日本工業規格
JIS
T
5408
-1989
歯科用骨やすり
Dental Bone Files
1.
適用範囲 この規格は,歯科用骨やすり(以下,やすりという。)について規定する。
2.
種類 やすりの種類は,その形状によって,次のとおりとする。
(1)
刃部は,
図 1 に示す直形,左形,右形,平形及びつくし形の 5 種類とする。
(2)
柄部は,
図 2 に示す輪状柄形及び張柄形の 2 種類とする。
なお,やすりは
図 1 の刃部と図 2 の柄部とを自由に組み合わせたものとする。
図 1 刃部
引用規格:3 ページに示す。
2
T 5408-1989
図 2 柄部
3.
品質
3.1
外観 やすりの刃面以外の部分は,色合い及び光沢が良好であって(滑り止めのための白つや出し
はこの限りでない。
)
,きず,さび,まくれ,その他有害な欠点がなく,仕上げが良好なものでなければな
らない。
また,刃面のやすり目は,均等に刻まれていなければならない。
3.2
硬さ 刃面の硬さは,6.2 の試験方法によって試験を行ったとき,炭素工具鋼では HRC58 以上又は
HV654
以上,ステンレス鋼では HRC50 以上又は HV513 以上でなければならない。
3.3
切削性能 6.3 の試験方法によって試験を行ったとき,JIS K 6718(メタクリル樹脂板)に規定する
メタクリル樹脂板の切削が容易であり,切削後のやすり目に摩滅又はまくれがあってはならない。
3.4
めっき 刃部のめっきは,JIS H 8617(ニッケル及びニッケル−クロムめっき)に規定された鉄鋼素
地上のめっき MFNi III 以上又は MFCr III 以上とし,柄部のめっきは,JIS H 8617 に規定された銅及び銅合
金素地上のめっき MBNi I 以上又は MBCr I 以上でなければならない。
4.
寸法 やすりの全長は 165±10mm とし,刃部は図 1,柄部は図 2 に示すとおりとする。
5.
材料及び加工方法 やすりの材料及び加工方法は,次による。
(1)
刃部の材料には,JIS G 4401(炭素工具鋼鋼材)に規定する SK1〜SK5 又は JIS G 4303(ステンレス
鋼棒)に規定する SUS 420 J2,SUS 420 F,SUS 431,SUS 440 A,SUS 440 B,SUS 440 C 若しくは SUS
440 F
を用い,輪状柄形の材料には,JIS H 5101(黄銅鋳物)に規定する YBsC 1〜YBsC 3,張柄形の
材料には,JIS H 3100(銅及び銅合金の板及び条)に規定する C 2801 P を用いる。
(2)
やすりは,刃部と柄部をろう付けによって接合するものとする。
(3)
やすりには,3.4 に規定するめっきを施すものとする。
6.
試験
3
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6.1
外観試験 3.1 の外観について目視によって調べる。
6.2
硬さ試験 刃面に対して JIS Z 2245(ロックウェル硬さ試験方法)又は JIS Z 2244(ビッカース硬さ
試験方法)に規定する方法によって試験を行う。試験片は同種材料のものを,やすりと同条件で熱処理し
たものとする。
6.3
切削試験 JIS K 6718 に規定するメタクリル樹脂板をやすりで切削する。
また,切削後のやすりの目について摩滅又はまくれの有無を調べる。
6.4
めっき試験 刃部及び柄部については,JIS H 8617 の 5.3 及び 5.4 に規定された方法によって行う。
7.
製品の呼び方 製品の呼び方は,名称及び種類による。
例 歯科用骨やすり 直形 輪状柄形
8.
表示 やすりには,製造業者名若しくはその略号又は商標を表示しなければならない。
引用規格:
JIS G 4303
ステンレス鋼棒
JIS G 4401
炭素工具鋼鋼材
JIS H 3110
銅及び銅合金の板及び条
JIS H 5101
黄銅鋳物
JIS H 8617
ニッケル及びニッケル−クロムめっき
JIS K 6718
メタクリル樹脂板
JIS Z 2244
ビッカース硬さ試験方法
JIS Z 2245
ロックウェル硬さ試験方法
4
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医療安全用具部会 歯科器械専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
野 本 直
東京医科歯科大学歯学部
大 橋 正 敬
日本大学歯学部
平 澤 忠
鶴見大学歯学部
淺 井 康 宏
東京歯科大学
加 藤 吉 昭
日本大学松戸歯学部
菊 池 進
日本歯科大学
鈴 木 紀 男
工業技術院標準部
渡 辺 徹
厚生省薬務局
梅 田 昭 夫
日本歯科医師会
岡 英 男
日本歯科医師会
太 田 喜一郎
日本歯科医師会
杉 山 勉
日本歯科医師会
吉 田 隆 一
日本歯科医師会
庵 原 靖 之
日本歯科医師会
堀 部 俊 郎
ピヤス合資会社
菅 谷 昭 正
株式会社吉田製作所
石 谷 薫
株式会社山浦製作所
中 村 信 一
中村デンタル株式会社
伊 藤 与士郎
株式会社デンテック
大 谷 哲 三
日本歯科器械工業協同組合
(事務局)
柾 谷 栄 吾
工業技術院標準部電気規格裸
米 山 弘 光
工業技術院標準部電気規格課