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T 6104

:2005

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本歯科材料工業

協同組合(JDMA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきと

の申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS T 6104:1994 は改正され,この規格に置き換えられる。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。


T 6104

:2005

(2)

目  次

ページ

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  種類

1

4.

  品質

1

4.1

  生体適合性

1

4.2

  外観

1

4.3

  化学成分

1

4.4

  内部欠陥

1

4.5

  引張強さ,耐力及び伸び

1

4.6

  曲げ

1

4.7

  溶出

2

5.

  試験

2

5.1

  外観試験

2

5.2

  顕微鏡試験

2

5.3

  引張試験

2

5.4

  曲げ試験

2

5.5

  溶出試験

2

6.

  表示

2

7.

  説明書

3

 


日本工業規格

JIS

 T

6104

:2005

歯科用コバルトクロム合金線

Cobalt-chromium alloy wires for dental use

1.

適用範囲  この規格は,歯科で用いるコバルトクロム合金線(以下,合金線という。)について規定す

る。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS R 6253

  耐水研磨紙

JIS T 0993-1

  医療機器の生物学的評価−第 1 部:評価及び試験

JIS T 6001

  歯科用医療機器の生体適合性の前臨床評価−歯科材料の試験方法

JIS Z 2241

  金属材料引張試験方法

JIS Z 2248

  金属材料曲げ試験方法

3.

種類  合金線の種類は,こう(鉤)用,矯正用及びバー用の 3 種類とする。

4.

品質

4.1

生体適合性  生体適合性については,JIS T 0993-1 及び JIS T 6001 によって生物学的安全性を評価す

る。

4.2

外観  表面は,金属光沢をもち,き裂,きずなどの欠陥がなく,かつ,異種物質で覆われていては

ならない。

4.3

化学成分  化学成分は,こう用及び矯正用ではコバルト 25 %以上,クロム 15 %以上,バー用ではコ

バルト 20 %以上,クロム 15 %以上でなければならない。

4.4

内部欠陥  合金線は,5.2 によって試験したとき,均質であって,き裂,きず,異物の混入などの内

部欠陥があってはならない。

4.5

引張強さ,耐力及び伸び  引張強さ,耐力及び伸びは,5.3 によって試験したとき,表 による。

  1  引張強さ,耐力及び伸び

種類

熱処理

引張強さ

MPa

耐力

MPa

伸び

%

こう用

原品の場合 980 以上 785 以上

  1

以上

矯正用

軟化した場合 880 以上 390 以上 15 以上

バー用

軟化した場合 685 以上

― 15 以上

4.6

曲げ  こう用は,5.4 によって試験したとき,外側に裂け又はきずを生じてはならない。


2

T 6104

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4.7

溶出  ニッケルの溶出量は,5.5 によって試験したとき,1.0 mg/cm

2

を超えてはならない。

5.

試験

5.1

外観試験  外観試験は,目視によって行う。

5.2

顕微鏡試験  合金線の断面を JIS R 6253 に規定する 800 番の耐水研磨紙で研磨した後,水洗する。

次に,エタノール(体積分率 95 %以上)で脱脂した後,王水(硝酸 1:塩酸 3)で表面がやや曇る程度に

腐食し,再び水洗し,乾燥する。腐食面を 50 倍の倍率の顕微鏡によって調べる。

5.3

引張試験

5.3.1

試験片  試験片は,製造業者が指定する方法で熱処理を行い,標点距離は 100 mm とし,4 本用い

る。また,異形線の試験片の断面積は,次の式によって求める。

G

m

m

m

D

×

=

1

000

1

×

×

=

L

D

m

S

ここに,

試料の密度(g/cm

3

)

空気中における試料の質量(g)

m

1

℃の水中における試料の質量(g)

℃の水の密度(g/cm

3

)

試料の断面積(mm

2

)

試料の長さ(mm)

5.3.2

試験方法  試験は,JIS Z 2241 に規定する方法又はクロスヘッドスピード 1.5±0.5 mm/min で,引

張強さ,耐力(0.2 %)及び伸びについて行う。試験結果は,

表 に適合するものの 3 本以上の平均で表す。

なお,適合するものが 2 本以下の場合には,再度試験を行う。その結果,適合するものが 2 本以下の場

合には,そのロットを不合格とする。

5.4

曲げ試験  曲げ試験は,JIS Z 2248 による。

なお,内側半径は 1 mm,曲げ角度は 180゜

とする。

5.5

溶出試験

5.5.1

試料の作製  合金線を,その全表面積が約 7 cm

2

になるように切断し,JIS R 6253 に規定する 800

番の耐水研磨紙で研磨し,エタノールなどで脱脂した後デシケータで乾燥する。

なお,異形線の場合は,通常異形線引き前の素線から試料を採取する。

5.5.2

試験液の調製  100 mL の共栓瓶に 1 %乳酸水溶液 50 mL をとり,この中に試料を 37  ℃で 7 日間

浸せきする。7 日間後に試料を取り出し、浸せき液をニッケル溶出試験の試験液とする。

5.5.3

ニッケル溶出量の求め方  原子吸光光度法又はこれと同等の方法で測定できる装置によって,試験

液中のニッケル総量を求め試料の表面積 1 cm

2

当たりのニッケル溶出量(mg)を求める。

6.

表示  合金線の包装には,次の事項を表示しなければならない。

a)

製品名及び種類

b)

成分分量 (%)

c)

ニッケルの含有量及び注意表示(0.1 %を超える場合)

d)

径及び長さ(異形線では径を除く。


3

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e)

質量

f)

製造番号又は製造記号

g)

製造業者名及び所在地

h)

他の法定表示事項

7.

説明書  合金線には,次の事項を記載した説明書を添付しなければならない。

a)

含有量が 1 %を超える元素名及び含有量

b)

ニッケルに関する注意事項(0.1 %を超える場合)

c)

熱処理方法

d)

使用上の注意事項