップ

1

  ショルダーストラップ

2

  ショルダーストラップ留め具通し

3

  腰ベルト留め具通し

4

  腰ベルト

5

  ストラップ長さ調整用アジャスタ

6

  防護面

7

  留め具

8

  外側だけから視認できる識別マーク

9

  ストラップが別々にスライドできる締め具

  2  エプロンのストラップ及びベルト


5

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3.13 

留め具通し (fastening point)  ストラップ又はベルトをガーメントに取り付けられるようにガーメン

トと一体化したループ又はリング。

3.14

留め具(fastener)  脱着式ストラップ又はベルトが取り付けられるガーメントの留め具通し。

3.15 

外面識別マーク  (outer surface identifying mark)  ガーメントの外面を表示するために外面に示される

マーク。

3.16 

ウェストライン (waist line)  骨盤の頂点での,平面を形成する水平ライン。

3.17

エプロン又はベストの胸上中心点  (central point of an apron or vest on the chest)  ウェストラインの½

l

2

上にある,エプロン中線上の点(

図 参照)。

3.18 

切創 (cutting 又は cut)  カットスルー(刃物の刃先が材料を貫通すること。)が起こるように刃物の

刃先が材料の上を移動する事象。

参考  切創 (incised wound,cut wound)  とは,本来は,医学用語であり,刃物などがその長軸方向に,

体表を移動することによって組織が離断された表皮はく(剥)離のない創をいうが,人体に対し

てこのような傷を生じさせるような刃物の刃先の動きとして理解することができる。

3.19 

ガーメント (garment)  服の 1 品目のこと。ガーメントは,一層又は多層のいずれかで構成されてい

てもよい。

4. 

性能水準の分類  性能水準の数字は,ガーメントの防護水準を示す。この数字は,ガーメントに適用

する試験のか(苛)酷さを示す。

備考1.  水準 1:このガーメントは,広刃ナイフだけが使用される場合のような,危険水準が低い作

業状況に適している(

附属書 参照)。

2. 

水準 2:このガーメントは,大きな枝肉に対して骨抜き用細刃ナイフが使用される場合のよ

うな,危険水準がより高い作業状況に適している。

5. 

要求事項

5.1 

無害性  防護用具は,製造業者の指示によって使用する場合に防護を与え,使用者又はその他の人

に危険が及ばないように設計し,製造する。製造材料及び含まれる物質が,それに接触する人に危険を及

ぼすことがあってはならない。製造業者又は販売業者は,製造業者提供情報の中で,ガーメントに含まれ

る可能性のある一般に感作性のあることが知られる物質について表示をし,アレルギーが引き起こされた

場合の対処法を警告表示する。この要求事項は,9.に規定する。ガーメントの表面,縁又はその留め具上

には,使用者又はその他の人に危害を及ぼし得るほどの硬さ又は鋭さをもつ縁,縫合部,留め金などがあ

ってはならない。検査は,7.3 によって行う。

5.2 

サイズ表示  8.で規定しているように,防護用具にはサイズを表示する。JIS T 8005 によって,想定

されるガーメント使用者の身長,胸囲及び胴囲とサイズとを関係付ける。これらについては,製造業者提

供情報の中で説明しなければならない(9.参照)。腰から上には着用されない防護ガーメントのサイズは,

使用者の身長及び胴囲によって決める。寸法及びサイズ表示は,7.4 によって確認する。

5.3 

防護領域の最小寸法

5.3.1 

性能水準 及び性能水準 のエプロン  性能水準 1 又は性能水準 2 に適合する防護エプロンの防護

領域の寸法は,想定される使用者のサイズによる。

ガーメントの防護範囲全体に対する防護領域の寸法及び位置を,製造業者提供情報に記載する(9.参照)

次に規定する最小防護領域は,垂直な中線に関して対称とする。


6

T 8120

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防護領域の最小寸法は,

表 の数値によって,想定されるエプロン使用者の最大サイズによって決定す

る。この寸法は,

図 に示す。防護領域の寸法は,7.5.1 に示す方法によって確認する。

l

1

l

8

    寸法を

表 に示す

A - A

      エプロンを着用したときのウェストライン

X          定義された胸部中心点

  3  性能水準 1 のエプロンの防護範囲寸法

  1  性能水準 1 及び性能水準 2 の最小防護範囲寸法

エプロンがフィットする最大着用者の身体寸法を百分率
で表したエプロン寸法の値

寸法

図 参照)

身長

胸囲

胴囲

l

1

>  22 %

l

2

>  20 %

l

3

>   6 %

l

4

(

a

)

 

>  12 %

l

5

> 45 %

l

6

> 45 %

l

7

> 25 %

l

8

(

a

)

> 10 %

(

a

性能水準 1 だけ

5.3.2 

性能水準 の分割エプロン  分割エプロンの全体寸法は,下部が垂直なスリットによって分割され

ることを除けば,分割されないエプロンと同一とする。このスリットは,

図 の寸法 l

4

によって決まる点

を超えてはならない。l

4

は,想定される最大エプロン使用者の身長の 12  %以上とする。


7

T 8120

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分割エプロンのスリットのいずれかの側にある防護材料の幅を拡張して,エプロンを水平面に置いたと

きに両側が重なる部分の寸法が

図 の l

8

以上であるようにする。

5.3.3 

防護ズボン  防護ズボンは,腰からひざのやや上側にわたって連続した防護領域をもつとする。防

護領域は,腹部及び大たい(腿)の前面,並びにウェストラインの背面まで後部に拡張されるものとする。

防護領域の幅は,想定される防護対象胴体部分の周囲の 50  %を超えるものとする。ウェストラインから

ひざに向けて測定された防護領域の縦寸法は,規定上の最大使用者の身長の 30  %以上とする。防護領域

の寸法は,7.5.3 に示す方法によって確認する。

5.3.4 

防護ベスト  防護ベストは,腰の下側から胸の前面,肩の上部及び背面,並びに上腕部の上半面を

カバーする連続した防護領域をもつとする。防護領域の幅は,アームホールより下側の防護される人体の

部分の 45  %を超えるものとする。防護領域は,肩の背面からガーメントのアームホールの下寄りの部分

まで広がることとする。防護領域のネック部の周囲は,想定されるガーメント使用者の胸囲の 55  %未満

とする。肩上部からの防護領域前面の長さは,想定されるガーメント使用者の身長の 35  %を超えるもの

とする。ひじ(肘)からガーメントのネック部背面の中心点に沿って測定されたそで(袖)下縁部の長さ

は,想定されるガーメント使用者の胸囲の 42  %を超えるものとする。防護領域の寸法は,7.5.3 に示す方

法によって確認する。

5.4 

エプロン,分割エプロン及び防護ズボンのサポート並びに締め具

5.4.1 

すべてのガーメント  防護服には,通常の使用又は事故のときに着用位置のずれを生じないように

ストラップ及び寸法調節のための締め具を取り付ける。

5.4.2 

エプロンの締め具  エプロン中心点のずれは,7.6 に規定する方法で 30 N の力を横方向及び下方向

に加えたときに 75 mm 以下とする。

5.4.3 

エプロンサポート  すべてのエプロンサポートの長さは,調整可能なものとする。アジャスタは,

荷重をかけても滑らないタイプのものとする。7.6.1 によって試験するとき,100±5 N の荷重の下での留め

金部分でのストラップの移動量は,10 mm を超えてはならない。

肩にかけるエプロンサポートの幅は,35 mm 以上とする。腰の周囲のエプロンサポートの幅は,25 mm

以上とする。エプロンサポートを調整した後,ストラップ又はベルトの自由端をストラップ,ベルト又は

エプロンに固定できるように処置する。留め具及びアジャスタは,意図した場合以外には外れないように

する。X 形及び Y 形ストラップの留め具通しの数は,これらのストラップをもつように設計されたエプロ

ンについては,

図 に示す点の数以上とする。

ガーメントのサポート及び防護部を別々に洗浄するために,布サポートを取り外し可能とすることが必

要となる場合がある。

エプロンサポートは,使用者の首後部に力が加わらないように設計する。

5.4.4 

分割エプロン  分割エプロンには,他のエプロンについて規定されているものと同じストラップ及

びサポートを取り付ける。さらに,分割された部分を大たい(腿)部に緊縛するためのストラップ又は他の

開閉具も取り付ける。

5.4.5 

防護ズボン  防護ズボンには,調整可能な腰ストラップ又はショルダーつりストラップ(ズボンつ

り)を取り付ける。

5.4.6 

防護ベスト  防護ベストには,調整可能な側面開閉具,又は調整可能な背面開閉具を取り付ける。

5.5 

人間工学上の要求事項  防護ガーメントは,着用したときの不快感及び障害を最小にするように設

計する。7.7 によって試験するとき,全供試品の平均は,性能水準 1 については 2 未満,性能水準 2 につい

ては 2.5 未満とする。


8

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5.6 

質量

性能水準 1:防護エプロンなどの防護服の製造に用いる材料の質量は,防護領域において 3 kg/m

2

未満とす

る。試験は,7.8 による。

性能水準 2:防護エプロンの製造に用いる材料の質量は,防護領域において 4.5 kg/m

2

未満とする。試験は

7.8

による。

5.7 

突刺し抵抗性

5.7.1 

すき間及び穴  ガーメントの最小防護領域の全体にわたって突刺しに対する抵抗を与えるものと

する。性能水準 1 のガーメントの鎖かたびらリング若しくは他の構成部分の間,又は防護材料の構成部分

を貫通する穴の間のすき間の寸法は,JIS T 8121-1 の 5.5(すき間ゲージ)に規定する幅 4 mm のゲージ No.2

を JIS T 8121-1 の 6.3(すき間の寸法の試験)及びこの規格の 7.9.1 に規定する方法によって適用するときに

貫通しないように決める。

性能水準 2 のエプロンのプレート,リング若しくは同様の構成部分の間,又は防護材料の構成部分を貫

通する穴の間のすき間の寸法は,6.2 

図 に示すゲージを 7.9.1 に規定する方法によって適用するときに

ガーメントを貫通しないように決める。

5.7.2 

刃の突刺し,水準 1  性能水準 1 のガーメントの防護領域の材料は,7.9.2(2.45 J)によって試験

するとき,ナイフの衝撃による突刺しに抵抗する。刃の侵入深さの平均は,10 mm を,単一の侵入深さは,

17 mm

を超えてはならない。

5.7.3 

刃の突刺し,水準 2  性能水準 2 のガーメントの防護領域全体にわたって突刺しに対する抵抗を与

える。表面のいずれかの部分を 7.9.2(4.9 J)によって試験するとき,刃の侵入深さの平均は,12 mm を,

単一の侵入深さは,15 mm を超えてはならない。

5.8 

水準 のガーメントの切創抵抗  ガーメントの最小防護領域全体にわたって切創に対する抵抗を与

る。試験は,7.10 による。平均切創力は,50 N 以上とする。金属リング又は金属プレートによって製造さ

れているガーメントは,この要求事項の対象外とする。

5.9 

金属リングの引張強さ  性能水準 1 のガーメントに適用される 7.11 の方法によって試験するときの

鎖かたびら防護材料の引張強さは,100 N の力を加えてもリング又はつなぎ目に破断又は開口を生じない

程度のものでなければならない。7.11 によって試験するとき,200 N の力を加えたとき性能水準 2 のガー

メントのリング,つなぎ目又はプレートに破断又は開口を生じることがあってはならない。

5.10 

防水性(任意項目)  ガーメントを製造するための材料又は被覆材料は,7.12 によって 200 kPa の圧

力を加えて試験するときに水を通してはならない。

6. 

試験装置

6.1 

試験機の精度  試験機は,測定する特性を±1  %の精度で測定できるものとする。

6.2 

すき間ゲージ  性能水準 1 のガーメントのすき間を試験するためのゲージは,JIS T 8121-1 の 5.5 

適合するものとする。

性能水準 2 のガーメントのすき間を試験するためのゲージは,鋼製とする。

図 にそのゲージを示す。


9

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l

1

  150

±5 mm

l

2

  50 mm

以上

l

3

    8

±0.5 mm

l

4

    2

±0.05 mm

l

5

  12.5

±0.1 mm

  4  性能水準 2 のガーメントのすき間試験用ゲージ

6.3 

ナイフの衝撃突刺し試験装置

6.3.1 

原理  ガーメントの防護材料の試験は,誘導落下ブロック内に保持された標準ナイフ刃を用いて繰

り返し衝撃を与えることによって行う。試験装置の構成部品を

図 に示す。設計は,規定ではない。試験

片サポート,落下ブロック及び試験用刃物の詳細については,次の箇条による。

なお,衝撃後にブロック及び試験用刃物を取り除くための手段などの設計詳細,及び必要な安全措置は

示していない。


10

T 8120

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1

  テーブル

2

  基板

3

  支柱

4

  ブラケット

5

  ガイドロッド上端部固定ブロック

6

  電磁解放装置

7

  落下ブロック(刃物保持ブロック)及び試験用刃物

8

  ガイドロッド

9

  ガイドロッド下端部固定ブロック(落下ブロックは,通過する。)

10

  試験片

11

  傾け装置

  5  ナイフの衝撃突刺し試験装置

6.3.2 

刃物保持ブロック  図 に刃物保持ブロックを示す。

ブロック内に保持される試験用刃物が突き出す部分の長さは,40±1 mm とする。

刃先の位置は,ブロックの中心線から距離 l

4

だけ隔てるものとする。中心線は,ブロックの重心を通ら

なければならない。ブロック及び刃の重心は,刃先の 65±1 mm 上にあるものとする。

ブロックは,電磁石によって初期位置に保持するものとする。また,4 個のホイール又はベアリングを

もち,2 本のガイドロッド上を自由に動くものとする。

ブロックを投下する高さを適宜設定し,

ブロック及び試験用刃物の運動エネルギーが 2.45±0.1 J 又は 4.9

±0.2 J になるようにガーメント材料に衝突する直前の刃先の速度を調整する。


11

T 8120

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1

  ガイドロッド

2

  ホイール又はベアリング

3

  ブロック

4

  正しい質量分布にするための切抜き部分

5

  ブロックと試験用刃物を合わせたものの重心

6

  試験用刃物

l

1

 100

± 1 mm

l

2

  65

± 1 mm

l

3

  40

± 0.1 mm: 例外を 7.9.2 に示す。

l

4

  5

± 0.1 mm

l

5

  75

±  1 mm :  ガイドロッドの中心点間距離,規定されないブロックの幅ではない。

質量    1 000  ± 5 g

上記以外の寸法は規定しない。

  6  刃物保持ブロック

6.3.3 

試験用刃物  試験用刃物は,図 に示す縦断面及び寸法とする。また,47±2 HRC を超える硬さの

冷間鍛造ステンレス鋼を材料として製造する。刃の縁は,まっすぐで,かつ,鋭利なものとする。各突刺

し試験の前に,仕様によっているものとする。

備考1.  刃物の縁は,機械研磨の後,油と(砥)石を用いて手仕上げによって平滑,かつ,鋭利にす

る。


12

T 8120

:2005

2. 

試験用刃物は,ここに規定する寸法を満たし,かつ,JIS Z 2245 によって測定される硬さが

規定のものであれば,炭素鋼など他の鋼材による製品を,7.9.2 に規定する各突刺し試験ごと

に使い捨てにしてもよい。

α

1

  刃先と峰との角度            : 30±1  °

α

2

  刃先のきょう(夾)角    : 30±1

l

1

  刃物の長さ

: 65 mm

以上

l

2

  刃物の幅

: 20

±0.5 mm

l

3

    刃物の厚さ

    : 1.5±0.05 mm

  7  試験用刃物

6.3.4 

試験片及び支持具  図 に試験片の支持具を示す。試験片は,トレーによって支持する。トレーの

内のり寸法は 300 mm×300 mm 以上,深さ 100 mm 以上とする。トレーには,人肉を模擬したプラスチッ

ク塊を上端まで充てんする(6.3.5 参照)

試験片の大きさは,400 mm×400 mm 以上とする。また,それぞれの質量が 400±10 g である 8 個の分

銅によって張力を加える。試験片は,外径 800 mm 以上の輪の上にかけ渡した糸の上に置く。輪及びトレ

ー上端の距離を適宜調整して,トレー側面の中点から 90°の角度において,ガーメント材料からかけ渡さ

れた糸がプラスチック塊の表面から 30±15  °の角度で下傾するようにする。

糸は,輪の上に固定できるリングに通す。

試験片,トレー及び輪を一体として,水平面から 30±2  °の角度で傾斜できるように処置する。


13

T 8120

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a)

 側面図

b)

 上面図

1

  試験片

2

  ブロック

3

  トレー

4

  クランプ

5

  つりひも

6

  輪に取り付けたリング

7

  輪

8

  おもり

9

  傾け装置

a

  つりひもとブロック表面との角度: 30  ± 15 °

  8  試験片の支持具


14

T 8120

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6.3.5 

人肉を模擬したプラスチック塊

6.3.5.1 

原理  試験用刃物による衝撃のときにガーメント材料を支持する材料は,人肉を模擬したものと

する。この材料は,変形可能で非弾性のものとする。その慣性特性は,人肉と同様であるものとする。6.3.5.2

で規定されている密度及び変形特性をもつ材料であればいかなる材料でもよい。不乾性油中に低密度粉末

を拡散させ,柔らかい塊としたものを利用すれば便利である。それは,そのような塊の性質が温度に依存

するからである。

6.3.5.2 

非弾性プラスチック材料(プラスチック塊)の性質  材料の密度は,1 000 kg/m

3

∼1 500 kg/m

3

する。

備考  そのような材料は,白色とうもろこし粉を流動パラフィン(日本薬局方)と混合して作っても

よい。1 kg の粉に対して約 170 mL(密度 0.84∼0.86)のパラフィンが必要となることが知られ

ている。混合物が硬すぎる場合にはパラフィンの量を増やせばよく,逆の場合には粉の量を増

やせばよい。6.3.5.3 によって試験する場合,くぼみの平均深さは 20±2 mm となる。プラスチ

ック塊は,試験片と同じく試験前に温度 20±2  ℃,相対湿度(65±5)%の環境に 48 時間以上

保存する。

6.3.5.3 

プラスチック塊の流動性質の確認  試験片を支持するトレーの上端まで,プラスチック塊を完全

に充てんする。気泡の発生を最小限にする。トレーは,恒温槽で 20±1  ℃に 24 時間以上保存する。

プラスチック塊を含有するトレーは,コンクリート床などの強固な基台の上に置くものとする。63.5±

0.05 mm

の直径及び 1 043±5 g の質量をもつ鋼球を支持するための投下機構を設ける。鋼球の下面が,充

てんされたトレーの表面の 2 000±5 mm 上になるように調整する。鋼球の落下点では,表面は 1 m に対し

て±50 mm の精度で水平とする。鋼球をプラスチック塊の上に 10 回投下する。落下点とトレーの縁との

距離は 60 mm を超え,落下点と他の落下点との距離は 90 mm を超えるものとする。乱されていない材料

又は箱の縁に対するそれぞれのくぼみの中心の深さを±0.5 mm の精度で測定し,圧こんの平均深さを算出

する。

くぼみの平均深さが 18 mm∼22 mm であれば,プラスチック塊を使用保存温度で使用してもよい。この

結果が得られない場合は,トレーを異なる温度で再保存するか,材料をより多くのパラフィン油若しくは

粉と再混合するか,又は材料を廃棄する。

プラスチック塊の性質は,エプロン試験片若しくは一群のエプロン材料試験片を試験する前に常に確認

するか,又はそれ以上の頻度で確認する。

6.4 

金属リングの引張強さ試験装置  試験される金属リングに挿入できる 2 本の金属ロッドによって装

置を構成する。装置が金属ロッドを分離する力は,性能水準 1 のガーメント材料では 100±10 N,性能水

準 2 のガーメント材料では 200±10 N でなければならない。装置は,円滑に,2 秒∼10 秒の時間で最大の

力に達する。最大の力を維持しなくてもよい。金属ロッドの直径は,性能水準 1 の材料では 1.2±0.1 mm,

性能水準 2 の材料では 2±0.2 mm でなければならない。ロッドを挿入するすき間がこれより小さい場合に

は,ロッドをすき間にきっちり挿入できるようにそのサイズを縮小する。

この試験の基礎となる原理及び使用可能な装置の種類については,

附属書 による。

6.5

切創抵抗試験装置  切創抵抗測定装置は,JIS T 8052 に適合するものとする。

6.6 

防水性  透水性測定装置は,JIS L 1092 の静水圧法の 法(低水圧法)に適合するものとする。


15

T 8120

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7. 

試験手順

7.1 

一般  この規格によって行うことが要求される一連の測定ごとに,対応する最終結果の不確かさの

推定値を決定する。この不確かさ(U

m

)は,試験報告において“U

m

=±x”の形で示す。試験成績が“合

格”であるかどうかを判定するときに不確かさを使用する。例えば,ある値を超えることが要求されてい

る場合に,最終結果から U

m

を引いた値が合格水準よりも低ければ,試験は無効とする。

7.2 

試験片  製造業者又は販売業者は,試験試料をラベル及び製造業者提供情報とともに提供する。7.3

7.12 の手順によって試験する前に,製造業者によって供給される製造業者提供情報中の指示によって試

験品目を 5 回洗浄し,消毒し,乾燥させる。

7.7

7.12 に用いる試験片を試験する前に,試験片を温度 20±2  ℃,相対湿度(65±5)  %の環境に 48

時間以上保存する。試験は,同じ環境内で行うか,又は試験片を保存環境から取り出した直後に行う。

7.3 

無害性  ガーメントを目視によって,かつ,手作業で検査し,硬いか又は鋭利な縁,縫合部,留め

金などの使用者又は他の人体を傷付ける可能性がある部位及び附属品の有無を確認する。製造業者提供情

報を調べてガーメントに使用されるアレルギー誘発性材料又は感作性のある材料リストを把握する。検査

の結果を記録する。

7.4 

サイズ表示  ガーメント,固定システム及びアジャスタの寸法を測定し,ガーメント上に表示され

たサイズ及び製造業者提供情報と比較し,

ガーメントが表示と与えられた情報に対応しているか判定する。

適切な人体の寸法をもつ被験者にガーメントを合わせることによって検査してもよい。検査の結果を記録

する。

7.5 

防護領域の寸法の測定

7.5.1 

性能水準 のエプロン  表示寸法の範囲で最大の伸長,胸囲及び胴囲の使用者について,5.3.1 

表 によって防護領域の最小寸法を算定する。エプロン中の防護を与える材料の範囲を判定し,その寸法

を測定する。測定を行う前にエプロンを水平な表面の上に置き,手ですべての方向に伸ばし,表面積を最

大にする。エプロンが三次元構造をもつ場合には,測定は湾曲した寸法をもつ外面上で行う。

5.3.1

の寸法 l

1

l

2

及び l

4

は,腰の線 A-A から測定する。この線の位置は,適切な被験者にエプロンを

合わせ,かつ,調整し(

附属書 の 6.2),腰骨上の水平面として定義される腰の水準を表示することによ

って決定する。

算定された最小寸法と測定値とを比較した結果を記録する。

7.5.2 

性能水準 のエプロン  エプロンを水平に置き,手ですべての方向に伸ばし,表面積を最大にする。

エプロンは張力を受けない状態に保つ。

図 の寸法 l

1

l

3

及び l

5

l

7

を,精度±1  %の定規で測定する。

測定値をミリメートル単位で報告する。

7.5.3 

防護ズボン及び防護ベスト  ズボン及びベストの防護領域寸法は,エプロンと同様の方法(7.5.1

参照)で測定する。ズボン若しくはベストの支持材料を切断し,材料を平らな状態にするか,又はズボン

若しくはベストが適切な被験者に着用されている状態で測定することが必要となる場合がある。

算定された最小寸法と測定値とを記録し,それらを比較して防護領域が適合しているかを判定する。

7.6 

エプロン及び防護ベストのサポート並びに締め具の試験

7.6.1 

一般  ガーメントをダミー又は被験者に着用させ,サポート及び締め具の調整可能範囲を検査して,

それがラベルに示されている使用者のサイズ範囲に適合しているかを判定する。

固定システムは,製造業者提供情報によって調整する。ばねはかり,押込ゲージ又は他の適切な器具を,

防護材料の 10 個以上の点に順次に取り付け,順次試験する。これらの取付け点は,ウェストラインより上

の側面上,及びガーメント下端沿いに位置する。各点で,防護材料表面に接し,かつ,端とほぼ直角の方


16

T 8120

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向に 30±2.5 N の力を加えて 30 秒以上力を保持する。

力を加えている間に,エプロン又はベストの胸上中心点の移動を測定する。ガーメント及びそのアジャ

スタの位置は,ある力を加えてから別の力を加えるまでの間に修正する。

試験の結果を試験報告に記録する。

7.6.2 

防護ズボンのサポート及び締め具の試験  ガーメントをダミー又は被験者に着用させ,サポート及

び締め具の調整可能範囲を検査して,それがラベルに示されている使用者のサイズ範囲に適合しているか

を判定する。

固定システムは,製造業者提供情報によって調整する。ばねはかり,押込ゲージ又は他の適切な器具を,

防護材料の 10 個以上の点に順次に取り付けて試験する。

試験中に加えられる力が使用中に加えられる力と

同様の方向にガーメントを引くようにこれらの点を選ぶ。各点で,防護材料表面に接し,かつ,端とほぼ

直角の方向に 30±2.5 N の力を加えて 30 秒以上力を保持する。

荷重下のガーメントの移動を観察し,緊縛システムの妥当性を判定する。

7.6.3 

留め金のずれの試験  試験のために,ガーメント上の 6 個の留め金及び附属する各種ストラップを

準備する。これらは,清潔で乾燥していることとする。3 個を 30±5 秒,80±2  ℃の豚脂に浸し,試験前

に 30 分以上,余分な脂を抜いて冷却するためにつるす。3 個を試験直前に 30±5 秒,20±2  ℃の水に浸す。

試験のために,留め金に固定されているストラップを強固なサポートに固定する。滑動ストラップを,

ガーメントの締め具を締めるように留め金ごしに 100±10 mm 引く。その後ガーメントに取り付けられて

いる滑動ストラップの端を 30±5 秒,100±5 N の力で引き続ける。留め金ごしにストラップが移動した場

合は,それを測定する。

7.7 

人間工学的試験

7.7.1 

一般  ガーメントを試験して,人間工学上の良好さについて判定する。試験員がガーメントのサイ

ズ,フィット及び人間工学上の特性を判定する。そのとき,ガーメントを着用し,幾つかの規定された行

動を行う被験者団に質問して判定する。

7.7.2 

被験者団  被験者団の構成員は,防護ガーメントの常用者でなくてもよい。ガーメントの使用者が

もつと予想される体格をもつ医学的に健康な 5 人以上の男性及び 5 人以上の女性を選ぶ。被験者の人体の

寸法を測定して,小形,中形及び大形のガーメントを評価できるような人体の寸法をもつ被験者を選ぶ。

7.7.3 

手順  3 人の被験者がガーメントを着用し,製造業者提供情報中の製造業者の指示によってそれを

調整する。被験者は,ガーメント,ストラップ及び締め具による拘束並びに不快感を評価するための動作

を行う。その動作は,ガーメントの使用者が行う典型的な動作でなければならず,次のものを含む。

−  腕を前方から頭上に上げる。

−  腕を側方から頭上に上げる。

−  床上約 300 mm の場所に置かれた物体を取り上げるかのように,腕を伸ばしたまま胴を前方に曲げ

る。

−  脚を曲げ,前屈して地面の上の物体を取り上げる。

−  ひざまずき,床張り作業をするように手を体の前の地面に置く。

−  高さ約 800 mm の作業面の前に立ち,両手で小さな物体を扱う。

−  歩く。

−  階段を上る。

−  ガーメント使用者の典型的な動作であると考えられるその他の動作を行う。

各動作を数回行った後,被験者は

表 の採点基準によって回答を報告する。


17

T 8120

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  2  人間工学的試験の採点基準 

0

拘束感も不快感もない。

1

動作の軽い拘束感があるが,不快ではない。

2

過大な動作を行うと拘束感があり,不快感を感じる。

3

かなりの拘束感及び不快感がある。

4

労力と不快感なしでは動作が不可能である。

5

動作が不可能である。

各被験者が記録した得点を合計し,行われた動作の数で除す。最初の被験者団の中に 3 以上の平均点を

与えた者がいれば,その者の数と同数の被験者が更に試験手順を実行する。すべての被験者の得点の平均

値を算定する。

被験者の各得点及び得られた平均値を試験報告に含める。

7.8 

質量の測定  ガーメント防護領域の材料試験片を準備する。試験片の長さ寸法及び質量を測定し,

単位面積当たりの質量を算定する。防護領域内の材料すべての組合せについてこの手順を繰り返す。

結果を試験報告に含めなければならない。

7.9 

突刺し試験

7.9.1 

すき間  JIS T 8121-1 の 5.5 に規定するゲージ No. 2 を用いて,性能水準 1 のガーメントのすき間

を検査する。性能水準 2 のガーメントは,

図 に示されているゲージを用いて試験する。ゲージに 10±0.5

N

の力を加えてすき間に押し込む。

試験中にゲージを押し込むにつれて試験片が曲がり折り重なる場合も認容してよい。それぞれの種類の

すき間について 5 例を試験する。ただし,すき間の数が 5 未満である場合には,この限りではない。すき

間が柔らかいプラスチック材料,ゴム又は同様の化合物によって被覆又は充てんされている場合にもすき

間を試験する。

ゲージが防護材料を貫通したすべての例及び位置を試験報告に含める。

7.9.2 

ナイフの衝撃突刺し試験  性能水準 1 のガーメントのナイフ衝撃突刺し試験を,次の方法で行う。

公称落下高度 250 mm で 2.45±0.1 J の衝撃を与える。性能水準 2 のガーメントの試験では,公称落下高度

500 mm

で 4.9±0.2 J の衝撃を与える。防護領域内のすべての種類の構造について,水平な材料上でそれぞ

れ 10 回の衝撃を与えて試験する。

電磁機構の高さを適宜調整する。油を塗布した鋭利な試験用刃物を用いて試験片を無作為に衝撃するこ

とによって 10 回の突刺し試験を行う。試験片及び支持材料は水平にする。各試験の後で試験片を刃に対し

て約 35°回転させ,10 種の異なる衝撃の向きを与える。衝撃位置は,トレーの縁から 80 mm 以上離れて

いなければならない。損傷を受けていない試験片は,平滑なプラスチック塊の上に置く。

トレー,試験片及び輪を水平面に対して角度 30±2  °傾け,一連の衝撃を再び与える。装置を傾ける前

に,輪上で糸を通すリングを輪に固定する。エプロン材料のたて軸をトレーの傾けた面の下向きにして 5

回の試験を行い,同じ軸をトレー面に対して横向きにして更に 5 回の試験を行う。各試験の前に,トレー,

試験片及び輪を試験用刃物に対して約 60°回転させる。刃保持ブロックが試験片に打撃を与えないことを

確認する。ある特定の向きにおいてブロックが打撃を与える場合は,ブロックからの刃の長さを増加させ

る。この長さは,

図 の寸法 l

3

に相当する。刃の突き出た部分の長さは,通常 40±1 mm とする。

各試験の後で,試験片の下に出ている刃の背の長さを精度±0.1 mm で測定する。水平状態での試験及び

傾けた状態での試験における平均突刺し長さを算定する。いずれの試験についても,平均値及び最大突刺

し長さを報告する。


18

T 8120

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7.10 

切創抵抗試験

7.10.1 

一般  性能水準 1 のガーメントの切創抵抗試験は,JIS T 8052 に規定する方法による。

7.10.2 

試験片  試験片は,35 mm×100 mm 以上の試料から切り取り,防護領域のそれぞれの種類の構造

を表すものとする。互いに 60°の角度をなす 3 個の試験片からなる試験片群を,試験切創の向きが互いに

120

°の角度をなすように切り取る。2 セット以上の試験片群が必要になる。それぞれの向きについて切創

力を測定し,平均値を算定する。

試験のために多層構造の材料の試験片を準備するときには,試験片の長い側面を縫い合わせるか又はス

テープラでとじることによって層の通常の向きを保つ。そのような試験片を準備するときには,試験片保

持器の曲率を考慮する。

7.10.3 

試験片の取付け  切り取って準備したばかりの試験片を試験片ホルダー上の接着テープの上に置

き,伸ばさずに押し付ける。

7.10.4 

試験の回数  各測定で 15 回以上の切創が行われる。この測定は,試験片の三つの向きのそれぞれ

について行われる。切創の向きに対する材料の感度が高いとみなされる場合には,最初の 3 個の試験片の

中間の向きをもつ試験片を更に準備する。これによって 6 種の異なる切断力の値が得られる。三つ又は六

つの値の平均値を算定する。

それぞれの切断力の値及び算定した平均値を,試験報告に含める。

7.11 

金属リングの引張強さ試験  リングにかける規定の加重を調整する(5.9 参照)。1 対の連動するリン

グ,板の対向する側面上にある 1 対のリング,又は同様のリングに金属ロッドを固定する。リングを引き

抜く力を円滑に,かつ,徐々に加えて,2 分∼10 分の時間内に 0 N から 100 N 又は 200 N まで増加させる。

損傷を受けていないガーメントに対して,無作為に選んだ位置で 50 回の試験を行う。100 N 未満又は 200

N

未満の力によってリング又は板が開口又は破断した例があればその例をすべて報告する。破断が生じた

ときに加えられた力を報告しなくてもよい。

7.12 

防水性試験  防透水性試験は,JIS L 1092 の静水圧法の 法(低水圧法)によって,300 kPa の圧力に

耐えることができる装置を用いて行う。5 個の試験片を用いる。圧力は,60 kPa/分∼100 kPa/分の割合で加

える。

試験片表面の 3 か所に水が現れたときの圧力,若しくは試験片が破裂したときの圧力を記録するか,

又は 300 kPa の圧力で透水していないことを記録する。

各結果の平均値を算定し,すべての値を報告する。

8.

表示  防護ガーメントには,少なくとも次の事項を容易に消えない方法で,かつ,明確に表示する。

−  製造業者若しくは販売業者又はその商号

−  ガーメントの種類,商品名,又は品目を一意的に特定する品番の製造業者による指定

−  サイズ表示

−  ガーメントの性能水準

−  ある面が外面であることを示すマーク(このことが明らかでない場合)

−  ガーメントの外側の,性能水準を示す適切な図記号

−  製造業者提供情報又は適切な図記号[

図 10 の c)]を参照させるための指示

−  この規格の番号

実際的に有用である場合には,次の情報をガーメント上に示す。

−  想定されるガーメントの使用法の種類。想定されていないガーメントの使用法の種類。

−  防護が与えられている,ハンドナイフ使用に固有の危険。


19

T 8120

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−  防護が与えられていない,ハンドナイフ使用に固有の危険。

−  ガーメント中の布はく及び材料の種類。

9. 

製造業者提供情報  ハンドナイフに対する防護を与えるガーメントには,使用に関する情報及び指示

を添付する。指示は正確で分かりやすいものでなければならない。指示には少なくとも次の情報を(特定

のガーメントに該当する場合には)含める。

−  8.で要求する情報。

−  製造業者又は輸入業者の所在地(省略してはならない。

−  ガーメントに適する作業の種類の記述。

−  この規格の下でのガーメントの性能水準の説明,並びにガーメント及び防護領域中の防護材料の範

囲の詳細な記述。

−  使用者にとってのガーメントの正しいサイズを選ぶ方法,フィットを検査する方法。

−  ガーメントを位置決めし,かつ,調整する方法,及び分割エプロンのスリットの最高点は生殖器よ

り下でなければならないという警告。

−  要求する防護を得るために他の個人用防護装具を着用することに関する指示。

−  防護は,ハンドナイフによる切創と突刺しとに限られるという警告。

−  水準 1 のガーメントは,偶然の突刺しに対する防護を与えないという警告。

−  体に向けた切創動作が生じる場合には,水準 1 のガーメントを使用してはならないという警告。

−  極細刃及び細刃ナイフの使用に関連する危険についての警告。この警告は,

図 に示す形式の図へ

の参照を含まなければならない。ガーメントとともに使用すべきナイフの最小幅 l

2

は,ナイフ先端

から 20 mm の位置における最小幅として記述する。

−  ガーメントを供給された形式においてだけ使用しなければならないという警告。

−  ストラップの緩んだ端を固定し,自由端の長さを 50 mm 以下に縮めなければならないという警告。

−  ガーメントの性能を重大な程度に損じる可能性のある,温度などの環境条件の変化についての警告。

−  傷害に対する完全な防護を与えるガーメントはないという警告。

−  ガーメントの性能を損じる可能性のある汚染又は誤用についての警告。

−  ガーメントに使用されている構成材料のうち,アレルギー反応を引き起こす可能性があるか又は感

作性物質であるものについての警告。

−  ガーメントの使用によって傷害のリスクを受ける可能性がある作業の種類についての警告。特に,

動力工具及び可動部をもつ機械に関連する危険,並びに導電性ガーメントについてはガーメントが

導電性であることを記述する。

−  ガーメントの洗浄及び消毒方法についての指示。特に,

ガーメントに損傷を及ぼす処理を記述する。

−  磨耗及び性能低下を発見するためのガーメントの検査についての指示。磨耗が発見された場合に行

うべき試験及び処置を示す。

−  製品を修理するか又は放棄するかを決定するために使用すべき基準。

−  防水性エプロン及び防水性カバーの洗浄並びに消毒方法についての指示。

−  防水性エプロンとともに着用すべき他の個人用防護装具についての助言。


20

T 8120

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l

1

  20 mm

l

2

  数値は,製造業者又は販売業者が指定

  9  ナイフ先端の図

10. 

図記号  この規格の要求事項を満たすガーメントには,図 10 に示す図記号を表示する。図記号は,ガ

ーメント上及びそれを供給するための包装上に示す。防護図記号の場合は,記章の幅は 30 mm 以上とする。

図 10 の a)に示す図記号を,すべての水準 1 のガーメントの外部に示す。

図 10 の b)に示す図記号を,すべての水準 2 のガーメントの外部に示す。

 10  図記号

(ISO 7000-2619

参照)

a)

切創からの防護

(ISO 7000-2483 

参照)

b)

切創及び突刺しからの防護

(ISO 7000-1641

参照)

c)

取扱説明書参照


21

T 8120

:2005

附属書 A(参考)リスク評価,各種サイズのエプロン及びガーメントの選択

とフィッティングとに関する助言

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

A.1

適用範囲    この附属書は,特定の仕事に対していずれの種類及びいずれの性能水準のガーメントが適

するかを明らかにするためにリスク評価を行う使用者,雇用者及び製造業者を支援するために提供する。

A.2

内容    この附属書は,個々の作業者の身体寸法の測定及び防護エプロン又は他のガーメントによって

カバーされるべき作業者の体の領域の判定に関する情報,並びに最大の防護を与えるためのエプロンの作

業者へのフィッティングに関する助言を含んでいる。要求される防護水準及び最適であると考えられるガ

ーメントの種類を判定する方法に関する助言が与えられる。

A.3

リスク評価  使用すべきガーメントの種類及び要求される防護水準の選択を行う前に,使用者の仕事

のリスク評価を行うこととする。

リスク評価は,次のステップを含んでいる。

ステップ 1  主要な危険の特定

−  ナイフの形状とその鋭利さ

−  工作物の切断,工作物の定位置への据え置き,切断された工作物の除去,及び他の関連する作業の

間に行われる,使用者の体に対するナイフの動き

−  工作物のじん(靭)性,及びナイフによって加えられる力

−  工作物の種類

−  可動部をもつ機械の存在

−  動力工具の使用

−  通常の労働における電撃源の存在,又は機械,工具若しくは照明が故障する可能性

−  労働又は環境に関連する,化学的又は生物学的な危険有害性

ステップ 2  副次的な危険の特定

−  作業場の質(作業台の設計,履物と床との相互作用,集電器などの妨害物体の存在,注意を乱す突

発的又は連続的な事象など。

−  照明の状態

−  過度の熱,寒さ又は騒音などの環境条件

−  作業者の技能及び訓練の水準

−  要求される作業速度及び作業速度を速める誘因

ステップ 3  リスク推定−重篤度

−  傷害の重篤度は,工場事故並びに疾病記録,同種工場及び産業全体の記録を調査して考察する。記

録を検査するときに,防護用具の使用を考慮する。

−  傷害は,次のような等級に分類するのが望ましい。


22

T 8120

:2005

−  軽微:  完全に可逆的であり,かつ,不休業災害である。

−  中程度:  可逆的であるが,3 日未満の休業災害となる。

−  重篤:  不可逆的であり,3 日以上の休業災害である。再び業務に就けなくなる場合がある。

−  致死

−  傷害の正確な身体部位を分析し,行われる作業と相関させなければならない。

−  信頼性のあるデータの欠如は,安全性の証明とはならない。

ステップ 4  リスク推定−確率

−  作業者が危険にさらされる時間

−  防止された危険事象の数。例えば,使用された防護用具の上のナイフによるきずの数によって示さ

れる。

−  個人用防護装具によって防護されていると感じる作業者,又は個人用防護装具が改善されたと感じ

るときに作業方法を変えるかもしれない作業者に起因するリスクの補整。

−  事故及び疾病記録の連続的なモニタリングからの情報

−  安全な作業方法からの逸脱又は給与若しくは賞与制度の変更の結果としての,作業方法における変

更の観察

−  安全な作業方法及び個人用防護装具の正確な使用を維持するための監督における効果の測定

ステップ 5  リスク評価−リスクの低減

−  リスク及び関連する要因を評価する。

−  作業のすべての面における変更がリスクを低減するとみなさなれるものとする。

−  傷害のリスクが残っている場合は,個人用防護装具の使用を評価する。

−  各種個人用防護装具の使用によって達成されると予想されるリスクの低減を評価する。

−  からみ合い,

障害又はアレルギー反応などの,

個人用防護装具の使用から生じるリスクを評価する。

ステップ 6  残留リスク

−  残留リスクを評価し受け入れるか,又は再度ステップ 5 に戻る。

−  すべてのリスク低減措置を維持するためのシステムを確立する。

−  作業者に,作業に関連するリスクについての情報を与える。

−  予想される事故及び傷害の程度を緩和するために,適切な器具,手順及び訓練を確立する。

ステップ 7  使用すべき個人用防護装具仕様

−  要求される突刺し抵抗性能水準

−  要求される切創及び切り付けに対する抵抗性能水準

−  カバーする体の領域

−  特定の仕事において,十分な緊縛を与えながら作業を快適,かつ,容易にするために必要な支持及

び固定システム。

−  感電防止に対する要求事項(非導電性材料)

−  流体及び/又は生物学的遮断用材料に対する要求事項(不透水性)

−  作業に関連する洗浄及び消毒についての要求事項

−  化学上,温度上又は衛生上の理由による,他の個人用防護装具を着用する必要性,及びその適合性

A.4

ナイフの形状  防護エプロンを着用しているときに体に重篤な傷害を受けるリスクと,使用するナイ

フの形状との間には顕著な相関がある。作業場で作業技術,防護服及びナイフの形状を監視する。

附属書


23

T 8120

:2005

A

表 に 3 種のナイフの区別を示す。

極細刃ナイフは危険であり,仕事をより安全に行える代替技術を使える場合は決して使用してはならな

い。極細刃は,ほとんどのエプロン材料及び通常の鎖かたびら手袋を深く貫通することができる。

ナイフの先端が体に向けられる作業では,細刃ナイフを性能水準 1 のガーメントとともに使用してはな

らない。

重い動物の枝肉を扱う作業では,性能水準 2 の防護が要求される。しかし,性能水準 2 のガーメントを

極細刃ナイフとともに使用してはならない。

附属書   1  工場で使用されるナイフの先端から 20 mm の刃幅

単位  mm

ナイフタイプ

先端から 20 mm の刃幅

  超細刃

8

未満

  細刃 8

以上 12.5  以下

  広刃 12.5

超え

A.5

個人用防護装具性能水準及びガーメントの種類  この規格における防護エプロン及び他のガーメン

トについての要求事項は,二つのガーメント性能水準にかかわるものである。防護ガーメントを選択する

場合には,ナイフの形状を注意深く考慮する必要がある。作業場でナイフの形状を監視する。細くなりす

ぎたナイフは廃棄するという厳格な方針を適用する。

a) 

性能水準 1 のガーメントは,ナイフが広刃であり,かつ,切創動作が体に向けて行われない仕事にお

いて十分な防護を与えるものとする。分割エプロンは,大たい(腿)より下の部分に及ぶ防護が要求さ

れ,かつ,作業において頻繁に胴を曲げる動作又は頻繁な脚(足首とひざ頭の間)及び足(足首から

下)の動作が要求される場合の使用に特に適している。エプロンを足に結ぶ締め具を付加すればエプ

ロンを着用するときの疲労を減らし,個人用防護装具の受け入れ可能性を増やすことができる。

b) 

性能水準 2 のガーメントは,一般に畜殺場及び肉切り工場で十分な防護を与えることが知られている。

しかし,ある種の作業では,人体のより広い領域にわたって防護を与えることが必要であることが知

られている。特に,切断作業が胸の上部及び肩以上の高さで行われる場合には,これらの部分を防護

する必要がある。

c) 

防護ズボンは,通常,ひざのやや上の部分までで終わるように設計されている。これらのガーメント

は,シート床張り作業者,ひざ当てを着用する作業者,及びひざまづいた姿勢で作業する作業者に特

に適している。防護ベストは,ナイフを胸上部以上の位置で使用する作業者に特に適している。防護

ベストは腰の下 100 mm より下の位置で終わらなければならない。また,適切なズボンとともに着用

された場合は,胴と大たい(腿)部全体とを防護するものとする。

A.6

エプロンのサイズ表示及びフィット

A.6.1

一般  この規格は,ガーメントが適合すると想定される使用者の寸法によってサイズ表示を行うこ

とを要求している。要求事項では,防護材料の最小領域が規定されている。リスク評価によってより広い

防護材料の領域が必要であることが示される場合がある。防護ガーメントを選択するときに,通常ガーメ

ントの下に着用される服を考慮する。

エプロンのサイズは,人体の前面を胸骨の中央から大たい(腿)部の中央の高さまで十分カバーできるよ


24

T 8120

:2005

うに設定する(次を参照。

使用者は,エプロンを着用し,エプロンを正しい位置に保持するためにストラップを調整する。必要で

あれば,腰ベルト取付具によって高さを調整する。その後,使用者は,作業で通常行う一連の動作を行う

こととする。エプロンの上端が十分に堅く,たるみを最小にするようにストラップが正しく調整されてお

り,防護されるべき体の領域がカバーされていることを,監督者又は他の適切な人が確認する。

A.6.2

エプロンによる体の最小防護範囲  エプロンの上端は,胸骨の中央点と特定の関係をもたなければ

ならない。この点は,指で鎖骨の間の胸骨の上端,及び下部ろっ(肋)骨の間の胸骨の下端を探ることによ

って決定する(

附属書 図 1)。通常の肉切り作業では,エプロンの上端は胸骨の中央点以上の高さになけ

ればならない。ナイフが胸の中央より高い位置でしばしば使われる場合は,より高いエプロンを用いるこ

とが適切である。それは,心臓と主要な動脈を防護することが重要だからである。突刺し傷の危険領域は,

上部では胸骨の上端から肩の上端を越える高さまで広がっている。下端は,大たい(腿)中点以下とする。

大たい(腿)部中点の高さは,着用者が直立している状態で指を大たい(腿)部に沿って広げる場合の中指の先

端の高さにほぼ相当する。

図は,指の位置と胸骨の位置関係を示す。

l

1

は,指間距離の半分。

矢印は,胸骨の中心点レベルである。

附属書   1  胸骨の中心点

A.6.3

エプロンのストラップ  性能水準 2 のエプロンは重く,ストラップの幅が十分ではない場合又はス

トラップが正しく調整されていない場合は,使用者を疲労させることがある。

性能水準 2 のエプロンの着用は,一般に X 形又は Y 形のストラップ,及び腰ベルトを用いて行われる(

2

参照)

。この規格では,すべてのストラップの長さが調整できること,緩んだ端がすべて固定されている

こと,並びに締め具及びアジャスタは意図した場合以外にははずれないことが要求されている。

すべてのエプロンについて,締め具を開くために要求される力は,使用中に締め具に加えられるかもし

れない偶発的な力を超えることとする。

X

形のショルダーストラップの長さは,150 mm 以上調整できるものとする。

Y

形のショルダーストラップの長さは,150 mm 以上調整できるものとする。垂直方向のストラップの

長さは,80 mm 以上調整できるものとする。


25

T 8120

:2005

エプロンの腰ベルトの長さは,200 mm 以上調整できるものとする。特定人物にエプロンを正しく着用

できるように,他の長さの代替ストラップ及びベルトを使用できるものとする。

A.6.4

拡張された防護領域をもつ性能水準 のガーメント  一部の作業者は,胸の上面と肩の前面につい

て性能水準 2 の防護を必要とする。

ガーメントは,

防護材料がこれらの領域をカバーするように製造され,

通常短い背面と長い前面とをもつそで(袖)なしコートのような形をしている。ガーメントは,頭からかぶ

るか,又は体の背面若しくは側面で締める。これによって標準エプロンが与えるすべての防護と,上述し

た付加的な防護が与えられる。ガーメントの質量は,首ではなく肩が担うものとする。ガーメントが着用

者にきっちり合い,かつ,拘束しないように,ある範囲のサイズを使用可能にする。作業条件の変化に対

応できるように,すべてのガーメントについてある程度のフィットの調整を可能にする。


26

T 8120

:2005

附属書 B(参考)金属リング溶接部の不完全さ確認試験

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

B.1

適用範囲  この附属書は,溶接の品質を検査する製造業者及び試験機関に助言するために提供する。

B.2

内容  この附属書は,本体の 5.9 及び 6.4 に規定する試験の基礎となる原理,及び可能な装置の形式

に関する情報を含んでいる。

B.3

試験の背景  エプロンの防護面は,溶接金属線リングによってつながれた金属板,又は鎖かたびら状

に連結された金属線リングによってしばしば構成される。溶接が不完全であれば,これらの材料は見かけ

上は明らかではない弱い領域をもつ可能性がある。溶接部の品質は,溶接部を引っ張ることによって評価

してもよい。

溶接部を試験するために,5.9 に規定する装置を使用する。性能水準 2 のガーメントのほとんどの不良溶

接部は,100 N 未満の力によって破断するが,良好な溶接部は,200 N を超える力に耐える。200 N は安全

性に関する重要なしきい(閾)値ではないが,製造品質と一貫性の尺度となる。同様に,性能水準 1 の良好

な溶接部は,100 N を超える力に耐える。

B.4

試験の原理  2 個の連動するリング,又は板の対向する側面上にあるリングを引き離すために力が加

えられる。リングは他のリング又は板を引っ張り,他のリングの周囲で曲がる。最大の力 100 N 又は 200 N

が加えられたとき,金属線の,すなわち溶接部にかかる張力は 50 N 又は 100 N に近い。

B.5

金属リングの引張強さ試験装置の種類  本体の 5.9 及び 6.4 の要求事項によっている限り,いかなる

装置を使用してもよい。可能な装置の種類についての例を次に挙げる。

a) 

特定の力に設定時間内に到達するように設定できる引張試験装置。これは,改変された布はく又は皮

革試験装置である場合がある。

b) 

破断点に達するまで試験を行い,要求される力を許容される間隔内で一度に加える引張試験装置。力

及び時間を記録する。これは,改変された布はく又は皮革試験装置である場合がある。

c) 

単純な装置であり,片方のリングから 10 kg 又は 20 kg の質量がつるされ,それに連動するリングが支

持されているもの。ガーメントの残余部分の質量を支持して,それが試験される 1 対のリングに作用

しないようにする。

d) 

外向きに作用する 1 対のやっとこを基本として作用する装置。これは,b)  に規定するように装備され

るか,又はトルクレンチに類する機構を基本として装備され,事実上は a)の種類の装置となる場合が

ある。

側方に作用するトルクレンチを基本とするトルクレンチ装置を

附属書 図 に示す。これは,その先端

をなす金属ロッドの間に,おもりを用いて分離力を加えるように設定することができる。そのような装置

は,容易,かつ,迅速に使用できる。しかし,使用前に注意深く検査して,加えられる力が 5.9 に示され

ている制限内にあることを確認する。


27

T 8120

:2005

1  トルク調節アジャスタ

2

  トルクレンチ可動ハンドル

3

  トルク機構が旋回するボルト

4

  試験のための力が加わるトルクレンチ部分

5

  鎖かたびらリングへ挿入する金属棒

6

  ゴムリターンスプリング

7

  固定ハンドル

                              

a)

 トルクレンチペンチ

b)

  力を加える前の金属棒の鎖かたびら中の位置

附属書   1  トルクレンチペンチ


28

T 8120

:2005

参考文献 ISO 

7000

,Graphical symbols for use on equipment−Index and synopsis  


T

附属書 1(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

2005

  防護服−ハンドナイフによる切りきず及び刺しきずを防護するため

,ズボン及びベスト

ISO 13998

:2003,防護服−ハンドナイフによる切りきず及び刺しきずを防護

るためのエプロン,ズボン及びベスト

規定

(

Ⅱ)  国際

規格番号

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ) JIS と国際規格との技術的差異の項

目ごとの評価及びその内容

  表示箇所:本体,附属書 
  表示方法:点線の下線

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の理

及び今後の対策

内容

項目 
番号

内容

項 目 ご と の
評価

技術的差異の内容

ISO 

13998 

1

JIS

に同じ

IDT

2

JIS

に同じ

MOD/

追加,

変更

硬 度 測 定 法 を で あ る

JIS Z 2245

を引用規格

に追加した。EN 規格
を JIS に変更。

ISO 6508-1

を引用規格とするよう I

に提案する予定。 

3

JIS

に同じ

MOD/

追加

定義 2 項目を追加して明確化

4

JIS

に同じ

IDT

5

JIS

に同じ

MOD/

変更

5.1

で“含有されるア

レ ル ギ ー 性 物 質 を す
べて表示する”から含
有 の 可 能 性 と ア レ ル

ギ ー が 起 き た 場 合 の
対 処 法 の 警 告 表 示 に
変更した。

国際規格の要求事項は,実行困難で

り,変更を ISO に提案する。


5

規定

(

Ⅱ)  国際

規格番号

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ) JIS と国際規格との技術的差異の項

目ごとの評価及びその内容

  表示箇所:本体,附属書 
  表示方法:点線の下線

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の理

及び今後の対策

内容

項目

番号

内容

項 目 ご と の

評価

技術的差異の内容

6

JIS

に同じ

MOD/

追加

6.3.3

試験用刃物に,他

の 材 質 に よ る 刃 物 を
使 い 捨 て に す る こ と
を 許 容 す る 事 項 を 追

加した。 
また,防水性の試験方
法に JIS L 1092 の A 法

を採用した。

手仕上げによる研ぎ直しによるばら

きの軽減のため

JIS L 1092

の A 法は国内で用いられ

いるため

ISO

定期見直し時に提案する。

7

JIS

に同じ

MOD/変更

6.6

防水性試験につい

て EN 20811 を JIS L 

1092

に変更した。

JIS L 1092

の A 法は国内で用いられ

いるため

ISO

定期見直し時に提案する。

8

JIS

に同じ

IDT

9

JIS

に同じ

IDT

10

JIS

に同じ

IDT

Annex A

JIS

に同じ

IDT

Annex B

JIS

に同じ

IDT

規格との対応の程度の全体評価:MOD


T

目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

  IDT………………  技術的差異がない。

  MOD/追加………  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  MOD/変更………  国際規格の規定内容を変更している。

IS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

  MOD……………  国際規格を修正している。