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T 6519 : 2000

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生大臣が制定した日本工

業規格である。

今回の制定では,国際規格に整合した日本工業規格を作成するため,ISO 10139-1 : 1991, Dentistry−

Resilient lining materials for removable dentures

−Part 1 : Short-term materials を基礎として用いた。


日本工業規格

JIS

 T 6519

: 2000

義歯床用短期弾性裏装材

Short term resilient lining materlals for removable dentures

序文  この規格は,1991 年に第 1 版として発行された ISO 10139-1 : 1991, Dentistry−Resilient lining materials

for removable dentures

−Part 1 : Short-term materials を元に,対応する部分については技術的内容を変更する

ことなく作成した日本工業規格であるが,対応国際規格には規定されていない規定項目(品質項目の一部

及び試験条件の一部)を日本工業規格として追加した。また,対応国際規格に規定されている規定内容(表

示)の一部を不採用とした。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。

1.

適用範囲  この規格は,一般に粘膜調整材又は暫間裏装材と呼ばれ,義歯床の粘膜面に短期間使用さ

れる義歯床用短期弾性裏装材(以下,裏装材という。

)の品質,試験方法,包装,表示などについて規定す

る。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

ISO 10139-1 : 1991

  Dentistry−Resilient lining materials for removable dentures−Part 1 : Short-term

materials

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。この引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 7503

  ダイヤルゲージ

3.

品質

3.1

生体適合性  裏装材は,生体に適合する材料で,製造業者が指定する方法で使用したとき,接触し

た正常な口くう(腔)内組織に為害作用があってはならない。

3.2

ちょう(稠)度  ちょう度は,4.2 によって試験したとき,25mm から 75mm の間で,かつ,製造業

者が表示したちょう度の±15%以内でなければならない。

3.3

針入深さ及び針入深さ比  針入深さは,4.3 によって試験したとき,混和 2 時間後の値が 1.8mm 以

下,7 日後の値が 0.18mm 以上,針入深さ比は,5.0 以下であり,また,製造業者が指定する針入深さ比の

値との差が 0.5 を上まわってはならない。

4.

試験

4.1

サンプリング  試料のサンプリングは,同じロットとする。

4.2

ちょう度試験

4.2.1

試験器具  試験器具は,次による。


2

T 6519 : 2000

a)

ちょう度測定用器具(付図 参照)  内径が 10∼15mm で,試料を 2±0.1ml 計量することができるシ

リンジ。

b)

ガラス板(枚)  うち 1 枚は,試料の上に載せるカバーガラス板で,質量 100±1g,厚さ 2mm 以上

とする。

c)

おもり  質量 1 000±5g。

d)

ちょう度測定用装置(付図 参照)  荷重を垂直に加える装置。

e)

恒温器  試験器具を 37±1℃に保つもの。

4.2.2

試験方法  ガラス板及びちょう度測定用装置は,試験の少なくとも 30 分前に,37±1℃の温度に保

つようにする。

製造業者が指定する方法で試料を混和し,

付図 に示す器具を用いて,試料 2±0.1ml を計量し,1 枚の

ガラス板上に置く。混和を終了してから 30±1 秒後に,この試料の上にもう 1 枚のカバーガラス板を静か

に載せ,直ちに試料を 37±1℃に保った恒温器に入れる。

混和を終了してから 120±1 秒後に,カバーガラス板の上に 1 000±5g のおもりを静かに垂直に載せる。

60

±1 秒後におもりを除き,混和を終了してから 8±0.5 分後に広がった試料の平行接線間の最大部と最

小部の寸法を,±0.5mm の精度でガラス板の上から測定し,その平均値を mm 単位で表す。

この試験を 4 回行い,その平均値をもってちょう度試験の結果とする。

4.3

針入深さ試験

4.3.1

試験器具

a)

針入深さ測定装置(付図 参照)  装置は,直径 1mm のビカー針が固定されたプランジャをもち,

ビカー針とプランジャとの合計質量は,50±5g とする。また,ビカー針をどの垂直位置にも止められ

る固定装置と針入深さを測定する手段を備えているものを用いる。ダイヤルゲージは,JIS B 7503 

規定されたものを用いる。

b)

恒温水槽  水面下に 3 個の試料が入る大きさで,37±1℃に保つことができるもの。

c)

プラスチック板  大きさ 50×50mm,厚さ 4 m の可塑剤を含まないポリメタクリル酸メチルの板。

d)

金属リング  内径 30±1mm,高さ 3±0.1mm の金属リング。

e)

プラスチックフィルム  厚さ 50±30

µm の可塑剤を含まないポリエステルフィルム又は裏装材の物性

に影響を与えないプラスチックフィルム。

f)

ガラス板  大きさ 50×50mm,厚さ 6±0.5mm のガラス板。

g)

おもり  2 000±100g のおもり。

4.3.2

試験方法  製造業者が指定する方法で混和した試料約 20ml を準備する。金属リングをプラスチッ

ク板の上に置き,試料を少し多めに金属リングに入れ,プラスチックフィルムで覆い,その上にガラス板

を置いてから質量 2 000±100g のおもりを載せる。混和を開始してから 10 分後に,おもり,ガラス板及び

プラスチックフィルムを取り除き,試料を 37±1℃の恒温水槽に入れる。

混和を開始してから 115±0.5 分後に,試料を水槽から取り出して,測定装置の台上のプラスチック板の

上に置き,ビカー針を試料表面に接触させてその位置で固定する。ダイヤルゲージの測定子をプランジャ

に接触させてその位置で固定し,ダイヤルゲージを 0 に調節する。混和を開始してから 120±0.5 分後に,

プランジャを 1.5±0.5 秒間解放し,試料中に針入させてその位置で固定する。再び,ダイヤルゲージの測

定子を固定されたプランジャに接触させて,針入深さを 0.01mm 単位で測定する。試料の新しい部位で,

同じ試験を更に 2 回繰り返し,合計 3 回の計測の平均値を求め,これを針入深さ とする。

試料を再び 37±1℃の恒温水槽に入れ,7 日後に試験を繰り返し,その計測の平均値を求め,これを針入


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深さ とする。

なお,各測定部位は,金属リングから 5mm 離れ,その他の測定部位から 5mm 以上離れていなければな

らない。針入深さ比は次の式で計算し,小数点以下 1 けたまで求める。

以上の試験を 3 個の試料について行い,その平均値をもって針入深さ及び針入深さ比試験の結果とする。

σ

A/B

ここに,

σ

針入深さ比

A

120

分後の針入深さ

B

7

日後の針入深さ

5.

包装  裏装材は,汚染のおそれのない密閉容器に入れて供給する。容器は,輸送及び貯蔵中に内容物

の損傷,漏えいがないものとする。さらに,容器に外装を施してもよい。

6.

表示  裏装材の包装には,次の事項を表示しなければならない。

a)

規格の名称

b)

製品名

c)

質量又は内容量

d)

使用期限及び保管条件

e)

製造業者名及び所在地

f)

製造番号又は製造記号

g)

表示が必要な場合には,毒性,危険性,可燃性又は刺激性に対する警告及び液体の引火点

h)

他の法定表示事項

7.

説明書  裏装材には,6.の a)b)c)e)に加えて,次の事項を記載した説明書を添付しなければなら

ない。

a)

混和比,混和方法及び混和時間

b)

ちょう度,針入深さ及び針入深さ比

c)

使用方法[操作時間,口くう(腔)挿入時間,口くう(腔)からの撤去時間,義歯洗浄方法など]

(参考)  裏装材は,機能印象の使用方法を説明してもよい。

d)

使用上の注意事項

付図 1  ちょう度測定用器具の例


4

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付図 2  ちょう度測定用装置 


5

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付図 3  針入深さ測定用装置


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医療安全用具部会  歯科材料専門委員会  構成表

氏名

所属

(委員会長)

長谷川  二  郎

愛知学院大学

淺  井  康  宏

東京歯科大学

庵  原  靖  之

社団法人日本歯科医師会

飯  塚  恵  文

株式会社日本橋徳力

梅  田  昭  夫

社団法人日本歯科医師会

岡      英  男

社団法人日本歯科医師会

小  田      豊

東京歯科大学

梶  山      進

社団法人日本歯科医師会

勝  木  紘  一

日本歯科材料器械研究協議会

加  藤      勇

社団法人日本歯科医師会

河  合  正  勝

株式会社松風

窪  田  隆  夫

日本歯科材料工業協同組合

高  橋  重  雄

松本歯科大学

田  中  文  夫

昭和薬品化工株式会社

野  口  八九重

社団法人日本歯科医師会

野  原      建

石福金属株式会社

平  井  俊  樹

厚生省医薬安全局

平  澤      忠

鶴見大学歯学部

三  宅  公  雄

社団法人日本歯科医師会

宮  崎  正  浩

工業技術院標準部

渡  辺  一  弘

株式会社ジーシー

(事務局)

宗  像  保  男

工業技術院標準部標準業務課

JIS

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

窪  田  隆  夫

日本歯科材料工業協同組合

(第 1 規格部会長)

中  村  悦  三

株式会社松風

(議長)

浦  部  素  直

株式会社トクヤマ

(委員)

佐  野  正  枝

東伸洋行株式会社

篠  野  覚  士

亀水化学工業株式会社

島  川  周  三

株式会社ニッシン

田  中  洋三郎

睦化学工業株式会社

田  中  康  夫

株式会社サンメディカル

土  谷  治  夫

株式会社クラレ

藤  澤  睦  雄

株式会社東洋化学研究所

三  木      哲

三木化学工業株式会社

村  松  寛  昭

株式会社ジーシー

夕  田  貞  之

三金工業株式会社

安  達      浩

株式会社松風

内  田  晴  康

山八歯材工業株式会社