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T 62083:2017 (IEC 62083:2009)

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1  適用範囲  

2

2  引用規格  

2

3  用語,定義及び略語  

3

3.1  用語及び定義  

3

3.2  略語  

4

4  一般的要求事項  

5

4.1  開発  

5

4.2  設置過程での試験  

5

5  附属文書  

5

6  安全に取り扱うための一般要求事項  

6

6.1  距離,長さ寸法及び角度寸法  

6

6.2  放射線量  

6

6.3  日付及び時刻の書式  

6

6.4  不正使用からの防護  

7

6.5  データの制限値  

7

6.6  不正な変更からの保護  

8

6.7  データ転送の正確さ  

8

6.8  座標系及び目盛  

8

6.9  データの一時保存及びアーカイブ 

8

7  放射線治療機器モデリング及び密封小線源治療用線源モデリング  

9

7.1  機器モデル  

9

7.2  密封小線源治療用線源モデル  

10

7.3  線量評価情報  

10

7.4  機器モデル又は密封小線源治療用線源モデルの受入れ  

10

7.5  機器モデル又は密封小線源治療用線源モデルの削除  

11

8  解剖学的モデリング  

11

8.1  データの取得  

11

8.2  座標系及び目盛  

12

8.3  関心領域の輪郭作成  

12

8.4  患者解剖学的モデルの受理  

12

8.5  患者解剖学的モデルの削除  

13

9  治療計画作成  

13

9.1  一般要求事項  

13

9.2  治療計画の準備  

13


T 62083:2017 (IEC 62083:2009)  目次

(2)

ページ

9.3  治療計画の識別  

14

9.4  治療計画の削除  

14

9.5  電子署名  

14

10  吸収線量分布計算  

14

10.1  使用するアルゴリズム  

14

10.2  アルゴリズムの精度  

15

11  治療計画報告  

15

11.1  未完了治療計画報告  

15

11.2  治療計画報告に関する情報  

15

11.3  送信した治療計画情報  

16

12  一般的なハードウェアの診断  

16

13  データ及びコード  

17

14  ソフトウェア設計におけるヒューマンエラー  

17

15  ソフトウェアバージョン変更  

17

16  使用中のエラー  

18

附属書 A(規定)ハードウェアの安全性  

19

附属書 B(参考)受取りデータ及び送出データ  

21

参考文献  

22

定義した用語の索引  

23


T 62083:2017 (IEC 62083:2009)

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本画像医療システム工業会

(JIRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべき

との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が制定した日本工業

規格である。

これによって,JIS Z 4715:2011 は廃止され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の

特許出願及び実用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


   

日本工業規格

JIS

 T

62083

:2017

(IEC 62083

:2009

)

医用電気機器-

放射線治療計画システムの安全要求事項

Medical electrical equipment-

Requirements for the safety of radiotherapy treatment planning systems

序文 

この規格は,2009 年に第 2 版として発行された IEC 62083 を基に,技術的内容及び構成を変更すること

なく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。

放射線治療計画システム(RTPS)は,放射線治療における患者への放射線の照射をシミュレーション

するために使用する装置で,一般にはプログラマブル電気医用システムである。このシステムは,通常,

特定の一つ以上のアルゴリズムを使用して人体組織における吸収線量分布の推定値を計算する。この規格

は,吸収線量分布の推定値を計算しないシステムに適用してもよい。有資格者が放射線治療において,こ

れらの推定値を使用する。

RTPS からの出力は,放射線治療計画作成における重要情報として,適切な有資格者が使用する。

入力データの不正確さ,アルゴリズムの制限,治療計画作成工程でのエラー又は出力データの不適切な

使用があると,それによって生成されたデータを治療に使用することによって,患者に対して安全上の危

害を及ぼす可能性がある。この規格では,このような危害の発生を防止するために,RTPS を設計及び構

築するときに製造業者が適合させなければならない事項について規定する。

この規格では,入力データの種類及び計算アルゴリズムの種類については,規定しない。これらは,利

用可能な技術,責任部門の意図,計画される治療のタイプなど多くの要因に左右される。しかし,この規

格では,複数のアルゴリズムに共通の安全要求事項について規定する。さらに,この規格は,附属文書の

内容に関して最低限の要求事項も規定し,治療計画作成工程の中で操作者がその情報に基づいた選択を行

うことができるようにする。

一般に,RTPS は,患者がいるところで使用しないため,JIS T 0601-1 で規定する医用電気機器には該当

しない。したがって,この規格は JIS T 0601-1 に合わせた個別規格としてではなく独立したフォーマット

で書かれている。

・  他の規格との関連性

電撃,火災に対する防護などのハードウェアの基礎安全及び電磁両立性の確保に関する要求事項は,

RTPS で使用するハードウェアの種類及び環境によって,製造業者が該当規格に従って個別に対応する必

要がある。ハードウェアの安全規格は,附属書 による。

RTPS は,主に医用目的のソフトウェアのアプリケーションである。JIS T 2304 を適用する(箇条 14 

照)。

IEC 61217 は,医用電気機器の動きの指定,目盛の表示,目盛のゼロ位置及び値の増加に伴う移動方向


2

T 62083:2017 (IEC 62083:2009)

   

についての指針を規定している。IEC 61217 を適用する方法は,この規格の該当する箇条及び細分箇条で

規定している。

IEC 62366-1 を適用している(箇条 16 参照)

適用範囲 

この規格は,製造業者及び販売業者が次のような放射線治療計画システム(RTPS)の設計,製造及び

据付け業務を行うときに,適合させなければならない安全要求事項について規定する。

-  人への医療行為における放射線治療計画作成に使用する。

-  操作者の入力によって,又は他の装置から直接データを取り込む。

-  データを再評価できるように印刷形式で出力する又は他の装置へ直接出力する。

-  さらに,次のように意図したもの。

・  正常な使用のため,適切な資格をもつ者又は有資格者の監督の下で訓練を受け,必要な技能を修得

した操作者が使用する。

・  取扱説明書の記載内容に従って保守する。

・  技術解説に指定している環境条件及び電源条件で使用する。

注記 1  太字の用語は,この規格で定義した用語である。

注記 2  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 62083:2009, Medical electrical equipment- Requirements for the safety of radiotherapy

treatment planning systems(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,“一致している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)は適用しない。

JIS C 6950-1:2016  情報技術機器-安全性-第 1 部:一般要求事項

注記  対応国際規格:IEC 60950-1:2005,Information technology equipment-Safety-Part 1: General

requirements,Amendment 1:2009 及び Amendment 2:2013(MOD)

JIS C 61000-4-2:2012  電磁両立性-第 4-2 部:試験及び測定技術-静電気放電イミュニティ試験

注記  対応国際規格:IEC 61000-4-2:2008,Electromagnetic compatibility (EMC)-Part 4-2: Testing and

measurement techniques-Electrostatic discharge immunity test(IDT)

JIS C 61000-4-3:2012  電磁両立性-第 4-3 部:試験及び測定技術-放射無線周波電磁界イミュニティ

試験

注記  対応国際規格:IEC 61000-4-3:2010,Electromagnetic compatibility (EMC)-Part 4-3: Testing and

measurement techniques-Radiated, radio-frequency, electromagnetic field immunity test(IDT)

JIS C 61000-4-4:2015  電磁両立性-第 4-4 部:試験及び測定技術-電気的ファストトランジェント/

バーストイミュニティ試験

注記  対応国際規格:IEC 61000-4-4:2012,Electromagnetic compatibility (EMC)-Part 4-4: Testing and

measurement techniques-Electrical fast transient/burst immunity test(IDT)

JIS T 0601-1:2017  医用電気機器-第 1 部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項


3

T 62083:2017 (IEC 62083:2009)

注記  対応国際規格:IEC 60601-1: 2005,Medical electrical equipment-Part 1: General requirements for

basic safety and essential performance 及び Amendment 1:2012(MOD)

JIS T 0601-1-2:2012  医用電気機器-第 1-2 部:安全に関する一般的要求事項-電磁両立性-要求事項

及び試験

注記 1  対 応 国 際 規 格 : IEC 60601-1-2:2001 , Medical electrical equipment - Part 1-2: General

requirements for safety-Collateral standard: Electromagnetic compatibility-Requirements and

tests 及び Amendment 1:2004(IDT)

注記 2  対応国際規格 IEC 60601-1-2 は,2014 年版に改正されている。

JIS T 2304:2017  医療機器ソフトウェア-ソフトウェアライフサイクルプロセス

注記  対応国際規格:IEC 62304:2006,Medical device software-Software life cycle processes 及び

Amendment 1:2015(IDT)

JIS Z 4005:2012  医用放射線機器-定義した用語

注記  対応国際規格:IEC/TR 60788:2004,Medical electrical equipment-Glossary of defined terms

(MOD)

JIS Z 4705:2015  医用電気機器-第 2-1 部:1 MeV~50 MeV の電子加速装置の基礎安全及び基本性能

に関する個別要求事項

注記  対 応 国 際 規 格 : IEC 60601-2-1:2009 , Medical electrical equipment - Part 2-1: Particular

requirements for the basic safety and essential performance of electron accelerators in the range 1

MeV to 50 MeV 及び Amendment 1:2014(IDT)

IEC 60601-2-11:2013,Medical electrical equipment-Part 2-11: Particular requirements for the basic safety

and essential performance of gamma beam therapy equipment

IEC 61000-4-1:2016,Electromagnetic compatibility (EMC)-Part 4-1: Testing and measurement techniques-

Overview of IEC 61000-4 series

IEC 61217:2011,Radiotherapy equipment-Coordinates, movements and scales

IEC 62366-1:2015,Medical devices-Part 1: Application of usability engineering to medical devices

ICRU Report 42:1987,Use of Computers in External Beam Radiotherapy Procedures with high Energy

Photons and Electrons

用語,定義及び略語 

3.1 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS T 0601-1:2017 及び JIS Z 4005:2012 によるほか,次による。

注記  巻末に“定義した用語の索引”を記載した。

3.1.1

解剖学的モデリング(ANATOMY MODELLING)

患者解剖学的モデルの確立過程。

3.1.2

密封小線源治療用線源モデル(BRACHYTHERAPY SOURCE MODEL)

当該密封小線源治療用放射性線源についての一連の放射線治療の計画に必要な全ての物理的,幾何学的

及び放射線のパラメータ。


4

T 62083:2017 (IEC 62083:2009)

   

3.1.3

機器モデル(EQUIPMENT MODEL)

当該医用電気機器についての一連の放射線治療の計画に必要な全ての物理的,幾何学的及び放射線のパ

ラメータ。

3.1.4

機器モデリング(EQUIPMENT MODELLING)

機器モデルの確立過程。

3.1.5

患者解剖学的モデル(PATIENT ANATOMY MODEL)

特定の患者に対する一連の放射線治療の計画に必要な全ての物理的及び解剖学的パラメータ。

3.1.6

放射線治療計画システム(RTPS)(RADIOTHERAPY TREATMENT PLANNING SYSTEM)

放射線治療のために患者への放射線の照射をシミュレーションするために使用する装置。一般には,関

連する周辺機器を含むプログラマブル電気医用システムである。

注記  このシステムは,通常,特定の一つ以上のアルゴリズムを使用して人体組織における吸収線量

分布の推定値を計算する。ただし,吸収線量分布の推定値を計算しないシステムも含める。

これらのアルゴリズムは,典型的には医用電子加速器,ガンマ線治療機器,医用粒子線加速

器又は密封小線源治療の照射のシミュレーションを提供するが,必ずしもこれらの機器又は線

源には限定しない。

3.1.7

線源モデリング(SOURCE MODELLING)

密封小線源治療用線源モデルの確立過程。

3.1.8

治療計画(TREATMENT PLAN)

放射線治療の処方又は実施のために,有資格者が使用することを意図した全ての患者及び線量情報。他

の機器に転送される情報が含まれる。

注記  印刷された治療計画を治療計画報告書という。

3.1.9

治療計画作成(TREATMENT PLANNING)

治療計画の確立過程。

3.2 

略語 

この規格で用いる特定の定義語の略語は,次による。

定義語

略語

放射線治療計画システム(RADIOTHERAPY TREATMENT PLANNING SYSTEM)

RTPS

照射野限定器(BEAM LIMITING DEVICE)

BLD

コンピュータ断層撮影(COMPUTED TOMOGRAPHY)

CT

磁気共鳴画像(MAGNETIC RESONANCE IMAGING)

MRI

中央処理装置(CENTRAL PROCESSING UNIT)

CPU


5

T 62083:2017 (IEC 62083:2009)

一般的要求事項 

4.1 

開発 

JIS T 2304 への適合性については,危害の特定,そのリスクアセスメント,リスクコントロールに関わ

る適切な検証及び妥当性確認が必要である。この規格の要求事項への適合性の実証は,この規格の要求事

項の明確な引用とともに上記の過程も含めなければならない。適合性データは,製造業者が永久記録とし

て保存しなければならない。各試験には,必要な全入力データ,正確な再現性を提供するための詳細及び

予測する結果を含む手順を含めなければならない。この規格に対する適合性の宣言は,技術解説に記載し

なければならない。

(試験)適合性は,製造業者の記録の調査によって確認する。

4.2 

設置過程での試験 

製造業者は,技術説明書の一部として,最低限でも 10.2 に規定する吸収線量分布計算アルゴリズム試験

の性能及び幾何学的相関関係の試験の成績を含めた設置(導入)試験文書を提供しなければならない。試

験では,RTPS ハードウェアコンポーネントが正しく機能すること及び治療計画作成機能を実行する場合

に,所定の成果を達成できることについても実証しなければならない。

治療計画作成機能は複雑で,製造業者が指定した事項を超えての構成での使用が可能なため,通常製造

業者は設置(導入)時において RTPS の使用上の適合性を完全に実証することは不可能である。技術説明

書は,責任部門における RTPS の設置のために特別の追加の試験を行う必要性について,責任部門への明

確な警告を提供しなければならない。

(試験)適合性は,附属文書の調査によって確認する。

附属文書 

技術説明書及び取扱説明書を含む附属文書には,この規格が要求する情報を含めなければならない(表

参照)

表 1-附属文書及び技術説明書での情報提供を要求しているこの規格中の箇条及び細分箇条 

確認番号

取扱説明書 

技術説明書

1   4.1 

2   4.2 

3   6.4 a) 

4

6.4 c) 

5

6.4 d) 

6

6.5 

7   6.7 a) 

8   6.7 b) 

9

6.8 

10

7.1 g) 

11

7.2 b) 

12

7.3 b) 

13

8.1 a) 

14

8.2 a) 

15

8.2 c) 

16

8.3 c) 

17

9.2 a) 


6

T 62083:2017 (IEC 62083:2009)

   

表 1-附属文書及び技術説明書での情報提供を要求しているこの規格中の箇条及び細分箇条(続き) 

確認番号

取扱説明書 

技術説明書

18

9.5 a) 

19

10.1 a) 

20

10.1 b) 

21

10.2 a) 

22

10.2 c) 

23

10.2 c) 

24

10.2 d) 

25

10.2 e) 

26

12 

27

13 

28

14 b) 

29

15 a) 

30

15 b) 

31

15 d) 

32

16 

33

A.1 

34

A.3 

35

A.3 

36

附属書 

注記  “確認番号”は,適合文書の整備の確認を支援するものとして与えられる。

安全に取り扱うための一般要求事項 

6.1 

距離,長さ寸法及び角度寸法 

距離の計測値及び長さ寸法は,センチメートル(cm)又はミリメートル(mm)のいずれかの単位で表

示しなければならないが,同時にその両方で表示してはならない。角度寸法は度(°)で表示しなければ

ならない。要求,表示又は印刷する全ての長さの計測値及び長さ並びに角度の寸法の値には,これらの単

位も含めなければならない。

(試験)適合性は,表示及び出力情報の調査によって確認する。

6.2 

放射線量 

入力要求,表示又は印刷する全ての放射線量の値には,その単位を含めなければならない。放射線量の

単位は,SI 単位系とするのがよい。

(試験)適合性は,表示及び出力情報の調査によって確認する。

6.3 

日付及び時刻の書式 

日付を表示又は印刷する場合,書式は,操作者(オペレータ)によって解釈が変わるものであってはな

らない。また,西暦年は 4 桁で表示しなければならない。

注記 1  良い例  “03 Apr 2005”,“03/04/2005 (dd/mm/yyyy)”,“2005 年 4 月 3 日”

注記 2  悪い例  “03/04/05”,“03 Apr 05”

時刻を要求,表示又は印刷する場合は,24 時間表示とするか,又は“a.m.”及び“p.m.”(“午前”及び

“午後”)を適切に使用しなければならない。時間の計測値には,単位を含めなければならない(時間,分,

秒)。

注記 3  慣例によって,正午は 12:00 p.m.,真夜中は 12:00 a.m.とする。


7

T 62083:2017 (IEC 62083:2009)

注記 4 24 時間表示とすることが望ましい。

時間を入力,表示又は印刷する場合は,時間の各単位名を付けなければならない。数字との混同を避け

るためアルファベット 1 文字による時間単位の省略形は使用してはならない(例えば,h,m,s)。時,分,

秒の使用は可能である。

例 2.05

min,1 hour 33 minutes,1:43:15(hr:min:sec)

“2.05 分間”,“1 時間 33 分間”タイムゾー

ン及び,夏時間の適用の表示とともに,時間の入力,表示,及び印刷が可能でなければならない。

操作者がこの任意選択の選択又は解除を行うことができるとよい。

時刻に影響される機能は,年の境目,うるう年,紀元 2000 年などの変わり目にも正しく動作しなければ

ならない。

(試験)適合性は,表示及び出力情報の試験及び調査によって確認する。

6.4 

不正使用からの防護 

a)  許可された者だけが治療計画システムを操作できることを確実にする手段として,製造業者は,責任

部門にパスワード又はキーによる保護機能を提供しなければならない。責任部門によって指名された

個人であっても確実に管理できるようなパスワードアクセス又はキーアクセスによる管理手段を提供

しなければならない。技術説明書には,保護の方法及びアクセスの管理方法について記載しなければ

ならない。

許可されていない者の使用を防止するため,責任部門が特定の操作者のアクセスできるレベルを設

定できるよう,機能ごとにアクセス者が設定できなければならない。

例  治療計画作成の資格がある操作者の全てが,密封小線源治療用線源モデリング及び機器モデリ

ングの資格があるとは限らない。また,治療計画の閲覧又は治療計画の印刷の資格は,治療計

画作成の資格に比べて緩やかな条件で許可してもよい。

(試験)適合性は,試験及び附属文書の調査によって確認する。

b)  設計上,ネットワーク接続が認められている場合は,次の要求事項を適用する。

-  RTPS へのログインは,承認された機器又は承認された者に対してだけ与えなければならない(例

えば,責任部門の管理下でパスワードを使用)。

-  機器モデル,密封小線源治療用線源モデル及び患者解剖学的モデルの各データ又は治療計画(吸収

線量分布計算を伴うか否かに関わらない)へのネットワークを介した,許可のないアクセスを防止

するために制限しなければならない。

(試験)適合性は,試験及び附属文書の調査によって確認する。

c)

製造業者が意図しない,使用可能な RTPS の複製を防止するために,製造業者はコピー防止機能を設

けることができる。コピー防止機能を設けても,データのバックアップができなければならない。こ

のコピー防止機能の存在については,取扱説明書に記載しなければならない。

(試験)適合性は,試験及び附属文書の調査によって確認する。

d)  ソフトウェア又はデータの不正な変更(例  ウィルス)からの防護を設けなければならない。製造業

者は,採用した防護手段を取扱説明書に記載しなければならない。

(試験)適合性は,試験及び附属文書の調査によって確認する。

6.5 

データの制限値 

操作者が入力した又は装置若しくはネットワークから取得したデータエレメントを,あらかじめ設定し

た制限値と比較しなければならない。データが制限値を超えている場合は,データが制限値を超えたこと

が検出されたときに発せられる警告メッセージを操作者が無効にしない限り操作を止めなければならな


8

T 62083:2017 (IEC 62083:2009)

   

い。

操作者が入力するデータエレメントの制限値は取扱説明書に記載し,及び/又はそれらが制限値を超え

たとき,RTPS に表示されるエラーメッセージの一部として提示しなければならない。

その他のデータ整合性検査もデータの特性に基づいて実施することが望ましい。

操作者がデータの制限値を超えて作成した治療計画については,治療計画報告書に,“注意:使用した

一部のデータエレメントが,標準の範囲を超えていました”又は類似のメッセージを記載しなければなら

ない。

注記  この細分箇条の要求事項は,入力データが正しいこと,又は操作者によって適切に使用された

ことを保証するものではない。制限値は,入力データの最大範囲を定義するものである。これ

らの範囲を定義することで,製造業者が予想できなかった入力データに対してシステムを安全

に注意して使用することが許可され,また,設定された境界でのアルゴリズムの正確性を試験

する手段を製造業者に提供することになる。10.2 b)も参照。

(試験)適合性は,試験及び出力情報並びに附属文書の調査によって確認する。

6.6 

不正な変更からの保護 

箇条 13 を参照。

6.7 

データ転送の正確さ 

a)

他の装置とのデータ送受信には,エラーのないデータ送受信が検証された通信規約を使用しなければ

ならない。製造業者は,技術説明書にこれらの規約について記載しなければならない。

例 DICOM

3 又は FTP は,それぞれエラー検出機能を含んでいる。

(試験)適合性は,通信規約仕様及び附属文書の調査によって確認する。

b)  周辺機器との閉じた接続,又は製造業者によって形式試験された統合された RTPS/照射装置の構成

品以外の他の装置で使用するためにデータを転送する場合は,次のとおりとする。

-  全てのデータエレメント,データタイプ及びデータ限度値の識別を含め(ただし,これらだけに限

らない),出力データのフォーマットを技術説明書に記載しなければならない。

-  出力データには,操作者氏名,データ作成日及び患者,機器モデル,密封小線源治療用線源モデル,

患者解剖学的モデル,治療計画などに関連する識別子を含めなければならない。

注記  転送したデータの正確さに関して,附属書 に示す。

(試験)適合性は,試験及び出力情報並びに附属文書の調査によって確認する。

6.8 

座標系及び目盛 

IEC 61217 の規定に準拠して表示される放射線治療 ME 機器の座標系及び目盛を用いて,操作者が,全

ての治療計画作成機能を使用できるようにしなければならない。また,当該 ME 機器に対して機器モデリ

ングのときに変更・修正を施し,ME 機器で表示されるそれらの座標系及び目盛を用いて,操作者が全て

の治療計画作成機能を使用できることが望ましい。

いずれの場合も,放射線治療の処方に使用する治療計画報告書には,機器モデリングのときのカスタマ

イズに従った ME 機器の座標系及び目盛を記載しなければならない。

目盛の表示方法は,取扱説明書に記載しなければならない。

(試験)適合性は,試験,並びに表示,出力情報及び附属文書の調査によって確認する。

6.9 

データの一時保存及びアーカイブ 

システム障害が発生したときに回復可能となるように,機器モデル,密封小線源治療用線源モデル,治


9

T 62083:2017 (IEC 62083:2009)

療計画の各データ及びその他の適正な操作に必須のデータを作業の進行中に保存できる手段を提供しな

ければならない。

データ記憶装置又は RTPS 全体が故障したときに回復できるように,主記憶装置と独立した記憶媒体上

にデータをアーカイブするための手段を提供しなければならない。

(試験)適合性は,試験によって確認する。

放射線治療機器モデリング及び密封小線源治療用線源モデリング 

7.1 

機器モデル 

a)  機器モデルには,放射線治療 ME 機器からの利用可能な線質を特定するのに必要なあらゆる情報を,

曖昧さのない形で含めなければならない。利用できる各放射線の線質ごとに,次の情報を含める。た

だし,これらに限定するものではない。

-  線質

-  定格エネルギー

-  必要に応じ,人体組織におけるモデリングが可能な条件下で測定した又は妥当性を評価した吸収線

量プロファイル及び深部線量分布データ

b)  機器モデルには,治療計画作成工程(プロセス)に関連する,照射野限定器,架台の動作及びその他

の全ての動作可能な範囲並びに幾何学的係数を盛り込まなければならない。

c)

機器モデルには,ウェッジフィルタ,電子線アプリケータ,多分割照射野限定器など治療計画作成工

程中に利用可能な放射線ビーム修正機器に関連する全てのデータを含めなければならない。

データは,正確な値又は有効範囲(例えば,許容照射野の大きさ)の形式をとらなければならない。

このような値は,全て機器モデリング工程(プロセス)で操作者が見直しできるように表示しなけれ

ばならない。

d)  機器モデルでは,適宜,シャドートレイ,補償フィルタ又はその他のカスタマイズ可能な放射線ビー

ム修正機器が使用できる全ての位置を,放射線源を基準に指定しなければならない。

e)

ME 機器部品の動作方向及び動作の基準位置が既知であるような,一部の特定な ME 機器に限定しな

い場合には,機器モデリング工程においてモデル化する機器ごとに,これらのパラメータ群のカスタ

マイズができるようにしなければならない。パラメータ群がカスタマイズされている間,表示には操

作者がその機器を観察する視線方向を明瞭に表示しなければならない。

f)

操作者が,IEC 61217 で制定した規約を選択できるようにしなければならない。

g)

取扱説明書には,ME 機器のデータを RTPS へ入力する方法及び必要な全てのデータセットを記載し

なければならない。

製造業者は,規定の精度で RTPS が作動するのに必要な最低限のデータについて取扱説明書に記載

しなければならない。さらに,入力データの質に関連する適切な指示又は注意事項についても記載し

なければならない。

h)  操作者が入力するデータは,操作者によって確認されていない値を初期値としてはならない。

注記  仮想シミュレーションなど一部の治療計画作成機能では,ME 機器が汎用化されているために,

単純な機器モデルだけしか必要でないことがある。このような場合には,製造業者は,この細

分箇条の要求事項のほとんど,又は全てを適用外としてもよい。それでも,操作者が入力する

パラメータデータの限度値については 6.5,また,座標系及び目盛については 6.8 など,他の多


10

T 62083:2017 (IEC 62083:2009)

   

くの細分箇条を適用してもよい。

(試験)適合性は,a)f)及び h)の試験並びに附属文書の調査によって確認する。

7.2 

密封小線源治療用線源モデル 

a)

密封小線源治療用線源モデルには,次の事項を盛り込まなければならない。

-  人体組織におけるモデリングが可能な条件下で測定した又は妥当性を評価した公称線源強度におけ

る吸収線量プロファイルを記載しているパラメータ(例えば,TG43 モデル)

-  これらのパラメータ群の出典への参照

-  放射性核種の放射性半減期

-  線源の線源強度を他の単位に変換するために RTPS によって使用される変換係数

b)  取扱説明書には,データを RTPS へ入力する方法及び必要な全てのデータセットを記載しなければな

らない。

製造業者は,指定の精度に合わせて RTPS が作動するのに必要な最低限のデータについて取扱説明

書に記載し,更に,入力データの質に関連する適切な指示又は注意事項についても記載しなければな

らない。

c)

操作者が入力するデータは,操作者が確認していない値を初期値としてはならない。

注記  電子密封小線源装置にとって,7.1(機器モデル)の要求事項が有効である。7.1 の b)及び f)

の要求事項はこのタイプの装置には適用できない可能性がある。

(試験)適合性は,a)c)の試験並びに附属文書の調査によって確認する。

7.3 

線量評価情報 

a)

モデリング工程で操作者が入力した線量測定データに基づいて,機器モデル又は密封小線源治療用線

源モデルを作成する場合は,線量評価データを適用している体積の寸法(モデル化された線量評価体

積)を,モデリング工程中に表示しなければならない。

b)  モデル化された線量評価体積外の吸収線量率は,ゼロに設定するか又は外挿しなければならない。外

挿データは,負ではない値とし,次のいずれかによって設定しなければならない。

-  相対的吸収線量率は,指定の定数に設定する。

-  指定の距離パラメータに依存する指定の数式によって決定する。

機器モデリング又は治療計画作成中にモデル化した体積外の吸収線量の推定に使用する手段につい

て,メッセージの表示又は他の手段を通じて操作者に対して通知しなければならない。モデル化した

体積外の吸収線量を推定するのに使用する手法について,技術説明書に記載しなければならない。

c)

吸収線量分布計算に必要な放射線ビーム修正機器の透過比又はその他のパラメータを入力する場合

は,機器モデリング工程中に操作者が再見直しできるように,ビーム変調機器の物理的パラメータと

ともにこれらの値も表示しなければならない。

(試験)適合性は,a)c)については試験並びに b)に関する附属文書の調査によって確認する。

7.4 

機器モデル又は密封小線源治療用線源モデルの受入れ 

a)

機器モデルの作成又は変更後に,次の全てを操作者が承認したときだけ,機器モデルを“完了”とし

て,保存可能でなければならない。

-  モデル内のデータ及びパラメータは見直しされ正しい。

-  線量評価データを代替計算,公開データに対する比較,独立した見直し又はその他の適切な手段に

よって確認している。

注記  治療計画作成過程における不完全なモデルの使用については,9.1 を参照。


11

T 62083:2017 (IEC 62083:2009)

b)  操作者が,機器モデル又は密封小線源治療用線源モデルを“完了”として保存する前に,全ての関連

データを評価できる手段を備えなければならない。必要に応じてデータのグラフ又は描画による表現

を提供するのがよい。

c)

機器モデル又は密封小線源治療用線源モデルを受入れ保存する場合には,次の情報とともに保存しな

ければならない。

-  受入れ日,

-  操作者の識別情報及び

-  操作者が警告を無効化しない限り,7.4 a)に従って“完了”として承認済の保存している他のモデル

と異なる別の名前

(試験)適合性は,a)c)の試験によって確認する。

7.5 

機器モデル又は密封小線源治療用線源モデルの削除 

操作者がモデルの削除前に保管するのがよい旨の警告を確認した後でそれを無効化しない限り,機器モ

デル又は密封小線源治療用線源モデルは,削除可能であってはならない。

(試験)適合性は,試験によって確認する。

解剖学的モデリング 

8.1 

データの取得 

a)

解剖学的モデリングデータを RTPS へ入力する方法を,取扱説明書に記載しなければならない。

b)  画像データを画像撮影装置(CT,MRI など)から取得し,治療計画作成でその画像を適切に使用す

ることに影響を与えるような調整を画像処理装置で行う場合は,これらのパラメータのそれぞれに対

して,次の 1)又は 2)のいずれかを適用しなければならない。

1)  画像とともにパラメータを取得する場合は,画像ごとにパラメータを確認しなければならない。

確認できない場合には,次のいずれかによる。

-  RTPS がパラメータの補償手段を提供しなければならない。

-  治療計画作成のために画像の使用を許可してはならない。

2)  画像とともにパラメータを取得しない場合は,操作者は,他の手段によってパラメータの適切さを

確認しなければならない。

注記  例  スライス厚の補償機能が RTPS に組み込まれていない場合には,異なるスライス厚の

混在した画像は拒絶される。補償が行われないコンピュータ断層撮影の架台チルトは,画

像ヘッダにおける情報を利用して,全ての画像がゼロ位置にあることを確認するか又は他

の手段(患者データシートなど)によって,操作者自身がゼロ位置を確認する必要がある。

c)

他の機器から取得したデータの患者氏名及び患者識別子がオペレータが選択した患者氏名及び患者識

別子と一致しない限り,他の装置から取得した画像又は患者データが,当該患者のものであり,利用

可能であることを,操作者は確認しなければならない。

d)  CT 画像データ又は他の装置から取得した同様のデータに基づいて不均質補正を行うとき,そのデー

タを直接利用することができず変換係数又は変換曲線を用いる場合は,次による。

-  データエレメントが変換曲線の範囲外の場合は,不均質補正を行わないか,又は警告を表示しなけ

ればならない。

さらに,

-  画像とともに取得した情報を通して校正曲線が適切であることを自動的に確認できる場合を除い


12

T 62083:2017 (IEC 62083:2009)

   

て,その校正曲線がそれらの画像に適していることを操作者に確認することを求めなければならな

い。

-  製造業者は,RTPS が必要とする物理的特性(例えば,電子密度,質量密度)を附属文書に指定し

なければならない。

(試験)適合性は,b)d)については試験並びに a)に関わる附属文書の調査によって確認する。

8.2 

座標系及び目盛 

a)  使用する放射線ビーム,密封小線源治療用線源の位置及び線量評価情報は,ICRU Report 42:1987 に

図解されている規約などの,患者座標系で表示しなければならない。患者座標系の図は,取扱説明書

に記載しなければならない。

注記  この規格の作成時,IEC 61217 は患者座標系を含んでいなかった。しかし,患者座標系を含

めることは提案されていた。この規格の次の版では,その改正版を含む患者座標系に関する

IEC 61217 を引用する予定である。

b)  全ての患者解剖学的表示には,次を含まなければならない。

-  患者の寸法を示すための目盛

-  患者座標系の原点を基準とした画像位置を示すための座標

-  患者の左右,前後など,患者の向きを完全に定義するのに必要な表示

c)

IEC 61217 に定義する座標系以外を使用する場合は,患者座標系との関係とともに取扱説明書に記載

し図解しなければならない。これらのいずれか一つの座標系でパラメータを指定した場合,データを

表示又は印刷するときは,使用した座標系を明確にしなければならない。

d)  患者の向きを決めるためのパラメータを入力するか又は確認することを操作者に求めなければならな

い。

(試験)適合性は,a)d)については試験並びに a)及び c)に関わる附属文書の調査によって確認する。

8.3 

関心領域の輪郭作成 

計画及び吸収線量分布計算を行うために,解剖学的構造又はその他の関心領域のセグメント化が必要な

場合(例えば,輪郭の作成,ボクセル要素の割当て)は,次による。

a)

操作者が,対象となるセグメント化構造又は関心領域を見ることができなければならない。

b)  操作者が,セグメンテーションを修正し,セグメント化した特徴の表示をオンオフ切替えできなけれ

ばならない。

c)

解剖学的構造又はその他の関心領域のセグメンテーションに基づいて体積密度割当てを行ったとき,

これら二つの機能で体積が重複している場合には,次のいずれかを行う。

-  重複分の体積密度が明確に割り当て可能にする,取扱説明書に記載した,体積密度割当ての階層が

なければならない。

-  操作者がセグメンテーションを変更するか,又は別の方法で体積密度を重複分に明確に割り当てる

まで,吸収線量分布計算を禁止しなければならない。

d)  セグメント化した特徴を特定し(例えば,番号を使用して)

,対応する体積密度を指示しなければなら

ない。この情報は,治療計画報告書に記載しなければならない。

(試験)適合性は,a)d)については試験並びに c)に関わる附属文書の調査によって確認する。

8.4 

患者解剖学的モデルの受理 

a)

次の全てを満たすまで,患者解剖学的モデルを“完了”として保存可能にしてはならない。

-  患者の向きが 8.2 d)によって確定している。


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T 62083:2017 (IEC 62083:2009)

-  8.1 b)によって,画像の照合又は操作者が受入れを行っている。

-  8.1 c)によって,正しい患者に属している画像であることを確認している。

-  操作者が,セグメンテーションを行った画像を再見直し,受入れ可能であり,対象とする患者に属

することを確認している。

b)  患者解剖学的モデルを保存するときには,次のデータとともに保存しなければならない。

-  保存する日時

-  患者の氏名及び識別子

-  操作者の識別

-  操作者が警告を無効化しない限り,8.4 a)に従って“完了”として承認済の保存している他の患者解

剖学的モデルと異なる別の名前

(試験)適合性は,試験によって確認する。

8.5 

患者解剖学的モデルの削除 

操作者が,患者解剖学的モデルを削除する前に保管するのがよい旨の警告を受け取り,これを無効化し

ない限り,患者解剖学的モデルを削除可能としてはならない。

(試験)適合性は,試験によって確認する。

治療計画作成 

9.1 

一般要求事項 

a)

不完全な機器モデル,密封小線源治療用線源モデル又は患者解剖学的モデルを使用する場合は,操作

者に,そのモデルが不完全であることを警告し,その警告を無効化することを要求しなければならな

い。

b)  選択した機器モデルで指定した照射野限定器,ビームアプリケータ又は放射線ビーム修正機器の利用

可能範囲外の放射線ビームの寸法又は位置を操作者が指定できる場合は,操作者が最大サイズをどの

程度超えているのかを明確に認識できるように,追加の表示又はパラメータを提供しなければならな

い。

例  大照射野の“ビームズアイビュー”又は大照射野 DRR(デジタル再構成シミュレーション画像)

では,これらの限度値を超えるのがよい。

注記  大照射野の“ビームズアイビュー”の場合のように b)の限度値を超えるときには,操作者が,

最大利用可能放射線ビーム寸法をどの程度まで超えているか明確に認識できるように,追加

パラメータを指定する必要がある。

(試験)適合性は,試験によって確認する。

9.2 

治療計画の準備 

a)

製造業者は,一つの治療計画の中で使用できる放射線ビーム数,密封小線源治療用線源数又はその他

の放射線発生 ME 機器数の最大値について,取扱説明書に記載しなければならない。これらの最大値

を超えた操作を防止するために,制限値は変更不可とする,又は警告表示するのがよい。

注記  これらの項目の一部に理論的制限がない場合でも,この要求事項は,製造業者が試験するた

めの境界を設定し,責任部門に対してこれを伝達することを確実にする。ただし,最大値は,

追加的な試験に基づいて増やすことができるように柔軟性をもってもよい。

b)  二つ以上の治療計画を統合した治療計画では,同じ患者解剖学的モデルを使用するか,又は患者解剖

学的モデルの互換性を操作者に確認するように求めなければならない。


14

T 62083:2017 (IEC 62083:2009)

   

治療計画を統合するアルゴリズムは,10.2 の要求事項に適合しなければならない。

(試験)適合性は,a)及び b)については試験並びに a)に関わる附属文書の調査によって確認する。

9.3 

治療計画の識別 

治療計画を保存するときには,次のデータとともに保存しなければならない。

-  保存した日時

-  操作者の識別

-  使用した機器モデル又は密封小線源治療用線源モデルの識別子

-  作成に使用したソフトウェアのバージョン番号

-  患者及び使用した患者解剖学的モデルの識別子

-  操作者が警告を無効化していない限り,承認され保存している以前の治療計画とは別の名前

(試験)適合性は,試験によって確認する。

9.4 

治療計画の削除 

操作者が,治療計画を削除前に保管するのがよい旨の警告を受け取り,これを無効化しない限り,治療

計画を削除してはならない。

(試験)適合性は,試験によって確認する。

9.5 

電子署名 

a)

設計で,氏名又は電子署名の入力によって治療計画を再見直し又は承認を可能にする場合は,取扱説

明書に,これらの機能が,どのようにして,正しくかつ安全に使用できるかについて記載しなければ

ならない。

b)  治療計画を電子証明によって承認した後で治療計画を変更する場合には,必ず電子署名は削除(又は

他の有効な方法で取り消し)しなければならない。電子署名適用後の治療計画履歴は,追跡可能でな

ければならない。

(試験)適合性は,試験によって確認する。

10  吸収線量分布計算 

10.1  使用するアルゴリズム 

a)

計算に使用する全てのアルゴリズムの説明は,技術説明書に記載しなければならない。この説明書に

は,アルゴリズムが考慮している要因,計算の基礎となる数式及び数式で使用する全ての変数に適用

する限度値を記載しなければならない。公表されているアルゴリズムを採用したときには,引用文献

を記載しなければならない。

注記  この細分箇条でいう“全てのアルゴリズム”は,DRR(デジタル再構成シミュレーション画

像),密封小線源治療用線源再構成アルゴリズム,最適化アルゴリズム,放射線生物学的効果

の計算などの補足計算を含む。さらに,自動輪郭作成又はその他の解剖学的構造の自動識別

技術,及び関心領域のマージン自動設定などの標的容積又はその他の領域の特定を通じて計

算に影響を与える全てのアルゴリズムを含む。

b)  計算アルゴリズムの選択が可能な場合は,臨床適用に当たっての各種アルゴリズムの長所・短所につ

いて取扱説明書に記載しなければならない。

c)

技術説明書には,計算時に全ての照射野限定器をモデル化する方法を記載する。この記載に,ビーム

修飾機器の透過計算及び半影領域における計算も含めなければならない。

(試験)適合性は,附属文書の調査によって確認する。


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T 62083:2017 (IEC 62083:2009)

10.2  アルゴリズムの精度 

a)

使用する各アルゴリズムについて,技術説明書で,少なくとも一つの定義した条件の測定データに関

するアルゴリズムの精度を記載しなければならない。定義した条件は,正常の使用に関する条件をシ

ミュレーションするように選択するが,規格化されているか又は公表されている場合は,これらを使

用するのがよい。技術説明書には,定義した条件を責任部門が再現するために必要な全ての文書及び

データ,又はこれらの条件が公表されている場合には適切な参考資料を含めなければならない。さら

に,これらの入力データによって期待できる結果が得られることを示すため,責任部門が実施できる

試験の手順も含めなければならない。

b)  各アルゴリズムは,許容範囲内の境界値の入力変数でも誤った計算結果が生じない方法で実装されな

ければならない。

注記 1  この要求事項の意図は,結果が望んだ臨床的成果であることを保証するのではなく,許容

範囲内の境界値でもアルゴリズムが数学的に正しい計算結果を出すことにある。

c)

指定の点の線量値が他の点の線量評価値から内挿又は外挿した値に基づく場合は,代表的な治療計画

作成条件においての内挿又は外挿による理論的線量推定誤差についても,技術説明書に記載しなけれ

ばならない。操作者が,この影響を強めたり弱めたりするような選択を行うことができる場合は,そ

のような選択を表示し,治療計画報告書に記載しなければならない。適切な選択を行うことの重要性

に関する注意事項も,取扱説明書に記載しなければならない。

例 1  中間値を内挿するための計算用の可変グリッド間隔又は操作者が近似のために選択できる固

定放射線ビームの計算

d)  取扱説明書には,期待した精度のレベルが適用できない条件における,吸収線量分布計算精度の制約

について,操作者への注意事項を記載しなければならない。

例 2  密封小線源治療用線源に近い吸収線量,非常に密度の高い物質の近傍における吸収線量

注記 2  精度には,基準値に対して一般的にパーセント(%)表示した吸収線量及び高い吸収線量

勾配領域で一般的にミリメートル(mm)表示した空間精度を含む。

注記 3  注意事項は,製造業者がこのような状況の全てを予測できるということではなく,また,

責任部門が治療計画を臨床に使用する前に確認検査を実施しなくてもよいということでは

ない。

e)

採用した各アルゴリズムについては,代表的な治療計画に対応した定量的結果を示すデータのグラフ,

プロット又は表を技術説明書に記載しなければならない。

(試験)適合性は,a)及び c)e)に関わる附属文書の調査で確認する。b)については b)で指定された条

件化での試験によって確認する。

11  治療計画報告 

11.1  未完了治療計画報告 

“完了”として保存していない機器モデル,密封小線源治療用線源モデル又は患者解剖学的モデルから,

又はこれを使用して治療計画報告を作成した場合は,“未完了機器モデル”,“未完了密封小線源治療用線

源モデル”又は“未完了患者解剖学的モデル”という旨の文言を治療計画報告に記載しなければならない。

(試験)適合性は,試験によって確認する。

11.2  治療計画報告に関する情報 

全ての適用可能な吸収線量分布,等線量曲線,線量モニタ単位及び照射時間情報に加え,各治療計画報


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T 62083:2017 (IEC 62083:2009)

   

告には,少なくとも次の事項を含めなければならない。

-  RTPS ソフトウェアのバージョン番号

-  患者の氏名及び患者の識別子

-  機器モデルを使用する場合

・  ME 機器及び機器モデルの識別子

・  その線質

・  治療計画報告に表示された放射線ビームごとの放射線照射野サイズ及び架台角度のようなサイズ,

形状及び位置を決定するための全てのパラメータ

・  一次照射野限定器,多分割照射野限定器,プログラマブルウェッジフィルタを含めた全てのウェッ

ジフィルタ,電子線アプリケータ,放射線ビーム整形ブロック,補償フィルタ又はその他の照射野

限定器の識別,寸法及び線量パラメータ

・  機器モデルが保存された日付

-  密封小線源治療用放射性線源を使用する場合

・  密封小線源治療用放射性線源の識別子

・  線源の強度

・  密封小線源治療用アプリケータの識別

・  密封小線源治療用線源モデルが保存された日付

-  患者解剖学的モデル及び治療計画の識別子

-  治療計画を保存した日時

-  必要に応じて,6.57.38.19.1 a)9.1 b)及び 11.1 で要求している文言

-  必要に応じて,8.3 で要求している輪郭及び体積密度識別

-  放射線ビームの重み付け方法,等線量分布の正規化方法及び選択した基準点

-  選択が可能であった場合の,選択した計算アルゴリズム

-  10.2 で要求している計算精度に影響を与える,操作者が行った選択

-  操作者の ID

-  設計によって,治療計画の見直し又は承認を電子的に行うことが可能な場合,又は要求される場合は,

見直し者の氏名又は電子署名

-  承認者の氏名,署名及び日付を記載するための署名欄

主な識別要素は,治療計画報告の各ページに記載する。これらには,少なくとも,患者名,患者識別子

及び治療計画作成日時を含まなければならない。

注記  治療計画の設計において元々利用できない項目については,削除してもよい。製造業者は,治

療計画に関わる情報の効果的使用及び明確化に必要な場合は,上記に要素を追加するのがよい。

(試験)適合性は,出力情報の検査で確認する。

11.3  送信した治療計画情報 

治療計画情報を他の装置又は場所に送信する場合,その治療計画情報に関わる全ての必要な承認が取得

されていることの確認を操作者に求めなければならない。

(試験)適合性は,試験によって確認する。

12  一般的なハードウェアの診断 

システムは,電源投入時にハードウェアの診断を実施しなければならない。定期的に又は操作者が要求


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T 62083:2017 (IEC 62083:2009)

したときも,診断を実行するように設計してあるのがよい。これらは,コンピュータの CPU,メモリ及び

周辺ハードウェアの全てが,正しく機能していることを,可能な限り判断できるように設計しなければな

らない。

診断での不具合があった場合は,治療計画作成工程は手順に従って終了しなければならない。

実施する確認項目については,技術説明書に記載しなければならない。

(試験)適合性は,試験及び附属文書の調査によって確認する。

13  データ及びコード 

実行可能なプログラムコード,機器モデルデータ及び密封小線源治療用線源モデルデータに,ハードウ

ェアの故障,ウイルス,使用中の事故,又はその他の不正な方法によって変更があったときに,使用でき

なくするチェックサム又はその他の同等な保護手段を備えなければならない。製造業者は,表示上又は取

扱説明書の中で,操作者に正しい操作を回復するための指示をしなければならない。

注記  このようなコード及びデータ項目は,複数の治療計画作成操作に共通で,頻繁に変更すること

はないため,保護が必要となる。チェックサム又は類似の手法は,データの意図しない変更を

検出するのに非常に効果的であり,製造業者は,患者解剖学的モデル及び完成した治療計画な

どのデータにこれらの技術を適用するのがよい。

コンピュータのオペレーティングシステムのユーティリティ又は製造業者の管理外の他のユーティリテ

ィを使用することによって,プログラムコード又はデータの変更又は削除が可能な場合,製造業者は,取

扱説明書に製造業者が指定した手順以外で,プログラムのコード又はデータに関わる機能を使用しないよ

うに,操作者に対する注意事項を記載しなければならない。

(試験)適合性は,試験及び附属文書の調査によって確認する。

14  ソフトウェア設計におけるヒューマンエラー 

a)

JIS T 2304 で規定したソフトウェア開発過程及びリスクマネジメントに関わる要求事項を,開発過程

を通じて適用しなければならない。

要求事項には,これらに限定はされないが,次を含む。

-  文書化した全てのリスクコントロールの妥当性確認

-  必要なリスクマネジメントファイルの維持

-  臨床用にリリースする前に判明した全ての重要な問題点を調査し,解決していることを確実にする。

(試験)適合性は,JIS T 2304 の要求事項に基づいたシステム文書の審査によって確認する。

b)  製造業者は,取扱説明書の中に,責任部門が使用中又は試験中に判明したソフトウェアの動作エラー

について,報告できるような手段を記載しなければならない。

(試験)適合性は,附属文書の調査によって確認する。

15  ソフトウェアバージョン変更 

製造業者がソフトウェアの新バージョンを責任部門に提供する場合は,次による。

a)

新バージョンの導入及び導入が成功したことを判断するのに必要な試験についての説明を,取扱説明

書に記載しなければならない。

b)  旧バージョンのデータを使用すると誤った結果が発生する可能性がある場合は,

次のいずれかを行う。

-  旧データを新しいフォーマットに変換する設計をしなければならない。


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T 62083:2017 (IEC 62083:2009)

   

-  旧データを使用できないように設計しなければならない。

-  新バージョンの取扱説明書に,責任部門に対する明確な警告を記載し,システムが安全に稼働する

ことを確実にするために全ての必要な説明を記載しなければならない。

c)

新バージョンのソフトウェアの導入によって,機器モデル,密封小線源治療用線源モデル又は患者解

剖学的モデルのデータが削除又は破壊される可能性がある場合は,操作者に警告を発し,削除又は破

壊が発生する前にデータを保管する機会を提供しなければならない。

d)  取扱説明書に,旧バージョンで保管している治療計画を取り出し,変更又は完成させる方法に関わる

説明を記載しなければならない。

(試験)適合性は,b)については試験,a)d)に関わる附属文書の調査によって確認する。

16  使用中のエラー 

RTPS は,IEC 62366-1 に適合しなければならない。

注記  古い製品の修正に,受け入れ可能なユーザビリティを証明するためにリスクアセスメントを使

用してもよい。

取扱説明書に,この規格の他の箇条及び細分箇条の該当する情報などを含む,安全に操作するために必

要な全ての情報について責任部門向けの包括的な説明を記載しなければならない。

取扱説明書に,責任部門に対する次の注意事項を記載しなければならない。

-  有資格者が,全ての治療計画報告を放射線治療に使用する前に,承認しなければならない。

-  責任部門は,治療計画作成機能の実行を承認された者が,実行する機能について適切に訓練されてい

ることを保証しなければならない。

-  操作者は,出力データの品質が入力データの品質に決定的に依存していることを常に認識し,データ

を使用する前に,入力データの単位,識別又は他の性質に関する不正性又は疑念を,徹底的に調査し

なければならない。

(試験)適合性は,附属文書の調査によって確認する。


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T 62083:2017 (IEC 62083:2009)

附属書 A

(規定)

ハードウェアの安全性

A.1 

一般要求事項 

A.1.1 

概観 

この規格(全体のことをいう。)は,主として安全に稼働するのに必要な RTPS ソフトウェアの動作の

特徴及びその他の事項に関わるものである。この規格は,製造業者が更に適合性を実証しなければならな

い適切なハードウェアの安全規格と相互に補完するものである。

製造業者が RTPS を動作させるために必要なハードウェアを供給しない場合は,技術説明書には適切な

ハードウェアの安全規格に適合したハードウェア上に RTPS ソフトウェアをインストールする責任部門に

対する警告を含めなければならない。

次は,利用可能な幾つかの規格及びその適用性についての一般的な記載である。これらは,全てを網羅

したものではなく,最新版及び追補を含め,適切な規格を特定して選択するのは,製造業者の責任である。

製造業者は,適切であることを示すことができる場合は,これらの規格以外の規格を使用してもよい。

A.1.2 JIS 

6950-1  情報技術機器-安全性-第 部:一般要求事項 

JIS C 6950-1 の 1.1.1 で規定している情報技術機器を適用する。

RTPS が使用している汎用コンピュータのハードウェア及び周辺機器を,患者に直接接続して使用しな

い場合は,JIS C 6950-1 が関連規格である。

A.1.3 JIS 

T 0601-1  医用電気機器-第 部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項 

JIS T 0601-1 は,医用電気機器の基礎安全に関する一般規格である。RTPS ハードウェアを患者がいると

ころで使用する場合,又は患者がいるところで使用するハードウェアと統合する場合は,JIS T 0601-1 は,

ハードウェアの安全性を考慮するために使用できる適切な規格であり,また,この規格は,RTPS に関す

る補足規格として参照することができる。表 A.1 は,JIS T 0601-1 の補足規格として,この規格の箇条と

の相関関係を示したものである。

表 A.1-相関関係表 

JIS T 0601-1 の箇条番号

この規格の補足的な箇条番号

3 3 

5 4 

7 5 

12 6141516

13 1213

A.1.4 IEC 

61000-4-1JIS C 61000-4-2JIS C 61000-4-3JIS C 61000-4-4 及び JIS T 0601-1-2 

Electromagnetic compatibility (EMC)Part 4-1: Testing and measurement techniquesOverview of IEC 

61000-4 series,電磁両立性-第 4-2 部:試験及び測定技術-静電気放電イミュニティ試験,電磁両立性-

第 4-3 部:試験及び測定技術-放射無線周波電磁界イミュニティ試験,電磁両立性-第 4-4 部:試験及び

測定技術-電気的ファストトランジェント/バーストイミュニティ試験,医用電気機器-第 1-2 部:安全

に関する一般的要求事項-電磁両立性-要求事項及び試験 

これらの規格は,情報技術機器及び医用電気機器の電磁両立性試験の要求事項及び/又はその方法に関


20

T 62083:2017 (IEC 62083:2009)

   

するものである。適用性は,ハードウェアの性質及びそれを使用する環境に左右される。ほとんどの場合,

RTPS は,使用環境に適合した市販の汎用コンピュータを使用する。

コンピュータ製造業者は,これらのいずれかの規格によって機器の認証を取得していることがある。コ

ンピュータが特注構成の場合,又は患者に接続された機器に組み込んだ場合は,いずれの規格を適用する

のかの更なる分析が必要となる場合がある。

製造業者は,RTPS が適合している全てのハードウェアの安全規格を,技術説明書に記載しなければな

らない。

(試験)適合性は,試験及び必要な場合は該当規格による調査,及び規格を特定するための附属文書の

調査によって確認する。

A.2 

ハードウェアの安全の完全性 

ハードウェアの安全の実証には,次の潜在する危害などを含めるが,これらに限るものではない。

-  電撃

-  火災

-  身体への傷害

-  電磁両立性

-  許容限度値を超える放射線

(試験)適合性は,対応した危害などに対するハードウェアの安全規格によって,また,必要に応じて,

補足試験及び調査によって確認する。

A.3 

附属文書の完全性 

取扱説明書及び技術説明書は,ハードウェアを安全に出荷,据付け,操作及び付帯サービスを行うため

に必要な全ての情報:必ずしもこれらに限らないが,包装,出荷・保管条件,据付指示,動作環境(温度,

湿度及び電気的条件を含む)を含めなければならない。すなわち,取扱説明書,注意説明書,並びに付帯

サービス説明書及び注意説明書である。

(試験)適合性は,附属文書の調査によって確認する。


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T 62083:2017 (IEC 62083:2009)

附属書 B

(参考)

受取りデータ及び送出データ

この規格は,受け取ったデータが仕様どおりであり,また,データが正しく送出されることを確実にす

るための多くの要求事項を含んでいる。

この規格は,入力データに適用する限度値,操作者による入力データの見直し,及び治療計画の最終承

認に関わる多くの要求事項を含んでいる。これらの要求事項を超えて,更に,製造業者は,入力データの

正確さ及び適切さを前提とすることにリスクがあることを絶えず念頭におき,また,可能な限り,確認機

能を盛り込んだ設計を構築するのがよい。入力データを完全に検証することはほとんど現実的ではないが,

入力データの正確さを検証するための全ての実際的な手段を設計に盛り込み,また,治療計画作成工程の

適切な時点で見直し及び承認の必要性を要求することは,製造業者の責任である。

注記  責任部門は,全ての治療計画作成担当者が適切に認定されており,また,完成した治療計画を

適切に見直し,承認できることを確実にする責任がある。

装置間でのデータの直接授受ではなく,汎用の出力データに関して,この規格は,技術説明書に出力デ

ータの種類及び形式に関わる詳細データを記載することを,製造業者に求めている。

それ以上の検査及び検証は,このデータを入力データとして使用する装置の責任となる。

装置間でデータをやりとりするときに生じる問題の主な原因は,データを受け取るときに必要とされる

データのタイプ,限度値及び個々のデータ要素の意味に関わる通信規約である。

近年,画像に関して標準通信規約を確立するために幾つかの進展が見られ,また,放射線治療パラメー

タに関わる他の作業も進んでいる。製造業者は,エラーの可能性をできるだけ少なくするために,これら

の規格が利用可能になったときに使用するのが望ましい。


22

T 62083:2017 (IEC 62083:2009)

   

参考文献

[1]  Dosimetry of interstitial brachytherapy source: Recommendations of the AAPM RadiationTherapy Committee

Task Group No.43 Med.Phys., 1995, 22, p. 209-234


23

T 62083:2017 (IEC 62083:2009)

定義した用語の索引

定義した用語(日本語)

定義した用語(英語)

出典・定義した箇所

医用電気機器(機器),

ME 機器 

MEDICAL ELECTRICAL EQUIPMENT,

ME EQUIPMENT

JIS T 0601-1:2017,3.63

ウェッジフィルタ,

くさびフィルタ 

WEDGE FILTER

JIS Z 4005:2012,11271

線像 

RADIOGRAM

JIS Z 4005:2012,10926

解剖学的モデリング 

ANATOMY MODELLING

3.1.1 

患者 

PATIENT

JIS T 0601-1:2017,3.76

患者解剖学的モデル 

PATIENT ANATOMY MODEL

3.1.5 

架台 

GANTRY

JIS Z 4705:2015,201.3.206

ガンマ線治療機器 

GAMMA BEAM THERAPY EQUIPMENT

IEC TR 60788 rm-24-01 

機器モデリング 

EQUIPMENT MODELLING

3.1.4 

機器モデル 

EQUIPMENT MODEL

3.1.3 

基礎安全 

BASIC SAFETY

IEC 60601-1:2005,3.10

吸収線量 

ABSORBED DOSE

JIS Z 4005:2012,10003

吸収線量率 

ABSORBED DOSE RATE

JIS Z 4005:2012,10004

プログラマブル電気医用システ

 

PROGRAMMABLE ELECTRICAL

MEDICAL SYSTEM

IEC 60601-1:2005,3.90

コンピュータ断層撮影(CT) COMPUTED

TOMOGRAPHY

(CT)

JIS Z 4005:2012,10179

指定の,指定した 

SPECIFIED

JIS Z 4005:2012,11096

使用エラー 

USE ERROR

IEC 62366-1:2015,3.21

照射時間 

IRRADIATION TIME

JIS Z 4005:2012,10553

照射野限定器(BLD 

BEAM LIMITING DEVICE (BLD)

JIS Z 4005:2012,10115

情報技術機器 

INFORMATION TECHNOLOGY

EQUIPMENT

IEC 60601-1-2:2007,3.16

JIS Z 4005:2012,10501

深部線量 

DEPTH DOSE

JIS Z 4005:2012,10247

正常な使用 

NORMAL USE

JIS T 0601-1:2017,3.71

製造業者 

MANUFACTURER

JIS T 0601-1:2017,3.55

責任部門 

RESPONSIBLE ORGANIZATION

JIS T 0601-1:2017,3.101

線源モデリング 

SOURCE MODELLING

3.1.7 

線質 

RADIATION QUALITY

JIS Z 4005:2012,10908

線量モニタ単位 

DOSE MONITOR UNIT

JIS Z 4005:2012,10290

操作者 

OPERATOR

JIS T 0601-1:2017,3.73

治療 

TREATMENT

IEC 60601-2-11:2013,

201.3.228 

治療計画 

TREATMENT PLAN

3.1.8 

治療計画作成 

TREATMENT PLANNING

3.1.9 


24

T 62083:2017 (IEC 62083:2009)

   

定義した用語(日本語)

定義した用語(英語)

出典・定義した箇所

定格エネルギー 

NOMINAL ENERGY

JIS Z 4705:2015,201.3.212

電子線アプリケータ 

ELECTRON BEAM APPLICATOR

JIS Z 4705:2015,201.3.203

電磁両立性 

ELECTROMAGNETIC COMPATIBILITY

IEC 60601-1-2:2007,3.4

JIS Z 4005:2012,10328

透過 

TRANSMISSION

JIS Z 4005:2012,11188

透過比 

TRANSMISSION RATIO

rm-13-41 

特定の

(規定の,規定した) 

SPECIFIC

JIS Z 4005:2012,11094

取扱説明書,使用説明書 

INSTRUCTIONS FOR USE

JIS Z 4005:2012,10513

パスワード 

PASSWORD

JIS Z 4705:2015,201.3.214

半影 

PENUMBRA

JIS Z 4005: 2012,10792

ビームアプリケータ 

BEAM APPLICATOR

JIS Z 4005:2012,10113

表示 

DISPLAY

JIS Z 4005:2012,10278

標的容積 

TARGET VOLUME

JIS Z 4005:2012,11146

附属文書 

ACCOMPANYING DOCUMENTS

JIS T 0601-1:2017,3.4

放射性核種 

RADIONUCLIDE

JIS Z 4005:2012,10938

放射性線源 

RADIOACTIVE SOURCE

JIS Z 4005:2012,10921

放射線 

RADIATION

JIS Z 4005:2012,10893

放射線源 

RADIATION SOURCE

JIS Z 4005:2012,10914

放射線照射野 

RADIATION FIELD

JIS Z 4005:2012,10903

放射線治療 

RADIOTHERAPY

JIS Z 4005:2012,10946

放射線治療計画システム(RTPS) RADIOTHERAPY

TREATMENT

PLANNING SYSTEM (RTPS)

3.1.6 

放射線ビーム 

RADIATION BEAM

JIS Z 4005:2012,10895

放射性半減期 

RADIOACTIVE HALF LIFE

JIS Z 4005:2012,10919

密封小線源治療 

BRACHYRADIOTHERAPY

JIS Z 4005:2012,10132

密封小線源治療用線源モデル 

BRACHYTHERAPY SOURCE MODEL

3.1.2 

ユーザビリティ 

USABILITY

IEC 60601-1:2005,3.136

有資格者 

QUALIFIED PERSON

JIS Z 4705:2015,201.3.217

リスク 

RISK

IEC 60601-1:2005,3.102

リスクコントロール 

RISK CONTROL

IEC 60601-1:2005,3.105

リスクマネジメント 

RISK MANAGEMENT

IEC 60601-1:2005,3.107

リスクマネジメントファイル 

RISK MANAGEMENT FILE

IEC 60601-1:2005,3.108