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T 61675-1

:2016 (IEC 61675-1:2013)

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  用語及び定義  

1

4

  試験方法  

7

4.1

  概要  

7

4.2

  空間分解能  

7

4.3

  断層撮影感度  

11

4.4

  均一性  

13

4.5

  散乱測定  

13

4.6

  PET 計数率性能  

15

4.7

  画質及び線源放射能濃度の定量性の精度  

18

5

  附属文書  

26

5.1

  概要  

26

5.2

  設計パラメータ  

26

5.3

  断層撮影装置の条件  

27

5.4

  空間分解能  

27

5.5

  感度  

27

5.6

  散乱フラクション  

27

5.7

  計数率性能  

27

5.8

  画質及び線源放射能濃度の定量性の精度  

27

定義した用語の索引  

28


T 61675-1

:2016 (IEC 61675-1:2013)

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本画像医療システム工業会

(JIRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべき

との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が制定した日本工業

規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の

特許出願及び実用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 T

61675-1

:2016

(IEC 61675-1

:2013

)

診断用核医学装置−特性及び試験条件−

第 1 部:PET 装置

Radionuclide imaging devices-Characteristics and test conditions-

Part 1: Positron emission tomographs

序文 

この規格は,2013 年に第 2 版として発行された IEC 61675-1 を基に,技術的内容及び構成を変更するこ

となく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

適用範囲 

この規格は,陽電子放出核種からの

消滅放射線を,同時計数によって検出する PET 装置(陽電子放射断

層撮影装置)の性能を公表するための用語及び試験方法について規定する。ただし,これまで既知の全て

の試験が,ほとんど画像中に雑音を反映しているため,再構成画像の均一性を特徴付ける試験は除く。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 61675-1:2013

, Radionuclide imaging devices− Characteristics and test conditions− Part 1:

Positron emission tomographs(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”こ

とを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用

規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

)は適用しない。

JIS Z 4005:2012

  医用放射線機器−定義した用語

注記  対応国際規格:IEC/TR 60788:2004,Medical electrical equipment−Glossary of defined terms

(MOD)

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 4005 によるほか,次による。

3.1 

断層撮影(TOMOGRAPHY)

物体内部を一つ以上の層状にする放射線撮影法。


2

T 61675-1

:2016 (IEC 61675-1:2013)

3.1.1 

横断面断層撮影(TRANSVERSE TOMOGRAPHY)

三次元の物体を,

画像平面がシステム軸に垂直で,互いに独立で二次元とみなしたオブジェクトスライ

スの積重ねに薄切りする断層撮影。

3.1.2 

放射コンピュータ断層撮影,ECT(EMISSION COMPUTED TOMOGRAPHY,ECT)

物体を通る選ばれた二次元スライスにおいて,取り込んだ

放射性核種の空間分布を表示する画像化法。

3.1.2.1 

投影(PROJECTION)

画像を決定する物理的特性の

投影ビームの方向に沿った積分による,三次元対象の二次元画像への変換,

又は二次元対象の一次元画像への変換。

注記  この過程は(応答線に沿った)投影方向の線積分によって数学的に表現し,“ラドン変換”と呼

ぶ。

3.1.2.2 

投影ビーム(PROJECTION BEAM)

測定過程において,画像を決定する物理的特性が積分される最小体積を決めるビーム。

注記 1  その形状は,全ての三次元における空間分解能によって制限を受ける。

注記 2  ほとんどの投影ビームは,細長い円柱又は円すいの形をもつ。PET では,同時計数した二つ

の検出器要素間の感度容積である。

3.1.2.3 

投影角度(PROJECTION ANGLE)

測定又は収集するときの

投影の角度。

3.1.2.4 

サイノグラム(SINOGRAM)

投影角度の関数として,オブジェクトスライスの全ての一次元投影の二次元表示。

注記  投影角度は縦軸座標に,線投影座標は横軸座標に表示する。

3.1.2.5 

オブジェクトスライス(OBJECT SLICE)

物体のスライスに対応し,測定した情報を決定して,断層画像で示す物理的特性。

3.1.2.6 

画像平面(IMAGE PLANE)

オブジェクトスライスにおける平面として割当てた平面。

注記  一般に,画像平面は対応するオブジェクトスライスの中央平面である。

3.1.2.7 

システム軸(SYSTEM AXIS)

システム配置の幾何学的特性及び物理的特性によって特徴付けた対称軸。

注記  円形の PET 装置では,システム軸は検出器リングの中心を通る軸である。検出器が回転する断

層撮影装置においては,その回転中心軸である。

3.1.2.8 

断層撮影容積(TOMOGRAPHIC VOLUME)


3

T 61675-1

:2016 (IEC 61675-1:2013)

全ての

投影角度に対して,測定した投影に寄与する全ての容積要素の並置。

3.1.2.8.1 

横断面視野(TRANSVERSE FILED OF VIEW)

システム軸に垂直な断層撮影容積を通るスライスの寸法。

注記 1  円形の横断面視野に対しては,その直径で表す。

注記 2  非円形の断層撮影容積に対しては,横断面視野はスライスの体軸位置に依存することもある。

3.1.2.8.2 

体軸方向視野,AFOV(AXIAL FILED OF VIEW,AFOV)

システム軸に平行で,システム軸を含む断層撮影容積を通るスライス寸法で特徴付けた領域。

注記  実際には,一番外側の画像平面中心間の距離に,測定した体軸方向分解能の平均値を加えた体

軸方向の軸寸法だけで決まる。

3.1.2.8.3 

全視野(TOTAL FIELD OF VIEW)

断層撮影容積の(三次元)寸法で特徴付けた領域。

3.1.3 

陽電子放射断層撮影,PET(POSITRON EMISSION TOMOGRAPHY,PET)

陽電子を放出する

放射性核種の消滅放射線を,同時計数によって利用する放射コンピュータ断層撮影法。

3.1.3.1 

PET

装置(POSITRON EMISSION TOMOGRAPH)

陽電子を放出する

放射性核種の消滅放射線を,同時計数によって検出する断層撮影装置。

3.1.3.2 

消滅放射線(ANNIHILATION RADIATION)

粒子と反粒子とが相互作用をして消滅するときに生成する電離放射線。

3.1.3.3 

同時計数(COINCIDENCE DETECTION)

二つの向かい合った検出器が,それぞれ同時に光子を一つ検出したかどうかを調べる方法。

注記 1  この方法によって二つの光子は一つの事象に結びつく。

注記 2  二つの向かい合った検出器構成要素間の同時計数は,それぞれ投影ビーム又は応答線を定義

する電気的コリメーションの役割をする。

3.1.3.4 

同時計数時間幅(COINCIDENCE WINDOW)

二つの光子を同時に検出したとみなす時間間隔。

3.1.3.5 

応答線,LOR(LINE OF RESPONSE,LOR)

投影ビームの軸

注記  PET においては,同時計数で作用した二つの向かい合った検出器構成部の中心を結ぶ線。

3.1.3.6 

全同時計数(TOTAL COINCIDENCES)

検出した全ての

同時計数の和。


4

T 61675-1

:2016 (IEC 61675-1:2013)

3.1.3.6.1 

真同時計数(TRUE COINCIDENCE)

同じ陽電子消滅から発生する 2 本のガンマ線の

同時計数の結果。

3.1.3.6.2 

散乱真同時計数(SCATTERED TRUE COINCIDENCE)

関係する光子の少なくとも一つが,

同時計数の前に散乱した真同時計数。

3.1.3.6.3 

非散乱真同時計数(UNSCATTERED TRUE COINCIDENCE)

真同時計数と散乱真同時計数との差。

3.1.3.6.4 

偶発同時計数(RANDOM COINCIDENCE)

関係する光子が,同じ

消滅放射線から発生していない同時計数の結果。

3.1.3.7 

シングル率(SINGLES RATE)

同時計数ではなく,エネルギー弁別で計測した計数率。

3.1.4 

二次元再構成(TWO-DIMENSIONAL RECONSTRUCTION)

再構成の前に,互いに独立で

システム軸に垂直な横断面スライスの投影データのサイノグラムに束ねる

画像再構成。

3.1.5 

三次元再構成(THREE-DIMENSIONAL RECONSTRUCTION)

応答線が幾つかの横断面スライスを通ってもよいように,応答線がシステム軸に対して垂直となる制限

を受けない画像再構成。

3.2 

画像マトリクス(IMAGE MATRIX)

マトリクス構成要素の座標で記載される位置において,各々の要素が計測又は計算した物体の物理的特

性に対応する行列。

3.2.1 

マトリクス構成要素(MATRIX ELEMENT)

ある対象の容積要素(

ボクセル)に対して,位置及び大きさを割当てた画像マトリクスの最小単位。

3.2.2 

ピクセル(PIXEL)

二次元

画像マトリクスにおけるマトリクス構成要素。

3.2.3 

ボクセル(VOXEL)

二次元又は三次元

画像マトリクスにおいて,マトリクス構成要素を割当てた対象における容積要素。

注記  ボクセルの寸法は,適切な倍率を通した対応マトリクス構成要素の寸法,及び全ての三次元に

おけるシステム

空間分解能によって決定する。

3.3 

点広がり関数,PSF(POINT SPREAD FUNCTION,PSF)


5

T 61675-1

:2016 (IEC 61675-1:2013)

点線源画像の放射エネルギー量の正規化された強度分布。

3.3.1 

物理的点広がり関数(PHYSICAL POINT SPREAD FUNCTION)

検出器から特定の距離にある

投影ビームに垂直な面における二次元点広がり関数。

注記  物理的点広がり関数は,純粋に断層撮影装置の(固有な)物理的画像性能を表し,例えば,標

本抽出,画像再構成及び画像処理に依存しない。全ての

物理的点広がり関数は,その軸に沿っ

た距離の関数として

投影ビームを特徴付ける。

3.3.2 

体軸方向点広がり関数(AXIAL POINT SPREAD FUNCTION)

システム軸に平行な面において,物理的点広がり関数の最高点を通るプロファイル。

3.3.3 

横断面点広がり関数(TRANSVERSE POINT SPREAD FUNCTION)

断層撮影

画像平面において,再構成した二次元点広がり関数。

注記  断層撮影における横断面点広がり関数は,システム軸に平行に置いた線線源からも取得できる。

3.4 

空間分解能(SPATIAL RESOLUTION)

点線源画像において,計数密度分布が点に集中する能力。

3.4.1 

横断面分解能(TRANSVERSE RESOLUTION)

システム軸に垂直な再構成平面における空間分解能。

3.4.1.1 

半径方向分解能(RADIAL RESOLUTION)

線源の位置及び

システム軸を通る線に沿った横断面分解能。

3.4.1.2 

接線方向分解能(TANGENTIAL RESOLUTION)

半径方向分解能に直交した方向における横断面分解能。

3.4.2 

体軸方向分解能(AXIAL RESOLUTION)

システム軸に平行な線に沿った空間分解能。

注記  体軸方向分解能は,サンプリング定理に適合した十分に細かい体軸方向サンプリングをもった

断層撮影装置だけに適用する。

3.4.3 

等価幅,EW(EQUIVALENT WIDTH,EW)

応答関数と同じ領域及び高さをもった長方形の幅。

3.4.4 

半値幅,FWHM(FULL WIDTH AT HALF MAXIMUM,FWHM)

釣り鐘形状の曲線対して,縦座標が最大値の半分になる点の間の横座標に平行な距離。

3.5 

リカバリ係数(RECOVERY COEFFICIENT)

放射能校正係数を無視して,容量の真の放射能濃度で除した,測定した実際の容量の放射能濃度(画像)。


6

T 61675-1

:2016 (IEC 61675-1:2013)

注記  実際の測定に対しては,真の放射能濃度は大容積で測定した放射能濃度に置き換える。

3.6 

スライス感度(SLICE SENSITIVITY)

サイノグラムで測定した計数率のファントム内の放射能濃度に対する比率。

注記  PET では,測定した計数は散乱フラクションを引いて数学的に散乱線を補正する。

3.7 

容積感度(VOLUME SENSITIVITY)

個々の

スライス感度の和。

3.8 

計数率特性(COUNT RATE CHARACTERISTIC)

観測した

計数率と真計数率との関係を与える関数。

3.8.1 

計数損失(COUNT LOSS)

測定した

計数率と真計数率との差で,装置の分解時間の限界によって発生する。

3.8.2 

計数率(COUNT RATE)

単位時間当たりの計数。

3.8.3 

真計数率(TRUE COUNT RATE)

装置の

分解時間が 0 の場合に観測される計数率。

3.9 

散乱フラクション,SF(SCATTER FRACTION,SF)

散乱真同時計数と,散乱真同時計数に非散乱真同時計数を加算した和との間の比率。

3.10 

点線源(POINT SOURCE)

全ての三次元において,デルタ関数に近似した

放射性線源。

3.11 

線線源(LINE SOURCE)

二次元においてデルタ関数に近似し,3 番目の次元においては一定(均一)な一直線の

放射性線源。

3.12 

校正(CALIBRATION)

画像における局所的な体積要素当たりの

計数率と,リカバリ補正が不要な大きさの対象に対する放射能

濃度とを対応させる関係を確立する過程。

注記  検査対象から十分独立して校正するために,例えば,減弱,散乱,計数損失,放射性崩壊,検

出器ノーマリゼーション,

偶発同時計数及び分岐比といった,データに対する適切な補正は必

須である。対象からの独立性には,臨床画像は,単位の記号として kBq/mL を用いる又は SUV

(standardized uptake value)

1)

を用いて基準化することが必要である。

1)

 SUV とは,腫瘍及び臓器に対する放射性薬剤の集積の強さを表す簡易指標で,PET 画像を体重

で正規化した放射能投与量で除した値をいう。SUV は,次の式による。

SUV=PET 画像/(放射能投与量/体重)


7

T 61675-1

:2016 (IEC 61675-1:2013)

3.13 

PET

計数率性能(PET COUNT RATE PERFORMANCE)

測定した

真同時計数,偶発同時計数及び全同時計数の計数率と,放射能強度対雑音等価計数率との関係。

試験方法 

4.1 

概要 

全ての測定に対して,断層撮影装置は,通常使用モードに従って準備する。ある特定のパラメータの測

定に対して,特別に調整してはならない。例えば,異なる体軸方向の受容角度,セプタの有無,

二次元再

構成及び三次元再構成の性能パラメータに影響するような,異なるモードで動作するように断層撮影装置

を設定する場合は,それぞれのモードについて試験結果を記録する。断層撮影装置の環境設定(例えば,

エネルギーしきい(閾)値,体軸方向受容角度,再構成アルゴリズム)は,

製造業者の推奨値を選び明確

に記載する。指定した幾つかの試験が厳密に実行できない場合は,逸脱の理由及び試験を実行した的確な

条件を明確に記載する。

PET

装置は,偶発同時計数を測定し適切に補正できると仮定し,散乱線,減弱,計数損失,分岐比,放

射性崩壊及び

校正に対して補正をする。

指定のない場合は,断層撮影装置の

体軸方向視野中心に試験ファントムを置く。

4.2 

空間分解能 

4.2.1 

概要 

空間分解能測定は,再構成した画像内にある対象物のトレーサ空間分布を再生する断層撮影能力を部分

的に表す。空気中の

点線源を撮像して測定し,鋭利な再構成フィルタを用いて画像を再構成する。これは,

患者の画像化条件は表さないが,組織からの散乱が存在し,限られた統計情報は円滑な再構成フィルタ及

び/又は逐次近似による再構成の必要があるように,測定した

空間分解能は,断層撮影装置間において客

観的な比較を提供する。

4.2.2 

目的 

この測定は,小さな対象物を再現する断層撮影装置の能力を特徴付けることを目的とする。

再構成した放射性

点線源の横断面点広がり関数の幅によって,横断面分解能を特徴付ける。半値幅

FWHM)及び

等価幅(EW)によって,広がり関数の幅を計測する。

十分に細かな体軸方向サンプリング(検出器量)をもった断層撮影装置に対して

体軸方向分解能を定義

し,静止した

点線源を用いて体軸方向分解能を測定する。線源の位置が体軸方向のサンプリング距離の半

分だけ軸方向に変化しても,静止した

点線源の体軸方向点広がり関数は変化しないという事実が,(体軸

方向にサンプリング定理を満たす。

)これらのシステムを特徴付ける。

4.2.3 

方法 

4.2.3.1 

概要 

全てのシステムに対して,二つの方向(半径方向及び接線方向)の体軸横断面の

画像平面において,空

間分解能を測定する。十分に細かな体軸方向サンプリングをもつシステムにおいては,体軸方向分解能も

測定する。

横断面

画像平面においては,横断面視野及び画像マトリクスサイズがピクセルサイズを決める。広がり

関数の幅を正確に計測するには,その FWHM は少なくとも 5

ピクセル幅とすることが望ましい。

ボリュームイメージングシステムに対しては,横断面及び体軸方向の両次元において,

ボクセルサイズ

を期待する FWHM の 1/5 サイズに近づけることが望ましい。


8

T 61675-1

:2016 (IEC 61675-1:2013)

4.2.3.2 

放射性核種 

測定に用いる

放射性核種は

18

F とし,計数損失率が 5 %未満,又は偶発同時計数率が全同時計数率の 5 %

未満の

放射能とする。

4.2.3.3 

放射線源分布 

4.2.3.3.1 

概要 

点線源を用いる。

4.2.3.3.2 

線源配置 

横断面分解能の測定では,散乱を最小にするため空気中に置かれた点線源を用いる。分解能測定は断層

撮影装置の長軸に垂直な二つの面に対して行い,一つ目は

体軸方向視野の中心に置き,二つ目はその中央

平面から

体軸方向視野に 3/8 離れた位置(断層撮影装置の端から体軸方向視野の 1/8 位置)に置く。それ

ぞれの位置において,

システム軸から 1 cm,10 cm 及び 20 cm に線源を置く(横断面視野内に含まれない

場合は,20 cm 位置は省略する。

。線源は,半径方向及び接線方向の画像グリッドと整列するように,

ステム軸に交差するような平行又は垂直な位置に置く。

4.2.3.4 

データ収集 

データ収集時間を最小にするために,全ての線源に対して一つ又は複数の線源グループで,4.2.3.3.2 

指定した六つの位置において,データを全て収集する。各

点線源において,少なくとも 100 キロカウント

収集する。

4.2.3.5 

データ処理 

全ての

空間分解能データに対して,投影データ又はその三次元等価データの遮断周波数をナイキスト周

波数とする ramp フィルタを用いた,フィルタ補正逆投影(FBP)を用いて再構成する。性能向上の方法は

用いてはならない。

調査結果を再現できるように代替再構成法及びそれらのパラメータを十分詳細に記載する場合は,代替

再構成アルゴリズムによって得た結果を FBP の結果に追記して記録してもよい。

4.2.4 

解析 

半径方向及び接線方向において,分布の頂点を通る各

点線源の三次元再構成画像を通った横断面点広が

り関数のプロファイルから一次元応答関数を求めて,半径方向分解能及び接線方向分解能を決める。各プ

ロファイルの幅は,解析方向に対して垂直な二つの方向において,期待する FWHM の 2 倍とする。

体軸方向において,分布の頂点を通る

点線源の三次元再構成画像を通ったプロファイルから一次元応答

関数(体軸点応答関数)を求めて,

体軸方向分解能を決める。各プロファイルの幅は,解析の方向に対し

て垂直な二つの方向において,期待する FWHM の 2 倍とする。

応答関数(

図 参照)の頂点にある最大ピクセル値の半分の値に隣接したピクセル間を線形補間して,

各 FWHM を決める。最大

ピクセル値 C

m

は,頂点と隣接する二つの点を放物線近似して決める。適切な

クセル幅を乗じて,これらの値をミリメートル(mm)単位に変換する。


9

T 61675-1

:2016 (IEC 61675-1:2013)

注記  A 及び B は,補間カウント曲線が 1/2 最大値を分割した点であり,FWHM=X

B

X

A

となる。

図 1FWHM の評価 

それぞれの EW は,相当する応答関数から測定する。

各 EW は,式(1)による。

×

=

i

i

C

PW

C

m

EW

  (1)

ここに,

ΣC

i

最高点両側の 1/20C

m

で定義される範囲のプロファイル内

のカウント和

C

m

最大

ピクセル値

PW: ミリメートル(mm)単位で表したピクセル幅(図 参照)


10

T 61675-1

:2016 (IEC 61675-1:2013)

注記  線広がり関数の長方形領域の幅とその最大値 C

m

とによって EW を求める。

ピクセル幅は X

i

1

X

i

であり,異なる斜線付の領域の面積は等しい。

図 2EW の評価 

4.2.5 

記録 

点線源位置に対する半径方向分解能,接線方向分解能及び体軸方向分解能(FWHM 及び EW)を計

算して記録する。横断面及び体軸方向の

ピクセル寸法をそれぞれ記録する。

特殊な再構成法を用いた場合は,正確な方法論の記載とともに試験結果を記録することが望ましい。


11

T 61675-1

:2016 (IEC 61675-1:2013)

4.3 

断層撮影感度 

4.3.1 

概要 

断層撮影感度は,

計数損失及び偶発同時計数が無視できる低い放射能制限内における放射性線源の存在

下で,同時計数事象を検出した比率を特徴付けるパラメータを示す。与えた

放射性線源分布に対して測定

した

真同時計数の比率は,検出器の材質,大きさ,パッキングフラクション

2)

,断層撮影装置リング径,

体軸方向の受容ウィンドウ及びセプタ形状,

減弱,散乱,不感時間及びエネルギーしきい(閾)値の多く

の因子に依存する。

2)

  パッキングフラクションとは,検出器間の隙間及び反射材の厚さを考慮した,検出器の全面積

に対する有感領域の比率をいう。

4.3.2 

目的 

この測定は,基準量の線源,すなわち,一定寸法の円柱ファントムに対して,単位

放射能濃度当たりの

非散乱真同時計数を検出した比率を決めることを目的とする。

4.3.3 

方法 

4.3.3.1 

概要 

断層撮影感度試験では,PET

装置の全視野内に指定の既知放射能濃度の放射性溶液を置いて,生じた計

数率を観察する。システム感度はこれらの値から計算する。この試験は,ドーズキャリブレータ又はウエ

ルカウンタによる正確な

放射能量検定に極めて依存する。このような機器で絶対的な校正を 10 %以内の精

度で維持することは難しい。さらに,精度を要求する場合は,陽電子放出体を用いた絶対的な参照基準を

考慮することが望ましい。

PET

計数率性能試験(4.6)の最終フレームは,スライス感度及び容積感度の決定にも利用できる。

4.3.3.2 

放射性核種 

これらの測定で用いる

放射性核種は

18

F とする。用いる放射能量は,計数損失率を 2 %未満とする。

4.3.3.3 

放射線源分布 

試験ファントムは,指定の密度(0.96±0.01)g/cm

3

,外径(203±3)mm,全長(700±5)mm のポリエ

チレン製の固体の正円柱とする。半径方向距離(45±1)mm に円柱中心軸と平行に(6.5±0.3)mm の孔

があいている。ファントムの製作及び取扱いを容易にするために,試験する際に組み立てる幾つかの部分

から円柱を構成してもよい。しかし,非常に小さな隙間でさえ,体軸方向に散乱のない放射線の領域を許

してしまうので,完成したファントムの設計及び組立においては,隣接した分割部間の密着を確実にしな

ければならない。

試験ファントム

線線源挿入管は,長さ(800±5)mm,内径(3.2±0.2)mm,外径(4.8±0.2)mm の透

明なポリエチレン又はプラスチックで覆われたポリエチレン管とする。

試験ファントム

線線源挿入管には,測定された放射能全量を十分にかき混ぜた水を(700±5)mm 長に

満たして両端を密封し,

線線源の放射能がポリエチレンファントムの長さに合うように,試験ファントム

の孔に挿入する。

線線源の入った試験ファントムを,製造業者が提供する標準の寝台に置き,線線源挿入

管が寝台に最も近くなるように回転する(

図 参照)。ファントムは横断面視野及び体軸方向視野の中心

から 5 mm 以内に置くが,ファントムが寝台の上昇だけで

横断面視野中心に置くことができない場合は,

体軸方向視野外に置いた発泡ブロックのような取付手段を利用できる。この場合は,実際の取付手段及び

実際のテーブル高を記録する。


12

T 61675-1

:2016 (IEC 61675-1:2013)

6.5 mm の孔は,線線源挿入用である。

図 3−散乱ファントムの配置及び寝台上の位置 

4.3.3.4 

データ収集 

独立した検出器間の各同時計数事象を一度だけ考慮し,

サイノグラムを作成する。全ての事象は,対応

する

応答線の中点を通る横断面スライスに割り当てる。

少なくとも

真同時計数を 500 キロカウント収集する。

4.3.3.5 

データ処理 

ファントム内の

放射能濃度は,収集時間 T

acq

における平均

放射能濃度 a

ave

を決めるために,放射性減衰

に対する補正は,式(2)による。









=

2

ln

exp

1

2

ln

exp

2

ln

1

1/2

acq

1/2

0

cal

acq

1/2

cal

ave

T

T

T

T

T

T

T

V

A

a

  (2)

ここに,

V

ファントム容積

A

cal

時間

T

cal

において測定した陽電子放射能に分岐比を乗じた

放射能

T

cal

18

F

を満たした管の

放射能を測定した時間

T

0

収集開始時間

T

1/2

放射性核種の半減期

検出器ノーマリゼーション,

計数損失,散乱真同時計数及び減弱の補正を適用してはならない。偶発同

時計数については補正を行う。

4.3.4 

解析 

システム軸から

25 cm

以上離れた位置にある

サイノグラム上の全てのピクセルは

0

とする。

各スライス

i

における総計数

C

i,tot

は,対応する

サイノグラムにある全ピクセルを加算して求める。非散

乱事象に対する

スライス感度

S

i

は,式

(3)

による。

ave

acq

tot

,

1

a

SF

T

C

S

i

i

i

×

  (3)

ここに,

SF

i

相当する

散乱フラクション

4.5

参照)


13

T 61675-1

:2016 (IEC 61675-1:2013)

断層撮影装置の

体軸方向視野

内にある全スライス S

i

を加算して

容積感度

S

tot

を求める。

4.3.5 

記録 

各スライス に対して S

i

の値を記録する。

容積感度

S

tot

についても記録する。

4.4 

均一性 

これまで既知の全ての試験が,ほとんど画像中に雑音を反映しているため,再構成画像の均一性を特徴

付ける試験は規定しない。

4.5 

散乱測定 

4.5.1 

概要 

陽電子消滅の際に発生した一次ガンマ線の散乱は,放射線源位置の誤情報をもつ同時計数事象となる。

設計及び装置の違いは,

PET

装置

が散乱線に対して異なる感度をもつ原因となる。

4.5.2 

目的 

各スライスにおける

散乱フラクション

SF

j

の値と同じように,

散乱フラクション

SF)で表した散乱し

た放射線に対する相対的なシステム感度の測定を,この手順の目的とする。

4.5.3 

方法 

4.5.3.1 

概要 

試験ファントムは,指定の密度(0.96±0.01)g/cm

3

,外径(203±3)mm,全長(700±5)mm のポリエ

チレン製の固体の正円柱とする。半径方向距離(45±1)mm に円柱中心軸と平行に(6.5±0.3)mm の孔

があいている。ファントムの製作及び取扱いを容易にするために,試験する際に組み立てる幾つかの部分

から円柱を構成してもよい。しかし,非常に小さな隙間でさえ,体軸方向に散乱のない放射線の領域を許

してしまうので,完成したファントムの設計及び組立においては,隣接した分割部間の密着を確実にしな

ければならない。

18

F を用いた試験の場合は,

散乱フラクション

を決めるために

PET

計数率性能

試験(

4.6

)の最後のフレ

ームを利用してもよい。

4.5.3.2 

放射性核種 

測定に用いる

放射性核種

は,

計数損失

率 5 %未満の

放射能

18

F とする。

4.5.3.3 

放射線源分布 

試験ファントム

線線源

挿入管は,長さ(800±5)mm,内径(3.2±0.2)mm,外径(4.8±0.2)mm の透

明なポリエチレン又はプラスチックで覆われたポリエチレン管とする。この管を既知量の

放射能

18

F)で

満たし,試験ファントムの 6.5 mm の孔に通す。

試験ファントム

線線源

挿入管には,測定された

放射能

全量を十分にかき混ぜた水を(700±5)mm 長に

満たして両端を密封し,

線線源

放射能

がポリエチレンファントムの長さに合うように,試験ファントム

の孔に挿入する。

線線源

の入った試験ファントムを,

製造業者

が提供する標準の寝台に置き,

線線源

挿入

管が寝台に最も近くなるように回転する(

図 3

参照)

。ファントムは

横断面視野

及び

体軸方向視野

の中心

から 5 mm 以内に置くが,ファントムが寝台の上昇だけで

横断面視野

中心に置くことができない場合は,

体軸方向視野

外に置いた発泡ブロックのような取付手段を利用できる。この場合は,実際の取付手段及び

実際のテーブル高を記録する。

4.5.3.4 

データ収集 

独立した検出器間の各同時計数事象を一度だけ考慮して,

サイノグラム

を作成する。全ての事象は,対

応する

応答線

の中点にスライスを割り当てる。収集は

真同時計数

が最低限 500 キロカウントあることが望

ましい。


14

T 61675-1

:2016 (IEC 61675-1:2013)

4.5.3.5 

データ処理 

検出器感度の変動,

散乱真同時計数

計数損失

及び

減弱

の補正を測定結果に適用してはならない。

偶発同時計数

については補正を行う。

4.5.4 

解析 

体軸方向視野

が 65 cm 以下の断層撮影装置に対しては,番目のスライスにおける 番目の各収集に対し

真同時計数

サイノグラム

を生成する。

体軸方向視野

が 65 cm より広い断層撮影装置に対しては,中央

部 65 cm 内のスライスにおける各収集に対して

真同時計数

サイノグラム

を生成する。

斜めの

サイノグラム

は,

サイノグラム

のカウントを保存する一方で,それぞれのスライスに対する単一

サイノグラム

に[シングルスライスリビニング

3)

によって]折り畳む。

3)

  シングルスライスリビニングとは,傾斜した

応答線

を傾斜方向と交わる平行な

応答線

(体軸に

垂直)に並び替えて,一つのスライスデータとする手法をいう。

真同時計数

サイノグラム

には次の処理を行う。

a)

システム軸

から 25 cm 以上離れた位置にある全ての

ピクセル

は 0 とする。

b)

サイノグラム

内の各

投影角度

φに対して,最も大きな値をもつ

ピクセル

から

線線源

応答の中心位置を

決める。

最大値を含んだ

ピクセル

サイノグラム

の中心

ピクセル

にそろうように,

投影

を移動する。

c)

  移動の後,総投影(

投影

の和)を作成する。総投影の

ピクセル

は,半径方向に同じオフセットをもつ

各角度の

投影

における

ピクセル

の総和になる。

d)

b)

  で計算したプロファイルの中心から,±20 mm の幅をもった帯状領域の端にある左右の

ピクセル

度とする計数 C

L,j

と C

R,j

とを取得する(

図 4

参照)

C

L,j

と C

R,j

とを取得するには,線形補間を用いる。

注記  総投影において,40 mm 幅の帯状領域外側に,点広がり関数の C

L,j

と C

R,j

とを結ぶ線より下の領域を加

えた計数から散乱を推定する。

図 4

散乱フラクションの評価 


15

T 61675-1

:2016 (IEC 61675-1:2013)

e)

  小数を丸めずに,C

L,j

及び C

R,j

の二つの

ピクセル

強度の平均を帯状領域に応じた

ピクセル

数と乗じ,そ

の積に帯状領域の外にある

ピクセル

の計数和を加算して,

スライス における散乱計数 C

s,j

を生成する。

f)

  スライス に対する総投影の全ての計数の和として,

真同時計数

C

TOT,j

を計算する。

真同時計数

は,

乱真同時計数

及び

非散乱真同時計数

を含んでいる。

各スライス に対する

散乱フラクション

SF

j

は,式(4)による。

j

j

s

j

C

C

SF

,

TOT

,

=

   (4)

散乱フラクション

SF は,式(5)による。

=

j

j

s

C

C

SF

,

TOT

,

  (5)

4.5.5 

記録 

処理した各スライス に対して SF

j

を記録する。

散乱フラクション

SF も記録する。

4.6 PET

計数率性能 

4.6.1 

概要 

PET

計数率性能

は,

放射能

及び散乱体の空間的な分布,シングル計数対

真同時計数

比,

シングル率

数率特性

及び測定条件の設定に複雑に依存し,

偶発同時計数

の量及びそれらのイベントの減算精度に大き

く影響を受ける。

4.6.2 

目的 

ここでは,

計数損失

によって生じる

真同時計数

率及び

放射能

の直線的関係からの偏差を評価する手順を

示す。最近の

PET

装置

計数損失

補正の仕組みが働くので,これらの補正アルゴリズムの精度についても

試験する。

4.6.3 

方法 

4.6.3.1 

概要 

試験ファントムは,指定の密度(0.96±0.01)g/cm

3

,外径(203±3)mm,全長(700±5)mm のポリエ

チレン製の固体の正円柱とする。半径方向距離(45±1)mm に円柱中心軸と平行に(6.5±0.3)mm の孔

があいている。ファントムの製作及び取扱いを容易にするために,試験する際に組み立てる幾つかの部分

から円柱を構成してもよい。しかし,非常に小さな隙間でさえ,体軸方向に散乱のない放射線の領域を許

してしまうので,完成したファントムの設計及び組立においては,隣接した分割部間の密着を確実にしな

ければならない。

4.6.3.2 

放射性核種及び放射能 

測定に用いる

放射性核種

18

F 又は

11

C とする。およそ 10

半減期

以上にわたり,放射性崩壊による

放射

の変化を取得する。最後のフレームは 1 %以下の

計数損失

で収集する。次の二つの

計数率

を測定できる

ように,初期

放射能

量は十分に多くする。

a)

R

t,max

−  最大

真同時計数

b)

R

NEC,max

4)

−  最大雑音等価計数率

これらの目的に対応する初期

放射能

の推奨値は,

製造業者

が提供することが望ましい。

4)

 NEC とは,雑音等価計数(noise equivalent count)のことであり,

偶発同時計数

散乱真同時

計数

を考慮した信号雑音比(SNR:signal-to-noise ratio)の指標である。


16

T 61675-1

:2016 (IEC 61675-1:2013)

4.6.3.3 

放射線源分布 

試験ファントム

線線源

挿入管は,長さ(800±5)mm,内径(3.2±0.2)mm,外径(4.8±0.2)mm の透

明なポリエチレン又はプラスチックで覆われたポリエチレン管とする。この管を既知量の

放射能

18

F 又は

11

C)で満たし,試験ファントムの 6.5 mm の孔に通す。

試験ファントム

線線源

挿入管には,測定された

放射能

全量を十分にかき混ぜた水を(700±5)mm 長に

満たして両端を密封し,

線線源

放射能

がポリエチレンファントムの長さに合うように,試験ファントム

の孔に挿入する。

線線源

の入った試験ファントムを,

製造業者

が提供する標準の寝台に置き,

線線源

挿入

管が寝台に最も近くなるように回転する(

図 3

参照)

。ファントムは

横断面視野

及び

体軸方向視野

の中心

から 5 mm 以内に置くが,ファントムが寝台の上昇だけで

横断面視野

中心に置くことができない場合は,

体軸方向視野

外に置いた発泡ブロックのような取付手段を利用できる。この場合は,実際の取付手段及び

実際のテーブル高を記録する。

試験を開始するために,比較的高濃度の

放射能

PET

装置

の視野内に置く。ファントム内の

放射能

が数

半減期

にわたって崩壊する間,定まった測定を行う。イベント率の減少は

放射能

の崩壊に追従する。加え

て,同時計数イベント処理におけるシステムの効率は,

放射能

崩壊につれて改善する。このように長い間

待つことで,事実上処理損失のない

真同時計数

率の測定値を取得する。

真同時計数

率を高

放射能

のレベル

まで遡って外挿し,測定された

計数率

と比較して,高い

放射能

レベルにおいてシステムによって犠牲とな

った

計数損失

を推定してもよい。この手法の精度は,十分に低い

放射能

レベルで集めた十分な統計量に決

定的に依存する。したがって,より低い

計数率

では反復測定をしてもよい。

4.6.3.4 

データ収集 

独立した検出器間の各同時計数事象を一度だけ考慮する。

4.6.4 

解析 

4.6.4.1 PET

計数率性能試験 

4.6.4.1.1 

概要 

データから

サイノグラム

を作成し,全ての事象は対応する

応答線

の中点にスライスを割り当てる。

検出器感度の変動,散乱,

計数損失

及び

減弱

の補正を測定結果に適用してはならない。

体軸方向視野

が 65 cm 以下の断層撮影装置に対しては,番目のスライスにおける 番目の各収集に対し

真同時計数

サイノグラム

を生成する。

体軸方向視野

が 65 cm より広い断層撮影装置に対しては,中央

部 65 cm 内のスライスにおける各収集に対して

真同時計数

サイノグラム

を生成する。

4.6.4.1.2 

試験 

計数率

と断層撮影装置における

全視野

放射能

との関係を測定する。フレーム当たりの収集時間は,

射性半減期

の 1/2 より短くする。ただし,最後の 3 フレームは例外としてより長くできる。これら最後の

3 フレームそれぞれ,最低限 500 キロカウントの

真同時計数

を収集する。

ファントム中の初期

放射能

は,

校正

されたドーズキャリブレータで測定し,ファントムに注入した

放射

から決定する。

計数損失

補正を行わずに

サイノグラム

を解析する。

システム軸

から 25 cm 以上離れた位置にある

サイノ

グラム

の全ての

ピクセル

は 0 とする。

時間フレーム に対するデータ収集時間間隔 T

acq,i

において,

崩壊する

放射能

の平均 A

ave,i

は,

式(6)による。









=

2

ln

exp

1

2

ln

exp

2

ln

1

1/2

acq,

2

/

1

,

0

cal

acq,

1/2

cal

ave,

T

T

T

T

T

T

T

A

A

i

i

i

i

  (6)


17

T 61675-1

:2016 (IEC 61675-1:2013)

ここに,

A

cal

時間 T

cal

において測定した陽電子放射能に分岐比を乗じた

放射能

T

cal

18

F 又は

11

C を満たした管の

放射能

を測定した時間

T

0,i

時間フレーム の収集開始時間

T

1/2

18

F 又は

11

C,それぞれの

放射性半減期

時間フレーム に対するスライス における雑音等価計数率 R

NEC,i,j

は,式(7)による。

j

i

r

j

i

j

i

j

j

i

R

R

R

SF

R

,

,

,

,

TOT

2

,

,

t

2

,

NEC,

)

1

(

+

=

-

  (7)

ここに,

R

TOT,i,j

スライス において,

全同時計数

をフレーム に対する収

集時間で除した

計数率

R

r,i,j

スライス において,

偶発同時計数

をフレーム に対する

収集時間で除した

計数率

R

t,i,j

スライス において,

同時計数

をフレーム に対する収集

時間で除した

計数率

注記

  この評価のために NEC の式(7)では

偶発同時計数

及び散乱補正は考慮し,飛行時間差(TOF:time

of flight)といった他の効果は考慮しない。

全スライス にわたって対応するスライスの

計数率

を加算して,全システム

計数率

R

TOT,i

R

r,i

R

t,i

R

NEC,i

を計算する。

4.6.4.2 

計数損失補正試験 

4.6.4.2.1 

概要 

体軸方向視野

が 65 cm 以下の断層撮影装置では,全スライスを再構成する。

体軸方向視野

が 65 cm より

長い断層撮影装置では,中心の 65 cm 範囲にあるスライスだけ再構成する。

計数損失

補正及び

偶発同時計

補正を適用し,減衰補正を行わずに標準的な方法で画像再構成する。

4.6.4.2.2 

試験 

各再構成画像 iについて全ての解析を行う。各収集 に対する平均

放射能

A

ave,i

を計算する。各収集 i

に対する平均実効

放射能

濃度 A

eff,i

は,A

ave,i

を試験ファントムの容積 22 000 cm

3

で除す。

再構成画像の各スライス に対して,直径 18 cm の円形

関心領域

ROI

)を

横断面視野

の中心(

線線源

上の中心ではない。

)に描く。各スライス 及び各収集 に対して,この ROI 内の

真同時計数

の計数 C

ROI,i,j

を測定する。

真同時計数

計数率

R

ROI,i,j

は,C

ROI,i,j

と T

acq,i

との比として計算する。

各スライス に対して,

外挿された

真同時計数

計数率

R

Extr,i,j

を計算する。

収集 に対するこの

計数率

は,

もし

計数損失

がなければ取得できる。統計の影響を最小にするために,R

Extr,i,j

は,式(8)による。

=

=

3

1

ave,

,

ROI,

ave,

,

Extr,

3

k

k

k

j

j

j

i

A

R

A

R

  (8)

ここに,

k

=1: 最も低い

放射能

における収集であり,最も低い

放射能

から

三つの収集を加算して計算する

各収集 における各スライス に対して,百分率(%)単位で表した相対

計数率

誤差 Δr

i,j

は,式(9)による。



×

=

1

100

,

,

Extr

,

ROI,

,

j

i

j

i

j

i

R

R

Δr

  (9)

4.6.5 

記録 

4.6.5.1 PET

計数率性能(4.6.4.1 参照) 

システムに対して,次に示す四つの量は平均実効

放射能

濃度

A

ave,i

の関数としてプロットする。

a)

R

t,i

  真同時計数

計数率


18

T 61675-1

:2016 (IEC 61675-1:2013)

b)  R

r,i

  偶発同時計数

計数率

c)

R

NEC,i

−  雑音等価計数率

d)  R

TOT,i

  全同時計数

計数率

上記プロットから次の値を求めて記録する。

a)

R

t,max

  真同時計数

の最大

計数率

b)  R

NEC,max

−  最大雑音等価計数率

c)

A

t,max

R

t,max

が到達する

放射能

濃度

d)  A

NEC,max

R

NEC,max

が到達する

放射能

濃度

偶発同時計数

の評価に用いた方法を記録する。

4.6.5.2 

計数損失補正の精度(4.6.4.2 参照) 

a

eff,i

に対する

Δr

i,j

のスライスのうち,最高値及び最低値のグラフは均等目盛を用いて作成する。連続曲

線にするために,データの点をつないでもよい。

A

NEC,max

に至る

放射能

の範囲における偏り

|Δr

i,j

|

の最大値を記録する。

4.7 

画質及び線源放射能濃度の定量性の精度 

4.7.1 

概要 

コントラスト及び雑音は画質に影響する要因であり,これらの組合せによって病変の検出しやすさが決

まり,病変対バックグラウンド

放射能

濃度比に依存する。画像コントラストは,有限な

空間分解能

,散乱

及び

偶発同時計数

によって決まる。コントラスト分解能は,病変を取り囲んだバックグラウンドに存在す

る雑音の影響を受ける。

4.7.2 

目的 

箇条

4

では,

通常の撮像状態下における

PET

スキャナの画質要因及び定量性の精度の測定を目的とする。

このような通常の撮像状態を模擬するため,ウォームバックグラウンド内に,直径の異なる複数のホット

球及びコールド円柱挿入管を含んだ胴体ファントムを用いる。

病巣検出能を評価するために,ホット球のコントラストを測定してバックグラウンドにおける雑音と比

較する。球,バックグラウンド及び肺円柱挿入管の測定濃度を真の

放射能

濃度と比較して,定量性の精度

を決める。測定を追加して,球の大きさの関数として,

放射能

濃度を定量化するスキャナの能力を評価す

る。

4.7.3 

方法 

4.7.3.1 

概要 

全ての測定には,中空の球及び肺挿入管を配置(

図 6

参照)した胴体ファントム(

図 5

参照)を用いる。


19

T 61675-1

:2016 (IEC 61675-1:2013)

寸法はミリメートル(mm)単位で精度は±1 mm,材質はポリメタクリル酸メチルとする。

ファントム長は最短でも(180±5)mm とする。

図 5

胴体ファントムの断面 


20

T 61675-1

:2016 (IEC 61675-1:2013)

全ての寸法は内径とする。球の壁厚は 1 mm 以下で,その中心は固定用板の表面から等距離とする。球はガラスで

作製できる。肺円柱挿入管は胴体ファントム内の中心に配置し,全室内に広がる長さをもち,直径は(50±2)mm と
する。

図 6

中空のファントム挿入物 


21

T 61675-1

:2016 (IEC 61675-1:2013)

直径の異なる複数の中空の球は円状に並び,一つの平面上に中心がそろい,放射性溶液で中空を満たせ

るように外側に貫通した中空の軸と連結している。肺円柱挿入管は,直径(

50

±

2

mm

で,ファントム内

空の全長に伸びている。円柱は(

0.30

±

0.10

g/cm

3

の低原子番号の材料で充

され,

放射能

がない肺の

を模擬している。

胴体ファントムの球に近い頭頂側に隣接するのは,

線線源

の入った視野外線源の

放射能

を模擬する散乱

ファントムとする(

図 7

参照)

。全ての充

可能な球,胴体ファントムバックグラウンド及び

線線源

の入

った散乱ファントムに,既知の線源

放射能

濃度を加える。

線線源

内の平均

放射能

濃度は,胴体ファントム

のバックグラウンド

放射能

濃度と等しくする。

図 7

全身収集時の胴体ファントムと散乱ファントムとの位置 

胴体ファントムの全長をカバーする全身収集を行う。

画像再構成,散乱及び

減弱

補正に用いるアルゴリズムは,日常の臨床用全身収集プロトコルに一致させ

る。

ピクセル

値の単位は,単位の記号として

kBq/mL

を用いる。この収集に先立ち,スキャナの

校正

が必

要となる。性能向上を伴う追加の画像再構成結果は別途記録してもよい。

収集及び画像再構成の後,選択した画像スライス上でホット球,コールド円柱挿入管及び胴体ファント

ムバックグラウンドの領域に

ROI

を設定する。

ROI 放射能

濃度の平均値を解析に用いる。

4.7.3.2 

放射性核種 

測定に用いる

放射性核種

18

F

とする。

4.7.3.3 

線源分布 

胴体ファントムバックグラウンドの

放射能

濃度は,

5

±

0.3

kBq/mL

とする。球にはバックグラウンド

放射能

濃度の

3.8

4.2

倍の

放射能

濃度を充

する。散乱ファントムの

線線源

には(

110

±

5

MBq

放射能

を充

する。全ての

放射能

濃度は収集開始時刻におけるものとする。全てのファントムで用いる

放射性核

はよくかき混ぜる。

注記

これらの濃度は,体重

70 kg

患者

を全身スキャンするときの典型的な臨床投与量

350 MBq

相当する。

試験は

放射能

の正確な検定に決定的に依存する。開始

放射能

レベルの検定に,

10 %

以内の精度で絶対的


22

T 61675-1

:2016 (IEC 61675-1:2013)

校正

の維持が困難なところでは,ドーズキャリブレータを用いてもよい。より高い次元の精度を要求す

る場合は,陽電子放出体を用いた絶対的な参照基準を考慮することが望ましい。

この試験に対して,

製造業者

がより少ない線量を推奨する場合は,全てのファントムの

放射能

濃度を比

例して少なくしてもよい。

製造業者

の推奨する線量について記録する。

4.7.3.4 

データ収集 

胴体ファントムを断層撮影装置の寝台上に置き,

横断面視野

内の中心に位置決めする。胴体ファントム

内の球の中心を通過する平面は,

体軸方向視野

の中心に一列にそろえる。寝台上に直接置いた

線線源

散乱

ファントムは,胴体ファントムの頭部端に隣接する(

図 7

参照)

胴体ファントムの長さを超える全身収集を行う。全身収集スキャンは,撮像位置間で標準的な部分的重

なりを伴う複数の静止したスキャンから成ることを想定している。ステップ値は,寝台位置ごとの体軸方

向における寝台移動距離であり,

体軸方向視野

より短くてもよい。少なくとも

3

回の撮像位置を必要とす

る。撮像開始位置

1

は,球の横断面が体軸方向の中心をカバーする撮像位置

2

で決まる。撮像位置

1

は散

乱ファントム側に位置し,距離は臨床用全身スキャンで用いるステップ値と一致する。撮像位置

3

の撮像

終了位置は,

体軸方向視野

の中心がファントムの端を超えて,スキャナが胴体ファントムの反対側の端方

向にステップ値と同じ距離を移動した位置となる。スキャナの

体軸方向視野

3

回のステップで必要とす

る長さをカバーできない場合は,それぞれの方向に追加の撮像位置が必要となる。

一つの位置に対する収集時間

T

p

は,式

(10)

による。

30

)

100

/

(

ax

×

d

T

p

   (10)

ここに,

d

ax

センチメートル(

cm

)単位で表した撮像位置間の体軸方向

の寝台移動距離(ステップ値)

異なるスキャン時間及び体軸方向撮像範囲によって,追加して測定できる。追加測定を行った場合は,

それらの値を最終記録に記載する。

エミッション収集開始前に,全身用臨床プロトコルで定められた

X

線条件で,全身スキャン長を超える

範囲の

CT

スキャンを行う。スキャナが

X

CT

装置をもたない場合は,規定の

減弱

補正画像を適用し記

録しなければならない。

エミッションスキャンでは,収集マトリクス,有効視野サイズ,スライス厚,

2D

又は

3D

収集モード及

び複数スキャンの部分的重なりは,日常の臨床プロトコルで定められた条件を用いる。

偶発同時計数

に対しては補正を行い,その方法は明確に記録しなければならない。

TOF

情報及び深さ方

向相互作用位置(

DOI

depth of interaction

)の性能向上を有効にしてもよいが,その方法は記録しなけれ

ばならない。エミッションスキャン開始時刻は,ファントム内の

放射能

濃度の計算に対する参照時刻及び

記録として用いる。

4.7.3.5 

データ処理 

胴体ファントムの全範囲にわたり横断面スライスを再構成する。全身撮像における標準的な再構成プロ

トコルを適用する。再構成アルゴリズム,

減弱

及び

計数損失

の補正に用いる方法並びにポストフィルタ及

び再構成に関連する全てのパラメータについて記録する。

PET

システムが,

TOF

及び

空間分解能

補正のよ

うな性能向上の再構成ソフトウェアを提供できる場合は,これらの結果を分けて記録してもよい。

4.7.4 

データ解析 

4.7.4.1 

関心領域(ROI 

4.7.4.1.1 

概要 

画質及び定量精度解析のために,球上及び選択したスライスにある胴体ファントムのバックグラウンド


23

T 61675-1

:2016 (IEC 61675-1:2013)

に二次元円形

ROI

を描く。

4.7.4.1.2 

ホット球 ROI 

ホット球の中心平面と一致する横断面(

S

スライス)を確認する。

S

スライスにある

6

個の球上に円形

ROI

を描く。

ROI

の直径は,球の内径にできるだけ近づけることが望ましいが,超えてはならない。

各球の平均

ピクセル

P

j

を計算する。

4.7.4.1.3 

バックグラウンド ROI 

S

スライス面から±

1 cm

及び±

2 cm

にできるだけ近い横断面を確認する。これらの四つのスライス及び

S

スライス上に,ファントムの辺縁から少なくとも

15 mm

離れたバックグラウンドに

12

個の直径

37 mm

ROI

を描く(

S

スライス上におけるバックグラウンド

ROI

の置き方は

図 8

参照)

5

個の小さい直径の球

に対応する

ROI

を,それぞれの

37 mm

直径の

ROI

の中に同心円状に描き,各球の直径に対して全部で

60

個のバックグラウンド

ROI

を描く(五つのスライスにそれぞれ

12

個の

ROI

12 個の ROI の位置を示す。12 個の各 ROI 内に,6 個の球体と同じ径の ROI を同心円状に配置する。

図 8

ファントムバックグラウンドにおける ROI の配置 

各球の直径について,各

60

個の

ROI

の平均

ピクセル

値を計算し,これら

60

個の

ROI

値の平均及び標準

偏差を計算する。

4.7.4.1.4 

全身スキャンの肺及びバックグラウンドの ROI 

胴体ファントムの全長に及ぶ全ての横断面スライス上の肺挿入管内側に,

37 mm

直径の

ROI

を描く。同

様にファントム辺縁の左端から

15 mm

位置のファントムバックグラウンドに,

37 mm

直径の

ROI

を描く。


24

T 61675-1

:2016 (IEC 61675-1:2013)

全領域の平均

ピクセル

値を記録し,

WBBkg

k

及び

WBLung

k

k=1

n

n

は最後のスライス)とする。

4.7.4.2 

画質 

直径

10 mm

13 mm

17 mm

22 mm

28 mm

及び

37 mm

の各球

j

に対するコントラストリカバリ係数

CR

j

は,式

(11)

による。添字

j

10

13

17

22

28

又は

37

であり,対応する球の直径と一致する。

1

1

=

B

S

j

j

j

A

A

B

P

CR

  (11)

ここに,

P

j

4.7.4.1.2

で計算した球

j

に対する

ROI

B

j

4.7.4.1.3

で計算した球

j

に対するバックグラウンド

ROI

値の平均

A

S

球内における

放射能

濃度

A

B

バックグラウンドにおける

放射能

濃度

各球の直径における雑音の変動係数

CN

j

は,式

(12)

による。

j

j

j

B

S

CN

=

   (12)

ここに,

B

j

4.7.4.1.3

で計算した球

j

に対するバックグラウンドにお

ける

ROI

値の平均

S

j

4.7.4.1.3

で計算した球

j

に対するバックグラウンドにお

ける

ROI

値の標準偏差

各球の直径に対するコントラスト対雑音比

CNR

j

は,式

(13)

による。

j

j

j

j

CN

B

P

CNR

1

=

   (13)

ここに,

P

j

4.7.4.1.2

で計算した球

j

に対する

ROI

B

j

4.7.4.1.3

で計算した球

j

に対するバックグラウンド

ROI

値の平均

CN

j

j

に対する雑音変動係数

4.7.4.3 

定量性の精度 

ファントムバックグラウンドにおける真の

放射能

濃度からの偏差の百分率は,式

(14)

による。

B

B

37

B

A

A

B

ΔQ

×

= 100

   (14)

ここに,

ΔQ

B

バックグラウンドにおける真の

放射能

濃度からの偏差

の百分率

B

37

バックグラウンドにおける

37 mm

ROI

4.7.4.1.3

参照)

に対して単位の記号

kBq/mL

で表した平均

ピクセル

A

B

ファントムバックグラウンドにおける

放射能

濃度

4.7.4.4 

散乱補正及び減弱補正の精度 

バックグラウンド及びファントムの全長にわたる肺挿入管の中で,散乱補正及び

減弱

補正の精度を測定

する。各スライスに対して,肺挿入管中の残留誤差を計算する。各スライスに対して,バックグラウンド

ROI

に対する定量性の精度を計算する。

肺挿入管中の残留誤差は,式

(15)

による。

B

B

k

k

A

A

WBLung

ΔLR

×

= 100

  (15)

ここに,

ΔLR

k

スライス

k

における残留誤差の百分率

WBLung

k

スライス

k

の肺挿入管

ROI

内の単位の記号

kBq/mL

で表

した平均

ピクセル

A

B

ファントムバックグラウンド

放射能

濃度

バックグラウンドにおける定量性の精度は,式

(16)

による。


25

T 61675-1

:2016 (IEC 61675-1:2013)

B

B

k

k

A

A

WBBkg

ΔQWB

×

= 100

   (16)

ここに,

ΔQWB

k

スライス

k

における残留誤差の百分率

WBBkg

k

スライス

k

のバックグラウンド

ROI

内の単位の記号

kBq/mL

で表した平均

ピクセル

A

B

ファントムバックグラウンドにおける

放射能

濃度

4.7.4.5 PET

及び CT 画像位置合せの精度 

診断及び

減弱

補正には,

PET

及び

CT

の画像ボリューム位置合せが極めて重要となる。

PET

及び

CT

キャンにおける各球の

X

Y

及び

Z

重心は,三次元

ROI

ツールを用いて計算する。三次元

ROI

ツールがな

い場合は,球を含む全てのスライス上に二次元

ROI

を描く。二つの画像ボリュームの比較に,全身スキャ

ン及びそれに対応する

CT

スキャンを用いる。

PET

スキャンでは完全に球を囲み込む。

ROI

内にある平均バックグラウンド値(

4.7.4.1.3

で定義した球

j

に対する

B

j

)の

1.25

倍より大きな値の

ROI

内の全ての

ピクセル

1

とし,ほかは

0

とする。

ROI

の全ての

x

y

z

に対して,

X

Y

及び

Z

重心は,式

(17)

∼式

(19)

による。

×

=

)

,

,

(

)

,

,

(

,

,

,

z

y

x

ROI

z

y

x

ROI

x

C

j

PET

j

PET

j

X

  (17)

×

=

)

,

,

(

)

,

,

(

,

,

,

z

y

x

ROI

z

y

x

ROI

y

C

j

PET

j

PET

j

Y

   (18)

×

=

)

,

,

(

)

,

,

(

,

,

,

z

y

x

ROI

z

y

x

ROI

z

C

j

PET

j

PET

j

Z

   (19)

PET

に対する球

j

の重心座標として,

C

PET,j

=

C

X,j

C

Y,j

C

Z,j

)を定義する。

CT

スキャンでは完全に球を囲み込む。

ROI

の球面内に属す全ての

ピクセル

1

とし,

ROI

内の他の

ピク

セル

0

とする。

ROI

の全ての

x

y

z

に対して,

X

Y

及び

Z

重心は,式

(20)

∼式

(22)

による。

×

=

)

,

,

(

)

,

,

(

,

,

,

z

y

x

ROI

z

y

x

ROI

x

C

j

CT

j

CT

j

X

   (20)

×

=

)

,

,

(

)

,

,

(

,

,

,

z

y

x

ROI

z

y

x

ROI

y

C

j

CT

j

CT

j

Y

   (21)

×

=

)

,

,

(

)

,

,

(

,

,

,

z

y

x

ROI

z

y

x

ROI

z

C

j

CT

j

CT

j

Z

  (22)

CT

に対する球

j

の重心座標として,

C

CT,j

=

C

X,j

C

Y,j

C

Z,j

)を定義する。

各球に対する

PET

重心と

CT

重心との距離を計算する。

4.7.5 

記録 

4.7.5.1 

スキャン設定及びファントム放射能濃度 

スキャン設定パラメータを記録する。


26

T 61675-1

:2016 (IEC 61675-1:2013)

スキャナの

体軸方向視野

多重収集間の寝台ステップ値

寝台位置当たりの収集時間

全身スキャンの全長

 CT

収集パラメータ:

kVp

mAs

,スライス厚

 PET

収集パラメータ:再構成視野径,スライス厚,

2D

又は

3D

収集モード及び

偶発同時計数

補正の

方法

再構成アルゴリズム:

減弱

,散乱及び不感時間計数損失の補正方法,再構成後画像フィルタ及び関

連する全てのパラメータ

球及びファントムバックグラウンドの

放射能

濃度を記録する。

4.7.5.2 

画質 

全ての球に対する雑音変動係数を記録する。

全ての球に対するコントラストリカバリ係数を記録する。

0.90

よりも大きな

リカバリ係数

をもつ最少の

球を確認する。

全ての球に対するコントラスト対雑音比を記録する。各スキャンにおけるコントラスト対雑音比が

4.0

を超える最少の球を確認する。

4.7.5.3 

定量性の精度 

領域内における平均

ピクセル

値に対して,バックグラウンドに対する真の

放射能

濃度からの偏差を百分

率で記録する。

4.7.5.4 

散乱及び減弱補正の精度 

各スライスにおける肺挿入管とバックグラウンドの残留誤差をプロットする。

10 %

を超える残留誤差のファントム部分の長さを記録する。

4.7.5.5 PET

及び CT 画像位置合せの精度 

各球に対する

PET

重心と

CT

重心間の距離との偏差をミリメートル(

mm

)単位で記録する。

附属文書 

5.1 

概要 

PET

装置

には,

5.2

5.8

にある情報を含めた

附属文書

を添付する。

5.2 

設計パラメータ 

検出器素子寸法及び素子数

検出器素材

該当する場合は,ブロック当たりの検出器素子数及び構成

該当する場合は,リング当たりの検出器ブロック数

  同時計数

ウィンドウ

検出器リング径

開口径

  横断面視野

  体軸方向視野

  サイノグラム

のサンプリング(直線方向及び角度方向)

体軸方向のサンプリング


27

T 61675-1

:2016 (IEC 61675-1:2013)

セプタ長

セプタ厚

側面のシールドの長さ

トランスミッション線源の形式及び

放射能量

(名目及び推奨の範囲)

該当する場合は,検出器の動き(例えば,回転速度,角度範囲)

5.3 

断層撮影装置の条件 

エネルギーしきい(閾)値

体軸方向受容角(

2D

モード,

3D

モード)

再構成アルゴリズム

  偶発同時計数

評価方法

通常操作に対して,

製造業者

が重要とみなすあらゆる追加情報

5.4 

空間分解能 

  4.2.5

による

横断面分解能

(半径方向及び接線方向)

  4.2.5

による

体軸方向分解能

  4.2.5

による体軸方向

ピクセル

寸法

  4.2.5

による横断面

ピクセル

寸法

5.5 

感度 

  4.3.5

による

スライス感度

  4.3.5

による

容積感度

5.6 

散乱フラクション 

  4.5.5

による

散乱フラクション SF

j

及び

SF

5.7 

計数率性能 

  4.6.5.1

による

計数率特性

及び派生した量

  4.6.5.1

による

偶発同時計数

に対する補正方法

  4.6.5.2

による

計数損失

補正精度及び関連するプロット

5.8 

画質及び線源放射能濃度の定量性の精度 

  4.7.5.1

によるスキャン構成及びファントム

放射能

濃度

  4.7.5.2

による画質

  4.7.5.3

による定量性の精度

  4.7.5.4

による散乱及び

減弱

補正の精度

  4.7.5.5

による

PET

画像及び

CT

画像の位置合せの精度

参考文献  IEC/TR 61948-3:2005

Nuclear medicine instrumentation

Routine tests

Part 3: Positron emission

tomographs

NEMA NU 2-2010

Performance measurements of positron emission tomographs


28

T 61675-1

:2016 (IEC 61675-1:2013)

定義した用語の索引

注記

英語に英略語がある場合は,括弧内“

(  )

”に示した。

定義した用語(日本語)

定義した用語(英語)

定義した箇所

PET

計数率性能 

PET COUNT RATE PERFORMANCE

3.13 

PET

装置 

POSITRON EMISSION TOMOGRAPH

3.1.3.1 

X

線装置 

X-RAY EQUIPMENT

JIS Z 4005:11285 

横断面視野 

TRANSVERSE FIELD OF VIEW

3.1.2.8.1 

横断面断層撮影 

TRANSVERSE TOMOGRAPHY

3.1.1 

横断面点広がり関数 

TRANSVERSE POINT SPREAD FUNCTION

3.3.3 

横断面分解能 

TRANSVERSE RESOLUTION

3.4.1 

応答線 

LINE OF RESPONSE

LOR

3.1.3.5 

オブジェクトスライス 

OBJECT SLICE

3.1.2.5 

画像平面 

IMAGE PLANE

3.1.2.6 

画像マトリクス 

IMAGE MATRIX

3.2 

患者 

PATIENT

JIS Z 4005:10775 

関心領域 

REGION OF INTEREST

ROI

JIS Z 4005:10986 

空間分解能 

SPATIAL RESOLUTION

3.4 

偶発同時計数 

RANDOM COINCIDENCE

3.1.3.6.4 

計数損失 

COUNT LOSS

3.8.1 

計数率 

COUNT RATE

3.8.2 

計数率特性 

COUNT RATE CHARACTERISTIC

JIS Z 4005:10214 

減弱 

ATTENUATION

JIS Z 4005:10092 

校正 

CALIBRATION

3.12 

コンピュータ断層撮影[法]  COMPUTED TOMOGRAPHY

CT

JIS Z 4005:10179 

サイノグラム 

SINOGRAM

3.1.2.4 

三次元再構成 

THREE-DIMENSIONAL RECONSTRUCTION

3.1.5 

散乱真同時計数 

SCATTERED TRUE COINCIDENCE

3.1.3.6.2 

散乱フラクション 

SCATTER FRACTION

SF

3.9 

システム軸 

SYSTEM AXIS

3.1.2.7 

消滅放射線 

ANNIHILATION RADIATION

3.1.3.2 

シングル率 

SINGLE RATE

3.1.3.7 

真計数率 

TRUE COUNT RATE

3.8.3 

真同時計数 

TRUE COINCIDENCE

3.1.3.6.1 

スライス感度 

SLICE SENSITIVITY

3.6 

製造業者 

MANUFACTURER

JIS Z 4005:10627 

接線方向分解能 

TANGENTIAL RESOLUTION

3.4.1.2 


29

T 61675-1

:2016 (IEC 61675-1:2013)

定義した用語(日本語)

定義した用語(英語)

定義した箇所

全視野 

TOTAL FIELD OF VIEW

3.1.2.8.3 

線線源 

LINE SOURCE

3.11 

全同時計数 

TOTAL COINCIDENCES

3.1.3.6 

体軸方向視野 

AXIAL FIELD OF VIEW

3.1.2.8.2 

体軸方向点広がり関数 

AXIAL POINT SPREAD FUNCTION

3.3.2 

体軸方向分解能 

AXIAL RESOLUTION

3.4.2 

断層撮影 

TOMOGRAPHY

3.1 

断層撮影容積 

TOMOGRAPHIC VOLUME

3.1.2.8 

点線源 

POINT SOURCE

3.10 

点広がり関数 

POINT SPREAD FUNCTION

PSF

3.3 

投影 

PROJECTION

3.1.2.1 

投影角度 

PROJECTION ANGLE

3.1.2.3 

投影ビーム 

PROJECTION BEAM

3.1.2.2 

等価幅 

EQUIVALENT WIDTH

EW

3.4.3 

同時計数 

COINCIDENCE DETECTION

3.1.3.3 

同時計数時間幅 

COINCIDENCE WINDOW

3.1.3.4 

二次元再構成 

TWO-DIMENSIONAL RECONSTRUCTION

3.1.4 

半径方向分解能 

RADIAL RESOLUTION

3.4.1.1 

半値幅 

FULL WIDTH AT HALF MAXIMUM

FWHM

3.4.4 

ピクセル 

PIXEL

3.2.2 

非散乱真同時計数 

UNSCATTERED TRUE COINCIDENCE

3.1.3.6.3 

附属文書 

ACCOMPANYING DOCUMENTS

JIS Z 4005:10019 

物理的点広がり関数 

PHYSICAL POINT SPREAD FUNCTION

3.3.1 

分解時間 

RESOLVING TIME

JIS Z 4005:10996 

放射コンピュータ断層撮影 

EMISSION COMPUTED TOMOGRAPHY

ECT

3.1.2 

放射性核種 

RADIONUCLIDE

JIS Z 4005:10938 

放射性線源 

RADIOACTIVE SOURCE

JIS Z 4005:10921 

[放射性]半減期 

RADIOACTIVE HALF-LIFE

JIS Z 4005:10919 

放射能[量] 

ACTIVITY

JIS Z 4005:10026 

ボクセル 

VOXEL

3.2.3 

マトリクス構成要素 

MATRIX ELEMENT

3.2.1 

容積感度 

VOLUME SENSITIVITY

3.7 

陽電子放射断層撮影 

POSITRON EMISSION TOMOGRAPHY

PET

3.1.3 

リカバリ係数 

RECOVERY COEFFICIENT

3.5