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日本工業規格

JIS

 T

5601

-1993

歯科術者用いす

Dental operator's stool

日本工業規格としてのまえがき 

この規格は,1985 年第 1 版として発行された ISO 7493 (Dental operator's stool)  を翻訳し,原国際規格の様

式によって作成した日本工業規格であるが,規格の名称を“歯科術者用いす”とし,規定内容の一部を我

が国の実情に即して変更した。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格の規定内容を変更した事項又は原国際規格

にはない事項である。

序文  この規格の目的は,歯科術者用いすの設計と機能について,歯科術者(以下,術者という。)が,診

療を効果的かつ安全に行えるようにするもので,診療作業の実施中に起こる特に肩や背骨の筋肉及び骨格

の応力を最小にし,過度の筋肉活動をなくし,自由な動きを可能にするためのものである。

1.

適用範囲  この規格は,歯科術者用いす(以下,いすという。)について,人間工学的,衛生的及び安

全性を考慮した材料及び構造についての試験方法並びにこれらの必要条件を規定するものである。

2.

用語の定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。

(1)

歯科術者用いす  術者が腰掛けた状態における歯科診療の実施に関連する一般的必要条件を満足させ,

高さ調節の可能な可動いす。

(2)

座台の高さ  質量を加えた状態のときの座台上面と,回転軸との交点と床との間の距離(図 の 

照)

(3)

座台の奥行き  垂直投影された前縁と後縁との間の座台前後面間を通り,幅 のセンターを通って計

測された水平距離。いすが背もたれを装備しているときは,この距離は背もたれの中央線の最も突出

した部分と,前縁の通常突出部との間で計った距離である(

図 の 参照)。

(4)

背もたれの高さ  X から Z までの垂直高さ又は製造業者の指定する高さ。背もたれが水平軸を中心に

して回るようになっていれば,垂直位置に置かなければならない(

図 の 参照)。

                                                        

この規格の目的上,術者には歯科助手を含まないものとする。


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T 5601-1993

図 1  いすの図解

備考  この図は,いすのデザインを規定するものではない。

3.

特性

3.1

一般的設計

(1)

安全性を考慮して,突出した部分がないようにし,機械的な部分は保護されていること。

(2)

座台の調節用制御装置がある場合には,術者の近くにあって,容易に操作できること。

(3)

いすは特に規定しない限り,質量を加えた状態で容易に可動しなければならない。

(4)

いすにキャスタが装着されている場合は,キャスタの床への接触面の材質によって,床面にきずを付

けるようなことがあってはならない。

備考  キャスタの数,取付位置及び寸法は,接触負荷を最小にするように作られていて,特に規定さ

れない限り,いすはいかなる方向にも自由な運動ができること。


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T 5601-1993

(5)

座台の高さを調節する機能がある場合には,調節域全域にわたって十分な支持をし,通常の場合には

この力は約 250N であること。

さらに,いすを設計するとき,製造業者は次の(6)に規定されている六つの勧奨項目を考慮に入れる

こと。

(6)

いすの設計について製造業者に対する勧奨

(a)

いすは,背もたれを備えていることが好ましい。

(b)

いすの座台は,垂直軸上を回転することが好ましい。

(c)

いすと背もたれの設計は,診療姿勢を楽にさせることによって,術者の診療を容易にするものであ

ること。

(d)

座台前縁は,大たい(腿)の下の圧力を最小にするような状態であること。

(e)

座台及び背当ては,術者が長時間腰掛けても疲労や不快感のないものでなければならない。

(f)

背もたれの水平方向調節は,術者を正しい診療姿勢にするようなものでなければならない。

3.2

調節範囲域及び寸法

(1)

座台の高さ  最高位置から最低位置までの座台の高さの調節域は,110mm 以上であること。その最低

位置に調節したときの質量 (135kg) を加えた状態での座台上面の高さ(

図 の A)は,475mm 以下で

あること。

(2)

座台の奥行き  座台の奥行き(図 の C)は,350mm 以上であること。

(3)

座台の幅  座台の幅(図 の B)は,340mm 以上であること。

3.3

いすの耐負荷能力  4.1 によって試験したとき,いすは負荷の与えられている間に倒れたり,たわみ

があってはならない。

3.4

倒れに対する安定性  4.2 によって試験したとき,いすは倒れてはならない。

3.5

背もたれのたわみ  4.3 によって試験したとき,背もたれは X’点において 30mm を超えてたわみが

あってはならない(

図 参照)。

3.6

清掃及び消毒  4.4 によって清掃及び消毒したとき,いすの表面に異常が発生してはならない。

3.7

可燃性  4.5 によって試験したとき,いすの外装及び詰物は燃え上がることがなく,かつ,消えた紙

巻たばこの周囲 30mm を超えた部位が黒焦げやきずになってはならない。

4.

試験方法  3.1 に規定した特性をもつことを確認するために必要な目視検査及び寸法の確認に加えて,

4.1

4.5 に規定した試験(形式試験とする。

)を実施しなければならない。

4.1

いすの耐負荷能力  座台の高さを最高位まで上げ,座台の中央に 135kg の質量を 15 分間加える。

4.2

安定性の確認  座台の高さを最高位まで上げ,キャスタの車輪をすべて一方向に向け,座台中心か

ら最も近い位置にある隣接した 2 個のキャスタの中間位から,回転中心方向へ向けて,座台辺縁から 60mm

の点(

図 の D)を中心に,800N の垂直方向の力を加える。

4.3

背もたれのたわみ  背もたれの中心点に 150mm 直径の当て物によって,250N の水平方向の力を加

えたときの背もたれが,後方へ動いた距離を測定する。

4.4

清掃及び消毒  いすのすべての外装部分を製造業者の推奨する薬剤で 20 回清掃及び消毒を行う。

4.5

可燃性(燃焼性)  いすを温度 23℃±2℃,相対湿度 (65±5) %の周囲条件の中で 48 時間維持する。

この周囲条件下で,いすの異なった三つの部位に 3 本の火のついた紙巻たばこを置き,紙巻たばこが完全

に燃え尽きるようにする。


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T 5601-1993

5.

取扱説明書  製造業者は,安全操作及びいすの使用法についての取扱説明書を供給しなければならな

い。これらの説明書には,操作及び保守の段階ごとの手順と制御装置の位置を示す図とを備え,その使用

法説明と共に記載しなければならない。

また,製造業者の推奨すべき清掃と消毒剤を,その取扱説明書の中に記載しなければならない。

6.

表示  いすには外部から見えるところに,次の事項を記載した銘板を取り付けなければならない。

(1)

製品の名称

(2)

製造業者名及びその所在地

(3)

製造番号

医療安全用具部会  歯科器械専門委員会  構成表

氏名

所属

(委員会長)

大  橋  正  敬

日本大学

小野瀬  英  雄

日本大学

川  和  忠  治

昭和大学

平  澤      忠

鶴見大学

吉  田  隆  一

日本歯科大学

淺  井  康  宏

東京歯科大学

稲  葉  裕  俊

工業技術院標準部

澤      宏  紀

厚生省薬務局

梅  田  昭  夫

日本歯科医師会

太  田  喜一郎

日本歯科医師会

鴨  井  久  一

日本歯科医師会

鶴  木      隆

日本歯科医師会

中  島  博  和

日本歯科医師会

土  生  博  義

日本歯科医師会

石  谷      薫

株式会社ワイデム・ヤマウラ

菅  谷  昭  正

株式会社吉田製作所

中  村  信  一

中村デンタル株式会社

堀  部  俊  郎

ピヤス合資会社

伊  藤  与士郎

株式会社デンテック

大  谷  哲  三

日本歯科器械工業協同組合

(事務局)

柾  谷  栄  吾

工業技術院標準部電気規格課

金  地  隆  志

工業技術院標準部電気規格課