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T 8006

:2005 (ISO 2801:1998)

(1)

まえがき 

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本保安用品協会(JSAA)/財団法

人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標

準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 2801:1998,Clothing for protection

against heat and flame

−  General recommendation for selection, care and use of protective clothing を基礎として

用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本

工業標準調査会は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願

公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS T 8006

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(参考)危険性の種類と防護服の分類に関する指針

附属書 B(参考)参考規格


T 8006

:2005 (ISO 2801:1998)

目  次 

ページ

序文 

1

1.

  適用範囲

1

2.

  防護服の選択 

1

2.1

  リスク評価 

1

2.2

  防護服の分類 

1

3.

  防護服の使用 

2

3.1

  一般

2

3.2

  熱の蓄積 

2

3.3

  追加装備 

2

3.4

  防護服の構成 

3

3.5

  電気的危険性 

3

4.

  着用者

3

4.1

  健康状態 

3

4.2

  訓練

3

5.

  防護服の管理 

3

5.1

  検査

3

5.2

  管理及び選択 

3

5.3

  記録

3

附属書 A(参考)危険性の種類と防護服の分類に関する指針

5

附属書 B(参考)参考規格

6

B.1

  国際規格

6

B.2

  CEN 規格 

6

B.3

  ASTM 及び NFPA 規格

6

 


日本工業規格

JIS

 T

8006

2005

(ISO 2801

1998

熱及び火炎に対する防護服−

防護服の選択,管理及び使用上の一般的事項

Clothing for protection against heat and flame 

   

General recommendations for selection, care and use of protective 

clothing 

序文  この規格は,1998 年に第 2 版として発行された ISO 2801,Clothing for protection against heat and flame

−  General recommendation for selection, care and use of protective clothing を翻訳し,技術的内容を変更するこ

となく作成した日本工業規格である。

1. 

適用範囲  この規格は,熱及び火炎に対する防護服(以下,防護服という。)の選択,管理及び使用上

の指針について規定する。この規格は,安全上の要求及び推奨事項について“チェックリスト”として利

用する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 2801:1998, Clothing for protection against heat and flame - General recommendation for

selection, care and use of protective clothing (IDT)

2. 

防護服の選択  防護服の選択は,次による。

2.1 

リスク評価  防護服を適切に選択するために最初に必要なことは,ある特定の作業環境に伴うリス

クを評価することである。この評価実行の手順とは,この規格の目的範囲外ではあるが,ある特定の危険

因子に対して予想されるレベルと,時間及び暴露の可能性との両方を検討することが含まれている。しか

し暴露のレベルは極めて多様なものであるため,評価実行の到達点としては,リスクの程度及び危険の種

類を分類することに留めておく。まず,作業のリスクを次の 3 群に分け,これらを更に,関係する特定の

種類の危険性に従って分類する方法が便利である。

a)  A

群−低いリスクの局所的暴露  熱レベル及び暴露の可能性がともに低く,火炎は小さく,作業者の

体の限定的領域を暴露する可能性が高い。

b)  B

群−高いリスクの激しい熱に対する暴露  熱レベル及び暴露の可能性がともに高く,火炎は大きく,

作業者の体の広い領域を暴露する可能性が高い。

c)

C

群−高いリスクの消火活動  リスクは全般的に 群と似ているが,ある特有の危険性が加わる。


2

T 8006

:2005 (ISO 2801:1998)

2.2 

防護服の分類  適切な防護服を選択するためには,リスクの種類と防護服の種類との関係を明確に

する必要がある。熱及び火炎に対する防護服の試験方法及び性能基準を規定する国際規格及び欧州規格を

附属書Aに示す。このリストは,2.1 で規定したリスクの種類と国際規格に記載される防護服の種類との関

係を示すものである。

備考  これらの規格は作成中又は改訂中であり,このリストは現時点(1997 年 9 月)での技術を示し

ている。引用した文書に最新版があれば,最新版を参照することが望ましい。

3. 

防護服の使用

3.1 

一般  熱及び火炎に対する防護服は,意図した目的だけに使用する。

a)  A

群  低いリスクに対する防護服は,連続的に使用することを意図する防護服で,激しくない又は発

生確率の低い熱若しくは火炎に対し,身体の一部分を防護する防護服である。

b)  B

群  高いリスクに対する防護服は,現実に存在するか又は予想される激しい熱の危険有害性に対し

て使用することを意図する防護服である。特定の作業(例えば,炉に接近する場合。

)を行うためには,

高いレベルの防護性能をもつが,限られた時間だけ着用する目的の防護服を設計してもよい。また,

例えば,鋳物工場作業者用防護服のような潜在的な高熱リスクのある作業場で使用する場合,防護性

能は限定的であるが,連続的に着用することを目的とした防護服を設計してもよい。着用時の熱スト

レスを回避するためには,正しい種類の防護服を選択し,適宜,着用時間又は暴露時間を制限する必

要がある。

c)

C

群  消防隊員用の防護服は,高いレベルのリスクから短時間防護例えば,危険物火災又は航空機火

災を目的として設計してもよい。また,より低いリスク例えば,原野火災の消火活動状況下で,長時

間着用できることを目的に設計してもよい。消火活動では,暴露のレベルが急激かつ劇的に上昇する

ことがある。また,消防隊員には,熱及び火炎以外の危険有害性に対する防護も必要であり,このた

め消防隊員用の防護服は,より高い水準の熱防護性能及び他の危険有害性に対する防護性能をもつ傾

向がある。ただし,A

群又は 群の中での類似した用途のための防護服は,必ずしも他の群での使用

に適しているとは限らない。

備考  この規格のこれ以降の項目は,主に高いレベルのリスク(群又は 群)に対する防護服に適

用する。

3.2 

熱の蓄積  激しい熱に対する防護服は,着用者に対し熱の侵入を防止する構造となっている。着用

者が激しい熱に暴されている間,代謝熱及び防護服を通過する熱は体内に蓄積されるが,防護服はこの熱

の放散を妨げている。激しい熱現場に進入する以前に,どのような時間であれ防護服を着用していると,

事前に人体が許容できる熱容量の大部分を蓄えてしまい,有効な防護時間を短縮してしまうことになる。

したがって,激しい熱に対する防護服は,必要となる直前に着用し,使用後直ちに脱ぐか,開放して,熱

によるストレスを減らすことが好ましい。防護服の質量及び着用性も,防護水準及び着用者に与えるスト

レスに影響する要因であるため考慮する必要がある。


3

T 8006

:2005 (ISO 2801:1998)

3.3 

追加装備  激しい熱又は消火活動中の防護では,遭遇する可能性の高いリスクからの防護を目的と

して,頭部,手及び足の適切な防護装備を防護服と同時に着用することが望ましい。防護服と追加防護装

備の境界領域の防護は,特に注意を払う必要がある(例えば,袖と手袋,ズボンと靴との間に重ね部分を

付ける。

。落下物から頭部を防護するためには,通常ヘルメットを着用する。熱から頭部を防護するため

に追加装備が必要となることがある。顔面を防護するためには,金網又は透明な材質でできたバイザー又

は防炎面,また,頭部及び首を防護するためにバラクラヴァ帽又はしころを適宜,使用してもよい。場合

によっては,呼吸用保護具を必要とする。

3.4 

防護服の構成  熱及び火炎に対する防護服は通常,複層の材料からなる防護服で構成されている。

層を追加することによって,防護の水準及び種類を増加することができる。防護服の構成で得られる熱に

対する防護効果の一部は,このような層の間に取り込まれた空気の断熱効果に依存する。防護服が肌に密

着している場合又は別の装備によって圧縮されている場合は,  その部分の防護性能は低下する。防護服が

縮んで空気層が減った場合も,防護効果は低下する。防護服の構成に使用する材料を選択する場合も,着

用者に対する危険性が増加しないように注意が必要である。例えば,次の材料は,使用してはならない。

a)

熱で溶けて肌にじかに接すると,  激しい火傷を起こす可能性のある溶融性の材料(例えば,ある種の

合成繊維,他の熱可塑性材料)

b)

水若しくは可燃性液体,ちり,気体又は蒸気を吸収する可能性のある透過性及び吸収性外層材料。気

体又は液体の酸素が存在する場合には,火炎に対する防護性能は大幅に低下する。

3.5 

電気的危険性  熱及び火炎に対する防護服は,必ずしも電気的危険性から防護するようには設計さ

れていない。電気的危険性に対する防護が規定されている場合は,該当する性能基準に対する試験を必要

とする。

爆発性又は可燃性の気体で汚染された地域では,

防護服及び装備から静電気が生じないようにし,

また,放電を消失させるために適切な種類の靴を着用する。

4. 

着用者  着用者に対する注意事項は,次による。

4.1 

健康状態  高熱で危険な環境における作業は,大きなストレス源である。したがって,熱及び火炎

に対する防護服を着用する者の精神的並びに肉体的健康状態に配慮する。

4.2 

訓練  防護服を着用し,高熱で危険な環境で作業する者は,定期的に訓練を受けなければならない。

この訓練には幾つかの目的があるが,最も重要な事項を,次に示す。

a) 

着用者に,適切な防護服及び特殊な装備の選択並びに着用の習慣を,身に付けさせる。

b) 

着用者に,着用する防護服の性質及び制約条件を慣れさせる。

c) 

着用者に,防護服を着用した作業に慣れさせる。

d) 

危険に陥る前にそこから退却できるよう,着用者に肉体的忍耐の限度を認識させる。

e) 

着用者が,着用上の注意を理解し,標識の類別の意味を理解していることを確認する。

5. 

防護服の管理  防護服の管理は,次による。

5.1 

検査  熱及び火炎に対する防護服は,製造業者の指示に従って着用及び管理をしなければならない。

定期検査及び管理計画に対して特定の責任が割り当てられる。検査及び修繕の記録を取る必要がある(5.3

を参照)

。防護服が要求事項に適合しているかどうかの疑問がある場合は,その防護服は交換をする。

5.2 

管理及び洗濯  余計な汚れ及び油が付着していないよう,防護服は定期的に洗浄する。洗浄及び修

繕は,製造業者の指示に従う。防護服をドライクリーニングで洗浄する場合は,可燃性又は毒性の可能性

のある溶媒が残留しないように注意する。


4

T 8006

:2005 (ISO 2801:1998)

5.3 

記録  熱及び火炎に対する防護服の種類ごとに,技術に関するファイルを作成しておくべきであり,

そこには防護服の着用目的に関する製造業者からの情報とともに,推奨されている取扱い方法及び着用手

順を記載する。次の検査及び修繕の詳しい記録を保管する。

a) 

製造業者及び/又は納入業者の名前並びに住所

b) 

購入月日

c)

分類(A

群,群及び 群)

d) 

検査日

e) 

修繕者の名前など,修繕の日付及びその詳細な内容

f) 

必要に応じ,着用者の名前。


5

T 8006

:2005 (ISO 2801:1998)

附属書 A(参考)危険性の種類と防護服の分類に関する指針

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。この附属書で点線の下線

を施している箇所は,国際規格を我が国の消防活動の実情によって変更している事項である。

附属書   1  推奨規格及び最低限の性能水準

危険性の種類

危険の例

ISO

規格 CEN 規格

A

群−低リスク水準:熱及び/又は火炎に対する局所的暴露 

小さな火炎

小さな火炎近くでの作業

EN 533 

より大きな火炎

及び対流熱

小さな火炎への接近

ISO 11612

B1

水準

EN 531

B1

水準

放射熱

炉への接近

ISO 11612

C1

水準

EN 531

C1

水準

溶融金属の小滴

溶接及び切断

ISO 11611 (

1

)

EN 470-1 

溶融金属の飛まつ(沫)

鋳物製造 
  アルミニウム 
  鉄

ISO 11612

D1

水準

E1

水準

EN 531

D1

水準

E1

水準

B

群−高リスク水準:火炎を伴うか伴わない激しい熱への暴露 

火炎に包まれる危険(

2

)

レーシングドライバー

ISO 14460 

EN ISO 14460 

放射熱のみ

火炎及び炉の間近に接近

ISO 11612

C2

水準

EN 531

C2

水準

放射熱及びときどき火炎
に触れる

窯内部

ISO 11612

B2 + C2

水準

EN 531

B2 + C2

水準

放射熱及び火炎に接近す

窯内部

ISO 11612

B3 + C3

水準

EN 531

B3 + C3

水準

放射熱及び大きな火炎に
接近する

工場火災など

ISO 11612

B4 + C4

水準

EN 531

B4 + C4

水準

C

群−高リスク水準:消防活動 

開放された空間での長時

間消防活動(

2

)

原野での消防活動

ISO 15384  

ISO 11613 

EN ISO 15384

EN 469 

放射熱のみ

近接消火

ISO 11613  

EN 469

EN 1486: 

タイプ 1 

放射熱及び火炎に接近す

建物内での人命救助及び火炎近くで

の消防活動

ISO 11613  

ISO 15538

(2003 年 9

月時点では,レベル
1

と分類) 

EN 469

EN 1486: 

タイプ 2 

放射熱及び大きな火炎に
接近する

危険物火災や航空機火災などでの消
防活動

ISO 15538

(2003 年 9

月時点では,レベル
2

と分類) 

EN 1486: 

タイプ 3 

(

1

)

発行予定。

(

2

)

防護服を連続着用する場合は防護性能が熱ストレスに対して均衡がとれていること(3.1 を参照)


6

T 8006

:2005 (ISO 2801:1998)

附属書 B(参考)参考規格 

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

B.1 

国際規格

a)  ISO 11611:-(

1

), Protective clothing for use in welding and allied processes

b)  ISO 11612:1998, Clothing for protection against heat and flame

−Test methods and performance requirements

for heat

−protective clothing

c)

ISO 11613:1999, Protective clothing for firefighters

−Laboratory test methods and performance requirements

d)  ISO 14460:1999, Protective clothing for automobile racing drivers

−Protection against heat and flame−

Performance requirements and test methods

e)

ISO 15384:2003, Protective clothing for firefighters

−Laboratory test methods and performance requirements

for wildland firefighting clothing

f)

ISO 15538:2001, Protective clothing for firefighters

−Laboratory test methods and performance requirements

for protective clothing with a reflective outer surface

B.2 CEN

規格

a)  EN 469:1995, Protective clothing for firefighters

−requirements and test methods for protective clothing for

firefighting

b)  EN 470-1:1995, Protective clothing for use in welding and allied processes

−Part 1: General requirements

c)

EN 531:1995, Protective clothing for industrial workers exposed to heat (excluding firefighters' and welders’ V

clothing)

d)  EN 533:1997, Protective clothing

−Protection against heat and flame−Limited flame spread materials and

material assemblies

e)

EN 1486:1996, Protective clothing for fire fighters

−Test methods and requirements for reflective clothing

for specialized fire fighting

f)

prEN ISO 14460:1996, Protective clothing for automobile racing drivers

−Performance requirements and test

methods

B.3 ASTM

及び NFPA 規格

a)  ASTM F1002:1990, Protective clothing for use by workers exposed to specific molten substances and related

thermal hazards

b)  NFPA 1971:1997, Standard on protective ensemble for structural fire fighting

c)

NFPA 1974:1992, Standard on protective clothing for proximity fire fighting

d)  NFPA 1977:1998, Standard on protective clothing and equipment for wildland fire fighting

(

1

)

発行予定