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T 6610

:2005

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本歯科材料工業協同組合(JDMA)/財団法

人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標

準調査会の審議を経て,厚生労働大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO/FDIS 3107:2004,Dentistry−Zinc

oxide/eugenol and zinc oxide/non-eugenol cements

を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS T 6610

には,次に示す附属書がある。

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表


T 6610

:2005

目  次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  用途

1

3.

  引用規格

1

4.

  種類

1

5.

  品質

2

5.1

  生体適合性

2

5.2

  特性

2

6.

  試料の採取

2

7.

  試験方法

2

7.1

  試験片の作製

2

7.2

  硬化時間試験

2

7.3

  圧縮強さ試験

4

7.4

  被膜厚さ試験

6

7.5

  崩壊率試験

8

7.6

  酸溶解性ひ素含有量試験

10

8.

  包装及び表示

11

8.1

  包装

11

8.2

  説明書

11

8.3

  表示

11

8.4

  カプセル又は 回分入り容器

11

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

12


日本工業規格

JIS

 T

6610

:2005

歯科用酸化亜鉛ユージノールセメント及び

酸化亜鉛非ユージノールセメント

Dentistry-Zinc oxide/eugenol and zinc oxide/non-eugenol cements

序 文   こ の 規 格 は , 2004 年 に 発 行 さ れ た ISO/FDIS 3107 , Dentistry ― Zinc oxide/eugenol and zinc

oxide/non-eugenol cements

を翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変

更の一覧表をその説明を付けて,

附属書(参考)に示す。

1.

適用範囲  この規格は,歯科で用いる非水系の酸化亜鉛ユージノールセメント又は酸化亜鉛非ユージ

ノールセメント(以下,セメントという。

)に対する要求事項及び試験方法について規定する。主な反応成

分は,酸化亜鉛ユージノールセメントについては,酸化亜鉛及びユージノールであり,酸化亜鉛非ユージ

ノールセメントについては,酸化亜鉛並びに脂肪酸及び

/又は芳香族オイルである。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO/FDIS 3107:2004

,Dentistry−Zinc oxide/eugenol and zinc oxide/non-eugenol cements (MOD)

2.

用途  酸化亜鉛ユージノールセメントは,仮着(暫間合着),仮封(

1

)

,合着,暫間修復(

2

)

,ライニング

(裏層)及び/又はベース(裏装)に用い,酸化亜鉛非ユージノールセメントは,仮着(暫間合着)及び

/又は仮封に用いる。

注(

1

)

か洞形成又は根管治療時の一時的なか洞の封鎖。

(

2

)

永久的な修復効果を必要としないか,又は期待しない一時的な修復。

3.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS T 0993-1

  医療機器の生物学的評価−第 1 部:評価及び試験

JIS T 6001

  歯科用医療機器の生体適合性の前臨床評価−歯科材料の試験方法

ISO 2590

  General method for the determination of arsenic – Silver diethyldithiocarbamate photometric

method

4.

種類  セメントの種類は,用途によって分類し,表 による。


2

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  1  種類

種類

用途

タイプ 1 
  クラス 1  硬化型 
  クラス 2  非硬化型

仮着

タイプ 2

合着

タイプ 3

ベース及び暫間修復

タイプ 4

ライニング

タイプ 5

仮封

5.

品質

5.1

生体適合性  生体適合性については,JIS T 0993-1 及び JIS T 6001 によって生物学的安全性を評価す

る。

5.2

特性  特性は,製造業者が指定する方法によって調製し,7.  によって試験したとき,表 による。

  2  特性

種類

硬化時間

(37

℃)

圧縮強さ

(24 時間後)

MPa

崩壊率

(24 時間後)

%

被膜厚さ

µm

ひ素含有量

ppm

タイプ 1  クラス 1 4∼10 35 以下

− 25 以下

2

以下

タイプ 1  クラス 2 60 以上

− 25 以下

2

以下

タイプ 2 4∼10 35 以上 1.5 以下 25 以下

2

以下

タイプ 3 3∼10 10 以上 1.5 以下

2

以下

タイプ 4 4∼10 5 以上 1.5 以下

2

以下

タイプ 5

3

∼10

5

以上

2

以下

6.

試料の採取  試料は,同一ロットから採取し,その量は,繰り返し試験を含めて,規定されたすべて

の試験を完了するのに十分な量でなければならない。

7.

試験方法

7.1

試験片の作製

7.1.1

試料の準備  製造業者の指定によって試料を準備する。試料及び器具は,練和開始の前に少なくと

も 1 時間以上試験条件の環境下に置く。

7.1.2

試験条件  すべての試験片は,温度 23±1  ℃,相対湿度 (50±5) %の環境下で作製し,試験する。

7.1.3

練和手順  セメントは,製造業者が指定する方法によって,練和する。1 回の練和で 1 個の試験片

を作製できる十分な量のセメントを練和する。それぞれの試験片ごとに新規に練和する。

7.2

硬化時間試験

7.2.1

装置  装置は,次による。

a)

恒温恒湿器  温度 37±1  ℃,相対湿度 95 %以上を維持できるもの。

b)

ビカー針  平たんな末端をもつ針部を備え,針の先端からほぼ 5.0 mm は,円柱形であり,針の末端


3

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は,平面で,ロッド軸に対して直角であるもの。用いるビカー針は,セメントの種類によって,

表 3

による。

  3  セメントの種類及びビカー針

セメントの種類

ビカー針

タイプ 1 クラス 1,タイプ 2,タイプ 3

及びタイプ 5

質量 400±2 g  末端径 1.0±0.1 mm

タイプ 1 クラス 2 及びタイプ 4

質量 100.0±0.5 g  末端径 2.0±0.1 mm

c)

金型  図 に示す寸法の円孔をもつ方形の板。

単位  mm

  1  金型(硬化時間測定用)

d)

金属ブロック  最小寸法  8×20×10 mm のもの。

e)

平たんなガラス板  およそ 1 mm 厚さのもの(例えば,顕微鏡のスライドグラス)。

7.2.2

手順  手順は,次による。

a)

金属ブロック及びビカー針を,恒温恒湿器の中で 37±1  ℃に調整する。

b) 23

±1  ℃に調整した金型を平たんなガラス板の上に置き,製造業者が指定する方法によって練和した

セメントを金型の平面まで満たし,これを試験片とする。

c)

タイプ 3 及びタイプ 5 セメントは,練和開始から 120±10 秒間後に,その他のタイプのセメントは,

180

±10 秒間後に試験片を金属ブロックの上に置く。

d)

恒温恒湿器中に試験片を置き,速やかに,注意深く,ビカー針をセメント表面に垂直に下ろす。硬化

時間に達するまで,15 秒間間隔で,こん(痕)跡が重ならないように行う。針部は,常に清浄にして

おく。

e)

針が 2 mm 厚さのセメントを貫通しなくなった時間を,練和開始から計測し,これを 15 秒間単位で表

し,硬化時間とする。試験は 2 回行う。

f)

タイプ 1 クラス 2 は,非硬化のため,恒温恒湿器中に試験片を置き,質量 100.0±0.5 g のビカー針を

用いて,練和開始から 60 分間後に,注意深く,ビカー針をセメント表面に垂直に下ろす。貫通の有無

を,明るい透過光によって,目視で確認し,60 分間での貫通の有無を記録する。試験は 2 回行う。


4

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7.2.3

評価  2 回の結果が表 に適合するときは,合格とする。

7.3

圧縮強さ試験

7.3.1

装置  装置は,次による。

a)

寸法測定器具  マイクロメータ又はこれと同等の計測器具で,測定単位が 1 µm のもの。

b)

恒温恒湿器  温度 37±1  ℃,相対湿度 95 %以上を維持できるもの。

c)

分割型及び平板  ステンレス鋼,又はセメントによって影響を受けない材質の高さ 6 mm,内径 4 mm

の分割型及び平板(

参考図 参照)。

単位  mm

参考図  1  分割型及び平板

d)

加圧器  参考図 による。


5

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参考図  2  加圧器

e)

圧縮強さ試験機  クロスヘッドスピード 0.75±0.30 mm/min 又は負荷率 50±16 N/min で操作できるも

の。

7.3.2

試験片の作製  試験片の作製は,次によって適正な 5 個の試験片を用意する。

a)

分割型,平板及び加圧器を 23±1  ℃に調整する。

b)

製造業者が指定する方法によってセメントを練和し,練和終了 1 分間以内に分割型内に少し過剰に充

てんする。気泡の混入を避けるため,練和したセメントの適正な部分の最大量を,適切な器具を用い

て,分割型の片側から充てんする。

c)

少し過剰にセメントを充てんした分割型を若干の圧力を加えて下側の板に押し付ける。

備考  硬化したセメント試験片の取出しを容易にするため,セメント充てんの前に,型の内側面にマ

イクロクリスタリンワックス又はパラフィンワックスの 3 %石油エーテル溶液を均一に塗布し

てもよい。これらの代わりに,シリコングリースの薄い膜,又はポリテトラフルオロエチレン

の固体潤滑膜を用いてもよい。

d)

押し出されたセメントを除去した後,上側の金属板を分割型の上に載せて押し付け,更に余剰なセメ

ントを押し出す。この型と板とを加圧器に入れ,締め付ける。練和終了から 2 分間以内に,この組み

付けた全体を 37±1  ℃に調整した恒温恒湿器内に移す。

e)

練和終了から 1 時間後に平板を外し,試験片の両末端部が試験片の長軸に直角で平らになるように研

磨する。少量の 45 µm のシリコンカーバイド粉又はこれと同等の研磨材を平らなガラス板の上で蒸留

水又はイオン交換水(以下,水という。

)で混和したものを用いる。これらの代わりに,同等の研磨材

による研磨紙に水を注いだものを用いてもよい。研磨中は,試験片の両端を常に水でぬらしておき,

数回研磨するごとに試験片を 1/4 回転させる。

f)

表面研磨後すぐに,試験片を分割型から外し,気泡又は辺縁欠けを検査する。このような欠陥がある

試験片は,廃棄する。試験片の直交する 2 方向の直径を寸法測定器具を用いて 1 µm 単位で測定し,

平均値を直径とする。

g)

試験片を 37±1  ℃に調整した水中に 24 時間浸せきする。その後,テスト前に,23±1  ℃の水中に少


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なくとも 15±1 分間浸せきする。

7.3.3

手順  手順は,次による。

a)  7.3.2 

によって調製した 5 個の試験片について,試験を行う。

b)

平たんな末端を圧縮試験機の圧縮盤間に置き,試験片の長軸方向に圧縮荷重をクロスヘッドスピード

0.75

±0.30 mm/min 又は負荷率 50±16 N/min で破壊まで負荷する。

c)

試験片が破壊したときの最大荷重を記録し,圧縮強さ  (C)  を次の式によって,メガパスカル (MPa) 単

位で求める。

2

4

d

p

C

×

=

π

ここに,

p

:  負荷された最大荷重 (N)

d

:  試験片の直径 (mm)

7.3.4

評価  評価は,次による。

a) 5

個のうち,4 個以上が

表 に適合するときは,合格とする。

b) 5

個のうち,3 個以上が

表 に適合しないときは,不合格とする。

c) 5

個のうち,3 個だけが

表 に適合するときは,再試験を行う。再試験の結果がすべて表 に適合する

ときは,合格とする。

7.4

被膜厚さ試験

7.4.1

装置  装置は,次による。

a)

ガラス板  2 枚の方形又は円形のガラス板であって,光学的に平たんな,接触表面積が 200±25 mm

2

のもの。ガラス板は,厚さが 5 mm 以上で均一な厚さのもの。

b)

加重装置  参考図 に示す形の加重装置又はこれと同等の手段で,上側のガラス板を介して試験片に

垂直に静かに,かつ,回転しないように 150±2 N の荷重をかける装置。押板は,ロッドの底面に取り

付け,基盤に対して平行で,かつ,水平でなければならない。荷重をかけるときに,ガラス板がずれ

ないようにするガイドを用いてもよい。


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試 験 片

ガ ラ ス 板

押板

参考図  3  被膜厚さ試験用加重装置

c)

寸法測定器具  マイクロメータ又はこれと同等の計測器具で,測定単位が 1 µm のもの。

7.4.2

手順  手順は,次による。

a) 2

枚の光学的に平たんなガラス板を密着させて重ね合わせ,

2

枚重ねの厚さを 1 µm 単位で計測する

(厚

さ A)

b)

上側のガラス板を取り除き,製造業者が指定する方法によって練和したセメント 0.02∼0.1 mL を下側

のガラスの中央に載せる。これを,加重装置の荷重中心線に合わせて,同装置の基盤上に置く。先に

取り外しておいた上側のガラス板を,最初の厚さ計測時と全く同じ向きにして,セメントに中心を合

わせて再び載せる。

c)

製造業者が表示した操作時間の終了 10 秒間前に,加重装置によって 150 N の荷重をかけ,10 分間放

置する。セメントが 2 枚のガラス板間を完全に充していることを確認する。

d)

ガラス板 2 枚とセメント被膜との合計厚さを計測する(厚さ B)

e)

セメント被膜の有無による厚さの差(厚さ B−厚さ A)を求め,これを被膜厚さとして 2 µm 単位で記

録する。5 個の試験結果を求める。

7.4.3

評価  評価は,次による。

a) 5

個のうち,4 個以上が

表 に適合するときは,合格とする。

b) 5

個のうち,3 個以上が

表 に適合しないときは,不合格とする。

c) 5

個のうち,3 個だけが

表 に適合するときは,再試験を行う。再試験の結果がすべて表 に適合する


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T 6610

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ときは,合格とする。

7.5

崩壊率試験

7.5.1

装置  装置は,次による。

a)

恒温恒湿器  温度 37±1  ℃,相対湿度 95 %以上を維持できるもの。

b)

型  ステンレス鋼製の高さ 1.5 mm,内径 20 mm のスプリットリングで,参考図 に示すものと同等

の保持板にはめ込む。

備考  この保持板は,余剰セメントによってスプリットリングが,内径 20 mm を超えて広がらないよ

うにするものである。

単位  mm

参考図  4  崩壊率試験用型

c)

ワイヤ(本)  ステンレス鋼又は他の非腐食性材料で作製されたもの。直径約 0.25 mm,長さ約 50 mm

で,0.001 g 単位でひょう量する。

d)

広口ひょう量瓶(個)  少なくとも 50 mL の容量があるもので,参考図 による。


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参考図  5  広口ひょう量瓶

e)

スプリングクランプ(単式又は複式)  参考図 による。

参考図  6  スプリングクランプ(複式)

f)

デシケータ  乾燥した無水硫酸カルシウム又は 130  ℃で乾燥したシリカゲルを入れておく。

7.5.2

試験片の作製  試験片は,次によって 2 個作製する。

a)

スプリングクランプを,試験片作製の少なくとも 5 分間前に 37±1  ℃の恒温恒湿器中に置く。


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b)

平たんなガラス板の上に薄いポリエチレン又はセルロースアセテートのシートを置き,その上に型を

置く。

c)

ひょう量した適切な長さのワイヤを,スプリットリングの開口部を通して,スプリットリングの内側

に少なくとも 10 mm 突き出す。

d)

製造業者が指定する方法によって練和したセメントを,スプリットリングにやや余剰に満たす。この

セメントの上に,ポリエチレン又はセルロースアセテートのシートを置き,次いで平たんなガラス板

を被せ,圧接する。

e)

練和開始から 3 分間後に,型,セメント及びガラス板を一体としたものを,恒温恒湿器内に置いたス

プリングクランプにセットする。

f) 1

時間後に,スプリングクランプから取り外し,硬化したセメント円板をワイヤを付けたままでスプ

リットリングから注意深く取り出し,試験片とする。

備考  この硬化初期のセメントは,壊れやすいので,試験片を取り外す前に,スプリットリングの表

面に付着している余剰の硬化セメントをあらかじめ取り除いておくことが大切である。試験片

を型から取り外しやすくするために,型に分離材を塗布することが望ましい。例えば,PTFE(ポ

リテトラフルオロエチレン)を乾燥膜として形成するもの。

g)

試験片の辺縁から余剰の硬化セメントを取り除き,試験片表面のすべての付着物を柔らかい筆で除去

する。

7.5.3

手順  手順は,次による。

a)

試験片(ワイヤを含む。

)をひょう量し,用いたワイヤの質量を減算して,硬化セメントの正味質量を

0.001 g

単位で記録する  (m

1

)

  

b)

広口ひょう量瓶に 2 個の試験片を,試験片どうし及び試験片と瓶の側壁とが触れないようにワイヤで

つるし(

参考図 参照),この瓶に蒸留水 50 mL を注いで 2 個の試験片を浸せきし,瓶の栓をできる

だけ強く締める。37±1  ℃で 24 時間保存する。

c)

試験片を浸せきして 24 時間後,水から取り出す。試験片の表面を少量の蒸留水ですすぐ。その表面を

清潔な吸取紙で吸い取る。試験片をデシケータ中に 24 時間保存後,試験片を 0.001 g 単位でひょう量

した後,デシケータ中に 24 時間保存する。試験片の質量が恒量  (±0.001 g)  に達するまで,これを繰

り返し,最終の質量から用いたワイヤの質量を減算して,試験後の硬化セメントの正味質量を 0.001 g

単位で記録する (m

2

)

7.5.4

結果の処理  結果の処理は,次による。

a)

崩壊率  (D)  を次の式を用いて求める。

100

1

2

1

×

=

m

m

m

D

ここに,

D

崩壊率 (%)

m

1

試験前の硬化セメントの質量

(g)

m

2

試験後の硬化セメントの質量

(g)

b)

試験は,2 回行い(2 個の広口ひょう量瓶に各々2 試験片)

,崩壊率  (D)  の平均値を 0.1 %単位で記録

する。

7.5.5

評価  結果が表 に適合するときは,合格とする。

7.6

酸溶解性ひ素含有量試験  試験は,次による。


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T 6610

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7.6.1

試験液の作製  硬化したセメントを粉末にし,75 µm (200 mesh)  のふるいを通す。ふるいを通した

粉末 2 g を蒸留水 30 mL に分散させ,36  質量%塩酸(密度 1.18 g/mL)10 mL を加えて,かくはんする。

これを 37±1  ℃で 1 時間保ち,ろ過した液を試験液とする。

7.6.2

手順  手順は,a),b)又はこれと同等の感度のある分析方法のいずれかによって行う。

a)  ISO 2590

による。

b)

日本薬局方一般試験法 40.  ひ素試験法  第 1 法(

3

)

による。

注(

3

)

日本薬局方  一般試験法 40.  ひ素試験法  第 1 法によるときは,試験液 20 mL を精確に採取し,

試験に用いる。

7.6.3

評価  結果が表 に適合するときは,合格とする。

8.

包装及び表示

8.1

包装  セメントは,内容物と反応せず,内容物の汚染が起こらない材質の密閉容器(

4

)

で供給しなけ

ればならない。

注(

4

)

容器とは,セメントの直接の被包のことである。

8.2

説明書  セメントには,次の事項を記載した説明書を添付しなければならない。

a)

推奨する練和温度及び湿度

b)

用途ごとの推奨混和比

c)

練和方法

d)

混和方法,練和器の種類及びカプセル 1 個の採取可能量 (mL)(カプセル入りの場合)

e)

練和時間

f)

練和終了からの操作時間

g)

硬化時間(必要な場合)

8.3

表示  セメントの包装には,次の事項を表示しなければならない。

a)

製品名

b)

セメントのタイプ及びクラス,又は用途

c)

内容量

d)

保管条件及び使用期限(外装)

e)

製造番号又は製造記号

f)

ユージノールのような刺激性成分名

g)

製造業者名及び所在地

h)

その他の法定表示事項

8.4

カプセル又は 回分入り容器  カプセル又は 1 回分入り容器には,次の事項を表示しなければなら

ない。

a)

色調が識別できる表示(複数の色調がある場合)

b)

カプセルの外装には,保管条件及び使用期限並びに製造番号又は製造記号。色調が識別できる表示(複

数の色調がある場合)


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T 6610

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附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS T 6610:2005

歯科用酸化亜鉛ユージノールセメ

ント及び酸化亜鉛非ユージノールセメント

ISO/FDIS 3107:2004

  歯科−酸化亜鉛/ユージノールセメント及び酸化亜鉛/非ユージノールセメント

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術

的差異の項目ごとの評価及び
その内容

表示箇所:本体

表示方法:側線又は点線の下

項目 
番号

内容

(

Ⅱ)

国際 
規格

番号

項目
番号

内容

項 目 ご と
の評価

技術的差異の内

(

Ⅴ)  JIS と国際規格

と の 技 術 的 差 異 の
理 由 及 び 今 後 の 対

1.

適用 
範囲

歯科で用いる非水系の酸化亜鉛ユージノー
ルセメント又は酸化亜鉛非ユージノールセ
メントにに対する要求事項及び試験方法に

ついて規定する。主な反応成分は,酸化亜鉛
ユージノールセメントについては,酸化亜鉛
及びユージノールであり,酸化亜鉛非ユージ

ノールセメントについては,酸化亜鉛並びに
脂肪酸及び/又は芳香族オイルである。

ISO/

FDIS 

3107 

1

この規格は,歯科修復で仮着(暫間合
着)

,合着,暫間修復,ライニング(裏

層)及び/又はベース(裏装)に用い

る非水系の酸化亜鉛/ユージノールセ
メントに対する要求事項及び試験方法
について規定する。この規格は,酸化

亜鉛と芳香族オイルからなる仮着用の
非ユージノールセメントにも適用でき
る。

MOD/

追加

酸化亜鉛非ユー
ジノールセメン
トの液成分とし

て,脂肪酸を選
択又は追加でき
るようにした。

今後の ISO 規格改
正時に提案する。

− IDT

適用範囲を分割
し用途を別立て

にした。

2.

用途

酸化亜鉛ユージノールセメントは,仮着(暫

間合着),仮封(

1

)

,合着,暫間修復(

2

)

,ライ

ニング(裏層)及び/又はベース(裏装)に
用い,酸化亜鉛/非ユージノールセメントは,

仮着(暫間合着)及び/又は仮封に用いる。

MOD/

追加

仮封用途の追加

国 内 で は 仮 封 材 と

し て 用 い ら れ て い
るため。 
今後の ISO 規格改

正時に提案する。

 

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T 6610

:2005

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的

差異の項目ごとの評価及びその
内容

表示箇所:本体

表示方法:側線又は点線の下線

項目

番号

内容

(

Ⅱ)

国際 
規格 
番号

項目

番号

内容

項 目 ご と の

評価

技 術 的 差 異 の 内

(

Ⅴ) JIS と国際規格との技術

的差異の理由及び今後の対

2.

用途

(続き)

注(

1

)

か洞形成又は根管治療時の一時的な

      か洞の封鎖。

  (

2

)

  永久的な修復効果を必要としない

      か,又は期待しない一時的な修復。

MOD/

追加

注(

1

) (

2

)

の追加

用途における仮封と暫間修
復の違いを明確にするため。

今後の ISO 規格改正時に提
案する。

ISO 3696 

MOD/

削除

ISO

規格の削除。 我が国には,当該 ISO 規格

の規定に合致する水はない。

JIS T 0993-1

JIS T 6001

ISO 2590 

序 文 に ISO 10993-1 及 び

ISO 7405

を記載。

ISO 2590 

IDT

IDT

IDT

− 

我が国で制定している規格
を優先引用した。

3.

引用

規格

2

ISO 8601 

MOD /

削除

ISO

規格の削除。 北米方式の表記を許容する。

種類と使用目的及びタイプと形態

表 1 
タイプ 1            クラス 1

クラス 2

タイプ 2 
タイプ 3 
タイプ 4

JIS

に同じ。

タイプ  Ⅰ      クラス 1

クラス 2

タイプ  Ⅱ       
タイプ  Ⅲ             
タイプ  Ⅳ

4.

種類

タイプ 5

3

− MOD/追加

タイプの追加

国内では仮封材として多く
用いられているため。 
今後の ISO 規格改正時に提

案する。

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T 6610

:2005

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異

の項目ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:側線又は点線の下線

項目

番号

内容

(

Ⅱ)  国際

規格番号

項目

番号

内容

項 目 ご と

の評価

技術的差異の内容

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の理由

及び今後の対策

5.1

  生体適合性

JIS T 0993-1

及び JIS T 

6001

によって生物学的安

全性を評価する。

4 

4.2

  JIS に同じ。

IDT

5.2

  特性

圧 縮 強 さ   タ イプ 3   10

MPa

以上

4.1

  特性

圧縮強さ  タイプ  Ⅲ

25 MPa

以上

MOD/

変更

規格値の変更。

暫間修復及び裏装用の国内市販品が適
合するように変更した。 
今後の ISO 規格改正時に提案する。

5.

品質 

タイプ 5 及びその特性要求

MOD/

追加

タイプ及び規格値の
追加。

タイプ 5 を追加したため。 
今後の ISO 規格改正時に提案する。

6.

試料 の

採取 

5 JIS

に同じ。

IDT

試験片の作製

硬化時間試験

7.2.1 b)

ビカー針

表 3

7.2.2 f)

  練和開始から 60

分後に

6 JIS

に同じ。

IDT

7.3

圧縮強さ試験

7.3.2 c

)の  備考  硬化した

セ メ ン ト 試 験 片 の 取出 し
を容易にするため,…とし

た。

 6.3

  JIS に同じ。 

IDT

7.4

  被膜厚さ試験

6.4

  JIS に同じ。 

IDT

7.5

  崩壊率試験

6.5

  JIS に同じ。 

7.

試験 方

 

7.5.1c)

  ワイヤ(4 本)

 6.5.1.3

  2 本のワイヤ

IDT

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T 6610

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(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異

の項目ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:側線又は点線の下線

項目

番号

内容

(

Ⅱ)  国際

規格番号

項目

番号

内容

項目ごとの

評価

技術的差異の内容

(

Ⅴ) JIS と国際規格との技術的差異の理由

及び今後の対策

7.5.2 d)

の備考  この硬化初

期のセメントは,壊れやす

いので,…とした。

6.5.1.7

  本文中の“こ

の 硬 化 初 期 の セ メ ン

ト…”

IDT

7.5.3c)

  …恒量  (±0.001 g)

に達するまでこれを繰り返
し,最終の質量から用いた
ワイヤの質量を減算して,

試験後の硬化セメントの正
味質量を 0.001 g 単位で記
録する  (m

2

)

6.5.2

  … 恒 量   ( ±

0.001 g)

に達するまで

これを繰り返し,最終
の 質 量 を 記 録 す る

(m

2

)

MOD/

変更

ワイヤの質量を減算

し な け れ ば な ら な
い。

ISO

規格の不備を補った。

今後の ISO 規格改正時に提案する。

7.

試験 方

法(続き)

7.6

  酸溶 解 性 ひ 素 含有 量

試験

6.6

酸溶解性ひ素含有

量試験

MOD/

選択 (ひ素定量方法)の b)

に日本薬局方に記載

の試験方法を追加。

ISO

規格に同等の分析方法と記載があ

る。

8.1

  包装

7 

7.1

 JIS に同じ。

IDT

8.

包装 及

び表示 

8.2

  説明書

a)

推 奨 する 練和 温 度及 び

湿度

b)

用途ごとの推奨混和比

c)

練和方法

d)

混和方法,練和器の種類

及びカプセル 1 個の採取可
能量 (mL)(カプセル入りの
場合)

e)

練和時間

f)

練和終了からの操作時間

g)

硬化時間(必要な場合)

7.2

 JIS に同じ。

IDT

 
 

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T 6610

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(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項目ごと

の評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:側線又は点線の下線

項目

番号

内容

(

Ⅱ )

国際
規格

番号

項目

番号

内容

項 目 ご と

の評価

技術的差異の内容

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的

差異の理由及び今後の対策

8.3

表示  セメントの包装には,

次の事項を明確に表示しなけれ

ばならない。

7.4

  JIS に同じ。

a)

製品名

− MOD/追加

製品名の追加。

製品情報として必要。今後の

ISO

規格改正時に提案する。

b)

セメントのタイプ及びクラ

ス,又は用途

 b)

セメントのタイプ及びク

ラス

MOD/

追加

表記内容の追加。

使用者に分りやすくするた

め。 
今後の ISO 規格改正時に提
案する。

c)

内容量

c)

内容量 IDT

d)

保管条件及び使用期限

(外装)

 d)

保管条件(外装) IDT

e)

製造番号又は製造記号

e)

製造業者のロット又はバ

ッチに対応するシリアル番

号又はコード番号及び製造
日及び使用期限,ISO 8601 
よる。

MOD/

削除

MOD/

削除

製造日を削除。

ISO 8601 による。

”を削除。

使用期限が明記されている。

北米方式の表記を許容する。

f)

ユージノールのような刺激性

成分名

 f)

ユージノールのような刺

激性成分名

IDT

g)

製造業者名及び所在地

a)

製造業者の名称及び/又は

商標,

IDT

h)

  その他の法定表示事項

− MOD/追加

法的要求事項を追加。

国内での法的要求事項であ
る。

8.4

カプセル又は 1 回分入り容

 7.4

カプセル又は 1 回分入り

容器

8.

包装

及び 
表示

(続き)

b)

カプセルの外装には,保管条

件及び使用期限並びに製造番号
又は製造記号。

色調が識別できる表示(複数の
色調がある場合)

 b)

カプセルの外装には,保管

条件及び使用期限並びに製
造番号又は製造記号。

MOD/

追加

複数の色調のある場合の色調
表示を追加。

使用者に分りやすくするた
め。 
今後の ISO 規格改正時に提

案する。

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(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異

の項目ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体 
  表示方法:側線又は点線の下線

項目 
番号

内容

(

Ⅱ)  国際

規格番号

項目 
番号

内容

項 目 ご と
の評価

技術的差異の内容

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の理由

及び今後の対策

 

参考文献

IDT

JIS

では,引用規格に同等の規格を記

載している。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  IDT………………  技術的差異がない。 
    ―  MOD/削除………  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

    ―  MOD/追加………  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
    ―  MOD/変更………  国際規格の規定内容を変更している。 
    ―  MOD/選択………  国際規格の規定内容と別の選択肢がある。

2.  JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  MOD……………  国際規格を修正している。 

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