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T 7402-2:2005

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本バイオマテリアル学会(JSB)/財団法人

日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準

調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 5832-12:1996,Implants for surgery

―Metallic materials―Part 12: Wrought cobalt-chromium-molybdenum alloy を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本

工業標準調査会は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願

公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS T 7402-2

には,次に示す附属書がある。

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS T 7402

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS T 7402-1

第 1 部:コバルト-クロム-モリブデン合金鋳造材

JIS T 7402-2

第 2 部:コバルト-クロム-モリブデン合金展伸材

JIS T 7402-3

第 3 部:コバルト-クロム-タングステン-ニッケル合金展伸材

JIS T 7402-4

第 4 部:コバルト-クロム-ニッケル-モリブデン-鉄合金展伸材


 
T 7402-2:2005

目  次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  用語の定義

2

4.

  品質

2

4.1

  化学成分

2

4.2

  金属組織

2

4.3

  機械的性質

2

5.

  試験

3

5.1

  化学分析試験

3

5.2

  引張試験

3

6.

  検査

3

7.

  報告

3

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

4


日本工業規格

JIS

 T

7402-2

:2005

外科インプラント用コバルト基合金―

第 2 部:コバルト-クロム-モリブデン合金展伸材

Cobalt based alloys for surgical implant applications―

Part 2: Wrought cobalt-chromium-molybdenum alloy

序文  この規格は,1996 年に第 1 版として発行された ISO 5832-12,Implants for surgery―Metallic materials

―Part 12: Wrought cobalt-chromium-molybdenum alloy を元に,対応する部分については対応国際規格を翻訳

し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格であるが,具体化のため,対応国際規格には規

定されていない項目を追加している。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。変更の一覧表をそ

の説明を付けて,

附属書(参考)に示す。

1.

適用範囲  この規格は,外科インプラントを製造するために使用されるコバルト-クロム-モリブデン

合金展伸材(以下,Co-Cr-Mo 合金展伸材という。

)の特性及び対応する試験方法について規定する。

備考1.  この Co-Cr-Mo 合金展伸材を用いて製造された最終製品から採取した試験片の機械的性質は,

必ずしもこの規格を満足しなくてもよい。

2.

この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 5832-12:1996

,Implants for surgery―Metallic materials―Part 12:Wrought cobalt-chromium

-molybdenum alloy (MOD)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。

JIS G 0551

  鋼のオーステナイト結晶粒度試験方法

備考  ISO 643:1983  Steels−Micrographic determination of the ferritic or austenitic grain size からの引

用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS G 0552

  鋼のフェライト結晶粒度試験方法

備考  ISO 643:1983  Steels−Micrographic determination of the ferrirtic or austenitic grain size からの引

用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS G 0553

  鋼のマクロ組織試験方法

JIS G 1256

  鉄及び鋼−蛍光 X 線分析方法

JIS G 1258

  鉄及び鋼−誘導結合プラズマ発光分光分析方法

JIS H 1273

  ニッケル及びニッケル合金中の鉄定量方法



T 7402-2:2005

JIS H 1275

  ニッケル及びニッケル合金中の炭素定量方法

JIS H 1276

  ニッケル及びニッケル合金中のけい素定量方法

JIS Z 2201

  金属材料引張試験片

備考  ISO 6892:1984  Metallic materials−Tensile testing からの引用事項は,この規格の該当事項と

同等である。

JIS Z 2241

  金属材料引張試験方法

備考  ISO 6892:1984  Metallic materials−Tensile testing からの引用事項は,この規格の該当事項と

同等である。

ASTM E 354

  Standard test methods for chemical analysis of high-temperature,electrical,magnetic, and other

similar iron, nickel, and cobalt alloys

3.

用語の定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

a)

焼きなまし  材料の拡散が十分に起こる温度で保持し,材料内部の成分偏析及び結晶格子内の内部応

力又は欠陥を熱的に除去する処理。

4.

品質

4.1

化学成分  化学成分は,5.1 によって試験を行ったとき,表 による。

  1  化学成分

化学成分  %

Cr Mo  Ni  Fe  C  N  Mn  Si

Co

26.0

∼30.0 5.0∼7.0 1.0 以下 0.75 以下

0.35

以下

0.25

以下

1.0

以下 1.0 以下

残部

参考  ASTM F 1537 では,炭素量が低い(0.14  %以下)合金と高い(0.15∼0.35  %)合金の 2 タイプに分類されて

いる。ISO でも ASTM F 1537 に準拠し,2 タイプに分類する動きがある。 

4.2

金属組織  合金の金属組織は,均一でなければならない。結晶粒径は,JIS G 0552 又は JIS G 0551

のどちらかの

付図 に示す標準図と比較して,結晶粒度番号が 5 より細かくなければならない。腐食方法

に関しては,JIS G 0553 を参考に行ってもよい。

4.3

機械的性質  機械的性質(引張強さ,耐力及び破断伸び)は,4.2 によって試験を行ったとき,表 

とおりとする。


3

T 7402-2:2005

  2  機械的性質

仕上げ方法

引張試験

引張強さ

MPa

耐力

MPa

破断伸び(

1

)

焼きなまし 750 以上 550 以上 16 以上

熱間加工 1

000

以上 700 以上 12 以上

冷間加工(

2

) 1

172

以上 827 以上 12 以上

注(

1

)

標点間距離は,5.65

o

A

若しくは 50 mm。Ao は,試験前の平行部の断面積(mm

2

)

(

2

)

受渡当事者間の協定によって,冷間引抜き材では,高強度で伸びの低い材料を使用できる。

参考1.  焼きなましで破断伸び 16  %以上は,ISO でも ASTM F 1537 に準拠し,20  %以上に改定され

る動きがある。

2.

冷間加工は,ISO でも ASTM F 1537 に準拠し,Warm-worked(温間加工)に改定される動きが
ある。

3.

冷間加工で引張強さ 1 172 MPa 以上は,ISO でも ASTM F 1537 に準拠し,1 192 MPa 以上に改

定される動きがある。

4.

  ASTM F 1537

では,焼きなまし条件:熱間圧延後の焼きなまし,熱間加工条件:熱間圧延のま

ま,及び温間加工条件:ひずみ硬化をもたらす加工熱処理と記載されている。また,絞りが,

それぞれの仕上げ方法に対して,破断伸びと同じ値になっている。 

5.

試験

5.1

化学分析試験  化学分析試験は,JIS G 1256JIS G 1258JIS H 1273JIS H 1275JIS H 1276ASTM 

E 354

などに準じ最適な方法で行う。

5.2

引張試験

5.2.1

試験片  試験片は,JIS Z 2201 による。試験片の本数は,同一ロッド(製造プロセス及び熱処理が

同一)で少なくとも 2 本以上とする。

5.2.2

試験方法  引張試験は,JIS Z 2241 による。

6.

検査  検査は,5.によって試験を行い,4.の規定に適合しなければならない。4.3 の規定に適合しなか

った場合及び標点間以外で破断した場合には,同一ロッドから不適合本数の 2 倍の試験片を追加し,すべ

て 4.3 を満足した場合だけ適合したとみなす。

7.

報告  製造業者は,必要に応じて材料名,製造方法,寸法,質量,製造年月日,製造業者名,製造番

号,試験の成績などを記載した明細書を注文者に提出する。

関連規格  ASTM F 1537  Standard specification for wrought cobalt-28chromium - 6Molybdenum alloys for

surgical implants



T 7402-2:2005

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS T 7402-2

:2005

外科インプラント用コバルト基合金−第

2

部:コバルト-クロム-モリブデン合金展伸材

ISO 5832-12

:1996

,外科用インプラント−金属材料−第

12

部:コバルト-クロム-モリブデン合金

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の

規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的

差異の項目ごとの評価及びその
内容

  表示箇所:本体 
  表示方法:点線の下線

項目番号

内容

(

Ⅱ)

国 際 規
格番号


目 

内容

項 目 ご と
の評価

技術的差異の内容

(

Ⅴ)  JIS と国際規格

との技術的差異の理
由及び今後の対策

1.

適 用 範

Co-Cr-Mo

合金

展 伸 材 の 特 性

及 び 対 応 す る
試 験 方 法 に つ
いて規定。

ISO 

5832-12 

1

JIS

に同じ

IDT

2.

引 用 規

JIS G 0551

JIS G 0552

JIS G 0553

JIS G 1256

JIS G 1258

JIS H 1273

JIS H 1275

JIS H 1276

JIS Z 2201

JIS Z 2241

ASTM E 354

 2

ISO 643

ISO 643

― 
― 

― 
― 

ISO 6892

ISO 6892

IDT

IDT

MOD/

追加

MOD/

追加

MOD/

追加

MOD/

追加

MOD/

追加

MOD/

追加

IDT

IDT

MOD/

追加

JIS

のあるものに

ついては JIS を追

加し,より具体的
にするため ASTM
を引用した。 

実 質 的 な 差 異 は な
い。

3.

用 語 の

定義

MOD/

追加

内容がより明確に
なるように用語を
定義した。

実 質 的 な 差 異 は な
い。

4.

品質

4.1

化 学

成分

4.2

金 属

組織

4.3

機 械

的性質

Cr, Mo, Ni, Fe,

C, N, Mn, Si, Co

の 化 学 成 分 を
規定。

金 属 組 織 の 結
晶粒度を規定。 
引 張 強 さ , 耐

力,破断伸びを
規定。

3

4

5

JIS

に同じ

JIS

に同じ

JIS

に同じ

IDT

MOD/

追加

IDT

腐食方法について
追加記載した。

5.

試験

5.1

化 学

分析試験

5.2

引 張

試験

化 学 分 析 試 験
を規定。

引 張 試 験 を 規

定。

6

6

JIS

に同じ

JIS

に同じ

MOD/

追加

MOD/

追加

具体的に JIS 及び

ASTM

の試験方法

規格を明示。

ISO

規格には,認可

された分析方法に準
じ る と の 記 述 が あ

り,実質的な差異は
ない。

JIS T 7401

に準じ,試

験片の本数を追加。


5

T 7402-2:2005

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的

差異の項目ごとの評価及びそ
の内容

  表示箇所:本体 
  表示方法:点線の下線

項 目 番

内容

(

Ⅱ)

国 際
規 格

番号

項目

番号

内容

項 目 ご と

の評価

技 術 的 差 異 の 内

(

Ⅴ)  JIS と国際規

格との技術的差異
の理由及び今後の

対策

6.

検査

検査方法を規定。

― MOD/追加

再試験を追加。

JIS T 7401

に準じ,

再試験を追加。

7.

報告

製造業者は,必要
に 応 じ て 報 告 の

明 細 書 を 注 文 者
に 提 出 す る こ と
を規定。

― MOD/追加

商 取 引 に お い て
必 要 な も の で あ

り,追加した。

JIS T 7401

に準じ,

追加。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

―  IDT………………  技術的差異がない。

    ―  MOD/追加………  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

2.

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  MOD……………  国際規格を修正している。