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日本工業規格

JIS

 T

7206

-1989

ガス動力そ(蘇)生器

Gas-powered Resuscitators

1.

適用範囲  この規格は,主に緊急事態で人命を助けるために用いるガス動力そ(蘇)生器(以下,そ

生器という。

)について規定する。

なお,全自動式のそ生器のほかに,操作者が適度に手で操作して吸気を送り込むそ生器及び患者の吸気

に応じて自動的に吸気を送り込むデマンド形のそ生器も含まれる。

備考  この規格の中で{  }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって規格

値である。

引用規格:

JIS B 8246

  高圧ガス容器用弁

JIS T 7201

  麻酔器

対応国際規格:

ISO 407

  Small medical gas cylinders−Yoke-type valve connections

ISO 5356-1

  Anaesthetic and respiratory equipment−Conical connectors−Part1 : Cones and sockets

ISO 8382

  Resuscitators intended for use with humans

関連規格  JIS Z 8203  国際単位系 (SI) 及びその使い方

2.

用語の意味  この規格で用いる主な用語の意味は,次のとおりとする。

(1)

ガス動力そ生器  呼吸不全状態の人に人工呼吸を行うために用い,圧縮ガス(酸素又は空気)で動力

を供給することによって,肺の換気を行うことのできる携帯用の装置。

(2)

用手作動式ガス動力そ生器  圧縮ガスによる動力を利用して送気するが,操作者が手によって操作す

るそ生器。

(3)

自動そ生器  肺を膨らませるための周期的送気が,患者の吸気努力又は操作者の動作に関係なく働く

そ生器。呼気相も独立して自動的に周期する場合もあるが,自動的に周期する吸気相の間で調節され

る場合もある。吸気相から呼気相への切換えは,圧サイクル,容量サイクル又は時間サイクルのいず

れかによる。

(4)

吸気  肺にガスが入ること。

(5)

呼気  肺からガスが出ること。

(6)

換気周期  吸気相と呼気相との和。

(7)  1

回換気量  (V

T

  吸気相又は呼気相時に,肺に出入りするガス量 (ml)  。

(8)

分時換気量  (V&)    1 分間に肺に出入りするガス量  (l)  。

(9)  1

回送気量  吸気相中に,そ生器から患者接続口へ送り込むことのできるガス量。


2

T 7206-1989

(10)

コンプライアンス(静的)  (C)    一定容器内のガス圧の単位変化によって充てん(填)されるガス量

の変化(大気圧を基準にして ml/kPa {ml/cmH

2

O}

で表す。

(11)

抵抗  (R)    一定の気流によるガス圧の低下率 [kPa/ (l/s) {cmH

2

O/ (

l/s)}]

(12)

気道  肺に入り,また肺から出るガスの通路。

(13)

乳児  体重 10kg 以下又は 1 才未満の人。

(14)

デマンドバルブ  患者の吸気努力によって作り出される圧変化によって吸気中にガスを間欠的に送り

込む弁。

(15)

患者呼吸弁(そ生弁)  吸気相中にガスを肺へ送り,また,呼気相中にガスを肺から外気へ導く弁。

(16)

患者接続部  直接マスク又は適切な気道連結具へ接続するそ生器の部分。

(17)

患者接続口  気管内チューブ又はマスクのどちらかに接続するそ生器の患者接続部にある開口部。

(18)

呼気排出口  患者から呼出されたガスが外気へ出る開口部。

(19)

送り込まれる吸気の酸素濃度  そ生器から患者に送り込まれるガス中の酸素の平均濃度。

(20)

機械的死くう(腔)  [V

D

 (app)] 

  呼気の終わりに装置内に残っている呼気の一部で,次の吸気相にそ

生器から送り込まれるガス量 (ml)  。

(21)

最大送り込み圧  そ生器が正常に機能している場合に,患者接続口で得られる最高ゲージ圧 (kPa

{cmH

2

O})

(22)

換気数  (f)    毎分の呼吸回数(回/分)。

(23)

加圧限定システム  最大送り込み圧を制限するための機構。

(24)

吸気・呼気相時間比(I比)  吸気相時間と呼気相時間との比。

(25)

オーバーライド機構  他の機能よりも優位性を確保するように切り換える機構。優位性を解除して元

の優位性に戻す機構も含まれる。

3.

性能

3.1

酸素供給及び送り込まれる吸気の酸素濃度  そ生器は,6.2 の規定によって試験を行ったとき,85%

(v/v)

以上の酸素濃度の吸気を送り込むことができなければならない。その他の酸素濃度の吸気を送り込む

ことができる場合には,種々の濃度を送り込むことができる条件を明示しなければならない。

3.2

呼気抵抗  呼気抵抗を変えるために,特別の装置が取り付けられる場合を除き,呼気抵抗は,6.3 

規定によって試験を行ったとき,0.49kPa {5cmH

2

O}

以上であってはならない。

3.3

吸気抵抗  吸気抵抗は,6.4 の規定によって試験を行ったとき,大気圧から 0.49kPa {5cmH

2

O}

を超

えて低下してはならない。

3.4

機械的死くう  そ生器の機械的死くうは,6.5 に規定する試験を行ったとき,3.5 に規定された 1 回

換気量の 10%+5mを超えてはならない。

3.5

換気性能  換気性能は,次のとおりとする。

(1)  1

回換気量  乳児用及び小児用のそ生器の 1 回換気量は,適合する患者の体重 1kg について 15mの 1

回換気量として求めた値以上でなければならない。新生児用のそ生器の 1 回換気量は 20m以上でな

ければならない。600m以上を送り込むことができるそ生器は,成人用と指定されなければならない。

なお,1 回換気量は,加圧限定システムにあるオーバーライド機構を使用することなく,6.6.1 に規

定する試験を行ったとき,

表 に示す作動条件で送り込まれなければならない。


3

T 7206-1989

表 1  作動条件

用途

コンプライアンス  (C)

ml/kPa {ml/cmH

2

O}

抵抗  (R)

kPa (l/s)

{cmH

2

O/ (l/s)}

I

±20%

換気数  (f)

回/分

±10%

1

回換気量  (V

T

)

ml

新生児用 
(体重 5kg 以下)

10.2 { 1}

39.2  {400}

1

:1 60

20

∼50

乳児用(体重 5kg を
超え,10kg 以下)

102 {10}

25

小児用(体重 10kg
を超え,40kg 以下)

1.96 { 20}

1

:2

15

×B*

成人用(体重 40kg
を超えるもの)

204 {20}

20

600

以上

*

B

は,取扱説明書に記載される指定体重 (kg) を示す。

(2)

加圧限定システム  加圧限定システムは,6.6.2 に規定する試験を行ったとき,300kPa {3.06kgf/cm

2

}

500kPa {5.1kgf/cm

2

}

のガス供給圧の範囲にわたって,最大送り込み圧が 5.88kPa {60cmH

2

O}

を超えて

はならない。ただし,オーバーライド機構を備えたものについては,この限りでない。

(3)

吸気量  そ生器は,6.6.3 に規定する試験を行ったときに,1.96kPa {20cmH

2

O}

の逆圧に対して毎分 40

±0.4の吸気量を送り込むことができなければならない。

(4)

自動そ生器  圧サイクルで吸気から呼気に切り換わる自動そ生器は,6.6.4 に規定する試験を行ったと

きに,1.96kPa {20cmH

2

O}

から 2.94kPa {30cmH

2

O}

の範囲での陽圧サイクル圧を示さなければならな

い。

容量サイクル又は時間サイクルで吸気から呼気に切り換わる自動そ生器は,6.2 及び 6.6.16.6.3 

規定する試験を行ったとき,3.1 及び 3.5 (1)(3)の規定に適合しなければならない。

(5)

用手作動式ガス動力そ生器  用手作動式ガス動力そ生器は,6.2 及び 6.6.16.6.3 に規定する試験を行

ったとき,3.1 及び 3.5 (1)(3)の規定に適合しなければならない。

3.6

デマンドバルブ  デマンドバルブは,6.7 に規定する試験を行ったとき,次のとおりとする。

(1)

開始圧  気流開始に必要な圧低下は,0.2kPa {2cmH

2

O}

以下でなければならない。

(2)

ピーク吸気流量  ピーク吸気流量は 0.78kPa {8cmH

2

O}

以下の出口圧において少なくとも 10 秒間は毎

分 100以上でなければならない。

(3)

終了圧  デマンド流量は,気道内圧が大気圧又は指定された圧に等しくなったときに終わらなければ

ならない。

3.7

吐物での汚染後の患者呼吸弁機能  患者呼吸弁は,6.8 に規定する試験を行ったとき,3.23.5 及び

3.6

のうちそれぞれ該当する規定に適合するように 20 秒以内に復元しなければならない。

3.8

機械的衝撃に対する耐性  そ生器が,運搬ケースやブラケットから取り外して使用するように作ら

れている場合には,6.9 の規定によって試験を行ったとき,3.23.5 及び 3.6 のうちそれぞれ該当する規定

に適合しなければならない。

なお,ケース内に納めたまま使用するように作られているそ生器では,ケースに納めたままで試験して

もよいが,少なくともケースは開いて使用状態で行わなければならない。

3.9

水浸しに対する耐性  そ生器は,6.10 に規定する試験を行ったとき,3.23.5 及び 3.6 のうちそれぞ

れ該当する規定に適合しなければならない。

3.10

使用環境と保管環境での性能  そ生器は,6.11 に規定する試験を行ったとき,正常かつ安全に使用

できなければならない。


4

T 7206-1989

3.11

ガス供給圧  そ生器は,6.12 に規定する試験を行ったとき,3.13.6 のうちそれぞれ該当する規定に

適合しなければならない。

4.

構造

4.1

マスク  マスクは,マスク本体,クッション及び患者接続部を受け入れることができるコネクタか

らなる。マスクが単体構造でなく,一部品以上で構成されている場合には,その部品類は組み立てやすく,

使用上安全なように,ばらばらにならないような堅固なものでなければならない。

また,クッションは,この規格で規定されている作動圧と温度で,顔面との間のガス漏れを最小限にす

るような有効な合い具合を与えなければならない。

なお,マスク本体は,透明であることが望ましい。

4.2

接続  接続は,次のとおりとする。

(1)

そ生器の患者接続部は,JIS T 7201(麻酔器)に規定する 22mm 雄と 15mm 雌の同軸円すい接合でな

ければならない。

(2)

呼気排出口にテーパ付きのコネクタを備えている場合には,

JIS T 7201

に規定する 19mm 雄又は 30mm

雄の円すい接合でなければならない。

また,接合部の内くう(腔)にはり(梁)

[けた(桁)

]を設け,JIS T 7201 に規定する 22mm 雄円

すい接合を受け入れられなくすることが望ましい。ただし,この場合,接合部を通る気流の抵抗が著

しく増してはならない。

(3)

マスクは,JIS T 7201 に規定する 22mm 雄円すい接合部に十分に接合する雌ソケットをもっていなけ

ればならない。ただし,新生児用や乳児用では 15mm 雄円すい接合にしてもよい。

(4)

バッグ入口弁は,JIS T 7201 に規定するいかなる円すい接合とも合ってはならない。

4.3

操作性  そ生器は,一人だけの操作で有効な換気が得られるような構造でなければならない。

4.4

分解及び再組立て  清しょく,消毒又は滅菌のために,使用者によって分解できる構造のそ生器で

は,部品を組み合わせる場合,誤った再組立てが行えないような構造でなければならない。

4.5

患者呼吸弁のハウジング  患者呼吸弁のハウジングは,機能する弁機構が操作者に容易に見えるよ

うに作られていなければならない。

4.6

ガス供給  ガス供給は,次のとおりとする。

(1)

そ生器の動力源となる小形酸素ボンベの高圧ガス容器用弁とヨークとの接続は,JIS B 8246(高圧ガ

ス容器用弁)の 4.3

ヨーク弁接続部及び 4.4 ヨーク弁充てん口による。

(2)

高圧ガス容器によって供給される酸素には,圧力指示計を備えなければならない。

(3)

高圧ガス容器用弁のバルブ開閉用キーを取り外すことができる場合には,20N {20kgm/s

2

}

の力に耐え

るチェーンなどで保持されなければならない。

4.7

携行用容器  そ生器の携行用容器は,取っ手,肩掛けバンドなどが付いた運搬に便利な構造でなけ

ればならない。

また,その高さと奥行きの寸法は,それぞれ 280mm 以下と 380mm 以下で,その質量は,高圧ガス容器

を含めて 15kg 以下でなければならない。

4.8

加圧限定システム  加圧限定システムは,次のとおりとする。

(1)

加圧限定システムには,オーバーライド機構を備えること。ただし,300kPa {3.06kgf/cm

2

}

∼500kPa

{5.1kgf/cm

2

}

のガス供給圧の範囲にわたって,最大送り込み圧が 5.88kPa {60cmH

2

O}

を超える場合に

は,オーバーライド機構を備えなくてもよい。


5

T 7206-1989

(2)

オーバーライド機構にロック機構が付いている場合には,

オーバーライド機構の作動モード

(例えば,

ON

又は OFF)が使用者に容易に見えること。

(3)

圧サイクルの自動そ生器には,加圧限定システムを備えないこと。

(4)

加圧限定システムは,作動するときに,可聴又は可視の警報で使用者に知らせることができる構造が

望ましい。

5.

構成部品

5.1

酸素に対する耐性  酸素に接触するそ生器の構成部品は,その部品が触れる酸素の濃度と圧力に耐

えなければならない。高圧の酸素に直接接触する部品は,発火に対して適切な耐性がなければならない。

5.2

腐食と劣化への耐性  そ生器の構成部品は,長期保管と塩水環境での使用に対して,十分に耐えな

ければならない。

5.3

清しょく,消毒又は滅菌  使用時に汚染を受ける構成部品は,製造業者が指定した清しょく,消毒

又は滅菌の方法に対して,十分に耐えなければならない。ただし,使用が 1 回限り(使い捨て)の部品は,

この限りではない。

6.

試験

6.1

試験条件  試験条件は,特に規定がない限り,温度 20∼25℃,相対湿度 45∼75%とする。

6.2

酸 素 供 給 及 び 送 り 込 ま れ る 吸 気 の 酸 素 濃 度   そ 生 器 を , コ ン プ ラ イ ア ン ス   (C) 204ml/kPa

{20m

l/cmH

2

O}

と抵抗  (R) 1.96kPa/ (l/s) {20cmH

2

O/ (

l/s)}

の特性をもつテスト肺(

付図 参照)に接続し,

また,酸素分析計(±1%酸素の精度,90%以上 10 秒の応答速度)を患者接続口からできるだけ遠くのコ

ンプライアンスチャンバ(テスト肺)の部位に接続する。テスト肺を毎分 12 回の呼吸数と 600mの 1 回

換気量で換気させ,酸素濃度の安定値が得られるまで,測定を続ける。

次いで,コンプライアンス  (C) 510ml/kPa {50ml/cmH

2

O}

と抵抗  (R) 0.49kPa/ (l/s) {5cmH

2

O/ (

l/s)}

の特性

をもつテスト肺にそ生器を接続して同様に繰り返す。

前記 2 条件の試験は両方とも,指定の最大と最小の酸素流量に設定して行わなければならない。

6.3

呼気抵抗  そ生器の患者接続口に,新生児用及び乳児用のそ生器では毎分 5l,その他のそ生器では

毎分 50の定常空気流を導入し,患者接続口で生じた圧力(呼気圧)を記録する。

6.4

吸気抵抗  そ生器の患者接続口を,新生児用及び乳児用のそ生器では毎分 5l,その他のそ生器では

毎分 50の定常空気流吸引源に接続し,患者接続口で生じた圧力(吸気圧)を測定する。

6.5

機械的死くう  トレーサ(追跡)ガスとして 100% (V/V)  酸素を用いて,そ生器によってガラス瓶の

中のバルーンからなるリザーバを換気する。そ生器の機械的死くうは,換気量とバルーン内の吸入ガスの

酸素濃度の変化から計算する。機械的死くうの測定は次の順序で行い,その試験装置は,

付図 に示すよ

うな構成とする。

(1)

試験準備  酸素分析計への通路をタップで閉じ,次いでボール弁を開く。そ生器を 22mm 雌ソケット

に接締して換気を行うが,バルーンが瓶を一杯にして,内壁を押すまで空気で満たす。次いで,ボー

ル弁を閉じ,酸素分析計へのタップを開き,酸素 21%を示すことを確認する。

そこで酸素流量計を開き,瓶を 100% (

V

/

V

)

酸素で満たしてバルーンを圧縮する。圧力計の読みが約

1kPa {10cmH

2

O}

になったとき,酸素流量計を閉じる。

(2)

試験装置の内部死くうの測定  22mm 雌ソケットに 22mm/15mm 同軸の試験用コネクタを接続し,サ

イドニップル(側孔)から適切な流量(

表 参照)の空気を供給する。


6

T 7206-1989

酸素分析計への通路をタップで閉じ,ボール弁を開き,それによって呼出流通路(内部死くう)を

100% (

V

/

V

)

酸素でフラッシュする。指を用いてコネクタ上の直径 10mm の穴を押さえたり,開いたり

してバルーンに送気するが,レスピロメータ⃝

V

と圧力計⃝

P

によって測りながら,1 回換気量  (V

T

) (m

l)

をほぼ一定に保つ。試験サイクル数などは

表 参照のこと。

ボール弁を閉じ,酸素分析計へのタップを開く。100% (

V

/

V

)

酸素の流量を毎分約 5に調整し,バル

ーン内の酸素濃度 FO

2

(バルーン)  (

V

/

V

)

を酸素分析計で測定する。圧力計の読みが約 1kPa {10cmH

2

O}

になったとき,酸素流量を止める。

該当する試験用パラメータ(

表 参照)の組合せについて,試験装置の内部死くう V

D

 (system)

を測

定する。

試験装置の内部死くう V

D

 (system)

は,次の式による。

T

D

V

FO

V

×

79

21

)

%)(

/

(

)

(

)

ml

(

)

system

(

v

v

2

試験接続

バルーン

ここに,

T

V

: ⃝

V

で測定した試験サイクル

f

の 1 回送気量の平均値(総送気量

f

(3)

そ生器の機械的死くうの測定  そ生器を 22mm 雌ソケットにつないでから,酸素分析計への通路をタ

ップで閉じ,ボール弁を開き,(2)と同じ試験を行い,バルーン内酸素濃度,総送気量及び試験サイク

ル数を記録する。

そ生器の機械的死くう

V

D

 (app)

は,次の式による。

)

system

(

79

21

%)

/

(

)

(

)

ml

(

)

app

(

v

v

2

D

T

D

V

V

FO

V

バルーン

×

表 2  試験用パラメータ

1

回換気量

(V

T

)

m

λ

コンプライアンス

(C)

ml/kPa {ml/cmH

2

O}

呼気抵抗

kPa/ (l/s) {cmH

2

O/ (l/s)}

試験装置の死くう測

定に使用する空気流

l/min

試験サイクル

(換気数)  (f)

600

200 {20}

0.5 { 5}

30

>15

100 100

{10}

2

{20}

5

>50

備考1.  1回換気量の600mは,成人用及び小児用のそ生器に適用する。

また,100mは,乳児用及び新生児用のそ生器に適用する。

2.

各バルブは,ボトルへ及びボトルからのフローパターンが実際に使われている場合に予測されるフロー
パターンと適度に近似するように,一連の抵抗を取り付ける。

3.

そ生器の動力としては,酸素の代わりに圧縮空気を用いること。

6.6

換気性能

6.6.1

1

回換気量  そ生器を,表 の特性をもつ適切なテスト肺に接続する(表 3及び付図 参照)。

例えば,シミュレートされた標準テスト肺の抵抗とコンプライアンスとの間に接続されたニューモタコグ

ラフによって,そ生器の駆動で生じる流量を記録し,その記録された流量を積分することによって,換気

量を測定する。

これらの試験は,4.8 のオーバーライド機構を使わずに実施しなければならない。


7

T 7206-1989

表 3  必要なコンプライアンス

分類**

ml/kPa {ml/cmH

2

O}

C 20

204  {20}

C 10

102  {10}

C

1

10.2

{ 1 }

**  付図 を参照。

表 4  必要な抵抗

抵抗

kPa/ (l/s) {cmH

2

O/ (l/s)}

分類**

直線的抵抗

放物線的抵抗

気流の範囲

l/s

R 20

2

{

20}

0.56 {5.6}

0

−1.0

R 400

40

{400}

0.14 {1.4}

0

−0.075

備考  気流の範囲の許容値は,直線的抵抗については±20%,

放物線的抵抗については±10%とする。

表 5  性能試験についての手順

コンプライアンス

抵抗

C

20

R

20

C

10

R

20

C

1

400

6.6.2

加圧限定システム  6.6.3 と同じ設定で加圧限定システムを通る気流を毎分 60

l

として患者接続口

を閉じ,そこでの圧力を測定する。

6.6.3

吸気量  患者接続口の上流に圧ゲージ付き流量計を 22mm ホースで連結し,その流量計を調節して,

そ生器を作動しながらその出口圧が 1.96kPa {20cmH

2

O}

になるように設定し,そのときの流量を測定する。

6.6.4

圧サイクルの自動そ生器の作動  表 に示された特性をもつテスト肺の中から適正なものを選ん

でそ生器に接続する。そ生器を作動させて吸気相から呼気相に切り換わるときの圧を測定する。

6.7

デマンドバルブ  デマンドバルブの試験は,次のとおりとする(付図 参照)。

(1)

開始圧については,デマンドバルブの患者接続口を陰圧源に接続し,デマンドバルブと圧力源との間

に置いたトランスジューサによってデマンドバルブが開き始めるときの陰圧を測定する。

(2)

ピーク吸気流量については,デマンドバルブを

付図 に従って接続し,次の試験を行う。

(a)

気流開始  患者接続口につないだ流量計で測定する出口流  (

f

o

)

が毎分 0∼10

l

の範囲になるまで,

陰圧源  (

P

i,n

)

を制御する調整器を調節して,陰圧  (

P

n

)

を設定する。陰圧計の読み

P

n

は,−0.2∼0kPa

{

−2.0∼0cmH

2

O}

の範囲にあること。

(b)

ピークフロー

P

i,n

を制御する調整器を調節して,

P

n

を 0.8kPa {8cmH

2

O}

まで下げていくが,この

間に

f

o

が少なくとも 10 秒間は,毎分 100

l

にあることを確認する。

(3)

気流終了時の終了圧

f

o

が毎分 5

l

の範囲になるように,

P

i,n

を制御する調整器を調節して,

P

n

を設定

する。次いで,次第に

P

i,n

を減らして

f

o

が 0 になるときの

P

n

を読み取る。

6.8

吐物での汚染後の患者呼吸弁機能  吐物の類似物として,トマトケチャップ 1 及び五分がゆ(粥)1

の割合の混合物を利用する。この混合物を 37±3℃に温めて,175m

l

をそ生器の患者接続口へ注ぎ,成人

用のそ生器は毎分 12 回の割合で,乳児用のそ生器は,毎分 30 回の割合でテスト肺を 30 秒間換気しなけれ

ばならない。その後,吐物の除去について製造業者の指定した方法に従って清しょく後,性能を確認する。


8

T 7206-1989

6.9

機械的衝撃に対する耐性  そ生器は,マスク,ホース,減圧弁,ボンベなどを使用状態に組み立て,

ボンベを空状態にして,少なくとも 1m の高さからコンクリート床上へ最悪と思われる条件で落下させた

後,性能を確認する。

6.10

水浸し試験  そ生器を使用状態で 1m の高さから水槽内に落とし,10 秒間水に浸してから取り出し,

水を 20 秒以内で振り切って,直ちに性能を確認する。

6.11

使用環境及び保管環境に対する試験  使用環境及び保管環境に対する試験は,次のとおりとする。

(1)

使用状態のそ生器を 50℃で少なくとも 95%の相対湿度のチャンバ内に 7 日間以上置いた後,性能を確

認する。

(2)

  (1)

の終了後 5 分以内に,18℃から 22℃まで,40%から 70%までの相対湿度での周囲環境に移し,7 日

間以上放置した後,性能を確認する。

(3)

そ生器を,少なくとも 4 時間又は条件が安定するまでの間−40℃のチャンバ内に置く。

(4)

  (3)

の終了後 5 分以内に,そ生器を 18℃から 22℃までの周囲温度のところに移し,少なくとも 4 時間

安定させた後,性能を確認する。

(5)

そ生器を,60℃,40%から 70%までの相対湿度のチャンバ内に 4 時間以上置く。

(6)

  (5)

の終了後 5 分以内に,そ生器を 18℃から 22℃まで及び 40%から 70%までの相対湿度の周囲環境に

戻した後,4 時間後にそ生器を作動させ,性能を確認する。

(7)

そ生器を−18℃のチャンバ内に 4 時間置く。

(8)

  (7)

の終了時点で,そ生器を 18℃から 22℃までの周囲環境に放置した後,5 分以内に作動させ性能を確

認する。

6.12

ガス供給圧  ガス供給圧に対する試験は,そ生器を,300kPa {3.06kgf/cm

2

}

と 500kPa {5.1kgf/cm

2

}

の酸素供給源に接続し,それぞれのそ生器に要求される性能を確認する。

7.

表示  そ生器又はその携行用容器には,容易に消えない方法で簡単な取扱説明を表示しなければなら

ない。

8.

取扱説明書  そ生器には,次の事項を記載した取扱い及び保守の説明書を携行用容器の中に納められ

る大きさで添付しなければならない。

(1)

警告事項

(a)

そ生器が,適切な訓練を受けた人によって使用されるべきであることを示す警告文。

(b)

危険又は爆発環境での使用についての警告。

(c)

有毒環境での使用についての警告(フィルタの使用などの適応がある場合にはその特性も含む。

(d)

火災の危険についての警告。

(e)

その他関連のある危険についての警告。

(2)

そ生器のすべての作動モードに関する取扱説明。

(3)

仕様

(a)

指定体重(

表 参照)による用途。

(b)

換気数の範囲。

(c)

送り込み圧の範囲。

(d)

使用環境の範囲が,周囲温度−18∼+50℃,相対湿度 40∼95%を限度とすること。

(e)

保管環境の範囲が,周囲温度−40∼+60℃,相対湿度 40∼95%を限度とすること。


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T 7206-1989

(f)

ガス供給圧の範囲。

(g)

送り込まれる吸気の酸素濃度の範囲。

(h)

ガス供給(入口)接続の特長及び寸法。

(i)

換気量の範囲。

(j)

機械的死くう

(k)

呼気抵抗

(l)

吸気抵抗

(m)

正常使用で 0.2kPa {2cmH

2

O}

以上の呼気終末圧が生じる場合には,その値。

(n)

加圧限定システム及びオーバーライド機構の有無とその使い方。

(4)

清しょくと滅菌のために構成部品の分解及び再組立てができる場合,分解及び再組立てに関する取扱

説明及び正しい組立図。

(5)

清しょく,消毒又は滅菌の方法。使用が 1 回限り(使い捨て)の部品は,その旨を表示すること。

(6)

使用前点検に適する機能試験の方法。

(7)

使用者が交換できる部品のリスト。

(8)

工場でのサービスが必要な場合には,その周期又は回数。不要な場合にはその旨を明記すること。

(9)

 1.96kPa

{20cmH

2

O}

及び 3.92kPa {40cmH

2

O}

の気道内圧での流量範囲。

(10)

ガス供給圧の持続時間。

備考  そ生器を表 に示す特性をもつテスト肺に接続し,(a)又は(b)のガスを毎分 10

l

の分時換気量

(又

はこれに最も近い設定)で送り込んでいる場合のガス供給の持続時間を測定する。

この場合の 9 804kPa (100kgf/cm

2

)

に充てんされた高圧ガス容器の 1

l

当たりの内容量について,

時間で表したガス供給の持続時間を取扱説明書に明記すること。

(a)

 85%

酸素以上。

(b)

製造業者の指定した 85%酸素以下の値が適用できる場合には,その指定されたガスの濃度。

9.

使用条件  使用条件は,次のとおりとする。

(1)

使用環境  使用環境は,周囲温度−18∼+50℃,相対湿度 40∼95%とする。

(2)

保管環境  保管環境は,周囲温度−40∼+60℃,相対湿度 40∼95%とする。

この場合,こん(梱)包状態で保管してもよい。


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T 7206-1989

付図 1  テスト肺(受動形)

備考1.  流量計の出力は,容量も出るように流量の積分ができること。

2.

コンプライアンスモデルの出力をコンプライアンスごとにそれぞれ校正したとき,容量も得られるこ
と。


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T 7206-1989

付図 2  機械的死くう測定用の試験装置

備考  試験装置は,V

D

 (system)

が 20m以下になるように設計されることが望ましい。酸素分析計は,大気で 21%

の読みになるように校正され,±1% (

V

/

V

)

酸素の精度であることが望ましい。


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T 7206-1989

付図 3  デマンドバルブの試験方法


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T 7206-1989

医療安全用具部会  麻酔器専門委員会  構成表

氏名

所属

(委員会長)

佐  藤      暢

鳥取大学医学部

鈴  木  紀  男

工業技術院標準部

渡  辺      徹

厚生省薬務局

小  林  建  一

東京慈恵会医科大学

神  山  守  人

杏林大学医学部

茅      稽  二

順天堂大学医学部

宮  坂  勝  之

国立小児病院

山  田      満

国立大蔵病院

渡  辺      敏

北里大学医学部

市  河  鴻  一

株式会社アイカ

佐  藤  誠  芳

アコマ医科工業株式会社

磯  部  満  夫

理研計器株式会社

久  枝  雄  三

泉工医科工業株式会社

鈴  木  史  郎

オリジン医科工業株式会社

小  池  英  二

アトム株式会社

宮  田  昭一郎

日本ドレーゲル株式会社

新  田  好  広

日本ビーオーシー株式会社

(事務局)

柾  谷  栄  吾

工業技術院標準部電気規格課

米  山  弘  光

工業技術院標準部電気規格課