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T 6512

:2005

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本歯科材料工業

協同組合(JDMA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきと

の申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS T 6512:2000 は改正され,この規格に置き換えられる。

改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本 工 業 規 格 を 基 礎 にし た国 際 規 格 原 案 の 提 案を 容易 に す る た め に ,ISO 1564:1995 , Dental aqueous

impression materials based on agar

を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS T 6512

には,次に示す附属書がある。

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表


T 6512

:2005

目  次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

1

4.

  種類

2

5.

  品質

2

5.1

  生体適合性

2

5.2

  均一性

2

5.3

  粘ちょう度

2

5.4

  押出し性

2

5.5

  押出し温度

2

5.6

  ゲル化温度

2

5.7

  細線再現性

2

5.8

  石こうとの適合性

2

5.9

  永久ひずみ

2

5.10

  弾性ひずみ

2

5.11

  引裂き強さ

2

6.

  試料の採取

2

7.

  試験方法

3

7.1

  試料の調整

3

7.2

  試験条件

3

7.3

  評価

3

7.4

  均一性試験

3

7.5

  粘ちょう度試験

3

7.6

  押出し性試験

3

7.7

  押出し温度試験

4

7.8

  ゲル化温度試験

4

7.9

  細線再現性試験

5

7.10

  石こうとの適合性試験

7

7.11

  永久ひずみ試験

8

7.12

  弾性ひずみ試験

11

7.13

  引裂き強さ試験

12

8.

  包装及び表示

13

8.1

  包装

13

8.2

  表示

13


T 6512

:2005  目次

(3)

ページ

9.

  説明書

14

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

15


T 6512

:2005

白      紙


日本工業規格

JIS

 T

6512

:2005

歯科用寒天印象材

Dental agar impression materials

序文  この規格は,1995 年に第 2 版として発行された ISO 1564,Dental aqueous impression materials based on

agar

を翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変

更の一覧表をその説明を付けて,

附属書(参考)に示す。

1.

適用範囲  この規格は,口くう(腔)内で用いる寒天を主成分とする印象材(以下,印象材という。)

について規定する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 1564:1995

,Dental aqueous impression materials based on agar (MOD)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 0601

  製品の幾何特性仕様 (GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメ

ータ

JIS B 7503

  ダイヤルゲージ

JIS G 4303

  ステンレス鋼棒

JIS H 3100

  銅及び銅合金の板及び条

JIS T 0993-1

  医療機器の生物学的評価−第 1 部:評価及び試験

JIS T 6001

  歯科用医療機器の生体適合性の前臨床評価−歯科材料の試験方法

備考  ISO 7405:1997,Dentistry−Preclinical evaluation of biocompatibility of medical devices used in

dentistry

−Test methods for dental materials からの引用事項は,この規格の該当事項と同等であ

る。

JIS T 6605

  歯科用硬質石こう(膏)

備考  ISO 6873:1998,Dental gypsum products  からの引用事項は,この規格の該当事項と同等であ

る。

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

a)

ゲル化温度  (gelation temperature)  口くう(腔)内のアンダーカットから印象材を撤去できる弾性を

発現する温度。


2

T 6512

:2005

b)

直接容器  (immediate container)  印象材と直接接触している容器。

c)

貯蔵  (storing)  シリンジを用いる前又は温度調整の前に,溶解直後の印象材の温度を製造業者が指定

する貯蔵温度まで下げるための調整。

d)

温度調整  (tempering)  口くう(腔)内への挿入の前に,貯蔵処理後の印象材の温度を製造業者が指

定する温度まで下げるための調整。

4.

種類  印象材の種類は,粘ちょう度によって,表 とする。

  1  種類

種類

粘ちょう度の区分

使用目的

タイプ 1

高粘ちょう度

トレー用

タイプ 2

中粘ちょう度

トレー用及びシリンジ注入用

タイプ 3

低粘ちょう度

シリンジ注入用

5.

品質

5.1

生体適合性  生体適合性については,JIS T 0993-1 及び JIS T 6001 によって生物学的安全性を評価す

る。

5.2

均一性  タイプ 1 は,7.4 によって試験したとき,タイプ 2 及びタイプ 3 は,7.6 によって試験した

とき,異物,塊及び/又は粒があってはならない。また,押し出される間,成分が均一で分離してはなら

ない。

5.3

粘ちょう度  タイプ 1 及びタイプ 2 は,7.5 によって試験したとき,規定のトレー内に 30 秒以内に

注入できる十分な可塑性をもっていなければならない。

5.4

押出し性  タイプ 2 及びタイプ 3 は,7.6 によって試験したとき,シリンジ内の印象材は,30 秒以内

に押し出されなければならない。

5.5

押出し温度  押出し温度は,7.7 によって試験したとき,表 による。

5.6

ゲル化温度  ゲル化温度は,7.8 によって試験したとき,表 による。

5.7

細線再現性  細線再現性は,7.9 によって試験したとき,表 による。

5.8

石こうとの適合性  石こうとの適合性は,7.10 によって試験したとき,表 による。

5.9

永久ひずみ  永久ひずみは,7.11 によって試験したとき,表 による。

5.10

弾性ひずみ  弾性ひずみは,7.12 によって試験したとき,表 による。

5.11

引裂き強さ  引裂き強さは,7.13 によって試験したとき,表 による。

  2  特性

種類

押出し温度

ゲル化温度

細線

再現性

µm

石こうと
の適合性

µm

永久

ひずみ

%

弾性

ひずみ

%

引裂き強

N/mm

タイプ 1

− 37∼45 20

50

3.5

以下

4

∼15 0.75 以上

タイプ 2 45∼52 37∼45 20

50

3.5

以下

4

∼15 0.75 以上

タイプ 3 45∼52 37∼45 20

50

3.5

以下

4

∼15 0.5 以上

6.

試料の採取  試料は,同一ロットから採取し,その量は繰り返し試験を含めて,規定されたすべての

試験を完了するのに十分な量でなければならない。


3

T 6512

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7.

試験方法

7.1

試料の調整

a)

別に規定がない場合には,印象材は,製造業者が指定する方法で溶解,温度調整する。

b)

試験片作製に用いる試料は,溶解処理を 1 回だけしか行ってはならず,試験片を作製するまでの貯蔵

時間は,1 時間を超えてはならない。

c)

試料が 1 個の直接容器又はタイプ 3 のスティックで供給され,1 個の試験片を作製する量が不足する

場合には,水分による希釈のおそれがない,適切なプラスチックシリンジなどの大きな 1 個の容器中

で,試料を溶解し,貯蔵し,温度調整する必要がある。

d)

試験に用いる石こうは,JIS T 6605 に規定された硬化時間試験に適合しなければならない。開封後は,

吸湿しないように保存しなければならない。

7.2

試験条件  試験は,すべて温度 23±2  ℃,相対湿度 (50±10) %の環境で行う。すべての材料及び機

器は,試験前に同一条件にしておく。

7.3

評価  評価は,次による。

a) 5

個の試験片のうち,4 個以上が適合したときは,合格とする。

b) 5

個の試験片のうち,1 個又は 2 個が適合したときは,不合格とする。

c) 5

個の試験片のうち,3 個が適合したときは,さらに 5 個の試験片を試験し,5 個すべてが適合したと

きは,合格とする。

7.4

均一性試験

7.4.1

試験器具  試験器具は,次による。

a)

ガラス板  200×200×6 mm の大きさのガラス板 2 枚。

b)

恒温器  ガラス板を 35±1  ℃に保つことができるもの。

c)

おもり  ガラス板 1 枚と合わせて合計 19.6 N の荷重となるもの。

7.4.2

手順  手順は,次による。

a)

印象材を製造業者が指定する方法で溶解し,貯蔵する。その後,35±1  ℃の恒温器に保管しておいた

ガラス板の中心に印象材をチューブの 3 分の 1 だけ押し出す。

b)

押し出している間に成分の分離が起こっているかを観察する。

c)

押出しを完了したら,直ちに 2 枚目のガラス板を圧接し,おもりを載せる。

d)

荷重をかけてから 2 分後に,異物,塊及び/又は粒がないか目視で試験する。

7.4.3

評価  評価は,7.3 による。

7.5

粘ちょう度試験

7.5.1

試験器具  試験器具は,次による。

a)

トレー  製造業者が指定する大きさのもの。

7.5.2

手順  チューブに入った印象材を製造業者が指定する方法で溶解し,30 分間貯蔵する。その後 30

分以内に大きなトレーを満たすのに十分な量の印象材を押し出し,30 秒以内に押し出せるかを調べる。

7.5.3

評価  評価は,7.3 による。

7.6

押出し性試験

7.6.1

試験器具  試験器具は,次による。

a)

シリンジ及びニードル  印象材を押し出すための製造業者が指定するもの。

7.6.2

手順  手順は,次による。

a)

印象材を製造業者が指定するシリンジ 5 本に入れ,製造業者が指定する方法で溶解し,貯蔵する。


4

T 6512

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b)

貯蔵 30 分後に,シリンジから印象材をすべて押し出し,各シリンジの中味が 30 秒以内に押し出せる

かを調べる。

c) 30

分以内に 5 本のシリンジからの押出しを完了する。

7.6.3

評価  評価は,7.3 による。

7.7

押出し温度試験

7.7.1

試験器具  試験器具は,次による。

a)

温度計  0.1  ℃の単位で測定できるもの。

備考  熱電対及びサーミスタも用いることができる。

b)

ホルダ  温度計を水平に保持した状態で,指で容易に回転することができる装置,又は熱電対のビー

ズ又はサーミスタのプローブを定位置に固定できる装置。

備考  木製又はプラスチック製の V 字形のトラフ,又は実験室のリングスタンドの温度計ホルダが適

している。

c)

シリンジ  印象材を押し出すための製造業者が指定するもの。

d)

恒温器  温度計及びホルダを 35±1  ℃に保つことができるもの。

7.7.2

手順  手順は,次による。

a)

印象材を製造業者が指定するシリンジ 5 本に入れ,製造業者が指定する方法で溶解し,30 分間貯蔵す

る。その後,35±1  ℃の恒温器に保管しておいた温度計及びホルダを取り出し,温度計の温度検出部

にシリンジの中味の約 3 分の 1 を押し出す。押し出し中は,温度検出部の周りをできるだけ均一な厚

さで覆うように温度計を回転させる。

b)

印象材を押し出している間の最高温度と押出し開始 1 分後の温度を測定し,押出し温度の最高及び最

低温度とする。

7.7.3

評価  評価は,7.3 による。

7.8

ゲル化温度試験

7.8.1

試験器具  試験器具は,次による。

a)

ゲル化温度試験用器具(図 参照)

1)

試験用トレー  長さ 100 mm,幅 28 mm,深さ 22 mm のステンレス鋼製。

2)

試験用パイプ  内径 10±0.1 mm,外径 12 mm,長さ 65 mm の黄銅製又はステンレス鋼製。

3)

試験用パイプガイド  図 に示す寸法のステンレス鋼製。

b)

温度計  0.1  ℃の単位で測定できるもの。

7.8.2

手順  手順は,次による。

a)

製造業者が指定する方法で溶解調整した印象材約 65 g を,

図 の試験用トレー中に押し出す。次に,

温度計の測温部がトレーの中央にくるように,ゴム製のパッキンを通して温度計を挿入し,No.1 の位

置を示すトレーのノッチに合わせて試験用パイプガイドを置く。

b)

トレー中の印象材の温度が,製造業者が指定するゲル化温度より 2  ℃高い温度に達したら,ガイドを

通して,試験用パイプをトレーの底に達するまで押し込み,直ちに引き上げて,パイプの内側及び外

側をきれいにぬぐう。温度が 0.5  ℃下がるごとに,ガイドを移動して No.2,3,4 の位置に押し込む手

順を繰り返す。

c)

印象材が付着せずに試験用パイプによる二つの同心円の輪郭が,明りょうに描かれたときの最高温度

を,ゲル化温度とする。

d)

最初の試験でゲル化温度が決定できないときには,最初の試験より 1  ℃低い温度から上述の試験手順


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T 6512

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によってゲル化温度が決定するまで追加試験を行う。追加試験で決定された温度より 0.5  ℃高い温度

で試験用パイプの押し込みを始める以外は同様の手順によって,さらに 4 個の試料を試験する。

単位  mm

備考  試験用パイプの表面仕上げ精度は,0.5 µmRa 以下とする。

  1  ゲル化温度試験用器具

7.8.3

評価  評価は,7.3 による。

7.9

細線再現性試験

7.9.1

試験器具  試験器具は,次による。

a)

細線再現性試験及び石こうとの適合性試験用器具(図 参照)

1)

テストブロックは,JIS G 4303 に規定する SUS 316 又は印象材に侵されない材料で作製する。

2)

リング型は,JIS H 3100 に規定する C2600∼C4640 又はプラスチックなどの印象材に侵されない材

料で作製する。

3)

細線面は,JIS B 0601 に規定する表面粗さ 0.1 µmRa 以下で,かつ,きずがないもの。

4)

その他の表面は,表面粗さ 0.4 µmRa 以下とする。

b)

恒温器  35±1  ℃に保つことができるもの。

c)

ガラス板  平滑でリング型を完全に覆う大きさのもの。

d)

拡大鏡  4∼12 倍に拡大できるもの。

e)

冷却用水槽  印象材を冷却する製造業者の指定によるもの。


6

T 6512

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7.9.2

手順  手順は,次による。

a)

テストブロックは使用前に超音波洗浄器を用いて洗浄し,テストブロック及びリング型は,恒温器中

で 35±1  ℃に維持する。

b) 35

±1  ℃の恒温にしたテストブロックとリング型とを合わせて,この中に製造業者が指定する方法で

溶解調整した印象材が少しあふれる程度に充てん(填)し,直ちに平滑なガラス板を圧接する。

c)

製造業者が指定した時間冷却してから,印象材を満たしたリング型をテストブロックから外す。

d)

低角度の照明下で拡大鏡を用いて印象材を観察し,交線間 25 mm の全長を再現した最も微細な線を記

録する。

7.9.3

評価  評価は,7.3 による。


7

T 6512

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  2  細線再現性試験及び石こうとの適合性試験用器具

7.10

石こうとの適合性試験

7.10.1

試験器具  試験器具は,次による。

a)

細線再現性試験及び石こうとの適合性試験器具(図 参照)

1)

リング型は,JIS H 3100 に規定する C2600∼C4640,プラスチックなどの印象材に侵されない材料

単位  mm,許容差:±0.1 mm

(特に指定があるものを除く。

細線面の粗さ  (Ra):0.1

µm 以下

他の面粗さ  (Ra):0.4

µm 以下


8

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:2005

で作製する。

2)

スリット型は,JIS H 3100 に規定する C2600∼C4640,合成ゴムなどの石こうに侵されない材料で

作製する。

b)

クランプ  スリットを閉じるために用いる器具。例えば,ウォームギアクランプ。

c)

離型剤  シリコーングリースなどのスリット型及び石こう製品と反応しないもの。

d)

拡大鏡  4∼12 倍に拡大できる拡大鏡。

e)

石こう  JIS T 6605 に適合するもの。

7.10.2

手順  手順は,次による。

a)

スリット型の内面に離型剤を薄く塗布しておく。

b)  JIS T 6605

に適合する石こうを用い,製造業者が指定する方法で練和した石こう泥を用意する。

c)

7.9.2

で観察を終了した印象材を満たしたリング型の上にスリット型を置き,クランプを締めた後,石

こう泥が印象面にある a,b,c 線の片端からもう一方の端へ向かって流れるように歯科用バイブレー

タを用いてスリット型内面に沿って注ぐ。印象面が覆われた後は,スリット型の上部がわずかに余る

程度に石こう泥を注ぐ。

d)

石こう泥を注入したリング型及びスリット型を石こうの硬化時間に 45 分を加えた時間放置した後,ク

ランプを緩めてスリット型から石こう模型を取り出す。

e)

低角度の照明下で拡大鏡を用いて石こう模型を観察し,交線間 25 mm の全長にわたって再現した線を

記録する。

7.10.3

評価  評価は,7.3 による。

7.11

永久ひずみ試験

7.11.1

試験器具  試験器具は,次による。

a)

永久ひずみ試験機  ガラス平板を含めた初期荷重が 0.59±0.1 N であるもの(図 又は図 参照)。ダ

イヤルゲージは,JIS B 7503 で規定する 0.01 mm の単位で測れるもの。

b)

冷却用水槽  印象材を冷却する製造業者の指定によるもの。

c)

金属割型又は金属リング型  金属割型(図 参照),又は内径 12.5±0.05 mm,外径 25 mm,高さ 20

±0.2 mm の金属リング型。

d)

金属割型固定リング又は金属リング  金属割型固定リング(図 参照),又は内径 30 mm,高さ 16 mm

の金属リング。

e)

ガラス板  50×50×6 mm の大きさのガラス板 2 枚。

f)

C

−クランプ  開口能力が 40 mm 以上あるもの。

g)

ガラス平板  15×15×2 mm の大きさのガラス板。

7.11.2

試験片の作製  金属割型固定リング又は金属リングをガラス板上に置き,製造業者が指定した方法

で溶解調整した印象材をリングの内容の半量より少し多めに入れ,直ちにその中に金属割型又は金属リン

グ型をガラス板に達するまで押し込み,

上面にあふれた印象材を除くためもう 1 枚のガラス板を圧接する。

金属割型又は金属リング型とガラス板とを C−クランプで固定し,冷却用水槽に入れ,製造業者が指定す

る時間放置する。次に,印象材を金属割型又は金属リング型から外し,試験片とする。

7.11.3

手順  手順は,次による。

a)  7.11.2

によって作製した試験片を永久ひずみ試験機の台上に置く。

b)

ガラス平板を試験片の上に置き,冷却用水槽から取り出してから 45 秒後に,ダイヤルゲージの測定子

をそのガラス平板に接触させる。


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T 6512

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c)

ダイヤルゲージの測定子をガラス平板に接触させてから 10 秒後の目盛を読み,この値を とする。

d)  A

を読んだ 5 秒後に試験片を 1 秒以内に 16±0.1 mm の高さ(20 %ひずみ)になるまで変形させ,その

後直ちに離して 30 秒間おく。次に,ダイヤルゲージの測定子をガラス平板に接触させ,その 10 秒後

に再び目盛を読み,この値を とする。

e)

永久ひずみは,次の式によって求める。

100

20

×

=

B

A

D

ここに,

D

永久ひずみ (%)

A

20 %

ひずみをかける前の目盛の読み

B

20 %

ひずみを取り除いた後の目盛の読み

20

型の高さ (mm)

7.11.4

評価  評価は,7.3 による。

参考  永久ひずみ試験の手順を図示すると,次のようになる。

0.59

±0.1 N        20 %ひずみ              0.59±0.1 N

                        ガラス平板だけの荷重

          10 秒      5 秒           30 秒                10 秒

              A                                            B

備考1.  ダイヤルゲージは,JIS B 7503 の規定に適合したもの。

2.

プランジャは,試験片に 20 %のひずみを与えることができるもの。

  3  永久ひずみ試験機

A

:プランジャ

B

:ダイヤルゲージ

C

:試験片

D

:ラチェット


10

T 6512

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単位  mm

  4  永久ひずみ試験機

単位  mm

  5  固定リング付金属割型


11

T 6512

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7.12

弾性ひずみ試験

7.12.1

試験器具  試験器具は,7.11.1 の b)∼f)  のほか,次による。

a)

弾性ひずみ試験機  荷重をかけて試験片の高さの変化を測定できるもの(図 参照)。ダイヤルゲージ

は,JIS B 7503 で規定する 0.01 mm の単位で測れ,ゲージ圧が 0.59±0.1 N のもの。

7.12.2

試験片の作製  試験片の作製は,7.11.2 による。

7.12.3

手順  手順は,次による。

a)  7.11.2

によって作製された試験片を弾性ひずみ試験機に移し,冷却用水槽から取り出してから,60 秒

後に 1.22±0.1 N の荷重を加え,30 秒経過したとき,ダイヤルゲージの目盛を読み,これを とする。

b) 1.22

±0.1 N の荷重を加え始めたときから 60 秒経過したとき,総荷重が 12.25±0.1 N となるように荷

重を 10 秒間かけて追加し,12.25±0.1 N の総荷重を加え始めたときから 30 秒経過したとき,再びダ

イヤルゲージの目盛を読み,これを とする。

c)

弾性ひずみは,次の式によって求める。

100

20

×

=

D

C

S

ここに,

S

弾性ひずみ (%)

C

追加荷重をかける前の目盛の読み

D

追加荷重をかけた後の目盛の読み

20

型の高さ (20 mm)

7.12.4

評価  評価は,7.3 による。

参考  弾性ひずみ試験の手順を図示すると,次のようになる。

    1.22±0.1 N

                          11.03 N

                                     10 秒間かけて

                                      荷重を加える

             30 秒            30 秒         10 秒       20 秒

                        C                                      D


12

T 6512

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備考1.  プランジャの総荷重は,1.22±0.1 N とする。 
    2.  ダイヤルゲージは,JIS B 7503 の規定に適合したもの。

  6  弾性ひずみ試験機

7.13

引裂き強さ試験

7.13.1

試験器具  試験器具は,次による。

a)

試験片作製用型  図 に示した寸法の試験片を作製するための型。試験片の厚さは,4±0.1 mm で,

V

ノッチの頂点の半径は,0.4 mm である。

備考  試験片作製用型は,図 に示した形・寸法の機械加工原型を最初に作製し,その原型を用いて

餅状又は流し込みレジンで作製することができる。

b)

ガラス板  約 154×75×12 mm の大きさで型を完全に覆うことのできる厚いガラス板 2 枚。

c)

恒温器  型及びガラス板を 35±1  ℃に保つことができるもの。

d)

引張試験機  少なくとも 500 N の引張力を加えることができる器械。

備考  この試験で試験片をつかむには,機械的に調節できるグリップ,又は空気圧で作用するグリッ

プが用いられる。また,試験片を効果的につかむために,P240 番の研磨紙を用いる場合もある。

e)

冷却用水槽  印象材を冷却する製造業者の指定によるもの。

f)

厚さ計  0.02 mm の単位で計測できる厚さ計。


13

T 6512

:2005

単位  mm

  7  引裂き強さ試験用の試験片を作製するための原型

7.13.2

試験片の作製  試験片の作製は,次による。

a)

試験片作製用型及び厚いガラス板を恒温器に入れて 35±1  ℃に調整する。

b) 35

±1  ℃に調整した乾いたガラス板の上に型を置き,製造業者が指定する方法で溶解調整した印象材

が少しあふれる程度に充てんし,直ちに 2 枚目の厚いガラス板を圧接する。

c)

冷却用水槽に入れ,製造業者が指定する時間放置後,印象材を満たした型から試験片を取り出す。

7.13.3

手順  手順は,次による。

a)

試験片の V ノッチに最も近い正中線上の点で厚みを 0.1 mm の単位まで測定する。

b)

試験片を取り出してから 45  秒以内に引張試験機で,クロスヘッドスピード毎分 500 mm で試験片の

破壊が起きるまで引張力を加える。

c)

引裂き強さは,次の式によって求める。

d

F

T

/

s

=

ここに,

T

s

引裂き強さ (N/mm)

F

最大荷重 (N)

d

試料の厚さ (mm)

7.13.4

評価  評価は,7.3 による。

8.

包装及び表示

8.1

包装  包装は,内容物の汚染又は漏れが起きないようなものでなければならない。

8.2

表示  印象材の包装には,次の事項を表示しなければならない。

a)

製品名

b)

種類

c)

内容量


14

T 6512

:2005

d)

使用期限及び保管条件

e)

製造業者名及び所在地

f)

製造番号又は製造記号

g)

他の法定表示事項

9.

説明書  印象材には,次の事項を記載した説明書を表示又は添付しなければならない。

a)

弾性ひずみ,永久ひずみ及び引裂き強さ

b)

使用トレー及びシリンジの種類

c)

印象材を溶解調整する方法

d)

貯蔵温度で保管できる最大時間

e)

再溶解が可能な回数

f)

口くう(腔)内の印象を冷却する方法及び時間

g)

口くう(腔)内から撤去し,石こうを注入するまでの取扱方法

h)

使用する石こうの種類

i)

薬理活性成分を含有し,その薬効を標ぼう(榜)した場合,その薬効を証明する根拠。

j)

使用上の注意事項

関連規格  ISO 14356:2003  Dentistry−Duplicating material


15

T 6512

:2005

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS T 6512

:2005  歯科用寒天印象材

ISO 1564

:1995  寒天系歯科用水性印象材

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅱ)  国際

規格番号

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項

目ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体 
  表示方法:側線又は点線の下線

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の

理由及び今後の対策

項目 
番号

内容

項目 
番号

内容

項目ごとの
評価

技術的差異の内容

1.

適用範囲

口くう(腔)内で用
いる寒天を主成分と
する印象材について

規定。

ISO 1564

1

可 逆 寒 天 ハ イ ド ロ コ
ロ イ ド を ゲ ル 化 成 分
と す る 印 象 材 に つ い

て規定。

IDT

2.

引用規格

JIS B 0601

JIS B 7503

JIS G 4303

JIS H 3100

JIS T 0993-1

JIS T 6001

JIS T 6605

2

− 
− 

ISO/TR 7405

ISO 6873

MOD/

追加

MOD/

追加

MOD/

追加

MOD/

追加

MOD/

追加

IDT

IDT

ISO

規格では規定してい

ない。

− 

ISO

規格の不備を JIS で補完。

今後の ISO 規格改正時に提案する。

3.

定義

a)

  ゲル化温度

b)

  直接容器

c)

  貯蔵

d)

  温度調整

3

JIS

に同じ。

IDT

4.

種類

粘 ち ょ う 度 に よ っ

て,3 種類に分類。 

4

タ イ

プ に よ
る分類

JIS

に同じ。

IDT

5.

品質

5.1

生体適合性

5.2

均一性

生体適合性について
は,JIS T 0993-1 及び

JIS T 6001

によって

生物学的安全性を評
価する。

5

5.1

5.2

ISO/TR 7405

を推奨。

JIS

に同じ。

MOD/

追加

IDT

JIS

では,JIS T 0993-1 

追加。

ISO

規格の不備を JIS で補完。今後

の ISO 規格改正時に提案する。

15

T

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T 6512

:2005

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅱ)  国際

規格番号

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項

目ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:側線又は点線の下線

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の

理由及び今後の対策

項目

番号

内容

項目

番号

内容

項目ごとの

評価

技術的差異の内容

5.3

粘ちょう度

5.4

押出し性

5.5

押出し温度

5.6

ゲル化温度

5.7

細線再現性

5.8

石こうとの適

合性

5.3

5.4

5

表 1

5

表 1

5

表 1

5

表 1

JIS

に同じ。

JIS

に同じ。

JIS

に同じ。

JIS

に同じ。

JIS

に同じ。

JIS

に同じ。

IDT

IDT

IDT

IDT

IDT

IDT

5.9

永久ひずみ

5.10

弾性ひずみ

5.11

引裂き強さ

3.5 %

以下

5

表 1

5

表 1

5

表 1

変 形 か ら の 回 復 と し
て規定。最低 96.5 % 
圧 縮 ひ ず み と し て 規

定。

JIS

に同じ。 

IDT

IDT

IDT

6. 

試料の採取

6

サ ン

プ リ ン

JIS

に同じ。

IDT

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T

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T 6512

:2005

  (

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅱ)  国際

規格番号

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項

目ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:側線又は点線の下線

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の

理由及び今後の対策

項目

番号

内容

項目

番号

内容

項目ごとの

評価

技術的差異の内容

7.

試験方法

7.1

試料の調整

7.2

試験条件

7.3

評価

7

7.1

7.2

7.3

7.4

結果

の表現

JIS

に同じ。

JIS

に同じ。

JIS

に同じ。

試験した試料の数,規

定 さ れ た 要 求 事 項 に
適合する試料の数,及
びその材料の合否。

IDT

IDT

IDT

MOD/

削除

項目を削除。

他の JIS に整合。

7.4

均一性試験

7.5

粘ちょう度試

7.6

押出し性試験

7.7

押出し温度試

7.8

ゲル化温度試

8

8.1

8.2

8.3

8.4

8.5

JIS

に同じ。

JIS

に同じ。

JIS

に同じ。

JIS

に同じ。

JIS

に同じ。 

IDT

IDT

IDT

IDT

IDT

7.9

細線再現性試

試験器具 

8.6

機器 

MOD/

変更

MOD/

追加

JIS

のリング型は,

保持具

を用いない形状に変更。
試験用型の材質及び細線

面については,

JIS

を引用

した。

他の印象材に用いる器具と同一の
形状にした。

JIS

に規定されているため。

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T 6512

:2005

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅱ)  国際

規格番号

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項

目ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:側線又は点線の下線

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の

理由及び今後の対策

項目

番号

内容

項目

番号

内容

項目ごとの

評価

技術的差異の内容

7.10

石 こ う と の

適合性試験

7.11

永 久 ひ ず み

試験

7.12

弾 性 ひ ず み

試験

7.13

引 裂 き 強 さ

試験

試験器具 

試験器具 

試験器具 

試験器具

8.7

8.8

変形

か ら の

回復

8.9

圧縮

ひずみ

8.10

機器 

機器 

試験機器 

機器 

MOD/

追加

MOD/

選択

MOD/

追加

MOD/

追加

MOD/

変更

試験用型の材質について
は,JIS を引用した。

試験機及び試験片作製用
金型は,ISO 規格に規定

のものと改正前の JIS 
規定のものを併記。 

ダイヤルゲージは,JIS
を引用した。 
参考として手順を図示し

た。 
ダイヤルゲージは,JIS
を引用した。

参考として手順を図示し
た。 

JIS

は,

試験片作製用型の

原型として ISO 14356 
記載の型を引用した。 

JIS

に規定されているため。

選択適用可能とした。規格利用者の
利便性を考慮した。

JIS

に規定されているため。

規格利用者の利便性を考慮した。

JIS

に規定されているため。

使用者の利便を考慮。

ISO

規格に規定した型の寸法では,

目的とする形状の試験片が作製で
きないため。

今後の ISO 規格改正時に提案する。

8. 

包装及び表示

8.1

包装

8.2

表示

g)

他の法定表示事項

10

包装

及 び 表

10.1

10.2

ベ ル 及

び表示

JIS

に同じ。

IDT

MOD/

追加

JIS

に法定表示事項を追

加。

薬事法で規定されている。

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T 6512

:2005

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅱ)  国際

規格番号

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項

目ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:側線又は点線の下線

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的差異の

理由及び今後の対策

項目

番号

内容

項目

番号

内容

項目ごとの

評価

技術的差異の内容

9. 

説明書

j)

使用上の注意事項

9

使 用

説明書

i)

溶 解 及 び 貯 蔵 サ イ

ク ル 中 に 印 象 材 が 吸

水するのを防ぐ手段。

j)

ト レ ー 中 の 温 度 調

整された印象材が,口

くう(腔)内に挿入さ
れ る 直 前 ま で 調 整 浴
中 に 保 持 し て お く の

が 望 ま し い と い う 情
報。

MOD/

削除

MOD/

削除

MOD/

追加

項目の削除。 

項目の削除。 

項目の追加。

製品の性質上,密閉性が保たれてい
る。

使用方法に記載される事項である。 

薬事法で規定されている。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  IDT………………  技術的差異がない。 
    ―  MOD/削除………  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
    ―  MOD/追加………  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

    ―  MOD/変更………  国際規格の規定内容を変更している。 
    ―  MOD/選択………  国際規格の規定内容と別の選択肢がある。

2.  JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  MOD……………  国際規格を修正している。 

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