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T 7208-2

:2005

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本医用機器工業会(JAMEI)/社団法人日本

麻酔科学会(JSA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきと

の申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 10079-2:1999,Medical suction

equipment

−Part 2: Manually powered suction equipment を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS T 7208-2

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(規定)試験方法

附属書 B(参考)用途別  吸引容器の代表的な容量範囲

附属書 C(参考)説明

附属書 1(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS T 7208

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS T 7208-1

第 1 部:電動式吸引器−安全要求事項(作成中)

JIS T 7208-2

第 2 部:手動式吸引器

JIS T 7208-3

第 3 部:吸引源又は圧力源を動力とする吸引器(作成中)


T 7208-2

:2005

目  次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

2

3.

  定義

3

3.1

  手動発生吸引圧

3

3.2

  可搬形吸引器

3

4.

  清掃及び滅菌

3

5.

  設計上の要求事項

3

5.1

  接続部

3

5.2

  吸引チュービング

3

5.3

  先端具

4

6.

  作動上の要求事項

4

6.1

  使いやすさ

4

6.2

  分解及び再組立

4

6.3

  機械的衝撃

4

6.4

  水浸し試験

4

6.5

  安定性

4

6.6

  オーバーフロー防止装置

4

6.7

  吸引圧表示器

4

7.

  物質的要求事項

5

7.1

  寸法

5

7.2

  質量

5

7.3

  吸引容器

5

8.

  吸引圧及び流量に関する性能上の要求事項

5

8.1

  吸引圧

5

8.2

  流量

5

8.3

  自由空気流量

5

8.4

  こん(梱)包

5

9.

  環境に対する耐性

6

9.1

  作動条件

6

9.2

  保管

6

10.

  表示

6

11.

  製造業者からの情報

6

附属書 A(規定)試験方法

7

附属書 B(参考)用途別  吸引容器の代表的な容量範囲

11


T 7208-2

:2005  目次

(3) 

ページ

附属書 C(参考)説明

12

附属書 1(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

13

解  説

17


T 7208-2

:2005

白      紙


日本工業規格

JIS

 T

7208-2

:2005

医療用吸引器−第 2 部:手動式吸引器

Medical suction equipment

−Part 2: Manually powered suction equipment

序文  この規格は,1999 年に第 1 版として発行された ISO 10079-2,Medical suction equipment−Part 2:

Manually powered suction equipment

を翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変更の一覧

表をその説明を付けて,

附属書 1(参考)に示す。

1.

適用範囲  この規格は,口いん(咽)頭の吸引に用いる手動式医療用吸引器の安全及び性能に関する

要求事項について規定する。この規格は,手,足,又は両方で作動させる機器(

図 を参照。)及び電気機

器と一体化が可能な非電動式吸引器についても適用する。ただし,この規格は,電動式吸引器及び吸引源

又は圧力源を動力とする吸引器並びに次のものには適用しない。

a)

乗り物又は建造物の医療ガス配管設備(吸引/圧縮空気)及び壁コネクタ

b)

カテーテルチューブ,ドレイン,キューレット及び吸引チップ

c)

シリンジ

d)

歯科用吸引器

e)

余剰ガス排除システム

f)

研究室(検査室)で使用される吸引器

g)

自己血輸血システム

h)

受動的排尿システム

i)

創部ドレナージ用閉鎖システム

j)

落差式胃液ドレナージ

k)

口くう(腔)用粘液排除システム

l)

吸引容器が吸引ポンプの下流にある吸引器

m)

恒久的気管切開用吸引ユニットである旨表示した吸引器

n)

ベンチュリ(産科用)吸引器

o)

新生児粘液排除システム

p)

採乳ポンプ

q)

脂肪吸引

r)

子宮吸引

s)

胸くう(腔)ドレナージ


2

T 7208-2

:2005

1

  吸引圧表示器        2  フィルタ

3

  吸引容器            4  吸引圧調整器

備考1.  図示した要素の中には,必ずしも必要でないものもある。

2.

実際のシステムは,他の配置及び図示されていない部品から構成されている。

  1  吸引器  概略図

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 10079-2:1999

,Medical suction equipment−Part 2: Manually powered suction equipment (MOD)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発効年又は発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格

の規定を構成するものであって,その改正版・追補には適用しない。

JIS T 3251:2005

  気道用吸引カテーテル

備考  ISO 8836:1997  Suction catheters for use in the respiratory tract からの引用事項は,この規格の

該当事項と同等である。

JIS T 7201-2-1:1999

  吸入麻酔システム−第 2-1 部  麻酔用及び呼吸用機器−円錐コネクタ−円錐及

びソケット

備考  ISO 5356-1:1996  Anaesthetic and respiratory equipment−Conical connectors−Part 1: Cones and

sockets

がこの規格と一致している。

  適用基準

電動式吸引器

  電源 
(商用)

バッテリ

  手動

圧縮ガス

供給源

吸引配管 
  設備

手動式吸引器

吸引源又は圧 
力源を動力と 
する吸引器

駆動源


3

T 7208-2

:2005

ISO 10079-1:1999

  Medical suction equipment−Part 1: Electrically powered suction equipment−Safety

requirements

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,ISO 10079-1:1999 によるほか,次による。

3.1

手動発生吸引圧(manually powered vacuum, manually generated vacuum)  人の手,足又は両方に

よる吸引圧の発生。

3.2

可搬形吸引器(transportable equipment)  吸引源に接続した状態か又は切り離した状態で,範囲に

あまり制限なく,ある場所から他の場所へ容易に移動できる吸引器。

4.

清掃及び滅菌

4.1

吸引器は,汚染を受けやすいリユーザブル部品を製造業者が推奨する清掃,消毒及び/又は滅菌を

30

回繰り返した後,8.18.3 の規定に適合しなければならない。

4.2

取付けられるフィルタは,ディスポーザブルタイプか,又は 4.1 に従って清掃,消毒及び/又は滅菌

が可能なリユーザブルタイプでなければならない。

4.3

リユーザブル吸引容器アセンブリを備えた吸引器は,吸引容器アセンブリを製造業者が推奨する清

掃,消毒及び/又は滅菌を 30 回繰り返した前後において,8.18.3 の規定に適合しなければならない。

4.4

吸引チュービングは,ディスポーザブルタイプか,又は製造業者が推奨する清掃,消毒及び/又は

滅菌が可能なものでなければならない。

5.

設計上の要求事項

備考  構造上の要求事項は,同程度の安全性が得られるのであれば,この規格の詳細項目に従わなく

てもよい。

5.1

接続部

5.1.1

吸引容器接続部  吸引チュービング及び吸引源へ接続する中間チュービングの接続部は,すべての

部品を組み立てるとき,誤接続できない構造とするか,又は正しい接続方向を表示しなければならない。

適合性は,調査して確認する。

接続部の構造は,吸引ポンプへの被吸引物の流入の原因となるので接続を確実にするために機械的な継

手を使用するのがよい。

5.1.2

吸引チュービング接続部の内径  吸引チュービング接続部の内径は,製造業者が推奨するチューブ,

ホースなどの最大内径と等しいか,又は大きくなければならない。

5.1.3

排気口  吸引チュービングは,排気口に接続できてはならない。

5.2

吸引チュービング

5.2.1

一般  吸引チュービングを供給する場合,その内径は 5 mm 以上でなければならない。吸引性能は,

吸引チュービングの長さ,直径及びつぶれ度によって著しい影響を受ける可能性があるため,

附属書 

A.2

に従って試験したとき,吸引チュービングのつぶれ度は,全長にわたって 0.5 未満でなければならな

い。

5.2.2

足踏式吸引器の吸引チュービングの長さ  足踏式吸引ポンプが操作位置として床にあるとき,吸引

チュービングを供給する場合,その長さは,先端具が少なくとも床上 1.3 m に位置できる長さでなければ

ならない。

備考  附属書 C(参考)を参照。


4

T 7208-2

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5.3

先端具  製造業者が供給又は推奨する場合,吸引カテーテルは JIS T 3251 に適合しなければならな

い。

6.

作動上の要求事項

6.1

使いやすさ  吸引器の設計は,一人の人が使えるようにしなければならない。

6.2

分解及び再組立  使用者が分解できる(例えば,清掃のため)吸引器は,すべての部品を組み立て

るとき,正しい組立ができるように設計されるか,又は正しい再組立を示す表示をしなければならない。

製造業者の取扱説明書に従って,分解,再組立及び試験を行った後,吸引器は,8.18.3 の規定に適合し

なければならない。

6.3

機械的衝撃  野外用,搬送時に使用する又は両用の吸引器は,附属書 の A.3 に従って落下試験を

した後,8.18.3 の規定に適合しなければならない。

吸引器がそのキャリングケース外で作動することができる場合,吸引器の個々の部品を

附属書 の A.3

に従って落下試験をし,再組立した後,8.18.3 の規定に適合しなければならない。

備考  野外用吸引器は,事故又はその他の緊急時に医療施設外で使用することを意図している。この

ような状況での吸引器の使用は,機器が水(雨を含む)

,汚れ,不安定な場所,機械的衝撃及び

高低温にさらされることを前提としている。搬送時に使用する吸引器は,救急車の中,自動車

の中又は飛行機の中のような医療施設外で使用することを意図している。このような状況での

吸引器の使用は,機器が,不安定な場所,汚れ,機械的衝撃及び医療施設におけるより,より

広範囲な温度にさらされることを前提としている。

6.4

水浸し試験  野外用吸引器は,使用可能な状態で 1 m の高さから水の入った 1 m

3

の立方体容器の中

に落とし,10 秒間後に水から取り出し,7 秒間水を抜いた後,8.18.3 の規定に適合しなければならない。

備考  野外用機器は,極端な戸外状況を経験することを前提としている。したがって,水浸しに耐え,

かつ,十分に機能し続ける設計が望ましい。

6.5

安定性  野外用,搬送時に使用する又は両用の足踏み式吸引器は,水平から 20°(0.35 rad)の斜面

に置かれたとき,8.18.3 の規定に適合しなければならない。

その他の手動式吸引器は,11. b)に規定するように,製造業者が除外した以外の任意の位置で,その正

常な方向から 10°

(0.17 rad)傾けたとき,8.18.3 の規定に適合しなければならない。

6.6

オーバーフロー防止装置

6.6.1

液状物又は固形物が中間チュービングに入り込むのを防止する手段を備えた吸引器の吸引容器は,

附属書 の A.4 に従って試験したとき,表示された吸引容量の 90  %以上を吸引しなければならない。

備考  吸引器の中には,吸引容器が満杯になっても吸引を継続するよう設計されたものがある。

6.6.2

オーバーフロー防止装置が作動したとき,吸引は停止しなければならない。

6.7

吸引圧表示器  吸引圧表示器を備える場合は,次による。

6.7.1

アナログ表示は,2 mm 間隔以上の目盛をもち,各目盛はフルスケール値の 5  %以下を示さなけれ

ばならない。

6.7.2

ディジタル表示は,フルスケール値の 2  %以下の間隔で吸引圧を表示しなければならない。設計

上の最大吸引圧は,表示ケース上又はそれに近接して明りょう(瞭)に表示しなければならない。

6.7.3

吸引圧表示器のすべての表示は,少なくとも 1.0 の視力をもつ(必要なら矯正してもよい)操作者

が,白色光(昼光を模擬した)の 215 lx の照度で,吸引圧表示器から 1 m 離れたところで,座って又は立

って読み取れなければならない。


5

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6.7.4

アナログ吸引圧表示器のフルスケールは,最大設計吸引圧の 200  %以下でなければならない。

6.7.5

吸引圧表示器は,フルスケール値の±10  %以内の精度でなければならない。

備考  回転式吸引圧表示器の動きは,吸引圧が増加するにつれ反時計方向に動くことが望ましい。

7.

物質的要求事項

7.1

寸法  野外用吸引器は,キャリングケース又は枠も含め,600 mm×300 mm の長方形の間口を通過

できなくてはならない。

備考1.  吸引器は,しばしばそ(蘇)生器と一体をなし,吸引器だけで質量又は寸法を定義すること

はできない場合がある。このような状況では,この項は適用しないが,すべての野外用機器

の質量及び寸法は,できるだけ小さいことが望ましい。

2.

附属書 C(参考)説明も参照。

7.2

質量  野外用吸引器の質量は,キャリングケース又は枠及び附属品を含め,6 kg を超えてはならな

い。

7.3

吸引容器

7.3.1

吸引容器の入口部は,内径 5 mm 以上で,かつ,製造業者が推奨する吸引チュービングの最大内径

以上でなければならない。

入口部は,JIS T 7201-2-1 で規定する円すい(錐)コネクタのいずれとも合致してはならない。

7.3.2

吸引容器が満杯になっても作動を続ける野外用吸引器の吸引容器の容量は,200 mL 以上でなけれ

ばならない。それ以外の野外用吸引器の吸引容器の容量は,300 mL 以上でなければならない。搬送時に使

用する吸引器を含め,他のすべての吸引器の吸引容器の容量は,500 mL 以上でなければならない。

7.3.3

野外用以外の吸引器は,製造業者が推奨する吸引容器を一つ以上備えていなければならない。吸引

容器は,正常な使用位置で,内容物のレベルを明りょう(瞭)に示すのに十分に透明でなければならない。

吸引容器には,吸引可能な容量を mL で表示しなければならない。500 mL 以上の吸引容器には,容量の近

似値を目盛で表示しなければならない。目盛の間隔は,50 mL 以上,250 mL 以下が望ましい。

7.3.4

吸引容器は,

附属書 の A.5 に従って試験したとき,内破,ひび割れ,又は永久的な変形を起こ

してはならない。この試験に続いて,吸引器は 6.6.16.6.2 及び 8.18.3 の規定に適合しなければならない。

8.

吸引圧及び流量に関する性能上の要求事項

備考  附属書 C(参考)説明を参照。

8.1

吸引圧  附属書 の A.6 に従って試験したとき,吸引器は 10 秒間以内に少なくとも−40 kPa の吸引

圧に達しなければならない。

8.2

流量  附属書 の A.7 に従って試験したとき,吸引器は,模擬おう(嘔)吐物 200 mL を 10 秒間以

下で吸引しなければならない。

8.3

自由空気流量  附属書 の A.8 に従って試験したとき,最大自由空気流量は,少なくとも 0.33 L/s

(20 L/min)でなければならない。

8.4

こん(梱)包  こん包は 7.1 及び 7.2 の規定に適合しなければならない。機器保護の観点から,こん

包は,機器が使用準備状態で容易に持ち運び,取り出しができることが望ましい。


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9.

環境に対する耐性

9.1

作動条件  附属書 の A.9.2.1 及び A.9.2.2 に従って試験したとき,野外用及び/又は搬送時に使用

する吸引器は,8.18.3 の規定に適合しなければならない。

9.2

保管  附属書 の A.9.2.3 及び A.9.2.4 に従って試験したとき,野外用及び/又は搬送時に使用する

吸引器は,8.18.3 の規定に適合しなければならない。

10.

表示  吸引器には,次の事項を容易に消えない方法で表示しなければならない。

a)

野外用及び/又は搬送時に使用する以外の吸引器には,

“高吸引圧”

“中吸引圧”又は“いん(咽)頭

用吸引”か,若しくは最大吸引圧及び流量

b)

製造業者又は販売業者の名称,及び/又は商標

c)

吸引器の形式番号又は他の識別

d)

一つの排気口がある場合は,排気口に“排気”の表示

e)

設計上誤接続が防止できない場合は,吸引容器への入口部に“入口”の表示。

11.

製造業者からの情報  製造業者は,取扱説明書又は操作説明書,及び保守説明書を提供しなければな

らない。

取扱説明書には,次の情報を含めなければならない。

a)

吸引器は,使用上の十分な教育を受けた人だけが取り扱うことが望ましい旨の警告

b)

すべての作動モードに対する吸引器の操作方法及び使用限界の説明

c)

機器の分解及び再組立後,使用者は製造業者が推奨する試験手順を実行することが望ましい旨の説明

d)

次の詳細仕様

1)

作動環境範囲

2)

保管環境範囲

e)

当てはまれば(6.2 を参照)

,正確な関係で,イラストを含めた部品の分解及び再組立の方法

f)

体液又はおう(嘔)吐物による汚染に関して,吸引器及びその部品の推奨する清掃,消毒及び/又は

滅菌方法(4.

を参照)

g)

使用者が使用前に行う吸引器の機能試験

h)

部品番号を含めた使用者が交換できる部品表

i)

指定業者又は製造業者による保守点検の推奨頻度を含めた推奨保守

j)

故障の発見及び修復手順

k)

取扱説明書の発行及び/又は改訂年月日

l)

当てはまれば,最大長を含めたチュービング及び吸引容器接続部の寸法及び形式

m)

吸引容器を空にする方法及びオーバーフローが生じた後の操作方法

n)

製造業者及び/又は販売業者の名称及び住所

o)

吸引器の作動上の適合性(6.

を参照)


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附属書 A(規定)試験方法

A.1

一般  この附属書で規定した装置及び試験方法は,規定した以上の正確さをもたらす他の測定装置

又は方法を排除するものではない。疑義ある場合は,この規格の試験方法は,参考として取り扱う。

A.2

吸引チュービングのつぶれ試験  20∼25  ℃の周囲温度で,吸引チュービングをその全長にわたって

伸ばし,空気が流入しないように一端に栓をする。他端を吸引源に接続し,最大値が製造業者によって指

定されている場合は,最大吸引圧に調整する。最大値が明らかでない場合は,−60 kPa で試験する。5 分

間この吸引圧を保持する。

附属書 図 A.1 に示すように,吸引チュービングの外径をその長さに沿ってカ

リパス等で測定することによってつぶれ度 A を算出する。吸引チュービングを直径 100 mm の円柱に緩く

巻きつけて再度試験を行う。

備考  カリパス等による測定を簡単にするために,狭い溝を円柱に切ってもよい。

a

)試験前

b

)試験中

つぶれ度 A

試験前内径

試験前外径−試験中外

(合格)A  < 0.5      (不合格)A  ≧ 0.5

附属書 図 A.1  自在吸引チュービングの試験装置

1

  吸引源

2

  吸引圧表示器

3

  吸引容器

4

  吸引チュービング

5

  円すい(錐)接合

6

  栓

外径

外径

内径


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T 7208-2

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A.3

落下試験  コンクリートの床の上に 1 m の高さから最悪の条件下で吸引器を落とす。本体 8.18.3

の規定への適合性を試験する。

A.4

オーバーフロー防止装置及び吸引容量に対する試験  製造業者の取扱説明書に従ってオーバーフロ

ー防止装置を接続する。吸引器を最大自由空気流量に設定する。室温で,オーバーフロー防止装置の停止

機構が作動するまで,吸引容器に水を吸引する。水位を記録する。水から吸引チュービングを取り出し自

由空気流量にする。さらに 2 分間機器を運転する。停止機構を通過した水の量を測定する。オーバーフロ

ー防止装置が作動するまでに吸引容器に吸引した容量を測定する。

リユーザブル吸引器の場合は,製造業者が推奨する清掃,消毒及び/又は滅菌を 30 回繰り返した後,試

験する。

A.5

内破,ひび割れ又は永久的な変形に対する耐久試験  20∼25  ℃の周囲温度で,吸引容器及びフィル

タアセンブリ(存在する場合)又は吸引器全体(吸引容器と一体の場合)を保護囲い(例えば,箱又は袋)

の中に置く。インラインフィルタが使用されるか推奨される場合は,そのフィルタを取り付ける。吸引容

器の口を吸引源に接続する。製造業者が推奨する最大吸引圧の 120  %又は  −95 kPa を超えない吸引圧の

いずれか低い方の吸引圧を吸引容器及び附属品(存在する場合)に掛ける。5 分間吸引圧を保持し,その

後解除する。この手順をもう一度繰り返す。

警告  この試験は危険になり得る。飛散すると考えられる破片から人員を保護するために適切に配慮

することが望ましい。

リユーザブル吸引容器又はリユーザブルフィルタアセンブリの場合は,製造業者が推奨する

清掃,消毒及び/又は滅菌を 30 回繰り返した後,試験する。

備考  ある種の吸引器では,吸引容器は吸引器と一体となっている。

吸引容器又はフィルタアセンブリの内破,ひび割れ又は永久的な変形は目視によって確認す

る。

適切な試験装置を

附属書 図 A.2 に示す。

  1  吸引源      2  吸引圧表示器    3  保護囲い 
  4  大気遮断    5  被試験機器

附属書 図 A.2  内破,ひび割れ又は永久的な変形に対する耐久試験装置


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A.6

吸引圧に対する試験  吸引器に吸引容器を正しい場所にセットアップし,吸引容器の入口部に吸引

圧表示器を取り付け,吸引チュービングを完全に閉そく(塞)する。手動式又は足踏式吸引器の場合は,2

Hz

を超えない回数で機器を作動させる。10 秒間後の吸引圧表示器の読みを記録する。

A.7

いん(咽)頭用吸引に対する試験

A.7.1

試験材料及び試験装置

A.7.1.1

模擬おう(嘔)吐物  蒸留水 1 L に食用キサンタンガム 10 g を溶かし,およそ 2.55 の比重がある

直径 1 mm のガラス玉 100 g を加えて模擬おう(嘔)吐物を用意する。

備考 0.1 %(少量)の安息香酸を防腐剤として加えてもよい。

A.7.1.2

メスシリンダ  1 目盛が 50 mL 以下で,少なくとも 300 mL の容量があるメスシリンダを使用する。

A.7.2

手順  試験直前に,ガラス玉を分散させるために少なくとも 10 回,ガラスシリンダに栓をし転回

してかくはんする。周囲温度でメスシリンダに模擬おう(嘔)吐物 250 mL を注ぐ。吸引器に吸引チュー

ビングを取り付け,模擬おう(嘔)吐物の高さを吸引容器上部の高さと同じにして吸引器を作動させる。

メスシリンダに吸引チュービングを入れ,模擬おう(嘔)吐物 200 mL を吸引するのに要した時間を記録

する。

A.8

自由空気流量に対する試験  100 ms 以下の応答時間,0.1∼0.5 L/s の範囲で少なくとも 0.05 L/s の精

度及び 2 Pa /L/s 以下の抵抗(例えばニューモタコグラフ)を備えた流量計を,100  ± 10 mL の容量の容器

に直列に接続する。吸引器を 100 mL 容器に空気が漏れない方法で取り付ける(代表的な試験装置は

附属

書 A  図 A.3 を参照。)。製造業者の説明書に従って吸引器を作動させ,流量を記録する。

1

  流量計      2  接続部品:内径 10∼20 mm で長さ 100 mm 未満      3  100 mL 容器

4

  吸引チュービング:内径 10 mm で長さ 1.3 m 又は製造業者が推奨する吸引チュービング

5

  被試験機器

附属書 図 A.3  自由空気流量試験装置

A.9

作動及び保管条件

A.9.1

一般  A.9.2.1A.9.2.4 の各手順の完了に続き,本体 8.18.3 の規定への適合性を試験する。


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A.9.2

手順

A.9.2.1

高温での作動  環境試験室に吸引器を入れ,50±2  ℃の温度及び,少なくとも 95  %の相対湿度

で,少なくとも 7 日間放置する。その後,吸引器を環境試験室から取り出し,18∼22  ℃の温度及び 40∼

70

%の相対湿度に置く。5 分間以内に吸引器を作動させ試験する。

A.9.2.2

低温での作動  環境試験室に吸引器を入れ,−18±2  ℃の温度で 4 時間又は試験システムが安定

するまで放置する。その後,吸引器を環境試験室から取り出し,18∼22  ℃の温度及び 40∼70  %の相対湿

度に置く。5 分間以内に吸引器を作動させ試験する。

A.9.2.3

高温での保管  環境試験室に吸引器を入れ,60±

 5  ℃の温度及び 40∼70  %の相対湿度で,4 時

間以上又は試験システムが安定するまで放置する。その後,吸引器を環境試験室から取り出し,18∼22  ℃

の温度及び 40∼70  %の相対湿度に 4 時間置く。その後,吸引器を作動させ試験する。

A.9.2.4

低温での保管  環境試験室に吸引器を入れ,−40±5  ℃の温度で少なくとも 4 時間又は試験シス

テムが安定するまで放置する。

その後,

吸引器を環境試験室から取り出し,

18

∼22  ℃の温度に 4 時間置く。

その後,吸引器を作動させ試験する。


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T 7208-2

:2005

附属書 B(参考)用途別  吸引容器の代表的な容量範囲

備考  特定の用途又は多目的用途の場合は,最も適切な容量は一覧表の範囲と異なる場合がある。ま

た,個々の経験によっても,一覧表の容量の範囲から外れる場合もある。

単位  L

用途

容量の範囲

外科用吸引

成人又は幼児の口腔,鼻腔,気管用吸引 
胃液ドレナージ 
創部ドレナージ

成人の胸くう(腔)又は縦隔ドレナージ 
小児の胸くう(腔)又は縦隔ドレナージ 
野外用及び搬送時に使用

 1.5

∼4

 0.7

∼1.5

1

∼2

 0.5

∼1

1

∼2

0.25

∼1

 0.2

∼1.5 (

a

)

注(

a

)

吸引ポンプを通過できる吸引器に適用する。


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T 7208-2

:2005

附属書 C(参考)説明

序文  この附属書は,本体及び附属書に規定した事柄並びにこれらに関連した事柄を説明するもので,規

定の一部ではない。この規格の本体及び附属書の箇条に合わせているため,番号付けは連続しない。

5.2.2

足踏式吸引器の吸引チュービングの長さ  5.2.2 1.3 m の長さは,ベッド又は手押し車の患者に使

用するとき,吸引器を床の上で作動させることが可能となる。

7.1

寸法  病院以外で使用する吸引器に適用したこれらの寸法は,車の窓のような狭い開口部を通して,

又は他の不利な条件下での吸引を可能とする。

8.

吸引圧及び流量に関する性能上の要求事項  吸引器の流量に対する要求事項は,成人のいん(咽)頭

の平均容量に基づく。これは,患者の気道を確保する換気の最低限の中断となるだろう。AHA(米国心臓

病協会)は,基本的な CPR[心肺そ(蘇)生法]で,中断は長くても 7 秒間を推奨している。高吸引圧が

吸引チュービングからより大きな粒子を吸引するために必要なため,吸引圧に対する要求事項は必要であ

る。40 kPa のレベルは AHA が推奨するが,携帯形吸引器に対する流量の規定はなく,

“いん(咽)頭用吸

引に十分であることが望ましい”ということだけである。このために,適度な粘性及び微粒子材料を含ん

だ“おう(嘔)吐物”性能試験の導入が決定された。

A.9

作動及び保管条件  作動及び保管条件に対する規定条件は,ISO 8382(人に使用する手動人工呼吸

器)と一致させた。


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T 7208-2

:2005

附属書 1(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS T 7208-2

:2005  医療用吸引器−第 2 部:手動式吸引器

ISO 10079-2

:1999,医療用吸引器−第 2 部:手動式吸引器

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅱ)  国際 規

格番号

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ) JIS と国際規格との技術的差異の項目

ごとの評価及びその内容

  表示箇所:本体 
  表示方法:点線の下線

(

Ⅴ) JIS と国際規格との技術的差異

の理由及び今後の対策

項目 
番号

内容

項目
番号

内容

項 目 ご と
の評価

技術的差異の内容

1.

適用範囲

手動式吸引器について

規定

ISO 10079-2

1

手動式吸引器について

規定

IDT

2.

引用規格

JIS T 7201-2-1

JIS T 3251

ISO 10079-1 

2

ISO 5356-1

ISO 8836

ISO 10079-1 

IDT

3.

定義

3

JIS

に同じ IDT

4.

清掃及び滅菌

4

JIS

に同じ IDT

5.

設計上の要求

事項

5.1

接続部

5.2

吸 引 チ ュ ー

ビング

5.3

先端具

吸引チュービングの内
径は 5 mm 以上

5.1

5.2

5.3

JIS

に同じ

吸引チュービングの内
径は 6 mm 以上 

JIS

に同じ

IDT

MOD/

変更

IDT

吸引チュービングの内径は
医療用非電動式吸引器の規
格に基づき 5 mm 以上とし

次回改正時に再検討を行う

1

T

 7208-2


2005


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T 7208-2

:2005

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅱ)  国際 規

格番号

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ) JIS と国際規格との技術的差異の項目

ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:点線の下線

(

Ⅴ) JIS と国際規格との技術的差異

の理由及び今後の対策

項目

番号

内容

項目

番号

内容

項 目 ご と

の評価

技術的差異の内容

6.

作動上の要求

事項

6.1

使いやすさ

6.2

分 解 及 び 再

組立

6.3

機械的衝撃

6.4

水浸し試験

6.5

安定性

6.6

オ ー バ ー フ

ロー防止装置

6.7

吸 引 圧 表 示

“吸引圧表示器を備え
る場合,

”を追加

吸引圧表示器の精度は

フ ル ス ケ ー ル 値 の ±

10

%以内

6.1

6.2

6.3

6.4

6.5

6.6

6.7

JIS

に同じ

JIS

に同じ

JIS

に同じ

JIS

に同じ

JIS

に同じ

JIS

に同じ

特段の指定なし 

吸引圧表示器の精度は

フ ル ス ケ ー ル 値 の ±

5

%以内

IDT

IDT

IDT

IDT

IDT

IDT

MOD/

追加

MOD/

変更

吸引圧表示器を備えること
を強制するものではないこ
とを明確にした

吸引圧表示器の精度は医療

用非電動式吸引器の規格に
基づきフルスケール値の±

10

%以内とした

市場にでている製品のほとんど
が吸引圧表示器を備えていない
現状を考慮して追加したが,次

回改正時に再検討を行う 

次回改正時に再検討を行う

 
 
 

1

T

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2005


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T 7208-2

:2005

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅱ)  国際 規

格番号

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ) JIS と国際規格との技術的差異の項目

ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:点線の下線

(

Ⅴ) JIS と国際規格との技術的差異

の理由及び今後の対策

項目

番号

内容

項目

番号

内容

項 目 ご と

の評価

技術的差異の内容

7.

物質的要求事

7.1

寸法

7.2

質量

7.3

吸引容器

吸引容器の入口部は内

径 5 mm 以上

7.1

7.2

7.3

JIS

に同じ

JIS

に同じ

吸引容器の入口部は内

径 6 mm 以上

IDT

IDT

MOD/

変更

吸引容器の入口部の内径は

医療用非電動式吸引器の規
格に基づき 5 mm 以上とし

次回改正時に再検討を行う

8.

吸引圧及び流

量に関する性能

上の要求事項

8

JIS

に同じ IDT

9.

環境に対する

耐性

9

JIS

に同じ IDT

10.

表示

10

JIS

に同じ IDT

11.

製 造 業 者 か

らの情報

11

JIS

に同じ IDT

附属書 A(規定)

試験方法

A

JIS

に同じ IDT

附属書 B(参考)

用途別  吸引容器の代

表的な容量範囲

B

JIS

に同じ IDT

附属書 C(参考)

説明

C

JIS

に同じ IDT

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD

1

T

 7208-2


2005


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T 7208-2

:2005

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  IDT………………  技術的差異がない。 
    ―  MOD/追加………  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

    ―  MOD/変更………  国際規格の規定内容を変更している。

2.  JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  MOD……………  国際規格を修正している。

1

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