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T 6525-1

:2005

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本歯科材料工業協同組合(JDMA)/財団法

人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標

準調査会の審議を経て,厚生労働大臣が制定した日本工業規格である。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS T 6525

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS T 6525-1

第 1 部:粘着型義歯床安定用こ(糊)材

JIS T 6525-2

第 2 部:密着型義歯床安定用こ(糊)材


T 6525-1

:2005

(2)

目  次

ページ

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

1

4.

  種類

1

5.

  品質

1

5.1

  生体適合性

1

5.2

  洗浄性

1

5.3

  pH

1

5.4

  粘着強さ

1

6.

  試験方法

1

6.1

  試料の採取

2

6.2

  試験条件

2

6.3

  洗浄性試験

2

6.4

  pH 試験

2

6.5

  粘着強さ試験 

2

6.6

  粘着強さ試験 II 

5

7.

  表示

6

7.1

  表示

6

7.2

  説明書

7


日本工業規格

JIS

 T

6525-1

:2005

義歯床安定用こ(糊)材−

第 1 部:粘着型義歯床安定用こ(糊)材

Denture adhesives

Part 1: Glue type denture adhesives

1.

適用範囲  この規格は,義歯装着者が用いる粘着型の義歯床安定用こ(糊)材[以下,安定用こ(糊)

材という。

]について規定する。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 6718-2

  プラスチック−メタクリル樹脂板−タイプ,寸法及び特性−第 2 部:押出板

JIS K 8837

  プロピレングリコール(試薬)

JIS T 0993-1

  医療機器の生物学的評価−第 1 部:評価及び試験

JIS T 6001

  歯科用医療機器の生体適合性の前臨床評価−歯科材料の試験方法

JIS Z 8802

  pH 測定方法

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

a)

粘着型義歯床安定用こ(糊)材  口くう(腔)粘膜面に対して可撤性義歯(以下,義歯という。)を粘

着力によって維持させるために用いる粉末,ペースト又はシート状の材料。

4.

種類  安定用こ(糊)材は,材質及び形状によって,次のように分類する。

a)

粉末型  水溶性高分子を粘着成分とした粉末状のもの。

b)

クリーム型  水溶性高分子を粘着成分としたペースト状のもの。

c)

シート型  水溶性高分子を粘着成分としたシート状又はテープ状のもの。

5.

品質

5.1

生体適合性  生体適合性については,JIS T 0993-1 及び JIS T 6001 によって生物学的安全性を評価す

る。

5.2

洗浄性  洗浄性は,6.3 によって洗浄したとき,塊状の残さがあってはならない。

5.3

pH

  pH は,6.4 によって試験したとき,4∼10 でなければならない。

5.4

粘着強さ  粘着強さは,6.5 及び 6.6 によって試験したとき,5 kPa 以上でなければならない。

6.

試験方法


2

T 6525-1

:2005

6.1

試料の採取  試料は,同一ロットから採取し,その量は,規定されたすべての試験を完了するのに

十分な量でなければならない。

6.2

試験条件  試験は,23±3  ℃の室内で行う。

6.3

洗浄性試験

6.3.1

器具  器具は,次による。

a)

アクリル板  JIS K 6718-2 に規定する約 5×5 cm のメタクリル樹脂板。

b)

恒温水槽  37±2  ℃に維持できるもの。

6.3.2

試薬  試薬は,次による。

a)

水  純水,蒸留水若しくはイオン交換水又はこれらに準ずるもの。

6.3.3

手順  手順は,次による。

a)

製造業者が指定する方法で安定用こ(糊)材をアクリル板に貼付(クリーム型の場合には,均一に塗

布する。

)し,37±2  ℃の水に 1 時間浸せきする。

b)

アクリル板を製造業者が指定する方法で洗浄した後,目視にてアクリル板表面を観察する。5 回の試

験結果を求める。

6.3.4

評価  評価は,次による。

a) 5

回のうち,4 回以上が 5.2 に適合したときは,合格とする。

b) 5

回のうち,3 回以上が 5.2 に適合しなかったときは,不合格とする。

c) 5

回のうち,3 回だけが 5.2 に適合したときは,再試験を行う。再試験の結果がすべて 5.2 に適合した

ときは,合格とする。

6.4

pH

試験

6.4.1

器具  器具は,次による。

a)  pH

計  JIS Z 8802 に規定する形式 I 又はこれと同等のもの。

6.4.2

試薬  試薬は,次による。

a)

プロピレングリコール  JIS K 8837 に規定するもの。

b)

水  純水,蒸留水若しくはイオン交換水又はこれらに準ずるもの。

6.4.3

手順  手順は,次による。5 回の試験結果を求める。

a)

粉末型及びクリーム型  安定用こ(糊)材 1.0±0.1 g を採り,5 g のプロピレングリコールを加えて分

散させ,かくはん下で水 300 mL を加え十分にかくはんする。pH 計の電極を挿入し,3 分後の値を読

み取る。

b)

シート型  安定用こ(糊)材 1.0±0.1 g を採り,水 300 mL を加え十分にかくはんする。pH 計の電極

を挿入し,3 分後の値を読み取る。

6.4.4

評価  評価は,次による。

a) 5

回のうち,4 回以上が 5.3 に適合したときは,合格とする。

b) 5

回のうち,3 回以上が 5.3 に適合しなかったときは,不合格とする。

c) 5

回のうち,3 回だけが 5.3 に適合したときは,再試験を行う。再試験の結果がすべて 5.3 に適合した

ときは,合格とする。

6.5

粘着強さ試験 I

6.5.1

器具  器具は,次による。

a)

粘着強さ測定装置  試料台をもち,規定する荷重,圧着速度及び引張り速度を維持し,引張り応力を

測定できる装置(

参考図 参照)。


3

T 6525-1

:2005

参考図  1  粘着強さ測定装置

b)

試料ホルダ I  直径 22±1 mm,深さ 0.5±0.1 mm の穴を加工した JIS K 6718-2 に規定するメタクリル

樹脂板[

参考図 2 a)参照]。

c)

試料ホルダ II  直径 22±1 mm,高さ 5.0±0.1 mm の凸状に加工した JIS K 6718-2 に規定するメタクリ

ル樹脂板[

参考図 2 b)参照]。

d)

感圧軸  底面が直径 20.0±0.5 mm の JIS K 6718-2 に規定するメタクリル樹脂板(参考図 参照)。

e)

恒温水槽  37±2  ℃に維持できるもの。

荷重検出部

感圧軸

安定用こ(糊)材

試料ホルダ

試料台


4

T 6525-1

:2005

単位  mm

参考図  2  試料ホルダ

6.5.2

試薬  試薬は,次による。

a)

水  純水,蒸留水若しくはイオン交換水又はこれらに準ずるもの。

6.5.3

手順  手順は,次による。5 回の試験結果を求める。

a)

粉末型  粉末型の手順は,次による。

1)

安定用こ(糊)材 1∼3 g に質量比で 4 倍量の水を加え,均一に練和した後,密閉して 5 分間放置し

たものを試料とする。

2)

試料を試料ホルダ I の穴に充てんし,表面を平たん(坦)にした後,試料ホルダ I を 37±2  ℃の水

に 1 分間浸せきする。試料ホルダ I を取り出し,1 回振り,試料面の水を除く。

3)

試料の中心に荷重がかかるように試料ホルダ I を試料台に固定する。

4)

試料を直径 20.0±0.5 mm の感圧軸によって圧着速度 5 mm/分,9.8±0.2 N の荷重で圧着し,その

位置で 30 秒間保持した後,引張り速度 5 mm/分で逆方向に引張るとき,感圧軸にかかる最大力を

測定し,単位面積当たりの力を粘着強さとする[

参考図 3 a)参照]。

b)

クリーム型  クリーム型の手順は,次による。

1)

安定用こ(糊)材を試料ホルダ I の穴に充てんし,表面を平たんにした後,試料ホルダ I を 37±2  ℃

の水に 1 分間浸せきする。試料ホルダ I を取り出し,1 回振り,試料面の水を除く。

2)

試料の中心に荷重がかかるように試料ホルダ I を試料台に固定する。

3)

試料を直径 20.0±0.5 mm の感圧軸によって圧着速度 5 mm/分,9.8±0.2 N の荷重で圧着し,その

位置で 30 秒間保持した後,引張り速度 5 mm/分で逆方向に引張るとき,感圧軸にかかる最大力を

測定し,単位面積当たりの力を粘着強さとする[

参考図 3 a)参照]。

c)

シート型  シート型の手順は,次による。

1)

総面積の最小寸法が 21×21 mm となる安定用こ(糊)材を採り,これを 37±2  ℃の水に 5 秒間浸

せきした後,取り出し,1 回振り,試料面の水を除く。

2)

  直ちに試料を試料ホルダⅡの凸面の全面を均一に覆うように置き,試料の中心に荷重がかかるよう

に試料ホルダⅡを試料台に固定する。

3)

  試料を直径 20.0±0.5 mm の感圧軸によって圧着速度 5 mm/分,9.8±0.2 N の荷重で圧着し,その位

a)  試料ホルダ I

22±

1

22±1

0.

0.

1

22±

1

22±1

5

±0

.1

b)  試料ホルダ II


5

T 6525-1

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置で 30 秒間保持した後,引張り速度 5 mm/分で逆方向に引張るとき,感圧軸にかかる最大力を測

定し,単位面積当たりの力を粘着強さとする[

参考図 3 b)参照]。

6.5.4

評価  評価は,次による。

a) 5

回のうち,4 回以上が 5.4 に適合したときは,合格とする。

b) 5

回のうち,3 回以上が 5.4 に適合しなかったときは,不合格とする。

c) 5

回のうち,3 回だけが 5.4 に適合したときは,再試験を行う。再試験の結果がすべて 5.4 に適合した

ときは,合格とする。

単位  mm

参考図  3  粘着強さ試験配置図

6.6

粘着強さ試験 II

6.6.1

器具  器具は,次による。

a)

粘着強さ測定装置  試料台をもち,規定する荷重及び引張り速度を維持し,引張り応力を測定できる

装置(

参考図 参照)。

b)

試料ホルダ I  直径 22±1 mm,深さ 0.5±0.1 mm の穴を加工した JIS K 6718-2 に規定するメタクリル

樹脂板[

参考図 2 a)参照]。

c)

試料ホルダ II  直径 22±1 mm,高さ 5.0±0.1 mm の凸状に加工した JIS K 6718-2 に規定するメタクリ

ル樹脂板[

参考図 2 b)参照]。

d)

感圧軸  底面が直径 20.0±0.5 mm の JIS K 6718-2 に規定するメタクリル樹脂板(参考図 参照)。

e)

恒温水槽  37±2  ℃に維持できるもの。

6.6.2

試薬  試薬は,次による。

安定用こ(糊)材

試料ホルダ I

感圧軸

荷重検出部

a)  粉末・クリーム型

試料ホルダ II

感圧軸

荷重検出部

b)  シート型

安定用こ(糊)材

φ20.0±0.5

φ20.0±0.5


6

T 6525-1

:2005

a)

水  純水,蒸留水若しくはイオン交換水又はこれらに準ずるもの。

6.6.3

手順  手順は,次による。5 回の試験結果を求める。

a)

粉末型  粉末型の手順は,次による。

1)

安定用こ(糊)材 1∼3 g に質量比で 4 倍量の水を加え,均一に練和した後,密閉して 5 分間放置し

たものを試料とする。

2)

試料を試料ホルダ I の穴に充てんし,表面を平たんにした後,試料ホルダ I を 37±2  ℃の水 300 mL

に 10 分間浸せきする。

3)

試料ホルダ I を取り出し,試料の中心に荷重がかかるように試料ホルダ I を試料台に固定する。

4)

試料を直径 20.0±0.5 mm の感圧軸によって圧着速度 5 mm/分,9.8±0.2 N の荷重で圧着し,その

位置で 30 秒間保持した後,引張り速度 5 mm/分で逆方向に引張るとき,感圧軸にかかる最大力を

測定し,このときの単位面積当たりの力を粘着強さとする[

参考図 3 a)参照]。

b)

クリーム型  クリーム型の手順は,次による。

1)

安定用こ(糊)材を試料ホルダ I の穴に充てんし,表面を平たんにした後,試料ホルダ I を 37±2  ℃

の水 300 mL に 10 分間浸せきする。

2)

試料の中心に荷重がかかるように試料ホルダ I を試料台に固定する。

3)

  試料を直径 20.0±0.5 mm の感圧軸によって圧着速度 5 mm/分,9.8±0.2 N の荷重で圧着し,その

位置で 30 秒間保持した後,引張り速度 5 mm/分で逆方向に引張るとき,感圧軸にかかる最大力を

測定し,このときの単位面積当たりの力を粘着強さとする[

参考図 3 a)参照]。

c)

シート型  シート型の手順は,次による。

1)

総面積の最小寸法が 21×21 mm となる安定用こ(糊)材を採り,これを 37±2  ℃の水 300 mL に 10

分間浸せきする。

2)

直ちに試料を試料ホルダ II の凸面の全面を均一に覆うように置き,試料の中心に荷重がかかるよう

に試料ホルダ II を試料台に固定する。

3)

試料を直径 20.0±0.5 mm の感圧軸によって圧着速度 5 mm/分,9.8±0.2 N の荷重で圧着し,その

位置で 30 秒間保持した後,引張り速度 5 mm/分で逆方向に引張るとき,感圧軸にかかる最大力を

測定し,このときの単位面積当たりの力を粘着強さとする[

参考図 3 b)参照]。

6.6.4

評価  評価は,次による。

a) 5

回のうち,4 回以上が 5.4 に適合したときは,合格とする。

b) 5

回のうち,3 回以上が 5.4 に適合しなかったときは,不合格とする。

c) 5

回のうち,3 回だけが 5.4 に適合したときは,再試験を行う。再試験の結果がすべて 5.4 に適合した

ときは,合格とする。

7.

表示

7.1

表示  安定用こ(糊)材の包装には,次の事項を表示しなければならない。

a)

製品名

b)

種類

c)

質量又は内容量

d)

製造業者名及び所在地

e)

製造番号又は製造記号

f)

保管条件(必要な場合)


7

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g)

毒性,危険性,可燃性(引火点を含む。

)又は刺激性に対する警告(必要な場合)

h)

他の法定表示事項

7.2

説明書  安定用こ(糊)材には,次の事項を記載した説明書を添付しなければならない。

a)

使用方法

b)

使用方法に関する注意事項

1)

使用後の洗浄に関する注意

2)

その他使用方法に関する注意

c)

使用上の注意事項

1)

過敏症状に関する注意

2)

長期連用に関する注意

3)

歯科受診の推奨

4)

その他使用上の注意

d)

保管及び取扱い上の注意