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T 5601:2017 (ISO 7493:2006) 

(1) 

目 次 

ページ 

序文  1 

1 適用範囲 1 

2 引用規格 1 

3 用語及び定義並びに記号  1 

3.1 用語及び定義  1 

3.2 記号  2 

4 要求事項 4 

4.1 一般  4 

4.2 シートの高さ及び調節範囲  5 

4.3 術者用椅子の耐負荷能力  5 

4.4 術者用椅子の安定性  5 

4.5 バックレストのたわみ  5 

4.6 アームレスト及びトルソサポート(torso support)の破損又は変形 5 

4.7 清掃及び消毒  5 

4.8 可燃性  5 

5 サンプリング  5 

6 試験手順 5 

6.1 一般  5 

6.2 目視検査  5 

6.3 機器  5 

6.4 術者用椅子の耐負荷能力  6 

6.5 術者用椅子の安定性  6 

6.6 バックレストのたわみ  6 

6.7 アームレスト及びトルソサポートの破損又は変形  6 

6.8 清掃及び消毒  6 

6.9 可燃性  6 

7 製造販売業者の取扱説明書  7 

8 術者用椅子の表示  7 

9 術者用椅子の包装  7 

附属書A(参考)術者用椅子の設計に関する製造販売業者への推奨事項  8 

参考文献  9 

 


 

T 5601:2017 (ISO 7493:2006) 

(2) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本歯科器械工業

協同組合(JDMMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を

改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣が改正した日本工業規格で

ある。 

これによって,JIS T 5601:1993は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。厚生労働大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

 

 


 

 

日本工業規格          JIS 

 

T 5601:2017 

 

(ISO 7493:2006) 

歯科術者用椅子 

Dentistry-Operator's stool 

 

序文 

この規格は,2006年に第3版として発行されたISO 7493を基に,技術的内容及び構成を変更すること

なく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

 

適用範囲 

この規格は,歯科診療室内の術者用椅子について規定する。 

この規格では,“歯科術者”には,歯科医師,歯科衛生士及び歯科助手を含む。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 7493:2006,Dentistry−Operator's stool(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ

とを示す。 

 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS T 5507 歯科用器械−図記号 

注記 対応国際規格:ISO 9687,Dentistry−Graphical symbols for dental equipment(MOD) 

ISO 1942,Dentistry−Vocabulary 

ISO 8191-1,Furniture−Assessment of the ignitability of upholstered furniture−Part 1: Ignition source: 

smouldering cigarette 

ISO 21530,Dentistry−Materials used for dental equipment surfaces−Determination of resistance to chemical 

disinfectants 

 

用語及び定義並びに記号 

3.1 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,ISO 1942によるほか,次による。 

3.1.1 

術者用椅子(operator's stool) 

歯科術者が座って行う歯科診療において,一般的要求事項を満足する高さ調節が可能な可動椅子。 


T 5601:2017 (ISO 7493:2006) 

 

3.1.2 

前後方向の平面(anterior-posterior plane) 

術者用椅子を左半分と右半分とに分ける垂直平面。 

3.1.3 

シートの高さ(seat height) 

回転軸が,力を加えられたシート表面又は力を加えていないシート表面と交わる点から床までの垂直距

離。 

注記 シートの高さは,図1のh1及びh2をいう。 

3.1.4 

シートの幅(seat width) 

シートの前後方向の平面に対して直角に測定した,シートの最も広い部分における,シート側面の上端

面の水平寸法。 

注記 シートの幅とは,図1のc3をいう。 

3.1.5 

シートの奥行き(seat depth) 

シートの前端と後端の垂直投影との間で,シートの前後方向面内で,シートの中心を通って測定した水

平寸法。 

注記1 椅子にバックレストが装備されている場合,その寸法は,バックレストの中心線の最前部の

投影とシートの先端の垂直投影との間で測定する。 

注記2 シートの奥行きは,図1のc1及びc2をいう。 

3.1.6 

バックレストの高さ(backrest height) 

シートに力を加え,バックレストに力を加えない状態において,基準点AとBとの間の垂直距離。 

この測定では,バックレストが前後方向に動く場合,最前方位置にすることが必要である。また,水平

軸の回りに回転(リクライニング)する場合,最も垂直に近い位置にすることが必要である。 

注記1 バックレストの高さは,図1のh3をいう。 

注記2 基準点Aは,3.2のAによる。 

注記3 基準点Bは,3.2のBによる。 

3.1.7 

術者用椅子の最も不安定な位置(least favourable position of the operator's stool) 

シートの傾きの安定性を考慮して,シートの荷重支持部分及び2個の隣接キャスタを,最も不安定な状

況に置いた術者用椅子の位置。 

注記 術者用椅子の最も不安定な位置は,図1の右半分に示す配置をいう。 

3.2 

記号 

記号は,次による(図1参照)。 

h1 力を加えたときのシートの高さ 

h2 力を加えないときのシートの高さ 

h3 バックレストの高さ 

c1 シートの奥行き 

c2 シートの奥行き(バックレストを備えている場合) 


T 5601:2017 (ISO 7493:2006) 

 

c3 シートの幅 

術者用椅子の回転軸と,最も不安定な位置にある,隣接するキャスタ2個の中心を結ぶ線との間の距

離 

基準点A:椅子の垂直軸が,力を加えられたシートの上面と交わる点 

基準点B:腰部を支えるバックレストのシートの中心であり,バックレストのたわみを試験するため

に加える点 

基準点C:術者用椅子の耐負荷能力を試験するために垂直力を加える,垂直軸上の点 

基準点D:力を加えていないシートの上面上で,最も不安定な位置にあるシートの荷重支持構造の縁

から60 mmの距離にあり,術者用椅子の安定性を試験するために垂直力及び水平力を加える点(安定

性試験で加えられる力の大きさ及び方向を,明確にするため,図示してある。) 

基準点E:アームレストを試験するために,垂直力を加える点 

基準点F:アームレストを試験するために,水平力を加える点 

基準点G:アームレストを試験するために,水平力を加える点 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


T 5601:2017 (ISO 7493:2006) 

 

単位 mm 

 

 

記号 

床 

試験用パッド1 

試験用パッド2 

ストッパ 

注記1 この図は,術者用椅子の設計を想定するためのものではない。アームレストの描画は,アームレスト

又は(装備されている場合)トルソサポートを表す。 

注記2 右上の図は,シートをZ軸の回りに45°回転した図である。 

 

図1−術者用椅子の寸法及び基準点の呼称 

 

要求事項 

4.1 

一般 

4.1.1 

次の要求事項に対する適合性は,6.2による。 

4.1.2 

術者用椅子のシートは,高さ調節が可能で,垂直軸の回りを自由に回転できなければならない。 


T 5601:2017 (ISO 7493:2006) 

 

4.1.3 

術者用椅子の上部は,工具を使用せずに,下部から取り外せてはならない。 

4.1.4 

術者用椅子は,シートの高さとは無関係に,水平方向及び垂直方向に調節できるバックレストを装

備することが望ましい。 

4.1.5 

術者用椅子は,下部に5角形に配置された5個のキャスタを装備することが望ましい。 

4.2 

シートの高さ及び調節範囲 

製造販売業者は,力を加えられたシートの調節可能最低高さ及びシートの高さの調節範囲を,取扱説明

書に示さなければならない。 

4.3 

術者用椅子の耐負荷能力 

術者用椅子の試験における高さh1の変化は,10 mmを超えてはならない。 

試験は,6.4による。 

4.4 

術者用椅子の安定性 

術者用椅子は,試験中に転倒してはならない。 

試験は,6.5による。 

4.5 

バックレストのたわみ 

バックレストは(装備されている場合),基準点Bにおいて水平方向のたわみが30 mmを超えてはなら

ない。 

試験は,6.6による。 

4.6 

アームレスト及びトルソサポート(torso support)の破損又は変形 

アームレスト又はトルソサポートは(装備されている場合),破損又は変形することなく,耐えなければ

ならない。 

試験は,6.7による。 

4.7 

清掃及び消毒 

術者用椅子の外装部は,製造販売業者が推奨する薬剤を用いて,椅子表面及び表示を劣化することなく,

清掃及び消毒ができなければならない。 

試験は,6.8による。 

4.8 

可燃性 

術者用椅子のカバー材料及び詰物は着火することなく,焦げ痕が生じた場合,焦げ痕の長さは,試験タ

バコの全周から30 mmを超えてはならない。 

試験は,6.9による。 

 

サンプリング 

術者用椅子の代表的サンプル1台を用いる。 

 

試験手順 

6.1 

一般 

この規格で規定する試験は,全て形式試験である。 

6.2 

目視検査 

目視検査は,拡大せずに,健常視力で行う。 

6.3 

機器 

試験には,次の機器を使用する。 


T 5601:2017 (ISO 7493:2006) 

 

6.3.1 

術者用椅子 

6.3.2 

試験用パッド1:直径が350 mmで角の丸み半径が15 mmのもの(図1参照) 

6.3.3 

試験用パッド2:直径が100 mmで角の丸み半径が15 mmのもの(図1参照) 

6.4 

術者用椅子の耐負荷能力 

シートの高さを,最高位に調節する。 

シート上に測定点を選んで印を付ける。 

試験用パッド1を使用して,シートの中心(図1の基準点C)に1 350 Nの下向き垂直方向に力を加え

続ける。 

5分後に,床から測定点までの垂直距離h1(単位:ミリメートル)を測定して記録する(測定値1)。 

60分後に,床から測定点までの垂直距離h1(単位:ミリメートル)を再測定して記録する(測定値2)。 

h1の変化量(単位:ミリメートル)を計算し記録する(測定値1−測定値2)。 

6.5 

術者用椅子の安定性 

シートを水平面上に置き,シートを最高位置に調節して,キャスタに対して最も不安定な位置になるよ

うに回転させ,2個の隣接するキャスタを,椅子が傾いてもよいが横滑り又は転倒しないように,ストッ

パに当てる。 

試験用パッド2を使用して,最も転倒することになる可能性が高い点(図1に示す基準点D:荷重支持

構造の縁から60 mm内側の位置)に,600 Nの下向き垂直方向の力を加え続ける。 

同時に試験用パッドの底部がシートの上面に接触する点(図1に示す基準点D)で,20 Nの水平方向の

力を外側向きに,少なくとも5秒間,加え続ける。 

術者用椅子が転倒しないことを確認し記録する。 

6.6 

バックレストのたわみ 

バックレストを,最も高い位置に調節する。 

術者用椅子を床に固定する。 

バックレスト上に基準点B(図1参照)の印を付け,床上に付けた任意の点からの水平距離(単位:ミ

リメートル)を測定する。バックレストがスプリング式の場合は,スプリングを完全に圧縮した後に,水

平距離を測定して記録する。 

試験用パッド2を使用して,基準点Bに250 Nの水平方向の力を加えた状態で床上の点から基準点Bま

での水平距離を再測定して記録する。 

得られた二つの値の差をたわみ量として計算し記録する。 

6.7 

アームレスト及びトルソサポートの破損又は変形 

試験用パッド2を使用して,アームレスト又はトルソサポートの最も破損又は変形が生じる可能性が高

い点(図1の基準点E)で,335 Nの下向き垂直方向に1分間の力を加える。次に,アームレスト又はト

ルソサポートの最も破損又は変形が生じる可能性が高い点(図1の基準点F及び基準点G)で,それぞれ,

外側向き及び内側向きに,水平方向に220 Nの力を加える。 

6.8 

清掃及び消毒 

清掃及び消毒は,製造販売業者が推奨する薬剤を使用する。 

試験は,ISO 21530による。 

6.9 

可燃性 

試験は,ISO 8191-1による。 

 


T 5601:2017 (ISO 7493:2006) 

 

製造販売業者の取扱説明書 

製造販売業者は,術者用椅子を安全に操作して使用するための取扱説明書を提供しなければならない。

これらの取扱説明書には,操作及び保守の段階ごとの手順及び制御部を図で示し,使用法説明とともに記

載しなければならない。 

また,取扱説明書には次の情報を含んでいなければならない。 

a) シートの最低高さ 

b) シートの最高高さ 

c) シートの高さ調節範囲 

d) シートの奥行き 

e) シートの幅 

f) 

バックレストの調節範囲 

g) 推奨する清掃剤,消毒剤及びそれらの使用説明書 

 

術者用椅子の表示 

術者用椅子には,少なくとも次の情報を表示しなければならない。 

a) 製造販売業者の名称又は商標 

b) 製品名称 

c) 製造番号 

表示に用いる記号は,JIS T 5507による。 

 

術者用椅子の包装 

術者用椅子は,予測できる輸送条件の下で損傷が生じないように,輸送に備えて包装しなければならな

い。 

数個の包装で供給する場合は,術者用椅子の組立て及び取付けが容易にできるように外側に識別しなけ

ればならない。 

 


T 5601:2017 (ISO 7493:2006) 

 

附属書A 

(参考) 

術者用椅子の設計に関する製造販売業者への推奨事項 

 

A.1 JIS Z 8501及びISO 11226に規定する人間工学の原理を,術者用椅子の設計に取り入れることが望ま

しい。 

 

A.2 術者用椅子及びバックレストは,歯科診療を行う際に通常想定できる全ての体位を,歯科術者が楽

にとれるように設計することが望ましい。 

 

A.3 シートの先端部は,もも(腿)の下の圧力を最小にするような形状であることが望ましい。 

 

A.4 カバー材料は耐水性であり,歯科術者が長時間,温度及び湿度が変わる可能性がある間座っても快

適であるような材料であることが望ましい。 

 

A.5 歯科術者が正しい作業姿勢をとったときにバックレスト横方向の調節によって支えられることが望

ましい。 

 

A.6 術者用椅子は,別に規定しなければ,力を加えた状態又は加えない状態で,容易に動かせなければ

ならない。 

 

A.7 床に接触するキャスタに用いる材料は,床の被覆物に車輪の痕跡を付けないだけの耐摩耗性をもつ

ことが望ましい。 

 

A.8 キャスタの寸法は,接触荷重が床の被覆物をきずつけたり,へこませたりすることが最小になるも

のであることが望ましい。また,別に規定しなければ,力を加えた又は加えない術者用椅子が,どの方向

にも自由に動かせることが望ましい。 

 

A.9 シートの高さ調節機構が,平衡力によって支持する場合,全調節範囲にわたり,その平衡力によっ

て,十分に,支持が確実でなければならない。 

 

A.10 突出部が生じないように設計することが望ましく,隣接する歯科用器械を損傷する危険性だけでな

く,患者及び従業員を傷つける危険性が最小になるように機械的部分を保護することが望ましい。 

 

A.11 シート及びバックシートを調節するための制御部が取り付けられている場合,制御部が偶発的に作

動することのないように配置されていることが望ましい。 

 

A.12 正常な作動条件の下で危険を生じる可能性がある動く部分には,歯科術者又は他の従業員を傷つけ

る危険性が最小になるように,保護手段を設けることが望ましい。 


T 5601:2017 (ISO 7493:2006) 

 

参考文献 

 

[1] JIS Z 8501:2007 人間工学−作業システム設計の原則 

注記 対応国際規格:ISO 6385,Ergonomic principles in the design of work systems 

[2] ISO 11226,Ergonomics−Evaluation of static working postures