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T 8024

:2009

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲

2

2

  引用規格

3

3

  用語及び定義 

3

4

  試験原理

6

5

  試験装置

6

5.1

  一般

6

5.2

  複合熱源 

7

5.3

  試験片支持の支持台

7

5.4

  防護シャッター

7

5.5

  試験片取付板 

8

5.6

  試験片保持板 

8

5.7

  スペーサ 

8

5.8

  センサ部 

8

5.9

  記録計

9

5.10

  ガス供給 

9

5.11

  ガス浮子式流量計

9

5.12

  放射計

9

5.13

  溶媒

9

6

  試験の注意事項 

10

7

  試験片のサンプリング 

10

7.1

  試験片の寸法 

10

7.2

  試験片の数 

10

8

  調整及び試験条件

10

8.1

  調整の条件 

10

8.2

  試験条件 

10

9

  試験手順

10

9.1

  校正手順 

10

9.2

  センサの手入れ

11

9.3

  試験片保持板の手入れ 

12

9.4

  熱伝達曲線/火傷曲線の交点を求める準備

12

9.5

  試験片の取付け

12

9.6

  試験片の暴露 

13

10

  結果の評価 

13

10.1

  評価方法の選択

13


T 8024

:2009  目次

(2)

ページ

10.2

  熱しきい(閾)値指数(TTI)の求め方 

13

10.3

  熱伝達指数(HTI)の求め方 

14

10.4

  対流熱及び放射熱暴露後の試験片の変化

14

11

  研究室間の試験データ

14

12

  試験報告書 

14

附属書 A(参考)センサ校正の原理

16

附属書 B(参考)研究室間の試験データ

17

附属書 JA(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

18


T 8024

:2009

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本保安用品協会(JSAA)及び財団

法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業

標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,

このような特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確

認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 T

8024

:2009

熱及び火炎に対する防護服−火炎及び放射熱

暴露時の熱伝達性測定方法

Clothing for protection against heat and flame-Determination of heat

transmission on exposure to both flame and radiant heat

序文 

この規格は,2003 年に第 1 版として発行された ISO 17492 を基に作成した日本工業規格であるが,日本

の使用状況の多様性及び品質向上に対応するため,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

防護服の外部素材から内部素材への熱の移動は,生地の素材構成によって得られる熱防護又は遮熱性能

を決定づける重要な要素となる。実規模試験は,防護服の素材構成が熱防護又は遮熱性能を発揮するかど

うかを見極める測定方法であり,一方 JIS T 8020 及び JIS T 8021 に規定する測定方法は,防護服を構成す

る素材についての性能試験のときに利用される。上記二つの JIS は,防護服生地の製造業者が,防護服素

材が熱又は火炎による強い熱に暴露されたときに,特定素材の熱的性質が防護服生地の素材構成の熱伝達

性にどのような効果を及ぼすかを予見することが可能である。

素材構成に熱防護性能をもつ生地を含めることは,着用者が火傷を防ぐか,又は火傷を受ける可能性を

低減させるためである。熱及び火炎に対する防護服の性能は,防護服を構成する生地表面から火傷となる

部位までに伝達された熱量によって決定する。火炎及び放射熱暴露による熱が,防護服生地内を介して人

体皮膚に第二度火傷を生じさせるまでの総熱量を,熱しきい(閾)値指数(thermal-threshold index : TTI)

と定義する。

人体皮膚への熱伝達(TTI)とは別の観点として,熱又は火炎に対する遮熱性能の比較を必要とするこ

とがある。熱伝達評価のもう一つの方法として火炎及び放射熱暴露による熱が,防護服生地内を介して受

熱用銅センサに達し,

センサにおいて 12  ℃及び 24  ℃の温度上昇を生じる熱量を,

熱伝達指数

(heat-transfer

index : HTI)として定義する。

JIS T 8020

及び JIS T 8021 に規定している事項とは異なり,この測定方法の熱源は,放射熱及び対流熱

が可能な限り均等になるように調整し,両者合計 80 kW/m

2

±2 kW/m

2

の熱流束をもたなければならない。

この熱流束の強度は,実際の火災を想定した高温下の熱放射及びガスに防火服生地へ暴露した際の熱防護

又は遮熱性能を測定することを目的としている。また,この熱流束の強度の程度は,防護服の使用が不可

欠な工場火災又は緊急を要する消防活動に対する暴露を想定したものであり,比較的現実に近い状況下で

の防火服生地の性能について測定するものである。

注記 1  耐炎性繊維からなる防護服生地の性能は,生地試験片を介して伝達した熱量及び生地試験片

への熱暴露により生じるすべての変化を観察することによって評価する。熱しきい(閾)値


2

T 8024

:2009

指数(TTI)及び熱伝達指数(HTI)は,それぞれ総熱量であり,人体への熱伝達を阻止する

指標を表す。

注記 2  人体皮膚への火傷は,防護服生地によって伝達された全熱量が第二度火傷のしきい(閾)値

を超えることによって生じる。

注記 3  耐炎性生地に対する熱しきい(閾)値指数(TTI)又は熱伝達指数(HTI)は,単層,多層を

なす生地及び生地の素材構成の遮熱性能を評価するために用いることができる。

注記 4  生地試験片の試験器への取付条件は,生地試験片を構成する素材の層数によって決める。取

付条件は,本文中において規定している。それぞれの条件は,素材特有の熱的性質を考慮し,

生地が実際に使用される形式によって決定する。

注記 5  非接触法は,防護服の裏地と銅センサとの間に空間を形成するスペーサを置いた状態で測定

を行う方法であり,裏地と人体皮膚との間に空気層又は空間がある状況を再現するものであ

る。また,非接触法は,裏地が銅センサと接触によって作用する冷却効果を防止し,火盛り

時に実際に起きる熱暴露と同等の受熱を加えることができる。この測定方法は,生地試験片

の熱抵抗に加えて空気層及び空間の効果が測定される。

注記 6  接触法は,銅センサが生地試験片に接触している状態で測定する方法であり,生地試験片の

遮熱性を測定し,生地が人体皮膚に直接接触した状況を再現するものである。

適用範囲 

この規格は,対流熱及び放射熱を合わせた複合熱源を,

水平に取り付けた耐炎性生地へ暴露したときの,

熱伝達性の測定方法について規定する。

注記 1  この測定方法は,対流熱及び放射熱を合わせた複合熱源を,垂直方向に設置した耐炎性生地

に暴露したとき又は実際の衣服に用いたときの熱防護性能とは関連しない場合がある。

この測定方法は,一層又は全構成材料若しくはサブアセンブリ材料が耐炎性生地である多層のあらゆる

生地に用いることができる。ただし,耐炎性をもたない生地に用いることを目的としない。

放射熱だけ,火炎への接触だけなど,他の形態の熱源に暴露した生地を評価することを目的としていな

い。放射熱だけによる生地の熱伝達を評価する場合には,JIS T 8020,また,火炎への接触だけによる生

地の熱伝達を評価する場合には,JIS T 8021 による。

この測定方法は,対流熱及び放射熱に暴露した後に,着火又は継続して燃焼し続ける繊維生地には適用

しない。

この規格は,対流熱及び放射熱の両方を暴露したときに,素材,生地,組み合わせた製品などに生じる

特性を測定し評価するために用いるのはよいが,実際の火災環境下における素材,生地,組み合わせた製

品などの火災の危険性及び火災リスクを規定又は評価するためには用いるべきではない。しかし,この測

定方法の結果を,特定の使用下における火災危険性評価に関連するすべての要因を取り入れた火災リスク

調査の構成要素として用いてもよい。

注記 2  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 17492:2003

,Clothing for protection against heat and flame−Determination of heat transmission

on exposure to both flame and radiant heat (MOD)

なお,対応の程度を表す記号(MOD)は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,修正していることを

示す。


3

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引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS L 0105

  繊維製品の物理試験方法通則

注記  対応国際規格:ISO 139:2005,Textiles−Standard atmospheres for conditioning and testing (MOD)

JIS T 8020

  熱及び火炎に対する防護服−放射熱暴露による防護服材料の性能評価

注記  対応国際規格:ISO 6942:2002,Protective clothing−Protection against heat and fire−Method of

test: Evaluation of materials and material assemblies when exposed to a source of radiant heat (MOD)

JIS T 8021

  熱及び火炎に対する防護服−火炎暴露時の熱伝達指数測定方法

注記  対応国際規格:ISO 9151:1995,Protective clothing against heat and flame−Determination of heat

transmission on exposure to flame (MOD)

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1 

き(亀)裂及び開孔  (break-open)

熱暴露時に生じるき(亀)裂及び開孔の形成。

3.2 

火傷(かしょう)  (burn injury)

人体皮膚内部の異なる深さで生じる熱による損傷。

注記  人体皮膚の火傷は皮膚が熱せられ,かつ,上昇した温度に限界時間まで暴露されたときに生じ

る。火傷の程度(第一度,第二度及び第三度)は,上昇した温度とその温度での暴露時間とに

依存する。この規格における生地材料の性能は,第二度火傷に関連しており,第二度火傷を引

き起こすのに十分な熱量と生地試験片内部を伝達する時間との積で表わされる総熱量(TTI)

で評価する。第二度火傷は,表皮/真皮の境界面まで熱侵食があることを示す。

3.3 

炭化  (charring)

熱分解又は不完全燃焼で生じる炭素残さ(渣)の形成。

3.4 

滴下  (dripping)

素材の溶融又は液化によって落下する材料の変化。

3.5 

ぜい(脆)化  (embrittlement)

熱分解又は不完全燃焼で生じるぜい(脆)性残さ(渣)の形成。

3.6 

暴露熱  (exposure energy)

入射熱  (incident energy)

生地試験片に一定して入射する熱。


4

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3.7 

暴露時間  (exposure time)

生地試験片が熱に暴露された総時間。

3.8 

熱流束  (heat flux)

単位面積及び単位時間当たりに伝達される熱量で示される熱強度。

注記  熱流束の単位は,kW/m

2

で表す。

3.9 

熱伝達指数  (heat-transfer index-thermal : HTI)

対流及び放射による熱によって暴露された銅センサが,12  ℃又は 24  ℃の温度上昇を生じるのに要した

総熱量(単位:kW・s/m

2

注記  12  ℃の温度上昇を生じるのに要した総熱量は,12 の下付き文字で示し,同様に 24  ℃の温度上

昇を生じるのに要した総熱量は,24 の下付き文字で示す。例えば,HTI

12

,HTI

24

など。これら

の二つの指数間の相対値は,熱伝達の特性を示す。HTI

24

が HTI

12

の 2 倍の値である場合,熱伝

達の速度は一定である。HTI

24

が HTI

12

の 2 倍の値よりも大きい場合,熱伝達の速度は増大し,

遮熱性能が失われていることを表している。HTI

24

が HTI

12

の 2 倍の値よりも小さい場合,熱伝

達の速度は減少し,遮熱性能が向上していることを表している。

3.10 

熱伝達による火傷の交点  (heat-transfer burn intersection) 

生地を介して伝達された熱による温度上昇曲線が,第二度火傷を生じると予測するストール(Stoll)曲

線と交わる点。

3.11 

熱伝達による火傷時間  (heat-transfer burn time)

暴露開始から,生地内の熱伝達による温度上昇曲線と第二度火傷を生じると予測するストール(Stoll)

曲線とが交差する点(heat-transfer burn intersection)までの時間。

注記  熱伝達は,銅熱量計をセンサとして用い測定する。センサの直径は,暴露した生地試験片を介

してセンサが受けた熱量を平均化するのに十分な大きさである。センサは,熱に暴露したとき

に人体皮膚の温度上昇と同じセンサの温度上昇となる厚みで,人体皮膚と類似した吸収係数を

もつ放射熱を受熱できるように黒色塗料が塗られている。

3.12 

人体皮膚の許容熱量  (human-tissue heat tolerance)

痛覚,第二度火傷などの人体皮膚内の変化が生じないと予測できる,人体皮膚に伝達される熱量の最大

値。

注記  人体皮膚への熱暴露に対する変化は,ストール(Stoll)ら(表 参照)によって研究され,ス

トール(Stoll)曲線と呼ばれている。これは,生地試験材料の熱しきい(閾)値指数(TTI)の

値を求める際に一つの基準としてこの方法が用いられている。

3.13 

着火  (ignition)

燃焼の開始。


5

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3.14 

素材固有の耐炎性  (inherent flame resistance) 

繊維の固有な特徴に由来する素材の耐炎性。

3.15 

溶融  (melting)

熱に暴露したときに生じる不可逆的な形状変化を伴う材料の液化。

3.16 

熱暴露に対する変化  (response to heat exposure)

繊維生地の熱暴露によって生じるき(亀)裂,開孔,溶融,滴下,炭化,ぜい(脆)化,収縮,固着又

は着火の目視可能な変化。

3.17 

収縮  (shrinkage)

織物及び材料の縮みによる寸法の減少。

3.18

固着  (sticking)

素材の軟化によって,素材自身又は別の素材表面へ付着する変化。

3.19

ストール曲線  (Stoll curve)

人体皮膚へ伝達される熱量と人体皮膚内で第二度火傷を引き起こす暴露時間との関係。

表 を参照。

表 1−第二度火傷に至る人体皮膚の許容熱量

熱量計

b)

相当値

暴露時間

s

熱流束

a) 

kW/m

2

総熱量

kW・s/m

2

Δ 

Δ 
mV

 1

50

 50

 8.9

0.46

 2

31

 61

10.8

0.57

 3

23

 69

12.2

0.63

 4

19

 75

13.3

0.69

 5

16

 80

14.1

0.72

 6

14

 85

15.1

0.78

 7

13

 88

15.5

0.80

 8

11.5

 92

16.2

0.83

 9

10.6

 95

16.8

0.86

10

 9.8

 98

17.3

0.89

11

9.2

101

17.8

0.92

12

8.6

103

18.2

0.94

13

8.1

106

18.7

0.97

14

7.7

108

19.1

0.99

15

7.4

111

19.7

1.02

16

7.0

113

19.8

1.03

17

6.7

114

20.2

1.04

18

6.4

116

20.6

1.06

19

6.2

118

20.8

1.08

20

6.0

120

21.2

1.10


6

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表 1−第二度火傷に至る人体皮膚の許容熱量(続き) 

熱量計

b)

相当値

暴露時間

s

熱流束

a) 

kW/m

2

総熱量

kW・s/m

2

Δ 

Δ 
mV

25

5.1

128

22.6

1.17

30

4.5

134

23.8

1.23

a)

  参考文献[1]を参照

b)

  鉄/コンスタンタン熱電対(J 型熱電対) 

3.20

熱しきい(閾)値指数  (thermal-threshold index : TTI) 

素材を介して伝達する熱によって人体皮膚内で第二度火傷を生じるまでの総熱量(単位:kW・s/m

2

試験原理 

水平位置に取り付けられた耐炎性素材の試験片は,対流熱及び放射熱を合わせた複合熱源から特定の距

離に置き,十分な熱量が試験片を介して伝達し,人体皮膚に第二度火傷と同等の症状を引き起こすか,又

はセンサ内部で 24  ℃の温度上昇を示すまで暴露する。

試験片は,接触法として試験片とセンサとが接触している状態か,又は非接触法として試験片とセンサ

との間に 6.5 mm の空間がある状態で取り付ける。

複合熱源は,2 台のガスバーナ,9 個の石英赤外管から出力する対流熱及び放射熱で構成し,これによる

暴露の総熱量は,総熱量計又は放射計を用いて校正する。

試験片の熱伝達量は,熱センサを用いて測定し,次の二つの方法のうちのどちらかを用いて評価する。

−  試験片の遮熱性の指標とする熱伝達指数(HTI)は,センサ温度が 12  ℃及び 24  ℃上昇する時間で伝

達した熱量で評価する。熱センサの温度が上昇する速度は,伝達する熱量を直接測定する。

−  試験片の熱しきい(閾)値指数(TTI)は,人体皮膚の許容熱量に基づいて,第二度火傷を引き起こ

す熱量を時間で評価する。

暴露による試験片外観への影響も評価することができる。

試験装置 

5.1 

一般 

試験装置の構成は,次による。

−  複合熱源

−  試験片支持枠の支持台

−  防護シャッター

−  試験片支持部

−  センサ部

試験装置は,ガス供給部,ガス浮子式流量計及び記録計を備えていなければならない。試験装置は,

1

による。

 


7

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単位  mm

1  放射熱源 
2  メッケル又はフィッシャーバーナ 
3  水冷式シャッター 
4  試験片取付板 
5  試験片 
6  スペーサ(使用する場合)

7  試験片保持板 
8  センサ部 
9  銅熱量計 
10  熱電対(記録計又はコンピュータにつながる。) 
11  荷重

注記  試験片支持台は記載していない。

図 1−試験装置

5.2 

複合熱源 

複合熱源は,対流熱源及び放射熱源からなる。対流熱源は,試験片支持部開口部の下に取り付けられ,

炎が試験片真下の中心軸に対し,左右で均等になるように,二つのメッケル(Meker)又はフィッシャー

(Fisher)バーナで構成していなければならない。放射熱源は,

図 に示されているようにバーナの下部

の中心に置かれた 9 個の 500 W の石英製赤外管からなる。石英赤外管の長さは,100 mm 以上でなければ

ならない。バーナは,吹出し部の直径が 40 mm で燃料ガスに適したオリフィスをもつメッケル又はフィッ

シャーバーナでなければならない。

5.3 

試験片支持の支持台 

試験片支持台は,熱流束に対して試験片支持枠及び試験片を繰り返し暴露可能な方法で保持する鋼製フ

レームからなる。

5.4 

防護シャッター 

防護シャッターは,熱源と試験片との間に置く。防護シャッターは,各試験片の暴露の前後に熱源から

の熱負荷を完全に散逸させることができなければならない(通常は,水冷却を用いる。

。マイクロスイッ

チは,シャッターに接続されていなければならない。チャート式記録計又はコンピュータは,暴露の開始

時間を記録するために手動又は自動で操作しなければならない。


8

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5.5 

試験片取付板 

試験片取付板は,寸法が 150 mm×150 mm×1.6 mm で,中央に 100 mm×100 mm の孔があいた 1 枚の鋼

製板からなり,試験片保持板を固定できる構造でなければならない。

図 は試験片取付板の一例であり,

試験片保持板を取り付けることができれば 4 隅のフランジはなくてもよい。

単位  mm

図 2−試験片取付板の例

5.6 

試験片保持板 

試験片保持板は,中心に 130 mm×130 mm の孔があいた 149 mm×149 mm×15 mm の金属板からなる。

スペーサ及びセンサ部は,試験片保持板中心の孔の中に設置しなければならない。

5.7 

スペーサ 

スペーサは,中心に 110 mm×110 mm の孔があいた 128 mm×128 mm×6.4 mm の金属板からなる。

5.8 

センサ部 

センサ部は,取付けブロックに据えた銅熱量計であり,次による。

−  銅熱量計は,少なくとも 99  %の純度をもつ銅製の質量 17.5 g∼18.0 g,直径 40 mm,厚さ 1.6 mm の

ディスク及び

図 のように接続された三つの熱電対からなる。

−  熱量計取付けブロックは,

図 に規定しているように,機械加工された公称厚さ 13 mm のアスベスト

を含まない 1 枚の 128 mm×128 mm の角形の不燃材料からなる。

−  熱量計ディスクは,約 200  ℃の熱に耐えることができる接着剤を,その外周の周りに用いて熱量計取

付けブロックに接着しなければならない。銅製ディスクの面は,取付けブロックの表面と同一平面に

なっていなければならない。また,つや消し黒色塗料で薄く塗装しなければならない。

−  銅熱量計を含む組み上げられた全センサの合計質量は,合計で 1 000 g±10 g で面全体が均一の重さに

ならなければならない。


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単位  mm

1  熱電対を穴に固定するための銅プラグ 
2  0.25 mm(30 ゲージ)の熱電対ワイヤ

図 3−銅熱量計

単位  mm

図 4−熱量計取付けブロック

5.9 

記録計 

記録計は,十分に感度がよく,最大ふれ幅が 150  ℃又は 10 mV とする。また,1  ℃又は 0.05 mV まで読

むことのできる目盛があり,暴露時間を±0.1 秒で読み取るために,12 mm/s のチャート速度のストリップ

チャートが必要である。さらに,ストリップチャート記録計の感度と精度要求条件とに合致するもの,又

は同等以上の自動データ記録システムをストリップチャート記録計の代わりに用いてもよい。

5.10 

ガス供給 

ガス供給は,55 kPa±1 kPa にガス供給圧力を制御するための適切な減圧装置及び弁装置を用いたプロパ

ン,メタン,LPG 又は都市ガスの供給装置とする。標準条件は,空気換算 2 L/min に等しい流量とする。

5.11 

ガス浮子式流量計 

ガス浮子式流量計は,標準状態で空気換算 2 L/min の空気の流れをもつ流量計とする。

5.12 

放射計 

放射計は,25 mm の直径で最低 150 度の視野角及び 0 kW/m

2

∼80 kW/m

2

までの熱流束範囲をもつガード

ン(Gardon)タイプ放射計とする。放射計が水冷式である場合,冷却水の温度は,測定環境周囲の露点温

度を超えていなければならない。

5.13 

溶媒 

溶媒は,センサを洗浄するためのアセトン又は石油系溶媒とする。


10

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注記  複合熱源の周囲でこれらの溶媒を用いるときには,十分に注意を払わなければならない。

試験の注意事項 

燃焼生成物,煙及び煙霧を排出するために,排煙装置を用い,換気できる施設内にて試験を行う。排煙

装置による空気及び煙の吸い込みが,火炎の正常な流れを妨げるときには,試験中は装置の周囲を遮へい

するか,排煙装置の電源を切る。試験の後に排煙装置の電源を入れて煙霧を排出する。

石英赤外管又はバーナの周囲で材料を取り扱うときは,注意を払い,熱源及び可燃性材料,例えば,洗

浄溶媒とは安全に十分な距離を確保しておく。また,試験片保持板及びセンサ部は,長時間の試験中に高

温になることから高温の物体を取り扱うときは,冷却するか又は耐熱性保護手袋を用いる。

試験片の中には,直火によって危険になる場合があり,試験片が発火する場合又は可燃性ガスを放出す

る場合には注意する。

試験完了時は,ボンベの燃料ガス供給を遮断し,ガス配管内の燃料ガスを燃やし尽くさなければならな

い。

試験片のサンプリング 

7.1 

試験片の寸法 

試験を行う各試験片,衣類などの多層試験片を 150 mm×150 mm に切断する。

7.2 

試験片の数 

各材料又は材料の組合せについて,少なくとも三つの試験片を試験しなければならない。

調整及び試験条件 

8.1 

調整の条件 

試験片は,JIS L 0105 によって温度 20  ℃±2  ℃,相対湿度(65±2)  %で少なくとも 24 時間調湿しな

ければならない。調湿後,直ちに試験が行われない場合には,調湿した試験片を密閉容器内で保管する。

調湿雰囲気又は密閉容器から試験片を取り出した後は,3 分以内に各試験片の試験を開始する。

8.2 

試験条件 

通風がなく,温度 10  ℃∼30  ℃,相対湿度 15  %∼80  %の雰囲気で試験を行う。

試験手順 

9.1 

校正手順 

9.1.1 

放射熱の暴露調整 

放射熱及び対流熱が可能な限り均等になるように,石英赤外管による放射熱暴露を可変抵抗器で調節す

る。暴露の校正を行う前に少なくとも 30 分間装置を事前に加熱する。

9.1.2 

対流熱の暴露調整 

浮子式流量計によってガスの流れを設定する。バーナの下部にあるニードルバルブで火炎を調整するこ

とによって,全暴露熱流束を 80 kW/m

2

±2 kW/m

2

に調節する。センサより上が火炎の最も高温の部分にな

らないように,ガス流量を調整する。対流熱は,二つのバーナの火炎の中心軸に沿った約 150 mm の高さ

で大きく広がった青色炎の先端部とする。

9.1.3 

暴露熱の調整及び調節 

全暴露熱流束を測定することによって,対流熱及び放射熱の複合熱源の全暴露熱強度を確認する。総熱


11

T 8024

:2009

量計及び放射計(5.12)を中央に取り付け,銅熱流計で用いられているものと同様の不燃材料で覆う。こ

れらの出力を読み取ることができる記録計又はデータ収集装置に出力を接続する。

水冷式シャッターをバーナと放射管との真上の適切な位置に置き,試験片をセットしていない試験片保

持板を支持枠の上に置いて,総熱量計及び放射計を,下向きにして試験片支持枠の最上部に置く。シャッ

ターを開け,総熱量計及び放射計を複合熱によって暴露する。

総熱量計及び放射計の出力を記録する。80 kW/m

2

±2 kW/m

2

の全暴露熱流束を得るために,バーナのガ

ス流量及び石英赤外管電圧を調整する。放射熱は,対流熱とできるだけ均等になるようにする。総熱量計

及び放射計は,過熱及び損傷を防止するために 20 秒以上暴露しない。

注意  放射熱が暴露の火炎部分及び石英赤外管の両方で生じているので,火炎が存在しないときは,

石英赤外管放射成分を調節しない。

9.1.4 

銅熱量計センサを用いた全暴露熱の確認 

総熱量計及び放射計を用いて全暴露熱流束及び放射熱流束を設定したのち,銅熱量計センサで全暴露熱

流束を確認する。コンピュータを用いる場合には,次の手法を用いて,全暴露熱流束を測定するプログラ

ムを設計する。

全暴露熱流束は,暴露熱及び熱伝達の測定に二種類のセンサを用いることによって生じるエラーを避け

るため,熱伝達を測定するセンサと同じものを使用しなければならない。ただし,互いに 2  %以内の測定

差になるような二つの熱量計を用いてもよい。

銅熱量計,全熱量計及び放射計の読みの差が 5  %を超える場合には,調整しなければならない。

附属書

A

に,センサ校正の原理を記載する。

水冷式シャッターをバーナと石英赤外管との真上の適切な位置に置き,試験片をセットしていない試験

片支持枠を支持台の上に置いて,支持枠の最上部に熱流計の黒い面を下向きにしてセンサを置く。その後

シャッターを開け,対流熱及び放射熱の複合熱源からの全暴露熱流束をセンサに直接当てる。

センサの応答を少なくとも 10 秒間記録し,その曲線の最初の部分を線形応答と同一とみなす。少なくと

も 10 秒間の応答について得た曲線の線形部分を延長し,0 秒及び 10 秒のときのセンサの読みをそれぞれ

測定する。その増分を求めるために 10 秒の読みから 0 秒の読みを引く。また,応答は,80 kW/m

2

±2 kW/m

2

の熱流束と同等の 148  ℃±3.7  ℃であることが望ましく,

各暴露の最後に,

結果の精度を保証するために,

シャッターを閉じてすべての熱を消散する。

各暴露の後,次の熱流束の測定の前に 38  ℃未満又は 1.0 mV 未満にまでセンサを冷却する。

9.2 

センサの手入れ 

9.2.1 

初期温度 

暴露後に空気を吹きつけるか,又は冷たく乾燥したものを接触させてセンサを冷却する。試験片を設置

する直前に,センサを手のひらに接触し,ほぼ体温にまで再度暖める。記録計のゼロ設定を調整してはな

らない。

9.2.2 

センサの許容性 

試験を行った銅熱量計から得た測定値が,校正熱量計の測定値の±4 kW/m

2

以内で一致しない場合は,

一致させるために試験を行った銅熱量計を修理,再調整又は交換しなければならない。

9.2.3 

センサの修理 

銅製ディスクは,取付けブロックから取り除くことができ,また,熱電対及びディスクのすべての接続

が確実になされていることを確認する。いかなる接続も緩んでいれば修理する。接続が緩い場合,修理す

るためには,熱電対導線は取り外すが,短い熱電対線は,センサの裏側から延長してそのままにしておく。


12

T 8024

:2009

検出表面は,平らにして,洗浄し,0.95 以上の値をもつ既知の放射率の高品質つや消し黒色塗料を再度塗

布する。その表面を完全に均一に覆うためには,薄く 2∼3 回塗布してもよい。塗料が完全に乾いた後に,

その総質量を注意深く 0.01 g の精度ではかり,記録する。総質量には,短い熱電対線を取り付けた銅製デ

ィスクの質量を含む。また,銅製ディスクの表面に薄く塗装したつや消し黒色塗料の質量も含む。熱量計

の塗装済みの質量は,

センサの総質量からセンサの熱電対線の質量を差し引いて求めるのがよい。

これは,

熱電対線末端から熱量計の裏面までの熱電対線の長さを測定することによって求める。次に,熱電対線の

質量の合計は,線の数とその長さに基づいて計算する。その後,熱量計組立品の総質量から差し引いて塗

装済みの質量を得る。塗装済みの質量を求めた後に,導線をしっかりと再度接続して,センサをサポート

板に戻す。

9.2.4 

表面の再調整 

センサの表面は,凝縮してエラーの原因を生じる可能性があるので,分解生成物を取り除くために柔ら

かい布又はペーパータオルを用いて各操作が終了した直後に,センサ表面が熱いうちにその表面をふ(拭)

く。たい(堆)積物が集まって薄い塗膜よりも厚くなっているように見える場合,又は表面が一様でなく

なった場合には,センサ表面の再調整をする必要がある。近くに発火源がないことを確かめてアセトン又

は石油系溶媒で冷えたセンサを入念に洗浄する。銅がむき出しに見えている場合,つや消し黒色塗料の薄

い層でその表面を再塗装する。

試験では手入れをしたセンサを用いる前に,

少なくとも 1 回の校正を行う。

9.3 

試験片保持板の手入れ 

各試験では,乾燥した試験片保持板を室温で用いる。幾つかの保持板セットを用いて交代で行うか,水

で冷却して乾燥,又は空気で強制的に冷却する。必要であれば,9.2.4 に規定しているようにアセトン又は

石油系溶媒を用いてたい(堆)積したタール及びばい煙を取り除く。

9.4 

熱伝達曲線/火傷曲線の交点を求める準備 

9.4.1 

ストリップチャート記録計 

記録計のチャート紙上に,縦軸に

表 の 4 列目又は 5 列目の ΔT  ℃又は ΔV mV を,また,横軸には表 1

の 1 列目の暴露時間をとって,記録計の目盛に対応した

表 からのセンサの値をプロットする。記録計の

実際の振れ及び記録計のセンサの出力に直接比較できるグラフのチャート速度に基づいたチャートを使用

する。ペンの振れが左から右で,紙が下向きに動く場合,原点を右下にして右から左にプロットする。記

録計の出力が異なる場合,適宜グラフを調整する。交点については,正確に再現できるようにする。再現

の結果として交点の値変化がないことを確認するために,最初の測定値と比較する。

9.4.2 

データのコンピュータ処理 

表 に示されている情報は,コンピュータのソフトウエアにおける性能基準として用いてもよい。この

場合,センサの応答は,熱伝達による火傷の交点を求めるために,人体皮膚の許容熱量基準と比較する。

熱伝達の火傷時間及び暴露熱流束の積は,熱しきい(閾)値指数(TTI)である。報告書には,各試験片

についてのセンサの応答を図示する。

9.5 

試験片の取付け 

9.5.1 

単層の試験片 

主として単層で用いる試験材料は,接触法又は非接触法で試験を行ってもよい。

接触法におけるセンサは,試験片と接触して置く。

非接触法では,センサと試験片との間に 6.4 mm の厚さのスペーサを置く。

試験片の裏側が上になるように取付板の上部中央に試験片を置く。


13

T 8024

:2009

9.5.2 

多層試験片 

多層試験材料は,裏地となる生地がセンサと接していなければならない。この条件では,表面材料の防

護性能及び多層試験品全体の断熱特性が測定される。

多層試験片の表地が下向きになるように使用する材料の表面を取付板上に置き,順番に次の層を置く。

多層試験片の裏地が上になるように置き,センサは,裏地の試験片の上に直接置く。

9.6 

試験片の暴露 

9.6.1 

試験片及び保持板の組合せ(9.5.1 又は 9.5.2)を支持台の上に置き,試験片及び保持板を組み合わ

せた上に,黒い表面を下向きにしてセンサを置く。試験片を固定するためにセンサの最上部に荷重をかけ

る。

9.6.2 

記録計の上のチャートを稼動する。暴露を開始するためにシャッターを開ける。暴露を開始し,同

時にチャート記録計又はコンピュータで記録する。センサ応答が人体皮膚の第二度火傷の許容熱量に到達

するか,又は超えるまで続ける。それは,35  ℃∼40  ℃のセンサ温度上昇又は 1.7 mV∼2.0 mV の上昇に等

しい。幾つかの試験片の物理的応答を比較する場合,すべての試験片について同じ暴露時間を保持する。

9.6.3 

シャッターを開けるときに,手,足,又は水冷式シャッターを開けることによってマイクロスイッ

チを押し,それに接続したイベントマーカを記録紙上に記録する。シャッターが開いていることを示す他

の効果的な指標には,次のものがある。 

a) 

記録計のペンが時間軸に沿って継続的に記録する。

b) 

記録計の目盛を切り替える。

c) 

瞬時にペンを引き上げる。

暴露の開始は,コンピュータを用いる場合は,プログラムへの入力が望ましい。

9.6.4 

シャッターを閉じて記録計を止め,センサの荷重を取り除く。センサを取り外して,センサの冷却

を開始する。試験片保持板を取り外して,冷却する。 

9.6.5 

試験片を保持板から取り外して,10.4 によってそれを検査する。 

9.6.6 

暴露された試験片は,左右均等な暴露面積でなければならない。

9.6.7 

残りの試験片の試験を行う。 

10 

結果の評価 

10.1 

評価方法の選択 

試験片を通ってセンサに伝達される熱は,

次の二つの方法の両方,又はどちらか一方によって分析する。

防護服の性能は,熱しきい(閾)値指数(TTI)又は熱伝達指数(HTI)によって評価する。

10.2 

熱しきい(閾)値指数(TTI)の求め方 

10.2.1 

熱伝達による火傷時間 

センサ応答の記録計チャートと 9.4 において作成した熱伝達火傷の交点とを用いて,暴露の開始から火

傷しきい(閾)値までの熱伝達による火傷時間をグラフから求める。交点を記録計のチャートの上に置き,

交点のゼロと暴露の開始とを一致させる。水平軸(時間)をペンの最初の出力に沿って置く。交点を記録

計のチャートと直角に保つ。センサ応答曲線及び人体組織の熱耐性曲線が交わる場合には,交点チャート

から 0.1 秒の位まで熱耐性時間を読み取る。コンピュータを用いる場合には,同等の値を求めるためにセ

ンサ応答を人体皮膚の熱耐性データと比較する。暴露の開始から,これらの値が同じになるときまでの時

間が,熱伝達による火傷時間である。

同じ材料又は材料の組合せについて,試験が行われた試験片すべての平均熱伝達火傷時間を計算する。


14

T 8024

:2009

10.2.2 

熱しきい(閾)値指数(TTI 

熱しきい(閾)値指数を,式(1)を用いて 1 kW・s/m

2

の位まで計算する。

T

×

=

TTI

 (1)

ここに,

 TTI

熱しきい(閾)値指数(

kW

s/m

2

F

暴露熱流束(

kW/m

2

9.1.4 参照)

T

熱伝達火傷時間(

s

同じ材料又は材料の組合せについて,試験が行われた試験片すべての熱しきい(閾)値指数(

TTI

)の

平均を計算する。

10.3 

熱伝達指数(HTI)の求め方 

10.3.1 12 

℃及び 24  ℃の温度上昇を引き起こす熱伝達の時間 

熱センサにて,

12

℃及び

24

℃の温度上昇を引き起こす熱伝達の時間をグラフから求める。記録計のチ

ャートからセンサの始動温度を求めて,

12

℃及び

24

℃の値を加える。これらの値と等しくなる記録計の

チャートの熱伝達曲線上の点を特定する。

暴露の開始から

12

℃及び

24

℃のセンサ温度上昇点までに必要

な時間を

0.1

秒の位まで求める。コンピュータを用いる場合には,センサ温度上昇が

12

℃及び

24

℃に等

しくなるまでの時間を,

0.1

秒の位まで求めることが望ましい。

同じ材料又は材料の組合せについて,

試験が行われた試験片すべてに

12

℃及び

24

℃の温度上昇を引き

起こす熱伝達の平均を計算する。

10.3.2 

熱伝達指数(HTI 

熱伝達指数(

HTI

)を,式

(2)

を用いて

1 kW

s/m

2

の位まで計算する。

x

x

t

F

×

=

HTI

 (2)

ここに, HTI:

熱伝達指数(kW・s/m

2

F

暴露熱流束(kW/m

2

9.1.4 参照)

t

x

熱伝達時間[x  ℃までの時間(s)

x

12 又は 24

同じ材料又は材料の組合せについて,試験を行う試験片すべてについてセンサ温度上昇が 12  ℃及び

24  ℃に等しくなるまでの熱伝達指数(HTI)の平均を計算する。

10.4 

対流熱及び放射熱暴露後の試験片の変化 

試験者は,多層試験片の各層の試験片を含む暴露後の試験片の状態の記録を提供してもよい。試験片の

状態は,き(亀)裂,開孔,炭化,滴下,ぜい(脆)化,着火,溶融,収縮,固着などがその一例である。

11 

研究室間の試験データ 

附属書 を参照。

12 

試験報告書 

試験報告書は,次の事項を記載しなければならない。

a)

試験機関の名前

b) 

試験の日付

c) 

規格番号及び規格名称

d) 

試験した材料又は材料の組合せの識別及び名称

e)

試験材料及び多層試験片の組合せの説明,可能であれば,一般名の詳細,単位面積当たりの質量及び

3.4 kPa の圧力での厚さ。


15

T 8024

:2009

f)

使用したガスの種類,校正した暴露熱量,試験片,センサ構成などの試験条件,接触又は非接触の試

験方法。

g)

使用した熱伝達分析の方法

h)

熱しきい(閾)値指数(TTI)分析を行った場合,各試験片の熱伝達火傷時間,熱しきい(閾)値指

数(TTI)及びそれらの平均値。

i)

熱伝達指数(HTI)分析を行った場合,各試験片の 12  ℃及び 24  ℃の温度上昇を引き起こす熱伝達時

間,熱伝達指数(HTI

12

,HTI

24

)及びそれらの平均値。

j)

必要であれば,暴露熱が各試験片に及ぼした影響の観察。

k)

試験結果と実際の火炎との相違に関する説明。

例:

“本試験による結果は,生地の素材構成による防護又は遮熱性能を評価する測定方法により得た

結果であり,実際の火災又はフラッシュオーバーの状況に適用できるとは限らない。


16

T 8024

:2009

附属書 A

(参考)

センサ校正の原理

序文 

この附属書は,センサ校正の原理について記載するものであって,規定の一部ではない。

A.1 

銅熱量計の校正 

銅熱量計の校正は,次による。

×

×

×

×

=

t

T

A

K

C

m

I

d

d

ε

ここに,

I

入射熱流束(W/cm

2

dT/dt: 熱量計の温度上昇速度(mV/s)

(m×C)/(K×A×

ε

): 変数 A

ε

及び を含む熱量計の物理的定数

m

熱量計の塗装済みの質量(g)

。検出表面上の銅

製ディスクとつや消し黒色塗料の質量を含むが
熱電対の質量を引いたもの

C

純銅の熱容量(0.3879 J/g・℃)

K

65  ℃の平均試験温度でタイプ J(鉄−コンスタ
ンタン)熱電対の熱電対変換定数(0.053 mV/℃)

A

試験熱流束に暴露した熱量計の前面の表面積
(12.49 cm

2

ε

熱量計の前面に用いる黒色塗料の放射率又は吸
収率。通常は 0.95 以上の値。

これらのセンサを用いた校正計算に使用される物理的定数は,質量及び/又は放射率の値の変化に敏感

である。

A.2 

この試験で用いる銅ディスク熱量計について,打ち抜かれて孔をあけられた銅板の質量は,10 秒で

既定の温度上昇が得られるように 17.5 g∼18.0 g の間でなければならない。熱量計の物理的定数は,上記

の検討に基づいて計算することができる。修理された熱量計を校正熱量計と置き換えることによって修理

された熱量計の性能を確認する。十分な性能が確認できた後に,再度試験用熱量計として用いる。 


17

T 8024

:2009

附属書 B

(参考)

研究室間の試験データ

序文 

この附属書は,研究室間の試験データについて記載するものであって,この規格の一部ではない。

合計三つの素材構成の試験を 7 か所の異なった研究室で実施した結果を,次に示す。

B.1 

素材構成 A は,254 g/m

2

のケブラー(Kevlar)/PBI  表地と透過性膜をもつ 132 g/m

2

のノーメックス

(Nomex) E89 防湿層と,綿状の詰め物とノーメックス(Nomex) III 生地をキルティングした 275 g/m

2

の裏地(最内層)から校正する。

B.2 

素材構成 B は,254 g/m

2

のノーメックス(Normex) III A 表地と,非透過性膜をもつ 331 g/m

2

の防

湿層と,綿状の詰め物とノーメックス(Nomex) III 生地をキルティングした 315 g/m

2

の裏地(最内層)

からなる。 

B.3 

素材構成 C は,5 層の 203 g/m

2

のノーメックス(Nomex)生地からなる。 

表 B.1−各素材の熱伝達火傷時間の研究室間データ測定結果 

研究室

素材構成

測定

1 2 3 4 5 6 7

平均値

平均値  19.2 20.7 20.7 19.4 22.2 18.4 20.1  20.1

A

標準偏差

 0.3

 0.6

 0.4

 0.6

 0.4

 0.4

 0.2

 1.1

平均値  24.6 24.8 25.4 24.3 25.9 23.4 25.4  24.8

B

標準偏差

 0.3

 0.5

 0.5

 0.6

 0.9

 0.4

 0.5

 0.8

平均値  20.9 20.6 19.5 18.2 20.7 15.9 17.8  19.1

C

標準偏差

 0.2

 0.8

 0.3

 0.5

 0.4

 0.1

 0.1

 1.7

注記  標準偏差の平均値は,研究室間の標準偏差である。

参考文献  [1]STOLL, A.M. and CHIANTA, M.A., Method and Rating System for Evaluation of Thermal

Protection.  Aerospace Medicine, 40, 1969, pp. 1232-1238 

[2]NFPA 1971:2000, Standard on Protective Ensembles for Structural Fire Fighting 


附属書 JA

(参考)

JIS

と対応する国際規格との対比表

JIS T 8024 : 2009

  熱及び火炎に対する防護服−火炎及び放射熱暴露時の熱伝達

性測定方法

ISO 17492 : 2003

,Clothing for protection against heat and flame−Determination of heat

transmission on exposure to both flame and radiant heat

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容

箇条番
号及び

名称

内容

(Ⅱ) 
国際規

格番号

箇条番号

内容

箇条ごとの
評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

序文

放射熱及び対流熱
が可能な限り均等

になるように調整
する。

序文

対流熱 50  %,放射熱
50  % と な る よ う に
規定。

変更

ISO

規格では対流熱,放射熱がそ

れぞれ 50  %と規定されているの

に対し,JIS では数字の規定はし
ていない。

国内装置で一般的に可能な条件
に変更した。

3.9  熱伝達指数 
総熱量(単位:kW・
s/m

2

3.9

熱伝達指数 
時間(単位:秒)と
規定。

変更

ISO

規 格 の 10.3.2 熱 伝 達 指 数

(HTI)では,総熱量(単位:kW・
s/m

2

)と規定。 

ISO

規格が誤っていることから正

しく表記した。

3  用語
及び定

3.20  熱しきい
(閾)値指数 
総熱量(単位:kW・
s/m

2

3.20

熱しきい(閾)値指
数 
時間(単位:秒)と

規定。

変更

ISO

規格の 10.2.2 熱しきい(閾)

値指数(TTI)では,総熱量(単
位:kW・s/m

2

)と規定。 

ISO

規格が誤っていることから正

しく表記した。

5.1  一般 

5.1

図 1 でバーナ角度を
45°と規定。

削除

ISO

規格ではバーナ角度が規定さ

れているのに対し,JIS では角度
を削除。

ISO 17492

で規定されているバー

ナ角度では炎が試験片に当たら
ないのに対し,JIS は暴露面積が

同様となるように規定している。

5  試 験
装置

5.2  複合熱源 

5.2

バーナ角度を 45°と

規定。

削除

ISO

規格ではバーナ角度が規定さ

れているのに対し,JIS では角度
を削除。

ISO 17492

で規定されているバー

ナ角度では炎が試験片に当たら
ないのに対し,JIS は暴露面積が
同様となるように規定している。

18

T

 80

24

200

9


(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容

箇条番

号及び
名称

内容

(Ⅱ) 
国際規 
格番号

箇条番号

内容

箇条ごとの

評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

5.2  複合熱源 
石英赤外管の消費
電力及び長さを規

定。

5.2 T-150 と い う石 英赤

外管を規定。

追加

ISO

規格では石英赤外管は T-150

としているが,JIS では 500 W と
規定し,石英赤外管の長さを追加

した。

国内装置で一般的に可能な条件
に変更した。

5  試 験
装置(続
き)

5.5  試験片取付板
について規定。

5.5

追加

JIS

では試験 片取付板の 例 を追

加。

日本国内で一般的な装置に変更
した。

9.1.1,9.1.3  放射
熱及び対流熱が可

能な限り均等にな
るように調整する
と規定。

9.1.1,9.1.3

放 射 熱 流 束 を 40 
kW/m

2

±10 kW/m

2

規定。

変更

ISO

規格では放射熱が数字で規定

されているのに対し,JIS では数

字の規定はしていない。

国内装置で一般的に可能な条件
に変更した。

9.3  試験片保持板
の手入れ 

9.3 
 

9.2.2 を引用。

変更

ISO

規格では引用を 9.2.2 として

いるが,JIS では 9.2.4 とした。 

ISO

規格が誤っていることから正

しく表記した。

9.4.2  データのコ
ンピュータ処理

9.4.2 

TPI を求めると規定

変更

ISO

規格では TPI を求めるとして

いるが,JIS では TTI を求めると
した。 

ISO

規格が誤っていることから正

しく表記した。

9.6.2  第二度火傷
に到達するまでを
追加規定。

9.6.2

追加

ISO

規格では第二度火傷を超える

まで測定すると規定しているの
に対し,JIS では到達するまで測

定することを追加。

国内装置で一般的な測定方法に
即した内容に変更した。

9   試 験
手順

9.6.6  試験片の暴
露面積を規定。

規定なし

追加

JIS

では暴露後の試験片の状態に

ついて追加。

バーナの左右のバランスが均一

であるかを確認するために追加
した。

12  試験
報告書

h)  TTI を求める
と規定。

12 h)

TPI を求めると規定

ISO

規格では TPI を求めるとして

いるが,JIS では TTI を求めると
した。 

ISO

規格が誤っていることから正

しく表記した。

19

T

 80

24

200

9


(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容

箇条番

号及び
名称

内容

(Ⅱ) 
国際規 
格番号

箇条番号

内容

箇条ごとの

評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

附属書 A 

銅熱量計の校正式
を SI 単位系に統一

附属書 B 
B.1

銅熱量計の校正式に
cal/s から W への変換
係 数 , 熱 容 量 に
cal/g・℃を使用

変更

同熱量計の校正式の銅熱量計の
校正式に cal/s から W への変換係
数を熱容量に乗じて,純銅の熱容

量を 0.3879 J/g・℃とし,SI 単位
系に統一した。

ISO

規格の附属書 B の銅熱量計の

校正式が SI 単位系に統一されて
いなかったために,SI 単位系に統

一して表記した。

附属書 B 

表中の TTI を削除

し研究室と表記

附属書 C

表 C.1

TTI 
研究室 
と表記

変更及び削

表のタイトルを各素材の熱伝達

火傷時間の研究室間データ測定
結果とし,表中の TTI 研究室を研
究室と表記した。

各研究室で測定された表中の値

は,TTI ではなく熱伝達火傷時間
であるため,正しく表記した。 

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 17492:2003,MOD

 
注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

    −  追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
    −  変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD……………  国際規格を修正している。

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