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T 6004

:2012

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義

2

4

  サンプリング

2

5

  試験片の作製

2

5.1

  一般

2

5.2

  熱処理

2

5.3

  試験片

2

6

  試験方法

5

6.1

  外観試験

5

6.2

  定量試験

5

6.3

  機械的性質

5

6.4

  密度試験

7

6.5

  腐食試験

7

6.6

  変色試験

8

6.7

  液相点及び固相点又は融点試験

8

6.8

  熱膨張試験

8

7

  試験報告書

8

附属書 A(参考)タイプ の非鋳造用金属材料の引張試験

9

附属書 JA(参考)JIS と対応国際規格との対比表

11

 


T 6004

:2012

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本歯科材料工業協同組合(JDMA)及び一

般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,

日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。厚生労働大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 T

6004

:2012

歯科用金属材料の試験方法

Dental metallic materials

−Test methods

序文

この規格は,2006 年に第 1 版として発行された ISO 22674 を基として,対応する部分(試験方法)につ

いては対応国際規格を翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格であるが,対応国際

規格には規定されていない規定項目(試験方法)を日本工業規格として追加している。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

1

適用範囲

この規格は,歯科用金属材料(以下,金属材料という。

)の試験方法について規定する。ただし,歯科ア

マルガム用合金,歯列矯正用金属材料及び歯科用ろう付材料には適用しない。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 22674:2006

,Dentistry−Metallic materials for fixed and removable restorations and appliances

(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 7502

  マイクロメータ

JIS K 8101

  エタノール(99.5)

(試薬)

JIS K 8891

  メタノール(試薬)

JIS T 6002:2005

  歯科用金属材料の腐食試験方法

注記  対応国際規格:ISO 10271:2001,Dental metallic materials−Corrosion test methods(MOD)

JIS Z 2241

  金属材料引張試験方法

注記  対応国際規格:ISO 6892-1,Metallic materials−Tensile testing−Part 1: Method of test at room

temperature(MOD)

JIS Z 8807

  固体の密度及び比重の測定方法


2

T 6004

:2012

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1

ベンチクーリング(bench-cooling)

鋳造後,湯口を上にして,鋳型を断熱板上に置き,金属材料が室温になるまで放置する冷却方法。

4

サンプリング

試験に用いる金属材料は,試験片の作製に十分な量を同一ロットから採取しなければならない。

5

試験片の作製

5.1

一般

試験片は,製造販売業者が指定する方法によって作製する。試験片が鋳造体の場合には,スプルーから

注意深く分離し,ばりなどの突起を取り除く。外観上,欠陥のある試験片は,用いない。

5.2

熱処理

5.2.1

一般

試験片は,その用途に応じた状態にする。

5.2.2

熱処理をする金属材料

熱処理は,製造販売業者が指定する方法による。

5.2.3

メタルセラミック修復用金属材料

製造販売業者が指定する方法によってデギャッシング焼成を行い,次に,適用陶材の最高焼成温度で 4

回熱処理する。ただし,メタルセラミック修復以外の用途にも用いる金属材料の場合には,5.2.2 又は 5.2.4

も行う。

5.2.4

熱処理をしない金属材料

非鋳造用の金属材料の場合には,試験片に加工した状態で用いる。鋳造用の金属材料の場合には,ベン

チクーリングの状態で用いる。

5.3

試験片

5.3.1

引張試験用試験片

注記  焼結用,電鋳用など,ISO 22674 が規定するタイプ 0 に該当する製品については,附属書 

よる。

5.3.1.1

板用及び線用の非鋳造用金属材料

板用の試験片は,6 号試験片(

図 参照)とし,線用の試験片は,標点距離を 50±0.1 mm とし,5.2 

よって仕上げる。試験片の数は,4 個を 1 組として 2 組用意する(8 個)


3

T 6004

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単位  mm

標点距離

平行部の長さ

肩部の半径

厚さ

15

A

8

L

+約 10 15 以上

もとの厚さのまま

A

:平行部の断面積(W×T

6 号試験片は,厚さ 6 mm 以下の板材及び形材に用いる。

図 1号試験片

5.3.1.2

板用及び線用以外の非鋳造用金属材料並びに鋳造用金属材料

試験片は,5.1 及び 5.2 によって作製し,

図 の a),b)及び c)のいずれかに適合する 6 本を 1 組として 2

組用意する(12 本)

。ただし,メタルセラミック修復用及びそれ以外の用途にも用いる金属材料の場合に

は,用途ごとに 6 本を 1 組として 2 組用意し,5.2.3 によって熱処理する。

なお,製造販売業者の指定する方法によらず,鋳造試験片を機械加工で仕上げる場合には,機械加工し

た旨を記録する。標点距離は,a)の場合には,20±0.1 mm,b)及び c)の場合には,15±0.1 mm とする。ま

た,標点には,明瞭な目印又はけがき線を付ける。

図 2 a)のつかみ部は,直径 2 mm でもよい。

単位  mm

a)

  直径 2 mm の試験片 

b)

  直径 3 mm の試験片(円すい状) 

図 2−つかみ部円柱状試験片 


4

T 6004

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単位  mm

c)

  直径 3 mm の試験片(付き) 

図 2−つかみ部円柱状試験片(続き)

5.3.2

密度試験用試験片

試験片は,次による。

a)

内部に気孔がない製品は,受け入れた状態のままの試験片を 5 個用意する。

b)

内部に気孔を含む製品は,添付文書に記載された方法によって,直方体又は円柱に加工して,試験片

を 5 個用意する。

c)

製品が不規則形状の場合には,気孔が内在しない製品を選択して試験片とする。

5.3.3

腐食試験用試験片

試験片は,次による。

a)

試験片は,5.1 及び 5.2 によって作製し,約 34 mm×13 mm×1.5 mm の長方形板を 2 個用意する。

b)

この試験片を作製することが技術的に不可能な金属材料又は既製部品・既製装置の場合には,表面積

が約 10.2 mm

2

の試験片を 2 個用意する。

c)

メタルセラミック修復用及びそれ以外の用途にも用いる金属材料の場合には,用途ごとに 2 個 1 組の

試験片を用意し,5.2.3 によって熱処理する。

5.3.4

変色試験用試験片

試験片は,静的浸せき用又は反復浸せき用のいずれかとし,次による。

a)

静的浸せき用試験片の寸法は,JIS T 6002 の 4.4.4 b)(寸法)による。また,反復浸せき用試験片は,

直径 10±1 mm,厚さ 0.5±0.1 mm の円板とする。試験片は,2 個用意する。

b)

メタルセラミック修復用及びそれ以外の用途にも用いる金属材料の場合には,2 個 1 組の試験片を 2

組用意し,5.2.3 によって熱処理する。

c)

静的浸せき用試験片の場合には,JIS T 6002 の 4.4.4 c)(調製)の 4)及び 5)によって仕上げる。反復浸

せき用試験片の場合には,試験片ごとに常温硬化樹脂に包埋し,標準的な金属組織観察の手法を用い

て研磨し,1 μm のアルミナ又は水性のダイヤモンドペーストで最終仕上げを行う。研磨には,金属材

料ごとに新しい研磨紙を用いる。

5.3.5

熱膨張試験用試験片

試験片は,5.1 及び 5.2 によって作製し,熱膨張測定装置に適した断面形状及び長さで,断面積が 30 mm

2

以下の棒を 2 本用意する。


5

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6

試験方法

6.1

外観試験

外観試験は,目視によって行う。

6.2

定量試験

定量試験は,各元素の含有量の定量に適した精度をもつ分析方法を用いて組成を求める。

なお,製造配合ロットごとについては,製造記録などによる原材料又は成分及び分量として化学組成が

適正であることの確認でもよい。ただし,製造工程などの変更がある場合には,適切な機器分析を用いて

妥当性を検証する。

例  蛍光 X 線分析法(XRF),原子吸光分析法(AAS),誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-OES),

誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)

6.3

機械的性質

6.3.1

機器

6.3.1.1

マイクロメータ  目量 0.01 mm,測定範囲 25 mm で,JIS B 7502 に適合するもの。

6.3.1.2

引張試験機  精度 1 %,クロスヘッド速度 2 mm/min で,試験片に適したつかみ具をもつもの。

6.3.1.3

伸び計  精度 1 μm のもの。

6.3.1.4

計測用顕微鏡  倍率 10 倍で,精度 0.01 mm,測定範囲 25 mm のもの。

6.3.2

手順

6.3.2.1

板用及び線用の非鋳造用金属材料

1 組目の 4 個の試験片を引張試験機によって,JIS Z 2241 に規定する方法又はクロスヘッド速度 1.5±0.5

mm/min で,試験片が破断するまで引っ張る(第 1 試験)。試験片のひずみは,伸び計で連続的に測定する。

ただし,ひずみの測定には,レーザ式など,より高精度な方法を用いてもよい。

6.3.2.2

板用及び線用以外の非鋳造用金属材料並びに鋳造用金属材料

板用及び線用以外の非鋳造用金属材料並びに鋳造用金属材料は,次による。

a)

マイクロメータを用い,試験片平行部の直径を 0.01 mm の精度で測定する。

b)

計測用顕微鏡を用い,試験前の標点距離を 0.02 mm の精度で測定する。0.02 mm 以内の精度をもつ他

の機器を用いてもよい。

c) 1

組目の 6 本の試験片を引張試験機によって,クロスヘッド速度 1.5±0.5 mm/min で,試験片が破断す

るまで引っ張る(第 1 試験)

。試験片のひずみは,伸び計で連続的に測定する。ただし,ひずみの測定

には,レーザ式など,より高精度な方法を用いてもよい。

d)

破断後,

破断面の目に見える欠陥の有無及び破断箇所を目視によって調べる

(破断後検査)

このとき,

普通の視力によって検査し,拡大鏡などは用いない(視力矯正用めがねは,着用してもよい。

。破断

後検査によって,目に見える欠陥が見つかった場合,又は標点間の外で破断した場合には,その試験

片及び結果を棄却し,2 組目から交換用試験片を採って試験する。6.3.6 による評価の結果,第 2 試験

が必要とされる場合には,2 組目の残った試験片を試験する。

注記  普通の視力とは,0.7 以上と考えられる。

e)

試験片の破断面を突き合わせ,試験後の標点距離を 0.02 mm の精度で測定し,記録する。

6.3.3

耐力

6.3.3.1

耐力の計算

耐力は,0.2 %の永久ひずみが生じた荷重を,荷重−ひずみ線図から読み取り,その荷重を試験片平行部

の原断面積で除して求める。荷重−ひずみ線図によらず,コンピュータなどを用いて求めてもよい。破断


6

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後検査によって棄却したものを除き,試験した全ての試験片の耐力を 1 MPa の桁まで求める。

6.3.3.2

耐力の平均値の計算

破断後検査によって棄却したものを除き,試験した全ての試験片の耐力の平均値を求め,丸めの幅を

5 MPa として丸めた数値を報告書に記載する。

6.3.4

伸び

6.3.4.1

伸びの計算

6.3.2

によって試験した試験片のうち,耐力の要求事項に適合する試験片の伸び(%)を決定する。試験

前後の標点距離の差を,試験前の評点距離の百分率として 0.1 %の桁まで求める。破断後検査によって棄

却したものを除き,試験した全ての試験片の伸び(%)を記録する。

6.3.4.2

伸びの平均値の計算

破断後検査によって棄却したものを除き,試験した全ての試験片の伸び(%)の平均値を求め,丸めの

幅を 1 %として丸めた数値を報告書に記載する。

6.3.5

ヤング率

6.3.5.1

ヤング率の計算

試験片の原断面積,伸び計によるひずみ及び引張試験機による荷重の記録を用いて,耐力及び伸び(%)

の要求事項に適合する試験片のヤング率を決定する。破断後検査によって棄却したものを除き,試験した

全ての試験片のヤング率を 1 GPa の桁まで求める。

6.3.5.2

ヤング率の平均値

破断後検査によって棄却したものを除き,試験した全ての試験片のヤング率の平均値を求め,丸めの幅

を 5 GPa として丸めた数値を報告書に記載する。

6.3.6

機械的性質の評価

6.3.6.1

一般

機械的性質の評価は,次による。

a)

第 1 試験として,6.3.2 によって 1 組目を試験する。

b)

試験片は,耐力及び伸び(%)の両方が規格値に適合しなければならない。ただし,タイプ 5 の場合

には,耐力,伸び(%)及びヤング率の全てが規格値に適合しなければならない。

6.3.6.2

板用及び線用の非鋳造用金属材料

板用及び線用の非鋳造用金属材料は,次による。

a)

第 1 試験の試験片の 3 個以上が,規格値に適合したときに,合格とする。

b)

第 1 試験の試験片の 1 個だけが,規格値に適合したときは,不合格とする。

c)

第 1 試験の試験片の 2 個が,規格値に適合したときは,2 組目の 4 個を試験する(第 2 試験)

。第 2 試

験の 4 個全てが規格値に適合したときに,合格とする。

6.3.6.3

板用及び線用以外の非鋳造用金属材料並びに鋳造用金属材料

6.3.6.3.1

第 試験の交換用試験片が,本,本,本,本又は 本の場合

6.3.2.2

によって試験した金属材料の機械的性質の合否判定は,次による。

a)

試験片の 4 本以上が,規格値に適合したときに,合格とする。

b)

試験片の 2 本以下が,規格値に適合したときは,不合格とする。

c)

試験片の 3 本が,規格値に適合したときは,残りの試験片全てを試験する(第 2 試験)

。第 2 試験の 5

本以上が規格値に適合したときに,合格とする。


7

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6.3.6.3.2

第 試験の交換用試験片が,本又は 本の場合

残りの試験片全てを試験する

(第 2 試験)

第 1 試験及び第 2 試験の 8 本以上が規格値に適合したときに,

合格とする。

6.4

密度試験

6.4.1

試験片の用意

5.3.2

によって用意した試験片を用いる。

6.4.2

試薬

6.4.2.1

水(純水又は蒸留水)

6.4.2.2

エタノール(C

2

H

5

OH

)  JIS K 8101 に規定するもの。

6.4.2.3

メタノール(CH

3

OH

)  JIS K 8891 に規定するもの。

6.4.3

機器

6.4.3.1

天びん(秤),ピクノメータ又は他の適切な装置  試験片に適した形状と体積をもつもの。

6.4.4

手順

密度試験は,JIS Z 8807,又は次の a)若しくは b)のいずれかの手順を選択し,各試験片について密度を

求める。

a)

製品が規則的形状のとき  密度は,寸法及び質量を適切な精度で測定して求める。

b)

製品が不規則形状のとき  装置に適した試験片 5 個を作製するのに十分な量の製品を用意する。エタ

ノール又はメタノール中で 2 分間超音波洗浄後,水洗し,水分及び油分を含まない圧縮空気で乾燥す

る。ピクノメータ又は他の適切な装置を用い,適する精度の方法によって,試験片 5 個の密度を 0.1

g/cm

3

の精度で求める。

c)

密度の平均値の計算  密度の平均値は,0.1 g/cm

3

の桁まで求める。

6.5

腐食試験

6.5.1

試験片の用意

5.3.3

によって用意した試験片を用いる。

6.5.2

試薬及び装置

JIS T 6002

の 4.1.2(試薬及び装置)による。pH メータの感度は,±0.05 pH とする。

6.5.3

試験溶液

JIS T 6002

の 4.1.3(試験溶液の調製方法)による。試験ごとに新しい試験溶液を調製する。

6.5.4

手順

手順は,次による。

a)

各試験片の表面積を 0.1 cm

2

の桁まで求める。

b)

試験片をエタノール又はメタノールに浸せきし,2 分間超音波洗浄する。試験片を水洗し,水分及び

油分を含まない圧縮空気で乾燥する。

c)

JIS T 6002

の 4.1.5(試験方法)によって試験する。試験溶液の不純物量を確定するために,試験と同

時に,基準溶液を調製する。試験溶液とほぼ同量の基準溶液を,別のガラス容器(試験管)に入れ,

その量を 0.1 mL の精度で記録する。蒸発を防ぐために,容器の蓋を閉じ,37±1  ℃で 7±0.1 日間保

つ。

6.5.5

分析

分析は,成分元素,有害元素及び定量試験で 1.0 %より多く含まれることが判明した全ての金属元素に

ついて,十分な感度の分析方法によって定量する。


8

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6.5.6

データ処理

定量した各元素について,基準溶液で得た値を試験溶液で得た値から差し引き,この溶出金属イオン量

を試験片の表面積で除する。その単位は“μg/cm

2

(7 日間当たり)

”とし,1 μg/cm

2

(7 日間当たり)の桁ま

で求める。平均値は,2 個の試験片の結果から求める。

メタルセラミック修復用及びそれ以外の用途にも用いる場合には,それぞれの用途に応じた状態で試験

し,結果は区別して記録する。

6.6

変色試験

試験片が,反復浸せき試験片の場合には,JIS T 6002 の 4.3[変色試験(反復浸せき)

]によって試験す

る。試験片が,静的浸せき試験片の場合には,JIS T 6002 の 4.4[変色試験(静的浸せき)

]によって試験

する。

6.7

液相点及び固相点又は融点試験

金属材料をるつぼ内で溶融し,温度計を用いて放冷時における温度変化を測定して冷却曲線を描くか,

又は示差熱分析装置などの同等以上の精度で測定できる装置を用いて,液相点及び固相点又は融点を求め

る。ただし,試験には未使用の金属材料を用いる。

固相点又は融点が 1 200  ℃以下の金属材料については,±10  ℃の精度で測定し,固相点又は融点が

1 200  ℃を超える金属材料については,±25  ℃の精度で測定する。

6.8

熱膨張試験

熱膨張係数は,校正済みのディラトメータを用い,次の手順によって決定する。

a)

昇温速度 5±1  ℃/min で室温から 550  ℃以上の温度まで加熱し,線膨張を温度に対して連続的に記録

する。

b)

線膨張−温度の記録から,25  ℃と 500  ℃との間,又は 50  ℃と 500  ℃との間の熱膨張係数を求める。

c) 2

本の試験片の熱膨張係数の平均値を求め,丸めの幅を 0.1×10

6

K

1

として丸めて,熱膨張係数(25

∼500  ℃)又は熱膨張係数(50∼500  ℃)のいずれかを明記して報告書に記載する。線膨張−温度の

記録に変曲点,不連続点などの線形性からの逸脱がある場合には,これらを報告書に記載する。

注記  ディラトメータは,熱膨張計,熱機械分析装置などの測定装置に組み込まれている。

7

試験報告書

試験報告書には,次の事項を記載する。

a)

規格番号及び規格名称

b)

試料の識別情報

c)

試験片の作製方法

d)

試験条件

e)

試験結果


9

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附属書 A

参考)

タイプ 0 の非鋳造用金属材料の引張試験

A.1

試験片の作製

A.1.1

形状,寸法及び許容差

試験片の形状,寸法及び許容差は,

図 A.1 による。ただし,試験片の厚さ(a)は,A.1.2A.1.3 及び

A.1.4

による。平行部(L

f

)における幅(b)及び厚さ(a)の許容差は,それぞれ±0.05 mm 及び±0.01 mm

とする。

L

t

  全長(>50 mm)

L

f

  平行部長さ(30±2 mm)

L

e

  標点距離(15±1 mm)

a

厚さ

b

幅(4.0±0.5 mm)

図 A.1−試験片の形状及び寸法

A.1.2

電鋳による試験片作製

製造販売業者が指定する電鋳方法によって,厚さ 0.2∼0.3 mm に形成する。成形型,接続部及び導電材

料を取り除き,表面の突起は,全て削除する。外観上,欠陥のある試験片は,用いない。

A.1.3

焼結による試験片作製

製造販売業者が指定する焼結方法によって,厚さ 0.2 mm 以上の試験片を作製する。成形型を取り除き,

表面の突起は,全て削除する。外観上,欠陥のある試験片は,用いない。

A.1.4

CAD/CAM

による試験片作製

製造販売業者が指定する方法によって,厚さ 0.3±0.1 mm の試験片を作製する。固定用材料を取り除き,

表面の突起は,全て削除する。外観上,欠陥のある試験片は,用いない。

A.2

試験片数

試験片は,その用途に応じた状態にする。試験片は,それぞれの状態につき 6 個作製する。ただし,破

断後検査によって棄却される場合には,棄却された数だけ追加の試験片が必要になり,追加の試験片を含

めて破断後検査で棄却されなかった全ての試験片が,6 個となるように試験片を追加する。

A.3

試験

A.3.1

試験機器

A.3.1.1

マイクロメータ  5 μm より精度の高いもの。


10

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A.3.1.2

引張試験機  JIS B 7721 に適合するもの。

A.3.1.3

伸び計  JIS B 7741 に適合するもので,精度が 1  μm より高いもの。金属材料の耐力が小さい場

合には,非接触伸び計の採用を考慮する。

A.3.2

試験の条件

試験は,JIS Z 2241 による。試験するときには,次の点に注意する。

a)

適切なつかみ具を用意し,試験片の変形及びつかみ具の食い込みを避ける。

b)

荷重が,試験片の長さ方向に平行にかかるよう,試験片の配置を工夫する。

A.3.3

手順

手順は,次による。

a)

平行部の原断面積を±5 %の精度で求める。

b)

クロスヘッド速度 1.5±0.5 mm/min で,試験片が破断するまで引っ張る。このとき,伸び計から得ら

れる変位を連続的に記録する。

c)

破断後,破断面の目に見える欠陥の有無,及び破断箇所を目視によって調べる(破断後検査)

。このと

き,普通の視力によって検査し,拡大鏡などは用いない(視力矯正用めがねは,着用してもよい。

破断後検査によって,目に見える欠陥が見つかった場合,又は標点間の外で破断した場合には,その

試験片及び結果を棄却し,交換用試験片を採って試験する。

注記  普通の視力とは,0.7 以上と考えられる。

A.3.4

耐力及び伸びの計算

耐力は,0.2 %の永久ひずみが生じた荷重を,荷重−ひずみ線図から読み取り,その荷重を試験片平行部

の原断面積で除して計算する。荷重−ひずみ線図によらず,コンピュータなどを用いて求めてもよい。

伸び(%)は,試験前後の標点距離の差を,試験前の評点距離の百分率として求める。

A.3.5

評価

各試験片の耐力及び伸びを A.3.4 によって求める。破断後検査で棄却されなかった全ての試験片(6 個)

の平均値を,耐力は 5 MPa の桁,伸び(%)は 0.5 %の桁まで求める。

A.4

試験報告書

試験報告書には,次の事項を記載する。

a)

規格番号及び規格名称

b)

試料の識別情報

c)

試験片の作製方法

d)

試験条件

e)

各試験片の耐力及び伸び並びにそれらの平均値

参考文献  JIS B 7721  引張試験機・圧縮試験機−力計測系の校正方法及び検証方法

JIS B 7741

  一軸試験に使用する伸び計の検証方法


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T 6004

:2012

附属書 JA

参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS T 6004:2012

  歯科用金属材料の試験方法

ISO 22674:2006

  Dentistry−Metallic materials for fixed and removable restorations and

appliances

(I)JIS の規定

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ご
との評価及びその内容

箇条番号 
及び題名

内容

(II) 
国際

規格 
番号

箇条
番号

内容

箇条ごと
の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

1  適用範囲

歯 科 用 金 属 材 料
の 試 験 方 法 に つ
いて規定。

 1 セラミックベニア用,非セラミ

ックベニア用及び両用の金属材
料を含み,歯科用装置及び修復

物の製作に適する金属材料を分
類し,その要求事項を規定する。
さらに,この国際規格は,製品

の包装,表示及び説明書に対す
る要求事項も規定する。 
適用除外:ISO 24234(アマルガ

ム用合金)

ISO 9333(ろう付材

料)

ISO 15841(矯正装置用金属

材料,ワイヤ,ブラケット,バ

ンド,スクリュー)

ISO

規格の試験方法だけ選択し,品

質要求事項は,個別 JIS に規定す
る。

試験方法と品質要求事項を別規格
にして簡略化を図った。

2  引用規格

3  用語及び
定義

3.1  ベンチクーリ
ング

 3 3.1∼3.14

削除

ISO

規格の規定を削除

これらの一部は,品質要求事項に
ついての用語であるから,JIS は,
削除した。

4

削除

ISO

規格の規定を削除

品質要求事項についての分類であ
るから,JIS は,削除した。

5

削除

ISO

規格の規定を削除

品質要求事項なので,JIS は,削除
した。

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T

 6004


2012


12

T 6004

:2012

(I)JIS の規定

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ご
との評価及びその内容

箇条番号

及び題名

内容

(II) 
国際 
規格

番号

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

5  試験片の
作製

5.3  試験片

7

7.3

試験片

追加 5.3.1.1 に板用及び線用の非鋳造用

金属材料の引張試験片を追加した。

ISO

規格の不足を JIS で補完した。

選択 5.3.1.2 に図 2 a)を追加し,選択でき

るようにした。

ISO

規格の不足を JIS で補完した。

 5.3.4

変色試験用

試験片

選択 5.3.4 に静的浸せき試験片を選択で

きるようにした。

反 復 浸 せ き 試験 片 も 規 定する た
め,技術的差異はない。

6  試験方法

6.1  外観試験   8 8.1

情報,説明書及び表示

追加 6.1 に外観試験を追加した。

ISO

規格での外観は,用いる試料

についての外観試験であり,JIS
の外観試験とは相違がある。この
規格では,他の JIS と整合するた

め,内容を変更した。

 6.2

定量試験     8.2

化学組成

変更

JIS

の規定に変更した。

型式試験及び製造配合ロット試験

について記載した。

 6.3

機械的性質

8.3

機械的性質

追加 6.3.1 に JIS B 7502 への適合を追加

した。

ISO

規格の不足を JIS で補完した。

追加 6.3.2.1 に板用及び線用の非鋳造用

金属材料の手順を追加した。

ISO

規格の不足を JIS で補完した。

追加 6.3.6.2 に板用及び線用の非鋳造用

金属材料の評価を追加した。

ISO

規格の不足を JIS で補完した。

 6.4

密度試験     8.4

密度試験

選択 6.4.4 に JIS Z 8807 による方法を選

択できるようにした。

JIS Z 8807

と ISO 規格とに技術的

差異はない。

 6.6

変色試験     8.6

変色試験

選択 6.6 に変色試験(静的浸せき)を選

択できるようにした。

変色試験(反復浸せき)も規定す
るため,技術的差異はない。

 6.8

熱膨張試験

8.8

熱膨張試験

選択 6.8

b)に 50  ℃と 500  ℃との間を選

択できるようにした。

25  ℃と 500  ℃との間も規定する
ため,技術的差異はない。

9

情報及び取扱説明書

削除

ISO

規格の規定を削除

製 品 に 対 す る要 求 事 項 である か
ら,JIS は削除した。

10

表示及びラベリング

削除

ISO

規格の規定を削除

製 品 に 対 す る要 求 事 項 である か
ら,JIS は削除した。

附属書 A 
(参考)

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T

 6004


2012


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T 6004

:2012

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 22674:2006,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

−  削除国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

−  追加国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

−  変更国際規格の規定内容を変更している。

−  選択国際規格の規定内容とは異なる規定内容を追加し,それらのいずれかを選択するとしている。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

−  MOD国際規格を修正している。

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T

 6004


2012