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T 8117

:2005

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本保安

用品協会(JSAA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの

申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が改正した日本工業規格

である。

これによって,JIS T 8117:1998 は改正され,この規格に置き換えられる。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本

工業標準調査会は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願

公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。


T 8117

:2005

(2)

目  次

ページ

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

1

4.

  性能

1

4.1

  耐透過性

1

4.2

  液体浸透圧力

2

4.3

  防水性

2

4.4

  変形

2

5.

  品質

2

5.1

  外観

2

5.2

  寸法

2

6.

  材料

3

6.1

  本底部,胴部及び甲部

3

6.2

  裏布及びその他の布

3

7.

  試験方法

3

7.1

  透過性試験

3

7.2

  液体浸透圧力試験

3

7.3

  防水性試験

3

7.4

  変形試験

3

7.5

  物理的性能試験

3

8.

  表示

3

9.

  取扱説明書

4

10.

  製品技術情報

4

 


日本工業規格

JIS

 T

8117

:2005

化学防護長靴

Protective boots for use against chemicals

1.

適用範囲  この規格は,酸,アルカリ,有機薬品,その他の気体及び液体又は粒子状の有害化学物質

(以下,化学物質という。

)を取り扱う作業に従事するときに着用し,化学物質の透過及び/又は浸透の防

止を目的として使用する長靴(以下,化学防護長靴という。

)について規定する。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS S 5005

  長靴

JIS S 5037

  靴のサイズ

JIS T 8115

  化学防護服−分類,表示及び性能要求事項

JIS T 8030

  化学防護服−防護服材料の耐透過性試験

JIS T 8031

  化学防護服−防護服材料の加圧下における耐液体浸透性試験

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

a)

化学防護長靴材料(chemical protective boots material)  化学防護長靴本体に使用される材料(以下,

材料という)

b)

縫合部(seam)  材料間の恒久的な接合部分。

c)

結合部(assembly)  化学防護長靴と化学防護服などの間の恒久的な接合部分又はガーメント間の恒

久的な接合部分。

d)

連結部(joint)  化学防護長靴と化学防護服などの間の非恒久的な接合部分又はガーメント間の非恒

久的な接合部分。

e)

開閉部(closure)  ジッパー,面ファスナーなど,着脱時に使用する化学防護服の開閉部分。

f)

接合部(connection)  結合部(assembly)及び連結部(joint)の総称。

g)

透過(permeation)  材料の表面に接触した化学物質が,吸収され,内部に分子レベルで拡散を起こ

し,裏面から離脱する現象。

h)

浸透(penetration)  化学防護長靴の開閉部,縫合部,多孔質材料及びその他の不完全な部分などを

通過する化学物質の流れ。

i)

軟質ビニル製一般用長靴  胴部,甲部,本底部も軟質ビニル樹脂からなり,射出成形して製造した長靴。

4.

性能

4.1

耐透過性  化学防護長靴の耐透過性は,7.1 によって材料及び縫合部を試験したとき,試験化学物質

ごとに

表 に示すクラスに分類し,結果を 10. b)

で報告する。


2

T 8117

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備考  耐透過性データは,少なくとも JIS T 8030 の附属書 に記載の標準試験化学物質について報告

することが望ましい。

  1  耐透過性の分類

単位  min

クラス

平均標準破過点検出時間

6

>480

5

>240

4

>120

3

> 60

2

> 30

1

> 10

4.2

液体浸透圧力  化学防護長靴の液体浸透圧力は,7.2 によって試験し,試験化学物質ごとに平均浸透

圧力を

表 に示すクラスに分類し,結果を 10. b)

で報告する。

備考  液体浸透圧力データは,少なくとも JIS T 8031 の附属書 又は表 の化学物質について報告す

ることが望ましい。

  2  平均浸透圧力の分類

単位  kPa

クラス

平均浸透圧力

6

>35

5

>28

4

>21

3

>14

2

> 7

1

>3.5

  3  耐液体浸透性試験のための最小限の試験化学物質リスト

単位  質量%

試験化学物質

濃度

硫酸 30(水溶液)

水酸化ナトリウム 10(水溶液)

N-

ブタノール

希釈せず

パラキシレン

希釈せず

4.3

防水性  化学防護長靴の防水性は,7.3 によって試験したとき,気泡が連続して出てはならない。結

果を 10. c)

で報告する。

4.4

変形  プラスチック製長靴において,特に軟質ビニル製一般用長靴は,7.4 によって試験したとき,

胴の傾斜は 30 度以内でなければならない。結果を 10. c)

で報告する。

5.

品質

5.1

外観  化学防護長靴の外観は,JIS S 5005 の 4.(品質)による。

5.2

寸法

a)

サイズ  化学防護長靴のサイズは,JIS S 5037 による。


3

T 8117

:2005

b)

厚さ  化学防護長靴の本底部及び,胴部及び甲部の厚さは,JIS S 5005 の 5.(寸法)の(2)

(厚さ)に

よる。

6.

材料

6.1

本底部,胴部及び甲部  化学防護長靴の本底部,胴部及び甲部は,JIS S 5005 の 4.2(性能)の(3)に

適合しなければならない。

6.2

裏布及びその他の布  化学防護長靴の裏布及びその他の布は,JIS S 5005 の 6.(使用材料)に適合し

なければならない。

7.

試験方法  化学防護長靴の試験方法は,次による。

7.1

透過性試験  透過性試験は,JIS T 8030 で試験し,標準透過速度 0.1 µg/cm

2

/min

で測定された化学防

護長靴の平均標準破過点検出時間を求め,10. b)

で報告する。試験片は,製品の本底部,胴部及び甲部それ

ぞれの部位の最薄部から採取するか又は製品のそれぞれの部位の最薄部と同一の厚さをもつ同一材料とす

る。

7.2

液体浸透圧力試験  液体浸透圧力試験は,JIS T 8031 の D 法を JIS T 8115 の附属書 の試験条件で

試験し,化学防護長靴材料の平均浸透圧力を測定し,10. b)

で報告する。試験片は,製品の本底部,胴部及

び甲部それぞれの部位の最薄部から採取するか又は製品のそれぞれの部位の最薄部と同一の厚さをもつ同

一材料とする。

7.3

防水性試験  防水性試験は,JIS S 5005 の 7.3(防水性)で試験し,10. c)

で合格/不合格を明記し報

告する。

7.4

変形試験  変形試験は,JIS S 5005 の 7.4(変形)で試験し,10. c)

で合格/不合格を明記し報告する。

7.5

物理的性能試験

7.5.1

一般  物理的性能試験は任意項目とし,報告は 10. c)

で報告する。試験片は,製品の本底部,胴部

及び甲部それぞれの部位から採取するか又は製品のそれぞれの部位と同一材料とする。

7.5.2

引張試験  引張試験は,JIS S 5005 の 7.5(引張試験)による。

7.5.3

老化試験  老化試験は,JIS S 5005 の 7.6(老化試験)による。

7.5.4

耐寒試験  耐寒試験は,JIS S 5005 の 7.7(耐寒試験)による。

7.5.5

加熱試験  加熱試験は,JIS S 5005 の 7.8(加熱試験)による。

7.5.6

塗膜試験  塗膜試験は,JIS S 5005 の 7.9(塗膜試験)による。

7.5.7

厚さの測定  厚さの測定は,JIS S 5005 の 7.10(厚さの測定)による。

7.5.8

裏布及びその他の布の破裂試験  裏布及びその他の布の破裂試験は,JIS S 5005 の 7.11(裏布,そ

の他の布の破裂試験)による。

7.5.9

裏布及びその他の布の堅ろう度試験  裏布及びその他の布の堅ろう度試験は,JIS S 5005 の 7.12(堅

ろう度試験)による。

8.

表示  化学防護長靴には,本体の見やすい場所に次の事項を表示する。ただし,一足ごとの包装に表

示してもよい。

a)

サイズ

b)

製造業者名又はその略号

c)

製品の名称及び/又は型番号


4

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d)

製造年又はその略号

e)

材料の主な組成

f)

化学防護長靴は,化学物質からの防護を目的とするものであり,かつ,製造業者の取扱説明書を読ま

なければならないことを示す記述又は図記号。

9.

取扱説明書  化学防護長靴には,次の各項の内容を含む取扱説明書を添付しなければならない。

a)

取扱上の注意事項(使用可能分野,使用不可能分野)

b)

使用方法,使用上の注意事項及び警告

c)

点検及び保管方法

d)

除染及び洗浄方法

e)

廃棄の基準及び考慮すべき事項

10.

製品技術情報  製造業者はこの規格に規定する試験結果の数値,該当する表 及び表 によるクラス

分類及び合格/不合格についての情報を次によって示さなければならない。この情報は,9.

に加えて示し

てもよい。

a)

製品の一般情報  材料,構成部,縫合部及び接合部についての説明。

b)

化学物質情報  4.1 及び 4.2 の事項について,試験した材料又は縫合部別に表で示した化学物質の情報。

データには,試験化学物質名(化学物質及び濃度)並びに照会先(例えば,製造業者の電話及びファ

ックス番号)を記載する。

備考  耐透過性データは,平均標準破過点検出時間及び各試験化学物質に対するクラスを記載する。

平均最高透過速度又は定常状態の透過速度の報告は,任意とする。

c)

その他の試験情報  この規格に規定するその他のすべての試験結果。ただし,7.5 の試験結果の報告は

任意とする。