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T 6002

:2005

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本歯科材料工業協同組合(JDMA)/財団法

人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標

準調査会の審議を経て,厚生労働大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 10271:2001,Dental metallic materials

−Corrosion test methods を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS T 6002

には,次に示す附属書がある。

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表


T 6002

:2005

目  次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

2

4.

  試験方法

2

4.1

  静的浸せき試験

2

4.2

  電気化学的試験

4

4.3

  変色試験(反復浸せき)

8

4.4

  変色試験(静的浸せき)

10

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

13

 


日本工業規格

JIS

 T

6002

:2005

歯科用金属材料の腐食試験方法

Dental metallic materials

−Corrosion test methods

序文  この規格は,2001 年に第 1 版として発行された ISO 10271,Dental metallic materials−Corrosion test

methods

を翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変

更の一覧表をその説明を付けて,

附属書(参考)に示す。

1.

適用範囲  この規格は,歯科で用いる金属材料の腐食試験方法について規定する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 10271:2001

,Dental metallic materials−Corrosion test methods (MOD)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 7502

  マイクロメータ

JIS B 8391-2

  エアードライヤ−第 2 部:性能等級

備考  ISO 7183-2:1996  Compressed air dryers−Part 2 : Performance ratings が,この規格と一致して

いる。

JIS K 1105

  アルゴン

JIS K 1107

  高純度窒素

JIS K 8101

  エタノール (99.5)(試薬)

JIS K 8150

  塩化ナトリウム(試薬)

JIS K 8576

  水酸化ナトリウム(試薬)

JIS K 8726

  乳酸(試薬)

JIS K 8891

  メタノール(試薬)

JIS K 8949

  硫化ナトリウム九水和物(試薬)

JIS R 3503

  化学分析用ガラス器具

JIS R 6253

  耐水研磨紙

JIS Z 0103

  防せい防食用語

JIS Z 8802

  pH 測定方法

JIS Z 8805

  pH 測定用ガラス電極


2

T 6002

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3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 0103 によるほか,次による。

a)

不動態破壊電位(breakdown potential) E

p

  それ以上の電位では,孔食若しくはすき間腐食,又は両方が

始まり進行する電位。

b)

腐食(corrosion)  金属がそれをとり囲む環境物質によって,化学的若しくは電気化学的に浸食されるか,

又は材質的に劣化する現象。

c)

腐食電位(corrosion potential) E

corr

  開回路状態での金属の参照電極(reference electrode)に対する電位。

d)

腐食生成物(corrosion products)  腐食によって生成した物質。

e)

すき間腐食(crevice corrosion)  金属又は金属と他の材料との間にすき間が存在する場合,すき間の内

外においてイオン,酸素などの濃淡電池が構成されて生じる腐食。

f)

電流密度(current density)  導体の単位面積当たりに流れる電流。

g)

電気化学的腐食(electrochemical corrosion)  電気化学的反応の結果として電解質中で起きる劣化。

h)

電解質(electrolyte)  イオンによって電流を通す溶液又は液体。

i)

電極電位(electrode potential)  試料と参照電極(reference electrode)との間の電位。

j)

動的浸せき試験(dynamic immersion test)  試験体と溶液との間で相対的な運動のある状態で,試験体が

腐食溶液にさらされる試験。

k)

静的浸せき試験(static immersion test)  試験体と溶液との間で相対的な運動が最小の状態で,試験体が

腐食溶液にさらされる試験。

l)

開回路電位(open-circuit potential)  電流が流れない状態での参照電極又は他の電極に対する電極電位。

m)

孔食(pitting corrosion)  金属内部に向かって孔状に進行する局部腐食。

n)

動的電位試験(potentiodynamic test)  電極電位があらかじめプログラムされた速度で変化する状態で,

電流密度と電極電位との関係を記録する試験。

o)

定電位試験(potentiostatic test)  電極電位が一定に保たれた状態での試験。

p)

応力腐食(stress corrosion)  静的引張応力と電解質との複合反応によって起こる腐食現象。

q)

人工だ(唾)液(synthetic saliva)  天然だ液を模擬した試験溶液。

r)

変色(tarnish)  金属とその周囲環境との間の相互作用によって生じる金属表面の退色。

s)

ゼロカレントポテンシャル(zero-current potential)  カソード電流及びアノード電流が等しいときの電

位。

4.

試験方法

4.1

静的浸せき試験

4.1.1

必要とされる情報  成分分量

4.1.2

試薬及び装置  試薬及び装置は,次による。

a)

乳酸                 (C

3

H

6

O

3

)

JIS K 8726

に規定するもの。

b)

塩化ナトリウム              (NaCl)

JIS K 8150

に規定するもの。

c)

水                                    (純水又は蒸留水)

d)

エタノール           (C

2

H

5

OH)

              JIS K 8101 に規定するもの。

e)

メタノール            (CH

3

OH)

JIS K 8891

に規定するもの。

f)

ほうけい酸ガラス容器

JIS R 3503

に規定するもの。

g) pH

メータ

JIS Z 8802

及び JIS Z 8805 に規定するもの。

h)

溶出元素分析装置


3

T 6002

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i)

マイクロメータ                            JIS B 7502 に規定するもの。

j)

圧縮空気                                  JIS B 8391-2 に規定するもの。    

k)

耐水研磨紙                                JIS R 6253 に規定するもの。

4.1.3

試験溶液の調製方法  試験ごとに,新たに試験溶液を調製する。乳酸  (90 %) 10.0±0.1 g 及び塩化

ナトリウム 5.85±0.005 g を約 300 mL の純水又は蒸留水に溶かす。それを純水又は蒸留水で 1 000±10 mL

に希釈する。この溶液の pH は,2.3±0.1 でなければならない。

4.1.4

試験片  試験片は,次による。

a)

作製  作製は,次による。

1)

鋳造用合金  製造業者が指定する方法によって,試験片を鋳造する。

2)

既製品  既成部品・用具は,受け入れたままの状態で使用する。

3)

その他  その他の方法,例えば,機械加工,焼結,エッチング加工などで作製されている試験片は,

適切な清掃の後に作製されたままの状態で試験を行う。

b)

寸法  寸法は,一組の総表面積が 10 cm

2

以上となるものでなければならない。

c)

試験片の数    試験片の数は,少なくとも二組の試料を用意できる数とする。

d)

調製  調製は,次による。

1)

鋳造試験片  スプルー,ランナーバー,その他ばりなどの突起物を試験片の表面から除去し,粒径

約 125 µm のアルミナでサンドブラストする。熱処理が必要な場合には,製造業者の指示によって

行うが,歯科鋳造用陶材焼付合金の場合には,陶材の製造業者が推奨する最高焼成温度で,大気中

にて 10 分間熱処理した後に放冷する。

次に,

試験片のすべての面を少なくとも 0.1 mm 以上除去し,

試験片は,最終的には JIS R 6253 に規定する 1 000 番の耐水研磨紙で研磨仕上げする。耐水研磨紙

は,試験片を作製する金属材料の種類ごとに,専用のものを使用する。それぞれの試験片の表面積

を 0.1 cm

2

のけたまで求める。表面をエタノール又はメタノール中で 2 分間,超音波で洗浄し,純水

又は蒸留水で水洗し,JIS B 8391-2 に規定する水分及び油分を含まない清浄な圧縮空気で乾燥する。

2)

機械加工品,焼結加工品,エッチング加工品及び電鋳加工品  熱処理が必要な場合には実施した後

に, 0.01 mm の精度をもつ計測器(マイクロメータなど)を用いて測定しながら,試験片のすべて

の面を少なくとも 0.1 mm 以上除去し,試験片は,最終的には JIS R 6253 に規定する 1 000 番の耐水

研磨紙で研磨仕上げする。耐水研磨紙は,試験片を作製する金属材料の種類ごとに,専用のものを

使用する。試験片が既製品の部品から構成されている場合には,製品のままの状態で試験を行わな

ければならない。

表面積を 0.1 cm

2

のけたまで求める。

表面をエタノール又はメタノール中で 2 分間,

超音波で洗浄し,純水又は蒸留水で水洗し,JIS B 8391-2 に規定する水分及び油分を含まない清浄

な圧縮空気で乾燥する。

3)

既製部品・既成装置  試験片の表面積を 0.1 cm

2

のけたまで求め,表面をエタノール又はメタノール

中で 2 分間,超音波で洗浄し,純水又は蒸留水で水洗し,JIS B 8391-2 に規定する水分及び油分を

含まない清浄な圧縮空気で乾燥する。

4.1.5

試験方法  それぞれの試験片を JIS R 3503 に規定する個別のガラス容器(外径約 16 mm,高さ約

160 mm

)の中に置くが,保持のための線又は点接触以外には試験片がガラス容器に接触しないように設置

する。試験片が 2 個以上からなる場合には,それぞれが接触しないようにガラス容器内に設置されなけれ

ばならない。試験溶液の pH を記録した後,溶液をガラス容器に注入する。注入量は,試験片の表面積 1 cm

2

当たり 1 mL とするが,0.1 mL のけたまで注入量を記録する。溶液の蒸発を防止するためにガラス容器を

密閉し,ガラス容器を 37±1  ℃の環境下で 7 日間±1  時間保管する。試験片を取り出した後の溶液の pH


4

T 6002

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を記録しておく。

4.1.6

元素分析  適切な感度をもつ分析装置を用いて溶液の定性分析及び定量分析を行う。4.1.1 で記載

した元素を優先的に分析するが,0.1 %以上の不純物が検出された場合には,それらも報告しなければなら

ない。

4.1.7

試験報告書  試験報告書には,次の事項を記載する。

a)

分析方法及び検出されたすべての元素の検出限界。

b)

試験片の調製又は試験方法において発生した規格からの逸脱及びそれに対する正当な理由付け。

c)

一組の試料を作製するために用いた試験片の数。

d)

定性分析で確認されたすべての元素の 7 日間当たりの溶出量(それぞれ個別に µg/cm

2

の単位で,4.1.1

に記載した以外の元素を含む。

4.2

電気化学的試験

4.2.1

必要とされる情報  成分分量

4.2.2

試薬及び装置  試薬及び装置は,次による。

a)

乳酸                                (C

3

H

6

O

3

)

JIS K 8726

に規定するもの。

b)

塩化ナトリウム                            (NaCl)                          JIS K 8150 に規定するもの。

c)

水酸化ナトリウム(試薬)            (NaOH)                        JIS K 8576 に規定するもの。

d)

水                                                        (純水又は蒸留水)

e)

アルゴンガス                                    (アルゴン)                  JIS K 1105 に規定するもの。

f)

窒素ガス                                            (高純度窒素)              JIS K 1107 に規定するもの。

g)

温度調節装置付ガラス電解槽  [化学分析用ガラス器具(JIS R 3503 に規定するもの。

]  二重壁の

電解槽にて試験しない場合には,23±2  ℃の環境下で試験を実施する。

h)

走査形ポテンショスタット  走査する電位の範囲は,±1 600 mV,電流密度は,10

-9

∼10

-1

A

の範囲を

もつもの。

i)

電位指示計  入力インピーダンスが 10

11

Ω以上で,感度/精度は,電位の範囲が±1 600 mV において 1

mV

の変化が検出できるもの。

j)

電流指示計  電流が 10

-9

∼10

-1

 A

の範囲にわたって絶対値の 1 %以内の電流を測定する能力をもつも

の。

k)

作用電極(試験片保持具)

l)

対電極  高純度非晶質炭素又は白金から成るもの。

m)

参照電極  飽和甘こう電極(SCE:Saturated Calomel Electrode)又は飽和銀・塩化銀電極(SSE:Saturated

Silverchloride Electrode)

を用いる。

n) pH

メータ

4.2.3

電解液の調製  塩化ナトリウム 9.0 g を純水又は蒸留水約 950 mL に溶解し,1 %乳酸水溶液又は 4 %

水酸化ナトリウム水溶液によって pH を 7.4±0.1 に調整し,最終的に純水又は蒸留水で 1 000 mL に希釈す

る。

4.2.4

試験片  試験片は,次による。

a)

作製  作製は,次による。

1)

鋳造用合金  製造業者が指定する方法によって,試験片を鋳造する。

2)

既製品  既製部品・装置は,製品のままの状態で使用する。

3)

その他  その他の方法,例えば,機械加工,焼結加工,エッチング加工などで作製された試験片は,


5

T 6002

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適切な掃掃の後に作製されたままの状態で試験を行う。

b)

寸法  寸法は,暴露部分の表面積が 0.1 cm

2

以上でなければならない。

c)

試験片の数  試験片の数は,少なくとも 4 個で試験を行う。ただし,これらの試験片は,同一の鋳造

体から切り出して作製してもよい。

d)

調製  調製は,次による。

1)

試験片が鋳造体の場合には,表面を粒径約 125 µm のアルミナでサンドブラストし,埋没材を除去

する。

2)

歯科鋳造用陶材焼付合金の場合には,陶材の製造業者が推奨する最高焼成温度で,大気中で 10 分間

熱処理した後に放冷する。

3)

熱処理が必要な場合には,製造業者の指定によって行う。

4)

暴露される試験片の面は,平面に調製しなければならない。

5)

電気化学的試験装置と接続するために,試験片は,導線と電気的に接続されていなければならない。

作用電極は,すき間がないように調製されなければならないが,浸せき試験中に電気的な絶縁の低

下が起こらないように,エポキシ樹脂又はアクリル樹脂に埋め込む方法が望ましい。試験後の観察

によってすき間が生じないことが確証される場合には,樹脂埋込みの代わりに,試験片保持具を採

用することができる。

6)

樹脂に埋め込まれた試験片の露出した表面を少なくとも 0.1 mm 以上除去し,試験片は,標準的な

金属組織観察の手法を用いて研磨を行い,1 µm の粒径のダイヤモンドペーストで最終仕上げを行う。

研磨には,合金ごとに新しい研磨紙を用いる。

7)

倍率が 50 倍の光学顕微鏡によって,試験片と樹脂との界面に割れ目又はすき間の有無を確認し,割

れ目又はすき間が確認された場合には,試験片を交換する。

8)

試験片の暴露部分の面積を 0.01 cm

2

の精度で求める。

9)

純水で 2  分間超音波洗浄によって表面を清掃し,試験用の電解槽に移行するまで純水中に保存する。

4.2.5

試験方法  電気化学的測定回路の例を図 に,電解槽の例を図 に示す。試験は,次による。

a) 

電解槽に電解液を注入する。

b) 

試験は,室温 23±2  ℃で行う。ただし,室温と 37  ℃との間に相転移がある場合には,試験温度は,

37

±1  ℃とする。

c) 

参照電極に続いて対電極を電解槽の中に設置し,次に作用電極を電解槽に設置するが,この時点では

電極を電解液に浸せきしないようにする。

d) 

磁気かくはん(撹拌)装置を作動させ,酸素を含んでいない窒素又はアルゴンを,毎分 100 mL の速度

で少なくとも 30 分間以上電解液中に泡立たせて脱気する。

e) 

脱気後,作用電極を電解質に浸せきし,参照電極を調節する。

f) 

ガス流量をやや泡立つ程度に調節し,測定作業を開始する。


6

T 6002

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1  ポテンショスタット                            a  電流測定装置 
2  対電極                                        b  電位測定装置 
3  参照電極 
4  作用電極(試料)

  1  測定回路の概要図

1  温度計              6  参照電極(飽和甘こう電極)(SCE)      11  磁気かくはん機(モータ)
2  対電極              7  KCl 飽和溶液                          12  二重壁容器 
3  作用電極(試料)    8  ルギン管                              13  電解液 
4  ガス出口            9  磁気かくはん子(PTFE コーティング)   14  水出口 
5  塩橋              10  水入り口                              15  気泡管(窒素ガス)

  2  電解槽の概要図


7

T 6002

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1)

開回路電位測定  2 時間にわたる時間対開回路電位を記録する。浸せき開始 2 時間±6 分の時点での

参照電極(SCE)に対する開回路電位(E

OCP

)

を mV 単位で測定する。電位対時間の曲線の例を,

図 

示す。

2)

電位測定(アノード分極)  開回路電位の測定の 5  分後に E

OCP

より 150 mV 低い電位から電位の走

査を開始する。動的な電位の掃引速度は,電流密度が 10

-3

 A/cm

2

まで,又は+1 000 mV の電位まで,

若しくは不動態破壊電位(E

P

)

+300 mV までは,1 mV/s でなければならない。電位対電流密度の対数

の曲線を記録する。最初の電位までの逆走査は,孔食に関する情報を得るには有用である。電位対

電流密度の対数の例を,

図 に示す。

  3  電位−時間曲線


8

T 6002

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  4  アノード分極曲線の一例

4.2.6

試験報告書  試験報告書には,次の情報を記載しなければならない。

a)

試験合金の名称

b)

熱処理方法の詳細(採用した場合)

c)

試験温度  ただし,37  ℃を採用した場合には選択した理由。

d)

試験片の調製又は試験方法からのすべての逸脱の記録。

e) mV

単位(飽和甘こう電極基準)で表した開回路電位  E

OCP

f)

電位対電流密度の対数の分極曲線又は電位対電流密度の分極曲線。

g) mV

単位(飽和甘こう電極基準)で表したゼロカレントポテンシャル  E

Z

h) mV

単位(飽和甘こう電極基準)で表した不動態破壊電位  E

P

とそれに対応する A/cm

2

単位で表した電

流密度  I

P

i)

E

Z

と E

P

との間の不動態領域に存在する mV 単位(飽和甘こう電極基準)で表した最大活性電位  E

C

それに対応する A/cm

2

単位で表した電流密度  I

C

j)

E

Z

+300 mV(飽和甘こう電極基準)の電位における A/cm

2

単位で表した電流密度  I

300

k)

電極又は合金表面における顕著な変化  参照電極に飽和甘こう電極以外を使した場合には,報告書の

記載の電位は,飽和甘こう電極を参照電極にした値に変換されていなければならない。

4.3

変色試験(反復浸せき)

4.3.1

必要とされる情報  成分分量

4.3.2

試薬及び装置  試薬及び装置は,次による。

a)

硫化ナトリウム九水和物   (Na

2

S

・9H

2

O)

        JIS K 8949 に規定するもの。

b)

水                                        (純水又は蒸留水)

E

SCE

(mV)


9

T 6002

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c)

エタノール               (C

2

H

5

OH)

JIS K 8101

に規定するもの。

d)

メタノール               (CH

3

OH)

JIS K 8891

に規定するもの。    

e)

耐水研磨紙

                                          JIS R 6253 に規定するもの。

f)

浸せき試験装置    各々の試験片を 23±2  ℃に保持した試験溶液に,毎分当たり 10∼15 秒間浸せきす

るように設計されている装置。

参考図 及び参考図 に例を示す。

参考図  1  回転式浸せき試験装置の一例

参考図  2  往復式浸せき試験装置の一例

4.3.3

試験溶液の調製  試験ごとに新しい試験溶液を用意する。硫化ナトリウム九水和物 24.0 g を純水又

は蒸留水約 950 mL に溶かした後に純水又は蒸留水で希釈し,1 000 mL とする。

4.3.4

試験片  試験片は,次による。

a)

作製  作製は,製造業者が指定する方法によって行う。


10

T 6002

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b)

寸法  寸法は,試験片の表面積が約 1 cm

2

とする。

c)

試験片の数  試験片の数は,少なくとも 2 個以上を用いて試験する。

d)

調製  調製は,次による。

1)

スプルー,ランナーバー,その他ばりなどの突起物を試験片の表面からすべて除去し,表面を粒径

約 125 µm のアルミナでサンドブラストし,埋没材を除去する。

2)

熱処理が必要な場合には,製造業者が指定する方法によって行う。

3)

歯科鋳造用陶材焼付合金の場合には,陶材の製造業者が推奨する最高焼成温度で,10 分間熱処理し

た後に放冷する。

4)

試験片を室温硬化樹脂に包埋し,標準的な金属組織観察の手法を用いて研磨を行い,1 µm のアルミ

ナ又は水性のダイヤモンドペーストで最終仕上げを行う。研磨には,合金ごとに新しい研磨紙を用

いる。

5)

水中で 2 分間の超音波洗浄を行った後に,油分及び水分を含まない圧縮空気で試験片を乾燥する。

4.3.5

試験方法  試験は,適切な換気装置の下で行う。1 個の包埋された試験片を浸せき装置内に新しく

調製した試験溶液に浸せきする。試験溶液は,24±1 時間で取り替える。72±1 時間の浸せきの後に試験片

を取り出し,純水又は蒸留水で水洗する。試験片をエタノール又はメタノールに浸せきし,JIS B 8391-2

に規定する水分及び油分を含まない清浄な圧縮空気で乾燥する。

4.3.6

観察  光学的に拡大することなく,目視によって変色試験を行ったものと行わないものとの比較に

よって試験片表面の劣化を観察する。

4.3.7

試験報告書  試験報告書には,次の情報を記載しなければならない。

a)

試験片の準備及び/又は試験方法において発生した規格からの逸脱及びそれに対する正当な理由付け

b)

熱処理を行った場合には,その詳細な記録。

c)

浸せき試験をしていないものとの比較から得られた色調及び反射率に関しての相違。

4.4

変色試験(静的浸せき)

4.4.1

必要とされる情報  成分分量

4.4.2

試薬及び機器  試験及び機器は,次による。

a)

硫化ナトリウム九水和物  (Na

2

S

・9H

2

O)

        JIS K 8949 に規定するもの。

b)

水                                      (純水又は蒸留水)

c)

エタノール              (C

2

H

5

OH)

JIS K 8101

に規定するもの。

d)

メタノール              (CH

3

OH)

JIS K 8891

に規定するもの。

e)

耐水研磨紙                                          JIS R 6253 に規定するもの。

f)

浸せき試験器具    各々の試験片を 37±2  ℃に保持した試験溶液 50 mL に 72±2  時間浸せきする器具。

一例を,

図 に示す。


11

T 6002

:2005

  5  浸せき試験器具(例)

4.4.3

試験溶液の調製  試験ごとに新しい試験溶液を用意する。硫化ナトリウム九水和物 3.1 g を純水又

は蒸留水約 950 mL に溶解した後に純水又は蒸留水で希釈し,1 000 mL とする。

4.4.4

試験片  試験片は,次による。

a)

作製  作製は,製造業者が指定する方法によって行う。

b)

寸法  寸法は,幅 15 mm,長さ 20 mm 及び厚さ 1 mm とする。

c)

調製  調製は,次による。

1)

スプルー,ランナーバー,その他ばりなどの突起物を試験片の表面からすべて除去し,表面を粒径

約 125 µm のアルミナでサンドブラストし,埋没材を除去する。

2)

熱処理が必要な場合には,製造業者が指定する方法によって行う。

3)

歯科鋳造用陶材焼付合金の場合には,陶材の製造業者が推奨する最高焼成温度で,10 分間熱処理し

た後に放冷する。

4)  JIS R 6253

に規定する 800 番の耐水研磨紙で研磨仕上げする。研磨には,合金ごとに新しい研磨紙

を用いる。

5)

水中で 2 分間の超音波洗浄を行った後に,試験片をエタノール又はメタノールに浸せきし,JIS B 

8391-2

に規定する水分及び油分を含まない清浄な圧縮空気で乾燥する。

4.4.5

試験方法  1 個の試験片を浸せき装置内に新しく調製した試験溶液 50 mL に浸せきする。37±1  ℃

の温度で 72±1 時間浸せきする。試験後に試験片を取り出し,純水又は蒸留水で水洗する。試験片をエタ

ノール又はメタノールに浸せきし,JIS B 8391-2 に規定する水分及び油分を含まない清浄な圧縮空気で乾

燥する。

4.4.6

観察  光学的に拡大することなく,目視によって変色試験を行ったものと行わないものとの比較に

よって試験片の表面の劣化を観察する。

4.4.7

試験報告書  試験報告書には,次の情報を記載しなければならない。

a)

試験片の準備及び/又は試験方法において発生した規格からの逸脱及びそれに対する正当な理由付け。


12

T 6002

:2005

b)

熱処理を行った場合には,その詳細な記録。

c)

浸せき試験をしていないものとの比較から得られた色調及び反射率に関しての相違。


13

T 6002

:2005

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS T 6002

:2005  歯科用金属材料の腐食試験方法

ISO 10271

:2001  歯科用金属材料−腐食試験方法

(

Ⅰ) JIS の規定

(

Ⅲ)  国際規格の規定

(

Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項目ごと

の評価及びその内容 
  表示箇所:本体 
  表示方法:側線又は点線の下線

項目 
番号

内容

(

Ⅱ )  国 際

規格番号

項目
番号

内容

項 目 ご と
の評価

技術的差異の内容

(

Ⅴ)  JIS と国際規格との技

術的差異の理由及び今後
の対策

1.

適用範囲

歯科で用いる金属材料の試験
方法について規定。

ISO 10271

1

JIS

に同じ。

IDT

JIS B 8391-2 

ISO 7183-2 

IDT

JIS B 7502

JIS K 1105JIS K 

1107

JIS K 8101JIS K 8150

JIS K 8576

JIS K 8726JIS K 

8891

JIS K 8949JIS R 3503

JIS R 6253

JIS Z 0103JIS Z 

8802

JIS Z 8805 

MOD/

追加

ISO

規格は,試験に使用

する試薬,ガス,試験方
法 な ど に つ い て の 適 用
規 格 を 明 記 し て い な い

ため。

2.

引用規格

2

ISO 1562

ISO 3585

ISO 3696

ISO 8891

ISO 9333

ISO 9693 

MOD/

削除

ISO

規格に規定している

歯 科 用 金 属 材 料 の 規 定
は不要。

3.

定義 19 項目の用語の定義を規定。

3

JIS

と同じ。

IDT

4.1

静的浸せき試験

4.2

電気化学的試験

4.3

変色試験(反復浸せき)

4.1

4.2

4.3

JIS

にほぼ同じ。

MOD/

削除

各試験方法において,ISO 規格
の“適用歯科金属材料”の項目
を削除。

JIS

は,試験方法規格な

の で 歯 科 用 金 属 材 料 の
規定は不要。

4.

試験方法

4.4

変色試験(静的浸せき)

MOD/

追加

ISO

規格は,変色試験方法に動

的な試験だけ規定。JIS は,静

的な試験方法を追加。

我 が 国 の 従 来 方 法 を 追
加。次回 ISO 規格の改正

時に提案を検討する。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD

1

T

 6002


2005


14

T 6002

:2005

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  IDT………………  技術的差異がない。 
    ―  MOD/削除………  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

    ―  MOD/追加………  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

2.  JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  MOD……………  国際規格を修正している。

1

T

 6002


2005