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日本工業規格

JIS

 T

6606

-1990

歯科用ポリカルボキシレートセメント

Dental Zinc Polycarboxylate Cements

1.

適用範囲  この規格は,歯科用ポリカルボキシレートセメント(以下,セメントという。)について規

定する。ただし,仮封用のものを除く。

備考  この規格の中で  {  }  を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,参

考として併記したものである。

引用規格: 

JIS Z 8801

  標準ふるい

対応国際規格: 

ISO 4104-1984

  Dental zinc polycarboxylate cements

2.

品種  品質は,表のとおりとする。

表  品質

項目

品質

試験方法

硬化時間

9

分以内

4.3

圧縮強さ 50MPa

{510kgf/cm

2

}

以上

4.4

被膜厚さ 25

µm 以下

4.5

崩壊率 0.2%以下

4.6

ひ素含有量 2ppm 以下

4.7

3.

材料  材料は,次のとおりとする。

(1)

セメントは,粉末及び液からなるか,又は水と練和したときに硬化する粉末からなるものとし,製造

業者が指定する方法で練和したとき,速やかに硬化しなければならない。

(2)

液は,ポリカルボン酸水溶液を主成分とし,透明で沈殿物又は析出物を認めてはならない。

(3)

粉末は,酸化亜鉛を主成分とし均一できょう(夾)雑物がなく,顔料を含むときは均一に分散されて

いなければならない。

(4)

セメントは,製造業者が指定する方法で練和したとき,ガスを発生したり,不均一になってはならな

い。

4.

試験

4.1

試験条件  試験はすべて温度 23±2℃,相対湿度 50±10%の均一な環境で行う。

4.2

試験片の作製  試験片を作製する場合,練和方法,粉液比などは製造業者の指定する方法で行うも

のとする。


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T 6606-1990

4.3

硬化時間試験  図 に示す耐酸性の型(a)をガラス板(b)上におき,これに練和したセメントを満たし

表面を平らにし,練和を開始したときから 2 分経過したとき,これを温度 37±1℃,相対湿度 95∼100%の

恒温器中に移し,質量 300g のビカー針(針の断面積 1mm

2

)を試験片の面に静かに落とす。このとき,針

跡がつくかどうかを調べ,針跡がつかなくなるまでこの操作を繰り返し,試験片に針跡を残さなくなるま

での時間を測定する。

この試験を 3 回行い,平均の時間を例のように 15 秒単位で表し,セメントの硬化時間とする。

1:  6分53秒から7分7秒までは,7分とする。

2:  7分8秒から7分22秒までは,7分15秒とする。

図 1  硬化時間試験用型(a)及びガラス板(b)

4.4

圧縮強さ試験  圧縮強さ試験は,次のとおりとする。

(1)

図 の耐酸性の型を耐酸性の板の上に置き,この中に 4.2 に示した方法で練和したセメントを入れる。

(2)

その上に他の耐酸性の板を当て,

図 の加圧器を用いて過量のセメントを押し出す。

(3)

練和を開始したときから 2 分 30 秒経過したとき,加圧したまま温度 37±1℃,相対湿度 95∼100%の

恒温器中に移す。

(4)

練和を開始したときから 60 分経過したとき,試験片を型から取り出し,必要があれば試験片の両端面

を軸に直角に,かつ,平らに仕上げて,37±1℃の蒸留水中に入れる。

(5)

練和を開始したときから 24 時間経過したとき,蒸留水中から取り出し,圧縮試験を行う。

(6)

試験片は圧縮試験機の圧縮板の中央に置き,上下に水でぬらしたろ紙(厚さ約 0.5mm)の小片で挟ん

でクロスヘッドスピード毎分 1mm の速さで加圧し,試験片が破砕したときの荷重を測定する。

(7)

試験は 5 個の試験片について行い,その総平均値の−15%以下の数値を除いた残りの数値の平均値を

もって圧縮強さとし,四捨五入して 1MPa {10kgf/cm

2

}

単位で表す。ただし,総平均値の−15%以下の

数値が 2 個以上のときは,再試験を行う。


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T 6606-1990

図 2  型

図 3  加圧器

4.5

被膜厚さ試験  4.2 に規定した方法で練和したセメントを表面積約 200mm

2

の均等な厚さの 2 枚のガ

ラス板の間に挟み,練和を開始したときから 1 分 30 秒を経過したとき,これに 150N {15kgf}  の荷重を 10

分間加えた後,セメントを挟んだまま 2 枚のガラス板の厚さを

000

1

1

mm

の精度をもつ測定器を用いて測定し,

セメントを挟まないときのガラス板の厚さとの差を求める。

この試験を 3 回行い,測定値の平均値を四捨五入して 1

µm の単位で表し,被膜厚さとする。

4.6

崩壊率試験  崩壊率試験は,次のとおりとする。

(1)  4.2

に規定した方法で練和したセメントを

図 に示すガラス板(b)上の崩壊率試験用型(a)の 2 個に満た

す。

(2)

この 2 個の試験片に質量既知の適当な長さの耐酸性のある細線を挿入する。

(3)

これを他のガラス板で圧接し,練和を開始したときから 2 分 30 秒を経過したとき,温度 37±1℃,相

対湿度 95∼100%の恒温器中に移す。

(4)

練和を開始したときから 1 時間を経過したとき,2 個の試験片をガラス板からはく離し,直ちに質量

既知の内容積約 100ml の共栓ガラス瓶に入れて栓をし,ひょう量する。

(5)

この質量と瓶及び細線の合計質量との差を求め,試験片質量とする。

(6)

これに 50ml の蒸留水を入れ,2 個の試験片を細線によって水中に懸垂させ,軽く栓をして 37±1℃の

恒温器中に 23 時間保つ。

(7)

試験片を瓶から取り出し,その表面に結晶の析出があるかどうかを調べる。

(8)

ガラス瓶内の水を温度 100℃の恒温器で蒸発させ,更に,温度 150℃の恒温器中で,瓶の質量変化が

24

時間につき 0.5mg 以下になるまで乾燥させる。

(9)

次にデシケータの中に入れて放冷した後,瓶をひょう量する。

(10)

この値から元のガラス瓶の質量を差し引いて蒸発残留物の質量を求め,試験片の元の質量に対する割

合 (%) を求め,これを崩壊率とし四捨五入して 0.1%の単位で表す。


4

T 6606-1990

図 4  崩壊率試験用型(a)及びガラス板(b)

4.7

ひ素含有試験  硬化後,乾燥密閉容器中で 24 時間経過したセメントを微粉砕し,JIS Z 8801(標準

ふるい)に決められた 75

µm(200 メッシュ)のふるいを通過する粉末とし,その 1.0g を正確に量り,100ml

の蒸留水を加え,水浴上で 1 時間加熱した後ろ過し,20ml 以内の温蒸留水で洗い,洗液とろ液を合わせる。

この液を水浴上で 20∼15ml まで濃縮したものを試験液とし,日本薬局方一般試験法のひ素試験法第 1 法

によって試験を行う。

5.

製品の呼び方  製品の呼び方は,規格名称による。

:  歯科用ポリカルボキシレートセメント

6.

表示  セメントの包装には,次の事項を表示しなければならない。

(1)

規格名称

(2)

粉末及び液の別

(3)

粉末及び液の質量又は容量

(4)

製造番号又は製造記号

(5)

製造業者名及び所在地

(6)

他の法定表示事項

7.

説明書  セメントには,次の事項を記載した説明書を添付しなければならない。

(1)

裏装用及び合着用に対する練和方法

(2)

粉液比

(3)

練和用練板の種類

(4)

練和時間

(5)

操作時間

(6)

使用上の注意事項


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医療安全用具部会  歯科材料専門委員会  構成表

氏名

所属

(委員会長)

大  橋  正  敬

日本大学歯学部

野  本      直

東京医科歯科大学

溝  上  隆  男

東京歯科大学

石  川  達  也

東京歯科大学

長谷川  二  郎

愛知学院大学

高  橋  重  雄

松本歯科大学

鈴  木  紀  男

工業技術院標準部

渡  辺      徹

厚生省薬務局

梅  田  昭  夫

日本歯科医師会

光  安  一  夫

日本歯科医師会

岡      英  男

日本歯科医師会

並  木  俊  雄

日本歯科医師会

斎  藤      毅

日本大学歯学部

梶  山      進

日本歯科医師会

田  中  文  夫

昭和薬品化株式会社

富  岡  健太郎

而至歯科工業株式会社

中  村  悦  三

株式会社松風

宮  崎  平  八

合資会社徳力商店

加  藤      勇

三金工業株式会社

前  川  市  男

日本歯科材料工業協同組合

(事務局)

柾  谷  栄  吾

工業技術院標準部電気規格課

米  山  弘  光

工業技術院標準部電気規格課