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T 5750

:2009

(1) 

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義

2

4

  チップの種類

2

5

  要求事項

3

5.1

  超音波治療器

3

5.2

  連動する機能

5

5.3

  共通部

6

6

  サンプリング

6

7

  試験

6

7.1

  一般

6

7.2

  目視検査

6

7.3

  チップ及びホルダ

6

7.4

  振動数

8

7.5

  振幅(無負荷時)

9

7.6

  振幅(負荷時)

9

7.7

  冷却液の供給

10

7.8

  騒音レベル

10

7.9

  連続漏れ電流及び患者測定電流

10

7.10

  耐電圧,沿面距離及び空間距離

10

7.11

  連動する機能

11

8

  添付する文書

13

9

  表示

13

10

  包装

13

附属書 A(参考)性能及び一般的設計

14

附属書 B(参考)チップ,ホルダ及びハンドピース形状

15


T 5750

:2009

(2) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本歯科器械工業協同組合 (JDMMA),社団

法人日本歯科医師会 (JDA) 及び財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格

を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣が制定した日本工業規格

である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。


   

日本工業規格

JIS

 T

5750

:2009

歯科用多目的超音波治療器及びチップ

Dentistry-Dental handpieces-Ultrasonic instruments and tips for

multi-purpose treatment

序文

この規格は,2005 年に発行された JIS T 5911(歯科用ハンドピース−電動スケーラ及びスケーラチップ)

を基に,複数の機能をもつものが一般的になってきたため,その品質及び安全性を定めるために作成した

日本工業規格である。

1

適用範囲

この規格は,歯科用ユニットによって作動(運転)させるか,又は独立の制御装置で作動(運転)させ

る歯科用多目的超音波治療器及びチップに対する要求事項及び試験方法,並びにチップの種類について規

定する。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 7517

  ハイトゲージ

JIS C 1509-1

  電気音響−サウンドレベルメータ(騒音計)−第 1 部:仕様

JIS G 4303

  ステンレス鋼棒

JIS G 4309

  ステンレス鋼線

JIS G 4318

  冷間仕上ステンレス鋼棒

JIS H 8501

  めっきの厚さ試験方法

JIS T 0307

  医療機器−医療機器のラベル,ラベリング及び供給される情報に用いる図記号

JIS T 0601-1

  医用電気機器−第 1 部:安全に関する一般的要求事項

JIS T 0993-1

  医療機器の生物学的評価−第 1 部:評価及び試験

JIS T 5505-3

  歯科用回転器具−ダイヤモンド研削器具−第 3 部:粒度,呼び及びカラーコード

JIS T 5507

  歯科用器械−図記号

JIS T 5701

  歯科用ユニット−一般的要求事項及び試験方法

ISO 13402

,Surgical and dental hand instruments−Determination of resistance against autoclaving,corrosion

and thermal exposure

ISO 17664

,Sterilization of medical devices−Information to be provided by the manufacturer for the

processing of resterilizable medical devices

ISO 26423

,Fine ceramics (advanced ceramics, advanced technical ceramics)−Determination of coating


2

T 5750

:2009

   

thickness by crater-grinding method

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS T 0601-1 の 2.(定義)によるほか,次による。

3.1

歯科用多目的超音波治療器及びチップ(以下,超音波治療器という。)

超音波を利用した歯こう(垢)

・歯石除去,根管拡大・洗浄・清掃,根管充てん(填)などの超音波を利

用した治療機能をもつ器具。通常,制御本体,ハンドピース,ハンドピースと制御本体とを接続するチュ

ーブ(ホース)

,チップ,ホルダ及びインサートからなる。また,

“根管長測定(機能)

“歯面清掃(機能)

の機能のうち一つ以上の機能と連動するものも含む。

3.2

チップ

取替え可能で,ハンドピース又はホルダに固定され,柄部及び歯科処置を行うための作業部からなる器

具。

3.3

インサート

取替え可能で,チップ又はホルダと超音波振動を発生させるエネルギ変換部とからなる器具。

3.4

ホルダ

取替え可能で,ハンドピース又はインサートに固定され,チップ,ファイル及びプラガを固定する器具。

3.5

チップの作業域

種々のチップについて,製造販売業者が指定する使用領域。

3.6

根管長測定機能

歯内治療において,電気を利用して根管の先端の位置を確認する機能。

3.7

電極

根管長を測定するとき電流を流すための患者側(口唇)に装着する金属部。

“対極”ともいう。

3.8

歯面清掃機能

水流又は空気流で粉体を吹き付けることによって歯面を清掃・研削する機能。

3.9

テストピース

市場へ出荷されるものと同一の機能,性能をもつもの。通常,ハンドピース,チューブ(ホース)

,チッ

プ,ホルダ及びインサートがある。

4

チップの種類

チップの種類は,用途によって

表 による。

なお,種類によるチップ及びハンドピースの主な形状例は,

附属書 に示す。


3

T 5750

:2009

表 1−チップの種類

種類

主な用途

スケーリング用チップ

主として,歯こう(垢)

・歯石除去に用いる。

ルートプレーニング用チップ

主として,歯面,歯根面の滑沢に用いる。

少量形成,切削・研削用チップ

主として,り(罹)患象げ(牙)質を含む,歯の少

量形成,切削・研削に用いる。

根管拡大用チップ

主として,根管治療における根管拡大形成作業に用

いる(ファイルなどを含む。

洗浄用チップ

主として,根管,小かれっこう(窩裂溝)及び歯周

組織の洗浄,並びに歯肉のうよう(膿瘍)内の洗浄
及びそうは(掻爬)に用いる。

除去用チップ

主として,歯冠修復物又は合着・接着された修復

物,矯正用ブラケット,矯正用バンド,根管内異物
などの除去に用いる。

充てん(填)用チップ

主として,根管充てん(填)に用いる(プラガなど
を含む。

振動付与用チップ

主として,歯冠修復物を合着・接着する場合に,振
動によってセメントなどに流動性を与え,密着させ
るために用いる。

メンテナンス用チップ

主として,歯冠修復物又は合着・接着された修復物
周辺に付着した歯こう(垢)の除去に用いる。

切開・切除用チップ

主として,歯周組織(歯そう骨を含む。

)の切開・

切除に用いる。

5

要求事項

5.1

超音波治療器

5.1.1

ハンドピース接続の一般的設計

ホースとの接続及び配置は,

製造販売業者の取扱説明書によって装着し,

推奨する設定条件で作動させ,

7.2

によって試験したとき,漏れがあってはならない。

5.1.2

チップ及びホルダ

5.1.2.1

外観

チップの外表面には,7.3.1 によって試験したとき,きず(傷)

,さび(錆)

,ひび及びはがれがあっては

ならない。

5.1.2.2

引抜き力

製造販売業者の取扱説明書によって装着したチップとホルダとの接続は,7.3.2 によって試験したとき,

最低 20 N の軸方向の(引抜き)力に耐えなければならない。

5.1.2.3

緩みトルク(ねじ込み式に適用)

製造販売業者の取扱説明書によって装着したチップとホルダとの接続は,7.3.3 によって試験したとき,

回らずに最低 20 N・cm の緩みトルクに耐えなければならない。

5.1.2.4

チップの挿入

ハンドピース又はホルダにチップを挿入して固定するために要する挿入力は,7.3.4 によって試験したと

き,30 N を超えてはならない。


4

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5.1.2.5

耐食性及び滅菌に対する耐久性

チップ及びホルダは,7.3.6 a)  によって試験したとき,さび及び変色がなく,その外観が変化してはな

らない。また,ハンドピース,チップ及びホルダは,劣化の兆候及び性能の低下を示さずに,製造販売業

者の取扱説明書に指定された推奨する滅菌手順で,7.3.6 b)  によって試験したとき,最低 250 回耐えなけ

ればならない。

単回使用のチップ及びホルダ,又はハンドピースの部品は,滅菌状態で供給するか,又は製造販売業者

の取扱説明書に指定された滅菌で,劣化の兆候及び性能の低下を示さず,1 回の使用に耐えなければなら

ない。

5.1.2.6

材料

5.1.2.6.1

金属

チップ及びホルダの金属材料は,JIS G 4303JIS G 4309 及び JIS G 4318 に規定するもの,又はそれら

と同等以上のものとする。

5.1.2.6.2

樹脂

チップの樹脂は,ポリフェニレンサルファイド (PPS),ポリエーテルエーテルケトン (PEEK),ポリエー

テルスルホン (PES),ポリフェニルサルフォン (PPSU) 又はポリアセタール (POM) でなければならない。

前記以外のものを用いる場合には,JIS T 0993-1 に適合し,機械的性質が既存品と比較して適切なもので

なければならない。

5.1.2.6.3

ダイヤモンドコーティング

ダイヤモンドコーティングは,次による。

a)

ダイヤモンドコーティングの外観  ダイヤモンドコーティングの外表面には,7.3.1 によって試験した

とき,ダイヤモンドコーティングの有効面に,割れ,素地の露出及びはがれがあってはならない。

b)

ダイヤモンドと(砥)粒の粒度  ダイヤモンドコーティングに用いるダイヤモンドと(砥)粒の粒度

は,JIS T 5505-3 に適合しなければならない。

c)

ダイヤモンドコーティングの密着性  ダイヤモンドコーティングの密着性は,次による。

1)

チップ[c) 2)  及び c) 3)  に記載されているチップの種類を除く。

]のダイヤモンドコーティングの密

着性は,7.3.7 a)  によって試験したとき,はがれがあってはならない。

2)

ホルダに取り付けるファイル及び針状チップのダイヤモンドコーティングの密着性は,7.3.7 b)  に

よって試験したとき,はがれがあってはならない。

3)

中空のチップ及び樹脂チップは,7.3.7 によって試験したとき,はがれがあってはならない。

5.1.2.6.4

チタンコーティング

チタンコーティングは,次による。

a)

チタンコーティングの外観  チタンコーティングの外表面は,7.3.1 によって試験したとき,チタンコ

ーティングの有効面に,割れ,素地の露出又ははがれがあってはならない。

b)

チタンコーティングの厚さ  チタンコーティングの厚さは,7.3.8 によって試験したとき,チタンコー

ティングの有効面において,0.1∼20 μm の範囲内でなければならない。

c)

チタンコーティングの密着性  チタンコーティングの密着性は,次による。

1)

チップ[c) 2)  及び c) 3)  に記載されているチップの種類を除く。

]のチタンコーティングの密着性は,

7.3.7 a)

によって試験したとき,はがれがあってはならない。

2)

ホルダに取り付けるファイル及び針状チップのチタンコーティングの密着性は,7.3.7 b)  によって

試験したとき,はがれがあってはならない。


5

T 5750

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3)

中空のチップ及び樹脂チップは,7.3.7 によって試験したとき,はがれがあってはならない。

5.1.2.7

強さ

強さは,次による。

a)

チップ[b)  及び c)  に記載されているチップの種類を除く。

]は,7.3.5 a)

によって試験したとき,折

れ,曲がり又は変形があってはならない。

b)

ファイル及び針状チップは,7.3.5 b)

によって試験したとき,折れ,曲がり又は変形があってはならな

い。

c)

中空のチップ及び樹脂チップは,7.3.5 によって試験をしたとき,折れ,曲がり又は変形があってはな

らない。

5.1.3

性能

5.1.3.1

振動数

製造販売業者が推奨する設定条件で作動させたチップの振動数は,7.4 によって試験したとき,18 000∼

60 000 Hz でなければならない。

5.1.3.2

振幅(無負荷時)

製造販売業者が推奨する最大出力で作動させたチップの最大振幅は,7.5 によって試験したとき,200 μm

を超えてはならない。チップの形状によって 200  μm を超える場合には,箇条 に規定する添付する文書

にその旨を記載する。

5.1.3.3

振幅(負荷時)

荷重 1.0 N を負荷して製造販売業者が推奨する最大出力で作動させた振動面(又は振動方向)に垂直な

方向の作業チップの最大振幅は,7.6 によって試験したとき,200  μm を超えてはならない。チップの形状

によって 200 μm を超える場合には,箇条 に規定する添付する文書にその旨を記載する。

5.1.4

冷却液の供給(該当する場合)

製造販売業者が推奨する最大出力で作動させた冷却液の流量は,7.7 によって試験したとき,50 mL/min

未満で,かつ,チップの作動領域を冷却できなければならない。

5.1.5

騒音レベル

製造販売業者が推奨する最大出力で作動させた超音波治療器から発生する A 特性の重みを付けた音圧レ

ベル値は,7.8 によって試験したとき,70 dBA を超えてはならない。

5.2

連動する機能

5.2.1

根管長測定機能

5.2.1.1

測定精度

測定結果と実際の位置とのずれの値は,根管長測定機能を 7.11.2 に示す試験系で作動させたとき,+0.5

mm∼−1.5 mm の範囲内でなければならない。ただし,試験は,3 個以上の異なる抜去歯,抜去歯と同等

の性能をもつ模型などを対象として行い,いずれの場合もこの範囲内でなければならない。

5.2.1.2

表示値

根管長の表示は,製造販売業者が指定する根管に対応する等価インピーダンスなどを接続したとき,製

造販売業者が指示する値でなければならない。

5.2.1.3

電極の耐食性及び滅菌に対する耐久性

5.1.2.5

による。


6

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5.2.2

歯面清掃機能

5.2.2.1

清掃用水の供給量

ハンドピースは,7.11.3.1 によって試験したとき,製造販売業者が推奨する供給圧で,30 mL/min 以上供

給できなければならない。

5.2.2.2

清掃用空気の供給量

ハンドピースは,7.11.3.2 によって試験したとき,製造販売業者が推奨する供給圧で,5 L/min 以上供給

できなければならない。

5.2.2.3

清掃用粉体の吐出量

ハンドピースは,7.11.3.3 によって試験したとき,0.5 g/min 以上吐出できなければならない。

5.2.2.4

ハンドピースの先端部分の耐食性及び滅菌に対する耐久性

5.1.2.5

による。

5.3

共通部

5.3.1

照明用電源(該当する場合)

ハンドピースの光源の電圧は,変圧器又はコンバータに定格電圧を与えたとき,安全特別低電圧変圧器

又は同等の電気的分離をもつ装置によって得られる,電源(商用)及び大地から切り離された導線間の定

格値が,交流 25 V 又は直流 60 V を超えてはならない。

5.3.2

電源の種類

製造販売業者が指定する電源を用いるか,又は JIS T 5701 による。

5.3.3

安全性

歯科用ユニットによって作動される機器は,7.9 によって試験したとき,JIS T 0601-1 の 19.3(許容値)

に適合しなければならない。また,7.10 に定められた試験に適合しなければならない。独立の制御装置に

よって作動される機器は,JIS T 0601-1 に適合しなければならない。

6

サンプリング

各形式ごとに,1 個以上のハンドピース,チップ,ホルダ及びインサートについて,この規格への適合

性を試験しなければならない。また,根管長測定機能及び歯面清掃機能についても,この規格への適合性

を試験しなければならない。

7

試験

7.1

一般

この規格に規定する試験は,すべて形式試験である。

7.2

目視検査

拡大しないで,健常視力で目視検査を行う。

7.3

チップ及びホルダ

7.3.1

外観

チップの外表面を,5 倍以上の拡大鏡で目視検査を行う。

7.3.2

引抜き力

7.3.2.1

測定機器

置き針式ばねばかり(プッシュプルゲージ)で,引抜き力を精度±0.5 N で測定できるもの。


7

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7.3.2.2

手順

製造販売業者の取扱説明書によって,ハンドピースにチップ又はホルダを装着する。製造販売業者が推

奨する最大液体流量及び最高振動数で,1 分間以上ハンドピースを作動させて,スイッチを切る。測定機

器を当てて,チップ又はホルダを引き抜くのに要する力を測定する。

7.3.3

緩みトルク(ねじ込み式に適用)

7.3.3.1

測定機器

トルク計又はダイナモメータで,緩みトルクを精度が表示値の±10 %で測定できるもの,かつ,測定単

位がニュートン・センチメートル (N・cm)  であるもの。

7.3.3.2

手順

製造販売業者の取扱説明書によって,ハンドピースにチップ又はホルダを装着する。製造販売業者が推

奨する最大液体流量及び最高振動数で,1 分間以上ハンドピースを作動させて,スイッチを切る。測定機

器を当てて,ハンドピースからチップ又はホルダを外すのに要するトルクを測定する。

7.3.4

チップの挿入

7.3.4.1

測定機器

挿入力を精度±0.5 N で測定できるもの。

7.3.4.2

手順

製造販売業者の取扱説明書によって,ハンドピース又はホルダにチップを装着し,チップの挿入に要す

る力を測定する。

7.3.5

強さ

強さは,次による。

a)

製造販売業者の取扱説明書によって,チップをハンドピースに装着する。金属(ステンレス鋼など)

表面にチップ作業域が水平になるように設置し,超音波治療機器を作動させずに,試料数 10 本のチッ

プ先端に

表 の負荷(ただし,中空のチップ及び樹脂チップの場合には,負荷は 1.0 N とする。)を 5

秒間かけた後,7.2 によって試験したとき,10 本すべてに折れ,曲がり又は変形がないときは,合格

とする。8 本以下の場合には,不合格とする。9 本の場合には,更に 5 本を追加して試験し,5 本すべ

てに折れ,曲がり又は変形がないときは,合格とする。

b)

製造販売業者の取扱説明書によって,チップをハンドピースに装着する。φ3 mm の孔のあいたアク

リル樹脂の筒にチップの作業部を挿入し,製造販売業者が指定した出力で,試料数 10 本のチップ先端

表 の負荷(中空チップ及び樹脂チップの場合には,負荷は 1.0 N とする。)を 5 秒間かけた後,7.2

によって試験したとき,10 本すべてに折れ,曲がり又は変形がないときは,合格とする。8 本以下の

場合には,不合格とする。9 本の場合には,更に 5 本を追加して試験し,5 本すべてに折れ,曲がり又

は変形がないときは,合格とする。


8

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表 2−チップ先端寸法及び負荷

チップ先端寸法

mm

負荷

N

0.2 未満 0.15

0.2 以上    ∼ 0.25 未満 0.25 
0.25 以上  ∼  0.3 未満 0.5 
0.3 以上    ∼ 0.35 未満 0.8 
0.35 以上  ∼  0.4 未満 1.2 
0.4 以上    ∼ 0.45 未満 1.5 
0.45 以上  ∼  0.5 未満 2.2 
0.5 以上    ∼ 0.55 未満 3.1 
0.55 以上 3.7

7.3.6

耐食性及び滅菌に対する耐久性

耐食性及び滅菌に対する耐久性は,次の a)  及び b)  又は ISO 13402 によって行う。

a)

沸騰水中にチップ及びホルダを浸して,30 分間煮沸する。その後,加熱を停止して,そのままの状態

で 1 時間放置した後,チップ及びホルダを取り出して,空気中で室温になるまで放置する。この操作

を 5 回反復する。次に,倍率が 5 倍以上の拡大鏡で,さび及び変色の有無を調べる。

b)

製造販売業者が取扱説明書に指定した条件で,テストピースに 250 回の滅菌処理を行う。滅菌処理後

に 7.2 によって滅菌した器具を検査する。劣化の兆候が認められてはならない。

5.1.2.1

5.1.2.25.1.2.35.1.3.15.1.3.25.1.3.35.1.45.1.5 及び 5.3.1 に関する試験を,滅菌した

器具について行う。

7.3.7

コーティングの密着性試験

コーティングの密着性試験は,次による。

a)

製造販売業者の取扱説明書によって,チップをハンドピースに装着する。ハンドピースを横方向から

(振動面又は振動方向に垂直に)

表 に規定する負荷(ただし,中空のチップ及び樹脂チップの場合

には,負荷は 1.0 N とする。

)でガラス面に押し付ける。製造販売業者が推奨する振幅が最大となる出

力で 5 秒間作動させ,7.3.1 によって,コーティングのはがれを確認する。

b)

ファイル及び針状チップは,φ3 mm の孔のあいたアクリル樹脂の筒に作業部を挿入し,

表 に規定

する負荷(ただし,中空のチップ及び樹脂チップの場合には,負荷は 1.0 N とする。

)で,製造販売業

者が指定した振幅となる出力で 5 秒間作動させ,7.3.1 によって,コーティングのはがれを確認する。

7.3.8

コーティングの厚さ試験

コーティングの厚さ試験は,JIS H 8501 又は ISO 26423 の試験方法による。

7.4

振動数

7.4.1

測定機器

非接触振動数測定具,振動数電子計測器又は適切な時間軸をもつオシロスコープで,測定値の±10 %の

精度で作動するもの。

7.4.2

手順

製造販売業者の取扱説明書によって,チップをハンドピース又はホルダに装着する。負荷をかけずに,

製造販売業者が推奨する最大液体流量及び最高出力で,1 分間以上チップを作動させ,作動領域において

チップの振動数を測定する。


9

T 5750

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7.5

振幅(無負荷時)

7.5.1

測定機器

非接触の光学式又は電子式長さ測定具で,測定値の±10 %の精度をもつもの。

7.5.2

手順

製造販売業者の取扱説明書によって,チップをハンドピース又はホルダに装着する。負荷をかけずに,

冷却液を流したり止めたりしながら,製造販売業者が推奨する最高出力で,1 分間ハンドピースを作動さ

せる。あらゆる方向にチップを用いた後,5∼10 秒の時間範囲におけるチップの最大振幅を測定し,振幅

を記録する。

7.6

振幅(負荷時)

7.6.1

測定機器

測定機器は,次による。

a)

非接触の光学式又は電子式長さ測定具  測定値の±10 %の精度をもつもの。

b)

平滑なガラス平板  50 mm×50 mm,厚さ 2 mm で上面が着色されたもの。ガラス上面の着色には,油

性マーカペンを用いてもよい。

c)

顕微鏡  100 倍以上の倍率で,校正された接眼マイクロメータをもつもの。

7.6.2

手順

手順は,次による(

図 参照)。

a  油性マーカの着色面                    1  板ガラス 
b  チップ移動方向

図 1−負荷されたチップの振幅

a)

製造販売業者の取扱説明書によって,チップをハンドピースに装着する。ハンドピースを横方向から

(振動面又は振動方向に垂直に)荷重 1.0 N で着色ガラス面(記録面)に押し付ける。チップの先端

だけがガラス上面に触れ得る。

注記  記録面(ガラス上面)に対して最大 10° (+5°)  の方向のずれは,測定を容易にするために許

容する。


10

T 5750

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b)

チップの軌跡が記録されるように,記録面に並行かつ振動方向に垂直に,着色ガラス面上でチップを

動かすか,又はガラス面を動かす。

c)

チップに電力を加えて,又は加えずに,軌跡の振幅を測定する。

7.7

冷却液の供給

7.7.1

測定機器

測定機器は,次による。

a)

容量測定器  冷却液量を±5 %の精度で測定できるもの。

b)

圧力計  ホースと接続部とで冷却液の供給圧力を 5 %の精度で測定できるもの。

7.7.2

手順

製造販売業者が推奨するように,液供給圧を調節し,ハンドピースを最大出力で 1 分間作動させる。液

がチップの作動域に適切に向けられているか判定するために,液の方向を観察し,集められた液の体積を

測定する。

7.8

騒音レベル

7.8.1

測定機器

測定機器は,次による。

a)

騒音計  JIS C 1509-1 に適合するサウンドレベルメータ。

b)

非固定式ハンドピース懸垂装置

7.8.2

試験環境

2.5 m×2.5 m×2.5 m 以上の部屋で,半径 1 m 以上の空間を設定して試験を行う。A 特性の重みを付けた

暗騒音レベルは,55 dBA より小さくなければならない。ハンドピースの半径 1 m 範囲内に,硬い反響面が

存在してはならない。硬い面からの反響を減らすために,発泡体又は非反響材料を用いてもよい。

7.8.3

手順

手順は,次による。

a)

非固定式ハンドピース懸垂装置によって,部屋の中心にハンドピースをつり下げる。製造販売業者が

推奨する最高電力を供給して,無負荷のハンドピースを作動させる。

b)

騒音計を用いて,チップから 0.45 m の距離で,ハンドピースから発生する A 特性の重みを付けた最高

騒音レベルを測定する。

7.9

連続漏れ電流及び患者測定電流

超音波治療器全般について,漏れ電流及び患者測定電流は,次による。

a)  JIS T 0601-1

の 章の要求によって,超音波治療器が通常作動温度に達した後に,試験する。

b)  JIS T 0601-1

の 4.10 に規定する湿度前処理を行った後に,試験する。加湿槽の外に置かれた超音波治

療器について測定を行い,超音波治療器を加湿槽から取り出して,加湿槽の温度以下の温度環境に置

いてから 1 時間後に測定を始める。試験の間,超音波治療器に通電しない測定を最初に行う。

測定は,JIS T 0601-1 の 19.4 による。

7.10

耐電圧,沿面距離及び空間距離

JIS T 0601-1

表 によって,JIS T 0601-1 の 20.2B-d は除く。),20.320.4 及び 57.10 d)  の規定によ

る。

a)

作動温度までウォーミングアップして機器のスイッチを切った直後の状態。

b)

試験中通電せずに,加湿槽中に保存された超音波治療器について,

JIS T 0601-1 の 4.10(湿度前処理)

に規定する]湿度前処理を行った直後に,そして通電していない器具について,第 1 回の要求される


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滅菌手順(JIS T 0601-1 の 44.7 参照)を行った後に,最初は,定められた電圧の半分以下の電圧を加

え,それから 10 秒間かけて規定電圧まで高めて,1 分間持続する。

試験は

JIS T 0601-1 の 20.4 及び 57.10 d)  による。

7.11

連動する機能

7.11.1

目視検査

拡大しないで,健常視力で目視検査を行う。

7.11.2

根管長測定機能

7.11.2.1

測定精度

7.11.2.1.1

測定機器

測定機器は,次による。

a)

図 に示すものと同等の試験が行える試験系  透明ケース中の物質は,液状の生理食塩水に限らず生

理食塩水を寒天で固めたもの,又は脱脂綿に生理食塩水を含ませたものでもよい。

b)

  ハイトゲージ  JIS B 7517 に規定するハイトゲージ。

7.11.2.1.2

手順

手順は,次による。

a)

目視によるファイル先端が根せん(尖)又は規定位置に達した位置(実際の位置)を基準とする。

b)

ハイトゲージによりファイルの先端を根管長測定の表示による根せん又は規定位置に達したことを示

す位置に移動する(機器表示により規定される位置。

c)

移動量を差値(ずれ)とする。測定結果と実際の位置との二つの位置の差を算出する。算出する差値

は,ファイル先端が根せん又は規定位置を超えた状態を正の値,ファイル先端が根せん又は規定位置

に達していない状態を負の値とする。

図 2−測定精度の試験系の例

7.11.2.2

表示値

製造販売業者が指定する根せんインピーダンスと等価の回路を用いて試験する。この等価回路は,

採用さ

れる根管長測定原理によって異なるが,抵抗及びコンデンサで構成する代表的な例を,

図 に示す。


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注記  R 及び C の値は,採用される根管長測定原理ごとに適宜決定する。

図 3−根せん(尖)インピーダンスと等価の回路

7.11.2.3

電極の耐食性及び滅菌に対する耐久性

試験は,7.3.6 による。

7.11.3

歯面清掃機能

7.11.3.1

清掃用水の供給量

7.11.3.1.1

測定機器

測定機器は,次による。

a)

圧力計  ホースジョイント部で,±5 %の精度で測定できるもの。

b)

容量測定器  ±5 %の精度で測定できるもの。

7.11.3.1.2

手順

手順は,次による。

a)

ホースジョイント部での水の供給圧力を,製造販売業者が指定する圧力に調整する。

b)

製造販売業者が指定する方法で,ホースジョイント部に流量計を連結し,ハンドピースを 1 分間作動

させ,容量測定器具に吐出した水量を測定する。

7.11.3.2

清掃用空気の供給量

7.11.3.2.1

測定機器

測定機器は,次による。

a)

圧力計  ホースジョイント部で,±5 %の精度で測定できるもの。

b)

流量計  ±5 %の精度で測定できるもの。

7.11.3.2.2

手順

手順は,次による。

a)

ホースジョイント部での空気の供給圧力を,製造販売業者が指定する圧力に調整する。

b)

製造販売業者が指定する方法で,ホースジョイント部に流量計を連結し,ハンドピースを 1 分間作動

させ,容量測定器具に吐出した空気流量を測定する。

7.11.3.3

清掃用粉体の吐出量

7.11.3.3.1

測定機器

測定機器は,次による。

a)

圧力計  ホースジョイント部で,±5 %の精度で測定できるもの。

b)

はかり  ±50 mg の精度で測定できるもの。

7.11.3.3.2

手順

手順は,次による。

a)

ホースジョイント部での空気の供給圧力を,製造販売業者が指定する圧力に調整する。

b)

製造販売業者が指定する清掃用粉体及び方法で,粉体を専用ケースに入れ,水の供給を停止し,ハン

ドピースを作動させ,粉体が吐出されることを確認した後,1 分間の吐出量を測定する。

R

C


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7.11.3.4

ハンドピースの先端部分の耐食性及び滅菌に対する耐久性

試験は,7.3.6 による。

8

添付する文書

超音波治療器には,操作法,操作者による保守,注油,安全対策及びサービスに関する情報を記載した

文書を添付しなければならない。

この文書には,次の項目を記載しなければならない。

a)

製造販売業者の名称及び/又は商標,並びに住所

b)

製品の名称

c)

電源定格(電圧,周波数)

d)

チップの用途についての記載。

e)

チップ又はホルダの交換工具が滅菌可能の有無。

f)

ISO 17664

に規定した,推奨され,妥当性が確認された汚れを落とす手順。

g)  ISO 17664

に規定した,推奨する清掃,消毒及び滅菌の指示(適用できる場合)

h)  ISO 17664

に規定するように適用できる場合,再滅菌可能な装着部,及び非滅菌状態で供給される装

着部について,規定される滅菌法の指示。

i)

超音波治療器が現場で修理可能かどうかについての記載。

j)

規定する照明用電源(該当する場合)

k)

附属品及び工具(該当する場合)

l)

超音波治療器を正常に用いるのに必要な定期的保守,及びこの保守を必要とする頻度についての記載。

m)

超音波治療器が安全で有効に用いられるための注意事項(例えば,

パワー設定限界及び液体流量限界)

n)

根管拡大用チップ用にストッパを用いる場合,専用のストッパを用いるなど,先端まで注水されるよ

う,使用上の注意の記載。

o)

根管拡大用チップとして用いるファイル・リーマについての記載(該当する場合)

p)

最大振幅が 200 μm を超える場合には,その振幅の記載。

q)

チップの交換にかかわる注意事項。

9

表示

超音波治療器の表示は,次による。

a)

法定表示事項

b)

種類及び形式(該当する場合)

c)

オートクレーブ処理可能を示す表示(該当する場合)

d)

単回使用の装着部には,

“再使用不可”の記号。

e)

駆動周波数

表示用図記号は,JIS T 0307 及び JIS T 5507 に準拠していなければならない。

10

包装

超音波治療器は,輸送する場合,予期できる輸送条件の下で製品に損傷がないように,包装することが

望ましい。


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附属書 A

参考)

性能及び一般的設計

序文

この附属書は,歯科用多目的超音波治療器に関する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

A.1

一般

超音波治療器は,操作者にとって使い心地がよく,取り扱いやすいことが望ましい。超音波治療器の外

面は,清掃しやすいことが望ましく,操作者が取り扱うとき,握り部分の面をしっかりつかめるように,

特別に注意を払うことが望ましい。ぎらつきを抑えるために,面を高度に磨き上げないほうがよい。

A.2

材料

超音波治療器の製作に用いる材料は,すべてその使用目的に適していることが望ましい。超音波治療器

は,7.3.6 によって試験したとき,製造販売業者が推奨する清掃・消毒・滅菌手順に耐えなければならない。

A.3

構造及びレイアウト

超音波治療器は,安全で確実な操作ができるような構造であることが望ましい。超音波治療器は,現場

で修理できるならば,容易に入手できる道具又は製造販売業者が供給する特殊な道具を用いて,保守及び

修理のために,容易に分解できて再組立てができることが望ましい。


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附属書 B

参考)

チップ,ホルダ及びハンドピース形状

序文

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

B.1

チップ形状

チップ形状の代表例を,

図 B.1 に示す。

スケーリング用チップ

ルートプレーニング用チップ

根管拡大用チップ

充てん(填)用チップ

除去用チップ

図 B.1−チップ形状の代表例

B.2

ハンドピース形状

ハンドピース形状及びチップ部構成の代表例を

表 B.1 に示す。

表 B.1−ハンドピース形状及びチップ部構成の代表例

チップ部構成

ハンドピース

 

 

ホルダ

ホルダ

インサート