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T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲,目的及び関連規格  

1

1.1

  適用範囲  

1

1.2

  目的  

2

1.3

  関連規格  

2

2

  引用規格  

2

3

  用語及び定義  

3

4

  一般要求事項  

7

5

  ME 機器の標識,表示及び文書  

8

5.1

  表示光及び制御  

8

5.2

  附属文書  

8

6

  アラームシステム  

8

6.1

  アラーム状態  

8

6.2

  インテリジェントアラームシステムの開示  

9

6.3

  アラーム信号の発生  

9

6.4

  遅延の開示  

14

6.5

  アラームプリセット  

14

6.6

  アラーム設定値  

17

6.7

  アラームシステムの保護  

18

6.8

  アラーム信号不活性化状態  

18

6.9

  アラームリセット  

20

6.10

  非保持アラーム信号及び保持アラーム信号  

20

6.11

  分散形アラームシステム  

21

6.12

  アラーム状態の履歴機能  

21

附属書 A(参考)一般的指針及び根拠  

23

附属書 B(参考)ME 機器及び ME システムの表示及びラベリングに対する要求事項の指針  

53

附属書 C(規定)表示における図記号  

55

附属書 D(参考)聴覚アラーム信号に対する指針  

59

附属書 E(参考)音声アラーム信号  

60

附属書 F(規定)アラーム信号用メロディ  

62

参考文献  

63

定義用語の索引  

65


T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)

から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経

て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の

特許出願及び実用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 T

60601-1-8

:2012

(IEC 60601-1-8

:2006

)

医用電気機器−第 1-8 部:基礎安全及び基本性能に

関する一般要求事項−副通則:医用電気機器及び

医用電気システムのアラームシステムに関する

一般要求事項,試験方法及び適用指針

Medical electrical equipment-Part 1-8: General requirements for basic

safety and essential performance-Collateral standard: General

requirements, tests and guidance for alarm systems in medical electrical

equipment and medical electrical systems

序文 

この規格は,2006 年に第 2 版として発行された IEC 60601-1-8 を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本工業規格である。

この規格では,本文中の太字は,この規格並びに JIS T 0601-1:2012,IEC 60601-1-2:2007 及び IEC

60601-1-6:2006

で定義した用語である。上記の規格で定義した用語を,太字で表記していない場合,定義

は適用せず,意味は文脈に沿って解釈する。

なお,この規格でアスタリスク(*)印がある箇所は,根拠についての説明を

附属書 に記載している。

また,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

この規格は,JIS T 0601-1:2012 を修正補足するものである。簡潔にするため,この規格の中では,JIS T 

0601-1:2012

を通則ともいうことがある。また,この規格,IEC 60601-1-2:2007 及び IEC 60601-1-6:2006 を

それぞれ“副通則”という。

*適用範囲,目的及び関連規格 

1.1 

適用範囲 

この規格は,

医用電気機器及び医用電気システム(以下,ME 機器及び ME システムという。)の基礎安

全及び基本性能について適用する。

この副通則は,ME

機器及び ME システムにおけるアラームシステム及びアラーム信号に関する要求事

項について規定する。さらに,

アラームシステムの適用についての指針も示す。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 60601-1-8:2006

,Medical electrical equipment−Part 1-8: General requirements for basic safety

and essential performance−Collateral standard: General requirements, tests and guidance for alarm

systems in medical electrical equipment and medical electrical systems(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”こ


2

T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

とを示す。

なお,

通則が JIS T 0601-1:1999 の適用を平成 29 年 5 月 31 日まで認めている。

このため,

JIS T 0601-1:1999

を適用する場合は,この副通則を適用しなくてもよい。

1.2 

目的 

この規格の目的は,ME

機器及び ME システムにおけるアラームシステムの基礎安全及び基本性能並び

に試験方法について規定し,かつ,その適用について指針を与えることにある。この目的を達成するため

に,全ての

アラームシステムに対して,緊急度によるアラームの優先度分類,統一性のあるアラーム信号

並びに統一性のある制御状態及びその表示を定義する。

この規格では,次の事項については規定しない。

−  個別 ME

機器又は個別 ME システムに対するアラームシステム装備の要求の有無

アラーム状態を発生する個別の状況

−  個別の

アラーム状態に対する優先度の割当て

アラーム信号の発生手段

1.3 

関連規格 

1.3.1 JIS 

0601-1 

この副通則は,ME

機器及び ME システムに対して,JIS T 0601-1:2012 を補完するものである。

JIS T 0601-1:2012

又はこの副通則を引用する場合,次のように定める。

−  “通則”とは,JIS T 0601-1:2012 だけを指す。

−  “この副通則”とは,JIS T 60601-1-8 だけを指す。

−  “この規格”とは,通則とこの副通則とを合わせて引用することを意味する。

1.3.2 

個別規格 

個別規格で規定する要求事項は,この副通則の要求事項に対して優先する。

引用規格 

次に掲げる規格は,この副通則に引用されることによって,この副通則の規定の一部を構成する。これ

らの引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を

含む。

)は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 1509-1:2005

  電気音響−サウンドレベルメータ(騒音計)−第 1 部:仕様

注記 1  対応国際規格:IEC 61672-1:2002,Electroacoustics−Sound level meters−Part 1: Specifications

(IDT)

注記 2  この副通則の対応国際規格では,IEC 60651:1979,Sound level meters 並びに Amendment 1

(1993)  及び Amendment 2 (2000)  が引用規格となっているが,規格発行時には廃止されてお

り,次の改正時に上記国際規格に切り替えることが注記されている。したがって,この規

格では,対応する上記日本工業規格を引用規格とした。

JIS T 0601-1:2012

  医用電気機器−第 1 部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項

注記  対応国際規格:IEC 60601-1:2005,Medical electrical equipment−Part 1: General requirements for

basic safety and essential performance(MOD)

JIS Z 8733

  音響−音圧法による騒音源の音響パワーレベルの測定方法−反射面上の準自由音場にお

ける実用測定方法

注記  対応国際規格:ISO 3744:1994,Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources


3

T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

using sound pressure−Engineering method in an essentially free field over a reflecting plane(MOD)

ISO 7000:1989

,Graphical symbols for use on equipment−Index and synopsis

IEC 60417

,Graphical symbols for use on equipment

IEC 60601-1-2:2007

,Medical electrical equipment−Part 1-2: General requirements for basic safety and

essential performance−Collateral standard: Electromagnetic compatibility−Requirements and tests

注記  対応日本工業規格として JIS T 0601-1-2:2012  医用電気機器−第 1-2 部:安全に関する一般

的要求事項−電磁両立性−要求事項及び試験があるが,対応国際規格は,IEC 60601-1-2:2001

及び Amendment 1:2004 である。

IEC 60601-1-6:2006

,Medical electrical equipment−Part 1-6: General requirements for basic safety and

essential performance−Collateral standard: Usability

用語及び定義 

この規格で用いる用語及び定義は,JIS T 0601-1:2012,IEC 60601-1-2:2007,IEC 60601-1-6:2006 及び次

による。

注記 1  “電気機器”という用語は,ME 機器又は他の電気機器という意味で用いる。また,この規

格では“機器”という用語を,ME

システムにおける ME 機器又は他の電気機器若しくは非

電気機器という意味で用いる。

注記 2  定義した用語の一覧は,末尾の定義用語の索引に記載している。

3.1 

*アラーム状態(ALARM CONDITION)

操作者が認識する必要がある危険状態が存在しているとアラームシステムが判断した状態。

注記 1  間違ってアラーム状態になることがあり,これは偽陽性アラーム状態である。

注記 2  本来アラーム状態になるべきなのに見逃してしまうことがあり,これは偽陰性アラーム状態

である。

注記 3  対応国際規格では,アラーム状態の定義を“ハザード(HAZARD)が生じる可能性又は実際

に生じていることを判断したときの

アラームシステムの状態”としている。しかし,IEC 

60601-1:2005

ISO 14971:2007 及び ISO/IEC Guide 51:1999 における

ハザード及び危険状態の

定義を参照すると,この定義は適切ではない。対応国際規格原案の作成及び改正を担当して

いる ISO/IEC の合同委員会 JWG2(IEC/SC62A-ISO/TC121/SC3)にこの点を問い合わせたと

ころ,次回改正時に上記のように修正予定であるとの回答を得た(IEC 文書 62A/739A/CC 参

照)

。このため,この規格では上記のような定義とした。

なお,

ハザードと危険状態又は危害との混同は,通則の対応国際規格 IEC 60601-1:2005 で

も散見される。

3.2 

*アラーム状態遅延時間(ALARM CONDITION DELAY)

生体アラームの場合は,患者での要因(トリガ事象)発生から,機器アラームの場合には,装置での要

因(トリガ事象)発生から,

アラームシステムがアラーム状態にあると判断するまでの時間。

注記  A.2 の 6.4 を参照する。

3.3 

*アラーム設定値(ALARM LIMIT)


4

T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

アラーム状態を決定するために,アラームシステムが用いるしきい(閾)値。アラームリミットともい

う。

3.4 

アラーム停止(ALARM OFF)

アラームシステム又はアラームシステムの部分が,意図した操作がなされるまでは,時間を限定しない

アラーム信号を発生しない状態。アラームオフともいう。

3.5 

*アラーム中断(ALARM PAUSED)

アラームシステム又はアラームシステムの部分が,限定された時間だけアラーム信号を発生しない状態。

アラームポーズともいう。

3.6 

アラームプリセット(ALARM PRESET)

アルゴリズムの選択及びアルゴリズムに使用する初期値の選択を含む記憶されたパラメータの組合せで,

アラームシステムの特性に影響するか又はその特性を変更するもの。

3.7 

アラームリセット(ALARM RESET)

対応する

アラーム状態が既に消失しているアラーム信号を,操作者が終了させる操作(A.2 の 6.9 参照)。

3.8 

アラーム設定状態(ALARM SETTINGS)

アラームシステムにおける組合せ。組合せには次を含むが,これらに限らない。

アラーム設定値(3.3 参照)

−  あらゆる

アラーム信号不活性化状態の特性

アラームシステムの機能を決める変数又はパラメータの値

注記  アルゴリズムによって決定されるアラーム設定状態には,決定又は再決定のために時間を要す

るものがある。

3.9 

アラーム信号(ALARM SIGNAL)

アラーム状態の存在(又は発生)を示すために,アラームシステムが発生させる信号。

3.10 

*アラーム信号発生遅延時間(ALARM SIGNAL GENERATION DELAY)

アラーム状態になった時点からアラーム信号発生までの時間(A.2 の 6.4 参照)。

3.11 

アラームシステム(ALARM SYSTEM)

アラーム状態を検出し,かつ,必要に応じて対応するアラーム信号を発生する ME 機器又は ME システ

ムの部分。

3.12 

アラーム音停止(AUDIO OFF)

アラームシステム又はアラームシステムの部分が,意図した操作がなされるまでは,時間を限定しない

で聴覚

アラーム信号を発生しない状態。アラーム音オフともいう。


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:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

3.13 

アラーム音中断(AUDIO PAUSED)

アラームシステム又はアラームシステムの部分が,限定された時間だけ聴覚アラーム信号を発生しない

状態。アラーム音ポーズともいう。

3.14 

バースト(BURST)

特殊なリズム又はパターンの

パルスの集まり。

3.15 

繰下げ(DE-ESCALATION)

アラームシステムによる,アラーム状態の優先度又はアラーム信号の緊急度レベルを下げるプロセス。

3.16 

アラーム初期設定(DEFAULT ALARM PRESET)

操作者が操作しなくても,アラームシステムによって開始可能なアラームプリセット。

注記  製造業者又は責任部門が設定したアラームプリセットは,アラーム初期設定とすることが可能

である。

3.17 

*分散形アラームシステム(DISTRIBUTED ALARM SYSTEM)

ME

システムの複数の機器に関与するアラームシステム。

注記  分散形アラームシステムの構成部分は,離れた場所にあってもよい。

3.18 

繰上げ(ESCALATION)

アラームシステムによる,アラーム状態の優先度又はアラーム信号の緊急度レベルを上げるプロセス。

3.19 

立下り時間(FALL TIME)

t

f

パルス振幅が最大値の 90 %から 10 %に減少するのに要する時間(図 参照)。

3.20 

偽陰性アラーム状態(FALSE NEGATIVE ALARM CONDITION)

患者,機器又はアラームシステムで妥当な要因(トリガ事象)が発生したのに,アラーム状態にならな

いこと。

注記  患者,患者−機器インタフェース,他の機器又は機器自身が誤情報を発生した場合には,アラ

ーム状態を認識しない又は見落としてしまうことがある。

3.21 

偽陽性アラーム状態(FALSE POSITIVE ALARM CONDITION)

患者,機器又はアラームシステムで妥当な要因(トリガ事象)が発生していないのに,アラーム状態に

なること。

注記  患者,患者−機器インタフェース,他の機器又はアラームシステム自体が誤情報を発生して,

偽陽性アラーム状態になることがある。

3.22 

高優先度(HIGH PRIORITY)


6

T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

操作者が即時に対応する必要性があること。

注記  優先度は,リスク分析によって決定する。

3.23 

*情報信号(INFORMATION SIGNAL)

アラーム信号でもリマインダ信号でもない信号(例えば,波形表示,音,文字表示)。

例 1  心電図波形

例 2 SpO

2

(動脈血酸素飽和度)音

例 3  X 線透視ビームオンの表示

3.24 

*インテリジェントアラームシステム(INTELLIGENT ALARM SYSTEM)

操作者が介入しないで,モニタした情報に基づいて論理決定するアラームシステム。

例 1  モニタする変数の変化速度に基づいて優先度を変更するアラームシステム。

例 2  アラーム状態になっても,それよりも優先度が高い関連するアラーム状態が発生していた場合

には,優先度の低い

アラーム状態を抑制するアラームシステム。

3.25 

バースト間隔(INTERBURST INTERVAL)

t

b

同一

アラーム信号における,直前のバーストパルス終点と次にくる最初のバーストパルス始点との間の

時間(

図 参照)。

3.26 

保持アラーム信号(LATCHING ALARM SIGNAL)

アラーム状態を発生させた事象が消失しても,操作者が意図した操作によって停止しない限り,持続し

て発生する

アラーム信号。ラッチアラーム信号ともいう。

3.27 

低優先度(LOW PRIORITY)

操作者に対して注意喚起の必要性があること。

注記  優先度は,リスク分析によって決定する。

3.28 

中優先度(MEDIUM PRIORITY)

操作者が迅速に対応する必要性があること。 

注記  優先度は,リスク分析によって決定する。

3.29 

非保持アラーム信号(NON-LATCHING ALARM SIGNAL)

対応する

アラーム状態が消失したときに,自動的に停止するアラーム信号。ノンラッチアラーム信号と

もいう。

3.30 

操作者位置(OPERATOR’S POSITION)

アラームシステムのアラーム信号を発生する部分に対しての操作者の位置。

注記  分散形アラームシステムでは,操作者位置が複数になることもある。


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T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

3.31 

生体アラーム状態(PHYSIOLOGICAL ALARM CONDITION)

モニタしている

患者に関連した変数によって発生するアラーム状態。

例 1  高い呼気麻酔ガス濃度

例 2  低い呼気一回換気量

例 3  パルスオキシメータで測定した低酸素飽和度

例 4  高い動脈圧

例 5  高い心拍数

3.32 

パルス(PULSE)

特定の周波数分布をもつ短時間の連続音。

3.33 

パルス周波数(PULSE FREQUENCY)

f

0

パルスの基本周波数(基本波)。

3.34 

*リマインダ信号(REMINDER SIGNAL)

操作者に対して,アラームシステムがアラーム信号不活性化状態であることを注意喚起するための周期

的信号。

注記  リマインダ信号及び“アラーム信号不活性化状態”については,6.8 を参照する。

3.35 

立上り時間(RISE TIME)

t

r

パルス振幅が最大値の 10 %から 90 %に増加するのに要する時間(図 参照)。

3.36 

機器アラーム状態(TECHNICAL ALARM CONDITION)

モニタする機器又は

アラームシステムに関連する変数によって発生するアラーム状態。

例 1  電気的,機械的又はその他の故障

例 2  センサ又は構成要素の故障(安全ではない電圧,高インピーダンス,信号インピーダンス,ア

ーチファクト,雑音の多い信号,接続のはずれ,校正誤差,配管の詰まりなど)

例 3  利用可能なデータの分類及び解明が不可能なアルゴリズム

一般要求事項 

製造業者が,リスクコントロールの手段として ME 機器又は ME システムから操作者に対して危険状態

にある可能性を報知することを選択した場合は,ME

機器又は ME システムは,その目的のために,この

副通則に適合する

アラームシステムを備えなければならない。通則の 12.3 も参照する。

リスクアセスメントには,患者,操作者及び他の人に対してアラームシステムが引き起こす危険状態も

考慮する(6.8.3 参照)


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T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

5 ME

機器の標識,表示及び文書 

注記  この副通則は,技術的要求とともに制御の表示及び装置の表示についても規定しているので,

表示に対する要求事項が発生する。これらの要求事項については,

附属書 にも記載してある。

5.1 

表示光及び制御 

通則の 7.8.1 で規定する表示光の色及びそれらの意味に対する要求事項に,6.3.2.2 を追加して適用する。

注記  ドットマトリックス表示又は英数字表示は,これらの表示をアラーム表示光として用いる場合

を除き,アラーム表示光とはみなさない(6.3.2.2 参照)

5.2 

附属文書 

注記  附属文書に対する要求事項及び対応する細分箇条については,表 B.2 を参照する。

5.2.1 

取扱説明書

取扱説明書には,次の事項を記載する。

−  *

アラームシステムの概要。その中には,発生する可能性のある全てのアラーム状態の一覧及びその内

容を記載する。必要な場合は,

アラーム状態がどのように決まるかを要約して,その使用を意図する

操作者に知らせる。

アラーム状態であることを判断する場合に生じる可能性のある全ての遅延。

操作者位置。

−  *

アラームシステム機能の検証方法及び検証時期。

該当する場合,

アラームシステムが無意味になってしまうような極端な値にアラーム設定値を設定する

ことに対する注意を,取扱説明書に記載する。

注記  取扱説明書に対する要求事項及び対応する細分箇条については,表 B.3 を参照する。

試験)

適合性は,取扱説明書を調査して確認する。

5.2.2 

技術解説 

注記  技術解説に対する要求事項及び対応する細分箇条については,表 B.4 を参照する。

アラームシステム 

6.1 

アラーム状態 

6.1.1 

*一般 

製造業者が,アラーム状態を,生体アラーム状態,機器アラーム状態又は他のアラーム状態にグループ

化する場合は,これを取扱説明書に記載しなければならない。

試験)

適合性は,取扱説明書を調査して確認する。

注記  グループ化については,A.2 の 6.8.1 の根拠の説明も参照する。

6.1.2 

*アラーム状態の優先度 

アラーム状態には,次の優先度の中から一つ以上を割り当てる。

高優先度

中優先度

低優先度


9

T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

関連する個別規格で

アラーム状態の優先度を指定していない限り,優先度の割当ては,リスクマネジメ

ントプロセスによるものとし,表 に基づいて決定する。各アラーム状態の優先度は,取扱説明書に記載

する。

優先度は,グループにして割り当ててもよい。

試験)

適合性は,取扱説明書及び

リスクマネジメントファイルを調査して確認する。

表 1−アラーム状態の優先度 

アラーム状態の原因への対応
が適切でない場合に起こり得
る結果

潜在的危害の発生時期

a)

即発

b)

早発

c)

遅発

d)

死亡又は不可逆的損傷

高優先度

e)

高優先度 

中優先度 

可逆的損傷

高優先度 

中優先度 

低優先度 

軽傷,又は不快感

中優先度 

低優先度 

低優先度,又は

アラームではない信号

情報信号は,遅発性軽傷又は不快の可能性を報知することに使用してもよい。 

a)

  潜在的危害の発生時期とは,損傷が発生した時点をいう。損傷が顕在化した時点ではない。

b)

  即発とは,人的処置による対応が通常は間に合わないような事象発生の可能性があることをいう。

c)

  早発とは,人的処置による対応で通常は間に合うような事象発生の可能性があることをいう。

d)

  遅発とは,具体的には定めないが,早発よりは更に時間的余裕がある事象発生の可能性があることをいう。

e)

  治療機能をもつ ME 機器は,必要な場合,ME 機器が原因となる即死又は不可逆的損傷を防止するような安

全機構を備えている。該当する個別規格も参照する。

6.2 

*インテリジェントアラームシステムの開示 

インテリジェントアラームシステムを備えている場合は,アラームシステムの次の該当事項の要点を取

扱説明書に記載する。

a) 

時間による処理,重み付けによる処理,多変数による処理又はその他の高度な処理方法(アルゴリズ

ム,ニューラルネットワーク,ファジィ論理などを含むが,これらに限定はしない。

)に基づく

アラー

ム状態の決定方法。

b) 

優先度が等しい二つ以上の

アラーム状態に対するアラーム信号の発生方法(アラーム信号発生に対す

る内部序列,効果などを含むが,これらに限定はしない。

c) 

あらかじめ特定の

アラーム状態に割り当てておいた優先度の変更,又は相対的優先度の決定方法の変

更方法(例えば,

繰上げ又は繰下げ)。

d) 

アラーム信号発生遅延時間の変更又はアラーム状態遅延時間の変更方法。

e) 

発生する

アラーム信号の特性の変更方法(例えば,音量,ピッチ,テンポ,緊急度)。

試験)

適合性は,取扱説明書を調査して確認する。

6.3 

アラーム信号の発生 

6.3.1 

一般 

アラーム状態に対応して,この副通則に規定する視覚アラーム信号を発生させなければならない。ア

ラームシステムを意図して使用する環境に対してリスクアセスメントを実施し,必要と判断した場合は,

視覚

アラーム信号以外のアラーム信号を追加して発生させる。これらの追加アラーム信号は,音響,音声,


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T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

振動又は他の手段で発生させたものでもよい。

  高優先度又は中優先度のアラーム状態をもち,正常な使用で操作者の常時立会いを意図していな

アラームシステムは,聴覚アラーム信号を追加して発生することが望ましい。

試験)

適合性は,

アラームシステムの調査によって確認する。

6.3.2 

*視覚アラーム信号 

6.3.2.1 

一般 

アラームシステムは,アラーム状態の存在,その優先度及び各アラーム状態がどのようなものであるか

を表示するための視覚

アラーム信号を発生させなければならない。

6.3.2.2 

*視覚アラーム信号の特性 

視覚表示器が必要な場合,この視覚表示器は次に適合する視覚

アラーム信号を備えなければならない。

視覚表示器は,

操作者の対応又は認識が必要な機器又は機器の部分を操作者が識別するためのものである。

a) 

最も優先度の高い

アラーム状態を示す。

b)

アラームシステムから 4 m の距離で正しく視認できる。

アラーム表示光又は表示光のグラフィック表示をこれらの目的に用いる場合は,

表 に示す色及び点滅

に関する要求事項に適合しなければならない。この表示は,他の種類の視覚表示機器によって発生させて

もよい。

表 2−アラーム表示光の特性 

アラーム分類

表示光の色

点滅周期

デューティサイクル

高優先度 

赤 1.4∼2.8 Hz

20∼60 %点灯

中優先度 

黄 0.4∼0.8 Hz

20∼60 %点灯

低優先度 

シアン又は黄

連続 100

%点灯

注記 1  他のアラームシステムに近接して設置することを意図したアラームシステムでは,この視覚

表示器が必要である。

注記 2  この視覚表示器は,携帯可能なアラームシステムでは不要である(例  無線式呼出し装置の

受信機)

注記 3  表示光は,グラフィック表示などで模擬したものでもよい。 

注記 4  “赤”は,紫赤,紅,朱などの広い色帯を指す。“黄”には,黄赤(だいだい色)も含む。

注記 5  “シアン”は,“明るい青”の慣用色名(JIS Z 8102 の付表 参照)。

高優先度及び中優先度のアラーム状態をもたないアラームシステムに対しては,その視覚表示が表 

示す

高優先度又は中優先度のアラーム表示光と混同する可能性がない場合は,この要求事項を適用しない。

特定の

アラーム状態及びその優先度を識別指定する視覚アラーム信号を,少なくとも一つ備えなければ

ならない。この信号は,機器若しくは機器の部分から 1 m の距離から又は

操作者位置から,正しく認識(読

み取ることが)できるものでなければならない。この視覚表示は,表示光近くの文字表示,又はディスプ

レイ上の文字表示でもよい。

アラーム状態の存在は,IEC 60417-5307 の図記号に基づいて視覚表示(マー

ク化)してもよい(

表 C.1 の図記号 No.1 参照)。優先度は,一つ,二つ又は三つの記号(例  低優先度に

は“!”

中優先度には“!!”,高優先度には“!!!”)を付加して表示してもよい。


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T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

注記 6  視覚表示の読取りに影響する要素には,視覚表示自体の種類及び特性,意図した使用環境の

周囲の照度並びに視認する角度及び距離がある。

注記 7  点滅する文字表示の使用は,文字の読取りが困難となる場合が多いので好ましくない。背景

のビデオの地色又は他の色を交互に変えて点滅させる文字表示は,使用してもよい。

注記 8  コンピュータで発生させた多用途のグラフィック表示は,最新の人間工学理論に基づいて設

計することが望ましい。IEC 60601-1-6:2006 に留意する。

注記 9  アラーム状態の識別は,患者の安全性及び機器の安全使用に対し,必要な情報の伝達を目的

としている。

複数の

アラーム状態が同時発生した場合,各々の個別アラーム状態を自動的に又は操作者の操作で視覚

表示する。ただし,上位に位置付けた

アラーム状態によるアラーム信号の発生中又は発生直後に,下位に

位置付けた

アラーム状態によるアラーム信号発生を防止するインテリジェントアラームシステムを備え

ている場合は除く(6.2 参照)

視覚

情報信号は,アラームシステムから 1 m の距離から又は操作者位置から,視覚アラーム信号とは異

なるものとして,的確に認識できるものでなければならない。

試験)

適合性は,視覚

アラーム信号を次の条件下での調査によって確認する。

−  1.0 の視力をもった

操作者とする。

−  頂点がモニタ表示面又は視覚表示面の中心にあり,軸が水平又はこの面に垂直な頂角 30°の円すい

(錐)体を考える。視点は,この円すい頂点から 1 m 離れた底面内の任意の点に置くか,又は

操作者

位置に置く。

−  周囲照度は,100∼1 500 lx とする[21]。

6.3.3 

*聴覚アラーム信号 

6.3.3.1 

*聴覚アラーム信号の特性 

聴覚

アラーム信号をもつアラームシステムは,次に示す a)  又は b)  のアラーム信号の組合せをもたなけ

ればならない。

a) 

優先度をパターン化し,かつ,

表 及び表 の要求事項に適合するもの。

b) a) 

とは異なる技術(音声合成による音声

アラーム信号など)によって発生し,かつ,妥当性確認をし

たもの(臨床又は臨床を模擬した

ユーザビリティ試験など)。

アラームシステムに上記以外の聴覚アラーム信号を追加する場合は,次の c)h)  に適合しなければなら

ない。

c) 

聴覚

アラーム信号の優先度をパターン化する。

d) 

追加する聴覚

アラーム信号の組合せの中で,高優先度聴覚アラーム信号は,中優先度アラーム信号,

低優先度アラーム信号及び情報信号よりも高いレベルの緊急性を伝える。

e) 

追加する聴覚

アラーム信号の組合せの中で,中優先度聴覚アラーム信号は,低優先度アラーム信号及

情報信号よりも高いレベルの緊急性を伝える。

f) 

聴覚

アラーム信号は,臨床又は臨床を模擬したユーザビリティ試験などによって妥当性確認をする。

g) 

聴覚

アラーム信号の組合せをアラーム初期設定に記憶する手段をもつ。

h) 

聴覚

アラーム信号の組合せをアラームプリセットに記憶する手段をもってもよい。

注記 1  附属書 も参照する。


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T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

注記 2 IEC 

60601-1-6

に留意する。

どのようなメロディであっても,その意味が同じでない限り,

表 3,表 及び附属書 の聴覚アラーム

信号と混同されるものであってはならない。附属書 に規定する任意のメロディを表 及び表 の要求事

項に適合するように使用する場合でも,その意味は,

附属書 に従う。

アラームシステムは,通常のアラーム信号を発生できないような機器アラーム状態(例えば,電源障害

又は

アラームシステムの故障)が生じた場合は,上記要求事項に適合しない聴覚アラーム信号を発生して

もよい。

聴覚

アラーム信号を選択できる場合は,操作者が責任部門の許可を得ずに使用中の聴覚アラーム信号の

変更をできないようにするための手段を設ける(6.7 参照)

試験)

適合性は,

アラームシステムの調査及び機能試験,並びに関連する全ての妥当性確認文書の調査によっ

て確認する。

表 3−聴覚アラーム信号のバースト特性 

特性 

高優先度 

アラーム信号 

中優先度 

アラーム信号 

低優先度 

アラーム信号

d)

バーストのパルス数

a)e)

 10

3  1 又は 2

パルス間の間隔(t

s

図 参照)

1 番目のパルスと 2 番目との間 
2 番目のパルスと 3 番目との間 
3 番目のパルスと 4 番目との間 
4 番目のパルスと 5 番目との間 
5 番目のパルスと 6 番目との間 
6 番目のパルスと 7 番目との間 
7 番目のパルスと 8 番目との間 
8 番目のパルスと 9 番目との間 
9 番目のパルスと 10 番目との間


2xt

d


0.35∼1.30 秒 


2xt

d

該当なし

該当なし 
該当なし 
該当なし

該当なし 
該当なし 
該当なし

該当なし 
該当なし

該当なし 
該当なし 
該当なし

該当なし 
該当なし 
該当なし

バースト間隔

b)c)

t

b

) 2.5∼15.0 秒 2.5∼30.0 秒 15.0

s を超える又は

繰返しなし

任意の二つの

パルスの振幅 dB 差

最大 10 dB

最大 10 dB

最大 10 dB

x

は,50 ms と 125 ms との間の値とする。 

y

は,125 ms と 250 ms との間の値とする。 

一つの

バーストの中での 及び の変化は,±5 %とする。 

中優先度 t

d

は,

高優先度 t

d

以上とする。 

a) 

パルスの特性については,表 も参照する。

b) 

特定の ME

機器の個別規格で規定していない場合に限る。 

c) 

製造業者は,リスク分析と矛盾しない範囲で最長バースト間隔を使うことが望ましい。個別規格を作成する
場合は,その規格が規定する

アラームシステムでの聴覚アラーム信号の最長適正バースト間隔を考慮するこ

とを推奨する。

バースト間隔が長すぎると,ある条件下ではアラーム状態の原因を的確に,かつ,迅速に識

別できなくなる可能性がある。 

d) 

低優先度アラーム状態のアラーム音発生は,選択できる。 

e) 

操作者による不活性化(中断,停止など)がない限り,中優先度及び低優先度聴覚アラーム信号は,少なく
とも一つの

バーストを完了させる。操作者による不活性化(中断,停止など)がない限り,高優先度アラー

ム信号は,少なくとも一つのバーストの 2 分の 1 を完了させる。


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T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

表 4−*聴覚アラーム信号のパルス特性 

特性

パルス周波数(f

0

) 150

Hz∼1 000 Hz

300∼4 000 Hz の高調波成分の個数

最小 4

有効

パルス持続時間(t

d

高優先度 
中優先度及び低優先度

 
75 ms∼200 ms 
125 ms∼250 ms

立上り時間(t

r

t

d

の 10∼20 %

立下り時間(t

f

a)

t

f

t

s

t

r

注記  高調波成分の相対音圧レベルは,パルス周波数での振幅の±15 dB 以下とすることが望ましい。 

a)

  パルスの重畳を防止する。

注記  この図は,時間特性を示すものであり,個別の聴覚アラーム信号を図示するものではない。

図 1−聴覚アラーム信号の時間特性の表示 

6.3.3.2 

*聴覚アラーム信号及び情報信号の音量 

聴覚

アラーム信号音圧範囲は,この細分箇条に規定した方法で測定し,取扱説明書に記載する。

中優先度アラーム信号の音圧レベルは,高優先度アラーム信号の音圧レベルを超えてはならない。該当

する場合,

低優先度アラーム信号の音圧レベルは,中優先度アラーム信号の音圧レベルを超えてはならな

い。

聴覚

情報信号を備える場合は,聴覚アラーム信号と区別できて,かつ,その特性を取扱説明書に記載す

る。

注記  情報信号の音圧レベルを単独に調節できない場合は,低優先度アラーム信号の音圧レベルを超

えないことが望ましい。

試験)

適合性は,取扱説明書の調査及び次の試験によって確認する。

−  JIS C 1509-1:2005 で規定したクラス 1 の要求事項を満たす騒音計のマイクロフォンを,聴覚

アラーム

信号発生装置を内蔵している機器の正面部分の幾何学的中心線を通る水平面上の最大音圧レベルの位

置で,かつ,半径 1 m,又は

操作者位置に設置する。測定は,サウンドレベルメータの周波数重み付

け特性 A 及び時間重み付け特性 F に設定して行う。

バースト測定中に表示された音圧レベルは,JIS C 


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T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

1509-1:2005

の 5.8 若しくは 5.9 によって補正するか,又は連続する

パルスの一つを測定目的に使用す

る。測定は,JIS Z 8733 で規定する反響板上の自由音場で行う。

情報信号を含む暗騒音の A 特性音圧

レベルは,試験で測定したレベルよりも,少なくとも 10 dB 低い。

高優先度アラーム状態をシミュレーションする。

−  音圧レベルを測定する。

−  上記を

中優先度及び低優先度アラーム状態に対しても繰り返す。

−  音圧レベルについて次の関係を確認する。

高優先度アラーム信号≧中優先度アラーム信号≧低優先度アラーム信号

6.3.4 

*音声アラーム信号の特性 

該当する場合,

製造業者は,リスクマネジメントプロセスにおいて,音声アラーム信号に関連したリス

クに対処する。

試験)

適合性は,

リスクマネジメントファイルを調査して確認する。

6.4 

*遅延の開示 

6.4.1 

*アラームシステム遅延 

アラーム状態遅延時間の最大値とアラーム信号発生遅延時間の最大値の合計が 10 秒を超える場合には,

各遅延時間の統計的分布又は合計遅延時間の統計的分布を取扱説明書に記載する。

平均

アラーム状態遅延時間と平均アラーム信号発生遅延時間との合計が 5 秒を超える場合には,各遅延

時間又はその合計を取扱説明書に記載する。

試験)

適合性は,取扱説明書を調査して確認する。

6.4.2 

*分散形アラームシステムからの遅延又は分散形アラームシステムへの遅延 

アラームシステムが,分散形アラームシステムで発生するアラーム状態の送信手段又は受信手段を備え

ている場合には,次を取扱説明書に記載する。

a) 

アラーム状態発生から,アラーム状態の存在を報知する信号を信号入出力部から送信する時点までの

遅延時間

b)

遠隔

アラーム信号発生遅延時間の最大値又は機器アラーム状態の発生を決定する時間(6.11.2.2 参照)

該当する場合,

分散形アラームシステムでのアラーム信号発生遅延時間は,次のいずれかによって測定

し,取扱説明書に記載してもよい。

c) 

アラーム状態の発生時点から

d) 

アラーム状態を検出した機器がアラーム信号を発生する時間から

e) 

アラーム状態の存在を報知する信号を信号入出力部から送信する時点まで又はその時点から

f) 

アラーム状態の存在を報知する信号を信号入出力部から受信する時点まで又はその時点から

g)

遠隔

アラーム信号発生の時間まで

試験)

適合性は,機能試験及び取扱説明書の調査によって確認する。

6.5 

アラームプリセット 

6.5.1 

*一般要求事項 


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T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

機械的に調整する

アラームプリセットついては,6.5 の要求事項は適用しない。

例 1  設定点の値を示すスイッチ。

アラームシステムが正常な使用中に次の条件に全て適合する場合は,6.5 の要求事項は適用しない。

a)

現在の

アラーム設定状態だけを維持することができる。

b)

別の

アラームプリセットをもたない。

c)

調整可能な各

アラーム設定状態を連続表示する。

例 2  常に直前のアラーム設定値で起動し,かつ,その設定値を連続表示する簡単なモニタ。

アラームプリセットは,各アラーム状態を引き起こすのに用いるアラーム設定値及びその優先度を含む

か,又は

アラームシステムが対象としている患者についての利用可能な情報を基にして設定できなければ

ならない。

アラームプリセットには,アラームシステムの性能に影響するパラメータ又はその性能を変更

する他のパラメータを含んでもよい。

例 3  入力したデータから計算したアラーム設定値。例えば,患者の体重及び性別。

例 4  患者の現在の生理学的状態から計算したアラーム設定値。例えば,現在の心拍数の 1.2 倍。

同一機器又は類似機器に対して異なる

アラームプリセットを同一場所内で使用する場合は,危険状態が

存在する可能性があることの警告を取扱説明書に記載する。例えば,集中治療室,心臓手術室。

試験)

適合性は,

アラームシステム及び取扱説明書の調査によって確認する。

6.5.2 

製造業者が設定したアラームプリセット 

アラームシステムは,製造業者が設定する少なくとも一つのアラームプリセットをもたなければならな

い。

製造業者が設定するアラームプリセットで使用するアルゴリズムの概要及びアラーム設定値を取扱説

明書に記載する。

試験)

適合性は,

アラームシステム及び取扱説明書を調査して確認する。

6.5.3 

*責任部門及び操作者が設定するアラームプリセット 

6.5.3.1 

アラームプリセットが一つだけのアラームシステム 

アラームプリセットが一つだけの場合には,次に適合しなければならない。

a) 

アラームプリセットの変更を操作者が保存できないようにする。アラームプリセット変更を保存でき

るのは,

責任部門に限定する(6.7 参照)。

b) 

製造業者による初期設定状態にアラームプリセットを戻すことができるのは責任部門に限定する手段

をもつ。

試験)

適合性は,調査によって確認する。

6.5.3.2 

複数のアラームプリセットをもつアラームシステム 

アラームシステムが,製造業者が設定したアラームプリセットのほかに,責任部門又は操作者が設定す

る一つ以上の

アラームプリセットを保存又は有効にする手段をもつ場合は,次に適合しなければならない。

a)

使用可能な

アラームプリセットの中から,操作者が一つを選択できる手段をもつ。

b)

どの

アラームプリセットが使用しているかを,操作者が直ちに識別できる手段をもつ。

c)

操作者は,選択したアラームプリセットが対象としている患者に対して適切であることを使用前に


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T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

点検することが望ましい”旨の警告文を取扱説明書に記載する。

d) 

アラームプリセットを設定及び保存する手段を附属文書に記載する。

e) 

責任部門又は製造業者が設定したアラームプリセットを操作者が変更した場合には,その変更を保存

できないようにする手段をもつ。

責任部門又は製造業者が設定したアラームプリセットの変更保存は,

責任部門に限定する(6.7 参照)。

f)

ある

操作者がアラームプリセットを変更してこれを記憶させた場合に,そのほかの操作者がその変更

を保存できないようにする手段をもつ(6.7 参照)

g) 

アラームシステムは,後で呼び出すために,現在のアラーム設定状態を記憶してもよい。

例  一時的な記憶ならば,アラームプリセットを選択する前に使用したアラーム設定状態に戻るこ

とを可能にする。

試験)

適合性は,調査によって確認する。

6.5.4 

アラーム初期設定 

6.5.4.1 

一般的要求事項 

アラーム初期設定を,製造業者が設定した初期値と異なる値に設定できる場合は,次に適合しなければ

ならない。

a) 

アラーム初期設定に対して加えた変更を,操作者が保存できないようにする手段をもつ。アラーム初

期設定の変更保存は,責任部門に限定する(6.7 参照)。

b) 

アラーム初期設定を製造業者が設定した初期値に,責任部門が戻す手段をもつ。

試験)

適合性は,調査によって確認する。

6.5.4.2 

*アラーム初期設定の選択 

次の a)d)  のいずれかに該当する場合,

アラームシステムは,e)g)  のいずれかに適合しなければな

らない。

a) 

製造業者が意図するより長い時間が経過した後に,操作者がアラームシステムのスイッチを“入”に

したとき。

b) 

アラームシステムを有効にしたとき。

c) 

操作者が,アラームシステムの対象となっている患者の変更をアラームシステムに入力したとき(こ

の場合,

“新

患者入床認識”機能によることが望ましい。)。

d) 

アラーム設定状態が自動復旧する時間を超えて電力[電源(商用)及び/又は内部電源]が完全に喪

失した後,

アラームシステムへの電力供給が復旧したとき(6.5.5 参照)。

e) 

アラーム初期設定を自動的に選択する。

f) 

操作者がアラームプリセットを選択する手段をもつ。

g)

以前の使用で保存した

アラーム設定状態を操作者が選択する手段をもってもよい。

製造業者は,アラームシステムがアラーム設定状態を復元できなくなる電力中断時間及びその後のアラ

ームシステムの状態を取扱説明書に記載する。

試験)


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T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

適合性の確認は,機器の

アラーム設定状態の確認後,取扱説明書に記載するよりも長い時間,一時的に

電源供給を遮断し,

アラーム設定状態を点検して行う。電源スイッチがある場合,このスイッチは試験中

“入”の状態にする。

アラーム設定状態を点検し,かつ,その設定と対応する作動状態とを比較する。

6.5.5 

*30 秒以下の電源遮断 

電源に 30 秒以下の遮断があった場合,電力喪失前の

アラーム設定状態は,自動的に復帰しなければな

らない。この機能を取扱説明書に記載する。

注記  電源とは,外部電源(商用),正常な使用で交換可能な内部電源又は外部バッテリを指す。

試験)

適合性の確認は,

アラームシステムの作動モード及びアラーム設定値の確認後,電源を 27∼30 秒一時

的に切断して行う。電源を復旧した後,

アラーム設定状態を電源遮断以前と比較する。電源スイッチを備

えている場合は,この試験の間“入”の状態にしておく。

6.6 

アラーム設定値 

6.6.1 

一般的要求事項

アラーム設定値は,次のいずれによるものでもよい。

−  調整不可

操作者が容易に設定可能

−  アルゴリズムによって決定した基準を使用

試験)

適合性は,調査によって確認する。

6.6.2 

*調整可能なアラーム設定値 

6.6.2.1 

操作者が調整可能なアラーム設定値の表示 

操作者がアラーム設定値を調整可能な場合,アラーム設定値は,連続的に又は操作者による操作によっ

て表示する。

試験)

適合性は,調査によって確認する。

6.6.2.2 

*自動的に設定するアラーム設定値の表示 

アラーム設定値は,その範囲を自動的に設定してもよい。次の a)c)  に対して変数の値又は百分率でそ

の上限又は下限を設定してもよい。また,

操作者の操作によってもよいし,操作によらなくてもよい。

a)

モニタしている変数のある時点での値

b)

モニタしている変数の直近の値

c)

現在の設定値

次の d)  にも e)  にも該当しない場合,

アラーム設定値の上記のような自動設定に対しては,その値を連

続的に表示するか,又は

操作者の操作によって表示する。

d)

関連する設定によって,この

アラーム設定値が明白になっていて,かつ,その作動状態を取扱説明書

に記載してある。

e) 

アラーム設定値がインテリジェントアラームシステムによって決まる(6.2 参照)。

試験)

適合性は,機能試験及び取扱説明書の調査によって確認する。


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T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

6.6.2.3 

*アラーム設定値又はアラームプリセット調整中のアラームシステムの作動 

アラームシステムは,どのようなアラーム設定値の調整中又は操作者が調整可能なアラームプリセット

の調整中でもあっても,正常に作動を続けなければならない。

試験)

適合性は,機能試験によって確認する。

6.7 

*アラームシステムの保護 

変更又は変更の保存に対するアクセスを制限する手段を技術的解説に記載する[6.3.3.16.5.3.16.5.3.2

6.5.4.1

6.8.2 b)6.8.2 c)6.8.3 b)6.8.5 及び 6.10 参照]

例 1  ツールによって管理する手段

例 2  責任部門のパスワード及び取扱説明書とは別冊の技術解説によって管理する手段

例 3  個々の操作者パスワードによって管理する手段

注記 1  パスワード所有者によるパスワード変更が可能でない限り,パスワードは,安全と

はみなさない。

例 4  音声認識によって管理する手段

例 5  指紋認証によって管理する手段

注記 2  複数の管理手段が必要なこともある。責任部門及び個々の操作者によるものなど。

試験)

適合性は,技術解説の調査によって確認する。

6.8 

*アラーム信号不活性化状態 

6.8.1 

*一般

アラームシステムは,操作者が聴覚アラーム信号の発生だけを不活性化できる手段をもつか,又は視覚

アラーム信号及び聴覚アラーム信号の両方の発生を不活性化できる手段をもたなければならない。これ以

外の

アラーム信号については,その発生を不活性化する手段をもってもよい。不活性化は,個々のアラー

ム状態,アラーム状態のグループ,アラームシステム全体又は分散形アラームシステムのいずれかの部分

に適用してもよい。

アラーム信号発生の不活性化の時間は,時間を限定しなくてもよいし(アラーム停止

及び

アラーム音停止),又は限定した時間だけ(アラーム中断及びアラーム音中断)でもよい。6.3.2.2 

規定する点滅視覚

アラーム信号は,アラーム音中断又はアラーム音停止によって不活性化してもよい。

注記  グループがあらかじめ設定されている場合もあれば,そうではない場合もある。

例 1  人工呼吸での換気に関する全てのアラーム状態

例 2  現在活性化中の全てのアラーム状態に対するアラーム信号 

個別の

アラーム状態又はグループとしてのアラーム状態に対するアラーム信号を不活性化する場合は,

他の

アラーム状態に対するアラーム信号発生に影響を与えてはならない。

試験)

適合性は,調査によって確認する。

6.8.2 

*リマインダ信号 

アラームシステムは,リマインダ信号を備えてもよい。アラームシステムのリマインダ信号は,次に適

合しなければならない。

a) 

リマインダ信号の特性及びリマインダ信号間の間隔を取扱説明書に記載する。

b) 

アラームシステムは,責任部門だけが操作できる次の手段をもつ(6.7 参照)。

リマインダ信号の有効化又は無効化


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T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

−  調整可能な場合は,

リマインダ信号間の最長間隔の設定

c) 

アラームシステムは,責任部門だけがアクセスできる次の手段をもってもよい(6.7 参照)。

−  任命された

操作者(6.7 参照)によるリマインダ信号の有効化又は無効化

−  任意の

操作者によるリマインダ信号の有効化又は無効化

試験)

適合性は,調査によって確認する。 

6.8.3 

*システム全体の時間を限定しないアラーム信号発生不活性化状態 

アラームシステムの使用を意図した環境についてリスクアセスメントを行った結果,許容できると認め

る場合は,システム全体の

アラーム停止又はアラーム音停止を備えてもよい。アラームシステムがシステ

ム全体の

アラーム停止又はアラーム音停止を備えている場合には,アラームシステムは,次をもたなけれ

ばならない。

a)

リマインダ信号

b)

システム全体の任意の

アラーム停止又は任意のアラーム音停止を設定(有効化又は無効化)できる手

段。その手段は,

責任部門だけが設定可能で,かつ,臨床現場での操作者は,正常な使用中はその設

定を変更できない(6.7 参照)

注記 1  複数の生体アラーム状態をもつアラームシステムでは,システム全体のアラーム停止又は

システム全体の

アラーム音停止のアラーム信号を不活性化すると,全ての生体アラーム状

態に影響を与える。

注記 2  リマインダ信号に関する要求事項については,6.8.2 も参照する。

試験)

適合性は,調査によって確認する。 

6.8.4 

*アラーム信号の不活性化終了 

システムは,

操作者がアラーム信号不活性化状態を終了する手段をもたなければならない。アラーム信

号不活性化状態にあったアラーム状態が終了した場合には,そのアラーム信号不活性化状態は,自動的に

終了してもよい。

アラーム信号不活性化状態が終了した場合に,その時点でアラーム信号を発生しなければならない何ら

かの

アラーム状態が存在するときは,アラーム信号を再発生させなければならない。

試験)

適合性は,機能試験によって確認する。

6.8.5 

*表示及びアクセス

アラーム信号が不活性化していることを示すアラーム音中断,アラーム中断,アラーム音停止及びアラ

ーム停止は,表 に示した適切な図記号で視覚表示する。この表示は,機器若しくは機器の部分から 1 m

離れた場所から又は

操作者位置から明瞭に正しく認識できなければならない。

アラーム信号を不活性化状態にする制御手段には,表 に示した図記号を表示してもよい。表 に示し

た図記号を用いる場合は,その図記号に対応した

アラーム信号不活性化状態にならなければならない。

アラーム音中断又はアラーム中断状態をもつ場合は,その継続時間を取扱説明書に記載する。

アラーム音中断又はアラーム中断の継続時間を操作者が調整可能な場合は,その最大継続時間を調整で

きるのは,

責任部門だけに限定する(6.7 参照)。最大継続時間の範囲内で,操作者が継続時間を調整でき


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T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

てもよい。

試験)

適合性は,調査によって確認する。

表 5−アラーム信号発生不活性化状態 

状態 

継続時間 

状態の視覚表示(強制)

表 C.1 の図記号の列)

制御表示(選択)

表 C.1 の図記号の列)  (表 C.2 の表示の列)

アラーム音中断 

限定する 6

6

1

アラーム中断 

限定する

4 又は(4 及び 6) 4

2

アラーム音停止 

限定しない 5

5

3

アラーム停止 

限定しない

3 又は(3 及び 5) 3

4

6.9 

*アラームリセット 

アラームリセットの手段の表示は,IEC 60417-5309 図記号(表 C.1 の図記号 No.2 を参照)又は表 C.2

の表示 No.5 を用いてもよい。

試験)

適合性は,調査によって確認する。

6.10  *

非保持アラーム信号及び保持アラーム信号 

非保持アラーム信号は,その発生要因(トリガ事象)が消滅した場合には,自動的に発生中止しなけれ

ばならない。

保持アラーム信号は,その発生要因(トリガ事象)が消滅した後にも,信号発生を継続しな

ければならない。

アラームシステムには,保持アラーム信号と非保持アラーム信号とが混在してもよい。

注記 1  インテリジェントアラームシステムは,保持アラーム信号の優先度を下げることができる。

短時間の

アラーム状態の場合は,操作者が不活性化しない限り,中優先度聴覚アラーム信号は,少なく

とも 1

バーストを完全に完了し,かつ,高優先度聴覚アラーム信号は,1 バーストの少なくとも 1/2 を完

了する。

注記 2  アラーム状態が急に終了した場合,操作者はどの要因がアラーム状態を引き起こしたのかを

見極めることができないことがある。代替策として次がある。

−  特定の

アラーム状態を表示し,かつ,アラーム状態解除後に限定した時間(例  30 秒)

発生を継続する視覚

アラーム信号

操作者が確認,印刷又は記録できるアラーム状態の履歴機能

操作者が確認,印刷又は記録できるアラーム状態のトレンド機能

次のいずれかの場合は,聴覚

アラーム信号の発生を中止しなければならない。

a) 

操作者がアラーム音中断状態,アラーム音停止状態,アラーム中断状態又はアラーム停止状態を開始

したとき。

b) 

操作者がアラームリセット操作をしたとき。

操作者が保持アラーム信号又は非保持アラーム信号の選択をできないようにする。保持アラーム信号又

非保持アラーム信号のいずれを選択するかは,責任部門が決定する(6.7 参照)。

試験)

適合性は,機能試験によって確認する。


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T 60601-1-8

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6.11  *

分散形アラームシステム 

6.11.1  *

分散形アラームシステムの存在 

アラームシステムが分散形アラームシステムをもつ場合は,それを安全に使用するために必要な情報を

技術解説に記載する。

分散形アラームシステムは,アラームシステムの形態の一つである。

アラームシステムは,情報信号及びアラーム状態の表示を含むデータを,分散形アラームシステムの他

の部分に対し,又は他の部分から送受信してもよい。

分散形アラームシステムは,患者環境の外部に配置

してもよい。

分散形アラームシステムの(一つ又は複数の)部分を,患者環境の外部に配置してもよい。

分散形アラームシステムの異なる部分間でデータを有線,無線又は他の手段で送受信してもよい。

例 1  セントラルステーション

例 2  電子記録保持装置

例 3  家庭又は職場からの遠隔観察

例 4  ベッドからベッドへのアラーム状態観察(例えば,一人の看護師が 2 ベッドを担当する場合)

例 5  アラーム状態のポケットベル,携帯電話,携帯パソコンなどへの送信

試験)

適合性は,技術解説を調査して確認する。

6.11.2 

分散形アラームシステムでのアラーム状態の通信に関する要求事項

6.11.2.1 

アラーム状態の発生源及び識別 

分散形アラームシステムは,アラーム信号発生場所からの遠隔アラーム状態の発生源を識別する手段を

もたなければならない。

注記  必要とする処置の緊急度,アラーム状態原因の分類及び患者の識別,機器の識別又は患者の居

場所の識別を示す

アラーム信号も,分散形アラームシステムによって発生させることが望まし

い。

試験)

適合性は,調査によって確認する。 

6.11.2.2  *

アラーム状態の遠隔通信の故障 

通信手段又は

分散形アラームシステムのどの遠隔部分の故障に対しても,次の対応ができるように分散

形アラームシステムを設計する。

a)

接続先機器の機能障害を除いては,

分散形アラームシステムのどの部分にも有害な影響がない。

b) 

アラーム信号について,次のいずれかの対応をする。

アラーム信号発生可能な分散形アラームシステムの中で,故障の影響を受けるどの部分でも機器

アラーム状態を発生させる。

−  “

アラーム信号の受信についてシステムに依存してはならない”という警告を分散形アラームシ

ステムに表示する。

  一方向呼出しシステム(送信だけ)には,このような警告が必要である。

注記  アラーム状態又は情報信号が正常に送受信できない状態は,故障とみなす。

試験)

適合性は,

アラームシステムの機能試験及び検査によって確認する。

6.12  *

アラーム状態の履歴機能 

アラームシステムがアラーム状態発生の履歴機能をもつ場合は,次の事項に適合する。

a) 

アラームシステムは,高優先度アラーム状態の発生及びその内容の履歴を残す。


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T 60601-1-8

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注記  アラームシステムは,次の履歴を残すことが望ましい。

−  発生時刻

−  関連する

アラーム設定値

アラーム信号不活性化状態

生体アラーム状態

機器アラーム状態

b) 

製造業者は,アラームシステムの電力供給が遮断された場合又は電圧が低下した場合に,履歴の内容

を保存されるか否かを取扱説明書に記載する。

c) 

製造業者は,アラームシステムの電源供給[電源(商用)及び/又は内部電源]がある期間完全に停

止した後,履歴の内容がどのようになるかを取扱説明書に記載する。

試験)

適合性は,調査によって確認する。


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T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

附属書 A

(参考)

一般的指針及び根拠

注記 1  この附属書で実線の下線を施した部分は,対応国際規格ではイタリック体で記載されており,

この副通則の目的である安全性達成のための手段についての指針であることを示している。

注記 2  この附属書で“委員会”というのは,対応国際規格の原案を作成した ISO 及び IEC の合同委

員会 JWG2(IEC/SC62A-ISO/TC121/SC3)を指す。 

A.1 

一般的指針 

A.1.1 

概要 

この附属書には,この副通則の重要な要求事項についての一般的指針及び根拠を記載する。この規格の

適用を有効に促進することが目的である。要求事項についての理由を説明し,アラームに関連したある種

危険状態にどのように対応するかの例を示し,さらに,該当する場合には指針を追加する。

患者安全性の見地からは,アラームシステムが潜在的又は実際の危険状態について効果的に警告するこ

とができなかった場合,

患者又は操作者に対して危険をもたらす可能性がある。不適切な対応,警戒感の

減少又は

操作者,責任部門若しくはその他の人々の行動の阻害をする可能性もある。

A.1.2 

アラームシステム 

製造業者は,リスクマネジメントプロセスの一部としてリスクコントロール方法を調査して,リスクが

許容できるレベルまで適切に低減されていることを確認する。

リスクコントロールは,製造業者が次の優先順位の中から一つ以上を用いて一貫した手法によって実現

する。

a) 

設計による本質的な安全確保

b)

機器の保護手段

c) 

安全確保のための情報,例えば,使用上の警告及び取扱説明書,モニタ変数の値

この副通則に記載するように,

アラームシステムは,操作者の対応又は認識を必要とする情報を伝達す

ることによって,b)  及び c)  に対処する。次の一般的な原則を適用する。

d) 

アラームシステムは,認識又は行動が要求される状態に対して,操作者が正しく受け止め,適切に対

応できる確率が,

アラーム信号がない場合よりも大きくなることが望ましい。

注記  偽陽性アラーム状態によるアラーム信号が多発すると,アラームシステムの有効性が低下す

ることがある。

e) 

アラーム信号は,アラーム状態の開始及びその継続を示すことが望ましい。

f) 

アラーム状態には,操作者が必要な対応(又は認識)の緊急性に基づいて,優先順位を付けることが

望ましい。

g) 

アラーム信号は,操作者に対して次の支援を行うことが望ましい。

−  必要な対応の緊急性を決定する。

−  対応又は認識が必要な病室若しくは病室の部分を特定する。

−  対応又は認識が必要な

患者若しくは機器の場所を特定する。


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T 60601-1-8

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アラーム状態の原因を特定又は分類する。

−  必要な対応又は認識の種類を特定若しくは分類する。 

h) 

アラーム状態を確定するためのアルゴリズムは,偽陰性アラーム状態及び偽陽性アラーム状態の数が

最小になるよう作成することが望ましい。

偽陰性アラーム状態及び偽陽性アラーム状態は,いずれも

潜在的に危険である。陽性ではあっても役に立たない

アラーム信号が多発すると,操作者の不適切な

行動を引き起こすか,又は警戒心を低下させることがある。

アラーム状態を確定するためのアルゴリ

ズムは,バランスよく,総合的な見地から

患者看護に有益なものとなるように注意深く最適化するこ

とが望ましい。

i) 

正常な使用時に操作者が常時立ち会うアラームシステムは,正常な使用時に操作者が立ち会わないア

ラームシステムとは異なった特性を備えていることが望ましい。

j) 

アラームシステムは,その使用を意図する操作者の訓練と熟練の度合いを考慮して設計することが望

ましい。

k) 

アラームシステムは,その使用を意図する環境の問題点及び必要要件を反映していることが望ましい。

l) 

アラーム信号は,操作者の業務に過度の負担にならず,かつ,業務の質の低下を招くことがないこと

が望ましい。

A.1.3 

アルゴリズムの特性及び性能 

アラームシステムのアルゴリズムは,感度 100 %及び特異度 100 %を目指すことが望ましい[7],[8],[9],

[10]。アラーム信号を不活性化する主な理由は,偽陽性アラーム状態,役に立たないアラーム状態又は迷

惑な

アラーム状態に関連した多数のアラーム信号である。迷惑なアラーム状態とは,操作者が既に認識し

ているか,又はそれについて知る必要がない状態を示しており,陽性であることは間違いなくても役に立

たないものである[11]。これらは,

アラーム設定値を不適切に許容値近くに設定した場合,又は単一の潜

在的な問題に反応して冗長的

アラーム状態が複数生じた場合にも発生する。アラーム信号は,啓発よりも

混乱を招いてしまうことが多い。

操作者は,アラーム信号に対してアラームシステムを不活性化するか,

又は

アラームシステムが事実上無効になるようにアラーム設定値を極端な値に設定することで対応する

ことが多い[12]。

該当する場合,

製造業者又は個別規格の起案者に対しては,標準的な生理学的データベースを活用して,

アラーム状態を決定するアルゴリズムを検証することを推奨する。偽陽性アラーム状態及び偽陰性アラー

ム状態発生の精度について,標準的な様式を用いて決定し,かつ,報告すれば,操作者及び責任部門が装

置の性能を理解することに役立つ。

 ANSI/AAMI 

EC57:1998

,Testing and reporting performance results of cardiac rhythm and ST segment

measurement algorithms.[5]

偽陽性アラーム状態及び偽陰性アラーム状態の発生数減少のための他の技術として次のものがある。

a) 

利用可能なデータをアルゴリズムによって分類もできず解決もできない場合,

アラームシステムは,

ISO-7000:1989 0435

による記号を表示する。

b) 

アラーム状態遅延時間を利用して,アラーム状態であることが確実になるまでアラーム信号発生を遅

延させる。

A.2 

個別の箇条及び細分箇条の根拠 

この副通則における箇条及び細分箇条の根拠の中で重要なものを次に記載する。この附属書の箇条及び

細分箇条の番号と本体のものとは一致している。


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適用範囲,目的及び関連規格 

患者,操作者及びその他患者看護に関係する人の安全性に必要な情報を提供するため,この副通則では

ME

機器及び ME システムのアラームシステム実施に対する一般的要求事項を規定する。アラーム状態の

原因によって,

操作者の注意の払い方の緊急度は異なるため,この副通則は,アラーム信号を発生してい

る ME

機器の種類,ブランドなどにとらわれず,操作者が状況の緊急度及び必要な行動について認識でき

るように,

アラーム状態の優先度及びそれらのアラーム信号の特性を規定している[13],[14],[15],[16]。

さらに,

アラームシステム用語を標準化して曖昧性のないものにし,ME 機器及び ME システムの設計,

表示ばかりでなく,

附属文書にも使用することによって,患者安全性を改善することに役立つ。

この規格は,簡単な

内部電源機器又は在宅用 ME 機器だけでなく複雑な生命維持 ME 機器にも同じく適

用されるため,多くの重要な問題に対して具体的な要求事項を規定することができなかった。個別規格で

は,こうした機器に対して,適切でより詳細な要求事項を規定することが望ましい。この規格の用語及び

基本要求事項を,広範な種類の機器の

アラームシステムに対して,一貫性を維持しながら確実に適用して

いくことが望ましい。

3.1 

アラーム状態 

最初に考慮したことは,“実際には

アラーム状態ではない場合でも(すなわち,偽陽性アラーム状態の

場合には)

アラームシステムがアラーム信号を発生してしまうことがある”という事実である。次に考

慮したことは,数量化できない値,数量化できない状態又は

インテリジェントアラームシステムの使用で

ある。これらを

アラーム状態の存在を決定するため使うことがあるかもしれないが,これまでのアラーム

設定値の定義では,考慮の対象になっていなかったかもしれないという問題である。

このような点を考慮して,委員会は,“

操作者が認識する必要がある危険状態が存在しているとアラー

ムシステムが判断した状態”をアラーム状態と定義した。この定義では,アラームシステムの決定が正確

であるとは限らず,不正確な場合もあることを認めている。また,この定義は,

操作者に対応又は認識を

させるために,

アラームシステムがアラーム状態を示すアラーム信号を,可能な場合には発生させること

も示している。

アラーム設定値については,委員会は,次のように定義した。“アラーム状態を決定するために,アラ

ームシステムが用いるしきい(閾)値”。数値で示すしきい値(例えば,高心拍数のアラーム状態に用い

るしきい値)は,分かりやすいが,数値では表すことができないしきい値もある。不適切なスイッチの位

置,

操作者による不正確なデータ入力,アラームシステムの故障などもアラーム状態を引き起こすことが

あるが,これらは数値で表せない。

インテリジェントアラームシステムを用いてアラーム状態を決定する

こともできる。これには単純なしきい値ではなく,アルゴリズムを用いる。そのようなアルゴリズムでは,

複数入力,論理依存平均又は時間依存平均,インテリジェントアーチファクトフィルタなど使用し,実際

のアラームしきい値を,時間経過又は他の状況変化に応じて変更するものである。

3.2 

アラーム状態遅延時間 

アラーム状態をモニタしているアルゴリズムのフィルタは,アラーム状態遅延時間の原因となる可能性

が高い。例えば,心拍数モニタは,数回の鼓動の R-R 間隔を平均化する。R-R 間隔が急激に変化しても,

すぐに心拍

アラーム状態にはならない。心臓鼓動の計算値がアラーム設定値を超えるには,連続した数個

の心拍を必要とするからである。同様に,メジアンフィルタも,

アラーム状態遅延時間の原因となる。6.10

の根拠も参照する。

3.3 

アラーム設定値 

アラーム設定値とは,アラームシステムにアラーム信号を発生させる判定基準のことをいう。緊急度レ


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T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

ベルが一つの単純な変数に対しては,

操作者が選んだ値をアラーム設定値とすることができる。アラーム

設定値は,複数の緊急度をもつ単純なアラーム状態の変数に適用する基準値の構成表だけでなく,正確な

特性を

操作者が認知できないようなアルゴリズム的に決定した基準値にも及ぶ。3.1 の根拠も参照する。

3.5 

アラーム中断 

操作者は,アラーム状態を引き起こすことが分かっている行為の前に,煩わしいアラーム信号が発生し

ないように,

アラーム中断を使用してもよい。

例 1  気管吸引のために,患者の呼吸回路の接続を意図的に外す場合。

例 2  ゼロ点校正のために,トランスデューサを大気に開放する場合。

3.10 

アラーム信号発生遅延時間 

オペレーティングシステム,マイクロプロセッサの処理速度,ソフトウェア又はネットワークの性能が

アラーム状態開始からアラーム信号発生までの時間に影響することがある。この遅延が問題となるような

場合には,

アラーム信号発生遅延時間の平均値だけでなく遅延時間の分布についても,操作者が知ってい

る必要がある。最近の機器では,遅延の最大時間が必ず確定しているとは限らないからである。機器が

散形アラームシステムを採用している場合の遅延時間は,意図した使用場所に標準的な設置をした場合の

ものであることが望ましい。ネットワーク構成要素のスピード及び処理能力は,

製造業者では管理ができ

ない問題である。3.2 の根拠も参照する。

3.17 

分散形アラームシステム 

単純な機器では,機器内で

アラーム状態を検出・処理し,アラーム信号を発生する。

代表的な例は,単体(スタンドアローン)の

患者情報モニタ,又は単体の人工呼吸器である。

ネットワークに組み込んだ機器,セントラルステーション(セントラルモニタなど)を含むシステム機

器又は

患者から離れている介護者(操作者)のためにアラーム信号を発生する機器は,より複雑なアラー

ムシステムを使用している。

分散形アラームシステムでは,ME システムの様々な場所で,次のことを実施する。

a) 

アラーム状態の検出

b) 

アラーム状態検出後の処理

c) 

アラーム信号の発生

分散形アラームシステムは,次のような少なくとも二つの機器で構成するのが一般的である。

d) 

通常

患者に直接接続して,アラーム状態を検出・処理する機器。

e) 

患者の近くに又は離れて設置するアラーム信号を発生する遠隔装置(ME システムの一部)。

したがって,ベッドサイド

患者情報モニタのネットワークでは,1 台のベッドサイド患者モニタが,こ

れとは別のベッドサイド

患者情報モニタからのアラーム状態に対するアラーム信号を発生してもよい。セ

ントラルステーションは,複数の

患者からのアラーム状態に対するアラーム信号を発生することができる。

双方向無線通信システムは,

患者から遠く離れた場所にいる介護者に対してアラーム状態のためのアラー

ム信号を発生することができる。これらは全て分散形アラームシステムの例である。

複数の

患者から入力されるアナログ信号又はデジタル信号を処理し,アラーム信号を発生するためにベ

ッドサイドの ME

機器にアラーム状態を転送するセントラルステーションは,分散形アラームシステムで

ある。

3.23 

情報信号 


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T 60601-1-8

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アラーム信号は,アラーム状態が存在する場合だけ発生する。これに対し,情報信号は,アラーム状態

が存在に関係なく発生する信号,例えば,パルスオキシメータのトーン信号,心電計のトーン信号,心電

計の波形,心拍数などである。

情報信号は,アラーム状態とは無関係であるが,しばしば操作者に対して

“急を知らせる”情報を報知することがある。

例 1  パルスオキシメータの聴覚情報信号のトーン発信が減少する。トーン発信の減少は,操作者に

対して“急を知らせる”が,それ自体は,

アラーム信号ではない。

例 2  心室細動を示す心電図波形。

例 3  毎分 20 回の心拍数。

3.24 

インテリジェントアラームシステム 

インテリジェントアラームシステムは,アラーム状態の有無及び優先度を決定するために,一つ以上の

変数又は変数のパターンを用いる。

インテリジェントアラームシステムの方法には,傾向の分析,設定値

の比較,データの冗長度,データ融合,規則,ファジー制御及びニューラルネットワークを含んでもよい

が,これらに限定するものではない。

3.34 

リマインダ信号(A.2 の 6.8.1 参照) 

リマインダ信号は,既に不活性化状態でアラーム信号は発生していないが,アラーム状態が依然存在し

ていることを

操作者に気付かせるものである。リマインダ信号の適切な使用は,リマインダ信号自身が迷

惑信号になる可能性を不当に増やすことなく,

アラームシステムを,誤ってアラーム信号不活性化状態に

放置する可能性が減り,その結果

偽陰性アラーム状態の発生が減少するはずである。

機器の

操作者が複数であると予測される場合,又は正常な使用時に操作者が立ち会わないことが予測さ

れる機器の場合,

リマインダ信号を備えることを考慮することが望ましい。

リマインダ信号に対して,二つの動作モードが考えられる。第一のモードでは,アラームシステムがア

ラーム信号不活性化状態である場合,アラーム状態の有無にかかわらず,リマインダ信号が周期的に鳴る。

第二のモードでは,

アラームシステムがアラーム信号不活性化状態であり,かつ,アラーム状態が存在し

ている場合だけ

リマインダ信号が鳴る。

第二のモードは,医療現場での騒音を減少する利点がある。しかし,もし

操作者がアラーム信号を発生

できるようにすることを適切な時に戻し忘れた場合,第二のモードには

ハザードが存在する。

この状況の例は,気管挿管され,人工呼吸器を装着した

患者が,集中治療室で吸引を必要とする場合で

ある。吸引を行うため,

患者から人工呼吸器を外す。これらによって,幾つかのアラーム信号が発生する。

患者を繰返し吸引する時間は,最大アラーム音中断間隔より長くなることがあり得るので,操作者は,ア

ラーム音停止の状態を選ぶ。吸引が完了した後,操作者は,聴覚アラーム信号をもたない。この状況にお

いて,

アラームシステムがアラーム停止状態であるというリマインダ信号をもつことが望ましい。患者の

吸引後,

操作者に,リマインダ信号を聞いてアラーム音停止状態を終了させるべきことを思い出させる。

しかし,他の環境においては,第二のモードが適していることもある。

5.2.1 

取扱説明書 

[第 1 細別(ダッシュ)

操作者は,従来の機器ではアラーム信号の不活性化状態の用語が曖昧だと思っていた[18]。

この曖昧さのために混乱が生じ,

操作者が誤りをおかしてしまうことがあった。用語が混乱して制御と

表示とが一致していない(モードの間違い)ため,

操作者がアラーム信号発生を一時的に不活性化(アラ

ーム中断,アラーム音中断)しようとして不用意に永久不活性化(アラーム停止,アラーム音停止)して


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T 60601-1-8

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しまうという事態を招くことがあった。

例  従来,一部の機器ではアラーム停止の表示として“無音(silence)”を使用しており,他の機器で

アラーム中断の表示として“無音(silence)”を使用していた。

取扱説明書に

アラームシステムの概要を記載する場合,製造業者は,この副通則で使用しているアラー

ム信号不活性化状態に対する用語を使用することが望ましい。個別規格の作成者もこの用語を用いること

が望ましい。

[第 4 細別(ダッシュ)

取扱説明書には,安全に使用するために必要な使用前点検の詳細を記載することが望ましい[19]。これ

らの点検は,自動的なものでよいし,又は使用前チェックリストでの提供でもよい。ほとんどの機器は,

スピーカの故障が一例であるが,単一の機能故障に対して二重安全になっていない。スピーカが故障する

と,聴覚

アラーム信号が聞こえなくなるため,アラーム状態を認識できないことがある。偽陰性アラーム

状態の確率を減少させるために,アラームシステムを定期的に点検するのが望ましい。

時間のかかる難しい使用前点検は,

操作者に拒否される[20],[22],[24]。理想的には,操作者の負担を

軽減するため,機器は,自動的又は半自動的に点検するのがよい。このような点検の例としては,聴覚

ラーム信号及び視覚アラーム信号を試験し,かつ,操作者がその機能を確かめる必要のあるようなアラー

ムシステムの試験などがある。

代替方法として,点検には,

アラーム設定値を設定してリミットを超える条件を故意に作ること,又は

アラーム信号を故意に発生させる他の手段も含まれる。

6.1.1 

一般 

アラーム状態には,生体アラーム状態(患者に関係したもの)に分類するか,又は機器アラーム状態(機

器に関係したもの)に分類するかが難しいものがある。

6.1.2 

アラーム状態の優先度 

アラーム状態は,必要とされる操作者の応答の緊急度又はアラーム状態を引き起こした状況に基づき優

先度を決めることが望ましい。優先度は,個別規格の作成者又は

製造業者がリスク分析を行って割り当て

る。

注記  アラームシステムには,操作者又は責任部門が優先度を割り当てるものがある。

製造業者は,リスク分析に基づいてアラーム状態の優先度を割り当てる。このリスク分析では,アラー

ム状態に対処しなかった場合の危害発生の深刻さ及び緊急度を最初に考慮することが望ましい。同様に,

患者又は機器の実際の事象に対するアラーム状態の感度及び特異度などの要因も考慮することが望まし

い。

アラーム信号の優先度レベルは,操作者が応答すべき,又はアラーム状態を認識すべき速さを操作者

に提言するにすぎない。必要とされる応答,又は認識すべき実際の速さは,最終的には

操作者による評価

に基づく。

“即発”に分類されるのは,数秒から数分以内に

患者が損傷又は死亡する可能性があるものである。ほ

とんどの場合は,

“即発”には分類されない。

例 1  心停止

例 2  心室細動

例 3  循環維持装置(大動脈内バルーンポンプ,心肺バイパス装置)の故障

例 4  高い気道内圧の持続

例 5  極度の低酸素血症

例 6  電気メスによる火傷


29

T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

これに対し,“早発”の分類に入るケースは,数分から数十分が経過するまでに対処すれば

患者の損傷

又は死亡が起こらないものである。

例 7  多くの不整脈

注記  不整脈は,“早発”又は“遅発”になるものが多い。

例 8  高血圧,又は低血圧

例 9  無呼吸(長引かないか,又は極端な低酸素症に関連していない場合に限る。)

例 10  軽い低酸素血症

例 11  高い二酸化炭素分圧又は低い二酸化炭素分圧

“遅発”の分類に入るケースは,数十分から数時間が経過して

患者の損傷が初めて生じるものである。

例 12  静脈内の輸液を維持するための輸液ポンプの故障

例 13  経腸栄養ポンプの故障

例 14  患者体重測定システムの故障

優先度の選択は,

リスク分析に基づくことが望ましい。一般に,リスク分析と両立する最低の優先度を

選ぶのが望ましい。特に,

高優先度アラーム信号は,患者安全のために,真の意味での即時応答(すなわ

ち,数秒から 2,3 分以内の応答)が必要な数少ない

アラーム状態のために確保しておくことが望ましい。

機器の多くは,

高優先度アラーム信号を必要としない。

ME

機器のアラームシステムは,患者,職員及び機器へのリスクを最小限にするための保護手段である。

ある種の治療用 ME

機器では,危険状態の出現が急速で損傷又は被害を引き起こすために,設計の良いア

ラームシステムを使用していても操作者の応答が遅くなってしまうことがある。このような ME 機器では,

システムの自動化で

危険状態を軽減することは,不可欠ではないにしても極めて望ましいことである。通

則及び多くの個別規格では,そのような安全機構を要求している。しかし,あらゆる

ハザード又は複合的

な故障状態を防止できるような ME

機器が存在しないことを認めざるを得ない。

6.2 

インテリジェントアラームシステムの開示 

機器を設計する際には,

操作者対応が必要なアラーム信号の数を最小にし,アラームシステムを統一の

取れたシステムとして統合するために,あらゆる努力をすることが望ましい。これは,一つの問題に対し

て,複数の

アラーム状態がアラーム信号を発生する場合に重要である。 

インテリジェントアラームシステムは,全てのアラーム状態に対しアラーム信号を同時に発生させる必

要はない。グループ化した現在の

アラーム状態の一部分に対し優先順位によってアラーム信号を発生する

ことは,同等の安全目標を達成できる。同時に複数の

アラーム状態が存在する場合,それぞれの相対的な

アラーム状態の重要性によって,与えられた優先度内でアラーム状態を順序付ける。この内部優先順位を

用いて,どの

アラーム状態がアラーム信号を発生するか決定し,下位に位置付けたアラーム状態によるア

ラーム信号の発生を抑えるために使用できる。優先度が同じで,意味が同じか類似したアラーム状態が多

数ある場合,それらを単一のメッセージ(視覚

アラーム信号)に統合できる。これらの手法を使って,関

連した多数の

アラーム状態があるアラームシステムにおいて操作者の対応が必要なアラーム信号の数を

減らすことができる。

インテリジェントアラームシステムの使用は,過渡的に発生する事象に対するアラ

ーム信号の数を減らす有効な方法であり,したがって,混乱を来すような偽陽性アラーム状態又は偽陰性

アラーム状態の数を減らすことができる。

アラーム状態の優先度を割り当てるために,インテリジェントアラームシステムのアルゴリズムは,モ

ニタしている変数の

アラーム設定値からの逸脱の程度,変数の変化率,アラーム状態の持続時間及び同時

に発生している他の

アラーム状態の有無,重複する情報源,又は他の変数を考慮することがある。


30

T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

インテリジェントアラームシステムを組み込んだアラームシステムでは,アラーム状態がアラーム信号

を発生した後,当該

アラーム状態と新たに発生したもの又は以前から発生しているものとを比較して,ア

ラーム状態の優先度を変更するか,又は当初のアラーム状態を再評価(おそらくそのアラーム信号の発生

を止める)することが可能である。

インテリジェントアラームシステムでは,緊急度の変更を示すためにアラーム信号の特性を変更するこ

とができる。これらには,

バースト音量,バースト間隔,パルス周波数などの変更が含まれるが,これに

限定するものではない。

想定する

操作者が想定する環境で意図する使用をした場合に機器の必要な操作が確実なものとなるよ

うに,

インテリジェントアラームシステムのアルゴリズムの評価及び妥当性確認を行うことが望ましい。

ユーザビリティの評価方法については,IEC 60601-1-6 を参照する。

6.3.2 

視覚アラーム信号 

視覚

アラーム信号によって,操作者に対してアラーム状態の存在及びその緊急度のレベルを示し,操作

者の対応又は注意喚起が必要な患者又は機器の場所の識別を支援し,さらに,そのアラーム状態を操作者

が識別できることが望ましい。

視覚

アラーム信号には,次の要求事項がある。

−  “距離”に対する要求事項。

アラーム状態の存在及びその優先度が 4 m の(遠く離れた)距離から正

しく視認できる。

−  “

操作者位置”に対する要求事項。当該のアラーム状態及び優先度を示す視覚アラーム信号が,少な

くとも 1 m 離れた位置又は

操作者位置から読み取ることができる。 

単一の視覚

アラーム信号を使用するか,“距離”及び“操作者位置”に対する要求に対して異なる視覚

アラーム信号を使用するかのいずれかによって,この副通則の要求に適合することができる。

“距離”の要求事項は,

操作者がアラーム信号を発生しているアラームシステムの場所を見付ける必要

がある場合だけに適用する。視覚

アラーム信号の優先度を 4 m の距離から識別できる場合は,複数機器が

設置されている環境で

アラーム信号が同時発生したときでも,操作者が操作者位置に行かずに最初に対応

すべき機器を識別できる。

該当する

アラーム状態及びその優先度を 1 m の距離又は操作者位置から識別できることは,操作者がと

るべき行動を決定するのに役立つ。

製造業者は,この操作者位置から識別できる視覚アラーム信号を 4 m

の距離から読み取ることができるようにすることもできる。

検討過程では,標準的な一般用アラーム記号及び緊急アラーム記号(

表 C.1 の図記号 No.1 の三角形に複

数個の円弧を追加する。

)を使用して,

低優先度,中優先度又は高優先度のアラーム状態を表示すること

を考えた。これらは,あまりにも類似しているために,多くの表示装置では 1∼4 m の距離で区別ができ

ない可能性があった。このため,優先度を表示するために他の適切な手段を利用してもよいこととした。

製造業者は,記号を赤若しくは黄色にするか,又は赤若しくは黄色の背景に配置するなどの方法をとる

ことができる。記号,文字,単語をこれらの記号に追加してもよい。同じ記号三つで

高優先度,二つで中

優先度,一つで低優先度を表すこともできる(6.3.2.2 参照)。

6.3.2.2 

視覚アラーム信号の特性 

三角形に 1 個(IEC 60417-5307

,2 個(IEC 60417-5308

,又は 3 個の円弧をもつものを使用して

低優先

度,中優先度,高優先度アラーム状態を表すことも検討したが,幾つかのコメントで,これらの記号は,

あまりにも類似しているため,多くの表示装置では 4 m の距離からの区別が困難であると結論した。


31

T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

このため,その他の手段を利用して優先度を示すことを可能にした。例えば,

高優先度アラーム状態の

視覚

アラーム信号は,赤にするか,又は赤の背景に配置することができる。区別しやすくするため,特別

な記号,文字又は単語を付け加えることができる。例として,同じ 3 個の三角形で

高優先度アラーム状態,

同じ 2 個の三角形で

中優先度,1 個の三角形で低優先度を表すことができる。

表 では,低優先度の表示として,シアン色を追加した。低優先度を中優先度から色によって区別する

ことは,

ユーザビリティの改善になる。歴史的に,容易に入手できたのは赤,黄色及び緑のランプだけで

あった。今日では,はるかに広い範囲の色が容易に入手できる。ここでは,容易に入手しやすい色を一つ

追加した。

6.3.3 

聴覚アラーム信号 

聴覚

アラーム信号の主な目的は,操作者の注意を喚起することである。さらに,操作者が次を容易に識

別できるようにすることが望ましい。

アラーム状態の開始又は存在。

操作者の対応が必要な場合,その緊急度。

アラーム信号を発生している装置の設置場所。

本体 6.3.3 の要求は,

機器の聴覚

アラーム信号がこの目的を確実に達成できるようにすることを意図して

いる。

正常な使用で操作者が常時立ち会う機器と立ち会わない機器とでは,聴覚アラーム信号に関する要求事

項が異なる。

6.3.3.1 

聴覚アラーム信号の特性 

6.3.3.1 a) 

表 及び表 では,高優先度,中優先度及び低優先度に対する特徴的に異なった聴覚アラーム信号を定

義している。聴覚

アラーム信号によってアラーム状態の開始又は存在を操作者が識別できるために,これ

らの聴覚

アラーム信号が他の音とは異なって聞こえることが望ましい。高優先度の聴覚アラーム信号は,

他の音(例えば,ポケットベル,電話など)とは大きく異なるようにすることが多い。

操作者が聴覚的な

手段だけで対応する

アラーム状態の優先順位を容易に識別できるように,アラーム信号は,優先順位でパ

ターン化する。

表 及び表 に適合するか,又は音声合成などの他の技術(すなわち,パルス及びバーストを使用しな

い)を使用する少なくとも 1 組の聴覚

アラーム信号を備えることを要求することによって,責任部門が常

に全ての

アラームシステムで認識できる標準的な 1 組の聴覚アラーム信号を選ぶ選択肢をもつことを保障

している。

表 及び表 並びに附属書 に適合する他の組合せを使用する場合は,妥当性確認を必要とし

ない。

表 及び表 に適合していない他の組合せでも,優先度がパターン化され,かつ,その妥当性確認

がなされている場合は,使用することができる[6.3.3.1 b)  参照]

責任部門は,アラーム初期設定として

これらのいずれか一つを設定することができる。

表 及び表 は,主としてバースト内のパルスの数及びリズムによって,優先順位の違いを示している。

高優先度のバーストは,10 個のパルスからなり,二つの全く同じ 5 個のパルスのグループを各グループ間

に休止期間を設けて繰り返す。

中優先度のバーストは,3 個のパルスからなる。低優先度のバーストは,1

個又は 2 個の

パルスを含むことができる。

追加的な優先度情報又は相対的な緊急度情報を報知するために,他の形式を使用することもできる。例

としては,

パルス間隔,バースト間隔,パルス幅及びその他のパルスの特性などがある。高優先度の聴覚


32

T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

アラーム信号には,低優先度のアラーム信号よりも頻繁に繰り返すより短いパルスを使った更に高速のバ

ーストを使用することが望ましい。

この規格に適合する聴覚

アラーム信号は,ISO 9703-2:1994 に適合する聴覚アラーム信号とほぼ同じ音に

なるはずである。

注記 ISO 

9703-2:1994

は,この規格の対応国際規格が 2003 年に発行されたため,2004 年 9 月に廃止

となった。

表 及び表 の聴覚アラーム信号を要求することによって,責任部門が常に,アラームシステムで認識

できる標準的な聴覚

アラーム信号を選ぶ選択肢をもつことを保障している。

操作者に要求される対応の緊急度は,表 及び表 に低優先度,中優先度及び高優先度アラーム信号に

対して規定している様々な

バーストパターン,バーストの速度,パルス幅,繰返しレート及び相対的な音

量によって示すことができる。

附属書 には,どのような要因がバーストの報知する緊急度に影響を及ぼ

すかを示してある。

製造業者は,表 及び表 に適合し,かつ,特定のアラーム状態への操作者の対応の

相対的な緊急度に対して適した値を選択する場合に,これが役に立つことが分かる。ある優先度内の

アラ

ーム状態の緊急度の繰上げも,同様な手段によって操作者に示すことができる。

表 及び表 に適合する聴覚アラーム信号には,メロディを組み込む必要はない。しかし,メロディを

使用する場合には,メロディの意味は,

附属書 に規定したとおりになっているか,又は附属書 と混同

しないように設計する必要がある。したがって,

附属書 は表 及び表 に適合している大多数のアラー

ム信号に対してピッチのパターン(メロディ)を標準化することを試みている。

(既に説明したように)

患者を看護する一つの区域内で多くのアラームシステムがアラーム信号を発生

することが多い[23]。

バースト内の全てのパルスのピッチが同じ場合でも,多くの操作者は,音色,総合

的ピッチ及び繰返し数の違いを認識することを身に付けることができる。個々の

パルスのピッチが簡単で

標準的な“メロディ”を作り出すように変更した場合,平均的な人は,約 6∼8 のメロディを認識し,かつ,

発生している信号及び機器の種類を特定する。

メロディの数を制限し,かつ,

附属書 に規定した分類と確実に関連付けた場合には,操作者は,特定

のメロディが何を意味するかを“知り”,この情報を利用して,

アラーム状態の機器を見付けるために役

立つ。メロディの数が増加することを制限しなかった場合は,多くの異なるメロディが

操作者に提供され

ることになる。このために混乱が生じ,役に立たなくなるばかりでなく危険になる可能性がある。逆に,

ある種類の機器が完全に同じ音を発生した場合は,多くの機器が一つの場所に存在するような状況では,

聴覚的な手段によって

アラーム信号の発生源を特定することが困難になることがある。

委員会の意見は,

リスク分析によって ME 機器用のメロディの数をある程度制限することが望ましいと

いうものであった。問題は,設計を過度に制限しないで適切な規定とすることであった。

附属書 のメロディは,委員会の中の音楽に精通した委員からの提案である。各メロディは,他のメロ

ディから明瞭に異なるように選定した。

アラーム状態を分類し,各分類に対してどのようなメロディを対

応させるのがよいかについて,両者の音響心理学的な関係を考慮しながら慎重に検討した。詳細は,

附属

書 に対する根拠を参照する。

メロディの使用を意図する

製造業者は,機器の主要な機能を基準にして,最も適切なメロディを附属書

F

から選択することが望ましい。

製造業者が他のメロディの使用を意図する場合は,意味(カテゴリ)が

同じでない限り,そのメロディは,

附属書 の他のメロディと容易に混同しないようにすることが望まし

い。メロディの定義した特性は,

バースト内の連続するパルス間の相対的なピッチの差である。絶対的な

ピッチの変更は可能である。


33

T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

多機能機器の場合は,機器の主要な機能を示す一つのメロディを使用するか,又は機器の各々の機能サ

ブシステムに対して異なるメロディを使用することもできる。

機器の主要な機能を示すメロディに加えて,

あらゆる機器で,機器の故障又は電源の遮断を示す特有のメロディを追加して使用することができる。

6.3.3.1 b) 

本体の 6.3.3.1 b) で規定している“異なる技術”とは,電子音発生とは異なるものを指している。聴覚

アラーム信号の発生方法としては,ブザー,電子的音響発生器,音声合成器など,様々なものがあるが,

そのうちの幾つかは,優先順位を示すために使用することができる。

表 3−聴覚アラーム信号のバースト特性 

表 4−聴覚アラーム信号のパルス特性 

表 及び表 は,ISO 9703-2 [26]が示した聴覚アラーム信号に対する要求事項を基にして作成した。こ

れらの特徴的パターン又はリズムは,10 年以上にわたって使用され,臨床的に十分に認められている。

3

及び

表 は,ISO 9703-2 の対応する表とは少し違っている。この修正の意図は,著しい変更を加えるよ

りも,解釈を単純化し,自由度を増すことである。

操作者がアラーム状態の機器を迅速に発見するのに役立つので,聴覚アラーム信号の発生場所を特定す

ることは有用である。聴覚

アラーム信号が四つ以上の高調波を含んでいることが確実な場合は,その発生

場所の特定が容易になる。低い周波数の音の場合は,場所の特定が難しいので,基本周波数の下限を 150 Hz

に設定した。騒音環境又は加齢による聴力低下のために,通常高い周波数の聴覚能力が損なわれるので,

全ての高調波が確実に聞き取れるように,基本周波数の上限は,1 000 Hz に設定した。

バースト間隔を決定する際には,リスク分析を行って慎重に検討する必要がある。バースト間隔が短い

と,迷惑な雑音になり,問題に対処している

操作者又はその他の人とのコミュニケーションを損なうこと

がある。さらに,

正常な使用時に操作者が常時立ち会って使用すること意図している機器の場合は,短い

バースト間隔は適切でない。逆に,バースト間隔が長いと,操作者がアラーム状態の機器を素早く識別す

ることが難しくなることがある。特に,

正常な使用時に操作者が立ち会わないことを意図している機器で

は,こうした問題が生じる。

製造業者に対しては,リスク分析に基づく可能な限りでの最長のバースト間

隔を決めることを推奨する。個別規格の作成者に対しては,担当する個別規格でのアラームシステムを規

定する場合に,聴覚

アラーム信号の最長バースト間隔が適切なものになるように慎重に検討することを推

奨する。

ISO 9703-2

とこの副通則との主な違い及びこの副通則での要求事項に対する理由を,次に記載する。

1)

この副通則での

パルス間隔の定義は,ISO 9703-2 とは異なっており,設計の自由度が大きくなる。パ

ルス間隔を,一つのパルスの終了から次のパルスの開始までの時間と定義した。その結果,ISO 9703-2

では生じるおそれのあった重複は生じない。実際に,

パルスがほとんど重複してしまう高優先度のア

ラーム信号の場合を除けば,ISO 9703-2 に適合する全ての聴覚アラーム信号は,この副通則にも適合

する。理由は明確であるが,ほとんどの

製造業者は,パルスが重複しないようにしていた。委員会は,

パルス相互間に適切な間隔があり,かつ,パルスの重複が生じないようにするほうがよいと考えた。

2) ISO 

9703-2

では,各

パルスの間隔が同じであった場合,リズムが意図したものにならなかった。表 3

は,この問題に対処するために書き直した。パターンに特徴をもたせることが確実にできて,しかも

タイミング全体に自由度をもたせるために,この規格では,1

バースト内の全てのバースト間隔が同

じになることを要求している。許容誤差±5 %は,適切なものといえる。

3) 

高優先度アラーム信号は,それぞれ 5 パルスから成る 2 グループで構成されるが,そのグループ間の

時間(5 番目の

パルスと 6 番目のパルスの間の時間)は,最初のグループの最後のパルスの終わりか


34

T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

ら次のグループの最初の

パルスの開始までの時間と新たに定義した。これに対応する ISO 9703-2 の要

求事項では,最初のグループの開始から次のグループの開始までの時間として定義していた。実際に

は,この時間が許容できない程度まで短くなる可能性があった。このため,ISO 9703-2 の要求事項に

適合している

製造業者は実際にはほとんどなく,この副通則で採用したような解釈に従っていた。休

止間隔を設けた意図は,最初の

パルスグループで操作者の注意を引き,第二のグループでアラーム状

態の重要性を強調し,さらに,操作者が気付いた後にアラーム状態の機器を識別することに役立てる

ためである。

4) 

バースト間隔を更に広げることも許容できる。正常な使用時に操作者が立ち会っていないアラームシ

ステムの場合は,ISO 9703-2 の要求事項は,適切なものではない。最適なバースト間隔を決めるため

には,意図した使用環境での

アラーム状態に対する臨床上の要求についてのリスク分析及び慎重な検

討が必要である。

バースト間隔が短いと騒音となって,問題に対処している操作者間のコミュニケー

ション又は他の人員のコミュニケーションを妨げることになる。このため,

正常な使用時に操作者が

常時立ち会うことを意図している機器では適切ではない。逆に,

バースト間隔が長いと,操作者がア

ラーム状態の機器をすぐに識別することに支障を来すおそれがある。製造業者及び個別規格の作成者

に対しては,

リスク分析と整合性の取れた最長のバースト間隔を採用することを推奨する。考慮が必

要な事項として,次のものがある。

アラームシステムは,正常な使用時に操作者が常時立ち会っていることを意図しているか。この場

合には,

バースト間隔が長い方が適している。

例  麻酔器

−  関係する機器の種類。

例  経腸栄養ポンプは,重症看護用人工呼吸器より長いバースト間隔をもっていることが望まし

い。

アラームシステムがセントラルモニタシステムなどの遠隔にある分散形アラームシステムに接続さ

れているか。そのように接続がない

アラームシステム[単体(スタンドアロン形)の機器]は,識

別を容易にするために,

バースト間隔をより短くすることが望ましい。

−  追加又は代替の報知システムの存在及びその有効性(第二の視覚的な

アラーム信号,振動によるア

ラーム信号,廊下のアラーム灯,アラーム用ポケットベルなど)。代替的アラーム信号が有効に発生

すれば,

バースト間隔は長くてもよい。

5) 

高優先度の聴覚アラーム信号のパルスは,緊急性がより高いことを確実に認識するために,中優先度

の聴覚

アラーム信号のパルスよりも“速い”ことが望ましい。したがって,高優先度アラーム信号に

対する有効

パルス持続時間については,中優先度の持続時間よりも短くすることを要求している。

6) 

低優先度の聴覚アラーム信号発生は,強制ではないが,発生する場合は,そのパルスは一つ又は二つ

とする。他の信号に比べると耳障りではなく,かつ,

中優先度のアラーム信号より緊急性が低いと認

識できることが望ましい。

7)

一つの

バースト内でのピッチの高低は,許容する。ISO 9703-2 では,ピッチが 1 方向にだけ変化する

ことを要求していた。しかし,これは安全上の利点もなく,かつ,設計を過度に制約すると考えた。

8)

四つの高調波を含むという ISO 9703-2 の要求事項を若干変更した。純粋な正弦波音響信号の場合,反

射及び定在波があると,その発生場所を識別することが困難なことがある。四つ以上の音響的な高周

波を聴覚

アラーム信号に確実に組み込むようにすれば,信号発生場所の特定が容易になる。高調波は,

聞き取れないほど弱くもなく,また,過度に大きくないことが望ましい。単純なシステムでは,高調


35

T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

波成分の厳格な管理が困難なため,達成することができる妥当な目標として,±15 dB(音圧レベル相

対値)という値を選定した。音圧レベル相対値の単位としては一般的に,デシベルを使用しているの

で,基本波の音圧レベルと高調波の音圧レベルとの比を表現するためにはデシベルを用いた。高調波

成分の選択については,大きな自由度があるので,音質の非常に異なる音を発生することが可能であ

る。

9) 

パルスの立下り時間は,この規格では制限を緩めた。次のパルスに重複しなければ,どのような時間

にしてもよい。ISO 9703-2 の場合は,

立上り時間と立下り時間とが同じになることを要求していた。

このために,設計に過度の制約を課していたことが分かった。この新規格の場合,

製造業者は,より

特色のある包絡線の音を作ることが可能になる(ベル音のような減衰又は残響効果など)

パルスの立上り時間は,パルスの持続時間の 10 %∼20 %と規定した。ISO 9703-2 から大きな変更は

ない。

立上り時間がより短くなると,より高い緊急性を表すことができるが,押し付けがましく,

かつ,びっくりさせるものになってしまう。

パルス周波数に関する要求事項には,変更がない。周波数が低いと信号発生場所の特定が難しくな

るため,基本周波数の下限値は,150 Hz に設定した。長時間の騒音環境又は加齢のために,通常,

高い周波数音域での聴力は劣化する。このため,全ての高調波が確実に聞こえるように,基本周波

数の上限値は,1 000 Hz に設定した。

製造業者は,この範囲内で任意の周波数を選択できる。ピッ

チが高いほど,緊急性が高いことを表している[11]。

バースト内の任意の二つのパルスの振幅差は,10 dB 以下であることが望ましい。ここでも,これ

は相対音圧レベルの比(すなわち,単位に dBA を用いる絶対音量の違いではなく)のことを指す。

この要求事項は,ISO 9703-2 と同じである。全ての

パルスを同じ振幅にするほうが簡単であるが,

バースト内の初期パルス振幅を後のパルス振幅より幾分小さくするほうが,びっくりさせるような

音になりにくいかもしれない。

6.3.3.1 c)

f) 

製造業者は,聴覚アラーム信号の組合せを複数使用することができる。各々の聴覚アラーム信号の組合

せが

表 及び表 4(又は附属書 F)に適合している場合は,ユーザビリティ試験による妥当性確認は不要

である。標準的ではない他の聴覚

アラーム信号の組合せ[すなわち,表 及び表 4(又は附属書 F)に適

合していない

アラーム信号の組合せ]を使用する場合は,それらが標準的な音と同等の安全性を確実に確

保できるように,臨床での

妥当性確認が必要である。標準的でない音の使用を認める意図は,責任部門が

臨床の場で長期間問題なく使用してきて“経験的に妥当性を確認した”標準的ではない音の組合せを引き

続き使用することを認め,かつ,この副通則が設計を過度に制限しないことを保証することである。例え

ば,

責任部門は,ICU で人工呼吸器の幾つかが一つのアラーム信号音を発生し,他のタイプの人工呼吸器

が異なった音を発生することを好むかもしれない。この副通則に上記のような柔軟性をもたせることによ

って,過度に設計を制限することなく,また,改良した聴覚

アラーム信号が将来よりよいものになってい

くことが望ましいというのが最終結論である。

聴覚

アラーム信号の組合せを選定する場合,責任部門は,同じ意味の場合を除いては,患者看護区域内

の他の機器(例えば,ポケットベル,携帯電話)の発生音が,選定した医用聴覚

アラーム信号音と混同さ

れないことを確認するのがよい。

機器を設計する場合に,調和のとれたシステムとして

アラームシステムを統合し,操作者対応が必要な

アラーム信号の総数を最低限にするように,最大限の努力をすることが望ましい。これは,一つの問題に

対して複数の

アラーム状態がアラーム信号を発生する場合には,重要なことである。


36

T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

ポケットベル,電話などの非医用機器からの信号が,医用

アラームシステムの聴覚アラーム信号に似て

いることがある。聴覚

アラーム信号を設計するときには,その機器の使用を意図している通常の環境条件

を考慮して,

アラーム信号のスペクトル成分及び振幅を基にアラーム信号の発生源の認識及び識別が容易

になるように注意を払う必要がある(

附属書 参照)。

注記 1  この副通則は,聴覚アラーム信号を備えている場合,必要とされる操作者応答の緊急度レベ

ルを伝えるために,パターン化した 1 組の聴覚

アラーム信号を要求している。このほかに,

操作者の応答又は知覚の性質を分類して対応し,かつ,必要な操作者応答の緊急度レベルの

度合いにも対応できるような聴覚

アラーム信号の他の組合せも考案されてきた[18]。

ユーザビリティ試験は,臨床試験とはかなり異なるものであるが,使いやすくて安全な機器を生産する

ためにはその重要性は同じである。この試験は,

操作者のインタフェース及びそれに対する操作者の反応

に注目する。

ユーザビリティ試験は,関係する操作者の数によるが,使用モデル当たり 1 週間を要するこ

とがある。このような試験は,医療現場ではない事務所のような環境で行うことができる。この試験を実

施することによって,実際の使用環境で起こり得る障害を防止できる。

ユーザビリティ試験の形式は,様々

であるが,試験実施者が,機器に対する指示課題について調査するとともに自己調査もするものが典型的

なものである。試験管理者は,現実味を増すために必要な特別な指示及び助言を与えることができる。

作者は,機器の操作中はその使用に集中し,調査者は,観察結果を記録する。操作者は機器の使い方を学

習するために数週間を費やすことがある。この期間に

操作者が操作上の問題又は不満の原因に遭遇するか

どうかは,

操作者が機器をどれほど多く使用するか,かつ,どの仕事を実行したかに大きく依存する。ユ

ーザビリティ試験は,実際の初期段階での使用を,より短い時間枠,通常は 1∼4 時間に圧縮して実施す

る。

ユーザビリティの問題点を探す場合に,調査者は,操作者に各々の仕事の手順を質問し,操作者が考え

ていること,

操作者が予想している決定,いらだち,利点などを述べてもらう。ユーザビリティの問題点

は,

操作者が機器の電源を入れようとして,電源スイッチを見付けることができないときのように,すぐ

に表面化することがある。このような場合,

操作者は,次のように言うかもしれない。

“さて,私は電源を“入”にしようとします。私は前面パネルを見ていますが,目に付くものは何も

ありません。私は“スタンバイ”というラベルの貼られているスイッチを見ていますが,私はそのスイ

ッチで機器が“入”になるとは思えません。普通は,機器を“切”にせずに,節電するためにそのボタ

ンを押すでしょう。私は背面に手を回しますが,何も見付かりません。私はここにスイッチがあるのだ

と思っていました(

操作者はコントロールパネルの右下を指差す。)。普通は,電源を“入”にすれば,

この緑のライトが多分輝くでしょう。ああ,分かった(

操作者は,ライトを押す。)。このライトがスイ

ッチだ。あなたは電源を“入”にするためにそれを押すと思います。私にはそれが分かりませんでした。

ユーザビリティ試験の実施計画書には,頻用する使用計画及び最悪の使用計画を含むことが望ましい。

制限時間を定め,機器のラベルを外し又は

操作者に取扱説明書を見せずに,機器に故意のトラブルを発生

させることによって,

操作者が機器をどのように使用するかに対するストレスの影響を調査することがで

きる。調査者は,最悪の

使用計画を作成して,操作者がどのように反応するかを調査することができる。

試験の結果は,数人の

操作者について比較することができる。臨床試験では,ユーザビリティについて明

確に焦点を当ててはいないので,このような試験を

製造業者が実施することによって,臨床試験では見逃

してしまう多くの

ユーザビリティに関する問題を調査者が幅広く収集できることが理解できる[25]。

注記 2  IEC 60601-1-6 に留意する。


37

T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

6.3.3.1 g) 

アラームシステムが,聴覚アラーム信号の複数の組合せを備えている場合,製造業者は,アラーム初期

設定用には,この中から 1 組の聴覚アラーム信号を選定しなければならない。アラームシステムがリセッ

ト及び電源障害後に,前とは異なる音を発生すると危険なため,原案を作成した委員会は,この要求事項

を規定した。

製造業者が選定したアラーム初期設定を責任部門が変更して,都合のよい聴覚アラーム信号の組合せを

選べることが望ましい。例えば,

責任部門が操作者になじみのある聴覚アラーム信号の組合せ又は様々な

種類の機器を区別できる聴覚

アラーム信号の組合せを選択できることが望ましい。

6.3.3.1 h) 

アラームプリセットは,アラームシステムの性能に影響するあらゆるパラメータの組合せを記憶するこ

とができる。そのようなパラメータの組合せでは,聴覚

アラーム信号のセットを選ぶことができる。そし

て特定の

アラームプリセットを読み込んだときに,その聴覚アラーム信号の組合せを使えることになる。

手術室,ICU,一般病棟など異なる

患者看護区域で使用する機器のためにアラームプリセットを設定する

場合,この選択機能が有用なものであることを,

責任部門は分かる。操作者がアラームプリセットを記憶

させることができると,

操作者は,一番なじみのある聴覚アラーム信号を用いてアラームシステムを迅速

に構成することが容易になり,この機能が有用なことが分かる。

[故障の場合の信号] 

アラームシステムの電源の故障のように,アラームシステムがその意図した機能を遂行できないような

故障が幾つかある。その場合は,このような

機器アラーム状態を示すためのアラーム信号を発生させるた

めに,バッテリでバックアップした簡単な聴覚音発生器などを使用できる。可能ならば,

表 及び表 

びに

附属書 の“装置故障又は補給品不具合”のメロディに適合する聴覚アラーム信号を,アラームシス

テムが発生するのが最良である。しかし,これは,実施が不可能なことがあり,このような目的のために

は,標準的ではない聴覚

アラーム信号を許容できると認めた。

電源又は

アラームシステムの故障を示す聴覚アラーム信号は,少なくとも 120 秒は発生することが望ま

しい。このことは,

生命維持 ME 機器又は生命維持補助装置では特に重要であり,操作者が即刻行動を起

こさなければ,機能喪失のために

患者が危険状態に陥ってしまう。生体情報モニタの場合も,同様な信号

を考慮することが望ましく,

操作者が故障に気が付き,臨床の場で適切な対応が確実にできるようになる。

責任部門が適切であると決定した以外の非保持アラーム信号に対して,操作者が保持アラーム信号を選

べるようにすると,機器を担当する

操作者が交代した場合に危険上体が生じるおそれがある。6.7 の根拠

も参照する。

6.3.3.2 

聴覚アラーム信号及び情報信号の音量 

操作者が聴覚アラーム信号を聞いて,アラーム状態の開始又は存在を認識するためには,その信号が使

用環境の騒音レベルより音量が大きく,かつ,他の音と区別できる必要がある。

使用環境の騒音レベルが高いと,聴覚

アラーム信号がかき消されてしまうか,又はその発生に気が付か

なくて,

操作者が聴覚アラーム信号を聞き取れないことがある。逆に,聴覚アラーム信号のレベルが使用

環境の騒音レベルに比べて非常に高いと,過度に押し付けがましくなるか,又は驚かせるようなものにな

ってしまう。その結果,

操作者がアラームシステムを不用意に不活性化する可能性がある。

使用環境の騒音レベルが既知で一定である

患者看護環境では,聴覚アラーム信号の音量を一定にしてお

くのが合理的である。このような一定の聴覚

アラーム信号の音量レベルは,確実に検知できる程度までバ

ックグラウンドの騒音レベルより大きく,しかし,過度に驚かせたり,又は押し付けがましいような程度


38

T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

までは大きくないようにすることが望ましい。臨床的な経験から,45∼85 dB の値がほとんどの場合に押

し付けがましくなく,かつ,確実に検知されることが分かっている。

多くの

患者看護環境では,使用環境の騒音レベルは一定ではない。手術室の使用環境の騒音レベルは,

50∼85 dBA まで変化することがある。さらに,あるタイプの機器は,数々の異なった患者看護環境で使用

することができる。家庭,集中治療環境又は

患者の搬送中に使用することができる人工呼吸器がこの例で

ある。

考えることができる全ての

患者看護環境で発生する可能性がある広範な使用環境の騒音レベルに対して,

委員会は,この副通則が聴覚

アラーム信号に対する音量の絶対値レベル又はレベルの範囲を指定すること

は適切でないと考えた。したがって,

アラームシステムの設計者は,意図した使用環境における代表的な

使用環境の騒音レベル(及びその変動幅)を熟知していることが望ましい。使用環境の騒音レベルが変化

する場合に使用する

アラームシステムは,感知する音の大きさが使用環境の騒音レベルの変化にかかわら

ず同じとなるように,聴覚

アラーム信号のレベルを手動で調整するための手段を備えているか,又は聴覚

アラーム信号のレベルを自動的に調整できることが望ましい。

一般に,音が大きいほど緊急性が高いと認識するので,

低優先度の聴覚アラーム信号は,高優先度のア

ラーム信号より大きくしないことが望ましい。高優先度の聴覚アラーム信号が低優先度の信号よりもはる

かに大きい場合は,驚かせるか又は押し付けがましいことがある。したがって,音量範囲を 0 dB(音量が

等しい)∼12 dB とした場合,

高優先度の聴覚アラーム信号の大きさを中優先度の聴覚アラーム信号より

も約 6 dB 大きくすることが適切である。

中優先度及び低優先度のアラーム信号は,同じ音量にすることが

望ましいが,異なる場合は,その差は,6 dB 以下とすることが望ましい。

聴覚

情報信号(パルスオキシメータの“同期音”,電気メスの“出力中”の表示器など)の音量レベル及

び聴覚

アラーム信号の音量レベルの両方を適切なレベルに設定できるように,独立に調整できることが望

ましい。聴覚

アラーム信号及び聴覚情報信号の音量レベルが独立に調整できない場合,情報信号の音量レ

ベルは,

低優先度,中優先度及び高優先度の聴覚アラーム信号の音量レベルより低い音量レベルにするこ

とが望ましい。聴覚

情報信号は,押し付けがましくなく,驚かせることなく,かつ,連続しないことが望

ましい。

聴覚

アラーム信号の音量が意図した使用環境に対して適切であるかどうかを操作者が判断できるよう

に,

アラームシステムの聴覚アラーム信号の音量(可能な場合は,音量の調整範囲)を,操作者に開示す

ることが望ましい。

6.3.4 

音声アラーム信号の特性 

音声

アラーム信号は,高優先度,中優先度及び低優先度のアラーム信号に対して使用してもよく,また,

情報信号にも使用してよい。附属書 も参照する。

音声

アラーム信号は,操作者が常時立ち会うことを意図したアラームシステムに対してだけ備えること

を考慮するのがよい。

6.4 

遅延の開示 

生体アラーム状態又は機器アラーム状態が生じた場合には,アラーム信号を迅速に発生することが望ま

しい。例えば,臨床医は,心拍数が

アラーム設定値の下限値よりも低い値に突然低下した場合は,アラー

ム信号が発生するものと思っている。又は,無呼吸若しくは不全収縮が生じた場合にも,すぐにアラーム

信号が発生すると思っている。これが通常の場合である。

しかし,

アラーム信号発生を遅延させて,その遅延に臨床的な意義がある場合もある。この副通則は,

こうした遅延の原因として,本質的に異なる二つの可能性があることを認めている。


39

T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

第一に,

アラームシステムが,患者に正当なトリガ事象が発生した後に,アラーム状態になったと判断

するためにある程度の時間を要することがある。この遅延を

アラーム状態遅延時間と定義する。これは,

次のいずれかに基づく。

−  アーチファクト除去アルゴリズム

−  アルゴリズムに事象検出時間を含む

インテリジェントアラームシステム 

−  非周期測定(例えば,間欠的な非観血式血圧モニタ)

アラームシステムが変数を連続モニタするのではなく,非周期的測定をしている場合は,患者での事象

発生とその事象検出との間にはかなりの遅延があるかもしれない。

操作者がこのことを知らない場合は,

処置判断を誤ることがある。測定間隔時間は,

アラーム状態遅延時間の一部であると考える。

無呼吸又は不全収縮の場合は,一定の時間内に呼吸又は心拍を検出しなくなるまでは,

生体アラーム状

態とはならない。生体アラーム状態発生までに,この一定時間経過が必要なため,これは,アラーム状態

遅延時間に含めない。3.2 の根拠も参照する。

第二に,

アラームシステムがアラーム状態になったと判断してからアラーム信号発生まで,ある時間遅

れが生じることがある。この規格では,この遅延を

アラーム信号発生遅延時間と定義している。大部分の

アラームシステムでは,この遅延は,通常の場合臨床的には問題にならない。しかし,例えば,アラーム

信号を発生させるためにポケットベルシステム又はネットワーク化した遠隔機器を使用する場合には,重

要な問題となることがある。6.10 の根拠も参照する。

アラームシステムがアラーム状態の原因となる変数を連続モニタするのではなく,非周期的測定してい

る場合,例えば非観血式血圧モニタでは,更に複雑なことが起こることがある。

患者での事象発生とその

事象検出との間には,かなりの遅延があり得る。

操作者がこの遅延があることを知らないと,処置判断を

誤ることがある。

この場合には,測定間隔時間は,

アラーム状態遅延時間の一部であると考える。

図 A.1 に,生体アラーム状態の正規化した変数に対するアラームシステムの遅延要素を示す。

図 A.1−アラームシステムの遅延成分のグラフ表示 


40

T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

t

1

アラーム状態のトリガとなる事象が患者に発生する。t

2

アラームシステムがアラーム状態である

と判断する。

注記  この例では,アラーム設定値は 85 未満で,85 以下ではない。

アラーム状態遅延時間は,t

2

t

1

である。この遅延は,

アラームシステムでの処理及び平均化によるもの

である。

アラーム信号発生遅延時間は,t

3

t

2

である。この遅延は,

アラームシステムの基本的な考え方及

アラームシステム発生装置又は分散形アラームシステム(患者モニタ又はセントラルステーションな

ど)との通信時間に起因するものである。t

3

アラームシステムがアラーム信号発生を開始する。したが

って,総合的な

アラームシステムの遅延時間は,t

3

t

1

となる。

6.4.1 

アラームシステム遅延 

本体で規定している遅延時間は,臨床上の判断に基づくものである。この副通則の規定より短い遅延時

間は,臨床的には問題のないものと考える。

6.4.2 

分散形アラームシステムからの遅延又は分散形アラームシステムへの遅延 

分散形アラームシステムでは,アラームシステムの遅延に関する考察は,更に複雑になる。3.2 の根拠

も参照する。

操作者が分散形アラームシステムからの遠隔発生アラーム信号によって対処を決める場合,

分散形アラームシステムに関連した遅延についての知識が安全確保のために必要である。

分散形アラームシステムは,介護者(又は操作者)のために設置されるが,患者との距離は,短い場合

もあれば長い場合もある。このような

分散形アラームシステムでは,アラームシステムの製造業者が異な

ることがある。例として,次のようなものがある。

患者モニタ及びセントラルステーションネットワーク

−  セントラルステーションネットワークに接続し,かつ,別のネットワーク上に

アラーム状態を送信す

る特定のシステム

−  ネットワークから

アラーム状態を取得し,無線アラーム信号発生装置に送信する無線送信装置

こうした

分散形アラームシステムの各構成機器のために,アラーム信号発生遅延時間が増加することが

ある。

分散形アラームシステムの各構成機器の製造業者は,アラーム信号発生遅延時間を開示することが

望ましい。どの

アラームシステムを考慮するかによって,アラーム信号発生遅延時間に関係する要素には

次のようなものがある。

アラーム状態を検出した機器がアラーム信号を発生するまでの時間,又はアラーム状態が発生したこ

とを通信インタフェースを通じて他の構成機器に送信するまでの時間 

−  他の構成機器が

アラーム状態であることを受信してから,更に別の構成機器に対してアラーム状態が

発生したことを転送するまでの時間

−  他の構成機器が

アラーム状態発生であることを受信してからアラーム信号を発生するまでの時間

理想的には,

アラーム状態を検出した機器のアラーム信号発生遅延時間に最大の時間間隔を加えたもの

を,遠隔

アラーム信号発生遅延時間として附属文書に記載することが望ましい。しかし,一部の構成機器

は,ネットワークの非決定論的性質のために予測不能な遅延をすることがある。その場合でも,これらの

構成機器は次に述べる“時間切れ”機能をもっていることが望ましい。

分散形アラームシステムでは,どのような構成機器でも故障,又はアラーム状態が発生していることに

関する受渡しの遅延がある。通信故障(確認信号の受信不能,又は“応答確認”機能若しくは“時間切れ”

機能の障害)に対しては,一定時間後に

機器アラーム状態になるようにアラームシステムを設計すること


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T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

が望ましい。

アラーム状態検出の受渡し時間(すなわち,アラーム信号発生遅延時間へのアラームシステ

ムの関与の程度)の代わりに,製造業者は,アラーム状態検出又はアラーム状態検出の受信から機器アラ

ーム状態発生までの時間を開示してもよい。該当する場合は,両方の時間(アラーム信号発生遅延時間及

機器アラーム状態までの時間)を開示することが望ましい。

操作者及び責任部門が両方の時間を知ることは,患者安全のために重要である。

6.5.1 

一般要求事項 

操作者が機器の使用を開始するときに,アラームシステムがどのように作動するかを知ることが重要で

ある。結果として,

アラームシステムは,どのようなアラームプリセットに対しても,各アラーム状態に

対する優先度及び

アラーム設定値を知らせる必要がある。

6.5.3 

責任部門及び操作者が設定するアラームプリセット

責任部門が設定したか又は他の操作者が設定したアラームプリセットを操作者が変更できるようにし

ておくと,新しい

操作者がその機器を担当するようになった場合に,危険状態になることがある。6.7 

参照する。

製造業者が設定するアラーム設定値は,不必要なアラーム状態を最小限に抑えるためには十分に広く,

かつ,危険性のある状況を

操作者に注意喚起するためには十分に狭くしておくことが望ましい。

6.5.4.2 

アラーム初期設定の選択 

アラームシステムの稼動開始については,迷惑なアラーム信号を防ぐために,注意深く設計することが

必要である。旧式の ME

機器の場合,電源を入れると,ME 機器に患者を接続していないのに,アラーム

状態と判定して直ちにアラーム信号を発生したものがあった。その後の ME 機器では,電源を入れると,

アラーム停止又はアラーム音停止の状態に入り,これを操作者が注意深く手動操作によって終了させなけ

ればならなかった。さらに,ある ME

機器では患者を接続した場合,又は有効な生理学的な信号が最初に

発生した場合(例えば,ある時間間隔内の 5 回の正常な呼吸又は 5 回の心臓の鼓動)

,又は“新

患者入床”

認識機能を

操作者が働かせた場合に,アラームシステムが自動的に働くような安全性に関する機能を導入

した。

別の状況では,

患者と接続する前にアラームシステムを含む ME 機器の設定をしたい場合がある。この

場合,

操作者は,複数のアラームプリセットの中から一つを選択し,アラームシステムを稼動させずに,

予定

患者のためにアラームプリセットの値を修正し,ME 機器に患者を接続した後でアラームシステムが

手動又は自動で稼動状態になる。

最後に考える状況は,

アラームシステム又はアラームシステムの一部が別の機器中にある場合である。

例えば,ガス供給システムは,それ自身の

アラームシステムをもつ別のガスモニタを内蔵するかもしれな

い。又は,電子記録器若しくは別の機器は,幾つかの ME

機器からの信号を組み合わせて,単一のアラー

ムシステムに入力するかもしれない。この例では,主要な ME 機器とそのアラームシステムの電源を別々

に入れるかもしれない。他の例は,

患者モニタの分散形アラームシステムで,セントラルステーションを

もつものである。セントラルステーションの

アラームシステムは,患者を接続しないとき,動作しない方

がよい。初め示した ME

機器の例のように,実際に臨床で使用されるまでに,アラームシステムが働くこ

とは望ましくない。

アラーム初期設定を選ぶ場合,責任部門は,患者環境での他の装置(例えば,ポケットベル,携帯電話)

が聴覚

アラーム信号と混同される可能性のある音を発生しないことをチェックすることが望ましい。ただ

し,音の意味が同じ場合は除く。

6.5.5 30

秒以下の電源遮断 


42

T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

アラームシステムを備えた機器では,30 秒以下の電源(商用)遮断は,正常状態と考える。30 秒の時

間は,電源プラグを元通り

電源(商用)に差し込むか,又は非常用発電機を起動するのに十分な時間であ

る。

操作者が交換可能な内部電源を備えた装置では,素早く交換すれば,そのアラーム設定状態を維持す

ると考えてよい。

アラームプリセットは,そうした遮断の後でも変化しないことが求められる。

6.6.2 

調整可能なアラーム設定値 

操作者がアラーム設定値を極端な値に設定できる場合,アラームシステムの設計には注意が必要である。

操作者がそのように設定をすると,アラーム状態が実質的に不活性化しているという視覚的な表示がない

まま,聴覚

アラーム信号及び視覚アラーム信号の両方とも不活性化になる(5.2.1 の第 2 段落参照)。

実際の臨床の場では,

患者に対する適切なアラーム設定値の上下限の絶対的なものはないことに注意す

る必要がある。

アラーム信号が連続して間違ってアラーム状態を示すかもしれないからである。

アラーム設定値を検証する使用前チェックリストの提供及び使用を推奨する。

6.6.2.2 

自動的に設定するアラーム設定値の表示 

偽陽性又は偽陰性アラーム状態を防ぐために,アラーム設定値を自動的に設定する手段の設計では注意

が必要である。場合によっては,自動設定値よりも広い又は狭い

アラーム設定値が必要になることがある。

6.6.2.3 

アラーム設定値又はアラームプリセット調整中のアラームシステムの作動 

アラームシステムが正常に機能し続けることは重要であるが,一方,操作者は,アラームシステムの一

部を設定変更する。過去には,一つの(

アラーム状態に対する)アラーム設定値を変更している最中に,

全ての

アラーム状態が事実上無効になってしまうような機器があった。さらに,この機器では,一旦変更

が終わった後にも,設定変更中に生じた

アラーム状態は,アラーム信号を発生しなかった。

6.7 

アラームシステムの保護 

アラームプリセットの保護の必要性及び複雑さは,アラームシステムの複雑さ及び患者又は操作者に対

する

アラームシステムの安全性の重要度によって異なる。どのような保護の場合でも,責任部門による実

施方法によってその有効性が大きく左右される。

操作者が安全性を危うくすることがないように,保護を

適切に制御できるのは

責任部門だけである。

従来機器の一部には,

アラームプリセット(アラーム初期設定を含む。)の設定に対するアクセスを制

限していないものがあった。そのような例では,

操作者は,故意か否かを問わずアラームプリセット(ア

ラーム初期設定を含む。)を変更していた。操作者が,機器がもっているアラームプリセットが実際には

異なっているのに,ある特定の

アラームプリセットを機器がもっていると思っていると,患者の安全性が

危険にさらされる。

製造業者は,この問題を防ぐためにアラームプリセットの記憶手段を設計するときには注意が必要であ

る。

アラームプリセットの設定にアクセスできるのは指定した人に制限する。制限については,複数のレ

ベルがあってよい。例えば,

操作者は,操作者の設定したアラームプリセットを記憶できるが,責任部門

の設定した

アラームプリセットは,保存できないことが望ましい。責任部門は,責任部門の設定したアラ

ームプリセットを保存できることが望ましい。製造業者だけが製造業者アラーム初期設定を保存できるよ

うにすることが望ましい。

責任部門の設定したアラームプリセットのためのパスワードを技術解説(サービスマニュアル)に印刷

している例があった。しかも,そのマニュアルを

操作者のアクセスできる場所に置いていたために,操作

者がパスワードを知ってしまった。このようなパスワードは,責任部門だけが使用できることが望ましい。

製造業者及び責任部門共に,そのようなパスワードの操作者へ開示を回避することが望ましい。したがっ

て,

製造業者は,パスワードの秘密保持に対する必要性を技術解説で強調することが望ましい(責任部門


43

T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

に対する指示)

同様に,

操作者が他の操作者の設定したアラームプリセットを変更できないようにするのがよい。解決

法の一つは,各

操作者が自分の操作者設定のアラームプリセットを記憶するためのパスワード保護であろ

う。

6.8 

アラーム信号不活性化状態 

委員会は,

アラーム信号の不活性化状態の名前について長時間を費やして議論した。これまでは,不活

性化状態を表現するために次のような用語を使用していた。

− Silence

− Silence/Reset

− Pre-Silence

− Mute

− Suspend

− Disable

− Inhibit

− Prevent

− Pause

− Off

注記  ここで取り上げた用語は,欧米の機器で使用されてきたものである。日本では,アラーム信号

不活性化状態を表現するために,次のような用語を使用していた。

−  停止

−  中断

−  解除

−  休止

−  消音

−  ミュート

−  ポーズ

−  オフ

製造業者が異なると意味が異なるため,このような状況は問題である。

“Silence”を,一時的又は限定的

な時間の継続及び永久的な(時間を限定しない)継続状態の両方の意味で使用していた。さらに,これら

の用語及び状態を,

アラーム信号を発生するアラーム状態だけに適用した製造業者もいれば,他方では,

これらを

アラームシステムの中のあらゆるアラーム状態に適用した製造業者もいる。“アラーム”という

用語を聴覚

アラーム信号だけを意味するために使用した製造業者もいれば,聴覚アラーム信号と視覚アラ

ーム信号の両方を意味するために使用した製造業者もいた。その結果,操作者は混乱し,様々な名前が実

際に何を意味するか分からなくなってしまった。 

これまでの規格で使用した用語は,“Suspend”

“Disable”及び“Inhibit”であった。これらの用語には

二つの問題があった。第一に,意味が直感的に明白ではなかった。第二に,ある場合には聴覚的

アラーム

信号だけに適用し,ある場合には聴覚的アラーム信号及び視覚的アラーム信号の両方に適用していた。そ

の結果,混乱が続いた。

これらの用語を英語以外の他の言語に翻訳しようとすると,更に問題が生じる。

この副通則の初期の案では,複数の

アラーム信号の不活性化状態を表によって表していた。アラーム信


44

T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

号発生及び非発生,現在及び将来のアラーム状態,再現又は継続するアラーム状態,聴覚アラーム信号,

並びに遠近両方で視覚可能な

アラーム信号に関する各状態に対する影響を列で表示した。表の各欄の記載

内容については,意見が一致しなかった。意見が一致したとしても,複数の様々な状態の違いを

操作者が

覚えきることは,できなかったであろう。

したがって,委員会は,表現は異なっても明確に同一の意味をもつ用語のグループを少数に絞り,それ

を用いることに決定した。

選択したのは,次の名前である。

−  アラーム音停止(AUDIO OFF)

−  アラーム音中断(AUDIO PAUSED)

−  アラーム停止(ALARM OFF)

−  アラーム中断(ALARM PAUSED)

異なった用語である“アラーム音(AUDIO)

”及び“アラーム(ALARM)

”を使用したので,

操作者は,

次のことが明確に分かるはずである。つまり“アラーム音(AUDIO)

”は,聴覚的な“

アラーム信号”だ

けを指し,

“アラーム(ALARM)

”は,聴覚的な

アラーム信号と視覚的なアラーム信号の両方を指す。同

様に,

“停止(OFF)

”及び“中断(PAUSED)

”を使用したので直感的に明白であるはずである。直感的に,

“停止(OFF)

”と言えば,次に元に戻るまで停止の状態が続くことが予想できる。

“中断(PAUSED)

”と

言えば,

いつかは元に戻ることが予想できる。

単純な 2×2 のマトリックス,

すなわち“

アラーム音(AUDIO)

アラーム(ALARM)”と“停止(OFF)/中断(PAUSED)”とによって,アラーム信号の不活性化状態

を全て合理的に表示できる。

大幅な単純化の結果,上記四つの状態を,単一の

アラーム状態,グループ化したアラーム状態又はアラ

ームシステム全体にも適用するという決定にも及んだ。したがって,従来の ME 機器及び様々な規格で使

用してきた

アラーム信号不活性化状態に対する全ての呼称は,これらの新用語の使用によって理解され直

すことになる。

製造業者に対しては,機器及び取扱説明書でこの副通則で定義した不活性化状態を使う場合,そのアラ

ーム信号の不活性化状態に対して,ここで定義した用語の使用を強く推奨する。その結果,操作者は,全

ての

アラームシステムに共通した機能に対して統一した名前が付けられていることを理解し,身に付けて

いくであろう。

6.8.1 

一般 

アラーム信号が継続的に発生していると,業務効率が低下し,新しいアラーム状態の検出及び既存のア

ラーム状態と新たなアラーム状態とを区別することが困難になる。操作者がアラーム信号の発生を止める

ことができる

アラーム音中断,アラーム中断,アラーム音停止及びアラーム停止のような状態にするため

の意図的な手段を

操作者に提供することは重要なことである。

アラームシステムには,これら全ての状態にすることができる操作者の制御機能をもつことは要求しな

い。

アラームシステムには,アラーム信号発生を止めるための手段を少なくとも一つもつことを要求する。

不必要な視覚

アラーム信号が存在すると,表示が分かりにくくなり,かつ,新たなアラーム信号に対す

る反応が低下することがある。

操作者は,次のいずれかの場合に視覚アラーム信号を不活性化することが

できる。

−  その機器又はシステムのある機能を使用しない場合

−  その機器又はシステムのある機能が機能していない場合

−  モニタしている変数が

偽陽性アラーム状態を頻繁に発生する場合


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T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

−  モニタしている変数が

アラーム状態であることが既知である場合

上記の場合,

製造業者は,アラーム音中断又はアラーム音停止のアラーム信号を不活性化状態にしたと

きに,視覚

アラーム信号も不活性化するかどうかを検討することが望ましい。特に,アラーム表示光につ

いては注意深く検討することが望ましい。

委員会は,一つ,複数又は全ての現在発生していない

アラーム信号及びその他の問題に関連して,現在

発生している

アラーム状態のアラーム信号の振舞いについて取り組んだ。その結果,不活性化は,一つの

アラーム状態,1 グループのアラーム状態若しくは全てのアラーム状態に対して,又は(分散形アラーム

システムの場合には)一部若しくは全てのアラームシステムに対して適用することができることで合意し

た。さらに,

アラーム信号の“グループ”の定義は,“呼吸器系,心臓系,体温などの伝統的な生理学的

グループ”である必要はなく,現在発生している全ての

アラーム信号又は操作者がリストから選択した全

ての

アラーム信号であってもよいと考えた。

6.8.2 

リマインダ信号 

リマインダ信号は,全ての機器に必要なわけではない。例えば,常時立会いのある手術室モニタのリマ

インダ信号は,煩わしく,注意散漫となり,かつ,手術室内の他の人々を混乱させることがある。

アラームシステムは,リマインダ信号の使用が適切であるかどうかを責任部門が決定できるようになっ

ている必要がある。ある

操作者がリマインダ信号を無効にできると,別の操作者がその機器の担当になっ

たときに

危険状態になることがある。

リマインダ信号の持続期間の間隔を責任部門が適切であると決定した以上に操作者が長く設定できる

と,別の

操作者がこの機器の担当になった場合に,危険状態になりかねない。6.7 の根拠も参照する。

6.8.3 

システム全体の時間を限定しないアラーム信号発生不活性化状態 

システム全体の

アラーム停止又はアラーム音停止を備える場合は,注意深いリスク分析が必要である。

リスク分析では,頻繁な又は定常的なアラーム信号のリスク(偽陽性アラーム状態でのリスクも含む。)

と,不適切な

アラーム信号,又はアラーム信号が発生しないアラーム状態のリスクを比較検討することが

必要である。さらに,

正常な使用時に操作者が常時立ち会うことを意図しているアラームシステムである

かどうか,及び

分散形アラームシステムの有無を検討する必要がある。

システム全体の

アラーム停止又はアラーム音停止機能をもつ場合,操作者が全ての聴覚アラーム信号が

不活性化状態であることを忘れてしまうという

リスクを軽減するために,製造業者は,定期的なリマイン

ダ信号を発生できるようにしなければならない。

システム全体の

アラーム停止又はアラーム音停止機能をもつ場合,製造業者は,責任部門が全体的な機

能を使用可能又は使用不可能にすることができるようにしなければならない。

アラームシステムは,責任

部門(及び責任部門だけ)がシステム全体のアラーム信号不活性化状態が使用に適しているかどうかを決

定できるようになっていなければならない。

6.8.4 

アラーム信号の不活性化終了 

操作者が間違った行動を実行しないようにすることは重要である。人間の間違いは避けることができず,

患者の安全のために,間違いを緩和する機能が必要である。

6.8.5 

表示及びアクセス 

委員会は,

アラーム信号の不活性化状態に対する表示の標準化の必要性を強く感じていた。これは,異

なる意味と複数名称のために生じていた混乱を解消するために行った

アラーム信号不活性化状態名称の

標準化よりも重要である。

アラーム信号不活性化状態に関しての操作者の混乱がハザードであることは知


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T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

られている。委員会は,この表示のために国際的な標準化記号を選んだ。全ての装置で,

操作者にとって

アラーム信号の不活性化状態に対する意味と表示(記号)とが一致していれば,全体的に安全性は高くな

る。

この副通則では,各種の

アラーム信号を不活性化状態にする方法は規定していない。現時点では,次の

ような多くの方法がある。

−  単一機能のハードキー

−  様々な状態を順に設定するハードキー(例えば,→

アラーム音中断→アラーム音停止→全てのアラー

ム信号活性化→)

−  ソフトキー

−  メニュー選択

委員会は,この副通則に適合するように設計した

アラームシステムでは,上記の方法を使用し続けると

ともに音声認識のような新しい方法も使用すると予測している。

この副通則は,

アラーム信号を不活性化状態にするための“操作部分”には,表 に示す適切な記号の

表示を認めている。

表 の記号は,表示している機能に対してだけ使用することが望ましい。“操作部分”

が複数の機能をもつ場合には,これらとは異なった表示(記号又は文字)を使用することができる。例え

ば,

アラーム中断状態,アラーム停止状態及び全てのアラーム信号活性化状態を順次切り替えるハードキ

ーは,IEC 60417-5307(DB:2002-10)を用いて表示することができる。

委員会は,

アラーム状態及びアラーム信号不活性化状態の記号を選ぶときに矛盾に直面した。よく知ら

れているベル-×の記号[IEC 60417-5576

表 C.1 の図記号 No.5 参照)]は,長年にわたって使用されてき

たが,

製造業者によっては,“アラーム音停止”又は“アラーム音中断”を意味として使用してきた。一

方で,他の

製造業者は,“アラーム停止”又は“アラーム中断”を意味として使用してきた。このため,

臨床医(

操作者)の間には,この記号が何を意味するかについてかなりの混乱がある。ベル-×は,何が停

止しているのか(聴覚信号だけか又は聴覚信号と視覚信号との両方)並びに

アラーム信号の永久的な不活

性化と時間限定の不活性化との両方を,示していた。いずれの場合にも,

操作者は,ベル-×にアラーム音

消失の意味を含んでいることは認めてきた。

しかし,よく知っているベル-×を探しても見当たらないために,

操作者が聴覚アラーム信号は発生する

ものだと誤って判断した場合には,危険となる可能性がある。

言い換えれば,

操作者は,△-×の記号[IEC 60417-5319(表 C.1 の図記号 No.3 参照)]がアラームシス

テムの一部がアラーム音停止又はアラーム音中断の状態であることを理解できない。委員会は,こうした

議論を基に,△-×を使用した場合でも,追加の記号としてベル-×の使用を許容又は推奨することを決定

した。こうすれば,

操作者は,アラームシステムの一部がアラーム音停止又はアラーム音中断の状態であ

るというよく知っているベル-×をいつでも見付けることができる。追加又は代替として,文章によるメッ

セージ追加も可能である。

委員会が検討したもう一つの記号は,スピーカ-×(IEC 60417-5436)である。これは伝統的に“音のミ

ュート”を意味しており,

アラーム信号と情報信号との両方に関係していると考えた。この副通則では,

情報信号及びアラーム信号の両方をミュートするための表示としてこの記号を使用する場合は,該当する

ベル-×も表示することを要求している。

アラーム中断又はアラーム音中断の場合には,×は破線になる。破線の×は,永久的を意味する実線の

×とは異なり,限定又は一定の時間を意味している。


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T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

異なる解像度のディスプレイで読み取りやすくするためには,×を破線で表示した場合に,その破線の

明瞭度が問題となった。図記号によるアイコンを使用する場合,

製造業者は,ディスプレイの解像度に応

じたものにすることに留意する必要がある。

アイコンに隣接して(

アラーム中断又はアラーム音中断状態の残り時間を示すための)カウントダウン

タイマを使用することを推奨する。カウントダウンタイマを使用すると,

アラーム中断又はアラーム音中

断を示すアイコンが際立つようになり,その結果,アラーム停止又はアラーム音停止との区別が容易にな

る。

操作者が,アラーム音中断又はアラーム中断の持続期間を責任部門が適切であると決めたものよりも長

くできるようにすると,装置を担当する

操作者が別の人になったときに,危険となる可能性がある。6.7

の根拠も参照する。

6.9 

アラームリセット 

委員会は,

保持アラーム信号及びアラームリセットについて多くのコメントを受け取り,この問題につ

いて詳細に討議した。委員会が検討した

アラームリセットの操作については,二つの異なった考え方があ

った。

一つは,

アラームリセットは次のようにすることが望ましいとする考えである。

保持アラーム信号を終了するだけの機能とする。

アラームシステムがその後のアラーム状態に対して対応できるようにする。

アラーム音中断状態,アラーム音停止状態,アラーム中断状態又はアラーム停止状態を終了して,そ

の後

アラームシステムを作動させる。

さらに,

操作者がアラーム音中断,アラーム音停止,アラーム停止又はアラーム中断の状態に入りたい

場合,そのための操作は注意深く行うことが望ましい。少なくとも視覚

保持アラーム信号を“クリア”す

るためには,この 2 段階の

プロセスを必要とすることが望ましい。操作者がアラーム状態の発生源を特定

する前に,視覚

アラーム信号を停止してしまうことを懸念した。

注記  “2 段階のプロセスが必要”とは,

“第一段階として

保持アラーム信号を終了させ,第二段階と

して四つの不活性化状態(

アラーム音中断,アラーム音停止,アラーム停止及びアラーム中断)

に入るための操作が必要である”ということである。

第二の考え方は,聴覚

アラーム信号発生に対する処置は,操作者がこれを止めたいということである。

この考え方では,

アラーム音中断,アラーム音停止,アラーム中断又はアラーム停止の状態にすること

は,どのような聴覚

アラーム信号であっても,操作者がその原因を確認するためのものであることが望ま

しい。独立した

アラームリセット機能(リセットスイッチボタンなど)は不必要となる。したがって,こ

の考え方では,

アラーム音中断,アラーム音停止,アラーム中断又はアラーム停止の機能が有効になると,

どのような聴覚

アラーム信号であっても発生を終了することが望ましく,かつ,引き続いてアラーム状態

になっていない限り,

アラーム中断又はアラーム中断の終了時にアラーム信号を再発生させない方がよい。

第二の考え方では,

アラームリセット機能を備えている場合は,アラーム信号発生を終了することは望ま

しいが,

アラームシステムを再び作動できない方がよい。すなわち,アラームリセット機能を備えていて,

かつ,それが機能した場合には,既に発生している

アラーム音中断,アラーム音停止,アラーム中断又は

アラーム停止の状態(アラームシステムの他の部分に対する)を終了しない方がよい。したがって,この

考え方では,これらの

アラーム音中断,アラーム音停止,アラーム中断又はアラーム停止の状態はそのま

ま継続することになる。

第一の考え方では,この作業を達成するための単一の方法が好ましい。第二の考え方では,この作業を


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T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

達成するための複数の方法を必要とし,これは多くの携帯電話で見られる“受話のためにどのボタンを押

してもよい”機能に相当する。第二の考え方は,大部分の既存の装置での操作方法と一致している。

要約すると,第一の考え方は,

アラームリセット機能は,アラームシステムを作動状態にするのが望ま

しく,第二の考え方では,

アラームリセット機能は,アラーム音中断,アラーム音停止,アラーム中断又

アラーム停止と組み合わせることが望ましいことになる。

委員会は,

アラームリセット機能の操作について,このように相反する二つの考え方に直面した。この

副通則では,

アラーム音中断,アラーム音停止,アラーム停止若しくはアラーム中断,又はアラーム作動

の状態とする手段について述べてはいるが,どのような手段が必要であるかは規定しないことになった。

上記の状態に入るためには,それぞれの状態に対応した専用の(押しボタンスイッチなどによる)制御,

幾つかの状態を巡回する単一の(押しボタンスイッチなどによる)制御,音声認識などがある。

アラームシステムがアラームリセット機能を達成するための手段を備えていることを要求したが,この

機能を達成する方法については規定しないことになった。この副通則は,

アラームリセット機能の達成後

アラームシステムを作動可能若しくは再作動可能にするか,又はこれとは反対のアラームリセット機能

アラーム音中断,アラーム音停止,アラーム中断又はアラーム停止の状態に入るという考え方も認めて

いる。

6.10 

非保持アラーム信号及び保持アラーム信号 

操作者が短時間のアラーム状態を確認できるように,聴覚アラーム信号は,1 バーストの全て(高優先

度のアラーム信号については 1/2 のバースト)を完了することを要求している。

例 1  呼吸器系の一時的な閉塞(外科医は,このアラーム信号を必要としている。)。

例 2  心室性期外収縮(2 拍だけの継続)。

ただし,

操作者がいずれかのアラーム信号を不活性化状態にした場合には,直ちに聴覚アラーム信号を

終了することが望ましい。 

聴覚

保持アラーム信号は,騒音とみなされることがあり,操作者がアラーム停止状態にする原因になる。

正常な使用時に操作者が常時立ち会うことだけを意図したアラームシステムでは,聴覚保持アラーム信号

は使用しないことが望ましい。

アラームシステムが正常な使用時に操作者が立ち会わないことを意図して

いて,かつ,

患者又はアラームシステムに操作者をアクセスさせたい場合には,聴覚保持アラーム信号は

有益である。

製造業者は,保持アラーム信号のほかに,又は保持アラーム信号の代替として,アラーム状

態の履歴(記録)を提供することが望ましい。

操作者が,責任部門が適切であると決定したもの以外の聴覚アラーム信号のセットを選択できるように

すると,装置を担当する

操作者が別の人になったときに,危険となる可能性がある。6.7 の根拠も参照す

る。

6.11 

分散形アラームシステム 

分散形アラームシステムの適用は,まだ始まったばかり(初期段階)である。新概念及び新技術が,こ

の分野で急速な進歩をもたらしている。長距離,中距離及び短距離の双方向無線通信によって,

分散形ア

ラームシステムの新たな可能性が切り開かれている。同時に,様々な臨床研修を受けた操作者及び操作者

の新しい役割によって,

操作者がアラーム信号に対応する方法も変化していく。患者からの距離が患者又

は機器に生じる問題に個人的に対応することができないような離れた場所に,遠隔

操作者がいる場合が多

い。

委員会では,この分野は未成熟なため,この分野固有の要求事項を多く規定できないと考えた。技術が

成熟段階に達したときに,この副通則の将来の改正版で,更に具体的な要求事項について言及することが


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T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

できるであろう。それまでの間,

製造業者は,適切なリスク分析を行い,分散形アラームシステムの主要

な目的を達成するように留意することになる。その主な目的とは,あらゆる

アラーム状態に対して時宜を

得た適切な対応ができるように担当

操作者の能力を高めることである。

将来の

アラーム信号送信システムとしては,有線又は無線ローカルエリア・ネットワーク,インターネ

ットに接続した有線又は無線機器,商業用地上通信線及び携帯電話ネットワーク,一方向又は双方向商業

用呼出しシステムなどがある。こうしたシステムの全てで,ネットワーク及び他のシステムの性質上,

ラーム状態送信遅延の可能性がある。あらゆる場合に,アラームシステムがアラーム状態を検知するまで

の遅延,一次

アラームシステム(アラーム状態を最初に検知するアラームシステム)でのアラーム信号発

生遅延,

アラーム状態を分散形アラームシステムに送るまでの遅延及び分散形アラームシステムがアラー

ム信号を発生するまでの遅延が生じる。こうした遅延は,製造業者が制御不可能な要因のために時々変化

し,かつ,その多くが確定的ではないために,

アラーム信号によって適切な操作者にアラーム状態を報知

するまでの時間を確定するために統計分析が必要となる。

最大時間を保証することは不可能かもしれない。

どのような情報送信システムでも故障は発生する。

分散形アラームシステムの故障又は一次アラームシ

ステムと分散形アラームシステムとのリンクの故障が発生した場合,一次アラームシステムは,アラーム

信号を正常に発生する必要がある。一次アラームシステムが,アラーム音中断,アラーム音停止,アラー

ム中断又はアラーム停止状態になり,かつ,アラーム状態(分散形アラームシステムが不活性化状態では

ない場合など)に気付くためにシステムが

分散形アラームシステムに依存している場合には,分散形アラ

ームシステムが故障しているときは,一次アラームシステムは,自動的に再作動することが望ましい。

  操作者への報知を分散形アラームシステムに依存している間,一次アラームシステムは,アラー

ム音停止状態(聴覚アラーム信号は音量ゼロに設定)である。不具合を発見した場合は,一次ア

ラームシステムの音量を可聴レベルに戻すのがよい。

さらに,一次

アラームシステム及び分散形アラームシステム共に,分散形アラームシステムの不具合を

操作者に警告するためのアラーム信号を発生することが望ましい。

委員会のメンバの中には,

単一故障状態でもアラーム信号を常に適切な操作者に送ることが必要で,少

なくとも

生命維持 ME 機器ではそのようにすることが必要であると主張するものがいた。委員会は,この

副通則では,これらのあらゆる状況に対して要求事項及び試験を規定することは不可能であると考えた。

いずれにしても,上記のように,この問題について

リスク分析をすることが望ましい。さらに,製造業

者は,分散形アラームシステムの特性,限界及び故障モードを開示する必要がある。

6.11.1 

分散形アラームシステムの存在 

分散形アラームシステムでのアラーム信号発生は,患者から離れた場所での機器によるアラーム信号発

生である。

患者から離れた場所で発生するアラーム信号に対して,操作者は患者環境にいなくても気が付

き,その

操作者は適時アラーム状態に対応できる(又は他の人に知らせて対処してもらう。)。

6.11.2.2 

アラーム状態の遠隔通信の故障 

分散形アラームシステムは,アラームシステムが検知したアラーム状態の報知をアラームシステムから

受信しないことがある。

操作者が,どのように対処するかを遠隔で発生するアラーム信号に依存している

場合,

分散形アラームシステムがいつアラーム状態を受信したかを,アラームシステムが知る必要がある。

これらの

アラーム状態を受信できなかった場合,分散形アラームシステムを含んでいるアラームシステム

では,

機器アラーム状態を示すアラーム信号を発生して,その不具合について操作者に警告をすることが

安全のために必要である。

技術的理由により,

分散形アラームシステムがアラーム状態を受信していないのか又は受信に失敗した


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T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

のかを,一次

アラームシステムで知ることはできないようなことがあるかもしれない。この場合,製造業

者は,アラーム信号発生について分散形アラームシステムに依存しないようにと機器に表示して,責任部

門及び操作者に警告をする必要がある。100 %完全ではないとしても,分散形アラームシステムは有用で

ある。さらに,

製造業者及び責任部門は,患者の安全が損なわれないように注意をすることが望ましい。

6.12 

アラーム状態の履歴機能 

アラーム状態の履歴機能は,次のような理由から有用なものである。

a) 

非保持アラーム信号を使用した場合の,一時的に生じたアラーム状態の原因究明

b)

正常な使用時に操作者が機器に立ち会わない場合の,アラーム状態の原因究明

c)

品質保証

d)

航空機の“ブラックボックス”の事象履歴に類似した,緊急事態の解明

e)

アラーム状態発生時期の究明

生命維持 ME 機器及び生体情報モニタは,アラーム状態履歴機能をもつことが望ましい。アラーム状態

及びその優先度レベルの記録を,機器内部に又は通信インタフェースを通して遠隔的に,

アラーム状態履

歴として保存するための手段を備えることが望ましい。履歴には,

アラーム状態を引き起こした変数とと

もに,

アラームプリセットを構成する項目(アラーム設定値を含む。)の値も含むことが望ましい。

履歴がある場合には,

アラーム状態に対して発生した全てのアラーム信号,又は規定した優先度でのア

ラーム状態若しくは規定した優先度以上のアラーム状態で発生した全てのアラーム信号を記録すること

が望ましい。

アラーム状態が(低い信号強度などの場合)機器由来のものか又は患者由来のものかについ

て,多くの状況で問題となるために,

機器アラーム状態は,生体アラーム状態と同じく重要である。

アラーム停止又はアラーム中断状態で,信号(アラーム状態をモニタしている。)を全く処理しない機

器がある。こうした場合,

アラーム状態かどうかの判断がなく,アラーム状態の記録をすることができな

い。他方,

アラーム停止及び/又はアラーム中断中も信号処理をして,アラーム状態履歴を記録する機器

もある。しかし,

アラーム音停止又はアラーム音中断であっても,アラーム状態履歴を記録することが望

ましい。いずれにしても,各

アラーム信号の不活性化状態(アラーム停止,アラーム中断,アラーム音停

止又はアラーム音中断)の開始及び終了について記録することが望ましい。

上記の状況を明確にするために,次に一例を挙げる。高心拍数に対しての

高優先度アラーム信号を発生

するモニタを考える。高心拍数

アラーム状態を記録することが望ましい。アラーム停止又はアラーム音停

止状態で高心拍数アラーム状態になったことを操作者が認めた場合は,その事実を履歴に残すことが望ま

しい。換言すれば,

アラーム状態履歴は,高心拍数アラーム状態になったこと,及びその時間帯に高心拍

アラーム状態に対応するアラーム信号又は聴覚アラーム信号が発生しなかったことを反映しているこ

とが望ましい。そうでない場合は,

アラーム状態の履歴は無意味になってしまう。履歴を見ても,次のい

ずれであるかがはっきりしないからである。

f) 

その間,高心拍数の

アラーム状態がなかった。

g) 

その間,

アラームシステムはアラーム信号不活性化状態だった。

アラームシステムがアラーム状態の履歴機能をもつ場合は,次を考慮する。

−  履歴の内容は,規定された期間内又は

責任部門若しくは操作者が削除するまで記憶できる。

−  履歴の内容は,

操作者がレビューできることが望ましい。

−  短時間の停電(30 秒未満)では履歴の内容が消失しないことが望ましい。


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T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

以前とは別の

患者に機器が対応するようになった場合,そのことを操作者が機器に認識させて,それま

で記憶していた履歴の内容は削除することができる。この場合,

“新入床

患者”認識機能によることが望

ましい。

製造業者は,保守サービスのために機器アラーム状態の履歴を残すことを考慮し,この履歴は,操作者

がリセットできないようになっていることが望ましい。

附属書 

附属書 には,機器の種類及び緊急度に対応してコード化した聴覚アラーム信号用に使用できる一連の

メロディ及び関連する意味についての情報を記載している。

附属書 に記載したメロディを聴覚アラーム

信号として使用する場合は,その意味は,附属書 に記載されたように基本のアラーム状態及び機器の種

類に一致していなければならない。

附属書 に規定されたもの以外のメロディの使用も許容できるが,そ

の場合は,

附属書 のメロディと混同することがないようなメロディとする。

表 A.1 及び表 A.2 は,附属書 のメロディについての説明である。


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T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

表 A.1−表 F.1 についての解説 

分類

中優先度 

高優先度 

参考

アラームシステムの種類の例

一般

c c c 

c c c – c c 

固定ピッチ

他の分類できない

アラームシステムで,次に例示

するもの。ただし,これらに限らない。この音は,
どのような機器の

アラームシステムにも使用でき

る。

電源供給システム,ガス供給システム(酸素以外)

脳波モニタ,頭蓋内圧モニタ, 
腹腔鏡ガス通気システム,間欠的下肢圧迫装置

心臓

c e g 

c e g – g C 

トランペット音 
軍隊召集

長和音

心臓機能モニタを含む麻酔ワークステーション,
心臓機能モニタを含む多機能モニタ,

心拍数モニタ, 
観血式又は非観血式血圧モニタ, 
心拍出量モニタ,

末しょう(梢)循環モニタ(プレチスモグラフ)

経食道エコー, 
胎児心拍数モニタ

補助循環/ 
体外循環

c f# c 

c f# c – c f# 

人工音,三重音

人工心肺及び関連機器, 
大動脈内バルーンポンプ,

人工透析システム

人工呼吸器

c a f 

c a f – a f 

転回長和音

肺の上下

人工呼吸器を含む麻酔ワークステーション,

(ただし,心臓機能モニタは除く。

人工呼吸器,スパイロメータ,CO

2

モニタ,

気道内圧モニタ

酸素

C b a 

C b a – g f 

ゆっくりした下降調
長音階の一番上 
オキシメータの下降

調

パルスオキシメータ,経皮酸素分圧モニタ, 
酸素分析装置,酸素濃縮器, 
酸素ガス供給システム

温度・エネル

ギー供給

c d e 

c d e – f g 

ゆっくりした上昇調

長音階の一番下 
エネルギー又は(通
常)温度のゆっくり

した増加に関するも

温度モニタ,加温加湿器,

幼児開放型加温器,新生児保育器, 
患者用加温又は冷却装置,血液又は輸液加温器,
電気メス,超音波治療器,レーザー治療器, 
X 線又は MRI システム,神経刺激装置

薬物又は水分
の送達

C d g 

C d g – C d 

ジャズ・コード 
(転回形の第 9) 
輸液の落下・飛散音

輸液ポンプ,シリンジポンプ, 
麻酔薬供給システム(TCI など)

装置故障又は 
補給品不具合

C c c 

C c c – C c 

落下

電源損失又は他の重大な故障がある場合

表 A.2−表 F.1 についての解説 

低優先度 

説明

全て

e c 

ナースコール又はドアベル音“ピンポン”


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T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

附属書 B

(参考)

ME

機器及び ME システムの表示及びラベリングに対する要求事項の指針

B.1 

制御装置及び計器の表示 

制御装置及び計器の表示に関する要求事項は,通則の 7.4 及び

表 C.3 に記載してある。ME 機器及び ME

システムのアラームシステムに関係した制御装置及び計器に関する追加要求事項は,表 B.1 に示した細分

箇条に記載してある。

表 B.1−表示の相互参照 

説明

細分箇条

アラーム状態,優先順位

6.3.2.2 

アラーム状態,視覚表示

6.3.2.2 

アラーム状態,視覚表示,複数

6.3.2.2 

アラームリミット,自動調整

6.6.2.2 

アラームリミット,操作者による調整

6.6.2.1 

アラーム停止,制御手段

6.8.5

表 

アラーム停止,状態表示

6.8.5

表 

アラーム中断,制御手段

6.8.5

表 

アラーム中断,視覚表示

6.8.5

表 

アラームリセット,制御手段

6.9 

アラーム音停止,制御手段

6.8.5

表 

アラーム音停止,視覚表示

6.8.5

表 

アラーム音中断,制御手段

6.8.5

表 

アラーム音中断,視覚表示

6.8.5

表 

アラーム状態の遠隔通信の故障

6.11.2.2 

注記  偽陽性及び偽陰性アラーム状態の発生の防止に役立つ表示の使用に

ついての指針は,A.1.3 に記載してある。

B.2 

附属文書,一般 

附属文書に記載する情報についての要求事項は,通則の 7.9.1 及び表 C.4 に記載してある。ME 機器及び

ME

システムのアラームシステムに関する附属文書に記載すべき情報についての追加の要求事項は,表 B.2

に示すこの副通則の細分箇条に記載してある。

表 B.2−附属文書の相互参照 

説明

細分箇条

アラームプリセット,構成及び記憶のための手段

6.5.3.2 d) 

B.3 

附属文書,取扱説明書 

取扱説明書に記載する情報についての要求事項は,通則の 7.9.2 及び

表 C.5 に記載してある。取扱説明書

に記載する情報についての追加要求事項は,

表 B.3 に示すこの副通則の細分箇条に記載してある。


54

T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

表 B.3−取扱説明書の相互参照 

説明

細分箇条

分散型アラームシステムのアラーム信号発生遅延時間,機器アラーム状態までの最大時間及
び時間

6.4.2 b) 

アラーム信号発生遅延時間,平均値

6.4.1 

アラーム信号発生遅延時間,遅延時間の統計分布

6.4.1 

アラーム状態遅延時間,平均時間

6.4.1 

アラーム状態遅延時間,遅延時間の統計分布

6.4.1 

電源遮断又は低下した場合,それまでの

アラーム状態の履歴

6.12 b) 

電源故障後の

アラーム状態の履歴

6.12 c) 

アラーム状態,グループ化

6.1.1 

アラーム状態,各々の優先順位

6.1.2 

アラーム又はアラーム音中断の間隔

6.8.5 

アラームプリセット,製造業者の設定についての記載及びアラームリミット

6.5.2 

アラームプリセット,操作者に対して値を点検することを警告

6.5.3.2 c) 

聴覚

アラーム信号,音圧範囲(音量)

6.3.3.2 

聴覚

情報信号,特性

6.3.3.2 

自動的に設定される

アラームリミットの動作

6.6.2.2 d) 

分散形アラームシステム,アラーム状態の信号入出力の遅延

6.4.2 a) 

アラーム設定状態が欠落する停電の持続期間

6.5.4.2 

インテリジェントアラームシステム,同じ優先順位のアラーム状態,優先順位の序列

6.2 b) 

インテリジェントアラームシステム,アラーム信号発生変更アルゴリズム

6.2 e) 

インテリジェントアラームシステム,遅延時間の変更

6.2 d) 

インテリジェントアラームシステム,動作の概要

6.2 a) 

インテリジェントアラームシステム,優先順位割当てのアルゴリズム

6.2 c) 

30 秒未満の停電に対するアラーム設定の動作

6.5.5 

複数の

アラームプリセット,操作者にチェックすることを警告

6.5.1 

リマインダ信号,特性

6.8.2 

リマインダ信号,持続時間の間隔

6.8.2 

アラーム信号発生遅延時間の合計及びアラーム状態遅延時間の平均値

6.4.1 

アラーム信号発生遅延時間の合計及びアラーム状態遅延時間の統計分布

6.4.1 

B.4 

附属文書,技術解説 

技術解説に記載する一般情報に関する要求事項は,通則の 7.9.3 及び

表 C.6 に記載してある。技術解説に

記載する一般情報についての追加の要求事項は,

表 B.4 に示すこの副通則の細分箇条に記載してある。

表 B.4−技術解説の相互参照 

説明

細分箇条

分散型アラームシステム,安全に使用するために必要な記載

6.11.1 


55

T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

附属書 C

(規定)

表示における図記号

この副通則で要求している

表 C.1 の図記号は,ここに示すように,IEC 又は ISO の引用規格に適合して

いる。必要な場合は,

アラームシステムを備える ME 機器及び ME システムに具体的に適用するために,

補足の表題及び説明を加えた。

表 C.2 には,引用規格における図記号,表題及び説明について参照を容易

にするために,これら図記号に対する情報を示している。

表 C.2 には,これらの図記号に対するアラーム

システムの説明及び引用規格についての規定を参照できるようにした。附属書 も参照する。

表 C.1−アラームシステムのための図記号 

No.

図記号

(参考)

引用規格 
(規定)

表題

(参考)

引用規格での説明

(参考)

アラームシステムでの説明

(規定)

1

IEC 60417-5307 

アラーム,

一般

  制御装置にアラームを表

示するため。 
注記 1  三 角 形 の 内 部 又 は

下 部 に ア ラ ー ム の

タ イ プ を 表 示 し て
もよい。

注記 2  ア ラ ー ム 信 号 を 分

類する必要があり,
かつ,記号 5308 を
使用する場合は,緊

急 性 の 低 い 状 態 に
対して記号 5307 を
使 用 す る こ と が 望

ましい。

  医用アラームシステムでは,

この図記号を次のように使用す
る。 

アラーム状態 

アラーム状態表示のため。

注記 1  三角形の内部,横又は

下部にアラームの状態

を表示することができ
る。

注記 2  優先順位に基づいてア

ラーム状態を分類する
必 要がある 場合は, 1
個,2 個又は 3 個の追加

記号(例えば

低優先度

に対しては!を,

中優先

度に対しては!!を,高優
先度に対しては!!!)を
追加することによって
表示してもよい。

2

IEC 60417-5309

ア ラ ー ム
シ ス テ ム
の リ セ ッ

  アラーム装置に関して。
  アラーム回路をその初期

状態にリセットできる制御
手段を識別するために。 
注記  開いた三角形の内部

又は三角形の下部に
アラームのタイプを
表示してもよい。

  医用

アラームシステムでは,

この図記号を次のように使用す

る。 

アラームリセット 

アラームリセットの制御を識

別するため。 
注記  三角形の内部,横又は下

部に

アラーム状態を表示

してもよい。


56

T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

表 C.1−アラームシステムのための図記号(続き) 

No.

図記号

(参考)

引用規格 
(規定)

表題

(参考)

引用規格での説明

(参考)

アラームシステムでの説明

(規定)

3

IEC 60417-5319 

ア ラ ー ム
の 不 活 性

  制御装置でアラームの禁
止を識別するために。 
注記 1  三 角 形 の 内 部 又 は

下 部 に ア ラ ー ム の
タ イ プ を 表 示 し て
もよい。

注記 2  一 時 的 な ア ラ ー ム

の禁止に対しては,
× 印 を 破 線 の × 印

に 置 き 換 え る こ と
によって,この図記
号 を 使 用 し て も よ

い。

  医用

アラームシステムでは,

この図記号を次のように使用す
る。

  実線の×印とともに使用する
場合は,

アラーム停止。

アラーム停止の制御を識別す

るため又は

アラームシステムが

アラーム停止状態にあることを
表示するため。 
注記 1  三角形の内部,下部又

は横に

アラーム状態を

表示してもよい。

注記 2  混同する危険がない限

り,この記号は

アラー

ムシステムを備えてい
ない装置を識別するた
め に も 使 用 し て も よ
い。

4

IEC 60417-5319 

注記 に基づい
た変更

ア ラ ー ム
の 不 活 性

  制御装置でアラームの禁
止を識別するために。 
注記 1  三 角 形 の 内 部 又 は

下 部 に ア ラ ー ム の
タ イ プ を 表 示 し て

もよい。

注記 2  一 時 的 な ア ラ ー ム

の禁止に対しては,

× 印 を 破 線 の × 印
に 置 き 換 え る こ と
によって,この図記

号 を 使 用 し て も よ
い。

  医用

アラームシステムでは,

この図記号を次のように使用す

る。 
  破線の×印とともに使用する
場合は,

アラーム中断。

アラーム中断の制御を識別す

るため又は

アラームシステムが

アラーム中断状態にあることを
表示するため。 
注記 1  三角形の内部,下部又

は横に

アラーム状態を

表示してもよい。

注記 2  残り時間の数値カウン

タを三角形の上部,下

部又は横に配置しても
よい。


57

T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

表 C.1−アラームシステムのための図記号(続き) 

No.

図記号

(参考)

引用規格 
(規定)

表題

(参考)

引用規格での説明

(参考)

アラームシステムでの説明

(規定)

5

IEC 60417-5576 

ベ ル の 取
消し

  ベルを“切”に切り替える
制御を識別するため,又はベ
ルの動作状態を表示するた

め。 
注記 1  混 同 す る 危 険 が な

い限り,“音響信号

を停止に切替え”に
も,この記号を使用
してもよい。

注記 2  一 時 的 な ベ ル の 取

消しに対しては,×
印 を 破 線 の × 印 に

置き換えて,この図
記 号 を 使 用 し て も
よい。

  医用

アラームシステムでは,

この図記号を次のように使用す
る。

  実線の×印とともに使用する
場合は,

アラーム音停止。

アラーム音停止にするための

コントロールを識別するため,
又は

アラームシステムがアラー

ム音停止の状態にあることを表
示するため。 
注記  ベル形の内部,下部又は

横に

アラーム状態を表示

してもよい。

6

IEC 60417-5576 

注記 による変

ベ ル の 取
消し

  ベルを“切”に切り替える
制御を識別するため,又はベ

ルの動作状態を表示するた
め。 
注記 1  混 同 す る 危 険 が な

い限り,“音響信号
を停止に切替え”に
も,この記号を使用

してもよい。

注記 2  一 時 的 な ベ ル の 取

消しに対しては,×

印 を 破 線 の × 印 に
置き換えて,この図
記 号 を 使 用 し て も

よい。

  医用

アラームシステムでは,

この図記号を次のように使用す

る。 
  破線の×印とともに使用する
場合は,

アラーム音中断。

アラーム音中断させるための

制御を識別するため,又は

アラ

ームシステムがアラーム音中断
状態 にあることを 表示するた
め。 
注記 1  ベル形の内部,下部又

は横にアラーム状態を
表示してもよい。

注記 2  残り時間の数値カウン

タを三角形の上部,下
部又は横に配置しても
よい。


58

T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

表 C.2−アラームシステムに関連する代替表示 

No.

表示

説明

1

アラーム音中断 

又は

アラーム音ポーズ 

聴覚

アラーム信号がアラーム音中断であることを識別するために

用いる。

2

アラーム中断 

又は

アラームポーズ 

アラーム信号がアラーム中断であることを識別するために用い
る。

3

アラーム音停止 

又は

アラーム音オフ 

聴覚

アラーム信号がアラーム音停止であることを識別するために

用いる。

4

アラーム停止 

又は

アラームオフ 

アラーム信号がアラーム停止であることを識別するために用い
る。

5

アラームリセット 

アラームリセットに対する制御を識別するために用いる。

注記  対応国際規格では,この表の“表示”は,英語で記載されていて,“意図する操作者の用いる言語に翻訳して

もよい”と記載している。こうした事情を考慮して,対応国際規格の表を翻訳し,さらに,

アラーム信号不

活性化についての用語を定義している 3.43.53.12 及び 3.13 も参照した上で,一部修正して記載した。ま
た,対応国際規格に記載している英文表記を用いてもよいと考える。


59

T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

附属書 D

(参考)

聴覚アラーム信号に対する指針

D.1 

一般的考察 

緊急度を認知する

バースト音に影響するパラメータとしては,パルス間の間隔,バーストの繰返し数,

バースト内パルスのリズム,単一バースト内でのパルス持続時間の変化,音調曲線,ピッチの範囲及び音

の組合せがある。

表 D.1−緊急度認知の性質 

パラメータ

緊急度の度合い

スピード

速い  >  適度  >  遅い

バーストの繰返し数 4

> 2 > 1

リズム

シンコペートした  >  規則的な

単一

バースト内でのパルス持続時間

スピードアップ  >  規則的/遅くする

ピッチの輪郭

ランダム  >  下/上

ピッチの範囲

大  >  中  >  小

音楽的構成

無調  >  不協和音  >  協和音

注記  >の前ほど,より緊急度が高い。

D.2 

周波数範囲 

アラーム信号の周波数範囲は,200 Hz∼5 000 Hz とすることが望ましい。推奨範囲は,500 Hz∼3 000 Hz

である。大きな病棟のように,遠距離からでも

アラーム信号が聞こえる必要がある場合は,周波数は,1 000

Hz より低いことが望ましい。障害物又は間仕切りがあっても,アラーム信号が聞こえる必要がある場合は,

周波数は,500 Hz より低いことが望ましい。使用する周波数は,装置の想定使用環境での一番大きな騒音

の周波数とは異なっていることが望ましい。

D.3 

聴覚アラーム信号及び情報信号 

連続的なトーン信号は,通話を妨げ,不快にし,かつ,驚かせるようなことがある。このため,

アラー

ム信号又は情報信号に,連続的なトーン信号を使用することは避けることが望ましい。操作者が連続的な

トーン信号を聞いて,

アラームシステムをアラーム停止状態にしてしまうことが多い。

D.4 

高調波,音色,立下り時間 

この副通則で規定する音の性質には規制が課せられているが,メロディの特徴を失わないようにしなが

ら,高調波成分及び

パルスの立下り時間を変えることによって,独特のアラーム信号を作り出すことがで

きる。その結果,機器間の微妙な区別ができ,

操作者には便利なものになる。

奇数次の高調波(3,5,7,9,11)を含んだ音は,耳障りな音になる。偶数次の高調波は,教会のオル

ガンのような音の響きとなり,

奇数次及び偶数次の高調波を組み合わせるとオーボエのような音色になる。


60

T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

附属書 E

(参考)

音声アラーム信号

E.1 

指針 

音声

アラーム信号は,操作者が常時立ち会うことを意図した装置に対してだけ備えることが望ましい。

音声

アラーム信号が意識のある患者及び近親者の近くで発生すると,こうした人々は,音声アラーム信

号が自分たちに対するものであるか,又は他の患者に対するものであるか知る方法がない。このため,患

者及び見舞いに訪れた人のストレスを増し,かつ,患者機密事項が漏れてしまうことがある。

音声

アラーム信号の大きさが他の会話と同じ大きさのこともあり,他の会話のために聞こえないことも

ある。音声

アラーム信号が職員にとって必要な会話の邪魔になることもある。

音声

アラーム信号の使用は,ユーザビリティ試験によって妥当性を確認することが望ましい。

E.2 

音声アラーム信号の特性 

E.2.1 

一般 

音声

アラーム信号は,最初に 1 バーストの適切な聴覚アラーム信号を発生し,これに続いて短い音声メ

ッセージを発する。最初の

バーストは,操作者に注意を促し,おそらく一般的な問題点が発生したことを

認識するためのものである。音声メッセージは,

アラーム状態を認識し,場合によっては適切な対応を指

示するためのものである。

E.2.2 

強度 

話し声が聞き取れないレベルは,話し声が埋もれてしまう騒音の大きさである。これは,500 Hz,1 000

Hz,2 000 Hz 及び 4 000 Hz を中心周波数とする 4 オクターブの帯域における騒音の音圧レベル(20 μPa を

基準とした dB 単位)を加算平均したものである。

話声が聞こえないレベルは,単位をデシベル(dB)で表す。音声

アラーム信号は,機器の操作者位置に

おいて,想定使用環境で話声に埋もれるレベルより 20 dB より大きく,かつ,85 dB(A)を超えないこと

が望ましい。

E.2.3 

声の質

音声

アラーム信号の音声は,明瞭であり,かつ,大人の声であることが望ましい。

E.2.4 

話し方 

音声

アラーム信号の表現は,標準的なものであることが望ましい。

E.2.5 

音声処理 

音声

アラーム信号は,了解度を維持又は増大させる必要がある場合にだけ処理を施すことが望ましい。

例  母音よりも子音を強くする。

周囲の騒音が大きいために,音声

アラーム信号を相対的に増大する必要がある場合は,ピーククリップ

処理を行い,聴音による過負荷から保護することができる。

E.2.6 

メッセージの内容 

音声

アラーム信号に使用する言葉の選択に当たっては,了解度(明瞭度),覚えやすさ及び簡潔さの順番

で,選択の基準とするのがよい。

E.2.7 

高優先度の音声アラーム信号 


61

T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

高優先度の音声アラーム信号は,メッセージが始まってから操作者がアラーム状態に対して対応するか,

又は

アラーム状態が解消するまで,10 秒以下の間隔で繰り返すことが望ましい。

E.2.8 

メッセージの優先度 

最高位優先度のメッセージがそれよりも低い優先度のメッセージよりも先に発生するように,メッセー

ジの優先度を設定することが望ましい。複数の

アラーム状態が同時に発生した場合は,より高い優先度を

示すメッセージを最初に発生させることが望ましい。最高位優先度のメッセージを発生させた後は,優先

度が高い順に他のメッセージを発生させることが望ましい。

E.3 

音声アラーム信号の制限 

E.3.1 

個人情報とその保護 

集中治療室又は病棟での設定では,ある

患者が他の患者のアラーム状態についての音声アラーム信号を

聞いてしまうこともある。これは,保護すべき個人情報である。

患者は,音声アラーム信号が自分に対す

るものだと思って取り乱すことがあるかもしれない。

E.3.2 

言語 

音声

アラーム信号には,操作者の話す言語を使用することが望ましい。世界中で使用される装置又は複

数言語の国で使用される装置では,多言語使用が可能な複雑な装置が必要となることもある。

E.3.3 

明瞭度 

音声

アラーム信号が,他の会話と同じレベルの大きさのために,又は看護職員同士の会話のために聞こ

えないこともある。音声

アラーム信号が職員にとって必要な会話の邪魔になることもある。

E.3.4 

複数のアラーム状態 

ある

アラーム状態でアラーム信号を発生すると,他の幾つかのアラーム状態が続いて発生することが多

い。こうした場合には,複数の音声

アラーム信号を連続して又は同時に発生することになる。

E.3.5 

感情的な応答 

音声

アラーム信号の声の性別及び操作者の性別によっては,対処が感情的なものになり,メッセージの

意図に反して逆効果となることがある。


62

T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

附属書 F

(規定)

*アラーム信号用メロディ

次の

表 F.1 及び表 F.2 に示すメロディは,この表の規定以外には使用してはならない。6.3.3.1 も参照す

る。

表 F.1−*表 及び表 に適合するアラーム状態及び優先度によって分類した 

機器組込み聴覚アラーム信号 

分類

中優先度 

高優先度 

一般

c c c 

c c c – c c 

心臓

c e g 

c e g – g C 

補助循環/体外循環

c f# c 

c f# c – c f# 

人工呼吸器

c a f 

c a f – a f 

酸素

C b a 

C b a – g f 

温度・エネルギー供給

c d e 

c d e – f g 

薬物又は水分の送達

C d g 

C d g – C d 

装置故障又は補給品不具合

C c c 

C c c – C c 

パルス音及びバーストは,全て 6.3.3.1 a) に規定する要求事項に適合しなければならない。“c”の絶対周波数が

150∼500 Hz であれば,異なる音程又は異なるオクターブの音でもよい。あらゆるアラームシステムで,聴覚アラ
ーム信号用に“一般”のバーストを使用してもよい。 
注記 1  文字 c,d,e,f,g,a,b,C は,音楽的な相対ピッチのことをいう。大文字 C は,c より 1 オクターブ高

いことを示す。日本では,音階のドレミファソラシドに相当する。ただし,音楽では,通常 A(音階のラ)
=440 Hz と定められているが,この規格では,上記のように周波数に幅がある。

表 F.2 の注記についても

同様である。

注記 2  高優先度のアラーム信号は,この表に示してある 5 パルスを 2 回発生し,合計 10 個のパルスになる。

表 F.2−*表 及び表 に適合する低優先度聴覚アラーム信号 

分類

低優先度 

共通

e c 

注記  文字 c,d,e,f,g,a,b,C は,音楽的な相対ピッチのことをいう。大文字 C は,c より 1 オクターブ高い。


63

T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

参考文献

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[3]  ISO 14971:2000,Medical devices−Application of risk management to medical devices

[4]  IEC/TR 60513:1994,Fundamental aspects of safety standards for medical electrical equipment

[5]  ANSI/AAMI EC57:1998,Testing and reporting performance results of cardiac rhythm and ST segment

measurement algorithms

[6]  ANSI/AAMI HE48-1993,Human factors engineering guidelines and preferred practices for the design of

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[9]  BLOCK, FE. Jr. Human factors and alarms.Chapter 2 In Lake CL., ed. Clinical Monitoring for Anesthesia & 

Intensive Care. Philadelphia, WB Saunders, 1994, p. 11-34.

[10] BLOCK, FE. Jr., NUUTINEN, L., BAALLAST, B. Optimization of alarms: A study on alarm limits, alarm

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[12] HEDLEY-WHYTE, J., ed. Operating Room and Intensive Care Alarms and Information Transfer, ASTM

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[17] Optom Vis Sci, Dec. 2002, 79(12), p.788-92

[18] PATTERSON, RD., EDWORTHY, J., SHAILER, MJ. Alarm sounds for medical equipment in intensive care 

and operating areas. Report AC598 to the Department of Trade and Industry, London, 1985.

[19] PATTERSON, RD. Guidelines for auditory warning systems on civil aircraft. Civil Aviation Authority, London

1982, Paper 82017

[20] SALVENDY, G. Handbook of human factors. Wiley Interscience, 1987.

[21] SAUNDERS, MS., McCORMICK, EJ., Editors. Human Factors in engineering and design. Seventh Edition.

New York: McGraw Hill Inc, 1993.

[22] STANFORD, LM., McINTYRE, JWR., NELSON, TM., HOGAN, JT. Affective responses to commercial and

experimental auditory alarm signals for anesthesia delivery and physiological monitoring equipment. Int J Clin 


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:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

Mon Comput., 1988, 5, p.111-118.

[23] TSIEN, CL., FACKLER, JC. Poor prognosis for existing monitors in the intensive care unit. Crit Care Med.,

1997, 25, p.614-619.

[24] WAGNER, D., BIRT, JA., SNYDER, M., DUNCANSON, JP. Human Factors Design Guide, FAA Technical 

Center For Acquisition of Commercial-Off-The-Shelf Subsystems, Final Report and Guide. Federal Aviation

Administration, William J Hughes Technical Center. 1996.

[25] WIKLUND, M. Medical Device and Equipment Design. Usability engineering and ergonomics Buffalo Grove

Ill.: Interpharm Press, 1995

[26] ISO 9703-2,Anaesthesia and respiratory care alarm signals−Part 2: Auditory alarm signals (withdrawn)

[27] 小澤秀夫.  新しい ME 機器のアラーム規格 IEC 60601-1-8. Clinical Engineering, 2008, 19(1), p.11-16.

[28] 中 谷 敬 .  医 療 機器 の アラー ム に 関す る国 際 規格 と新 し い JIS.  Clinical Engineering, 2011, 22(9),

p.891-898.


65

T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

定義用語の索引

M)  ME

機器(ME EQUIPMENT

JIS T 0601-1:2012, 3.63

ME

システム(ME SYSTEM

JIS T 0601-1:2012, 3.64

ア)  アラーム状態(ALARM CONDITION

3.1

アラーム状態遅延時間(ALARM CONDITION DELAY

3.2

アラーム設定値(ALARM LIMIT

3.3

アラーム停止(ALARM OFF

3.4

アラーム中断(ALARM PAUSED

3.5

アラームプリセット(ALARM PRESET

3.6

アラームリセット(ALARM RESET

3.7

アラーム設定状態(ALARM SETTINGS

3.8

アラーム信号(ALARM SIGNAL

3.9

アラーム信号発生遅延時間(ALARM SIGNAL GENERATION DELAY

3.10 

アラームシステム(ALARM SYSTEM

3.11

アラーム音停止(AUDIO OFF

3.12

アラーム音中断(AUDIO PAUSED

3.13

アラーム初期設定(DEFAULT ALARM PRESET

3.16

イ)  インテリジェントアラームシステム(INTELLIGENT ALARM SYSTEM

3.24

意図する使用(INTENDED USE

JIS T 0601-1:2012, 3.44

ク)  繰下げ(DE-ESCALATION

3.15

繰上げ(ESCALATION

3.18

カ)  患者(PATIENT

JIS T 0601-1:2012, 3.76

患者環境(PATIENT ENVIRONMENT

JIS T 0601-1:2012, 3.79

キ)  危害(HARM

JIS T 0601-1:2012, 3.38

危険状態(HAZARDOUS SITUATION

JIS T 0601-1:2012, 3.40

偽陰性アラーム状態(FALSE NEGATIVE ALARM CONDITION

3.20

偽陽性アラーム状態(FALSE POSITIVE ALARM CONDITION

3.21

機器アラーム状態(TECHNICAL ALARM CONDITION

3.36

コ)  高優先度(HIGH PRIORITY

3.22

シ)  情報信号(INFORMATION SIGNAL

3.23

信号入出力部(SIGNAL INPUT/OUTPUT PART

JIS T 0601-1:2012, 3.115

使用計画(USE SCENARIO

IEC 60601-1-6:2006, 3.10

セ)  生体アラーム状態(PHYSIOLOGICAL ALARM CONDITION

3.31

生命維持 ME 機器(LIFE-SUPPORTING ME EQUIPMENT

IEC 60601-1-2:2007, 3.18

製造業者(MANUFACTURER

JIS T 0601-1:2012, 3.55

正常状態(NORMAL CONDITION

JIS T 0601-1:2012, 3.70

正常な使用(NORMAL USE

JIS T 0601-1:2012, 3.71

責任部門(RESPONSIBLE ORGANIZATON

JIS T 0601-1:2012, 3.101


66

T 60601-1-8

:2012 (IEC 60601-1-8:2006)

ソ)  操作者位置(OPERATOR'S POSITION

3.30

操作者(OPERATOR

JIS T 0601-1:2012, 3.73

タ)  立下り時間(t

f

)(FALL TIME

3.19

立上り時間(t

r

)(RISE TIME

3.35

単一故障状態(SINGLE FAULT CONDITION

JIS T 0601-1:2012, 3.116

妥当性確認(VALIDATION

IEC 60601-1-6: 2006, 3.15

チ)  中優先度(MEDIUM PRIORITY

3.28

テ)  低優先度(LOW PRIORITY

3.27

電源(商用)(SUPPLY MAINS

JIS T 0601-1:2012, 3.120

ト)  トレーニング(TRAINING

IEC 60601-1-6:2006, 3.8

ナ)  内部電源(INTERNAL ELECTRICAL POWER SOURCE

JIS T 0601-1:2012, 3.45

ハ)  バースト(BURST

3.14

バースト間隔(t

b

)(INTERBURST INTERVAL

3.25

パルス(PULSE

3.32

パルス周波数(f

0

)(PULSE FREQUENCY

3.33

ハザード(HAZARD

JIS T 0601-1:2012, 3.39

ヒ)  非保持アラーム信号(NON-LATCHING ALARM SIGNAL

3.29

フ)  プロセス(PROCESS

JIS T 0601-1:2012, 3.89

附属文書(ACCOMPANYING DOCUMENT

JIS T 0601-1:2012, 3.4

分散形アラームシステム(DISTRIBUTED ALARM SYSTEM

3.17

ホ)  保持アラーム信号(LATCHING ALARM SIGNAL

3.26 

リ)  リマインダ信号(REMINDER SIGNAL

3.34

リスク(RISK

JIS T 0601-1:2012, 3.102

リスク分析(RISK ANALYSIS

JIS T 0601-1:2012, 3.103

リスクアセスメント(RISK ASSESSMENT

JIS T 0601-1:2012, 3.104

リスクコントロール(RISK CONTROL

JIS T 0601-1:2012, 3.105

リスクマネジメント(RISK MANAGEMENT

JIS T 0601-1:2012, 3.107

リスクマネジメントファイル(RISK MANAGEMENT FILE

JIS T 0601-1:2012, 3.108

ユ)  ユーザビリティ(USABILITY

IEC 60601-1-6: 2006, 3.11