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T 6115 : 1998

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まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て厚生大臣が改正した日本工業

規格である。これによって JIS T 6115 : 1985 は改正され,この規格に置き換えられる。

今回の改正では,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成,及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 6871/1 : 1994, Dental base metal

casting alloys

−Part 1:Cobalt-based alloys を基礎として用いた。


日本工業規格

JIS

 T 6115

: 1998

歯科鋳造用コバルトクロム合金

Dental casting cobalt chromium alloys

序文  歯科鋳造用コバルトクロム合金の規格としては,JIS T 6115 で制定されていた。この規格を国際規

格との対比によって,化学成分,耐力などについて ISO 6871-1 : 1994 (Dental base metal casting alloys−Part

1

:Cobalt-based alloys)  と整合させ改正した。

なお,溶出試験における溶出量の規定に関して国際規格では基準的な方法しか記載されていないため,こ

の規格では

歯科鋳造用ニッケルクロム合金承認基準(冠用)(昭和 60 年 3 月 30 日付薬務局審査課長通知

薬審第 294 号)の試験法及び溶出量規定を参考とした。

1.

適用範囲  この規格は,歯科で,床,バー,クラスプ及び維持装置(テレスコープなど)に使う歯科

鋳造用コバルトクロム合金(以下,コバルトクロム合金という。

)について規定する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

ISO 6871-1 : 1994

  Dental base metal casting alloys−Part 1:Cobalt-based alloys

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。

JIS R 6253

  耐水研磨紙

JIS Z 2241

  金属材料引張試験方法

3.

品質

3.1

外観  外観は,均質であって,表面は異種物質で覆われていてはならない。

3.2

化学成分  化学成分は,コバルトを主成分とし,クロム 25%以上,モリブデン 4%以上,並びにコバ

ルト,ニッケル及びクロムの合計が 85%以上でなければならない。

3.3

引張強さ,耐力及び伸び  引張強さ,耐力及び伸びは,4.2 によって試験したとき,表 による。た

だし,引張試験は,引張強さ及び/又は耐力を測定する。

表 1  引張強さ,耐力及び伸び

引張強さ  MPa

耐力 (0.2%)   MPa

伸び  %

685

以上 500 以上

3

以上

3.4

溶出  ニッケルを 0.1%以上含有するコバルトクロム合金にあっては,ニッケルの溶出量は,3.3 

よって試験したとき,1.0mg/cm

2

を超えてはならない。

4.

試験

4.1

外観試験  外観試験は,目視によって行う。


2

T 6115 : 1998

4.2

引張試験

4.2.1

試験片  引張試験片は,製造業者の指定する方法で鋳造,放冷したものを使用し,直径を 2±01mm,

標点距離を 20mm 又は直径を 3±0.1mm,標点距離を 15mm とし,6 本用意する。試験片の形状は,

図 1

又は

図 とする。

なお,

図 のつかみ部は直線でもよい。

図 1  線状試験片

図 2  つかみ部円柱状試験片

4.2.2

試験方法  試験方法は,JIS Z 2241 に規定する方法によって行う。

なお,試験結果は,

表 に適合する 4 本以上の平均値とする。

4.3

溶出試験

4.3.1

試料の作製  試料は,製造業者の指定する方法で鋳造し,表面を JIS R 6253 に規定する 800 番の

耐水研磨紙で研磨し,その表面を石油ベンジンで脱脂し,デシケータで乾燥する。試料形状は,厚さ 1∼

2mm

,幅 15±0.1mm,長さ 20±0.1mm の寸法で,2 試料用意する。

4.3.2

試験液の調整  100ml の共栓瓶に 0.11mol/l (1%) 乳酸水溶液 50ml を採り,この中に試料を 37℃で

7

日間全浸せき(漬)する。7 日後に試料を取り出し,浸せき液をニッケル溶出試験の試験液とする。

4.3.3

溶出ニッケル量の求め方  原子吸光光度法によって,試験液中のニッケル総量を求め試料の表面積

1cm

2

当たりのニッケルの溶出量 (mg) を算出する。

5.

製品の呼び方  製品の呼び方は,規格の名称による。

例  歯科鋳造用コバルトクロム合金


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T 6115 : 1998

6.

表示  コバルトクロム合金の包装には,次の事項を表示しなければならない。

a)

規格の名称

b)

成分分量 (%)

c)

質量

d)

製造業者名及び所在地

e)

製造番号又は製造記号

f)

他の法定表示事項

7.

説明書  コバルトクロム合金には,次の事項を記載した説明書を添付しなければならない。

a)

使用方法

b)

適用ろう材

c)

耐力又は引張強さ

d)

伸び

e)

固相点及び液相点

f)

ビッカース硬さ

g)

使用上の注意事項


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T 6115 : 1998

医療安全用具部会  歯科材料専門委員会  構成表

氏名

所属

(委員会長)

長谷川  二  郎

愛知学院大学歯学部

溝  上  隆  男

東京歯科大学

高  橋  重  雄

松本歯科大学

淺  井  康  宏

東京歯科大学

平  澤      忠

鶴見大学歯学部

岡      英  男

社団法人日本歯科医師会

梅  田  昭  夫

社団法人日本歯科医師会

梶  山      進

社団法人日本歯科医師会

庵  原  靖  之

社団法人日本歯科医師会

住  井  俊  夫

社団法人日本歯科医師会

渡  邊      昭

社団法人日本歯科医師会

西  出  徹  雄

工業技術院標準部

滝  澤  秀次郎

厚生省薬務局

勝  木  紘  一

日本歯科材料器械研究協議会

宮  崎  平  八

株式会社日本橋徳力

中  村  悦  三

株式会社松風

加  藤      勇

株式会社モリタ

田  中  文  夫

昭和薬品化工株式会社

渡  辺  一  弘

株式会社ジーシー

野  原      建

石福金属興業株式会社

窪  田  隆  夫

日本歯科材料工業協同組合

(事務局)

早  野  幸  雄

工業技術院標準部消費生活規格課

橋  田  安  弘

工業技術院標準部消費生活規格課

JIS

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

富  岡  健太郎

日本歯科材料工業協同組合

(第 2 規格部会長)

野  原      建

石福金属興業株式会社

(議長)

池  尻  史  郎

矢田化学工業株式会社

(委員)

飯  塚  恵  文

株式会社日本橋徳力

渡  辺  一  弘

株式会社ジーシー

橋  本      隆

サンメディカル株式会社

中  村  悦  三

株式会社松風

近  藤  康  宏

株式会社日本歯科金属

市  磯      茂

井元特殊冶金株式会社

藤  澤  睦  雄

株式会社東洋化学研究所

篠  野  覚  士

亀水化学工業株式会社

高  橋  利  勝

トーワ技研株式会社

中  野  和  幸

三金工業株式会社

(用語部会長)

村  松  寛  昭

株式会社ジーシー